説明

車両事故記録装置および車両事故記録方法

【課題】車両の事故時の車両状況を正確に把握可能とするナビゲーションシステムを利用した車両事故記録装置および事故記録方法を提供する。
【解決手段】事故の発生を予測するレーダ800による車両事故発生の予測時に、ナビゲーションシステム200による「通常モード」を、車両事故記録装置100に備えた事故記録制御部400により事故状況を記録する「車両事故記録モード」に切り換える制御をおこない、さらに、取得した事故状況情報は、ナビゲーションシステム200に利用されている地図情報格納部255と音楽情報格納部275とに、車両の事故記録用の記憶部として利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両による事故直前の車両状況を正確に把握することができる車両事故記録装置および車両事故記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、事故直前の車両状況を記録する車両用のドライブレコーダが知られている。このドライブレコーダは、車両の走行中は、常時、車両の走行状態を記録するとともに、事故が発生した際に、エアバックなどの作動と連動して、事故発生時の車両状況(車に対する両事故状況データ)をハードディスク装置などに記録/格納する機能を備えている。
【0003】
また、この種のドライブレコーダに関する従来例としては、車両の走行中に他車両(障害物)までの距離をレーダにより測定するとともに、このレーダにより測定された距離に基づいて、車両および車両周囲の映像をビデオカメラにより撮像し、さらに、車両に備えた衝突センサによって他車両との衝突が検出された場合に映像の記録を停止する車載画像記録装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、ナビゲーションシステムを構成する記憶媒体(HDD)やオーディオ装置を構成する記憶媒体(HDD)にCCDカメラなどの撮像手段により撮像した画像情報を記録する技術が開示されている(特許文献2参照)。また、衝突を検知するエアバックなどが作動した際に、衝突時の車両状況に関する映像を録画するとともに、衝突検知信号を緊急連絡先に送信することにより、自動的に事故発生時の状況を緊急連絡先に報知する運転動作の記録装置が開示されている(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平9−198858号公報
【特許文献2】特開平9−123876号公報
【特許文献3】特開2003−263690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術の場合、以下のような問題がある。すなわち、従来のドライブレコーダによる事故状況の記録方法によると、常時、車両の走行状態を継続して記録するため、特に、事故が発生しない状況のデータも記録されてしまうことから、記憶装置(HDD)の容量の観点から問題がある。
【0007】
また、ドライブレコーダに記憶させた画像情報や音声情報を圧縮しないまま記録装置(HDD)に記録するのは、やはり容量の点で現実的ではないという問題がある。さらに、CCDカメラなどの撮像手段により録画した画像情報やマイクなどにより取得した音声情報を圧縮処理するためには、比較的、高価な専用チップなどが必要となるため、コスト面で問題がある。このため、コストを抑えるとともに、事故の発生状況を適確に把握することができる車両用の事故記録装置が望まれている。
【0008】
この発明は、上記課題(問題点)を解決するためになされたものであり、事故の発生状況を適確に把握して事故の解析を円滑に実行可能とするとともに、コストを削減することができる車両事故記録装置および車両事故記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、車両の位置情報および地図情報をもとに、車両に対するナビゲーション処理をおこなうナビゲーションシステムを利用した車両事故の記録装置であって、前記車両による事故を予測する車両事故予測手段と、前記車両による事故状況の記録をおこなう事故状況記録手段と、前記車両事故予測手段による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、前記事故状況記録手段による事故記録モードに切り換える制御をおこなう事故記録制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、車両事故記録装置は、車両による事故を予測する車両事故予測手段と、前記車両による事故状況の記録をおこなう事故状況記録手段と車両に対するナビゲーション処理を利用するとともに、車両事故記録制御をおこなう事故記録制御手段を備えており、事故記録制御手段は、車両事故予測手段による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、前記事故状況記録手段による事故記録モードに切り換える制御をおこなう。
【0011】
本発明は、車両の位置情報および地図情報をもとに、車両に対するナビゲーション処理をおこなうナビゲーションシステムを利用した車両事故の記録装置であって、前記車両による事故を予測する車両事故予測手段と、音楽情報を記録する音楽情報記録手段と地図情報を記録する地図情報記録手段と、前記車両による事故状況の記録をおこなう事故状況記録手段とを備え、前記事故状況記録手段は、車両の前方または周囲を撮像する撮像手段と、車両の周囲の音声を取得する音声情報入力手段と、前記撮像手段により撮像された画像情報の圧縮をおこなう画像情報圧縮手段と、前記音声情報入力手段により取得された音声情報の圧縮をおこなう音声情報圧縮手段とを備え、前記車両事故予測手段による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、前記事故状況記録手段による事故記録モードに切り換える制御をおこなう事故記録制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、車両事故記録装置は、前記車両による事故を予測する車両事故予測手段と、音楽情報を記録する音楽情報記録手段と地図情報を記録する地図情報記録手段と、前記車両による事故状況の記録をおこなう事故状況記録手段とを備え、前記事故状況記録手段は、車両の前方または周囲を撮像する撮像手段と、車両の周囲の音声を取得する音声情報入力手段と、前記撮像手段により撮像された撮像情報の圧縮をおこなう画像情報圧縮手段と、前記音声情報入力手段により取得された音声情報の圧縮をおこなう音声情報圧縮手段と車両に対するナビゲーション処理を利用するとともに、車両事故記録制御をおこなう事故記録制御手段とを備えており、事故記録制御手段は、事故予測手段による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、前記事故状況記録手段による事故記録モードに切り換える制御をおこなう。
【0013】
また、本発明における前記事故記録制御手段は、前記事故状況記録手段による事故記録モードで車両に対する事故記録を所定の設定時間おこない、前記所定の設定時間経過後、事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなうことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、事故記録制御手段は、前記事故状況記録手段による事故記録モードで車両に対する事故記録を所定の設定時間おこない、前記所定の設定時間経過後、事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなう。
【0015】
また、本発明は、前記車両に対する事故の発生を検出する事故発生検出手段をさらに備え、前記事故記録制御手段は、前記事故発生検出手段により事故の発生が検出された場合に、車両事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなうことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、前記車両に対する事故の発生を検出する事故発生検出手段をさらに備え、前記事故記録制御手段は、前記事故発生検出手段により事故の発生が検出された場合に、車両事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなう。
