説明

車両乗降履歴関連付け装置および車両乗降履歴関連付け装置用のプログラム

【課題】車両の過去の履歴データを用いる技術において、降車と乗車の因果関係を特定して利用できるようにする。
【解決手段】乗車時刻および乗車場所のデータを含む乗車レコードと、降車時刻および降車場所のデータを含む降車レコードとの組を有する乗降レコードを、車両の走行の順に、走行履歴データに逐次記録し、同じ場所で同じ時間帯に乗車行動(または降車行動)があったレコードをグループ化して細分化乗車グループまたは細分化降車グループを作成し(ステップ100、200)、強い乗降の因果関係にある細分化乗車グループと細分化降車グループとを関連付けて乗降関連付けデータに記録する(ステップ300)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両乗降履歴関連付け装置および車両乗降履歴関連付け装置用のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行時の各種情報を記録し、記録した情報を利用して各種制御を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、エンジンオンからオフまでの走行ルート毎にそのルート内の各区間の平均車速等の情報を記録し、その記録した情報を後の運転支援に用いる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−213594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような技術では、ドライバが車両から降車した後、次の乗車がいつになるのかが不明である。つまり、降車と乗車の因果関係を特定することはできない。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、車両の過去の履歴データを用いる技術において、降車と乗車の因果関係を特定して利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、ドライバの車両への乗車行動を検出したときの時刻および前記車両の所在場所をそれぞれ乗車時刻および乗車場所とし、前記乗車行動の検出後にドライバの前記車両からの降車行動を検出したときの時刻および前記車両の所在場所をそれぞれ降車時刻および降車場所とし、当該乗車時刻および当該乗車場所のデータを含む乗車レコードと、当該降車時刻および当該降車場所のデータを含む降車レコードと、の組を有する乗降レコードを、前記車両の走行の順に、走行履歴データに逐次記録する走行情報記憶処理手段(17e)と、前記走行履歴データ中の乗車レコードのうち、同じ場所で同じ時間帯に乗車行動があった乗車レコードをグループ化することで1つ以上の細分化乗車グループを作成し、また、前記走行履歴データ中の降車レコードのうち、同じ場所で同じ時間帯に降車行動があった降車レコードをグループ化することで1つ以上の細分化降車グループを作成するグループ化手段(100、200)と、前記1つ以上の細分化降車グループのそれぞれに対し、当該細分化降車グループと乗降の因果関係の強い細分化乗車グループを検索し、検索の際は、当該細分化降車グループに属する降車レコードのそれぞれについて、当該降車レコードの次に前記走行履歴データに記録された乗車レコードが属する細分化乗車グループを特定し、その結果、特定された回数が基準回数以上となった細分化乗車グループを、当該細分化降車グループと強い乗降の因果関係にある細分化乗車グループとして選び出し、検索の結果選び出された細分化乗車グループに当該細分化降車グループを関連付ける情報を、乗降関連付けデータに記録する関連付け手段(300)と、ドライバの前記車両からの降車行動を検出したときの時刻および前記車両の位置を特定し、特定した時刻および位置を含む降車時間帯および降車場所を有する細分化降車グループを特定し、特定した細分化降車グループが関連付けられた先の細分化乗車グループを、前記乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した前記細分化乗車グループに対応した乗車時間帯に基づいて、現在ドライバが前記車両から降車したときに次に前記車両に乗車するときの時刻を予測する予測手段(620)と、を備えた車両乗降履歴関連付け装置である。
【0007】
このように、走行履歴データにおいて、細分化降車グループに属する降車レコードの次に記録された乗車レコードを見つけ、その乗車レコードが属する細分化乗車グループを特定していき、その特定された回数が多いものを、当該細分化降車グループの関連付け先とすることで、細分化降車グループと乗降の因果関係が強い細分化乗車グループを特定することができる。このようになっていることで、降車行動のあった時刻と位置さえわかれば、乗降関連付けデータに基づいて次の乗車時刻をある程度高い正確性で予測できる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両乗降履歴関連付け装置において、前記関連付け手段(300)は、前記1つ以上の細分化乗車グループのそれぞれに対し、当該細分化乗車グループと乗降関係の強い細分化降車グループを検索し、検索の際は、当該細分化乗車グループに属する乗車レコードのそれぞれについて、当該乗車レコードと組になって乗降レコードとして記録された降車レコードが属する細分化降車グループを特定し、その結果、特定された回数が基準回数以上となった細分化降車グループを、当該細分化乗車グループと強い乗降関係にある細分化降車グループとして選び出し、選び出された細分化降車グループに当該細分化乗車グループを関連付ける情報を、乗降関連付けデータに記録し、前記予測手段(425、620、730)は更に、ドライバの前記車両への乗車行動を最後に検出した時刻および当該時刻における前記車両の位置を特定し、特定した当該時刻と当該位置を含む乗車時間帯および乗車場所を有する細分化乗車グループを特定し、特定した細分化乗車グループが関連付けられた先の細分化降車グループを、前記乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した前記細分化降車グループの降車時間帯に基づいて次にドライバが前記車両から降車する時刻を予測するか、または、特定した前記細分化降車グループの降車場所に基づいて次にドライバが前記車両から降車する場所を予測することを特徴とする。
【0009】
このように、走行履歴データにおいて、細分化乗車グループに属する乗車レコードと組になって乗降レコードとして記録された降車レコードを見つけ、その降車レコードが属する細分化降車グループを特定していき、その特定された回数が多い細分化降車グループを、当該細分化乗車グループの関連付け先とすることで、細分化乗車グループpと乗降の因果関係が強い細分化降車グループを特定することができる。
【0010】
このようになっているので、乗降関連付けデータにおいて細分化乗車グループが細分化降車グループに関連付けられていることで、最後に乗車行動を検出した時刻または位置さえわかれば、乗降関連付けデータに基づいて降車時刻または降車場所をある程度高い正確性で予測できる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両乗降履歴関連付け装置において、前記予測手段(425、512、620、730)は更に、ドライバの前記車両からの降車行動を最後に検出した時刻および当該時刻における前記車両の位置を特定し、特定した当該時刻と当該位置を含む降車時間帯および降車場所を有する細分化降車グループを特定し、特定した細分化降車グループが関連付けられた先の細分化乗車グループを前記乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した前記細分化乗車グループが関連付けられた先の細分化降車グループを前記乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した前記細分化降車グループの降車時間帯に基づいて、次にドライバが前記車両に乗車した後に降車する時刻を予測するか、または、特定した前記細分化降車グループの降車場所に基づいて、次にドライバが前記車両に乗車した後に降車する場所を予測することを特徴とする。
【0012】
このようになっていることで、目的地が設定されていなくても、最後の降車時刻と降車地点さえわかれば、乗降関連付けデータに基づいて次の降車場所をある程度高い正確性で予測でき、その降車場所を用いて各種処理を行うことができる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両乗降履歴関連付け装置において、前記グループ化手段(100、200)は、前記走行履歴データ中のレコードのうち、同じ場所で乗車行動があった乗車レコードをグループ化することで1つ以上の乗車グループを作成し、同じ場所で降車行動があった降車レコードをグループ化することで1つ以上の降車グループを作成する第1グループ化手段(100)と、前記1つ以上の乗車グループのそれぞれにおいて、同じ時間帯に乗車行動があった乗車レコードをグループ化して1つ以上の細分化乗車グループとし、また、前記1つ以上の降車グループのそれぞれにおいて、同じ時間帯に降車行動があった降車レコードをグループ化して1つ以上の細分化降車グループとする第2グループ化手段(200)と、を備え、前記第1グループ化手段(100)は、前記走行履歴データから乗車レコードおよび降車レコードを読み出し、読み出した乗車レコードのうち同じ場所で乗車行動があった乗車レコードの集合のそれぞれについて、当該乗車レコードの集合の要素数が、読み出した乗車レコードの総数に対して所定の割合以上の数となることに基づいて、当該集合中の乗車レコードをグループ化して乗車グループとし、また、読み出した降車レコードのうち同じ場所で降車行動があった降車レコードの集合のそれぞれについて、当該集合の要素数が、読み出した降車レコードの総数に対して所定の割合以上の数となる場合、当該集合中の降車レコードをグループ化して降車グループとすることを特徴とする。
【0014】
このように、まず同じ乗車場所または降車場所のレコードをグループ化し、次に、グループ化した乗車グループまたは降車グループ内で、同じ時間帯でグループ化して細分化乗車グループまたは細分化降車グループを作成するようになっており、同じ乗車場所(または降車場所)のグループ化は、同じ乗車場所(または同じ降車場所)となるレコードの数が多いものを選んで行うようになっている。
