説明

車両制御システム、車両制御方法、及び、エンジン制御装置

【課題】ユーザが車両のエンジンを遠隔始動させたあとに車両へ乗車したときから車両を走行開始させるまでにおいて、車両におけるセキュリティの問題を解消しつつ、ユーザの利便性を向上させることができる技術を提供する。
【解決手段】車両制御システムは、リモートコントローラから送出される無線信号に応答して車両のエンジンを始動した後に、車両の走行に係わらない非走行系の電装装置の制御を禁止するとともに、ドアが開かれたことを検知した場合に非走行系の電装装置の制御を許可する。このため、ユーザはリモートコントローラにより遠隔で車両のエンジンを始動でき、車両のドアを開くまでの間は非正規ユーザによる車両の盗難を防止できる。更に、ユーザは車両のドアを開いて車両へ乗車したのちは非走行系の電装装置を利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートコントローラから送出される無線信号に応答して車両に搭載されるエンジンを始動させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがリモートコントローラを遠隔で操作して、車両に搭載されるエンジンを始動(以降、遠隔始動という)させ、ユーザが車両に乗車するまでにエンジンを暖機させておくという、リモートエンジンスタータ制御の技術が知られている。この技術を利用すれば、例えば、寒い地域においてユーザが乗車する際は既にエンジンが暖機しているため車両をすぐに発車させることができる。
【0003】
このようなリモートエンジンスタータ制御においては、ユーザが車両のドアをアンロックした際、または、ドア開けた際にエンジンの駆動を停止させるようにしている。
【0004】
なぜならば、エンジンの駆動を停止させないで継続して駆動させると、車のキーを所持するユーザ(以降、正規ユーザという)がエンジンを遠隔始動させた後、遠隔地から車両のもとへ到着するまでにおいて、正規ユーザでない者(以降、非正規ユーザという)が車両へ侵入し車両の盗難を謀る虞があるからである。
【0005】
このような虞があるものの、正規ユーザからしてみれば、遠隔始動させた車両のエンジンが乗車とともに停止してしまうため、乗車の際に改めて始動させなければならず不便である。
【0006】
その車両の利用における不便を解消するために、正規ユーザがエンジンを遠隔始動してから車両に乗車する際に、車のキーから無線取得したIDの信号の認証を行い、その認証結果が成功である場合はエンジンの駆動を継続させ、認証結果が失敗である場合はエンジンの駆動を停止、または、セキュリティ機能を発揮させることで、前述した不便さを解消する技術が、先行文献1において提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−255836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、正規ユーザが車両のエンジンを遠隔始動させたあとに車両へ乗車したときから車両を走行開始させるまでにおいては、車両は車両に備える殆どの電装装置をセキュリティの問題を理由に機能させないようにしているため、正規ユーザはその間に電装装置の機能を利用することができず不便である。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、正規ユーザが車両のエンジンを遠隔始動させたあとに車両へ乗車したときから車両を走行開始させるまでにおいて、車両におけるセキュリティの問題を解消しつつ、正規ユーザの利便性を向上させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に搭載される被制御対象を制御する車両制御システムであって、前記車両のドアが開かれたことを検知する第1検知手段と、リモートコントローラから送出される無線信号に応答して前記車両のエンジンを始動するとともに、前記エンジンの始動後に前記ドアが開かれたことを検知した場合に前記エンジンの駆動を継続する第1制御手段と、前記車両が有する前記車両の走行に係わらない非走行系の電装装置を制御する第2制御手段と、前記第1制御手段による前記エンジンの始動に応答して、前記第2制御手段による前記電装装置の制御を禁止する禁止手段と、前記ドアが開かれたことを検知した場合に、前記禁止手段により禁止された前記電装装置の制御を許可する許可手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の車両制御システムにおいて、前記許可手段は、前記ドアが開かれたことを検知した場合に、前記電装装置が可能な動作のうちの一部のみの制御を許可することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の車両制御システムにおいて、ワイヤレスキーから送出される無線信号に基づいて、前記ワイヤレスキーが正規か否かを判断する認証手段と、前記ワイヤレスキーが正規の場合に、前記ドアを開錠する開錠手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の車両制御システムにおいて、前記電装装置は、パワーウィンド、サンルーフ、ワイパー、ウィンドウォッシャ、オーディオ、ナビゲーション装置、インパネ、車室内ライト、ミラー、自動リクライニング、シートヒータ、及び、外部通信装置の何れかを含むことを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、車両に搭載される被制御対象を制御する車両制御方法であって、(a)リモートコントローラから送出される無線信号に応答して前記車両のエンジンを始動する工程と、(b)前記エンジンの始動に応答して、前記車両の走行に係わらない非走行系の電装装置を制御する制御装置による前記電装装置の制御を禁止する工程と、(c)前記車両のドアが開かれたことを検知する工程と、(d)前記エンジンの始動後に前記ドアが開かれたことを検知した場合に、前記エンジンの駆動を継続する工程と、(e)前記エンジンの始動後に前記ドアが開かれたことを検知した場合に、前記(b)工程により禁止された前記電装装置の制御を許可する工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、リモートコントローラから送出される無線信号に応答して車両のエンジンを始動するエンジン制御装置であって、前記車両のドアが開かれたことを示す信号を取得する取得手段と、前記エンジンの始動後に前記ドアが開かれたことを示す信号を取得した場合に、前記エンジンの駆動を継続する駆動継続手段と、前記エンジンの始動に応答して、前記車両の走行に係わらない非走行系の電装装置を制御する制御装置による前記電装装置の制御を禁止する禁止手段と、前記ドアが開かれたことを示す信号を取得した場合に、前記禁止手段により禁止された前記電装装置の制御を許可する許可手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1ないし6の発明によれば、車両制御システムは、リモートコントローラから送出される無線信号に応答して車両のエンジンを始動した後に、車両の走行に係わらない非走行系の電装装置の制御を禁止するとともに、ドアが開かれたことを検知した場合に非走行系の電装装置の制御を許可する。
【0017】
このため、ユーザはリモートコントローラにより遠隔で車両のエンジンを始動でき、車両のドアを開くまでの間は非正規ユーザによる車両の不正利用を防止できる。更に、ユーザは車両のドアを開いて車両へ乗車したのちは非走行系の電装装置を利用できる。
【0018】
