説明

車両制御システム及び制御装置

【課題】ビジーシフトによるドライバビリティの低下を抑制することができる車両制御システム及び制御装置を提供する。
【解決手段】車両の動力源となるエンジン及びモータジェネレータと、複数の変速段を有し、エンジン又はモータジェネレータからの動力を変速して出力する変速機本体と、モータジェネレータの回生により発生する電力を蓄電可能なバッテリと、これらを制御するECUと、を備え、ECUは、要求駆動力が増加するパワーオン状態におけるシフトダウン時において、バッテリから要求される要求充電量が予め設定された設定要求充電量よりも多い場合、少なくとも1つの変速段を飛ばしてシフトダウンする変速制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御システム及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンと、エンジンに接続された動力分配統合機構と、動力分配統合機構に接続されたモータと、変速機を介して動力分配統合機構に接続されたモータと、車両を制御する電子制御ユニットとを備えたハイブリッド自動車が知られている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、バッテリの残容量がしきい値以上のときには、変速機をLoギヤの状態からHiギヤの状態に変速すべき車速VとしてのLo−Hi変速線Vhiに通常の車速V1を設定する。一方、ハイブリッド自動車では、バッテリの残容量がしきい値未満のときには、Lo−Hi変速線Vhiに車速V1より小さな車速V2を設定する。バッテリの残容量がしきい値未満のときに、車速Vが車速V2を越えて小さくなるときにLo−Hi変速を行うのは、変速機はHiギヤの状態の方がLoギヤの状態のときより伝達効率が高いため、バッテリの充電を行うときのエネルギ効率を高くするためである。このため、ハイブリッド自動車は、バッテリの残容量に基づいて、Lo−Hi変速線Vhiを用いて変速機の変速段を変更することにより、車両の燃費を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−137267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のハイブリッド自動車等の車両では、バッテリの残容量がしきい値未満のときには、Lo−Hi変速線Vhiに車速V1より小さな車速V2を設定する。このため、ハイブリッド自動車は、車速V2が設定されたLo−Hi変速線Vhiを用いて変速機の変速段を変更することから、変速機の変速段の変更が頻繁に行われ易くなる。特に、要求駆動力が増加するパワーオン状態におけるシフトダウン時では、変速段の変更が頻繁に発生するビジーシフト状態となるため、ドライバビリティが低下する虞がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、ビジーシフトによるドライバビリティの低下を抑制することができる車両制御システム及び制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両制御システムは、車両の動力源となる内燃機関及び回転電機と、複数の変速段を有し、内燃機関又は回転電機からの動力を変速して出力する有段自動変速機と、回転電機の回生により発生する電力を蓄電可能な蓄電装置と、内燃機関、回転電機、有段自動変速機及び蓄電装置を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、要求駆動力が増加するパワーオン状態におけるシフトダウン時において、蓄電装置から要求される要求充電量が予め設定された設定要求充電量よりも多い場合、少なくとも1つの変速段を飛ばしてシフトダウンする変速制御を実行することを特徴とする。
【0007】
また、制御装置は、有段自動変速機の入力軸の回転数が高ければ高いほど、又は有段自動変速機の入力軸に入力される入力トルクが小さければ小さいほど、要求充電量を高くすることが好ましい。
【0008】
また、制御装置は、内燃機関の出力軸の回転数が高ければ高いほど、又は内燃機関の出力軸から出力される出力トルクが小さければ小さいほど、要求充電量を高くすることが好ましい。
【0009】
本発明の制御装置は、車両の動力源となる内燃機関及び回転電機と、複数の変速段を有し、内燃機関又は回転電機からの動力を変速して出力する有段自動変速機と、回転電機の回生により発生する電力を蓄電可能な蓄電装置とを制御する制御装置であって、要求駆動力が増加するパワーオン状態におけるシフトダウン時において、蓄電装置から要求される要求充電量が予め設定された設定要求充電量よりも多い場合、少なくとも1つの変速段を飛ばしてシフトダウンする変速制御を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る車両制御システム及び制御装置は、ビジーシフトによるドライバビリティの低下を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施形態1に係る車両制御システムの概略構成図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る車両制御システムのECUに記憶された第1変速マップの説明図である。