【0015】
このようになっていることで、ドライバの習慣的な行動でない偶発的な行動をグループ化から除外することができ、その結果、ドライバの習慣的な行動をより忠実に反映した関連付けを行うことができる。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の車両乗降履歴関連付け装置において、前記第2グループ化手段(200)は、前記1つ以上の乗車グループのそれぞれに対し、当該乗車グループに属する乗車レコード中の乗車時刻の分布が集中している時間帯を抽出し、抽出した時間帯に乗車行動があった乗車レコードを当該乗車グループから抽出し、抽出した乗車レコードをグループ化して細分化乗車グループを作成し、また、前記1つ以上の降車グループのそれぞれに対し、当該降車グループに属する降車レコード中の降車時刻の分布が集中している時間帯を抽出し、抽出した時間帯に降車行動があった降車レコードを当該降車グループから抽出し、抽出した降車レコードをグループ化して細分化降車グループを作成し、当該乗車グループに属する乗車レコード中の乗車時刻の分布が集中している時間帯を抽出する際には、前記第1グループ化手段(100)が読み出した乗車レコードおよび降車レコードの記録に要した記録期間を特定し、所定の抽出期間を設定し、前記記録期間に対する当該抽出期間内における乗車時刻の分布数の比が閾値以上であることに基づいて、前記抽出期間に含まれる時間帯を、集中している時間帯として抽出し、当該降車グループに属する降車レコード中の降車時刻の分布が集中している時間帯を抽出する際には、所定の抽出期間を設定し、前記記録期間に対する当該抽出期間内における降車時刻の分布数の比が閾値以上であることに基づいて、前記抽出期間に含まれる時間帯を、集中している時間帯として抽出することを特徴とする。
【0017】
このように、同じ乗車時間帯(または降車時間帯)のグループ化は、同じ乗車時間帯(または同じ降車時間帯)となるレコードの数が多いものを選んで行うようになっている。このようになっていることで、ドライバの習慣的な行動でない偶発的な行動をグループ化から更に除外することができ、その結果、ドライバの習慣的な行動をより忠実に反映した関連付けを行うことができる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、車両乗降履歴関連付け装置に用いられるプログラムであって、前記車両乗降履歴関連付け装置を、ドライバの車両への乗車行動を検出したときの時刻および前記車両の所在場所をそれぞれ乗車時刻および乗車場所とし、前記乗車行動の検出後にドライバの前記車両からの降車行動を検出したときの時刻および前記車両の所在場所をそれぞれ降車時刻および降車場所とし、当該乗車時刻および当該乗車場所のデータを含む乗車レコードと、当該降車時刻および当該降車場所のデータを含む降車レコードと、の組を有する乗降レコードを、前記車両の走行の順に、走行履歴データに逐次記録する走行情報記憶処理手段(17e)、前記走行履歴データ中の乗車レコードのうち、同じ場所で同じ時間帯に乗車行動があった乗車レコードをグループ化することで1つ以上の細分化乗車グループを作成し、また、前記走行履歴データ中の降車レコードのうち、同じ場所で同じ時間帯に降車行動があった降車レコードをグループ化することで1つ以上の細分化降車グループを作成するグループ化手段(100、200)、前記1つ以上の細分化降車グループのそれぞれに対し、当該細分化降車グループと乗降関係の強い細分化乗車グループを検索し、検索の際は、当該細分化降車グループに属する降車レコードのそれぞれについて、当該降車レコードの次に前記走行履歴データに記録された乗車レコードが属する細分化乗車グループを特定し、その結果、特定された回数が基準回数以上となった細分化乗車グループを、当該細分化降車グループと強い乗降関係にある細分化乗車グループとして選び出し、検索の結果選び出された細分化乗車グループに当該細分化降車グループを関連付ける情報を、乗降関連付けデータに記録する関連付け手段(300)、およびドライバの前記車両からの降車行動を検出したときの時刻および前記車両の位置を特定し、特定した時刻および位置を含む降車時間帯および降車場所を有する細分化降車グループを特定し、特定した細分化降車グループが関連付けられた先の細分化乗車グループを、前記乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した前記細分化乗車グループに対応した乗車時間帯に基づいて、現在ドライバが前記車両から降車したときに次に前記車両に乗車するときの時刻を予測する予測手段(620)として機能させるプログラムである。このように、本発明の特徴は、プログラムとしても捉えることができる。
【0019】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1の構成図である。
【図2】制御回路17の機能性を示す図である。
【図3】走行履歴データの一例を示す図表である。
【図4】乗降行動推定処理部17fが実行する処理のフローチャートである。
【図5】図5のステップ100の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】同一場所乗車データの構成を示す図である。
【図7】同一場所乗車データの構成を示す図である。
【図8】図5のステップ200の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】抽出期間30および抽出期間30内における乗車時刻31の分布を示す模式図である。
【図10】同一場所時間帯乗車データの構成を示す図である。
【図11】同一場所時間帯降車データの構成を示す図である。
【図12】図5のステップ300の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】乗降関連付けデータの構成を示す模式図である。
【図14】エネルギ予測モニタ部17gの処理内容を示すフローチャートである。
【図15】自動充電制御部17hの処理内容を示すフローチャートである。
【図16】自動プレ空調部17iの処理内容を示すフローチャートである。
【図17】蓄冷エアコン制御部17jの処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1(車両乗降履歴関連付け装置の一例に相当する)の構成を湿す。この車両用ナビゲーション装置1が搭載される車両は、走行用の動力源である走行用電気モータを備えている。この電気モータに電力を供給するバッテリは、二次電池であり、車両の外部の電源(例えば、家庭用電源、充電器)を用いて充電可能となっている。このような車両の例としては、電動車両、プラグインハイブリッド車両等がある。また、この車両には、車室内空調装置が搭載されている。
【0022】
図1に示すように、この車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、スピーカ14、地図データ取得部16、制御回路17を備えている。
【0023】
位置検出器11は、GPS受信機、車速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ等、車両の現在位置を特定するための信号を制御回路17に出力するセンサである。画像表示装置12は、制御回路17の制御に従って文字や画像をユーザに表示する液晶ディスプレイ等の装置である。操作部13は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を制御回路17に出力する装置である。
【0024】
地図データ取得部16は、制御回路17の制御に従って地図データを取得して制御回路17に出力する装置である。地図データの取得方法は、地図データ取得部16に備えられた書き込み可能な記憶媒体(磁気記憶媒体、フラッシュメモリ)から地図データを読み出す方法を採用する。でもよいし、無線通信によって車両1の外部の地図提供サーバから地図データをダウンロードする方法でもよい。
【0025】
地図データ取得部16が取得する地図データは、道路を表すリンクの位置、形状、接続関係を示す道路データ、施設(ホテル、レストラン、コンビニエンスストア、駐車場等)の位置範囲を示す施設データ等から成る。なお、施設データには、走行用バッテリに充電可能な充電スポットの位置および当該充電スポットの単位電力量当たりの充電価格の情報も含まれている。
【0026】
制御回路17は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えた装置(例えばマイクロコントローラ)であって、ROMまたはフラッシュメモリに記録されたプログラムをCPUが実行することで、各種機能を実現するようになっている。制御回路17が実現する機能の構成は、図2に示すようになっている。すなわち、制御回路17は、充放電制御部17a、マップマッチング部17b、経路算出処理部17c、ナビゲーション処理部、走行情報記憶処理部17e、乗降行動推定処理部17fを有している。
【0027】
充放電制御部17aは、走行用電気モータを用いた走行用バッテリの充電、放電を制御し、走行用バッテリの充電量を示すSOC(State Of Charge)を検出する処理を行う。ここで充電とは、制動力、エンジンの駆動力を用いて走行用電気モータを回転させることで発電し、その結果得た電力を走行用バッテリに充電すること、および、外部の電源(家庭用電源、充電スポットに設置された充電器等)からの電力で走行用バッテリに充電することをいう。また、放電とは、走行用バッテリに蓄積された電力を用いて走行用電気モータを回転させ、その回転力により車両を走行させることをいう。
【0028】
マップマッチング部17bは、位置検出器11からの検出信号に基づいて車両の現在位置を特定し、特定した現在位置をリンク上の位置に補正する。経路算出処理部17cは、出発地点(例えば現在位置)から到着地点(例えば、操作部13を用いてユーザが設定した目的地)までの最適な誘導経路を算出する。ナビゲーション処理部17dは、誘導経路に沿った車両の走行を支援するため、誘導経路に沿った右左折ポイントの手前で画像表示装置12およびスピーカ14を用いた案内報知を行う。