また、請求項2の発明によれば、車両制御システムは、リモートコントローラから送出される無線信号に応答して車両のエンジンを始動した後に、車両の走行に係わらない非走行系の電装装置の制御を禁止するとともに、ドアが開かれたことを検知した場合に電装装置が可能な動作のうち一部のみの制御を許可する。このため、正規ユーザはリモートコントローラによって遠隔でエンジンを始動して制御している状態であることを感覚的に理解することができる。
【0019】
また、請求項3の発明によれば、車両制御システムは、ワイヤレスキーから送出される無線信号に基づいてワイヤレスキーが正規のキーであると認証する場合にドアを開錠するため、車両制御システムは非正規ユーザによる車両への侵入や不正利用を防止することができる。
【0020】
また、請求項4の発明によれば、車両制御システムが制御を禁止または許可する非走行系の電装装置は、パワーウィンド、サンルーフ、ワイパー、ウィンドウォッシャ、オーディオ、ナビゲーション装置、インパネ、車室内ライト、車室外ライト、自動リクライニング、シートヒータ、及び、外部通信装置の何れかを含む。このため、正規ユーザはリモートコントローラによって遠隔でエンジンを始動して制御している状態であることをこれらの非走行系の電装装置が利用できることで感覚的に理解することができる。
【0021】
また、請求項6の発明によれば、エンジン制御装置は、リモートコントローラから送出される無線信号に応答して車両のエンジンを始動した後に、車両の走行に係わらない非走行系の電装装置の制御を禁止するとともに、ドアが開かれたことを検知した場合に非走行系の電装装置の制御を許可する。
【0022】
このため、ユーザはリモートコントローラにより遠隔で車両のエンジンを始動でき、車両のドアを開くまでの間は非正規ユーザによる車両の不正利用を防止できる。更に、ユーザは車両のドアを開いて車両へ乗車したのちは非走行系の電装装置を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、車両を示す図である。
【図2】図2は、車両のシステムを説明する図である。
【図3】図3は、始動装置のシステムを説明する図である。
【図4】図4は、制御を説明するタイムチャート図である。
【図5】図5は、制御を説明するフローチャート図である。
【図6】図6は、制御を説明するフローチャート図である。
【図7】図7は、制御を説明するフローチャート図である。
【図8】図8は、制御を説明するフローチャート図である。
【図9】図9は、制御を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の第1の実施の形態である車両制御システムを、以下、添付図面を参照しながら説明する。
【0025】
<第1の実施の形態>
まず、車両制御システムが備える代表的な機能について簡単に説明する。図1に示すように、遠隔地においてユーザがリモートコントローラを操作した場合に、車両制御システムは、リモートコントローラから送出される無線信号に応答して車両Cに搭載されるエンジンを始動(以降、遠隔始動という)させる機能を備えている。
【0026】
更に、図1に示すように、ユーザが車両Cの近くにおいてワイヤレスキーWを操作した場合に、車両制御システムはワイヤレスキーWから送出されるIDの無線信号に応答して認証処理を実行し、その認証処理による認証結果が成功である場合に車両Cの鍵をアンロック状態にする機能を備える。 その際に、車両制御システムは自らが備える一部の電装装置をユーザへ利用可能にさせる機能を備えている。
【0027】
更に、図1に示すように、ユーザが車両Cに乗車して車のキー(以降、ユーザキーKという)を車両Cのキーシリンダ35のキー挿入口Hへ挿入した場合に、車両制御システムは、ユーザキーKから送出されるIDの信号に基づいて認証処理を実行するとともに車両Cを走行可能状態にする機能を備えている。
【0028】
なお、車両制御システムは、上記の他にも種々の機能を備えている。
【0029】
また、車両CのリモートコントローラR、ワイヤレスキーW、及び、ユーザキーKを所持する者を車両Cの正規ユーザとし、非正規のリモートコントローラR、ワイヤレスキーW、及び、ユーザキーKを所持する者を非正規ユーザとする。
【0030】
<車両制御システムの構成>
次に、車両制御システムの構成を図2に基づいて説明する。車両制御システムSYは、種々の電装装置を備える。例えば、エンジン、エアコン、パワーウィンド、サンルーフ、ワイパー、ウィンドウォッシャ、車室内ライト、シートヒータ、リクライニング、ミラー、インパネ、ナビゲーション装置、及び、外部通信装置などがある。
【0031】
電装装置は電気的に制御される被制御対象を主な構成要素とする。例えば、スタータモータ24、ハザードランプ25、ドアの鍵26、ブザー29、エアコンモータ42、パワーウィンドモータ43、サンルーフモータ44、ワイパーモータ45、ポンプモータ46、車室内ライト47、シートヒータ48、リクライニングモータ49、ミラーモータ50、ナビゲーションディスプレイ、外部と通信する回路などがある。
【0032】
また、電装装置を制御する制御装置は、例えば、始動装置1、エンジン制御装置2、認証装置3、ボディ制御装置4、エアコン制御装置5、パワーウィンド制御装置6、サンルーフ制御装置7、ワイパー制御装置8、ウィンドウォッシャ制御装置9、ライト制御装置10、シートヒータ制御装置11、リクライニング制御装置12、ミラー制御装置13、インパネ制御装置14、ナビゲーション装置15、及び、外部通信装置などがある。これら制御装置の詳細については後述する。
【0033】
なお、車両制御システムSYは他の被制御対象も備えている。例えば、アクセサリ類の電装装置へバッテリ31の電力を供給可能にするアクセサリリレー22、スタータモータ24へバッテリ31の電力を供給可能にするスタータリレー23、車両Cの主電源であるバッテリ31、及び、非アクセサリ類の電装装置などへバッテリ31の電力を供給可能にするメインリレー32などがある。
【0034】
更に、車両制御システムSYは、種々の信号を検知するスイッチ、無線信号を受信するアンテナ、及び、物理的現象を検知するセンサなどを備える。
【0035】
例えば、ワイヤレスキーWが送信するIDの信号を受信する第1アンテナ33、第1ACCスイッチa、第1イグニッションスイッチb、並びに、第1スタータスイッチcを備えるキーシリンダ35、ユーザキーKが送信するIDの信号を受信するトランスポンダ34、ユーザキーKが挿入されたことを検知するキー挿入スイッチ36、ユーザによりフットブレーキが操作されたことを検知するフットブレーキスイッチ37、ユーザによりエンジンフードが開閉されたことを検知するエンジンフードスイッチ38、ユーザによりシフト操作された際のシフトポジションを検知するシフトポジションスイッチ39、車両Cの速度を検知する車速センサ40、リモートコントローラRが送信するエンジン20の始動を指示する信号を受信する第2アンテナ41、エンジン20の回転数を検知するエンジン回転数センサ21、及び、ドアに備わる鍵の施錠状態を検知するドアの鍵スイッチ27などがある。
【0036】
次に、電装装置を制御する制御装置の詳細について説明する。
【0037】
エンジン制御装置2は、正規ユーザによってキーシリンダ35へ挿入されたユーザキーKが第1スタータスイッチcをオンにされてスタータモータ24が駆動された際に、エンジン回転数センサ21などから受信する信号に基づいて、図示しない点火プラグ、インジェクタ、及び、スロットルなどを制御する(第1エンジン始動処理)。エンジン制御装置2は、制御部などを備える。制御部は、例えば、マイコンでありCPU、ROM、及び、RAMなどを備え、ROMに記憶されている第1エンジン始動処理のプログラムをCPUが実行する。CPUはその実行の際にRAMをワーキングエリアとして利用する。第1エンジン始動処理の詳細については後述する。
