説明

車両内警報システム、車両内警報方法、車両内警報プログラムおよびプログラム記録媒体

【課題】異常状態が発生した車両を外部から確認可能な車両内警報システムを提供する。
【解決手段】車両内部10に乗車した乗客が、当該車両内部10に発生した異常状態を検知して、該乗客が携行する警報端末12に備えられた通報用ボタンを押下すると、当該車両内部10に設置されたコントロールユニット14にて、当該車両内部10に設置された表示パネル16やスピーカ18から警報を発出するとともに、各車両の車両外面20に設置された通報用のランプ22のうち、通報用ボタンを押下した乗客が乗車した車両の車両外面20のランプ22を点灯させる。ランプ22は、車両内に発生した異常事象の種類に応じて異なる色で発光する。また、ランプ22は、車両の各ドアが示す車両位置ごとに設置され、コントロールユニット14は、通報用ボタンを押下した警報端末12を携行する乗客が乗車した車両位置に最も近いランプ22を点灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内警報システム、車両内警報方法、車両内警報プログラムおよびプログラム記録媒体に関し、特に、車両内で発生する違法行為、迷惑行為や救急などの異常事態に対応する車両内警報システム、車両内警報方法、車両内警報プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
残念ながら、昨今、人間としてのモラル低下が原因と思われるような事件が多発している。中でも、電車、地下鉄、モノレール、バスなどの公共交通機関を利用した通勤時などの車両内における痴漢行為に関しては、各種メディアでも頻繁に取り上げられているように、近年、多数の事例が発生し、かつ、犯罪も凶悪化してきている状況にある。特に、女性が車両内で痴漢行為をされた場合、大声で叫ぶことも可能であるが、大体の場合は、怖さのあまり、大声が出して痴漢行為を阻止したり、周囲の人による犯人の現行犯逮捕を求めることは容易でない。
【0003】
このような公共交通機関の車両内状況があるので、例えば、特許文献1の特開平09−050586号公報「顧客大量輸送車両内危機管理システム」に記載されているように、車両内や乗務員室に、乗客の携帯端末からの無線信号を受信する受信機を設置し、乗客の操作に応じた通報用の無線信号が携帯端末から発出されたとき、車両内や乗務員室にその通報が受信されるようにした仕組みが提案されている。また、特許文献2の特開2007−095021号公報「公共交通機関内用警報装置」に記載されているように、乗客個人が携帯するのではなく、車両内のつり革用スリーブに警報装置を設置し、乗客が該警報装置を操作して、周囲の人や乗務員室に警報を発する仕組みが提案されている。
【特許文献1】特開平09−050586号公報(第6−7頁)
【特許文献2】特開2007−095021号公報(第4−5頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されているような従来技術は、車両内で犯罪行為や迷惑行為が発生した場合に、たとえ通報を受けて、当該車両が停車する最寄りの駅に警察官が駆け付けても、どの車両に不審者が乗っているか特定することができず、不審者を取り逃がしてしまう可能性が高く、犯罪抑止効果という点では不十分である。
【0005】
さらに、特許文献1や特許文献2に記載されているような従来技術では、乗客のうちに急病者が発生したという救急事態が発生した場合にも、救急隊員は、どの車両に救急患者が乗っているかをただちに把握することができない。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、犯罪や急病という異常事象の発生した車両を車両の外から確認できるようにする車両内警報システム、車両内警報方法、車両内警報プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本発明による車両内警報システムは、次のような特徴的な構成を採用している。
【0008】
(1)車両の外から表示面を視認できる形態で該車両に設けられた表示手段と、前記車両内の警報端末から送出される通報情報を受け、該通報情報に応じた表示制御信号を前記表示手段に送出するコントロールユニットとを備え、前記表示手段は前記表示制御信号に応じた表示をすることを特徴とする車両内警報システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車両内警報システム、車両内警報方法、車両内警報プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0010】
第1の効果は、車両内部の犯罪を抑止することができることにある。その理由は、車両外面の通報用ランプに警報表示がされるので、異常状態の発生現場で不審者を取り押さえることができる確率が高く、乗客のモラル向上に繋がるからである。
【0011】
第2の効果は、警察官や救急隊員が最寄りの駅へ急行した際に、どの車両かを直ちに特定することができることにある。その理由は、最寄り駅に到着した車両の車両位置の車両外面に配置されている通報用ランプが発光しているためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明による車両内警報システム、車両内警報方法、車両内警報プログラムおよびプログラム記録媒体の好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下では、本発明による車両内警報システム及び車両内警報方法について主として説明するが、かかる車両内警報方法をコンピュータにより実行可能なプログラムとして実現したものが本発明による車両内警報プログラムの一実施形態である。また、この車両内警報プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な形式に記録したものが、本発明によるプログラム記憶媒体の一実施形態である。
【0013】
(本実施形態の特徴)