【0029】
走行情報記憶処理部17eは、車両が走行する度に、1つの乗降レコードを、地図データ取得部16の記憶媒体中の走行履歴データに、追加記録する。図3に、走行履歴データの一例を示す。なお、この図においては、記録日の記載は省略している。
【0030】
具体的には、走行情報記憶処理部17eは、ドライバの車両への乗車行動(乗車のための行動、または、乗車に付随した行動)があったか否かを、乗車行動があったと判定するまで繰り返し判定し、乗車行動があったと判定すると、そのとき(すなわち、乗車行動の検出時)の時刻および自車両の現在位置を含む場所(すなわち、自車両の所在場所)を、乗車時刻および乗車場所としてRAMに記録する。
【0031】
なお、現在位置がどの場所に属するかは、地図データに基づいて決定する。具体的には、現在位置が地図データ中のどの施設の位置範囲(エリア)に含まれるかを特定し、特定した施設を、現在位置を含む場所とする。
【0032】
また、現在位置が地図データ中のどの施設の位置範囲にも含まれない場合は、あらかじめ定めた地理区画(例えば、緯度で1秒毎に区切り、経度で1秒毎に区切った地理区画)に基づいて、現在位置がどの地理区画(エリア)に属するかを特定し、特定した区画を、現在位置を含む場所とする。
【0033】
ドライバの車両への乗車行動があったか否かの判定は、車両の主電源がオフからオンになったか否かで判定する。ここで、主電源のオン、オフは、エンジンと走行用電気モータを併用して走行する車両(またはエンジンの動力のみで走行する車両)の場合はエンジンキーのオン、オフに相当し、走行用電気モータのみで走行する車両の場合は、電力スイッチのオン、オフに相当する。
【0034】
また、走行情報記憶処理部17eは、ドライバの車両からの降車行動(降車のための行動、または、降車に付随した行動)があったか否かを、降車行動があったと判定するまで繰り返し判定し、降車行動があったと判定すると、そのとき(すなわち、降車行動の検出時)の時刻および自車両の現在位置を含む場所を、降車時刻および降車場所としてRAMに記録する。ドライバの車両への降車行動があったか否かの判定は、車両の主電源がオンからオフになったか否かで判定する。
【0035】
そして、その時点においてRAMに記録されている乗車時刻、乗車場所、降車時刻、降および車場所の情報を用いて、乗降レコードを作成する。具体的には、乗車のイベントであることを示す乗車ヘッダ、乗車時刻、および乗車場所から成る乗車レコードを作成し、降車のイベントであることを示す降車ヘッダ、降車時刻、および降車場所から成る降車レコードを作成し、これら乗車レコードと降車レコードとを1組にまとめ、更に乗車レコードと降車レコードの組に、走行履歴データ中の乗降レコードを個々に識別するための識別番号である走行履歴番号と、現在の日付を示す記録日とを付加したものを、1つの乗降レコードとする。
【0036】
そして、このようにして作成した乗降レコードを、地図データ取得部16の記憶媒体中の走行履歴データの最後尾(または先頭でもよい)に追加記録する。そして、RAM中の乗車時刻、乗車場所、降車時刻、降車場所を消去する。
【0037】
このように、走行情報記憶処理部17eは、乗車行動を検出し、その後に降車行動を検出する度に、ドライバの車両への乗車行動を検出したときの時刻および車両の所在場所をそれぞれ乗車時刻および乗車場所とし、ドライバの車両からの降車行動を検出したときの時刻および車両の所在場所をそれぞれ降車時刻および降車場所とし、当該乗車時刻および当該乗車場所のデータを含む乗車レコードと、当該降車時刻および当該降車場所のデータを含む降車レコードと、の組を有する乗降レコードを、走行の順に、走行履歴データに逐次記録する。
【0038】
このような処理が車両の走行の度に実行されることで、走行履歴データには、乗降レコードが時系列順に複数個(例えば、100回走行したら10個)蓄積されることになる。
【0039】
次に、乗降行動推定処理部17fについて説明する。乗降行動推定処理部17fは、走行履歴データに基づいて、同じ場所で同じ時間帯に乗車行動があった乗車レコードをグループ化することで1つ以上の細分化乗車グループを作成し、同じ場所で同じ時間帯に降車行動があった降車レコードをグループ化することで1つ以上の細分化降車グループを作成し、それら細分化乗車グループと細分化降車グループの間で、強い乗降関係(乗降の因果関係をいう。以下同じ。)にあるグループ同士を関連付ける。
【0040】
図4に、乗降行動推定処理部17fが実行する処理のフローチャートを示す。乗降行動推定処理部17fは、例えば車両の主電源がオンになったタイミングで、この図4に示す処理を1回実行するようになっていてもよいし、車両のドライバが操作部13に対して所定の開始操作を行ったことに基づいて、この図4に示す処理を1回実行するようになっていてもよい。
【0041】
図4の処理において乗降行動推定処理部17fは、まずステップ100で、走行履歴データ中に記録された乗車レコードのうち、同じ場所で乗車行動があった乗車レコードのリストを作成することで、同じ場所で乗車行動があった乗車レコードをグループ化する。
【0042】
具体的には、ステップ100では、図5に示すような処理を行う。まずステップ110では、走行履歴データから、乗降レコードを読み出す。ただし、読み出す乗降レコードは、最新のものから遡って所定数(例えば100個)の乗降レコードとする。このようにすることで、古すぎて現状に合わない走行記録を反映した処理を行ってしまう可能性が低減される。
【0043】
続いてステップ120では、読み出した乗降レコードに対して、乗車割合の高い乗車場所に限定して、同一乗車場所のグルーピングを行う。具体的には、読み出した乗降レコードに含まれるすべての乗車レコードを、同じ場所で乗車行動があった乗車レコードの集合に振り分ける。
【0044】
例えば、読み出した乗降レコードが図3のようなものであった場合、走行履歴番号1、3、5、7に対応する乗車レコードは、自宅で乗車行動があった乗車レコードの集合に振り分けられる。また、走行履歴番号4に対応する乗車レコードは、Bスーパーで乗車行動があった乗車レコードに振り分けられる。
【0045】
そして、そのようにして振り分けた乗車レコードの集合のそれぞれに対して、当該集合の要素数が、ステップ110で読み出した乗車レコードの総数に対して所定の割合(例えば、10%)以上の数となる場合、当該集合中の乗車レコードをグループ化して1つの乗車グループPとする。具体的には、当該集合中の乗車レコードに含まれる場所と、当該集合に属する乗車レコードの走行履歴番号のリストと、を含む同一場所乗車データを1個作成し、地図データ取得部16の記憶媒体に記録する。図6に、1個の同一場所乗車データの構成を示す。したがって、乗車グループP毎に、1つの同一場所乗車データが作成される。
【0046】
続いてステップ130では、ステップ120と同様のことを降車レコードに対しても行う。つまり、ステップ110で読み出した乗降レコードに対して、乗車割合の高い降車場所に限定して、同一降車場所のグルーピングを行う。具体的には、読み出した乗降レコードに含まれるすべての降車レコードを、同じ場所で降車行動があった降車レコードの集合に振り分ける。
【0047】
そして、そのようにして振り分けた降車レコードの集合のそれぞれに対して、当該集合の要素数が、ステップ110で読み出した降車レコードの総数に対して所定の割合(例えば、10%)以上の数となる場合、当該集合中の降車レコードをグループ化して1つの降車グループQとする。具体的には、当該集合中の降車レコードに含まれる場所と、当該集合に属する降車レコードの走行履歴番号のリストと、を含む同一場所降車データを1個作成し、地図データ取得部16の記憶媒体に記録する。図7に、1個の同一場所降車データの構成を示す。したがって、降車グループQ毎に、1つの同一場所降車データが作成される。ステップ130の後、ステップ100の処理は終了する。
【0048】
このように、ステップ100では、ある程度以上頻繁に同じ場所で乗車行動があった乗車レコードをグループ化して乗車グループPとし、ある程度以上頻繁に同じ場所で降車行動があった乗車レコードをグループ化して降車グループQとする。ステップ100に続いては、ステップ200に進む。
【0049】
ステップ200では、ステップ110で作成された乗車グループPのそれぞれにおいて、同じ時間帯に乗車行動があった乗車レコードのリストを作成することで、同じ場所で同じ時間帯に乗車行動があった乗車レコードをグループ化して細分化乗車グループpとし、また、降車グループQのそれぞれにおいて、同じ時間帯に降車行動があった降車レコードのリストを作成することで、同じ場所で同じ時間帯に降車行動があった降車レコードをグループ化して細分化降車グループqとする。
【0050】
図8に、このステップ200の処理の詳細を示す。乗降行動推定処理部17fは、まずステップ210で、1つの乗車グループPまたは1つの降車グループQを新たに抽出し、抽出した乗車グループPに対してステップ220、230を実行し、その後、ステップ240ですべての乗車グループPおよびすべての降車グループQに対してステップ220、230の処理を行ったか否かを判定し、行ったと判定した場合はステップ200の処理を終了し、行っていない場合、再度ステップ210に戻り、まだ抽出されていない1つの乗車グループPまたは1つの降車グループQを新たに抽出する。したがって、ステップ220、230の処理は、乗車グループPのそれぞれに対して1回ずつ実行され、また、降車グループQのそれぞれに対して1回ずつ実行される。
【0051】
まず、1つの乗車グループPに対してステップ220、230の処理を実行する場合について説明する。まずステップ220では、当該乗車グループPに属する乗車レコード中の乗車時刻の分布が集中している時間帯を抽出する。
【0052】
なお、ある乗車グループPに属する乗車レコード中の乗車時刻の分布が集中している時間帯を抽出する方法は、以下の通りである。まず、走行履歴データから読み出した乗車レコードおよび降車レコードの記録に要した記録期間を特定する。具体的には、図5のステップ110で読み出した乗降レコードのうち、最も過去に記録された乗降レコードの記録日を特定し、その記録日から現在の日付までの総日数を上記記録期間として特定する。
【0053】