【0038】
始動装置1は、第2ACCスイッチRa、第2イグニッションスイッチRb、及び、第2スタータスイッチRcを備える。これらスイッチは、受信回路63がリモートコントローラRから受信したエンジン20の始動を指示する信号に基づいてオンにされる。始動装置1は、これらスイッチをオンすることによってアクセサリ類及び非アクセサリ類の電装装置へバッテリ31からの電力を供給させて起動させるとともに、スタータモータ24を駆動させてエンジン20を始動させる(第2エンジン始動処理)。第2エンジン始動処理の詳細については後述する。
【0039】
更に、始動装置1は、他の電装装置を制御する制御装置へそれぞれの電装装置の制御を禁止させる、或いは、許可させる指示を行う機能を備える。
【0040】
図3は、始動装置1の構成を示す図である。始動装置1は、制御部60、受信回路63、及び、情報入出力部64などを備える。制御部60は、他の電装装置を制御する制御装置へそれぞれの電装装置の制御を禁止させる機能を発揮する制御禁止部61と、他の電装装置を制御する制御装置へそれぞれの電装装置の制御を許可させる機能を発揮する制御許可部62とを備える。
【0041】
制御部60は、例えば、マイコンでありCPU、ROM、及び、RAMなどを備え、ROMに記憶されている第2エンジン始動処理のプログラムをCPUが実行する。CPUはその実行の際にRAMをワーキングエリアとして利用する。
【0042】
受信回路63は、例えば、ICであり第2アンテナ41が受信した信号を調整して制御部60へ送信する機能を発揮する。
【0043】
情報入出力部64は、他と場、信号を入出力制御するインターフェースであり始動装置1へ送信される信号を制御する情報取得部65と始動装置1から他の電装装置などへ送信される信号を制御する情報出力部66とを備える。
【0044】
図2に戻り、認証装置3は、第1アンテナ33、トランスポンダ34、及び、第2アンテナ41から受信するIDの信号に基づいて認証処理を行う。認証処理の詳細については後述する。
【0045】
なお、認証装置3は制御部などを備える。その制御部は、例えば、マイコンでありCPU、ROM、及び、RAMなどを備え、ROMに記憶されている認証処理のプログラムプログラムをCPUが実行する。CPUはその実行の際にRAMをワーキングエリアとして利用する。
【0046】
ボディ制御装置4は、認証装置3から受信する認証結果に基づいてドアの鍵26を開錠状態に制御する。または、ボディ制御装置4は、その認証結果に基づいてブザー29を出力させる制御をする。ボディ制御装置4は制御部などを備える。その制御部は、例えば、マイコンでありCPU、ROM、及び、RAMなどを備え、ROMに記憶されている所定のプログラムをCPUが実行する。CPUはその実行の際にRAMをワーキングエリアとして利用する。
【0047】
エアコン制御装置5は、ユーザにより設定された温度に車室内の温度がなるようにエアコンモータ42を制御する。
【0048】
パワーウィンド制御装置6は、ユーザ操作に応じてウィンドを開閉するパワーウィンドモータ43を制御する。
【0049】
サンルーフ制御装置7は、ユーザ操作に応じてサンルーフを開閉するサンルーフモータ44を制御する。
【0050】
ワイパー制御装置8は、ユーザ操作に応じてフロントガラスの水滴を排除するワイパーを動かすワイパーモータ45を制御する。
【0051】
ウィンドウォッシャ制御装置9は、ユーザ操作に応じてフロントガラスへ洗浄剤を噴出させるポンプモータ46を制御する。
【0052】
ライト制御装置10は、ユーザ操作に応じて車両Cの室内を照らす車室内ライト47を制御する。
【0053】
シートヒータ制御装置11は、ユーザ操作に応じて車両Cに備わるシートを暖めるシートヒータ48を制御する。
【0054】
リクライニング制御装置12は、ユーザ操作に応じて車両Cに備わるシートの背もたれなどを動かすリクライニングモータ49を制御する。
【0055】
ミラー制御装置13は、ユーザ操作に応じてミラーの角度を変化させるミラーモータ50を制御する。
【0056】
インパネ制御装置14は、車両Cのスピード、燃料残量、及び、エンジン回転数などを表示するインパネを表示制御する。
【0057】
ナビゲーション装置15は、CD再生機能を備えるオーディオを駆動制御する、または、図示しないナビゲーション情報を表示するディスプレイなどを表示制御する。
【0058】
<第1エンジン始動処理>
ここで、第1エンジン始動処理について説明する。第1エンジン始動処理は、主に、ユーザキーK、キーシリンダ35、スタータリレー23、及び、スタータモータ24、エンジン20、及び、エンジン制御装置2などにより実現される。
【0059】
正規ユーザがユーザキーKをキーシリンダ35に形成されるキー挿入口Hへ挿入してから、第1スタータスイッチcがオンになる位置まで回す。車両制御システムSYにおいて、第1スタータスイッチcがオンになるとバッテリ31とスタータモータ24とが電気的に接続状態になるためスタータモータ24が駆動する。つまり、正規ユーザがユーザキーKを操作して、第1スタータスイッチcをオンにする間においてスタータモータ24を駆動させることができる。
【0060】
従って、正規ユーザは、エンジン20の回転が所定回転数(例えば、1500rpm)になったことをエンジン音などに基づいて判断してその操作を停止することによって、第1エンジン始動が実行される。
【0061】
一方で、エンジン制御装置2は、スタータスイッチ信号を受信すると、エンジン20に備わる点火プラグやインジェクタを制御して、エンジン20を駆動させて、所定回転数になるまでスタータモータの補助を受けつつ、エンジン回転数センサ21からの受信信号に基づいてアイドリング状態に持って行く。
【0062】
<認証処理>
認証処理は、主に、リモートコントローラR、ワイヤレスキーW、ユーザキーK、第1アンテナ33、第2アンテナ41、トランスポンダ34、認証装置3、及び、エンジン制御装置2などにより実現される。
【0063】
まず、ユーザキーKに係る認証処理について説明する。正規ユーザがユーザキーKをキー挿入口Hへ挿入する際に、トランスポンダ34は、ユーザキーKに備わる不揮発性記憶部に記憶されているIDの信号を無線通信を介して受信する。トランスポンダ34は受信したIDの信号を認証装置3へ送信する。認証装置3は、受信したIDの信号が予め記憶しているIDの信号と一致するか否かを判断して、一致すれば認証結果即ち成功を示す信号をエンジン制御装置2へ送信し、一致しなければ認証結果即ち失敗を示す信号をエンジン制御装置2へ送信する。エンジン制御装置2は、スタータスイッチ信号と成功を示す認証結果の信号とを受信する場合に第1エンジン始動処理を実行する。
【0064】
次に、ワイヤレスキーWに係る認証処理について説明する。正規ユーザによって操作されたワイヤレスキーWが車両Cのドアに備わる鍵を開錠状態にする指示信号を車両制御システムSYへ送信したときに、車両制御システムSYが備える認証装置3が、ドアに備わる鍵を開錠状態にする指示信号を第1アンテナ33を介して受信する。
【0065】
認証装置3は、ドアに備わる鍵を開錠状態にする指示信号に含まれるIDの信号が予め記憶しているIDの信号と一致するか否かを判断して、一致すれば認証結果即ち成功(ワイヤレスキーWが正規のキーであること)を示す信号をボディ制御装置4へ送信し、一致しなければ認証結果即ち失敗(ワイヤレスキーWが正規のキーでないこと)を示す信号をボディ制御装置4へ送信する。ボディ制御装置4は、成功を示す認証結果の信号を受信する場合に車両Cのドアに備わる鍵を開錠状態にし、失敗を示す認証結果の信号を受信する場合に車両Cのドアに備わる鍵を開錠状態にしない。
【0066】
