説明

車両共同利用管理システム

【課題】従来の車両共同利用管理システムでは、コストが高くなる。
【解決手段】車両共同利用管理システムは、利用者の車両利用状況及び車両とその開錠コードを管理する管理サーバ100と、開錠コードを記憶する電子キー120に搭載された書換え可能な開錠コード記憶部121と、電子キー120が正当なものであることを確認するための認証コードを記憶する電子キー120に搭載された書換え不可能な認証コード記憶部122と、電子キー120が正当なものであるか判断する情報端末110に搭載された電子キー認証部111と、車両の窓及びドアが閉じられ、かつ施錠されているか否かを記憶する電子キー120に搭載された書換え可能な車両状態記憶部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両共同利用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯用の電子キーから無線通信で送信される暗号コードを車両側において照合し、正しかった場合にのみドアロックの解除を行う車両用電子キーシステムは広く普及している(例えば特許文献1)。
【0003】
ところで、複数の利用者が複数車両を共同で利用するカーシェアリングという形態がある。車両の貸し出し及び返却をする場所はステーションと呼ばれる。そのステーションには通常、管理人はいない。
【0004】
利用者が予約車両を利用する際に、利用者にICカードを提示させることによって利用者を識別する。利用者が正当な会員であり、かつ予約を行った者であると確認すると、無線通信網及び車両に搭載された車載器を介して、車両のドアロックを解除する、例えば特許文献2のような車両共同利用システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−36675号公報
【特許文献2】特開2003−233892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カーシェアリングのように複数の利用者が複数車両を共同で利用する場合、特許文献1のような車両用電子キーシステムでは、利用開始時に利用者に予約した車両の電子キーを渡し、利用終了時に電子キーを回収する仕組みを持った設備を用意しなければならないためコストが高くなる。また、特許文献2のような車両共同利用システムでは、ICカードが電子キーと同じ機能を有しており、ICカードを車両にかざすことによりICカードに記憶されている利用者の識別情報を読取り、その識別情報を無線通信網を介して送信し管理センタにある予約情報でその利用者が予約を行った者か否か判断を行い、その利用者が予約をした者と判断された場合に、ドアロックを解除する。車両に管理センタと通信するための無線通信手段等を搭載しなければならないため車両のコストが高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両共同利用管理システムは、少なくとも利用者の車両利用状況及び車両とその開錠コードを管理する管理サーバと、所定の車両のドアの開錠判断に使用される開錠コードを記憶する書換え可能な開錠コード記憶手段と、電子キーが正当なものであることを確認するための認証コードを記憶する書換え不可能な認証コード記憶手段と、所定の車両が施錠されているか否かを記憶する書換え可能な車両状態記憶手段とを有する電子キーと、前記認証コードを基に前記電子キーが正当なものであるか否かを判断する電子キー認証手段と、利用開始処理時において、前記電子キー認証手段が前記電子キーを正当であると判断した場合に前記管理サーバから所定の車両の開錠コードを受信して、その受信した所定の車両の開錠コードを前記電子キーに書き込ませ、利用終了処理時において、前記電子キー認証手段が前記電子キーを正当であると判断し、かつ前記車両状態記憶手段に前記所定の車両が施錠されていることが記憶されている場合に、前記電子キーに記憶されている開錠コードの消去を前記電子キーに行わせ、利用終了処理完了を示す完了情報を前記管理サーバに送信する電子キー管理手段とを有する情報端末とを備え、前記管理サーバは、前記完了情報を受信して前記所定の車両の利用終了を登録する。
【0008】