続いて、図9に示すように、抽出期間30を設定する。抽出期間30の長さは2時間とし、駐車期間の開始時刻は0時から22時までの期間内で1時間ずつ順次ずらして設定していく。具体的には、まず抽出期間を0時から2時までの期間に設定し、次に抽出期間を1時から3時までの期間に設定し、次に抽出期間30を3時から5時までの期間に設定するという風に、抽出期間30をずらして設定していく。そして、抽出期間30を1つの期間に設定する度に、その期間内で乗車時刻が集中している時間帯を探索する。
【0054】
各抽出期間30内(例えば図9の例では6時から8時)における集中時間帯の探索は、以下のように行う。まず、当該乗車グループPのうち抽出期間30内に乗車行動があった乗車レコード中の乗車時刻31をサンプルとする正規分布32(縦軸はサンプルにおける乗車時刻の頻度)を、周知の方法により推定する。そして、推定した正規分布の平均値μおよび分散σを算出する。
【0055】
そして、当該サンプルの総数を上述の記録期間で除算した値が所定の第1閾値(例えば0.05)以上であり、かつ、分散σが所定の第2閾値(例えば、20分の自乗)未満である場合に限り、平均値μを中心とする標準偏差σのn倍の範囲を、乗車時刻の分布が集中している時間帯とする。このnの値は、2でもよいし3でもよい。
【0056】
なお、24時間よりも短い抽出範囲30を設定するのは、24時間全体に対して正規分布を推定して平均値μおよび分散σを算出しても、複数の時間帯の乗車時刻の集中(例えば、朝の通勤時の集中、夕方の帰宅時の集中)を見つけることができないからである。
【0057】
しかし、通勤、買い物等のドライバの習慣的行動には、ある程度の時間のばらつきがあるので、抽出範囲30をあまり短くし過ぎても、ドライバの習慣的行動に対応した集中時間帯を見つけることが困難になってしまう。そこで、抽出範囲30を2時間とすることで、ドライバの習慣的行動としてある程度意味のある集中を見つけることが可能となる。ただし、必ず2時間でなければならないというわけではなく、1時間としてもよい場合もあれば、3時間、4時間としてもよい場合もある。
【0058】
だだし、通勤、買い物等のドライバの習慣的行動には、ある程度の乗車時刻、降車時刻のばらつきがあるので、抽出範囲30をあまり短くし過ぎても、ドライバの習慣的行動に対応した集中時間帯を見つけることが困難になってしまう。そこで、抽出範囲30を、そのようなばらつきよりも広いと考えられる2時間とすることで、ドライバの習慣的行動としてある程度意味のある集中を見つけることが可能となる。ただし、必ず2時間でなければならないというわけではなく、1時間としてもよい場合もあれば、3時間、4時間としてもよい場合もある。
【0059】
また、抽出範囲30を絞ると、抽出範囲30の境界付近(例えば、図9の例における98時付近)を中心とした乗車時刻の集中を、うまく見つけることができない可能性がある。そこで、抽出範囲30をずらす場合は、抽出範囲30の長さよりも短いステップ(本例では半分の1時間)でずらすことで、どのような時間帯における集中も見るけることができる可能性が高まる。
【0060】
また、抽出範囲30で、分散σの閾値を設け、その閾値よりも分散σが小さい場合に限って、乗車時刻が集中していると判定するのは、抽出範囲30が、上記のように、ドライバの習慣的行動の時刻のばらつきよりも広めに設定されているからである。
【0061】
続いてステップ230では、抽出した時間帯に乗車行動があった乗車レコード(すなわち、抽出した時間帯内の乗車時刻を含む乗車レコード)を当該乗車グループPから抽出し、抽出した乗車レコードをグループ化して1つの細分化乗車グループpを作成する。
【0062】
具体的には、抽出した当該時間帯と、抽出した乗車レコード中の場所と、抽出した乗車レコードの走行歴番号のリストと、を含む同一場所時間帯乗車データを作成することで、抽出した乗車レコードをグループ化して細分化乗車グループpを作成する。図10に、同一場所時間帯乗車データの構成を示す。
【0063】
次に、1つの降車グループQに対してステップ220、230の処理を実行する場合について説明する。まずステップ220では、当該降車グループQに属する降車レコード中の降車時刻の分布が集中している時間帯を抽出する。抽出方法は、乗車グループPに対して用いた方法において、乗車グループPを降車グループQに置き換え、乗車を降車に置き換えたものを採用すればよい。
【0064】
続いてステップ230では、抽出した時間帯に降車行動があった降車レコード(すなわち、抽出した時間帯内の降車時刻を含む降車レコード)を当該降車グループQから抽出し、抽出した降車レコードをグループ化して1つの細分化降車グループqを作成する。
【0065】
具体的には、抽出した当該時間帯と、抽出した降車レコード中の場所と、抽出した降車レコードの走行歴番号のリストと、を含む同一場所時間帯降車データを作成することで、抽出した降車レコードをグループ化して細分化降車グループqを作成する。図11に、同一場所時間帯降車データの構成を示す。
【0066】
このようなステップ200を実行することで、乗降行動推定処理部17fは、乗車グループP、降車グループQのそれぞれを降車時間帯で細分化して細分化乗車グループp、細分化降車グループqを作成することができる。
【0067】
ステップ200に続いて乗降行動推定処理部17fは、ステップ300に進み、細分化乗車グループpと細分化降車グループqの間の関連付けを行う。図12に、ステップ300の処理の詳細を示す。
【0068】
乗降行動推定処理部17fは、まずステップ310で、1つの細分化乗車グループpまたは1つの細分化降車グループqを新たに抽出し、抽出した細分化乗車グループpに対してステップ320、330を実行し、その後、ステップ340ですべての細分化乗車グループpおよびすべての細分化降車グループqに対してステップ220、230の処理を行ったか否かを判定し、行ったと判定した場合はステップ300の処理を終了し、行っていない場合、再度ステップ310に戻り、まだ抽出されていない1つの細分化乗車グループpまたは1つの細分化降車グループqを新たに抽出する。したがって、ステップ320、330の処理は、細分化乗車グループpのそれぞれに対して1回ずつ実行され、また、細分化降車グループqのそれぞれに対して1回ずつ実行される。
【0069】
まず、1つの細分化乗車グループpに対してステップ320、330の処理を実行する場合について説明する。まずステップ320では、当該細分化乗車グループpと乗降関係の強い細分化降車グループqを検索する。
【0070】
検索の際は、当該細分化乗車グループpに属する乗車レコードの総数である乗車レコード総数を算出し、また、この乗車レコード総数に所定の割合Kp(0より大きく1より小さい)を乗算した結果の値を基準回数とする。
【0071】
また、当該細分化乗車グループpに属する乗車レコードのそれぞれについて、当該乗車レコードと組になって乗降レコードとして記録された降車レコードを特定し、それら降車レコードのそれぞれが属する細分化降車グループqを特定する。つまり、最大で、当該細分化乗車グループpに属する乗車レコードの数だけ、細分化降車グループqが特定される。この特定は、同じ細分化降車グループqを複数回特定する重複もあり得る。
【0072】
その結果、特定された回数(重複回数)が基準回数以上となった細分化降車グループqを、当該細分化乗車グループpと強い乗降関係にある細分化降車グループqとして選び出す。
【0073】
このようにして選び出された細分化降車グループqは、当該細分化乗車グループpの示す時間帯および場所で乗車行動があった場合に、その後降車する可能性が高い時間帯および場所を示すグループである。
【0074】
続いてステップ330では、検索の結果選び出された細分化降車グループqに、当該細分化乗車グループpを関連付け、その関連付け情報を、地図データ取得部16の記憶媒体中の乗降関連付けデータに記録する。図13に、乗降関連付けデータの模式図を示す。
図13の例では、細分化乗車グループp1が細分化降車グループq1に関連付けられている。
【0075】
次に、1つの細分化降車グループqに対してステップ320、330の処理を実行する場合について説明する。まずステップ320では、当該細分化降車グループqと乗降関係の強い細分化乗車グループpを検索する。
【0076】
検索の際は、当該細分化降車グループqに属する降車レコードの総数である降車レコード総数を算出し、また、この降車レコード総数に所定の割合Kq(0より大きく1より小さい)を乗算した結果の値を基準回数とする。なお、この割合Kqは、上述の割合Kpと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0077】
また、当該細分化降車グループqに属する降車レコードのそれぞれについて、当該降車レコードの次に走行履歴データに記録された乗車レコードを特定する。この乗車レコードは、当該降車レコードのように降車した後にドライバが乗車したときの乗車時刻および乗車場所が記録されている。
【0078】
また、それら特定した乗車レコードのそれぞれが属する細分化乗車グループpを特定する。つまり、最大で、当該細分化降車グループqに属する降車レコードの数だけ、細分化乗車グループpが特定される。その結果、特定された回数(重複回数)が基準回数以上となった細分化乗車グループpを、当該細分化降車グループqと強い乗降関係にある細分化乗車グループpとして選び出す。
【0079】
このようにして選び出された細分化乗車グループpは、当該細分化降車グループqの示す時間帯および場所で降車した場合に、その後乗車する可能性が高い時間帯および場所を示すグループである。
【0080】
続いてステップ330では、検索の結果選び出された細分化乗車グループpに、当該細分化降車グループqを関連付け、その関連付け情報を、地図データ取得部16の記憶媒体中の乗降関連付けデータに記録する。図13の例では、細分化降車グループq2が細分化乗車グループp1に関連付けられ、細分化降車グループq3が細分化乗車グループp2に関連付けられている。
【0081】
以上のように、乗降行動推定処理部17fは、走行履歴データ中のレコードのうち、同じ場所で同じ時間帯に乗車行動があった乗車レコードをグループ化することで1つ以上(多くの場合複数)の細分化乗車グループを作成し、同じ場所で同じ時間帯に降車行動があった降車レコードをグループ化することで1つ以上(多くの場合複数)の細分化降車グループを作成し(ステップ100、200)、当該1つ以上の細分化降車グループのそれぞれに対し、当該細分化降車グループと乗降関係の強い細分化乗車グループを検索し、検索の結果選び出された細分化乗車グループに当該細分化降車グループを関連付ける情報を、乗降関連付けデータに記録する(ステップ300)。