従って、車両制御システムが、車両Cのドアに備わる鍵を開錠状態にしたため、ユーザはドアに備わるノブを引いたときにドアの鍵を開錠できる。
【0067】
リモートコントローラRに係る認証処理について説明する。正規ユーザがリモートコントローラRを操作してエンジン20の始動を指示する信号を車両制御システムSYへ送信したときに、車両制御システムSYが備える始動装置1は、第2アンテナ41によってエンジン20の始動を指示する信号を受信する。始動装置1は、エンジン20の始動を指示する信号に含まれるIDの信号を認証装置3へ送信する。
【0068】
認証装置3は、受信したIDの信号が予め記憶しているIDの信号と一致するか否かを判断して、一致すれば認証結果即ち成功を示す信号をエンジン制御装置2へ送信し、一致しなければ認証結果即ち失敗を示す信号をエンジン制御装置2へ送信する。エンジン制御装置2は、スタータスイッチ信号を受信する場合に第2エンジン始動処理を実行する。また、エンジン制御装置2は、スタータスイッチ信号と失敗を示す認証結果の信号を受信する場合に車両外部へ車両Cが盗難されたことを報知する処理を実行する。
【0069】
<第2エンジン始動処理>
第2エンジン始動処理について説明する。第2エンジン始動処理は、主に、リモートコントローラR、第2アンテナ41、始動装置1、スタータリレー23、スタータモータ24、及び、エンジン制御装置2などにより実現される。
【0070】
正規ユーザがリモートコントローラRのエンジン始動ボタンを操作すると、リモートコントローラRはその操作に応じて車両Cに搭載の始動装置1へ無線通信を介して始動信号を送出する。始動装置1は第2アンテナ41を介して受信した始動信号に基づいてエンジン20を始動させる。
【0071】
遠隔始動の際は、始動装置1は始動信号を受信したのちに、所定の条件を満たした場合に車両状態が暖機可能であると判断して自らが備える第2ACCスイッチRa、第2イグニッションスイッチRb、及び、第2スタータスイッチRcをオンにすることによって、アクセサリ類及び非アクセサリ類の電装装置へバッテリ31からの電力を供給させて起動させるとともに、スタータモータ24を駆動させてエンジン20を始動させる。
【0072】
所定の条件とは、例えば、キー挿入スイッチ36からの信号に基づいてキーが挿入されていないこと、フットブレーキスイッチ37からの信号に基づいてフットブレーキが踏まれていないこと、エンジンフードスイッチ38からの信号に基づいてエンジンフードが開かれていないこと、シフトポジションスイッチ39からの信号に基づいてシフトポジションがパーキングを選択されていること、ドアの鍵スイッチ27からの信号に基づいてドアが開かれていないことである。
【0073】
なお、その際に始動装置1は、始動装置1、エンジン制御装置2、及び、認証装置3などを除く制御装置へ電装装置の制御を禁止させる処理を実行する。この処理の詳細については後述する。
【0074】
また、車両制御システムSYは、実行する第2エンジン始動処理において、通常モードとランオンモードとの2つのモードを備える。これらのモードは、正規ユーザがリモートコントローラRや車内に備わるスイッチによって選択することができる。これらのモードについて詳細に説明する。
【0075】
(通常モード)
通常モードについて説明する。車両制御システムSYにおいて正規ユーザにより通常モードが設定されると、正規ユーザのリモートコントローラRによって車両Cのエンジン20が遠隔始動されたあとに正規ユーザが車両Cへ乗車したときは、車両制御システムSYはエンジン20の駆動を停止させる。
【0076】
つまり、正規ユーザのリモートコントローラRによって車両Cのエンジン20が遠隔始動されたあとに車両Cが備えるドアの鍵が開錠されてドアが開かれた場合は、ドアの鍵スイッチ27がアンロックされたことを示す信号とカーテシスイッチ28がドアが開かれたことを示す信号とをボディ制御装置4へ送信する。その際に、始動装置1は通常モードが設定されていること、エンジン20が遠隔始動されていることをからエンジン制御装置2へエンジン20の駆動を停止させることを示す信号を送信する。その信号を受信したエンジン制御装置2はエンジン20の駆動を停止させる。
【0077】
このため、正規ユーザが遠隔の場所においてリモートコントローラRによって車両Cのエンジン20を遠隔始動させたのちから車両Cに乗車するまでの間に、非正規ユーザが車両Cへ侵入してエンジン20が駆動している車両Cをそのまま発進させて盗もうとしても、車両Cのドアを開けたときにエンジン20の駆動は停止するためそのような盗難は困難となる。
【0078】
更に、正規ユーザが車両Cのエンジン20を遠隔始動させたあとに車両Cへ乗車したときから車両Cを走行開始させるまでにおいて、非正規ユーザが車両Cへ侵入などする虞があるため、車両制御システムSYは車両Cに備える電装装置についても機能させないようにしている。
【0079】
例えば、もし、車両制御システムSYが、その間にパワーウィンド制御装置6を機能させた場合は、車両Cのパワーウィンドが数ミリ程度開いていたときに、非正規ユーザが針金などを駆使して車室内側に備わる開閉ボタンを操作してパワーウィンドを全開にして車両Cへ侵入する虞がある。
【0080】
他方で、正規ユーザは、一度、リモートコントローラRによって遠隔始動させた車両Cのエンジン20がその乗車とともに停止してしまうため、乗車の際に再びエンジン20を始動させなければならず不便である。また、正規ユーザが車両Cへ乗車したときから車両Cを走行開始させるまでの間に車両Cに備わる電装装置を利用できないため不便である。
【0081】
(ランオンモード)
ランオンモードについて説明する。車両制御システムSYにおいて正規ユーザによりラオンモードが設定されると、正規ユーザのリモートコントローラRによって車両Cのエンジン20が遠隔始動されたあとに正規ユーザが車両Cへ乗車した場合は、車両制御システムSYはエンジン20の駆動を停止させずにエンジン20の駆動を継続させる。
【0082】
つまり、正規ユーザのリモートコントローラRによって車両Cのエンジン20が遠隔始動されたあとに車両Cに備わるドアの鍵が開錠されてドアが開かれた場合は、ドアの鍵スイッチ27がアンロックされたことを示す信号とカーテシスイッチ28がドアが開かれた信号とをボディ制御装置4へ送信する。また、その際に、始動装置1はランオンモードが設定されていることを示す信号とエンジン制御装置2へエンジン20の駆動を停止させずに継続することを示す信号とを送信する。その信号を受信したエンジン制御装置2はエンジン20の駆動を停止させずに継続する。
【0083】
このため、正規ユーザは、遠隔の場所からリモートコントローラRによって車両Cのエンジン20を遠隔始動させたあとに車両Cへ乗車してそのまま車両Cを発進させることができる。
【0084】
更に、正規ユーザが車両Cのエンジン20を遠隔始動させたあとに車両Cへ乗車したときから車両を走行開始させるまでにおいて、車両制御システムSYはセキュリティ上問題のないように車両Cに備える一部の電装装置を機能させる制御を実行する。
【0085】
このため、車両制御システムSYは、ユーザに対する利便性を向上させることができるその制御について以降において詳細に説明する。
【0086】
<制御処理のタイムチャート>
車両制御システムSYによるその制御を図4に示すタイムチャートに基づいて詳細に説明する。なお、この場合、車両制御システムSYは、ユーザによって予めランオンモードを設定されているものとして説明を行う。
【0087】
(タイムt1)
図4に示すタイムチャートのタイムt1において、正規ユーザがリモートコントローラRによって車両Cのエンジン20を遠隔始動させる操作を行う。同時に、正規ユーザがリモートコントローラRによって車両Cのエアコンを動作させる操作を行う。