【0017】
また、本発明は、前記車両に対する事故の発生を検出する事故発生検出手段をさらに備え、前記事故記録制御手段は、前記事故発生検出手段により事故の発生が検出された場合に、所定の設定時間の間は、車両事故記録モードによる事故記録をおこない、前記所定の設定時間経過後には、事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなうことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、前記車両に対する事故の発生を検出する事故発生検出手段をさらに備え、前記事故記録制御手段は、前記事故発生検出手段により事故の発生が検出された場合に、前記所定の設定時間の間は、車両事故記録モードによる事故記録をおこない、前記所定の設定時間経過後には、事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなう。
【0019】
また、本発明における事故記録制御手段は、前記音声情報入力手段により取得された音声情報を優先的に事故記録情報とする音声情報優先記録モードを備えることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、事故記録制御手段は、前記音声情報入力手段により取得された音声情報を優先的に事故記録情報とする音声情報優先記録モードを備える。
【0021】
また、本発明における事故記録制御手段は、前記撮像手段による画像情報および/または前記音声情報入力手段による音声情報を車両の事故記録情報とするかを設定する事故記録形態設定手段を備えることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、事故記録制御手段は、前記撮像手段による画像情報および/または前記音声情報入力手段による音声情報を車両の事故記録情報とするかを設定する事故記録形態設定手段を備える。
【0023】
また、本発明は、事故状況記録手段を構成する撮像手段による車両の前方または周囲の画像情報或いは、音声情報入力手段による車両の周囲の音声情報は、前記音楽情報記録手段或いは前記地図情報記録手段に記憶されることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、事故状況記録手段を構成する撮像手段による車両の前方または周囲の画像情報或いは、音声情報入力手段による車両の周囲の音声情報は、前記音楽情報記録手段或いは前記地図情報記録手段に記憶される。
【0025】
また、本発明は、前記音楽情報記録手段および前記地図情報記録手段は、前記音声情報入力手段により取得された同一の音声情報或いは撮像手段により撮像された同一の画像情報をそれぞれ同時に記録するミラーリング機能を備えることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、前記音楽情報記録手段および前記地図情報記録手段は、前記音声情報入力手段により取得された同一の音声情報或いは撮像手段により撮像された同一の画像情報をそれぞれ同時に記録するミラーリング機能を備える。
【0027】
また、本発明は、車両の位置情報および地図情報をもとに、車両に対するナビゲーション処理をおこなうナビゲーションシステムを利用した車両事故の記録方法であって、前記車両による事故を予測する車両事故予測工程と、前記車両による事故状況の記録をおこなう事故状況記録工程と、前記車両事故予測工程による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、前記事故状況記録工程による事故記録モードに切り換える制御をおこなう事故記録制御工程と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、車両事故記録方法は、事故記録制御手段を備え、車両事故予測工程により車両による事故を予測し、事故状況記録工程により前記車両による事故状況の記録をおこない、前記車両事故予測工程による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、前記事故状況記録工程による事故記録モードに切り換える制御をおこなう。
【発明の効果】
【0029】
この発明によれば、車両事故記録装置は、車両による事故を予測する車両事故予測手段と、車両による事故状況の記録をおこなう事故状況記録手段と車両に対するナビゲーション処理を利用するとともに、車両事故記録制御をおこなう事故記録制御手段を備えており、事故記録制御手段は、車両事故予測手段による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、前記事故状況記録手段による事故記録モードに切り換える制御をおこなうので、事故の発生状況を適確に把握して事故の解析を円滑に実行することができるという効果を奏する。
【0030】
この発明によれば、車両事故記録装置は、車両による事故を予測する車両事故予測手段と、音楽情報を記録する音楽情報記録手段と地図情報を記録する地図情報記録手段と、車両による事故状況の記録をおこなう事故状況記録手段とを備え、事故状況記録手段は、車両の前方または周囲を撮像する撮像手段と、車両の周囲の音声を取得する音声情報入力手段と、撮像手段により撮像された画像情報の圧縮をおこなう画像情報圧縮手段と、音声情報入力手段により取得された音声情報の圧縮をおこなう音声情報圧縮手段と車両に対するナビゲーション処理を利用するとともに、車両事故記録制御をおこなう事故記録制御手段とを備えており、事故記録制御手段は、車両事故予測手段による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、事故状況記録手段による事故記録モードに切り換える制御をおこなうので、撮像手段による車両周囲の画像情報および音声入力手段による音声情報をもとにして、事故発生直前の車両状況を正確に把握することができるうえ、また、事故の発生状況を適確に把握して事故の解析を円滑に実行可能とするとともに、コストを削減することができる。
【0031】
この発明によれば、事故記録制御手段は、前記事故状況記録手段による事故記録モードで車両に対する事故記録を所定の設定時間おこない、前記所定の設定時間経過後、事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなうので、事故発生直前の車両状況を正確に把握することができるうえ、必要とする事故直前の車両状況のみを記録することができ、この結果、記録した画像情報および音声情報により事故原因を正確に解析することができるうえ、事故記録装置の負担を軽減できるという効果を奏する。
【0032】
この発明によれば、前記車両に対する事故の発生を検出する事故発生検出手段をさらに備え、前記事故記録制御手段は、前記事故発生検出手段により事故の発生が検出された場合に、車両事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなうので、必要とする車両の事故状況を的確に記録できるという効果を奏する。
【0033】
この発明によれば、前記車両に対する事故の発生を検出する事故発生検出手段をさらに備え、事故記録制御手段は、前記事故発生検出手段により事故の発生が検出された場合に、前記所定の設定時間の間は、車両事故記録モードによる事故記録をおこない、前記所定の設定時間経過後には、事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなうので、車両事故記録制御手段による事故記録モードを通常モードに復帰させる制御は、衝突検知手段による衝突が検出された後であっても、所定時間経過した後に実行されるため、事故直前の車両状況だけでなく、事故後の車両状況を継続して記録することができるため、事故原因の解明を確実におこなうことができるという効果を奏する。
【0034】