本実施形態の車両内警報システムにつき詳述するのに先立って、本実施形態の概要をまず説明する。本実施形態は、電車/バス等の車両内で乗客に所持された警報端末が操作されて、異常事態発生の通報があったとき、その通報に基づき、車両外面に設置した通報用ランプ(前述の発光手段に相当)を点灯させ、かつ、通信回線等を介して異常事態の発生を警察または消防に通報する。この実施形態を採用すれば、例えば通勤時間を狙った電車/バス等の車両内における痴漢行為等の犯罪行為を未然に防止する予防効果が期待できる。
【0014】
例えば、痴漢行為等の犯罪という異常事態が車両内で発生したときは、車両内のみならず、車両外面に異常事態の発生を表示するとともに、車両内における異常事態の発生を警察にも同時に通報する仕組みの本実施形態は、警察に対する犯罪行為の迅速な通報を可能にし、現行犯逮捕を容易にするので、公共交通用車両の乗客のモラルの向上を促し、車両内における犯罪行為の予防に寄与することができる。
【0015】
(本発明の実施形態のシステム構成)
図1は、車両内警報システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。この車両内警報システムは、本発明の一実施形態である。以下の説明では、この実施形態を適用する車両として、公共交通機関の一つである電車を想定している。この車両内警報システムは、電車の車両(客車)内における犯罪行為や迷惑行為の現行犯逮捕をする警察官や、車両内で発生した急患を救助する救急隊員へ位置を通報することを可能とするように構築した仕組みである。図1は、本発明の車両内警報システムの適用により、車両内の犯罪行為や迷惑行為の発生を抑止し、救急活動を支援する具体的なシステム構成例を示している。以下では、本発明になる車両内警報システムの一実施の形態の説明を通じて、本発明になる車両内警報方法の一実施の形態も説明する。
【0016】
図1に示す車両内警報システムは、乗客が乗車する車両内部10と車両ボディ外壁面の車両外面20と車掌室30と車両内の異常状況を監視する監視センタ40と車両の運行を管制する管制センタ50と警察60と消防70とを含んで構成され、これらの各構成要素は互いに、有線および/または無線の通信回線で接続されている。
【0017】
車両内部10には、警報端末12とコントロールユニット14と表示パネル16とスピーカ18と車内DBサーバ24とがある。コントロールユニット14は、警報端末12、表示パネル16、スピーカ18、車内DBサーバ24それぞれに有線および/または無線の通信回線によって接続され、また車両外面20に取り付けられている通報用のランプ22(前述の発光手段に相当)にも有線および/または無線の通信回線によって接続されている。
【0018】
車両外面20のランプ22の構造は例えば図11に示す通りである。図11は、車両外面20に設置した通報用のランプ22の構造の一例を示す構造図であり、図11(A)が正面部、図11(B)が平面部、図11(C)が裏面図である。ランプ22は、複数個のLED221、LEDホルダー222、制御部223及び底板224を備えてなり、底板224に設けられたネジ穴224と車両外面20に設けられた穴とにネジを通し、そのネジで車両外面20に固定する。LED221には、赤色で発光するものと、黄で発光するものとの2種が同数ずつあり、これら赤色発光LED及び黄色発光LEDは均等に分散して配列されている。また、制御部223は、車両内部10のコントロールユニット14からのランプ制御信号(前述の表示制御信号に相当し、また発光制御信号に相当する。)を受け取り、LED221発光させる。ランプ制御信号はLED221で発光させる色も指定するので、制御部223は、ランプ制御信号で指定された色のLEDを発光させる。車両内部10で異常事象が発生し、警報端末12における迷惑ボタン123又は救急ボタン124が押下されたとき、異常の発生と異常事象の種類を表す通報情報が警報電波S1に乗せられ、警報端末12からで送出され、コントロールユニット14で受信され、警報電波S1を受信したコントロールユニット14はその異常事象の種類を通報情報から識別し、異常事象が迷惑行為であるときには、迷惑色の赤が発光し、異常事象が救急事態であるときには、救急色の黄が発光するように、ランプ制御信号をランプ22へ送出する。異常事象の種類の表し方は、発光の色彩の他に、点滅の間隔、発光模様など色彩以外の他の態様も可能であることは勿論である。
【0019】
また、車掌室30の内部には、通信サーバ32と表示パネル34とが少なくとも設置されており、通信サーバ32は監視センタ40の監視サーバ42に無線通信回線によって接続されている。
【0020】
また、監視センタ40の内部には、監視サーバ42とディスプレイ44とが少なくとも設置されており、監視サーバ42は、管制センタ50の管制サーバ52内部に構築されているデータベースの情報を参照して、警察60内の通報受信サーバ62や、消防70内の通報受信サーバ72に対して通報用のデータを送信する。
【0021】
警察60の内部には、通報受信サーバ62とディスプレイ64とが少なくとも設置されている。また、消防70の内部には、通報受信サーバ72とディスプレイ74とが少なくとも設置されている。
【0022】
次に、警報端末12の具体的な構成について図2を用いて説明する。図2は、図1に示す警報端末12の構成の一例を示すブロック構成図である。図2に示すように、警報端末12は、ボタン部121と情報部125と送受信部122とを少なくとも備えて構成されている。
【0023】
ボタン部121は、異常状態の発生を通報する通報用ボタンとして、迷惑ボタン123と救急ボタン124とを少なくとも備えている。迷惑ボタン123または救急ボタン124を押下することにより発生した警報信号(迷惑信号または救急信号)が情報部125及び送受信部122に伝えられると、送受信部122は、警報として通報するための警報電波S1を発信する。なお、警報端末12は、当該電車の車両内の異常状況を監視する任務を負っている監視センタ40の運用者が、インターネットのWebサイト等を用いて、希望ユーザを募り、その際に、登録されたユーザに対して、貸し出すようにしても良いし、購入して貰うようにしても良い。
【0024】
次に、車両内部10のコントロールユニット14、車内DBサーバ24の具体的な構成について図3を用いて説明する。図3は、図1に示すコントロールユニット14、車内DBサーバ24のブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、関連する警報端末12、表示パネル16、スピーカ18、車両外面20のランプ22とともに示している。