これにより、車両に特別な装置を追加する必要がなく、また、清算後は電子キーでの開錠が不可能になるため不正利用されることがない車両共同利用管理システムの実現が可能になった。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両が施錠されているか否かを確認するため、施錠されない状態のまま返却され、車両及び車内の物品が盗難されることを防ぐことが可能となる。また、車両に通信装置等の特別な装置を追加する必要がない。また、利用者は車両が変わっても、同じ電子キーで開錠が可能である。更に、利用後はその利用者の所有する電子キーでの開錠が不可能になるため不正利用されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1に係る車両共同利用管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2a】実施例1と異なる電子キーの構成を説明するための図である。
【図2b】実施例1と異なる電子キーの構成を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例2に係る車両共同利用管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例の利用開始時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施例の利用終了時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施例の利用終了時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】車両管理テーブルの内容を説明するための図である。
【図8a】利用者管理テーブルの内容を説明するための図である。
【図8b】利用者管理テーブルの内容を説明するための図である。
【図9】電子キーに記憶される認証コード及び開錠コードの内容を説明するための図である。
【図10a】電子キーに記憶される認証コード、開錠コード及び車両状態の内容を説明するための図である。
【図10b】電子キーに記憶される認証コード、開錠コード及び車両状態の内容を説明するための図である。
【図11】本発明の第3の実施例の利用終了時の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る車両共同利用管理システムの全体構成を示すブロック図である。図4は、本発明の第1の実施例の利用開始時の動作を説明するためのフローチャートである。図5は、本発明の第1の実施例の利用終了時の動作を説明するためのフローチャートである。図7は、車両管理テーブルの内容を説明するための図である。図8aは、利用者管理テーブルの内容を説明するための図である。図9は、電子キーに記憶される認証コード及び開錠コードの内容を説明するための図である。
【0012】
図1において、車両共同利用管理システムは、管理サーバ100、車両管理テーブル101、利用者管理テーブル102、情報端末110、電子キー120を含む。さらに、情報端末110は、電子キー認証部111、電子キー管理部112、入力部113を含む。また、電子キー120は、開錠コード記憶部121、認証コード記憶部122、無線送信部123を含む。
【0013】
図1、図4、図7、図8a、図9を参照して、実施例1に係る車両共同利用管理システムの処理及び構成要素を説明する。
【0014】
管理サーバ100は、ネットワーク103を介しての通信機能を有し、車両管理テーブル101を使用して車両とその開錠コードの管理及び、利用者管理テーブル102を使用して利用者の車両利用状況の管理を行う。車両管理テーブル101は、図7に示すように車両ナンバーと開錠コードを関連付けて保持する。利用者管理テーブル102は、図8aに示すように利用者番号、認証確認コード、車両ナンバー、利用開始時刻、利用終了時刻を関連付けて保持する。なお、管理サーバ100の通信機能(手段)は、図1では省略されている。
【0015】
情報端末110は、ネットワーク103を介して管理サーバ100と通信するための第1の通信機能と、有線方式または無線方式で電子キーと通信するための第2の通信機能、電子キー認証部111、電子キー管理部112と入力部113を有する。電子キー認証部111は、電子キー120に記憶されている認証コードと、利用者管理テーブル102に利用者番号と関連付けて記憶されている認証確認コードを所定の処理をして電子キーが正当であるか否か判断する。電子キー管理部112は、電子キー120の開錠コード記憶部121に開錠コードを書込んだり、消去したりする。入力部113は、キーボードまたはタッチパネルなどの入力部であり、利用者が利用者番号などを入力する。なお、利用者情報端末110の第1及び第2の通信機能(手段)は、図1では省略されている。