この発明によれば、事故記録制御手段は、前記音声情報入力手段により取得された音声情報を優先的に事故記録情報とする音声情報優先記録モードを備えるので、記録データをより小さいファイルサイズとすることができ、さらに、雑音がないクリアな音声情報を記録(録音)することができるという効果を奏する。
【0035】
この発明によれば、事故記録制御手段は、前記撮像手段による画像情報および/または前記音声情報入力手段による音声情報を車両の事故記録情報とするかを設定する事故記録形態設定手段を備えるので、周囲の環境などに応じて、車両事故記録装置に記録する事故状況情報を適宜選択して設定することができるという効果を奏する。
【0036】
この発明によれば、事故状況記録手段を構成する撮像手段による車両の前方または周囲の画像情報或いは、音声情報入力手段による車両の周囲の音声情報は、前記音楽情報記録手段或いは前記地図情報記録手段に記憶されるので、概にナビゲーションシステムに備えているハードディスク装置を利用して画像情報或いは音声情報の記録をおこなうことができるという効果を奏する。
【0037】
この発明によれば、前記音楽情報記録手段および前記地図情報記録手段は、前記音声情報入力手段により取得された同一の音声情報或いは撮像手段により撮像された同一の画像情報をそれぞれ同時に記録するミラーリング機能を備えるので、ナビゲーション装置に備えた地図情報記録手段と音楽情報記録手段に対して、同時に車両の事故状況を記録するミラーリング機能を備えることができ、これによって、音楽情報記録手段と地図情報記録手段のいずれか一方の記録手段(HDD)にクラッシュなどの不測の事態が発生しても、事故記録データを確実に保護することができるという効果を奏する。
【0038】
この発明によれば、車両事故予測工程により車両による事故を予測し、事故状況記録工程により前記車両による事故状況の記録をおこない、前記車両事故予測工程による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、前記事故状況記録工程による事故記録モードに切り換える制御をおこなう事故記録制御工程とを備えるので、撮像手段による車両周囲の画像情報および音声入力手段による音声情報をもとにして、事故発生直前の車両状況を正確に把握することができるうえ、必要とする時間帯の車両状況のみを記録することができ、この結果、記録した画像情報および音声情報により事故原因を正確に解析することができるうえ、事故記録装置の負担を軽減できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るナビゲーションシステムを利用した車両事故記録装置および車両事故記録方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、本発明に係る車両事故記録装置の概要および特徴を説明した後に、本実施例1に係る車両事故記録装置について説明し、その後、車両事故記録装置による全体処理に関する処理手順を説明することとする。そして、最後に他の実施例として種々の変形例を説明することとする。なお、以下に示す実施例1、2によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0040】
(概要および特徴)
まず最初に、本発明に係る車両事故記録装置の概要および特徴を説明する。図1は、本発明に係る車両事故記録装置100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、本発明に係る車両事故記録装置100の特徴は、車両の事故を予測する車両事故予測手段(本例では、レーダ800)によって、道路上を走行中の車両に対する事故の発生が予測された場合、車両事故記録装置100に備えている事故記録制御部400を作動させて、「通常モード」から「車両事故記録モード」に移行させる制御をおこない、この「車両事故記録モード」により車両の事故状況に関する映像(画像情報)や車両周囲の音声情報をCCDカメラ500或いは、マイク600により録画/録音し、さらに、これら取得した画像情報或いは、音声情報を画像/音声情報処理部280により圧縮処理し、この圧縮処理された事故状況に関する画像情報および音声情報をナビゲーションシステム200に備えている地図情報格納部255或いは、音楽情報格納部275に記録/格納するようにしているので、事故発生直前の車両状況を正確に把握することができ、さらに、記録情報が増大することなく、より小さいファイルサイズでの記録情報の記録/格納が実現可能となる。
【0041】
ここで、本実施例1における車両事故記録装置100による「通常モード」とは、車両に備えているナビゲーションシステム200をナビゲーション処理(目的地までの走行経路の探索や道路状況の検索)として使用している状態を表している。
【0042】
このナビゲーションシステム200による「通常モード」を作動させている場合、地図情報格納部255は、目的地までの走行経路の探索、或いは、取得した地図情報の記録/格納用として、音楽情報格納部275は、楽曲を選択する際の音楽情報の検索/抽出用として、或いは、FM多重放送を利用した楽曲データベース(CCDDB)による配信サービスなどから配信される音楽情報を記録/格納するハードディスク装置として使用される。
【0043】
また、「車両事故記録モード」とは、「通常モード」における処理を一時的にトレードオフまたは並行処理で、事故の音声記録、圧縮処理等を行なえる状態を示している。
【0044】
(車両事故記録装置100の概略構成)
図1は、この発明の実施例1である車両事故記録装置100の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、車両に備えているナビゲーションシステム200の制御部300には、GPSアンテナ210を備えたGPS受信機220と、操作部230と、地図情報記憶部250と、地図情報格納部255(HDD:Hard Disk Drive)と、音楽情報記憶部270と、音楽情報格納部275(HDD:Hard Disk Drive)と、画像/音声情報処理部280と、モニタ291とスピーカ292とを有する出力部290とが接続されている。
【0045】
また、この車両には、外部からの入力手段としてCCDカメラ500(撮像手段)と、マイク600(音声情報入力手段)と、衝突センサ700(事故発生検出手段)と、レーダ800(車両事故予測手段)とを備えている。
【0046】
ここで、本実施例1におけるナビゲーションシステム200は、通常のナビゲーション装置に搭載している地図情報格納部255以外に音楽情報格納部275を備えたAVナビゲーション装置を示しており、音楽情報格納部275は、高速録音(例えば、4倍速)が可能であるとともに、MP3(WPEGAudio Layer-3)、WMA(Windows(登録商標) Media Audio)の再生が可能であり、音楽情報を縮小サイズで保存することにより数千曲(例えば、3000曲)の音楽情報を記憶する機能を備えている。
【0047】
また、後述するように、この音楽情報格納部275には、マイク600の取得(録音)した音声情報が画像/音声情報処理部280(図1)により圧縮処理されて格納されることとなる。
【0048】
GPS受信機220は、GPS衛星から送出される電波をGPSアンテナ210によって受信し、受信した電波をもとに移動体である車両の現在位置を測位する機能を有した周知のGPS装置を用いて実現される。そして、このGPS受信機220は、制御部300の制御のもと、GPS衛星から受信した電波をもとに測位した車両の現在位置情報を制御部300に送出する機能を備えている。
【0049】
操作部230は、ナビゲーションシステム200を作動する操作スイッチ、該操作スイッチを有するリモートコントローラ、またはタッチパネルによって実現され、上述したナビゲーションシステム200によるナビゲーション処理を指示する各指示情報、或いは道路情報の作成または修正等をおこなう各処理を指示する各指示情報を入力する。これら各指示情報の入力は、指示情報の入力指示のもとに入力し、或いは選択することによって情報入力がおこなわれる。なお、この操作部230は、画像情報および音声情報の出力をおこなう出力部290のモニタ291およびスピーカ292と一体化するように構成してもよい。