【0025】
図3に示すように、コントロールユニット14は、警報端末12からの警報電波S1を受信するための送受信部141と、表示パネル16、スピーカ18、車両外面20のランプ22等を作動させるための制御部142と、コントロールユニット14からの情報を車内DBサーバ24に送るための情報部143とを含んで構成されている。また、コントロールユニット14と、表示パネル16、スピーカ18、ランプ22、車内DBサーバ24とのそれぞれの間は、有線通信回線S2によって接続されている。
【0026】
また、図3に示すように、車内DBサーバ24は、通信部241とデータベース242とを含んで構成されており、車内LAN回線S3を介して車掌室30内の通信サーバ32に接続されている。
【0027】
次に、車両内部10に設置したコントロールユニット14の動作について、図9のフローチャートを参照して説明する。図9は、車両内部10に設置したコントロールユニット14の動作の一例を示すフローチャートである。警報端末12のボタン部121の迷惑ボタン123または救急ボタン124を押下することにより、図9のコントロールユニット14が起動される。コントロールユニット14は、迷惑ボタン123、救急ボタン124のどちらの押下がなされたかを判断し(ステップP11)、迷惑ボタン123が押下されていた場合(ステップP11の“迷惑”の場合)、表示パネル16に迷惑用メッセージを表示し(ステップP12)、スピーカ18から迷惑用メッセージを発出し(ステップP13)、ランプ22を駆動して迷惑用色(赤)のLEDを車両外部に向けて発光させる(ステップP14)。しかる後、迷惑ボタン123の押下があった旨を示す通報情報を車内DBサーバ24に渡す(ステップP18)。
【0028】
一方、救急ボタン124が押下されていた場合(ステップP11の“救急”の場合)、表示パネル16に救急用メッセージを表示し(ステップP15)、スピーカ18から救急用メッセージを発出し(ステップP16)、ランプ22を駆動して救急用色(黄)のLEDを車両外部に向けて発光させる(ステップP17)。しかる後、救急ボタン124の押下があった旨を示す通報情報を車内DBサーバ24に渡す(ステップP18)。
【0029】
次に、車掌室30に設置された通信サーバ32の構成について図4を参照して説明する。図4は、図1に示す車掌室30に設置された通信サーバ32の構成の一例を示すブロック構成図であり、図3の車内LAN回線S3の信号を受信する車掌室30内の通信サーバ32の構成例を、車掌室30内に設置された表示パネル34とともに示している。通信サーバ32は、図4に示すように、車内LAN回線S3からの信号を受け取り、監視センタ40に無線信号S4を送信するための送受信部321と、表示パネル34に信号を引き渡すための制御部322とを含んで構成されている。
【0030】
車掌室30に設定した表示パネル34の構成は例えば図10に示す通りである。本図は、車両数が12両である電車における表示パネル34の表示例を示す。図10は、車掌室30に設置した表示パネル34の構成の一例を示す構成図であり、車両ごとの表示領域に分割され、それぞれの表示領域には、車両番号343と迷惑ランプ341と救急ランプ342とが表示される構成になっている。
【0031】
次に、監視センタ40に設置された監視サーバ42および管制センタ50に設置された管制サーバ52の構成について図5を用いて説明する。図5は、図1に示す監視センタ40に設置された監視サーバ42および管制センタ50に設置された管制サーバ52のブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、図4の通信サーバ32からの無線信号S4を受信する監視センタ40内の監視サーバ42および監視サーバ42からの有線LAN回線S5の信号を受信する管制センタ50の構成例を、監視センタ40内に設置されたディスプレイ44とともに示している。
【0032】
監視サーバ42は、図5に示すように、車掌室30の通信サーバ32からの無線信号S4を受信するとともに、有線LAN回線S5を介して、管制センタ50の管制サーバ52との間でデータを送受信する送受信部421と、ネット回線S6を介して、警察60の通報受信サーバ62や消防70の通報受信サーバ72に通報データを送信するための制御部422と、データベース423と、を含んで構成されている。また、データベース423の情報を表示するためのディスプレイ44が監視サーバ42に接続されている。
【0033】
また、管制サーバ52は、図5に示すように、有線LAN回線S5を介して、監視センタ40の監視サーバ42との間でデータを送受信する送受信部521と、データベース522とを含んで構成されている。
【0034】
監視サーバ42内のデータベース423と管制サーバ52内のデータベース522とのデータ構成について、図13にその一例を示している。図13は、監視センタ40の監視サーバ42内に備えられたデータベース423と、管制センタ50の管制サーバ52内に備えられたデータベース522と、のそれぞれのデータ構成の一例を示すデータ構成図である。
【0035】
監視センタ40では、前述のように、本車両内警報システム(通報システム)を利用したいユーザをインターネットのWebサイト等を利用して募集している。ユーザは本車両内警報システムの利用を登録する際に、当該ユーザ自身の個人情報を入力する。入力された個人情報は、図13のように、監視サーバ42内のデータベース423に設けられた顧客情報4231内に、当該ユーザをユニークに特定する会員番号4233(前述の警報端末識別番号に相当)を付して格納され、警報端末12のボタン部121の操作による通報時に、通報者が誰だったのかを見極めるために利用される。
【0036】
また、監視センタ40の監視サーバ42は、車両内部10の車内DBサーバ24から迷惑や救急に関する通報情報を受信した際に、該通報情報をデータベース423に設けられた監視情報4232に格納する。監視情報4232としては、図13に示すように、発生した異常事象を識別する迷惑/救急フラグ(前述の異常事象情報に相当)、異常事象が発生した車両番号4235、異常事象が発生した車両位置、異常事象が発生した発生日時などを含む情報を、通報元のユーザをユニークに特定する会員番号4234を付して格納する。顧客情報4231と監視情報4232とを結ぶキーは、顧客情報4231内の会員番号4233と監視情報4232内の会員番号4234とである。