【0016】
電子キー120は、有線方式または無線方式で情報端末110と通信するための通信機能、開錠コード記憶部121、認証コード記憶部122、車両に開錠コードを無線方式で送信するための無線送信部123を有する。開錠コード記憶部121は、開錠コードを記憶する。情報端末110から書換え可能である。認証コード記憶部122は、認証コードを記憶する。情報端末110からの書換えは不可能である。無線送信部123は、開錠コードを無線方式で送信する。開錠コードを受信した車両に搭載された装置により、開錠コードがその車両のための開錠コードと判断されたならば、車両のドアは開錠される。なお、電子キー120の情報端末110との通信機能(手段)は、図1では省略されている。
【0017】
まず、図4のフローチャートを用いて利用者番号「12340002」の利用者が車両の利用を開始する場合の処理について説明する。電子キーは利用者全てに配布されており、利用者番号と電子キーの認証確認コードは関連付けられて利用者管理テーブルに事前に登録されているものとする。また、利用者番号「12340002」の予約は前もって行われ車両は「横浜503わ △△△△」に決まっているものとする。
【0018】
利用者は、情報端末110のキーボード等の入力部113から利用者番号を入力する(S220)。情報端末110は利用者番号を管理サーバ100に送信する(S221)。管理サーバ100は、利用者番号を受信して(S200)、利用者管理テーブル102(図8a)から利用者番号「12340002」の電子キー認証確認コード「qt3jgbpui9」を読取り(S201)、その電子キー認証確認コードを情報端末110に送信する(S202)。
【0019】
情報端末110は、電子キー認証確認コードを受信(S222)後、電子キー認証コード要求を電子キー120に送信する(S223)、電子キー120は、電子キー認証コード要求を受信し(S240)、電子キーの認証コード「qt3jgbpui9」を認証コード記憶部122から読取り(S241)、その電子キーの認証コードを情報端末110に送信する(S242)。
【0020】
情報端末110は、電子キー認証コードを受信(S224)し、管理サーバ100から受信した電子キー認証確認コードと、電子キー120から受信した電子キー認証コードとを使用して電子キー120が利用者のものであることを確認するための認証を行う(S255)。本実施例では、電子キー認証コードと電子キー認証確認コードとが一致した場合を成功、一致しない場合を失敗とする。認証が失敗した場合(S226,N)は情報端末110の表示装置に認証失敗を表示して(S232)、利用開始の処理は終了する。認証が成功した場合(S226,Y)は、車両開錠コード要求を管理サーバ100に送信する(S227)。この認証により、開錠コードが偽装した正当でない電子キーに書込まれ、車両が盗難または不正利用されることを防ぐ。
【0021】
管理サーバ100は、車両開錠コード要求を受信し(S203)、利用者管理テーブルから利用者の予約している車両ナンバーを読み出し、次にその車両ナンバーに対応する車両開錠コードを車両管理テーブル101(図7)から読取り(S204)、情報端末110に車両開錠コードを送信する(S205)。その後、管理サーバ100は、利用開始時刻を利用者管理テーブル102(図8)に登録する(S206)。
【0022】
情報端末110は、車両開錠コードを受信し(S228)、電子キー120に車両開錠コードを送信する(S229)。電子キー120は、車両開錠コードを受信し(S243)、車両開錠コードを開錠コード記憶部121に書込み(S244、図9)、情報端末110に、車両開錠コード書込み終了を送信する(S245)。
【0023】
情報端末110は、電子キー120から車両開錠コード書込み終了を受信し(S230)、情報端末110の表示装置に利用開始手続き終了を表示する(S231)。利用者は、開錠コードが書込まれた電子キー120を使用して、車両の近くで開錠コードを無線送信部123から送信することにより車両を開錠することが可能になる。
【0024】
次に、図5のフローチャートを用いて利用者番号「12340002」の利用者が車両の利用を終了する場合の処理について説明する。
【0025】
利用者は、情報端末110のキーボード等の入力部113から利用者番号を入力する(S320)。情報端末110は利用者番号を管理サーバ100に送信する(S321)。管理サーバ100は、利用者番号を受信して(S300)、利用者管理テーブル102(図8a)から利用者番号「12340002」の電子キー認証確認コード「qt3jgbpui9」を読取り(S301)、その電子キー認証確認コードを情報端末110に送信する(S302)。