【0050】
制御部300は、事故状況取得部310と、走行経路設定部320と事故記録制御部400とを備えている。また、事故記録制御部400は、事故予測判定部410と、衝突検知判定部420と、事故記録時間設定部430と、事故記録形態設定部440とを備えている。
【0051】
以上のように構成される制御部300は、ナビゲーションシステム200によるナビゲーション処理、或いは道路情報の作成または修正、マッチング処理等を達成する各処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、これら各処理のプログラム等の各種データを記憶するROM、および地図情報または車両の各位置座標等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)を有することで実現され、CPUがROMに格納されたプログラムを実行することによって、制御部300による各処理機能を実現する機能を備えている。
【0052】
また、制御部300は、操作部230から受信した各指示情報による指示のもと、GPS受信機220から入力された現在位置情報に対応する地図情報を地図情報格納部255から受信し、受信した地図情報を出力部290のモニタ291上に所望のスケールで表示するとともに、この現在位置情報をモニタ291に表示された地図上の位置座標に変換し、この現在位置の表示をモニタ291に出力する制御を随時おこなう機能を備えている。
【0053】
また、制御部300は、操作部230から入力された各指示情報による指示のもと、所望の目的地までの経路検索結果に関する情報を画面表示または音声によって出力部290(モニタ291、スピーカ292)に出力し、或いは、道路情報の作成または修正等の各処理をおこない、該処理結果を画面表示または音声によって出力部290に出力する制御を随時おこなう。
【0054】
さらに、制御部300は、走行経路設定部320により作成または修正した各道路情報を地図情報格納部255に格納する制御を行い、出力部290に画面表示する各新規道路に関する情報として、これら各道路情報を確実に管理する機能を備えている。
【0055】
事故状況取得部310は、他車両に関する画像情報(車種、色、形状、運転者の画像)、車両周囲の画像情報(衝突した他車両以外の車両の画像)事故発生位置、事故時の時刻情報、事故時の音声情報など事故に係わる各種の情報を、CCDカメラ500およびマイク600により取得する機能を備えている。
【0056】
走行経路設定部320は、車両の運転者が操作する操作部230により入力された入力設定を受け付けるとともに、車両の走行予定経路を設定し記憶する処理機能を備えている。
【0057】
事故予測判定部410は、道路上を走行する車両に対する事故を予めレーダ800により予測し事故の確率を判定する機能を備えている。具体的には、レーダ800(図1)により、車両と他車両との車間距離を検出し、検出された車間距離により事故の発生予測の有無を判定する機能を備えている。この事故予測判定部410により事故の発生が予測された場合には、制御部300に対して「事故予測信号」が出力される。
【0058】
衝突検知判定部420は、道路上を走行する車両に対する衝突の有無を判定する機能を備えている。具体的には、車両に備えた衝突センサ700により他車両との衝突の有無を判定する機能を備えている。この衝突検知判定部420により他車両との衝突が検出された場合には、制御部300に対して「衝突検知信号」が送信される。
【0059】
事故記録時間設定部430は、事故予測判定部410により車両の事故発生が予測された場合に、「車両事故記録モード」によって事故の記録記録として設定した所定の設定時間T1(図4−1)を設定する機能を備えている。具体的には、事故記録時間設定部430により「車両事故記録モード」から「通常モード」に移行するまでの時間(設定時間T1)を設定することができる。
【0060】
また、衝突センサ700により、他車両との衝突が検出された後に、「車両事故記録モード」により事故の記録をおこなう所定の設定時間T2(図6)を設定する機能を備えている。さらに、衝突センサ700により、他車両との衝突が検出された後に、および人物の音声を重点的に録音する所定の時間である設定時間T2(図7)を設定する機能を備えている。
【0061】
事故記録形態設定部440は、CCDカメラ500による映像情報とマイク600による音声情報の何れか或いは両者による事故状況の録画/録音を適宜、選択して設定する機能を備えている。具体的には、CCDカメラ500により画像を記録するか、マイク600により音声情報を取得するかを適宜、設定する機能を備えている。この事故記録形態設定部440による設定により、任意に衝突後の記録を音声情報を重点的に、画像情報と音声情報との組み合わせ或いは、画像情報のみまたは、音声情報のみとして設定することができる。
【0062】
特に、後述するように、マイク600による音声情報の録音時に、人物の音声を重点的に録音する「人物音声記録モード」をおこなうことにより、マイク600により取得(録音)した音声情報をより明確なデータとして録音することができる。
【0063】
地図情報記憶部250は、予め設定した目的地までの道路探索情報や地図情報を取得して、この設定した道路探索情報或いは、取得した新規の地図情報を地図情報格納部255(HDD)に記憶/格納させる機能を備えている。
【0064】
地図情報格納部255は、CD-ROM、またはDVD−ROMなどの記憶媒体と、該記憶媒体に記憶された地図情報を読み出すドライブ装置(HDD)とを用いて実現される。この地図情報格納部255は、制御部300の制御のもと、挿入された記憶媒体から所望の地図情報を読み出し、読み出した地図情報を制御部300に送出する機能を備えている。
【0065】
また、本実施例1の場合、CCDカメラ500或いはマイク600によって取得された事故の記録情報(画像データ/音声データ)を画像/音声情報処理部280により圧縮処理して、記録/格納する機能を備えている。
【0066】
音楽情報記憶部270は、FM多重放送を利用した楽曲データベース(CDDB)の配信サービスにより送信される各種の音楽情報(楽曲)を取り込み、この取り込んだ音楽情報を音楽情報格納部275(HDD)に記憶/格納させる機能を備えている。
【0067】
音楽情報格納部275(HDD)は、音楽情報記憶部270により取り込まれた各種の音楽情報(楽曲)を取り込み記憶/格納する機能を備えている。また、本実施例1の場合、CCDカメラ500或いはマイク600によって取得された事故記録情報(画像データ/音声データ)を記録/格納する機能を備えている。
【0068】
また、これら、地図情報格納部255(HDD)および音楽情報格納部275(HDD)は、制御部300によるミラーリング制御により各格納部255、275に対して、同一の事故記録データを格納することができる。この場合、ドライブ装置のミラーリング機能によりいずれか一方のドライブ装置(HDD)に、クラッシュなどが発生してもデータの保護を確実に図ることができる。
【0069】
画像/音声情報処理部280は、CCDカメラ500により撮像された車両周囲の画像情報とマイク600により取得された車両周囲の音声情報の圧縮処理をそれぞれ実行する機能を備えている。この画像/音声情報処理部280には、車両に備えているDSP(DigitAl Signal Processor)、揮発性のランダムアクセスメモリとしてのDRAM(Dynamic Random Access Memory)などを利用することができる。
【0070】
そして、この画像/音声情報処理部280により画像情報および音声情報を圧縮処理することにより、記録データを小サイズとすることができドライブ装置(地図情報格納部255、音楽情報格納部275)に対する格納データの大容量化を図ることができる。
【0071】
出力部290は、LCDディスプレイなどのモニタ291と、スピーカ292の組み合わせによって実現され、制御部300の制御のもと、GPS受信機220によって測位された車両の現在位置情報、地図情報格納部255から読み出された地図情報、または所望の目的地までの経路検索結果などの各ナビゲーション処理の結果をモニタ291による画面表示またはスピーカ292による音声によって出力する機能を備えている。