【0082】
このように、走行履歴データにおいて、細分化降車グループに属する降車レコードの次に記録された乗車レコードを見つけ、その乗車レコードが属する細分化乗車グループを特定していき、その特定された回数が多いものを、当該細分化降車グループの関連付け先とすることで、細分化降車グループと乗降の因果関係が強い細分化乗車グループを特定することができる。
【0083】
また、乗降行動推定処理部17fは、当該1つ以上の細分化乗車グループのそれぞれに対し、当該細分化乗車グループと乗降関係の強い細分化降車グループを検索し、検索の結果選び出された細分化降車グループに当該細分化乗車グループを関連付ける情報を、乗降関連付けデータに記録する(ステップ300)。
【0084】
このように、走行履歴データにおいて、細分化乗車グループに属する乗車レコードと組になって乗降レコードとして記録された降車レコードを見つけ、その降車レコードが属する細分化降車グループを特定していき、その特定された回数が多い細分化降車グループを、当該細分化乗車グループの関連付け先とすることで、細分化乗車グループpと乗降の因果関係が強い細分化降車グループqを特定することができる。
【0085】
つまり、乗車時刻と乗車場所と、降車時刻、降車場所との関連性に着目して、乗車の場所と時間帯を降車の場所と時間帯に関連付け、同様に降車の場所と時間帯を乗車の場所と時間帯に関連付ける。
【0086】
例えば、あるドライバが毎朝同じ時間帯Taに自宅を出発し、同じく決まった時間帯Tbに会社へ到着している場合、その乗降レコードを走行履歴データに蓄積することによって、乗降行動推定処理部17fによって作成される乗降関連付けデータにおいて、時間帯Taに自宅で乗車することが、時間帯Tbに会社で降車することに関連付けられる。
【0087】
また、いもずる方式で3つ以上の細分化乗車グループp、細分化降車グループqが関連付けられることもある。例えば、時間帯Tcにスーパーマーケットに到着し、その後時間帯Tdにスーパーマーケットを出発して時間帯Teに自宅へ帰る行動パターンを繰り返していれば、乗降行動推定処理部17fによって作成される乗降関連付けデータにおいて、時間帯Tcにスーパーマーケットで降車することが、時間帯Tdにスーパーマーケットで乗車することに関連付けられ、更に、時間帯Tdにスーパーマーケットで乗車することが、時間帯Tdに自宅で降車することに関連付けられる。このようなドライバの習慣的な行動パターンの関連付けを乗降関連付けデータに記録して活用する事で、後述するような各種処理を実現することができる。
【0088】
また、乗降行動推定処理部17fは、まず同じ乗車場所または降車場所のレコードをグループ化し(ステップ100)、次に、グループ化した乗車グループまたは降車グループ内で、同じ時間帯でグループ化して細分化乗車グループまたは細分化降車グループを作成するようになっており(ステップ200)、また、同じ乗車場所(または降車場所)のグループ化は、同じ乗車場所(または同じ降車場所)となるレコードの数が多いものを選んで行うようになっている(ステップ120、130)。
【0089】
更に、乗降行動推定処理部17fは、同じ乗車時間帯(または降車時間帯)のグループ化は、同じ乗車時間帯(または同じ降車時間帯)となるレコードの数が多いものを選んで行うようになっている(ステップ220、230)。
【0090】
このようになっていることで、ドライバの習慣的な行動でない偶発的な行動をグループ化から除外することができ、その結果、ドライバの習慣的な行動をより忠実に反映した関連付けを行うことができる。
【0091】
次に、このようにして記録された乗降関連付けデータを利用する作動について説明する。制御回路17は、乗降関連付けデータを利用する拡張機能構成として、図2に示すように、エネルギ予測モニタ部17g、自動充電制御部17h、自動プレ空調部17i、蓄冷エアコン制御部17jを備えている。
【0092】
まずエネルギ予測モニタ部17gについて説明する。エネルギ予測モニタ部17gは、車両の走行時、充放電制御部17aが検出する走行バッテリのSOCに基づいて、そのリンクの走行時における走行バッテリの蓄積エネルギの変化量を、地図データ取得部16の記憶媒体のエネルギ推移データに記録する。
【0093】
また、エネルギ予測モニタ部17gは、そのエネルギ推移データを利用して走行用バッテリの蓄積するエネルギの推移を予測するため、図14に示すような処理を実行する。具体的には、エネルギ予測モニタ部17gは、例えば車両の走行開始時に図14に示す処理の実行を開始する。
【0094】
この処理の開始の時点で経路算出処理部17cによって目的地および目的地までの誘導経路が設定されていれば、エネルギ予測モニタ部17gは、まずステップ410で目的地が設定されていると判定し、続いてステップ430に進み、エネルギ推移データに基づいて、誘導経路上のリンク毎の走行用バッテリの蓄積エネルギの変化量を特定し、特定した変化量に基づいて、誘導経路に沿った現在位置から目的地までの走行用バッテリの蓄積エネルギの推移を予測する。
【0095】
そしてステップ430では、画像表示装置12またはスピーカ14を用いて、走行用バッテリの蓄積エネルギの推移を表示してもよいか否かをドライバに問い合わせ、ドライバが操作部13を用いて許可の操作を行えばステップ450で当該推移のグラフを画像表示装置12に表示させる。しかし、ドライバが操作部13を用いて禁止の操作を行えば表示せずに図14の処理を終了する。
【0096】
図14の以上のような処理は、従来通りであるが、図14の処理の開始の時点で目的地が設定されていない場合の処理内容は、新規なものである。具体的には、ステップ410で目的地が設定されていないと判定し、続いてステップ420に進む。
【0097】
そしてステップ420では、今回の乗車時刻(最後に車両の主電源がオンになった時刻)および乗車位置(当該乗車時刻における車両の位置)を特定し、「今回の乗車時刻および乗車位置に該当する細分化乗車グループpが存在し、かつ、乗降関連付けデータにおいて、当該細分化乗車グループpがいずれかの細分化降車グループqに関連付けられている」、という条件が満たされているか否かを判定する。
【0098】
なお、今回の乗車時刻および乗車位置に該当する細分化乗車グループpを特定する方法は、以下の通りである。各同一場所時間帯乗車データに基づいて、各細分化乗車グループpが有する乗車時間帯および乗車場所が、今回の乗車時刻および乗車位置を含むか否かを判定し、含むと判定された細分化乗車グループpを、今回の乗車時刻および乗車位置に該当する細分化乗車グループpであるとする。
【0099】
上記条件が満たされていない場合は、図14の処理を終了するが、満たされている場合は、続いてステップ425に進み、今回の乗車時刻および乗車位置に該当する細分化乗車グループpが関連付けられている細分化降車グループq(例えば、図13におけるp1に対するq1)を、乗降関連付けデータに基づいて特定し、その細分化降車グループqの同一場所時間帯降車データに基づいて、その細分化降車グループqの降車時間帯および降車場所を取得する。そして、取得した降車時間帯を次に降車する降車時刻の範囲として予測し、取得した降車場所を、次に降車する降車場所として予測する。
【0100】
更にステップ425では、現在位置を出発地点とし、予測した降車場所を到着地点として、経路算出処理部17cに誘導経路を算出させ、ステップ430に進む。ただし、算出結果の誘導経路に基づいて、到着地点への到着時間を算出し、その到着時間が予測した降車降車時刻の範囲を外れている場合は、ステップ430に進まずに図14の処理を終了してもよい。ステップ430以降は、既に説明した通りである。
【0101】
このように、ドライバの車両への乗車行動があったと最後に判定された時刻および当該時刻における車両の位置を特定し、当該時刻と当該位置を含む乗車時間帯および乗車場所を有する細分化乗車グループを特定し、特定した細分化乗車グループと乗降関係の強い細分化降車グループを、乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した細分化降車グループに対応した降車時間帯および降車場所に基づいて、次にドライバが車両から降車するときの時刻の範囲および場所を予測する(ステップ425)。
【0102】
このように、乗降関連付けデータにおいて細分化乗車グループが細分化降車グループに関連付けられていることで、目的地が設定されていなくても、最後に乗車行動を検出した時刻または位置さえわかれば、乗降関連付けデータに基づいて降車時刻および降車場所をある程度高い正確性で予測でき、その降車時刻および降車場所を用いて、バッテリの蓄積エネルギの推移の予測等、各種処理を行うことができる。
【0103】
次に自動充電制御部17hについて説明する。自動充電制御部17hは、充放電制御部17aを制御して、電源(家庭用電源、充電スポットに設置された充電器等)から走行用バッテリへの充電の実行、非実行を自動的に切り替える。
【0104】
このために、自動充電制御部17hは、図15に示す処理を、例えば電源と走行用バッテリが電力ケーブルを介して繋がり、充電開始可能となったときに、実行し始める。
【0105】
この処理の開始の時点で経路算出処理部17cによって目的地および目的地までの誘導経路が設定されていれば、エネルギ予測モニタ部17gは、まずステップ505で目的地が設定されていると判定し、続いてステップ515に進み、次回走行時の降車場所(この場合は目的地)に充電スポットがあるか否かを、地図データに基づいて判定し、ないと判定すればステップ550で充放電制御部17aを制御して充電を開始し、ステップ560で、ドライバの乗車行動があるか、操作部13に対するキャンセル操作があるか、走行用バッテリが満充電状態になるまで、充電を継続する。
【0106】
ステップ515で、充電スポットがあると判定した場合、続いてステップ520に進み、現在位置の充電スポットの単位電力量当たりの充電価格と、降車場所の充電スポットの単位電力量当たりの充電価格とを比較し、現在位置の充電スポットの方が高いか否かを判定し、高くない場合はステップ550に進み、高い場合はステップ525に進む。