【0026】
情報端末110は、電子キー認証確認コードを受信(S322)後、電子キー認証コード要求を電子キー120に送信する(S323)、電子キー120は、電子キー認証コード要求を受信し(S340)、電子キーの認証コード「qt3jgbpui9」を認証コード記憶部122から読取り(S341)、その電子キーの認証コードを情報端末110に送信する(S342)。
【0027】
情報端末110は、電子キー認証コードを受信(S324)し、管理サーバ100から受信した電子キー認証確認コードと、電子キー120から受信した電子キー認証コードとを使用して電子キー120が利用者のものであることを確認するための認証を行う(S325)。認証が失敗した場合(S326,N)は情報端末110の表示装置に認証失敗を表示して(S332)、利用終了の処理は終了する。認証が成功した場合(S326,Y)は、車両開錠コード消去要求を電子キー120に送信する(S327)。この認証により、偽装した正当でない電子キーの開錠コードを消去させ、正当な電子キーを開錠コードが書込まれたまま残すことによって、車両が盗難または不正利用されることを防ぐ。
【0028】
電子キー120は、車両開錠コード消去要求を受信し(S343)、開錠コード記憶部121に書込まれた車両開錠コードを消去し(S344)、情報端末110に、車両開錠コード消去完了を送信する(S345)。情報端末110は、車両開錠コード消去完了を受信し(S328)、管理サーバ100に車両開錠コード消去完了を送信する(S329)。管理サーバ100は、車両開錠コード消去完了を受信し(S303)、利用者管理テーブル102(図8a)に、利用終了時刻を登録し(S304)、情報端末110に利用終了手続き完了を送信する(S305)。情報端末110は、利用終了手続き完了を受信し(S330)、情報端末110の表示装置に利用終了手続き完了を表示する(S331)。
【0029】
利用終了手続きが完了すると、利用者番号「12340002」の利用者の電子キーの開錠コードは消去され、車両の開錠はできなくなる。なお、課金される利用開始時刻から利用終了時刻までの時間と、車両の開錠可能期間が一致するという利点がある。
【0030】
(実施例2)
図3は、本発明の実施例2に係る車両共同利用管理システムの全体構成を示すブロック図である。図6は、本発明の第2の実施例の利用終了時の動作を説明するためのフローチャートである。図7は、車両管理テーブルの内容を説明するための図である。図8bは、利用者管理テーブルの内容を説明するための図である。図9は、電子キーに記憶される認証コード及び開錠コードの内容を説明するための図である。
【0031】
図3において、車両共同利用管理システムは、管理サーバ100、車両管理テーブル101、利用者管理テーブル102、情報端末110、電子キー120、ナンバー読取装置130、カメラ131、車両識別番号読取装置140、アンテナ141を含む。さらに、管理サーバ100は、車両返却確認部114を含む。また、情報端末110は、電子キー認証部111、電子キー管理部112、入力部113を含む。また、電子キー120は、開錠コード記憶部121、認証コード記憶部122、無線送信部123を含む。
【0032】
図3、図6、図7、図8b、図9を参照して、実施例2に係る車両共同利用管理システムの処理及び構成要素を説明する。なお実施例1と異なる構成要素のみを説明する。
【0033】
管理サーバ100の車両返却確認部114は、車両のナンバーまたは車両の識別番号と利用者管理テーブル102から、車両の返却を確認する。
【0034】
カメラ131は、車両の返却場所への入り口等に設置され、特に車両のナンバーを撮影する。ナンバー読取装置130は、カメラ131で撮影された映像から車両のナンバーを認識して読取る。なお、車両ナンバーの読取り技術は、その装置が既に高速道路等で使用されている公知の技術である。
【0035】
アンテナ141は、車両に搭載されたETC(Electronic Toll Collection)等の機器との間で無線通信するためのものである。車両識別番号読取装置は、車両から送信されたデータから車両の識別番号を取得する。なお、車両の識別番号の取得技術は、その機能が搭載されたETCが既に高速道路等で使用されている公知の技術である。
【0036】