【0072】
CCDカメラ500は、車両の前方位置に取り付けられており、このCCDカメラ500は、走行中の車両前方の状況(主に、車両の前方を走行する他車両)を映像情報として撮像する機能を備えている。このCCDカメラ500により撮像された映像情報は画像データ(ビデオ信号)としてビデオ信号処理部(図示せず)のA/D変換器でデジタル信号に変換、デコーダで処理された後、画像/音声情報処理部280により圧縮処理される。
【0073】
以下、地図情報記憶部250により記憶処理され、次いで、地図情報格納部255に記憶/格納されることとなる。前述したように、このCCDカメラ500により撮像された画像情報は、画像/音声情報処理部280により圧縮処理され、この圧縮情報は地図情報格納部255に格納される。
【0074】
マイク600は、車両の運転手および同乗者、この車両の周囲に位置する人物の音声情報を取得する機能を備えている。後述するように、このマイク600により取得された音声情報は、画像/音声情報処理部280により圧縮処理され音楽情報格納部275に格納される。
【0075】
衝突センサ700は、車両の前方位置に設けられており、主に、この車両の前方を走行する他車両との衝突を実際に検知する機能を備えている。この衝突センサ700により車両と他車両との衝突が検知されると事故記録制御部400に対して「衝突検知信号」が出力される。
【0076】
レーダ800は、既存のミリ波レーダ装置などが使用され、このレーダ800は、主に、道路上を走行する車両の周囲に位置する車両(主に、車両の前方を走行する他車両或いは障害物)を対象として、車両と他車両との車間距離Lを測距する機能を備えている。そして、このレーダ800により検出された他車両との車間距離Lは、リアルタイムでナビゲーションシステム200の事故記録制御部400に出力され、事故予測判定部410により車両に対する事故発生予測の有無が判定されることとなる。
【0077】
具体的に説明すると、レーダ800により測距された車両と他車両との車間距離Lが安全に走行するためには確保すべきである、安全車間距離L´よりも小さい場合(車間距離L<安全車間距離L´)に事故予測判定部410は、事故の発生を判定(予測)し、この際、事故予測判定部410から事故記録制御部400に対して「事故予測信号」が出力される。
【0078】
(車両事故記録装置100による事故記録の処理手順)
次に、本実施例1に係る車両事故記録装置100による事故記録処理について説明する。図2は、車両事故記録装置100に備えた事故記録制御部400(図1)でおこなわれる車両に対する事故状況の記録処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートおよび図3を参照して、車両に対する事故記録処理手順の詳細について説明する。なお、図3は、ステップS150による「車両事故記録モード」の処理手順を示すフローチャートである。
【0079】
すなわち、図2のフローチャートに示すように、通常時、車両に対する制御は、ナビゲーションシステム200による「通常モード」により行ない(ステップS110)、以下では、衝突予測判定処理により、車両の事故発生が予測されたか否かの判定をおこなう(ステップS120)。
【0080】
具体的には、他車両や障害物などとの衝突が予測されたことを示す「衝突予測信号」が有るか否かの判定をおこない(ステップS130)、このステップS130の判定により「衝突予測信号」が有ると判定された場合に(ステップS130肯定)、次の、割り込み処理に移行する(ステップS140)。ここで、前述したように、ステップS110による「通常モード」とは、ナビゲーションシステム200を通常のナビゲーション処理(目的地までの走行経路の探索や道路状況の検索等)として使用している制御状態を示している。
【0081】
また、ステップS120による衝突予測判定処理は、事故予測判定部410(図1)によりおこなう処理で、前述したように、レーダ800(図1)により自車両の前方を走行する他車両との車間距離Lを測定し、所定の安全車間距離L´よりも接近したことが判定された時に(車間距離L<安全車間距離L´)、送信される「事故発生予測信号」の有無を判定する処理である。また、ステップS140による割り込み処理とは、一時的に、ナビゲーションシステム200による「通常モード」から車両の事故状況を記録する「車両事故記録モード」への処理へと制御を移行することを示す。
【0082】
ここで、前述したように、通常のナビゲーションシステム200における「通常モード」時は、ユーザ(車両の運転者、同乗者)の利用により、楽曲データベース(CCDDB)による配信サービスから配信される音楽などがスピーカ292(図1)から出力されていることがあるが、前記ステップS140の割り込み処理による「通常モード」から「車両事故記録モード」への移行時、音楽情報の演奏ルーチンは、一時的にトレードオフされ、「車両事故記録モード」による事故状況を記録する制御が優先されておこなわれる。
【0083】
すなわち、ステップS140の割り込み処理により「車両事故記録モード」に移行し(ステップS150)、この「車両事故記録モード」により車両に対する事故状況の記録処理をおこなう。前述したように、「車両事故記録モード」とは、CCDカメラ500やマイク600により車両に対する事故発生時(直前/直後)の車両状況の記録(録画/録音)をおこなうモードである。
【0084】
(「車両事故記録モード」による基本処理手順)
ここで、以下、図3のフローチャートを参照して、ステップS150による「事故記録モード」の詳細について説明する。すなわち、同図に示すように、先ず、CCDカメラ500により車両の周囲(主に、前方を走行する他車両或いは障害物)に位置する映像情報(画像情報)を撮像する(ステップS151)。次いで、マイク600により車両の運転者や車両周囲の音声情報を録音する(ステップS152)。そして、以下では、CCDカメラ500およびマイク600により取得された車両に関する事故状況の画像情報および音声情報に対する画像/音声情報圧縮処理に移行する(ステップS153)。
【0085】
具体的には、先ず、画像情報の圧縮処理に移行し、ステップS154において、CCDカメラ500により撮像された画像情報を画像/音声情報処理部280(図1)により圧縮処理し(ステップS154)、次いで、このステップS154により圧縮処理された画像情報を地図情報格納部255(図1)に記憶/格納する(ステップS155)。
【0086】
以下、音声情報の圧縮処理に移行し、ステップS156によりマイク600により録音された車両周囲の音声情報を圧縮処理する(ステップS156)。次いで、このステップS156により圧縮処理された音声情報を音楽情報格納部275(図1)に記憶/格納する(ステップS157)。
【0087】
以上説明したように、「車両事故記録モード」では、CCDカメラ500およびマイク600により録画/録音された事故状況に関する画像情報および音声情報の構成する記録データ(冗長部)を圧縮処理することにより、取得した記録データの容量が増大することなく、より小さいファイルサイズとして記録することができる。
【0088】
図2のフローチャートに戻り、ステップS150による「車両事故記録モード」以下の制御について説明する。すなわち、「車両事故記録モード」により車両の事故状況を記録した後では、次いで、復帰時刻設定処理をおこなう(ステップS160)。
【0089】
この復帰時刻設定処理は、「車両事故記録モード」から「通常モード」に復帰するまでの復帰時刻(復帰時刻変数N)を設定する処理であり、この復帰時刻は、事故記録時間設定部430(図1)により、予め設定される所定の設定時間T1に基づいて、設定される。ここで、復帰時刻変数Nは、現在時刻(衝突の発生が予測された時刻)をTとし、設定時間をT1とした場合に、復帰時刻変数N=現在時刻T+設定時間T1により算出される。ここで、所定の設定時間T1の設定は、事故記録時間設定部430(図1)の設定によりおこなわれる。
【0090】