【0088】
つまり、リモートコントローラRがユーザ操作に応じて車両制御システムSYが備える始動装置1へエンジン20を始動させる始動指示の無線信号、並びに、その始動指示信号が正規の信号であることを認証するためのIDの無線信号、及び、エアコンを動作させる動作指示の無線信号を送出する。
【0089】
また、車両制御システムSYが備える始動装置1は、第2アンテナ41を介してIDの無線信号を受信した場合に、IDの信号を認証装置3へ送信する。認証装置3は受信したIDの信号に基づいて前述した認証処理を実行する。認証装置3は認証処理に基づく認証結果を始動装置1へ送信する。
【0090】
タイムt1において、始動装置1は第2アンテナ41を介して始動指示の無線信号と成功である旨の認識結果を示す信号とを受信した場合に、前述した第1エンジン始動処理を実行する。
【0091】
また、車両制御システムSYが備える始動装置1は、第2アンテナを介して動作指示の無線信号を受信した場合に、エアコン制御装置5へ動作指示信号を送信する。エアコン制御装置5は動作指示信号を受信した場合に、エアコンモータ42を制御して車室内を暖めるまたは冷やす。
【0092】
更に、始動装置1が備える制御禁止部61は、第2アンテナ41を介してそれら信号を受信した場合に、エンジン制御装置2、及び、認証装置3などを除く他の制御装置へそれぞれの電装装置の制御を禁止することを示す信号を送信する。エンジン制御装置2、及び、認証装置3などを除く他の制御装置はその信号を受信した場合にそれぞれの電装装置の制御を禁止する。即ち、それら制御装置は、電装装置の制御を禁止することを示す信号を受信した場合にユーザ操作に応じた制御を実行しない。
【0093】
つまり、車両制御システムSYは、正規ユーザが遠隔の地において車両Cのエンジン20を遠隔始動してから車両Cが駐車された場所へ到着するまでの間は、車両Cはエンジン20が駆動しているため非正規ユーザによって盗難される虞が比較的高い状態である。このため、車両制御システムSYは、エンジン20を始動させる、車室内を暖気または冷機させる、若しくは、前述した認証処理する以外の必要のない電装装置の制御を禁止させて車両Cが非正規ユーザによって盗難されないようにしている。
【0094】
(タイムt2)
図4に示すタイムチャートのタイムt2において、正規ユーザがワイヤレスキーWを操作することによって車両Cが備えるドアの鍵26を開錠可能状態にさせる操作を行う。
【0095】
つまり、ワイヤレスキーWがユーザ操作に応じて車両制御システムSYが備える第1アンテナ33へIDの無線信号を送出する。認証装置3は第1アンテナ33を介してIDの信号を受信した場合に、前述した認証処理を実行する。認証装置3は、認証処理による認証結果をボディ制御装置4へ送信する。認証結果を受信したボディ制御装置4は、認証結果が成功である場合はドアの鍵26を開錠可能状態にする。
【0096】
(タイムt3)
図4に示すタイムチャートのタイムt3において、正規ユーザが車両Cが備えるドアのノブを引く操作を行う。開錠可能状態になっている車両Cに備わるドアの鍵26は、ユーザがドアのノブを引いた際に開錠される。この際、車両制御システムSYはユーザによってランオンモードが設定されているためエンジン20の駆動を維持する。また、正規ユーザが車両Cが備えるドアを開いた際に、車両Cのドアの近傍に備わるカーテシスイッチ28がドアが開かれたことを示す信号をボディ制御装置4へ送信する。更に、ボディ制御装置4はドアが開かれたことを示す信号を始動装置1へ送信する。
【0097】
始動装置1が備える制御許可部62は、ドアが開かれたことを示す信号を受信した場合に車両Cの走行とは直接的に係わらない非走行系の電装装置を制御する制御装置へ禁止されていた電装装置の制御を許可することを示す信号を送信する。
【0098】
非走行系の電装装置とは、例えば、エアコン、パワーウィンド、サンルーフ、ワイパー、ウィンドウォッシャ、車室内ライト、シートヒータ、リクライニング、ミラー、インパネ、または、ナビゲーションなどがある。
【0099】
非走行系の電装装置を制御する制御装置が、電装装置の制御を許可することを示す信号を受信した場合に禁止していた電装装置の制御を解禁する。即ち、非走行系の電装装置を制御する制御装置は、電装装置の制御を許可することを示す信号を受信した場合にユーザ操作に応じた制御を実行可能にする。
【0100】
つまり、車両制御システムSYは、ワイヤレスキーWから送信されるIDの信号に基づく認証が成功して車両Cのドアが開かれたことを検知したため、正規ユーザが車両Cへ乗車したと推定して、非走行系の電装装置の制御を禁止した状態から許可する状態へと遷移させる。このため、正規ユーザは車両Cへ乗車したのちから車両Cを走行させるまでの間において非走行系の電装装置の機能を利用することができる。他方で、その間はユーザは車両Cの走行に直接的に係わる走行系の電装装置の機能を利用することができないため車両Cを走行開始の状態へ操作していないことを感覚的に認識することができる。
【0101】
(タイムt4)
図4に示すタイムチャートのタイムt4において、正規ユーザがユーザキーKを車両Cが備えるキーシリンダ35のキー挿入口Hへ挿入してユーザキーKを第1ACCスイッチa、及び、ユーザスイッチである第1イグニッションスイッチbがオンになるまで回す。なお、既に車両Cのエンジン20は遠隔始動しているため、正規ユーザはユーザキーKを第1スタータスイッチcがオンになるまで回す必要はない。
【0102】
つまり、ユーザキーKは車両Cが備えるキー挿入口Hへ挿入された場合に、IDの無線信号をキー挿入口Hの近傍へ備えられたトランスポンダ34へ送信する。トランスポンダ34はIDの無線信号を受信した場合に認証装置3へIDの信号を送信する。認証装置3はIDの信号を受信した場合に前述した認証処理を実行する。認証装置3は認証処理による認証結果をボディ制御装置4へ送信する。ボディ制御装置4は、受信した認証結果が失敗である場合は車両Cの外部へ非正規ユーザが不正に車両Cが盗難されたことを報知する。即ち、ボディ制御装置4は、受信した認証結果が失敗である場合はブザー29やハザードランプ25を動作させる。
【0103】
また、始動装置1は、ユーザキーKによって第1イグニンションスイッチbがオンされた場合には、走行系の電装装置の制御を禁止させずに車両Cを走行可能状態にさせる。
【0104】
つまり、車両制御システムSYは、既に、ワイヤレスキーWから送信されるIDの信号に基づく認証が成功しているため正規ユーザが車両Cへ乗車したと推定して、ユーザキーKにより第1イグニッションスイッチbがオンになった場合は車両Cを走行可能な状態にする。他方で、ユーザキーKから送信されるIDの信号に基づく認証が失敗した場合は、そのあとに車両Cの外部へ非正規ユーザにより車両Cが盗難されたことを報知して、車両Cの盗難防止を図っている。
【0105】
ここで、車両制御システムSYが、ユーザキーKから送出されるIDの信号に基づく認証が失敗した場合に車両Cのエンジン20の駆動を停止させない理由を説明する。車両制御システムSYは、その認証処理をするのに所定時間(例えば、10秒)かかる場合がある上に、その所定時間内に車両Cの走行が開始されている場合がある。この場合において、車両制御システムSYが、車両Cのエンジン20の駆動を停止してしまうと車両Cが事故を起こしてしまう虞がある。
【0106】
従って、車両制御システムSYは、ユーザキーKから送信される信号に基づく認証が失敗した場合は、車両Cのエンジン20の駆動を停止するのではなくブザー29やハザードランプ25を動作させて車両Cの外部へ車両Cが非正規ユーザによって盗難されたことを報知している。
【0107】
<制御処理のフロー>