利用開始時の処理は実施例1と同じであるため説明を省略する。図6のフローチャートを用いて利用者番号「12340002」の利用者が車両の利用を終了する場合の処理について説明する。電子キーは利用者全てに配布されており、利用者番号と電子キーの認証確認コードは関連付けられて利用者管理テーブルに事前に登録されているものとする。また、利用者番号「12340002」の予約は前もって行われ車両は「横浜503わ △△△△」に決まっているものとする。なお、ナンバー読取装置130とカメラ131、車両識別番号読取装置140とアンテナ141は、車両の識別をするという同じ機能であるため、本実施例では、ナンバー読取装置130とカメラ131の組合わせの場合の処理のみ説明し、車両識別番号読取装置140とアンテナ141の組合わせの処理の説明は省略する。
【0037】
車両ナンバー読取装置130は、カメラ131で撮影された画像を入力し(S360)、ナンバーが撮影されていたならば読取り(S361)、管理サーバ100にナンバー「横浜503わ △△△△」を送信する(S362)。
【0038】
管理サーバ100は、ナンバーを受信し(S306)、利用者管理テーブル102(図8b)の車両状態が「使用中」である中に該当する車両ナンバーがあるので(S307、Y)、利用者管理テーブルの利用者番号「12340002」の車両状態を「使用中」から「返却」にする(S308)。
【0039】
返却場所に車両を駐車した後、利用者は、情報端末110のキーボード等の入力部113から利用者番号を入力する(S320)。情報端末110は利用者番号「12340002」を管理サーバ100に送信する(S321)。管理サーバ100は、利用者番号を受信して(S300)、利用者管理テーブル102(図8b)から利用者番号「12340002」の車両状態「返却」を読取り(S309)、情報端末110に車両返却状況を送信する(S310)。次に管理サーバは、利用者管理テーブル102(図8b)から利用者番号「12340002」の電子キー認証確認コード「qt3jgbpui9」を読取り(S301)、その電子キー認証確認コードを情報端末110に送信する(S302)。
【0040】
情報端末110は、車両返却状況と電子キー認証確認コードを受信(S333、S322)する。車両が返却されていない場合(S334,N)は、情報端末110の表示装置に車両未返却を表示して(S335)、利用終了の処理は終了する。車両が返却されている場合(S334,Y)は、電子キー認証コード要求を電子キー120に送信する(S323)。以降の処理は、実施例1と同じであるため説明は省略する。
【0041】
車両の返却場所への返却を確認することによって、車両が返却されていないまま利用終了手続きをするような不正行為を防ぐことが可能である。
【0042】
(実施例3)
本発明の実施例3に係る車両共同利用管理システムの全体構成を示すブロック図は、実施例1と同じく図1である。図11は、本発明の第3の実施例の利用終了時の動作を説明するためのフローチャートである。図2a及び図2bは、実施例1と異なる電子キーの構成を説明するための図である。図10a及び図10bは、電子キーに記憶される認証コード、開錠コード及び車両状態の内容を説明するための図である。
【0043】
実施例1と異なる電子キーの構成のみ説明する。
【0044】
電子キー120は、開錠コード記憶部121、認証コード記憶部122、実施例1における無線送信部123と異なり受信機能も有する無線送受信部125と、実施例1にはない車両状態記憶部124から構成される。電子キー120の車両状態記憶部124は、車両が施錠されているか否かの状態を記憶する。車両が施錠されているか否かは、車両に搭載された機器によって監視され、その施錠状態は例えば電子キーの施錠ボタンを押したとき、または所定の周期的なタイミングで車両から施錠情報として送信されるものとする。
【0045】
また、施錠状態ばかりでなく、車両の窓及びドアが閉じられていること等を含む車両状態を示す車両状態情報を受信して、その車両状態を車両状態記憶部124に記憶してもよい。
【0046】
なお、車両状態記憶部124は、車両から送信される車両状態情報に基づく車両状態を記憶するものばかりでなく、電子キーが車両を施錠するために送信するに車両キーロック情報を送信したか否かを記憶するものであってもよい。(車両キーロック情報を送信したことは、車両が施錠されていることと等価と考えればよい。)
また、車両状態記憶部124に記憶されている車両状態を、電子キー120に搭載されたLEDや液晶画面等の表示器126で表示させてもよい。
【0047】