次いで、車両と他車両との衝突が有るか否かの判定をおこなう衝突検知処理に移行する(ステップS170)。具体的には、衝突センサ700(図1)により車両と他車両との間で衝突が有るかの判定をおこない(ステップS170)、この判定により衝突センサ700による「衝突検知信号」の出力が有ると判定された場合には(ステップS170肯定)、「車両事故記録モード」による事故状況の記録を停止して、「通常モード」による制御に移行することになる。
【0091】
以下、次のステップS140により設定した割り込みモードを解除し(ステップS190)、これにより「車両事故記録モード」から「通常モード」に制御を移行し(ステップS200)、全ての処理を終了する(エンド)。
【0092】
一方、ステップS170の判定により、衝突が無いと判定された場合には、前述したと同様、次のステップS180による復帰時刻に到達したかの判定をおこなう(ステップS180)。そして、このステップS180の判定により、復帰時刻に到達したと判定された場合には(ステップS180肯定)、具体的には、衝突の発生が予測されてから設定時間T1が経過したかの判定をおこない、以下、次のステップS190により設定した割り込みモードを解除する(ステップS190)。そして、「車両事故記録モード」から「通常モード」に制御を復帰させ(ステップS200)、全ての処理を終了する(エンド)。すなわち、設定時間T1経過した後には、「車両事故記録モード」による事故状況の記録を停止して、「通常モード」による制御に移行することになる。
【0093】
次に、図2のフローチャートにより説明した、ステップS110〜ステップS200による事故記録処理手順に基づいて、車両が事故に至らなかった場合の処理と、事故が発生した場合の処理について、図4−1および図4−2のタイムチャートを参照して具体的に説明する。
【0094】
[事故に至らなかった場合の処理]
すなわち、図4−1のタイムチャートに示すように、道路を走行中の車両に対する「通常モード」時において、レーダ800(図1)による測距結果に基づく事故予測判定部410(図1)の判定結果により「事故予測信号」が出力されたと判定された場合、「通常モード」から「車両事故記録モード」に移行し、次いで、「車両事故記録モード」に移行した後、予め設定した所定の設定時間T1が経過しても、他車両などとの衝突を検知する「衝突検知信号」が送信されない場合(衝突センサ700、衝突判定処理により他車両との衝突がないと判定)、「車両事故記録モード」から「通常モード」に移行し、以降は、この「通常モード」による制御をおこなう。
【0095】
[事故が発生した場合の処理]
すなわち、図4−2のタイムチャートに示すように、道路を走行中の車両に対する「通常モード」時において、レーダ800(図1)による「事故予測信号」が送信された場合、この「通常モード」から「車両事故記録モード」に移行し、この「事故記録モード」中に、他車両などとの衝突を検知する「衝突検知信号」が送信された場合(ステップS170の衝突判定処理により衝突があると判定)、この衝突判定結果をトリガとして「車両事故記録モード」から「通常モード」に移行し、以降は、この「通常モード」による制御をおこなう。すなわち、本例では、予め設定した一定時間T1が経過する前であっても、衝突センサ700による「衝突検知信号」が送信された場合には、即座に「事故記録モード」を「通常モード」に切り換える制御がおこなわれる。
【0096】
以上説明したように、本実施例1によれば、事故の発生を予測する事故発生予測手段(本例では、レーダ800)により事故の発生が予測された場合には、車両事故記録装置100に備えている車両事故記録制御部400を作動させて、「通常モード」を「車両事故記録モード」に移行させる制御をおこない、この「車両事故記録モード」により車両の事故状況に関する映像(画像情報)や車両周囲の音声情報をCCDカメラ500或いは、マイク600により録画/録音し、さらに、これら取得した画像情報或いは、音声情報を画像/音声情報処理部280により圧縮処理し、この圧縮処理された事故状況に関する画像情報および音声情報をナビゲーションシステム200に備えている地図情報格納部255或いは、音楽情報格納部275に記録/格納するようにしているので、事故発生直前の車両状況を正確に把握することができ、さらに、記録容量が増大することなく、より小さいファイルサイズでの記録情報の記録/格納が実現可能となる。
【0097】
また、ナビゲーションシステム200に備えている地図情報格納部255或いは、音楽情報格納部275を事故発生時の車両状況を記録する記録装置として利用するので、車両の事故記録データを記憶/格納する記憶装置(HDD)の負担を軽減することができる。
【0098】
さらに、事故の発生予測時、所定時間(設定時間T1)経過しても衝突センサ700により衝突が検出されない場合には、「車両事故記録モード」を終了し、通常の「通常モード」に復帰する制御をおこなうので、必要とする車両に対する事故状況のみを記録することができ、この結果、車両の事故記録データを記憶/格納する記憶装置(HDD)の負担を軽減することができる。
【実施例2】
【0099】
次に、本発明の車両事故記録装置に係る実施例2について詳細に説明する。ここで、図5は、本実施例2に係る車両による事故記録処理手順を示しており、この実施例2と前述した実施例1(図2)との相違点は、他車両などとの衝突を検知する「衝突検知信号」が出力された場合に(衝突判定処理により衝突があると判定)、「車両事故記録モード」から「通常モード」に移行することなく、そのまま継続して、「事故記録モード」による事故記録をおこなう制御を所定の時間(設定時間T2)おこなう点と、マイク600により取得(録音)された複数の音声情報のうち、人物の音声を優先的に抽出し、この人物の音声情報を重点的に記録する「人物音声記録モード」を備えた点にある。
【0100】
すなわち、この「人物音声記録モード」とは、車両の事故発生時にマイク600で取得(録音)される複数種類の音声情報(事故時の車両のエンジン音、タイヤのスリップ音、他の車両との衝突音、衝撃音、人の音声等)のうち、人の音声を抽出して、この音声を重点的に記録する処理モードである。なお、この人の音声とは、主に、車両を運転する運転者や車両の周囲にいる他の人物(運転者以外の他車両の人物、事故の目撃者などの音声)の声(音声)を示している。
【0101】
この人物の音声情報の抽出は、画像/音声情報処理部280(図1)として利用されるDSP(Digital Signal Processor)によるイコライジング機能(周波数調整機能)を利用することにより、抽出することができ、これにより、車両周囲の雑音を除去した音声情報として取得することができる。
【0102】
具体的に説明すると、本実施例2では、衝突センサ700(図1)による他の車両との衝突検知時には、車両を運転する運転者や車両の周囲にいる他の人物(運転者以外の人物)の声(音声)を重点的に事故記録情報として取得することに特徴がある。
【0103】
すなわち、本実施例2では、画像/音声情報処理部280として利用されるDSP(Digital Signal Processor)によるイコライジング機能(周波数調整機能)を利用して、重点的に人物の音声情報の録音をおこなうことにより、車両周囲の雑音を除去した音声情報として取得することができるようにしている。この「人物音声記録モード」により事故発生時の音声情報を取得することにより事故原因の解明を正確且つ容易におこなうことができる。
【0104】
以下、図5のフローチャートおよび図4を参照して説明する。なお、車両事故記録装置100の内部構成は、図1の機能ブロック図に示したものと同様に構成される。
【0105】
以下、図5を参照して、実施例2に係る事故記録処理手順を説明する。ここで、この図5のフローチャートにおいて、前述した図2と同様の処理手順については、詳細な説明を省略し、本実施例2の特徴部分である事故記録を継続する制御および「人物音声記録モード」による処理手順(ステップS171〜ステップS173)を中心に説明する。すなわち、図5のフローチャートに示すように、ステップS170の判定により、他車両(或いは、障害物)との衝突が有ると判定された場合には(ステップS170肯定)、次いで、復帰時刻再設定処理に移行する(ステップS171)。この復帰時刻再設定処理は、車両が事故に至ったことが判定された場合に、事故後の事故状況を記録する設定時間T2に基づいて、「車両事故記録モード」から「通常モード」に戻る、復帰時刻(再復帰時刻変数N´)を再設定する処理である。