【0037】
また、管制センタ50の管制サーバ52は、車両運行状況を管制するためのダイヤ情報5221をデータベース522に格納している。ダイヤ情報5221としては、図13に示すように、車両番号5222、移動位置、各駅通過時刻などを含む情報を格納する。監視センタ40の監視サーバ42内のデータベース423に格納される監視情報4232は、管制センタ50の管制サーバ52内のデータベース522に格納されるダイヤ情報5221を参照することにより、監視情報4232の車両番号4235の車両が現在何処を通過中かを判断することができる。監視情報4232とダイヤ情報5221とを結ぶキーは、監視情報4232内の車両番号4235とダイヤ情報5221内の車両番号5222とである。
【0038】
次に、警報端末12から車両内部10のコントロールユニット14を介して車内DBサーバ24に通知されるまでの通報情報の変化について、図12を用いて説明する。図12は、警報端末12からコントロールユニット14、そして、車内DBサーバ24へ伝達していく通報情報の変化状況の一例を説明するデータフロー図である。
【0039】
図12において、警報端末12の情報部125には、当該警報端末12を使用しているユーザを特定する会員番号が記録されており、警報端末12のボタン部121が操作された際に、操作されたボタン(迷惑ボタン123、救急ボタン124)に関する情報とともに、情報部125に記録されている会員番号が、コントロールユニット14の情報部143に引き継がれる。
【0040】
コントロールユニット14内の情報部143には、通報元の警報端末12のボタン操作を特定する迷惑/救急フラグ、通報元の警報端末12の位置を特定する車両番号、車両位置が保持されており、警報端末12からの会員番号を付加して、車内DBサーバ24のデータベース242に引き継がれる。車内DBサーバ24のデータベース242には、発生日時を付加して格納されるという手順を経て、通報情報が、コントロールユニット14から車内LAN回線S3を介して車掌室30の通信サーバに伝達されるという仕組みとされる。
【0041】
次に、警察60に設置された通報受信サーバ62の構成について、図6を用いて説明する。図6は、図1に示す警察60に設置された通報受信サーバ62のブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、図5の監視サーバ42から通報されてくるネット回線S6のデータ(通報情報)を受信する警察60内の通報受信サーバ62の構成例を、警察60内に設置されるディスプレイ64とともに示している。通報受信サーバ62は、図6に示すように、ネット回線S6のデータを受信する受信部621を少なくとも備え、該受信部621で受信したデータをディスプレイ64に表示する。
【0042】
次に、消防70に設置された通報受信サーバ72の構成について、図7を用いて説明する。図7は、図1に示す消防70に設置された通報受信サーバ72のブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、図5の監視サーバ42から通報されてくるネット回線S6のデータ(通報情報)を受信する消防70内の通報受信サーバ72の構成例を、消防70内に設置されるディスプレイ74とともに示している。通報受信サーバ72は、図7に示すように、ネット回線S6のデータを受信する受信部721を少なくとも備え、該受信部721で受信したデータをディスプレイ74に表示する。
【0043】
次に、車両内部10と車掌室30および車両外面20に設置される各種機器の配置例を、図8を用いて説明する。図8は、車両内部10、車両外面20および車掌室30それぞれに設置される各種機器の配置状況の一例を示す配置図である。図8に示すように、車両の各ドア101の上部の車両外面20(図8には車両外面20の表示は省略してある。)にはランプ22が配置され、車両内部10の各ドア101の上部にはコントロールユニット14、表示パネル16、スピーカ18が配置されている。
【0044】
また、車両内部10の床下には車内DBサーバ24が配置されている。また、車掌室30の側壁には表示パネル34が配置され、車掌室30床下には通信サーバ32が配置されており、各車両内部10の車内DBサーバ24と車掌室30の通信サーバ32とは車内LAN回線S3で接続されている。
【0045】
(実施形態の動作の説明)
次に、前述の図1ないし図13に示した本発明の車両内警報システムの実施形態における概略の動作例について、不審者が車両内に乗車してきた場合を例にとって、その流れを説明すると、次の通りである。
【0046】
(1)まず、利用者は車両に乗車する際に、警報端末12を携行して、車両内部10に乗車している。
(2)しかる後、不審者が当該車両内部10に乗車してきて、例えば痴漢行為等の迷惑行為を行う。
(3)警報端末12を携行している利用者または発見者が、当該迷惑行為を検知して、警報端末12の迷惑ボタン123を押下することにより、警報端末12から警報電波S1を発出する。
【0047】
(4)車両内部10に設置しているコントロールユニット14は、警報端末12から発出される警報電波S1を受信して、車両内部10に設置されている表示パネル16に、例えば「この車両に不審者がいます」というメッセージを表示し、スピーカ18から音声で表示パネル16のメッセージと同様のメッセージを出力する。さらに、車両外面20に設置されているランプ22を作動させる。
(5)また、同時に、車内DBサーバ24を経由して、車内LAN回線S3を介して、車掌室30の通信サーバ32に通報することにより、車掌室30に設置されている表示パネル34に、迷惑行為を行っている不審者が乗車している旨の情報と、不審者が乗車している車両番号、車両位置、発生日時、および、通報者を特定する会員番号に関する情報とを通報情報として表示する。
【0048】
(6)さらに、車掌室30内の通信サーバ32から、無線信号S4を通じて、監視センタ40に対して、同様の通報情報が送られる。