【0107】
ステップ525では、画像表示装置12またはスピーカ14を用いて、降車場所に即した計画的な充電を開始してもよいか否かをドライバに問い合わせ、ドライバが操作部13を用いて許可の操作を行えばステップ530に進み、禁止の操作を行えばステップ550に進む。
【0108】
ステップ530では、現在位置を出発地点とし、降車場所を到着地点として、経路算出処理部17cに誘導経路を算出させ、誘導経路に沿った降車場所までの距離等に基づいて、次回の運転に必要な充電量、すなわち、現在位置から降車場所までの走行において消費する走行用バッテリの必要電力量を、算出する。
【0109】
続いてステップ535では、ステップ550と同様に充電を開始し、続いてステップ540で、ドライバの乗車行動があるか、操作部13に対するキャンセル操作があるか、走行用バッテリの充電量が必要電力量に到達するまで、充電を継続し、要電力量に到達すると、充放電制御部17aを制御して充電を終了する。
【0110】
図15の以上のような処理は、従来通りであるが、図15の処理の開始の時点で目的地が設定されていない場合の処理内容は、新規なものである。具体的には、ステップ505で目的地が設定されていないと判定し、続いてステップ510に進む。
【0111】
そしてステップ510では、今回の降車時刻(最後に車両の主電源がオフになった時刻)および降車位置(当該降車時刻における車両の位置)を特定する。なお、図15の処理の開始前に、車両の主電源はオフになっているものとする。また、「今回の降車時刻および降車位置に該当する細分化降車グループqが存在し、かつ、乗降関連付けデータにおいて、当該細分化降車グループqがいずれかの細分化乗車グループpに関連付けられ、かつ、当該細分化乗車グループpがいずれかの細分化降車グループqに関連付けられている」、という条件が満たされているか否かを判定する。
【0112】
なお、今回の降車時刻および降車位置に該当する細分化降車グループqを特定する方法は、以下の通りである。各同一場所時間帯降車データに基づいて、各細分化降車グループqが有する降車時間帯および降車場所が、今回の降車時刻および降車位置を含むか否かを判定し、含むと判定された細分化降車グループqを、今回の降車時刻および降車位置に該当する細分化降車グループqであるとする。
【0113】
上記条件が満たされていない場合は、ステップ550に進み、満たされている場合は、続いてステップ512に進み、今回の降車時刻および降車位置に該当する細分化降車グループqが関連付けられている細分化乗車グループp(例えば、図13におけるq2に対するp1)を、乗降関連付けデータに基づいて特定し、また、その細分化乗車グループpが関連付けられている細分化降車グループq(例えば、図13におけるp1に対するq1)を、乗降関連付けデータに基づいて特定し、その細分化降車グループqの同一場所時間帯降車データに基づいて、その細分化降車グループqの降車時間帯および降車場所を取得し、取得した降車時間帯中のいずれかの時刻(例えば降車時間帯の終了時刻)を、次にドライバが前記車両に乗車した後に降車する時刻として予測し、取得した降車場所を、次にドライバが前記車両に乗車した後に降車する場所として予測する。
【0114】
続いてステップ515に進む。ステップ515以降は、既に説明した通りである。ただし、ステップ530では、現在位置を出発地点とし、ステップ512で予測した降車場所を到着地点として、経路算出処理部17cに誘導経路を算出させ、誘導経路に沿った降車場所までの距離等に基づいて、次回の運転に必要な充電量、すなわち、現在位置から降車場所までの走行において消費する走行用バッテリの必要電力量を、算出する。
【0115】
この際、ステップ512で予測した降車時刻に基づいて、必要電力量を補正してもよい。例えば、誘導経路上の距離および平均走行速度から周知の方法により算出した当該降車場所への到着時刻よりも、ステップ512で予測した降車時刻の方が遅い場合、必要電力量を増大させるよう補正し、ステップ512で予測した降車時刻の方が早い場合、必要電力量を減少させるよう補正してもよい。
【0116】
このように、自動充電制御部17hは、ドライバの車両からの降車行動があったと最後に判定された時刻および当該時刻における車両の位置を特定し、当該時刻と当該位置を含む降車時間帯および降車場所を有する細分化降車グループqを特定し、特定した細分化降車グループqと乗降関係の強い細分化乗車グループpを、乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した細分化乗車グループpと乗降関係の強い細分化降車グループqを乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した細分化降車グループqに対応した降車場所を、次にドライバが車両に乗車した後に降車する場所として予測する(ステップ512)。
【0117】
このようになっていることで、目的地が設定されていなくても、最後の降車地点と降車時刻さえわかれば、乗降関連付けデータに基づいて次の降車場所をある程度高い正確性で予測でき、その降車場所を用いて、次の乗車時までの期間において、適切な充電量を実現するための充電制御等の各種処理を行うことができる。
【0118】
例えば、車両で頻繁に訪問する施設があり、その施設の近くに充電スタンドがあり、ドライバの自宅でも充電可能となっているとする。そして、ドライバは、特定の時間帯Bにこの充電スタンドで主電源をオフにして充電し、その後、特定の時間帯Bに主電源をオンにして、特定の時間帯Cに自宅に戻るという行動を頻繁に行っていたとする。更に、充電スタンドの単位電力量当たりの充電価格の方が、自宅における単位電力量当たりの充電価格よりも高かったとする。
【0119】
このような場合、時間帯Aを降車時間帯とし、この充電スタンドを降車場所とする細分化降車グループq1が作成されており、また、時間帯Bを乗車時間帯とし、この充電スタンドを乗車場所とする細分化乗車グループp1が作成されており、また、時間帯Cを降車時間帯とし、自宅を乗車場所とする細分化降車グループq2が作成されていることになる。
【0120】
そして、乗降関連付けデータでは、細分化降車グループq1が細分化乗車グループp1に関連付けられ、細分化乗車グループp1が細分化降車グループq2に関連付けられることになる。したがって、目的地が設定されていない場合、自動充電制御部17hは、ステップ512で細分化降車グループq2が有する降車場所(すなわち自宅)を次の降車場所として予測し、ステップ530では、この充電スタンドの位置から当該次の降車場所までの必要充電量を算出し、ステップ535、540では、必要充電量を満たすまで充電した後、充電を終了する。
【0121】
次に、自動プレ空調部17iについて説明する。自動プレ空調部17iは、車両の車室内空調装置を制御して、ドライバが車両に乗車する前に車室内の空調を行うためのプレ空調処理を実行する。このために、自動プレ空調部17iは、図16に示す処理を、例えば車両の主電源がオフになったときに実行開始する。あるいは、車両が所定のプレ空調予約操作を操作部13に対して行ったときに、図16に示す処理の実行を開始する。なお、プレ空調予約操作は、降車時に行うはずなので、降車行動の1つである。
【0122】
図16の処理においては、まずステップ610で、画像表示装置12またはスピーカ14を用いて、プレ空調を行ってもいか否かをドライバに問い合わせ、ドライバが操作部13を用いて許可の操作を行えばステップ620に進み、禁止の操作を行えば図16の処理を終了する。
【0123】
ステップ620では、次にドライバが車両に乗車する時刻を予測する。具体的には、まず、今回の降車時刻(最後に車両の主電源がオフになった時刻)および降車位置(当該降車時刻における車両の位置)を特定する。続いて、今回の降車時刻および降車位置に該当する細分化降車グループqを特定し、特定した細分化降車グループqが関連付けられている細分化乗車グループp(例えば、図13におけるq2に対するp1)を、乗降関連付けデータに基づいて特定し、その細分化乗車グループpの同一場所時間帯乗車データに基づいて、その細分化乗車グループpの乗車時間帯を取得し、その乗車時間帯の開始時刻(または、開始時刻と終了時刻の平均時刻)を、乗車予測時刻とする。
【0124】
続いてステップ630では、乗車予測時刻よりも所定時間ΔT(例えば15分)前の制御開始時刻になるまで待機し、当該制御開始時刻が訪れると、車室内空調装置を制御して、車室内の空調を開始させる。
【0125】
続いてステップ640では、所定の条件が満たされるまで待ち、満たされた場合、車室内空調装置の制御を終了する。所定の条件としては、(1)車両への乗車行動があったと判定したという条件、(2)操作部13を用いたキャンセル操作があったという条件、(3)乗車予測時刻から所定時間(例えば1時間)経過したという条件、という3つの条件のいずれか1を採用してもよいし、これら3つの複合条件を採用してもよい。
【0126】
このように、蓄冷エアコン制御部17jは、降車行動があったと最後に判定された時刻および当該時刻における車両の位置を特定し、当該時刻と当該位置を含む降車時間帯および降車場所を有する細分化降車グループqを特定し、特定した細分化降車グループqと乗降関係の強い細分化乗車グループpを、乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した細分化乗車グループpの乗車時間帯に基づいて、次にドライバが車両に乗車する時刻を予測する。
【0127】
このようになっていることで、最後に降車行動のあった時刻と位置さえわかれば、乗降関連付けデータに基づいて次の乗車時刻をある程度高い正確性で予測でき、その乗車時刻を用いて、次の乗車時までの期間において、プレ空調制御等の各種処理を行うことができる。
【0128】
次に、蓄冷エアコン制御部17jについて説明する。蓄冷エアコン制御部17jは、車両の走行中、ドライバが車両から降車するタイミングを事前に予測し、そのタイミングよりも所定時間前に、車室内空調装置の作動をより電力消費の少ない作動に切り替えることで、無駄な電力消費を抑える。
【0129】
このような作動を実現するため、蓄冷エアコン制御部17jは、図17に示す処理を、例えば車両が走行を開始したときに実行し始める。