利用開始時の処理は実施例1と同じであるため説明を省略する。図11のフローチャートを用いて利用者番号「12340002」の利用者が車両の利用を終了する場合の処理について説明する。
【0048】
利用終了時も電子キー120の認証までの処理は、実施例1と同じであるため説明を省略する。認証が成功した場合(S326、Y)、情報端末110は、車両状態要求を電子キーに送信する(S336)。電子キー120は、車両状態要求を受信して(S346)、車両状態記憶部124(図10a、図10b)を読取り(S347)、車両状態を情報端末110に送信する(S348)。情報端末110は、車両状態を受信して(S337)、車両状態が「アンロック」の場合(S338,N、図10b)、情報端末110の表示装置に車両未施錠を表示する(S339)。車両状態が「ロック」の場合(S338,Y、図10a)、車両開錠コード消去要求を電子キー120に送信する(S327)。以降の処理は、実施例1と同じため省略する。
【0049】
車両が施錠されているか否かを確認できるため、車両が施錠されない状態のまま返却され、車両及び車内の物品が盗難されることを防ぐことが可能となる。さらに、電子キーに車両の施錠状態等を表示させることにより、利用者に車両の施錠忘れ等を容易に気づかせることが可能となる。
【符号の説明】
【0050】
100 管理サーバ、 101 車両管理テーブル、 102 利用者管理テーブル、 103 ネットワーク、 110 情報端末、 120 電子キー、 111 電子キー認証部、 112 電子キー管理部、 113 入力部、 121 開錠コード記憶部、 122 認証コード記憶部、 123 無線送信部、 124 車両状態記憶部、 125 無線送受信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも利用者の車両利用状況及び車両とその開錠コードを管理する管理サーバと、
所定の車両のドアの開錠判断に使用される開錠コードを記憶する書換え可能な開錠コード記憶手段と、電子キーが正当なものであることを確認するための認証コードを記憶する書換え不可能な認証コード記憶手段と、所定の車両が施錠されているか否かを記憶する書換え可能な車両状態記憶手段とを有する電子キーと、
前記認証コードを基に前記電子キーが正当なものであるか否かを判断する電子キー認証手段と、利用開始処理時において、前記電子キー認証手段が前記電子キーを正当であると判断した場合に前記管理サーバから所定の車両の開錠コードを受信して、その受信した所定の車両の開錠コードを前記電子キーに書き込ませ、利用終了処理時において、前記電子キー認証手段が前記電子キーを正当であると判断し、かつ前記車両状態記憶手段に前記所定の車両が施錠されていることが記憶されている場合に、前記電子キーに記憶されている開錠コードの消去を前記電子キーに行わせ、利用終了処理完了を示す完了情報を前記管理サーバに送信する電子キー管理手段とを有する情報端末とを備え、
前記管理サーバは、前記完了情報を受信して前記所定の車両の利用終了を登録することを特徴とする車両共同利用管理システム。
【請求項2】
車両の返却場所に設けられ、車両を識別するための識別情報を取得する取得手段と、
前記管理サーバに設けた、前記取得手段で取得された識別情報に基づき、前記所定の車両が返却されたか否かを判断する車両返却確認手段とを有し、
前記情報端末は、前記車両返却確認手段により所定の車両が返却されたと判断された場合に、利用終了処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両共同利用管理システム。
【請求項3】
前記電子キーは、前記所定の車両から送信された施錠情報を受信する受信手段を有し、その受信した施錠情報に基づき、前記車両状態記憶手段に前記所定の車両が施錠されているか否かを記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の車両共同利用管理システム。

【図2a】
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【図2b】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−241549(P2011−241549A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112449(P2010−112449)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】