(7)監視センタ40は、車内DBサーバ24から受信した通報情報に、管制センタ50に記録している当該車両に関する情報(当該車両の移動位置、各駅通過時刻など)をさらに追加して、ネット回線S6を介して、警察60の通報受信サーバ62に対して、迷惑行為が発生している旨を示す通報情報として送信する。
【0049】
(8)警察60では、通報受信サーバ62で受信した通報情報をディスプレイ64に表示して確認し、警察官を当該車両がこれから到着する駅にただちに急行させる。
(9)到着する駅に駆け付けた警察官は、ディスプレイ64に表示した情報によってあらかじめ確認している車両が到着した際に、不審者が乗車している車両番号の車両位置となる駅のプラットホームの位置で待機する。
(10)当該車両が到着した際、車両外面20のランプ22を確認して、警察官は、不審者が乗車している車両内部10に乗り込む。
(11)而して、警察官は、不審者を現行犯として取り押さえる。
【0050】
次に、以上に説明した不審者が車両内に乗車してきた場合の流れについてさらに詳細に説明する。
【0051】
まず、図2に示すような警報端末12を携行している被害者もしくは発見者が当該警報端末12のボタン部121にある迷惑ボタン123を押下する。すると、警報端末12内部の送受信部122は、押下された迷惑ボタン123に相当する情報と情報部125の情報(会員番号)とを通報情報とし、この通報情報で変調した警報電波S1を発出する。警報電波S1は、車両内部10に設置されている一番近いコントロールユニット14にまず受信される。
【0052】
警報電波S1を受信したコントロールユニット14の送受信部141は、受信した会員番号を情報部143に記録するとともに、会員番号を識別番号として、問合せ信号を電波で発出する。その会員番号の警報端末12は、送受信部122で問合せ信号を受け、会員番号を検出し、検出した会員番号と情報部125の会員番号と符合し、両会員番号が一致しているときは、応答信号を電波で送受信部122から発出する。応答信号には警報端末12の会員番号が識別番号として含まれている。
【0053】
応答信号は、コントロールユニット14の送受信部141で受信される。応答信号を受信したコントロールユニット14は、問合せ信号の送信から応答信号の受信までの時間から、コントロールユニット14から警報端末12までの距離を測定する。この距離は、会員番号を付加され、優先通信回線S2を介して車内DBサーバ24に送出される。車内DBサーバ24は、通信部241で距離および会員番号を受け、データベース242に両者を記録する。
【0054】
警報端末12から発出された警報電波S1は、同じ車内の他のコントロールユニット14でも受信され得る。警報電波S1を受信した他のコントロールユニット14も、前述の方法で警報端末12までの距離を測定し、距離に会員番号を付加し、会員番号付きの距離情報を車内DBサーバ24に送る。車内DBサーバ24は、会員番号付きの距離情報をそのデータベース242へ記録する。車内DBサーバ24は、複数のコントロールユニット14から送られた会員番号付きの距離情報のうちで、同じ会員番号の距離情報について比較を行い、最も短い距離のコントロールユニット14を選択し、会員番号を付随させた最短距離指定信号を送出する。最短距離指定信号を送受信部141に受けたコントロールユニット14は、制御部142を作動させる。
【0055】
コントロールユニット14内部の制御部142は、受信した情報(会員番号)を情報部143に記録し、有線通信回線S2を介して、表示パネル16、スピーカ18に迷惑行為が発生した旨を示す情報を出力するとともに、車両外面20のランプ22に発光信号を送出し、ランプ22を発光させる。同時に、制御部142は、図3に示すように、情報部143に記録されている通報情報を、車内DBサーバ24の通信部241に送信する。車内DBサーバ24は、送信されてきた通報情報をデータベース242に格納し、発生日時を付加した通報情報として、通信部241から、車内LAN回線S3を介して、車掌室30の通信サーバ32に通報する。
【0056】
車掌室30の通信サーバ32では、図4に示すように、送受信部321が、車内LAN回線S3を介して車内DBサーバ24からの通報情報を受信し、この通報情報を制御部322に渡し、制御部322がその通報情報のデータを判断する。制御部322がその通報情報を表示するべきものと判断したとき、その通報情報は表示パネル34に送られる。表示パネル34は該通報情報を表示する。同時に、送受信部321は、無線信号S4によって、監視センタ40に対して通報情報を送信する。
【0057】
監視センタ40内の監視サーバ42の送受信部421は、図5に示すように、無線信号S4による通報情報を受信し、制御部422に引き継ぐ。制御部422は、送受信部421からの通報情報をデータベース423に格納するとともに、有線LAN回線S5によって接続されている管制センタ50の管制サーバ52の送受信部521を介して、データベース522を参照し、通報情報を発出した当該車両に関するダイヤ情報5221を取得する。通信サーバ32から受信した通報情報と、管制サーバ52から取得したダイヤ情報5221とを、新たに統合した通報情報として、ディスプレイ44に表示するとともに、ネット回線S6を介して、警察60の通報受信サーバ62に対して、統合した通報情報を送信する。
【0058】
警察60内の通報受信サーバ62の受信部621は、ネット回線S6を経由して送信されてくる通報情報を受信して、この通報情報をディスプレイ64に表示する。ディスプレイ64に表示された通報情報を確認した警察60では、迷惑行為が発生したとの通報があった車両が次に停車する最寄りの駅に警察官を急行させる。最寄りの駅に到着した警察官は、当該車両に乗車している不審者の車両位置が停車するプラットホームの位置で待機する。当該車両が到着したとき、警察官は、図11に示すような車両外面20のランプ22によって、不審者が乗車していることを確認して、車両内部10に乗り込み、不審者を現場で取り押さえる。
【0059】
なお、警報端末12には、救急ボタン124も設けられている。救急ボタン124の押下時において、前述の迷惑ボタン123の押下時の場合と流れが違う部分は、車両外面20のランプ22が、異なる色に変えられて発光することと、監視センタ40の監視サーバ42上での通報情報のデータの判断結果により、通報先が、警察60ではなく、消防70であることであり、これらの部分以外については、前述の流れと全く同じ流れである。