【0130】
この処理の開始の時点で経路算出処理部17cによって目的地および目的地までの誘導経路が設定されていれば、蓄冷エアコン制御部17jは、まずステップ710で目的地が設定されていると判定し、続いてステップ730に進み、現在時刻、現在位置、および誘導経路に基づいて、降車予測時刻(この場合、目的地への到着時刻)を算出する。
【0131】
続いてステップ740では、算出した降車予測時刻より所定時間ΔT(例えば15分)だけ前の節約開始時刻になるまで待ち、当該節約開始時刻が訪れると、画像表示装置12またはスピーカ14を用いて、空調装置の節約制御を行ってもいか否かをドライバに問い合わせ、ドライバが操作部13を用いて許可の操作を行えばステップ750に進み、禁止の操作を行えば図17の処理を終了する。
【0132】
ステップ750では、空調装置の節約制御を開始する。具体的には、車室内空調装置の作動を停止させる、冷房時の車室内温度の設定値を上昇させて別途蓄積しておいた冷気を車室内に供給する等、車室内空調装置の作動をより電力消費の少ない作動に切り替える。
【0133】
続いてステップ760では、所定の条件が満たされるまで待ち、満たされた場合、ステップ750で始めた空調装置の節約制御を終了する。所定の条件としては、(1)ドライバが自ら操作して車室内空調装置の設定を変更したという条件、(2)目的地が変更されたという条件、(3)降車予測時刻から所定時間(例えば1時間)経過したという条件、という3つの条件のいずれか1を採用してもよいし、これら3つの複合条件を採用してもよい。
【0134】
図17の以上のような処理は、従来通りであるが、図17の処理の開始の時点で目的地が設定されていない場合の処理内容は、新規なものである。具体的には、ステップ710で目的地が設定されていないと判定し、続いてステップ720に進む。
【0135】
そしてステップ720では、今回の乗車時刻(最後に車両の主電源がオンになった時刻)および乗車位置(当該乗車時刻における車両の位置)を特定し、「今回の乗車時刻および乗車位置に該当する細分化乗車グループpが存在し、かつ、乗降関連付けデータにおいて、当該細分化乗車グループpがいずれかの細分化降車グループqに関連付けられている」、という条件が満たされているか否かを判定する。
【0136】
上記条件が満たされていない場合は、図17の処理を終了するが、満たされている場合は、続いてステップ730に進む。ステップ730では、今回の乗車時刻および乗車位置に該当する細分化乗車グループpが関連付けられている細分化降車グループq(例えば、図13におけるp1に対するq1)を、乗降関連付けデータに基づいて特定し、その細分化降車グループqの同一場所時間帯降車データに基づいて、その細分化降車グループqの降車時間帯および降車場所を取得する。そして、その降車時間帯の開始時刻(または、開始時刻と終了時刻の平均時刻)を、降車予測時刻とする。ステップ740以降は、既に説明した通りである。
【0137】
このように、ドライバの車両への乗車行動があったと最後に判定された時刻および当該時刻における車両の位置を特定し、当該時刻と当該位置を含む乗車時間帯および乗車場所を有する細分化乗車グループを特定し、特定した細分化乗車グループと乗降関係の強い細分化降車グループを、乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した細分化降車グループに対応した降車時間帯に基づいて、次にドライバが車両から降車するときの時刻を予測する(ステップ730)。
【0138】
なお、ステップ740では、算出した降車予測時刻より所定時間ΔT(例えば15分)だけ前の節約開始時刻になるまで待つのではなく、ステップ730で取得した降車場所から所定距離(例えば、1km)以内の位置に車両が入っるまで待つようになっていてもよい。
【0139】
このように、乗降関連付けデータにおいて細分化乗車グループが細分化降車グループに関連付けられていることで、目的地が設定されていなくても、最後に乗車行動を検出した時刻または位置さえわかれば、乗降関連付けデータに基づいて降車時刻および降車場所をある程度高い正確性で予測でき、その降車時刻および降車場所を用いて、車室内空調装置の節約制御等、各種処理を行うことができる。
【0140】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。例えば、以下のような形態も許容される。
【0141】
(1)上記実施形態では、ドライバの車両への乗車行動の有無を判定する方法としては、主電源がオフからオンとなったか否かを判定する方法を採用しているが、必ずこの方法を採用しなければならないわけではない。例えば、運転席側ドアが開いて閉じられたことを車両のドア開閉センサ(図示せず)が検出し、さらに、運転席の着座センサ(図示せず)がドライバの着座を検出したか否かで、ドライバの車両への乗車行動の有無を判定してもよい。
【0142】
(2)また、上記実施形態では、ドライバの車両からの降車行動の有無を判定する方法としては、主電源がオンからオフとなったか否かを判定する方法を採用しているが、必ずこの方法を採用しなければならないわけではない。例えば、運転席の着座センサがドライバの着座を検出しなくなり、その後、運転席側ドアが開いて閉じられたことをドア開閉センサが検出したか否かで、ドライバの車両への乗車行動の有無を判定してもよい。
【0143】
(3)図8のステップ220において、抽出範囲30で、分散σの閾値である第2の閾値を設け、その閾値よりも分散σが小さい場合に限って、乗車時刻が集中していると判定するようになっているが、この分散σの制限は必須ではない。つまり、分散σの値に関わらず、サンプルの総数を上述の記録期間で除算した値が所定の第1の閾値以上であれば、乗車時刻(または降車時刻)の分布が集中していると判定するようになっていてもよい。
【0144】
(4)上記第2の閾値は、抽出期間30が設定されている時間帯によって変化するようになっていてもよい。例えば、朝の乗車時刻は、夜の乗車時刻よりも、ばらつきが小さい傾向にあるので、第2の閾値は、抽出期間30が午後に設定されている場合よりも、抽出期間30が午前に設定されている場合の方が、小さくなるようにしてもよい。
【0145】
(5)また、上記第2の閾値は、乗車グループPを細分化する場合と降車グループQを細分化する場合とで異なっていてもよい。例えば、乗車時刻は降車時刻よりもばらつきが小さい傾向にあるので、第2の閾値は、降車グループQを細分化する場合よりも乗車グループPを細分化する場合の方が、小さくなるようにしてもよい。
【0146】
(6)また、図8のステップ220では、抽出期間30内の乗車時刻(または降車時刻)のサンプルの正規分布を推定し、その正規分布の平均値μおよび分散σを算出しているが、サンプルの正規分布を推定することは必須ではなく、例えば、サンプルそのものの平均値μおよび分散σを直接算出するようになっていても、そのように算出した平均値μおよび分散σを、正規分布の平均値μおよび分散σと同じように用いればよい。
【0147】
(7)また、車両は、内燃機関であるエンジンのみを走行用の動力源として走行する車両であってもよいし、エンジンと走行用電気モータを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両であってもよいし、走行用電気モータのみを走行用の動力源として走行する電動車両であってもよい。
【0148】
(8)また、図5のステップ110で読み出す乗降レコードは、過去所定日数(例えば100日)以内に記録された乗降レコードとしてもよい。この際、乗降レコードがいつ記録されたかを特定するためには、各乗降レコードに含まれる記録日を参照すればよい。
【0149】
(9)また、ステップ110で読み出す乗車レコードの上限数と乗車レコードの上限数とは、異なっていてもよい。
【0150】
(10)また、上記実施形態では、走行履歴データに記録する乗車データ、降車データ中の時刻は、日付の区別を行っていない。しかし、乗車データ、降車データ中の時刻に、平日か休日(土曜、日曜、祝日)かを区別する情報を付加してもよい。そして、図8のステップ220では、平日の24時間に対して抽出期間30を順次設定し、それとは別に、休日の24時間に対して抽出期間30を順次設定するようになっていてもよい。このようにすることで、平日と休日を区分けした細分化降車グループq、細分化乗車グループpを作成することができる。このようにすることで、平日用の細分化降車グループq、細分化乗車グループp、乗降関連付けデータを用いれば、平日に特有のドライバの習慣的行動をより正確に検出することができ、休日用の細分化降車グループq、細分化乗車グループp、乗降関連付けデータを用いれば、休日に特有のドライバの習慣的行動をより正確に検出することができる。
【0151】
(11)また、上記実施形態では、乗降行動推定処理部17fは、ステップ300で、細分化乗車グループpのいずれかを細分化降車グループqのいずれかに関連付け、かつ、細分化降車グループqのいずれかを細分化乗車グループpのいずれかに関連付けている。しかし、必ずこれらの両方を行わなければならないわけではない。
【0152】
例えば、細分化乗車グループpのいずれかを細分化降車グループqのいずれかに関連付けるだけでもよいし、細分化降車グループqのいずれかを細分化乗車グループpのいずれかに関連付けるだけでもよい。前者の場合でも、上述のようなエネルギ予測モニタ部17g、蓄冷エアコン制御部17jの作動のために必要な情報は記録されるし、後者の場合でも、自動プレ空調部17iの作動のために必要な情報は記録される。
【0153】
(12)また、本発明の車両乗降履歴関連付け装置は、車両用ナビゲーション装置1でなければならないわけではない。
【0154】
(13)また、上記の実施形態において、制御回路17がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0155】
1 車両用ナビゲーション装置
17a 充放電制御部
17e 走行情報記憶処理部
17f 乗降行動推定処理部
17g エネルギ予測モニタ部
17h 自動充電制御部
17i 自動プレ空調部
17j 蓄冷エアコン制御部
30 抽出期間
31 乗車時刻