【0106】
ここで、再復帰時刻変数N´は、現在時刻(衝突が判定された時刻)をTとし、設定時間をT2とした場合に、再復帰時刻変数N´=現在時刻T+設定時間T2により算出される。すなわち、このステップS171による復帰時刻再設定処理で設定された設定時間T2が経過するまで事故状況の記録がおこなわれる。ここで、所定の設定時間T2の設定は、事故記録時間設定部430(図1)の設定によりおこなわれる。
【0107】
以下、「人物音声記録モード」が事故記録形態設定部440(図1)により設定されているかの判定をおこない(ステップS172)、このステップS172の判定により「人物音声記録モード」が設定されていると判定された場合(ステップS172肯定)、以下、「人物音声記録モード」に移行する。
【0108】
具体的には、前述したように、所定の設定時間T2の間は、「人物音声情報記録モード」による音声情報を優先的に記録する処理をおこなうこととなる(ステップS173)。なお、このステップS171による「人物音声記録モード」の設定は、事故記録形態設定部440(図1)によりおこなわれる。
【0109】
この「人物音声記録モード」による記録処理は、所定の設定時間T2の間は、継続しておこなわれ、ステップS174の所定の設定時間T2経過したかの判定(再復帰時刻変数N´<現在時刻T)により、所定の設定時間T2経過したと判定された場合(ステップS173肯定)、以下、ステップS140により設定した割り込みモードを解除し(ステップS190)、「車両事故記録モード」から「通常モード」に制御を復帰させ(ステップS200)、以下、全ての処理を終了する(エンド)。
【0110】
一方、ステップS172の判定により、「人物音声記録モード」が設定されていないと判定された場合(ステップS172否定)、以下、「人物音声記録モード」による記録処理が、所定の設定時間T2経過したかの判定(復帰時刻変数N´<現在時刻T)をおこない(ステップS174)、このステップS174の判定により、所定の設定時間T2経過したと判定された場合(ステップS174肯定)、以下、ステップS140により設定した割り込みモードを解除し(ステップS190)、「車両事故記録モード」から「通常モード」に制御を復帰させ(ステップS200)、以下、全ての処理を終了する(エンド)。
【0111】
前述したように、この「人物音声記録モード」は、車両の運転者、同乗者や車両の周囲に位置する人物による音声情報を重点的に記録するモードであり、この「人物音声記録モード」により事故発生時の音声情報を取得することにより事故原因の解明を正確且つ容易におこなうことができる。
【0112】
以上、図5のフローチャートにより説明した、ステップS110〜ステップS200による事故記録処理手順に基づいて、車両が事故に至らなかった場合の処理と、事故が発生した場合の処理について、図6および図7のタイムチャートを参照して具体的に説明する。
【0113】
[事故が発生した場合の処理]
図6のタイムチャートに示すように、本例では、道路を走行中の車両に対する「通常モード」時において、レーダ800(図1)による「事故予測信号」が出力された場合、このナビゲーションシステム200による「通常モード」から「車両事故記録モード」に移行し、この「事故記録モード」中に、他車両などとの衝突を検知する「衝突検知信号」が出力された場合(ステップS170の衝突判定処理により衝突がある判定)、前記実施例1とは相違し、「車両事故記録モード」から「通常モード」に移行しないで、そのまま継続して、「事故記録モード」による事故記録をおこなう制御を所定の時間(設定時間T2)おこなう。
【0114】
そして、設定時間T2経過後は、「車両事故記録モード」から「通常モード」に移行し、以降は、この「通常モード」による制御をおこなう。この場合、同図に示すように、「事故予測信号」の出力時から所定の設定時間T1経過した後であっても、「事故記録モード」による事故記録制御は中止されることなく継続される。
【0115】
[事故発生時の人物音声記録モードによる処理]
図7のタイムチャートに示すように、本例では、「第1の事故記録モード」と「第2の事故記録モード」とを備えており、「第1の事故記録モード」は、前述した実施例1と同様に、「事故予測信号」が出力された場合に、車両に対する事故状況をCCDカメラ500およびマイク600により画像情報および音声情報を録画/録音する処理モードである。そして、「第2の事故記録モード」は、衝突センサ700による衝突検知時に、車両を運転する運転者や車両の周囲にいる他の人物(運転者以外の人物)の声(音声)を重点的に事故状況に関する音声情報として記録する処理モードである。
【0116】
すなわち、同図のタイムチャートに示すように、道路を走行中の車両に対する「通常モード」時において、レーダ800による事故予測信号が受信された場合、この「通常モード」から「第1の事故記録モード」に移行し、この「第1の事故記録モード」中に、他車両などとの衝突を検知する衝突検知信号が出力された場合(ステップS170の衝突判定処理により衝突がある判定)、「第1の事故記録モード」からマイク600による音声情報を重点的に録音する「第2の事故記録モード」に移行して、以降は、所定の時間(設定時間T2)の間は、この「第2の事故記録モード」である「人物音声記録モード」により車両に対する事故記録をおこなう。
【0117】
以下、設定時間T2が経過した後は、「人物音声記録モード」から「通常モード」に移行し、以降は、この「通常モード」により通常制御をおこなうこととなる。
【0118】
以上説明したように、本実施例2によれば、他車両などとの衝突を検知する衝突検知信号が出力された場合であっても(衝突センサ700の衝突判定処理により衝突があると判定)、実施例1のように「車両事故記録モード」から「通常モード」に移行しないで、そのまま継続して、「事故記録モード」による事故記録をおこなう制御を所定の時間(設定時間T2)おこなうので、衝突事故後の事故状況に関する画像情報および音声情報を確実に継続して取得することが可能となる。
【0119】
また、事故の発生を予測する事故発生予測手段(本例では、レーダ800)により事故の発生が予測された場合には、車両事故記録装置100に備えている車両事故記録制御部400を作動させて、CCDカメラ500による車両の画像情報を撮像することより優先して、マイク600による音声情報を重点的に録音する「人物音声記録モード」をおこなうので、記録データをより小さいファイルサイズとすることができ、さらに、雑音がないクリアな音声情報を記録(録音)することができる。
【0120】
CCDカメラ500による車両周囲の画像情報およびマイク600による音声情報をもとにして、事故発生直前の車両状況を正確に把握することができるうえ、さらに、事故予測時から所定時間経過した後には、事故記録モードを通常モードに復帰させる制御をおこなうようにしているため、必要とする車両状況のみを記録することができ、この結果、事故記録装置の負担を軽減することができる。
【0121】
(他の実施例)
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は、上述した実施例1、2以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施例にて実施することもできる。すなわち、上述した実施例1、2では、GPSアンテナ210から車両の位置情報を取得するように構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなくGPS以外の手段から位置情報を取得するように構成しても良い。
【0122】
また、上述した実施例1、2では、事故の発生を予測する装置として、レーダ800を搭載しているが、特にレーダではなく、例えば、車載カメラを搭載し、この車載カメラにより走行時の車両の周囲や車外環境を録画(撮像)するようにしても良い。
【0123】