【0060】
(本実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
【0061】
第1の効果は、車両内部10の犯罪を抑止することができることにある。その理由は、車両内部10のメッセージ表示や音声発信をすることのみならず、車両外面20の通報用のランプ22にも警報表示がされるので、異常状態の発生現場で不審者を取り押さえることができる確率が高く、乗客のモラル向上に繋がるからである。
【0062】
第2の効果は、警察官や救急隊員が最寄りの駅へ急行した際に、どの車両かを直ちに特定することができることにある。その理由は、最寄り駅に到着した車両の車両位置の車両外面20に配置されている通報用のランプ22が発光しているためである。
【0063】
なお、本発明は、電車やバスなどの車両のみならず、エレベータ等、犯罪の起き易い密室化した場所での緊急事態(犯罪)の防止用としての用途にも適用することができる。また、身体の不自由な人のための補助機能という用途にも適用することが可能である。
【0064】
以上、本発明の好適な実施形態を説明した。しかし、斯かる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。一例を挙げれば、上述の実施形態では、内部で異常事象が発生している車両を車両の外から視認できるように表示する手段として、ランプ22という発光手段を車両の外面に設置したが、ランプ等の発光手段に代えてプラズマディスプレイ等の表示装置を用い、発光制御信号に代えて表示制御信号を生成し、該通報情報に応じた情報を車両の外に向けて表示するように、該表示制御信号により表示手段を制御するようにしても本発明は実施できる。このように、本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、本発明の実施態様は、課題を解決するための手段における構成(1)に加えて次のような構成として表現できる。
(2)前記表示手段は前記車両の各ドアに対応する位置にそれぞれ設けてあり、
前記コントロールユニットは、前記通報情報を送出した前記警報端末に最も近い位置のドアに対応する前記表示手段または該最も近い位置のドアとは反対側のドアに対応する前記表示手段のうちの少なくとも一方宛に前記表示制御信号を送出する
ことを特徴とする上記(1)に記載の車両内警報システム。
(3)前記警報端末は、通報しようとする前記車両内の異常事象の種類に応じて選択される選択手段を備え、
前記通報情報は、前記選択手段で選択された前記異常事象の種類を表す異常事象情報を含む
ことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の車両内警報システム。
(4)前記表示手段は、前記表示制御信号で表される前記異常事象情報を識別し、該異常事象情報で表される前記異常事象に応じた態様で前記表示をする
ことを特徴とする上記(3)に記載の車両内警報システム。
(5)前記表示手段は、前記異常事象に応じて予め定められた色彩で前記表示をすることを特徴とする上記(4)に記載の車両内警報システム。
(6)前記警報端末は予め警報端末識別番号を記憶しており、前記通報情報は前記警報端末識別番号を含むことを特徴とする上記(1)乃至(5)に記載の車両内警報システム。
(7)前記車両に通信サーバが設置され、前記コントロールユニットは、前記警報端末から前記通報情報を受信したとき、該通報情報を前記通信サーバに送出することを特徴とする上記(1)乃至(6)に記載の車両内警報システム。
(8)前記コントロールユニットが前記通信サーバに送出する前記通報情報には、該コントロールユニットが設置されている車両を特定する車両番号及び前記車両内における前記警報端末が存在する位置である車両位置のうちの少なくとも一方の情報を含むことを特徴とする上記(7)に記載の車両内警報システム。
(9)前記通報情報を受信した前記通信サーバは、受信した前記通報情報を監視センタに通報することを特徴とする上記(7)又は(8)に記載の車両内警報システム。
(10)前記通報情報を受信した前記監視センタは、受信した前記通報情報を分析し、分析した結果に応じて、警察、消防その他の市民安全担当組織に、前記通報情報を通報することを特徴とする上記(9)に記載の車両内警報システム。
(11)前記監視センタは、前記市民安全担当組織に前記通報情報を通報する際に、当該通報情報が示す異常事象の発生車両に関する現在の移動位置および駅の通過時刻のうちの少なくとも一方の情報をさらに付加して通報することを特徴とする上記(10)に記載の車両内警報システム。
(12)前記表示手段が発光手段でなり、前記コントロールユニットは前記表示制御信号として発光制御信号を生成し、前記発光手段は前記発光制御信号に応じて発光をすることを特徴とする上記(1)乃至(11)に記載の車両内警報システム。
(13)車両内の警報端末から送出される通報情報を受け、該通報情報に応じた表示制御信号を生成し、該車両の外に向けて表示する表示手段に該表示制御信号を供給し、該通報情報に応じた情報を表示するように、該表示制御信号により該表示手段を制御することを特徴とする車両内警報方法。
(14)前記通報情報を送出した前記警報端末に最も近い位置のドアに対応する前記表示手段または該最も近い位置のドアとは反対側のドアに対応する前記表示手段のうちの少なくとも一方宛に前記表示制御信号を送出することを特徴とする上記(13)に記載の車両内警報方法。
(15)前記通報情報は、前記警報端末の操作により通報しようとする前記車両内の異常事象の種類を表す異常事象情報を含むことを特徴とする上記(13)又は(14)に記載の車両内警報方法。
(16)前記表示制御信号で表される前記異常事象情報を前記表示手段で識別し、該異常事象情報で表される前記異常事象に応じた態様で該表示手段に表示をさせることを特徴とする上記(15)に記載の車両内警報方法。
(17)前記異常事象に応じて予め定められた色彩で前記表示手段を表示させることを特徴とする上記(16)に記載の車両内警報方法。
(18)前記警報端末に予め警報端末識別番号を記憶しておき、前記通報情報には前記警報端末識別番号を含めることを特徴とする上記(13)乃至(17)に記載の車両内警報方法。