以上の車両制御システムSYによる制御を図5に示すフローに基づいて詳細に説明する。なお、この場合、車両制御システムSYは、ユーザによって予めランオンモードを設定されているものとして説明を行う。
【0108】
車両制御システムSYは、図5に示すフローを所定の周期で実行する。即ち、前述したように常時スタンバイ状態になっている車両制御システムSYが備える始動装置1が、図5に示すフローのステップST1を所定周期で判定する。
【0109】
車両制御システムSYが備える始動装置1は、車両Cのエンジン20が遠隔始動されたか否かを判定する(ステップST1)
車両制御システムSYが備える始動装置1は、車両Cのエンジン20が遠隔始動されたと判定する場合は、ステップST2の処理を実行する。(ステップST1においてYES)。
【0110】
なお、車両制御システムSYが備える始動装置1は、車両Cのエンジン20が遠隔始動されたと判定しない場合は、処理を終了する(ステップST1においてNO)。
【0111】
車両制御システムSYが備える始動装置1は自らが備える第2ACCスイッチRa、第2イグニッションスイッチRbをオンにしてバッテリ31から他の電装装置へ電力を供給させて起動させる。更に、車両制御システムSYが備える始動装置1は、車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4へエンジン20が遠隔始動されたことを示す信号を送信する。(ステップST2)。
【0112】
車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4は、エンジン20が遠隔始動されたことを示す信号を受信した場合に車両Cが備えるドアの鍵を念のため施錠状態にする(ステップST3)。これにより、車両Cが備えるドアの鍵は非正規ユーザが車両Cが備えるドアのノブを引いてたとしても施錠状態を維持されるため、車両制御システムSYは車両Cへ非正規ユーザが侵入することを防ぐことができる。
【0113】
車両制御システムSYが備える始動装置1の制御禁止部61は、前述した通り、車両Cが備える始動装置1、エンジン制御装置2、及び、認証装置3などを除く制御装置による電装装置の制御を禁止させる(ステップST4)。
【0114】
車両制御システムSYが備える始動装置1は、車両Cのエンジン20が遠隔始動されてから所定時間が経過した否かを判定する(ステップST5)。
【0115】
車両制御システムSYが備える始動装置1は、車両Cのエンジン20が遠隔始動されてから所定時間が経過したと判定する場合は、エンジン制御装置2へその旨を示す信号を送信する。エンジン制御装置2はその旨を示す信号を受信した場合にエンジン20の駆動を停止する(ステップST6)。つまり、車両制御システムSYは、車両Cのエンジン20が遠隔始動されたのちに正規ユーザがワイヤレスキーWに基づいて車両Cのドアの鍵を開錠させない場合は車両Cのエンジン20の駆動を停止させて、車両Cが非正規ユーザに盗難される可能性が比較的高い状態を回避している。
【0116】
また、車両制御システムSYが備える始動装置1は、車両Cのエンジン20が遠隔始動されてから所定時間内において、リモートコントローラRからエンジン20の駆動を停止させることを示す無線信号を受信したか否かを判定する(ステップST7)。
【0117】
車両制御システムSYが備える始動装置1は、車両Cのエンジン20が遠隔始動されてから所定時間内において、リモートコントローラRからエンジン20の駆動を停止させることを示す無線信号を受信した場合は、エンジン制御装置2へその旨を示す信号を送信する。エンジン制御装置2はその旨を示す信号を受信した場合にエンジン20の駆動を停止する(ステップST6)。
【0118】
車両制御システムSYが備える認証装置3は、第1アンテナ33を介してワイヤレスキーWからドアの鍵を開錠することを示す信号を受信した否かを判定する(ステップST8)。
【0119】
車両制御システムSYが備える認証装置3は、ワイヤレスキーWからドアの鍵を開錠することを示す信号を第1アンテナ33を介して受信した場合は、ステップST9の処理を実行する(ステップST8においてYES)。
【0120】
なお、車両制御システムSYが備える認証装置3は、ワイヤレスキーWからドアの鍵を開錠することを示す信号を第1アンテナ33を介して受信しない場合は、処理を終了する(ステップST8においてNO)。
【0121】
車両制御システムSYが備える認証装置3は、その旨を示す信号とともに受信するIDの信号に基づいて前述した認証処理を実行する(ステップST9)。車両制御システムSYが備える認証装置3は、認証処理による認証結果を車両制御システムSYが備える始動装置1へ送信する。
【0122】
車両制御システムSYが備える始動装置1は、受信した認証結果が成功であるか否かを判定する。(ステップST10)。
【0123】
車両制御システムSYが備える始動装置1の制御許可部62は、受信した認証結果が成功であると判定する場合は、ステップST11の処理を実行する。(ステップST10においてYES)。
【0124】
なお、車両制御システムSYが備える始動装置1は、その旨を示す信号に基づいて認証結果が成功であると判定しない場合は処理を終了する(ステップST10においてNO)。
【0125】
車両制御システムSYが備える認証装置3は、ワイヤレスキーWからドアの鍵を開錠することを示す信号を第1アンテナ33を介して受信した場合は、車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4へその旨を示す信号を送信する。車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4は、その旨を示す信号を受信した場合に車両Cのドアの鍵を開錠可能状態にする(ステップST11)。
【0126】
車両制御システムSYが備える始動装置1の制御許可部62は車両Cの走行とは直接的に係わらない非走行系の電装装置の制御を許可する処理を実行する。この処理の詳細については後述する(ステップST12)。
【0127】
車両制御システムSYが備える始動装置1は、車両Cを走行可能な状態にさせる操作がされたか否かを判定する。
【0128】
具体的には、車両制御システムSYが備える始動装置1は、第1イグニッションスイッチbからの信号に基づいて、キーシリンダ35に形成されるキー挿入口Hへ挿入されたユーザキーKによって第1イグニッションスイッチbがオンにされたか否かを判定する(ステップST13)。
【0129】
車両制御システムSYが備える始動装置1の制御許可部62は、第1イグニッションスイッチbがオンにされたと判定する場合は、ステップST14の処理を実行する(ステップST13においてYES)。
【0130】
なお、車両制御システムSYが備える始動装置1は、第1イグニッションスイッチbがオンにされたと判定しない場合は、その判定処理を繰り返す(ステップST13においてNO)。
【0131】
車両制御システムSYが備える始動装置1の制御許可部62は、第1イグニッションスイッチbがオンにされたと判定する場合は、例えば、図示しないステアリング制御装置やブレーキ制御装置などの直接的に車両Cの走行に係わる走行系の電装装置の制御を許可して車両Cを走行可能状態にする(ステップST14)。
【0132】
<非走行系電装装置の制御許可処理>
車両制御システムSYが備える始動装置1が実行する図5に示すフローのステップST12における「非走行系電装装置の制御許可処理」の詳細を図6に示すフロー及び図7に示す表に基づいて説明する。図6に示すフローは車両制御システムSYが図5に示すフローのステップST12の処理へ移行した際に実行される。
【0133】