【図3】図3は、実施形態1に係る車両制御システムのECUに記憶された第2変速マップの説明図である。
【図4】図4は、実施形態1に係る車両制御システムのECUにより変速マップを選択する制御動作のフローチャートである。
【図5】図5は、実施形態2に係る車両制御システムで使用される要求充電量を設定するための要求充電量設定マップの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0013】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る車両制御システムの概略構成図である。図2は、実施形態1に係る車両制御システムのECUに記憶された第1変速マップの説明図である。図3は、実施形態1に係る車両制御システムのECUに記憶された第2変速マップの説明図である。図4は、実施形態1に係る車両制御システムのECUにより変速マップを選択する制御動作のフローチャートである。
【0014】
実施形態1は、1つのモータジェネレータと自動変速機、典型的には、有段自動変速機を備えたいわゆる1MG+AT型のパラレルハイブリッド形式の車両制御システムである。実施形態1の車両制御システム1は、図1に示すように、車両2に搭載され、この車両2を制御するためのシステムである。車両2は、車両2を走行させる動力源(走行用駆動源)として、内燃機関としてのエンジン7と、回転電機としてのモータジェネレータ10とを搭載した、いわゆる「ハイブリッド車両」である。より詳細には、車両2は、1つのモータジェネレータ10と自動変速機である変速機12とを備えたいわゆる1MG+AT型の「パラレルハイブリッド車両」である。
【0015】
車両制御システム1は、車両2の駆動輪3を駆動する駆動装置4と、車両2の状態を検出する状態検出装置5と、駆動装置4を含む車両2の各部を制御する制御装置としてのECU6とを備える。
【0016】
駆動装置4は、車両2においてパラレルハイブリッド形式のパワートレーンを構成し、1つのエンジン7と、1つのモータジェネレータ10とを有し、これらにより駆動輪3を回転駆動するものである。
【0017】
駆動装置4は、エンジン7と、ダンパ機構8と、K0クラッチ9と、モータジェネレータ10とを備える。さらに、駆動装置4は、トルクコンバータ11と、変速機12と、プロペラ軸13と、デファレンシャルギヤ14と、ドライブ軸15とを備える。また、トルクコンバータ11は、ロックアップ機構16と、流体伝達機構17とを含んで構成されたロックアップ機構付トルクコンバータである。変速機12は、C1クラッチ18と、変速機本体19とを含んで構成される。
【0018】
この駆動装置4は、各構成要素が駆動輪3への動力の伝達経路に対して、エンジン7、ダンパ機構8、K0クラッチ9、モータジェネレータ10、トルクコンバータ11のロックアップ機構16、流体伝達機構17、変速機12のC1クラッチ18、変速機本体19、プロペラ軸13、デファレンシャルギヤ14、ドライブ軸15の順で相互に動力伝達可能に配置される。この場合、駆動装置4は、エンジン7の出力軸であるクランク軸20とモータジェネレータ10の出力軸であるのロータ軸21とがダンパ機構8、K0クラッチ9を介して連結される。さらに、駆動装置4は、ロータ軸21と駆動輪3とがトルクコンバータ11、変速機12、プロペラ軸13、デファレンシャルギヤ14、ドライブ軸15等を介して連結される。
【0019】
より詳細には、エンジン7は、燃焼室で燃料を燃焼させることにより燃料のエネルギを機械的仕事に変換して動力として出力する熱機関である。エンジン7は、燃料の燃焼に伴ってクランク軸20に機械的な動力(エンジントルク)を発生させ、この機械的動力をクランク軸20から出力可能である。また、このエンジン7は、車両2の停車中、走行中にかかわらず、作動状態と非作動状態とを切り替え可能である。
【0020】
ここで、エンジン7の作動状態(エンジン7を作動させた状態)とは、駆動輪3に作用させる動力を発生する状態であり、燃焼室で燃料を燃焼して生じる熱エネルギをトルクなどの機械的エネルギの形で出力する状態である。つまり、エンジン7は、作動状態では燃焼室で燃料を燃焼させて車両2の駆動輪3に作用させる動力を発生する。一方、エンジン7の非作動状態、すなわち、エンジン7の作動を停止させた状態とは、動力の発生を停止した状態であり、燃焼室への燃料の供給をカットし(フューエルカット)、燃焼室で燃料を燃焼させずトルクなどの機械的エネルギを出力しない状態である。
【0021】