また、上述した実施例1、2では、車両事故記録装置100による記録対象を車両周囲の画像情報或いは音声情報としているが、これに限らず、車両のコンディションを示す各種の情報(例えば、エンジン温度、冷却水温度、アクセル開度、ブレーキタイミング、操舵角度、ハンドル角度、車速度など)を取得し、これらの各情報を事故を解明するときの車両の事故状況情報として利用するようにしても良い。
【0124】
また、上述した実施例1、2では、地図情報格納部255と音楽情報格納部275とは、夫々別々の記憶装置(HDD)としているが、これら地図情報格納部255と音楽情報格納部275とを一時的に一つの記憶装置とすることもできる。この場合、両者の格納部255、275に同時にアクセスすることが可能となり、この結果、事故記録データを記録/格納する保存領域を大容量化とすることができるうえ、記録情報の高速アクセス(読み出し/記録)を可能とすることができる。また、長期にわたって車両に関する事故状況を記録することができる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明に係る車両事故記録装置および事故記録方法は、事故直前の車両状況を正確に把握可能とする車両に搭載される車両事故記録装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本実施例1に係る車両事故記録装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示した車両事故記録装置による事故記録処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図2に示した「車両事故記録モード」による基本処理手順を示すフローチャートである。
【図4−1】車両における時間経過にともなう制御状況を示すタイムチャートである。
【図4−2】車両における時間経過にともなう制御状況を示すタイムチャートである(事故発生時)。
【図5】本実施例2に係る車両事故記録装置による事故記録処理手順を示すフローチャートである。
【図6】同実施例2に係る車両による事故発生時の時間経過にともなう制御状況を示すタイムチャートである。
【図7】「人物音声記録モード」による事故発生時の時間経過にともなう制御状況を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0127】
100 車両事故記録装置
200 ナビゲーションシステム
210 GPSアンテナ
220 GPS受信機
230 操作部
250 地図情報記憶部
255 地図情報格納部(HDD)
270 音楽情報記憶部
275 音楽情報格納部(HDD)
280 画像/音声情報処理部
290 出力部
291 モニタ
292 スピーカ
300 制御部
310 事故状況取得部
320 走行経路設定部
400 事故記録制御部
410 事故予測判定部
420 衝突検知判定部
430 事故記録時間設定部
440 事故記録形態設定部
500 CCDカメラ
600 マイク
700 衝突センサ
800 レーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置情報および地図情報をもとに、車両に対するナビゲーション処理をおこなうナビゲーションシステムを利用した車両事故の記録装置であって、
前記車両による事故を予測する車両事故予測手段と、
前記車両による事故状況の記録をおこなう事故状況記録手段と、
前記車両事故予測手段による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、前記事故状況記録手段による事故記録モードに切り換える制御をおこなう事故記録制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両事故記録装置。
【請求項2】
車両の位置情報および地図情報をもとに、車両に対するナビゲーション処理をおこなうナビゲーションシステムを利用した車両事故の記録装置であって、
前記車両による事故を予測する車両事故予測手段と、
音楽情報を記録する音楽情報記録手段と地図情報を記録する地図情報記録手段と、
前記車両による事故状況の記録をおこなう事故状況記録手段とを備え、
前記事故状況記録手段は、車両の前方または周囲を撮像する撮像手段と、車両の周囲の音声を取得する音声情報入力手段と、
前記撮像手段により撮像された画像情報の圧縮をおこなう画像情報圧縮手段と、
前記音声情報入力手段により取得された音声情報の圧縮をおこなう音声情報圧縮手段とを備え、
前記車両事故予測手段による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、前記事故状況記録手段による事故記録モードに切り換える制御をおこなう事故記録制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両事故記録装置。
【請求項3】
前記事故記録制御手段は、
前記事故状況記録手段による事故記録モードで車両に対する事故記録を所定の設定時間おこない、前記所定の設定時間経過後、事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなうことを特徴とする請求項1または2に記載の車両事故記録装置。
【請求項4】
前記車両に対する事故の発生を検出する事故発生検出手段をさらに備え、前記事故記録制御手段は、前記事故発生検出手段により事故の発生が検出された場合に、車両事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなうことを特徴とする請求項1または2に記載の車両事故記録装置。
【請求項5】
前記車両に対する事故の発生を検出する事故発生検出手段をさらに備え、前記事故記録制御手段は、前記事故発生検出手段により事故の発生が検出された場合に、所定の設定時間の間は、車両事故記録モードによる事故記録をおこない、前記所定の設定時間経過後には、事故記録モードを通常モードに切り換えるとともに、前記事故状況記録手段による事故記録を中止する制御をおこなうことを特徴とする請求項1または2に記載の車両事故記録装置。
【請求項6】
前記事故記録制御手段は、
前記音声情報入力手段により取得された音声情報を優先的に事故記録情報とする音声情報優先記録モードを備えることを特徴とする請求項5に記載の車両事故記録装置。
【請求項7】
前記事故記録制御手段は、
前記撮像手段による画像情報および/または前記音声情報入力手段による音声情報を車両の事故記録情報とするかを設定する事故記録形態設定手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の車両事故記録装置。
【請求項8】
前記事故状況記録手段を構成する撮像手段による車両の前方または周囲の画像情報或いは、音声情報入力手段による車両の周囲の音声情報は、前記音楽情報記録手段或いは前記地図情報記録手段に記憶されることを特徴とする請求項2から7のいずれか一つに記載の車両事故記録装置。
【請求項9】
前記音楽情報記録手段および前記地図情報記録手段は、前記音声情報入力手段により取得された同一の音声情報或いは撮像手段により撮像された同一の画像情報をそれぞれ同時に記録するミラーリング機能を備えることを特徴とする請求項8に記載の車両事故記録装置。
【請求項10】
車両の位置情報および地図情報をもとに、車両に対するナビゲーション処理をおこなうナビゲーションシステムを利用した車両事故の記録方法であって、
前記車両による事故を予測する車両事故予測工程と、
前記車両による事故状況の記録をおこなう事故状況記録工程と、
前記車両事故予測工程による車両事故発生の予測時に、前記ナビゲーションシステムによる通常モードを、前記事故状況記録工程による事故記録モードに切り換える制御をおこなう事故記録制御工程と、
を備えたことを特徴とする車両事故記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−331317(P2006−331317A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157771(P2005−157771)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】