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバの車両への乗車行動を検出したときの時刻および前記車両の所在場所をそれぞれ乗車時刻および乗車場所とし、前記乗車行動の検出後にドライバの前記車両からの降車行動を検出したときの時刻および前記車両の所在場所をそれぞれ降車時刻および降車場所とし、当該乗車時刻および当該乗車場所のデータを含む乗車レコードと、当該降車時刻および当該降車場所のデータを含む降車レコードと、の組を有する乗降レコードを、前記車両の走行の順に、走行履歴データに逐次記録する走行情報記憶処理手段(17e)と、
前記走行履歴データ中の乗車レコードのうち、同じ場所で同じ時間帯に乗車行動があった乗車レコードをグループ化することで1つ以上の細分化乗車グループを作成し、また、前記走行履歴データ中の降車レコードのうち、同じ場所で同じ時間帯に降車行動があった降車レコードをグループ化することで1つ以上の細分化降車グループを作成するグループ化手段(100、200)と、
前記1つ以上の細分化降車グループのそれぞれに対し、当該細分化降車グループと乗降の因果関係の強い細分化乗車グループを検索し、検索の際は、当該細分化降車グループに属する降車レコードのそれぞれについて、当該降車レコードの次に前記走行履歴データに記録された乗車レコードが属する細分化乗車グループを特定し、その結果、特定された回数が基準回数以上となった細分化乗車グループを、当該細分化降車グループと強い乗降の因果関係にある細分化乗車グループとして選び出し、検索の結果選び出された細分化乗車グループに当該細分化降車グループを関連付ける情報を、乗降関連付けデータに記録する関連付け手段(300)と、
ドライバの前記車両からの降車行動を検出したときの時刻および前記車両の位置を特定し、特定した時刻および位置を含む降車時間帯および降車場所を有する細分化降車グループを特定し、特定した細分化降車グループが関連付けられた先の細分化乗車グループを、前記乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した前記細分化乗車グループに対応した乗車時間帯に基づいて、現在ドライバが前記車両から降車したときに次に前記車両に乗車するときの時刻を予測する予測手段(620)と、を備えた車両乗降履歴関連付け装置。
【請求項2】
前記関連付け手段(300)は、前記1つ以上の細分化乗車グループのそれぞれに対し、当該細分化乗車グループと乗降関係の強い細分化降車グループを検索し、検索の際は、当該細分化乗車グループに属する乗車レコードのそれぞれについて、当該乗車レコードと組になって乗降レコードとして記録された降車レコードが属する細分化降車グループを特定し、その結果、特定された回数が基準回数以上となった細分化降車グループを、当該細分化乗車グループと強い乗降関係にある細分化降車グループとして選び出し、選び出された細分化降車グループに当該細分化乗車グループを関連付ける情報を、乗降関連付けデータに記録し、
前記予測手段(425、620、730)は更に、ドライバの前記車両への乗車行動を最後に検出した時刻および当該時刻における前記車両の位置を特定し、特定した当該時刻と当該位置を含む乗車時間帯および乗車場所を有する細分化乗車グループを特定し、特定した細分化乗車グループが関連付けられた先の細分化降車グループを、前記乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した前記細分化降車グループの降車時間帯に基づいて次にドライバが前記車両から降車する時刻を予測するか、または、特定した前記細分化降車グループの降車場所に基づいて次にドライバが前記車両から降車する場所を予測することを特徴とする請求項1に記載の車両乗降履歴関連付け装置。
【請求項3】
前記予測手段(425、512、620、730)は更に、ドライバの前記車両からの降車行動を最後に検出した時刻および当該時刻における前記車両の位置を特定し、特定した当該時刻と当該位置を含む降車時間帯および降車場所を有する細分化降車グループを特定し、特定した細分化降車グループが関連付けられた先の細分化乗車グループを前記乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した前記細分化乗車グループが関連付けられた先の細分化降車グループを前記乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した前記細分化降車グループの降車時間帯に基づいて、次にドライバが前記車両に乗車した後に降車する時刻を予測するか、または、特定した前記細分化降車グループの降車場所に基づいて、次にドライバが前記車両に乗車した後に降車する場所を予測することを特徴とする請求項2に記載の車両乗降履歴関連付け装置。
【請求項4】
前記グループ化手段(100、200)は、前記走行履歴データ中のレコードのうち、同じ場所で乗車行動があった乗車レコードをグループ化することで1つ以上の乗車グループを作成し、同じ場所で降車行動があった降車レコードをグループ化することで1つ以上の降車グループを作成する第1グループ化手段(100)と、
前記1つ以上の乗車グループのそれぞれにおいて、同じ時間帯に乗車行動があった乗車レコードをグループ化して1つ以上の細分化乗車グループとし、また、前記1つ以上の降車グループのそれぞれにおいて、同じ時間帯に降車行動があった降車レコードをグループ化して1つ以上の細分化降車グループとする第2グループ化手段(200)と、を備え、
前記第1グループ化手段(100)は、前記走行履歴データから乗車レコードおよび降車レコードを読み出し、読み出した乗車レコードのうち同じ場所で乗車行動があった乗車レコードの集合のそれぞれについて、当該乗車レコードの集合の要素数が、読み出した乗車レコードの総数に対して所定の割合以上の数となることに基づいて、当該集合中の乗車レコードをグループ化して乗車グループとし、また、読み出した降車レコードのうち同じ場所で降車行動があった降車レコードの集合のそれぞれについて、当該集合の要素数が、読み出した降車レコードの総数に対して所定の割合以上の数となる場合、当該集合中の降車レコードをグループ化して降車グループとすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両乗降履歴関連付け装置。
【請求項5】
前記第2グループ化手段(200)は、前記1つ以上の乗車グループのそれぞれに対し、当該乗車グループに属する乗車レコード中の乗車時刻の分布が集中している時間帯を抽出し、抽出した時間帯に乗車行動があった乗車レコードを当該乗車グループから抽出し、抽出した乗車レコードをグループ化して細分化乗車グループを作成し、また、前記1つ以上の降車グループのそれぞれに対し、当該降車グループに属する降車レコード中の降車時刻の分布が集中している時間帯を抽出し、抽出した時間帯に降車行動があった降車レコードを当該降車グループから抽出し、抽出した降車レコードをグループ化して細分化降車グループを作成し、
当該乗車グループに属する乗車レコード中の乗車時刻の分布が集中している時間帯を抽出する際には、前記第1グループ化手段(100)が読み出した乗車レコードおよび降車レコードの記録に要した記録期間を特定し、所定の抽出期間を設定し、前記記録期間に対する当該抽出期間内における乗車時刻の分布数の比が閾値以上であることに基づいて、前記抽出期間に含まれる時間帯を、集中している時間帯として抽出し、
当該降車グループに属する降車レコード中の降車時刻の分布が集中している時間帯を抽出する際には、所定の抽出期間を設定し、前記記録期間に対する当該抽出期間内における降車時刻の分布数の比が閾値以上であることに基づいて、前記抽出期間に含まれる時間帯を、集中している時間帯として抽出することを特徴とする請求項4に記載の車両乗降履歴関連付け装置。
【請求項6】
車両乗降履歴関連付け装置に用いられるプログラムであって、前記車両乗降履歴関連付け装置を、
ドライバの車両への乗車行動を検出したときの時刻および前記車両の所在場所をそれぞれ乗車時刻および乗車場所とし、前記乗車行動の検出後にドライバの前記車両からの降車行動を検出したときの時刻および前記車両の所在場所をそれぞれ降車時刻および降車場所とし、当該乗車時刻および当該乗車場所のデータを含む乗車レコードと、当該降車時刻および当該降車場所のデータを含む降車レコードと、の組を有する乗降レコードを、前記車両の走行の順に、走行履歴データに逐次記録する走行情報記憶処理手段(17e)、
前記走行履歴データ中の乗車レコードのうち、同じ場所で同じ時間帯に乗車行動があった乗車レコードをグループ化することで1つ以上の細分化乗車グループを作成し、また、前記走行履歴データ中の降車レコードのうち、同じ場所で同じ時間帯に降車行動があった降車レコードをグループ化することで1つ以上の細分化降車グループを作成するグループ化手段(100、200)、
前記1つ以上の細分化降車グループのそれぞれに対し、当該細分化降車グループと乗降関係の強い細分化乗車グループを検索し、検索の際は、当該細分化降車グループに属する降車レコードのそれぞれについて、当該降車レコードの次に前記走行履歴データに記録された乗車レコードが属する細分化乗車グループを特定し、その結果、特定された回数が基準回数以上となった細分化乗車グループを、当該細分化降車グループと強い乗降関係にある細分化乗車グループとして選び出し、検索の結果選び出された細分化乗車グループに当該細分化降車グループを関連付ける情報を、乗降関連付けデータに記録する関連付け手段(300)、および
ドライバの前記車両からの降車行動を検出したときの時刻および前記車両の位置を特定し、特定した時刻および位置を含む降車時間帯および降車場所を有する細分化降車グループを特定し、特定した細分化降車グループが関連付けられた先の細分化乗車グループを、前記乗降関連付けデータに基づいて特定し、特定した前記細分化乗車グループに対応した乗車時間帯に基づいて、現在ドライバが前記車両から降車したときに次に前記車両に乗車するときの時刻を予測する予測手段(620)として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−18506(P2012−18506A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154682(P2010−154682)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】