車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4はカーテシスイッチ28からオフを示す信号を受信したか否かを判定する(ステップST15)。
【0134】
車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4はカーテシスイッチ28からオフを示す信号を受信した場合は、ステップST16の処理を実行する(ステップST15においてYES)。
【0135】
なお、車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4はカーテシスイッチ28からオフを示す信号を受信しない場合は、ステップST15の処理を繰り返す(ステップST15においてNO)。
【0136】
車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4はカーテシスイッチ28からオフを示す信号を受信した場合は、車両制御システムSYが備える始動装置1へその旨を示す信号を送信する。そして、車両制御システムSYが備える始動装置1の制御許可部62は、車両Cの走行とは直接的に係わらない非走行系の電装装置の制御を許可する(ステップST16)。
【0137】
つまり、車両制御システムSYが備える始動装置1の制御許可部62はカーテシスイッチ28からその旨を示す信号を受信した場合は、その旨の信号を検知して出力したカーテシスイッチ28に対応するドア、即ち、開かれたドアに対応する非走行系の電装装置の制御を許可する。
【0138】
車両制御システムSYが制御を許可する開かれたドアに対応する非走行系の電装装置とは、例えば、図7の表に示すように、パワーウィンド、車室内ライト、シートヒータ、リクライニング、サイドミラー、及び、外部通信装置などがある。
【0139】
パワーウィンドについては、パワーウィンド制御装置6が開かれた車両Cのドアに対応するパワーウィンドモータ43の制御を解禁する。即ち、パワーウィンドについては、パワーウィンド制御装置6が開かれた車両Cのドアに搭載されるパワーウィンドを開閉させるパワーウィンドモータ43の制御を解禁する。
【0140】
車室内ライトについては、ライト制御装置10が開かれた車両Cのドアに対応する車室内ライト47の制御を解禁する。即ち、車室内ライトについては、ライト制御装置10が開かれた車両Cのドアの近傍の座席を照らす車室内ライト47の制御を解禁する。
【0141】
シートヒータについては、シートヒータ制御装置11が開かれた車両Cのドアに対応するシートヒータ48の制御を解禁する。即ち、シートヒータについては、シートヒータ制御装置11が開かれた車両Cのドアの近傍のシートを暖めるシートヒータ48の制御を解禁する。
【0142】
リクライニングについては、リクライニング制御装置12が開かれた車両Cのドアに対応するリクライニングモータ49の制御を解禁する。即ち、リクライニングについては、リクライニング制御装置12が開かれた車両Cのドアの近傍のリクライニングシートを制御するリクライニングモータ49の制御を解禁する。
【0143】
サイドミラーについては、ミラー制御装置13が開かれた車両Cのドアに対応するミラーモータ50の制御を解禁する。即ち、サイドミラーについては、ミラー制御装置13が開かれた車両Cのドアの近傍のサイドミラーの向きを可変させるミラーモータ50の制御を解禁する。
【0144】
外部通信装置については、外部通信装置が開かれた車両Cのドアに対応する席に座るユーザに対する電話などの通信機能を許可する。即ち、外部通信装置については、外部通信装置が開かれた車両Cのドアの近傍の席に座るユーザだけ通信できるように外部通信の制御を解禁する。
【0145】
このように、正規ユーザがリモートコントローラRによって車両Cのエンジン20を遠隔始動させたあとに、ワイヤレスキーWによって車両Cのドアの鍵を開錠させてドアを開いて乗車した際に、車両制御システムSYが開かれたドアに対応する非走行系の電装装置の制御を許可するため、正規ユーザは車両Cに乗車しつつ車両Cを走行可能状態にしていないことを、車両Cに備わる一部の電装装置のみしか利用できないことで感覚的に理解することができる。
【0146】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態においては、主に、第1の実施の形態と相違する処理について説明する。
【0147】
車両制御システムSYが備える始動装置1が実行する図5に示すフローのステップST12における「非走行系電装装置の制御許可処理」の相違する処理を図8に示すフロー及び図9に示す表に基づいて説明する。図8に示すフローは車両制御システムSYが図5に示すフローのステップST12の処理へ移行した際に実行される。
【0148】
車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4はカーテシスイッチ28からオフを示す信号を受信したか否かを判定する(ステップST17)。
【0149】
車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4はカーテシスイッチ28からオフを示す信号を受信した場合は、ステップST18の処理を実行する(ステップST17においてYES)。
【0150】
なお、車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4はカーテシスイッチ28からオフを示す信号を受信しない場合は、ステップST17の処理を繰り返す(ステップST17においてNO)。
【0151】
車両制御システムSYが備えるボディ制御装置4はカーテシスイッチ28からオフを示す信号を受信した場合は、車両制御システムSYが備える始動装置1へその旨を示す信号を送信する。そして、車両制御システムSYが備える始動装置1の制御許可部62は、車両Cの走行とは直接的に係わらない非走行系の電装装置が可能な動作のうち一部のみの制御を許可する(ステップST18)。即ち、車両制御システムSYが備える始動装置1の制御許可部62はカーテシスイッチ28からその旨を示す信号を受信した場合は、非走行系の電装装置が可能な動作のうち一部のみの制御を許可する。
【0152】
車両制御システムSYが動作の制御を許可する所定の電装装置とは、例えば、図9の表に示すように、サンルーフ、ワイパー、ウィンドウォッシャ、インパネ、ナビゲーション装置、または、オーディオなどがある。
【0153】
サンルーフについては、サンルーフモータ44が可能な動作のうち一部のみの制御をサンルーフ制御装置7が解禁する。即ち、サンルーフモータ44によってサンルーフを開閉させる動作のうちサンルーフが開く程度を半分にまで開ける制御をサンルーフ制御装置7が解禁する。
【0154】
ワイパーについては、ワイパーモータ45が可能な動作のうち一部のみの制御をワイパー制御装置8が解禁する。即ち、ワイパーモータ45によってワイパーを作動させる回数を所定回数(例えば、1回)にする制御をワイパー制御装置8が解禁する。
【0155】
ウィンドウォッシャについては、ポンプモータ46が可能な動作のうち一部のみの制御をウィンドウォッシャ制御装置9が解禁する。即ち、ポンプモータ46によって洗浄剤を噴出させる回数を所定回数(例えば、1回)にする制御をウィンドウォッシャ制御装置9が解禁する。
【0156】
インパネについては、インパネ表示装置30が可能な動作のうち一部のみの制御をインパネ制御装置14が解禁する。即ち、インパネ表示装置30が表示する項目を所定の項目(例えば、車両Cのスピード、燃料残量、及び、エンジン回転数などのうち燃料残量及びエンジン回転数の2項目)のみにする制御をインパネ制御装置14が解禁する。
【0157】