(19)前記警報端末から前記通報情報を受信したとき、前記車両に設置された通信サーバに該通報情報を送出することを特徴とする上記(13)乃至(18)に記載の車両内警報方法。
(20)前記通信サーバに送出する前記通報情報には、自己コントロールユニットが設置されている車両を特定する車両番号及び前記車両内における前記警報端末が存在する位置である車両位置のうちの少なくとも一方の情報を含むことを特徴とする上記(19)に記載の車両内警報方法。
(21)前記通報情報を受信した前記通信サーバから、受信した前記通報情報を監視センタに通報させることを特徴とする上記(19)又は(20)に記載の車両内警報方法。
(22)前記監視センタで受信した前記通報情報を分析し、分析した結果に応じて、警察、消防その他の市民安全担当組織に、前記通報情報を通報することを特徴とする上記(21)に記載の車両内警報方法。
(23)前記監視センタから、前記市民安全担当組織に前記通報情報を通報する際に、当該通報情報が示す異常事象の発生車両に関する現在の移動位置および駅の通過時刻のうちの少なくとも一方の情報をさらに付加して通報することを特徴とする上記(22)に記載の車両内警報方法。
(24)前記表示制御信号として発光制御信号を生成し、前記表示手段としての発光手段を該発光制御信号により制御し、該発光手段を発光させることを特徴とする上記(13)乃至(23)に記載の車両内警報方法。
(25)上記(13)乃至(24)の何れかに記載の車両内警報方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとしたことを特徴とする車両内警報プログラム。
(26)上記(25)に記載の車両内警報プログラムを、コンピュータによって読み取り可能な形式で記録してなることを特徴とするプログラム記録媒体。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明による車両内警報システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示す警報端末の構成の一例を示すブロック構成図である。
【図3】図1に示すコントロールユニット、車内DBサーバのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【図4】図1に示す車掌室の通信サーバのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【図5】図1に示す監視センタに設置された監視サーバおよび管制センタに設置された管制サーバのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【図6】図1に示す警察に設置された通報受信サーバのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【図7】図1に示す消防に設置された通報受信サーバのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【図8】車両内部、車両外面および車掌室それぞれに設置される各種機器の配置状況の一例を示す配置図である。
【図9】車両内部に設置したコントロールユニットの動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】車掌室に設置した表示パネルの構成の一例を示す構成図である。
【図11】車両外面に設置した通報用のランプの構造の一例を示す構造図である。
【図12】警報端末からコントロールユニットそして車内DBサーバへ伝達していく通報情報の変化状況の一例を説明するデータフロー図である。
【図13】監視センタの監視サーバ内に備えられたデータベースと、管制センタの管制サーバ内に備えられたデータベースとのそれぞれのデータ構成の一例を示すデータ構成図である。
【符号の説明】
【0066】
10 車両内部
12 警報端末
14 コントロールユニット
16 表示パネル
18 スピーカ
20 車両外面
22 ランプ
24 車内DBサーバ
30 車掌室
32 通信サーバ
34 表示パネル
40 監視センタ
42 監視サーバ
44 ディスプレイ
50 管制センタ
52 管制サーバ
60 警察
62 通報受信サーバ
64 ディスプレイ
70 消防
72 通報受信サーバ
74 ディスプレイ
101 ドア
121 ボタン部
122 送受信部
123 迷惑ボタン
124 救急ボタン
125 情報部
141 送受信部
142 制御部
143 情報部
221 LED
223 制御部
224 ネジ穴
241 通信部
242 データベース
321 送受信部
322 制御部
341 迷惑ランプ
342 救急ランプ
343 車両番号
421 送受信部
422 制御部
423 データベース
521 送受信部
522 データベース
621 受信部
721 受信部
4231 顧客情報
4232 監視情報
4233 会員番号
4234 会員番号
4235 車両番号
5221 ダイヤ情報
5222 車両番号
S1 警報電波
S2 有線通信回線
S3 車内LAN回線
S4 無線信号
S5 有線LAN回線
S6 ネット回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外から表示面を視認できる形態で該車両に設けられた表示手段と、前記車両内の警報端末から送出される通報情報を受け、該通報情報に応じた表示制御信号を前記表示手段に送出するコントロールユニットとを備え、前記表示手段は前記表示制御信号に応じた表示をすることを特徴とする車両内警報システム。
【請求項2】
前記表示手段は前記車両の各ドアに対応する位置にそれぞれ設けてあり、
前記コントロールユニットは、前記通報情報を送出した前記警報端末に最も近い位置のドアに対応する前記表示手段または該最も近い位置のドアとは反対側のドアに対応する前記表示手段のうちの少なくとも一方宛に前記表示制御信号を送出する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両内警報システム。
【請求項3】
前記警報端末は、通報しようとする前記車両内の異常事象の種類に応じて選択される選択手段を備え、
前記通報情報は、前記選択手段で選択された前記異常事象の種類を表す異常事象情報を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両内警報システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記表示制御信号で表される前記異常事象情報を識別し、該異常事象情報で表される前記異常事象に応じた態様で前記表示をする
ことを特徴とする請求項3に記載の車両内警報システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記異常事象に応じて予め定められた色彩で前記表示をすることを特徴とする請求項4に記載の車両内警報システム。
【請求項6】
前記警報端末は予め警報端末識別番号を記憶しており、前記通報情報は前記警報端末識別番号を含むことを特徴とする請求項1乃至5に記載の車両内警報システム。
【請求項7】
前記車両に通信サーバが設置され、前記コントロールユニットは、前記警報端末から前記通報情報を受信したとき、該通報情報を前記通信サーバに送出することを特徴とする請求項1乃至6に記載の車両内警報システム。
【請求項8】
前記コントロールユニットが前記通信サーバに送出する前記通報情報には、該コントロールユニットが設置されている車両を特定する車両番号及び前記車両内における前記警報端末が存在する位置である車両位置のうちの少なくとも一方の情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の車両内警報システム。
【請求項9】
前記通報情報を受信した前記通信サーバは、受信した前記通報情報を監視センタに通報することを特徴とする請求項7又は8に記載の車両内警報システム。
【請求項10】
前記通報情報を受信した前記監視センタは、受信した前記通報情報を分析し、分析した結果に応じて、警察、消防その他の市民安全担当組織に、前記通報情報を通報することを特徴とする請求項9に記載の車両内警報システム。
【請求項11】
前記監視センタは、前記市民安全担当組織に前記通報情報を通報する際に、当該通報情報が示す異常事象の発生車両に関する現在の移動位置および駅の通過時刻のうちの少なくとも一方の情報をさらに付加して通報することを特徴とする請求項10に記載の車両内警報システム。
【請求項12】
前記表示手段が発光手段でなり、前記コントロールユニットは前記表示制御信号として発光制御信号を生成し、前記発光手段は前記発光制御信号に応じて発光をすることを特徴とする請求項1乃至11に記載の車両内警報システム。
【請求項13】
車両内の警報端末から送出される通報情報を受け、該通報情報に応じた表示制御信号を生成し、該車両の外に向けて表示する表示手段に該表示制御信号を供給し、該通報情報に応じた情報を表示するように、該表示制御信号により該表示手段を制御することを特徴とする車両内警報方法。
【請求項14】
前記通報情報を送出した前記警報端末に最も近い位置のドアに対応する前記表示手段または該最も近い位置のドアとは反対側のドアに対応する前記表示手段のうちの少なくとも一方宛に前記表示制御信号を送出することを特徴とする請求項13に記載の車両内警報方法。
【請求項15】
前記通報情報は、前記警報端末の操作により通報しようとする前記車両内の異常事象の種類を表す異常事象情報を含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の車両内警報方法。
【請求項16】
前記表示制御信号で表される前記異常事象情報を前記表示手段で識別し、該異常事象情報で表される前記異常事象に応じた態様で該表示手段に表示をさせることを特徴とする請求項15に記載の車両内警報方法。
【請求項17】
前記異常事象に応じて予め定められた色彩で前記表示手段を表示させることを特徴とする請求項16に記載の車両内警報方法。
【請求項18】
前記警報端末に予め警報端末識別番号を記憶しておき、前記通報情報には前記警報端末識別番号を含めることを特徴とする請求項13乃至17に記載の車両内警報方法。
【請求項19】
前記警報端末から前記通報情報を受信したとき、前記車両に設置された通信サーバに該通報情報を送出することを特徴とする請求項13乃至18に記載の車両内警報方法。
【請求項20】
前記通信サーバに送出する前記通報情報には、自己コントロールユニットが設置されている車両を特定する車両番号及び前記車両内における前記警報端末が存在する位置である車両位置のうちの少なくとも一方の情報を含むことを特徴とする請求項19に記載の車両内警報方法。
【請求項21】
前記通報情報を受信した前記通信サーバから、受信した前記通報情報を監視センタに通報させることを特徴とする請求項19又は20に記載の車両内警報方法。
【請求項22】
前記監視センタで受信した前記通報情報を分析し、分析した結果に応じて、警察、消防その他の市民安全担当組織に、前記通報情報を通報することを特徴とする請求項21に記載の車両内警報方法。
【請求項23】
前記監視センタから、前記市民安全担当組織に前記通報情報を通報する際に、当該通報情報が示す異常事象の発生車両に関する現在の移動位置および駅の通過時刻のうちの少なくとも一方の情報をさらに付加して通報することを特徴とする請求項22に記載の車両内警報方法。
【請求項24】
前記表示制御信号として発光制御信号を生成し、前記表示手段としての発光手段を該発光制御信号により制御し、該発光手段を発光させることを特徴とする請求項13乃至23に記載の車両内警報方法。
【請求項25】
請求項13乃至24の何れかに記載の車両内警報方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとしたことを特徴とする車両内警報プログラム。
【請求項26】
請求項25に記載の車両内警報プログラムを、コンピュータによって読み取り可能な形式で記録してなることを特徴とするプログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−129297(P2009−129297A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305304(P2007−305304)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】