ナビゲーション装置15が備えるディスプレイについては、ディスプレイのバックライトが可能な動作のうち一部のみの制御をナビゲーション装置15が解禁する。即ち、そのディスプレイのバックライトによって照明される明るさを通常よりも所定割合(例えば、20%)にした制御をナビゲーション装置15が解禁する。
【0158】
オーディオについては、図示しないスピーカから音を出力させる回路が可能な動作のうち一部のみの制御をオーディオ装置51が解禁する。即ち、その回路によってスピーカから出力する音量を所定量(例えば、60デシベル)にする制御をオーディオ装置51が解禁する。
【0159】
このように、正規ユーザがリモートコントローラRによって車両Cのエンジン20を遠隔始動させたあとに、ワイヤレスキーWによって車両Cのドアの鍵を開錠させてドアを開いて乗車した際に、車両制御システムSYが非走行系の電装装置が可能な動作のうち一部のみの制御許可するため、正規ユーザは車両Cに乗車しつつ車両Cを走行可能状態にしていないことを、車両Cに備わる一部の電装装置のみしか利用できないことで感覚的に理解することができる。
【0160】
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では他の実施の形態について説明する。もちろん、以下で説明する形態を適宜組み合わせても良い。
【0161】
<変形例1>
上記第1の実施の形態における第1エンジン始動処理は、「車両制御システムSYにおいて、ユーザキーKがキーシリンダ35へ挿入されたときに、ユーザキーK自らが備える不揮発性記憶部に記憶しているIDの信号をトランスポンダ34へ無線通信により送信し、トランスポンダ34は、受信したIDの信号を認証装置3へ送信する。認証装置3は、トランスポンダ34から受信したIDの信号と予め不揮発性記憶部に記憶しているコードとが一致するか否かを判断して、一致する場合に認証成功とし、一致すると判断しない場合に、所定回数、その判断を繰り返し、一度も一致すると判断しない場合に認証失敗とする」と説明したが、以降に説明するいわゆるプッシュスタートシステムを採用しても良い。
【0162】
つまり、正規ユーザが、ワイヤレスキーWに基づいて車両Cを開錠可能状態にして車両Cへ乗車した際に、キーシリンダ35の代わりに車両制御システムSYに備わるプッシュ式エンジンスタート装置のプッシュボタンをユーザが操作した場合は、車両制御システムSYは第1エンジン始動処理を実行する。
【0163】
なお、プッシュ式エンジンスタート装置は、プッシュ回数や長押時間に応じて、ACC機能、イグニッション機能、及び、スタータ機能を実行可能にしている。
【0164】
これにより、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0165】
<変形例2>
上記第1の実施の形態では、「車両制御システムSYは、ドアが開かれたことを検知した場合に、禁止された非走行系の電装装置の制御を許可する」と説明したが、車両制御システムSYは、ワイヤレスキーWに係る認証処理により認証結果が”成功”となって車両Cが備えるドアの鍵が開錠状態になった場合に、禁止された非走行系の電装装置の制御を許可するとしても良い。
【0166】
<変形例3>
上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されても良い。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されても良い。
【0167】
<変形例4>
上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、各実施例の制御を説明するフロー図は、便宜上、一のフローで示しているが、細分化した各フローを各制御部がマルチタスク機能により並列に処理するものであっても良い。
【符号の説明】
【0168】
1 始動装置
2 エンジン制御装置
3 認証装置
4 ボディ制御装置
20 エンジン
61 制御禁止部
62 制御許可部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される被制御対象を制御する車両制御システムであって、
前記車両のドアが開かれたことを検知する第1検知手段と、
リモートコントローラから送出される無線信号に応答して前記車両のエンジンを始動するとともに、前記エンジンの始動後に前記ドアが開かれたことを検知した場合に前記エンジンの駆動を継続する第1制御手段と、
前記車両が有する前記車両の走行に係わらない非走行系の電装装置を制御する第2制御手段と、
前記第1制御手段による前記エンジンの始動に応答して、前記第2制御手段による前記電装装置の制御を禁止する禁止手段と、
前記ドアが開かれたことを検知した場合に、前記禁止手段により禁止された前記電装装置の制御を許可する許可手段と、
を備えることを特徴とする車両制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御システムにおいて、
前記許可手段は、前記ドアが開かれたことを検知した場合に、前記電装装置が可能な動作のうちの一部のみの制御を許可することを特徴とする車両制御システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両制御システムにおいて、
ワイヤレスキーから送出される無線信号に基づいて、前記ワイヤレスキーが正規か否かを判断する認証手段と、
前記ワイヤレスキーが正規の場合に、前記ドアを開錠する開錠手段と、
をさらに備えることを特徴とする車両制御システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車両制御システムにおいて、
前記電装装置は、パワーウィンド、サンルーフ、ワイパー、ウィンドウォッシャー、オーディオ、ナビゲーション装置、インパネ、車室内ライト、ミラー、自動リクライニング、シートヒータ、及び、外部通信装置の何れかを含むことを特徴とする車両制御システム。
【請求項5】
車両に搭載される被制御対象を制御する車両制御方法であって、
(a)リモートコントローラから送出される無線信号に応答して前記車両のエンジンを始動する工程と、
(b)前記エンジンの始動に応答して、前記車両の走行に係わらない非走行系の電装装置を制御する制御装置による前記電装装置の制御を禁止する工程と、
(c)前記車両のドアが開かれたことを検知する工程と、
(d)前記エンジンの始動後に前記ドアが開かれたことを検知した場合に、前記エンジンの駆動を継続する工程と、
(e)前記エンジンの始動後に前記ドアが開かれたことを検知した場合に、前記(b)工程により禁止された前記電装装置の制御を許可する工程と、
を備えることを特徴とする車両制御方法。
【請求項6】
リモートコントローラから送出される無線信号に応答して車両のエンジンを始動するエンジン制御装置であって、
前記車両のドアが開かれたことを示す信号を取得する取得手段と、
前記エンジンの始動後に前記ドアが開かれたことを示す信号を取得した場合に、前記エンジンの駆動を継続する駆動継続手段と、
前記エンジンの始動に応答して、前記車両の走行に係わらない非走行系の電装装置を制御する制御装置による前記電装装置の制御を禁止する禁止手段と、
前記ドアが開かれたことを示す信号を取得した場合に、前記禁止手段により禁止された前記電装装置の制御を許可する許可手段と、
を備えることを特徴とするエンジン制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−66689(P2012−66689A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212977(P2010−212977)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)