K0クラッチ9は、エンジン7のクランク軸20とモータジェネレータ10のロータ軸21とをダンパ機構8を介して連結可能である。K0クラッチ9は、クランク軸20とロータ軸21とを動力伝達可能に係合した係合状態と、この係合を解除した解放状態と、係合状態と解放状態との間のスリップ状態とに切り替え可能である。K0クラッチ9は、係合状態となることで、クランク軸20とロータ軸21とをダンパ機構8を介して一体回転可能に連結し、エンジン7とモータジェネレータ10との間での動力伝達が可能な状態となる。一方、K0クラッチ9は、解放状態となることでクランク軸20とロータ軸21とを切り離しエンジン7とモータジェネレータ10との間での動力伝達が遮断された状態となる。
【0022】
K0クラッチ9は、種々のクラッチを用いることができ、例えば、湿式多板クラッチや乾式単板クラッチ等の摩擦式ディスククラッチ装置を用いることができる。ここでは、K0クラッチ9は、例えば、K0クラッチ9に供給される作動油の油圧であるクラッチ油圧に応じて作動する油圧式の装置である。K0クラッチ9は、クラッチ油圧に応じた係合力(クラッチ板を係合する押圧力)が0である場合に係合が完全に解除された解放状態となり、係合力が大きくなるにしたがってスリップ状態(半係合状態)を経て完全に係合した係合状態となる。K0クラッチ9における伝達トルクは、解放状態では0であり、スリップ状態では係合力に応じた大きさとなり、係合状態では最大となる。なお、以下で説明するC1クラッチ18、ロックアップクラッチ25についてもこのK0クラッチ9とほぼ同様である。
【0023】
モータジェネレータ10は、例えば、交流同期電動機等である。モータジェネレータ10は、固定子としてのステータ22がケース等に固定され、回転子としてのロータ23がステータ22の径方向内側に配置されてロータ軸21に一体回転可能に結合される。モータジェネレータ10は、インバータなどを介してバッテリ(蓄電装置)24から供給された電力を機械的動力に変換する電動機としての機能(力行機能)と、入力された機械的動力を電力に変換しインバータなどを介してバッテリ24に充電する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えた回転電機である。モータジェネレータ10は、例えば、バッテリ24からインバータを介して交流電力の供給を受けて駆動し、ロータ軸21に機械的な動力(モータトルク)を発生させ、この機械的動力をロータ軸21から出力可能である。
【0024】
トルクコンバータ11は、流体継手の一種であり、モータジェネレータ10のロータ軸21に連結される。トルクコンバータ11は、エンジン7又はモータジェネレータ10からの動力を、ロックアップクラッチ25を介して伝達するロックアップ機構16と、作動油を介して伝達する流体伝達機構17とを有する。ロックアップ機構16は、ロックアップクラッチ25を介してロータ軸21とトルクコンバータ11の出力軸26とを連結可能である。流体伝達機構17は、ポンプ(ポンプインペラ)17p、タービン(タービンランナ)17t、ステータ17s、ワンウェイクラッチ17c等を含んで構成され、内部に作動流体としての作動油が充填される。ポンプ17pは、ロータ軸21と一体回転可能に連結され、タービン17tは、出力軸26と一体回転可能に連結される。ロックアップクラッチ25は、ロータ軸21とタービン17tとを動力伝達可能に係合した係合状態と、この係合を解除した解放状態と、係合状態と解放状態との間のスリップ状態とに切り替え可能である。トルクコンバータ11は、エンジン7又はモータジェネレータ10からの動力を、ロックアップクラッチ25の状態に応じて、ロックアップ機構16、又は、流体伝達機構17を介して出力軸26に伝達し、この出力軸26から出力することができる。
【0025】
変速機12は、上述したように、C1クラッチ18と変速機本体19とを含んで構成され、トルクコンバータ11からの動力を変速して駆動輪3側に出力するものである。C1クラッチ18は、トルクコンバータ11の出力軸26と駆動輪3とを変速機本体19、プロペラ軸13、デファレンシャルギヤ14、ドライブ軸15等を介して連結可能である。ここでは、C1クラッチ18は、トルクコンバータ11の出力軸26と変速機本体19の入力軸27とを動力伝達可能に係合した係合状態と、この係合を解除した解放状態と、係合状態と解放状態との間のスリップ状態とに切り替え可能である。
【0026】
変速機本体19は、例えば、有段自動変速機(AT)であり、それぞれに所定の変速比が割り当てられた複数の変速段(ギヤ段)を含んで構成される。変速機本体19は、トルクコンバータ11の出力軸26からC1クラッチ18を介して入力軸27に入力された動力を所定の変速段(変速比)で変速して出力軸に伝達し、この出力軸に一体回転可能に結合されるプロペラ軸13に出力する。
【0027】
デファレンシャルギヤ14は、プロペラ軸13からの動力を、各ドライブ軸15を介して各駆動輪3に伝達する。デファレンシャルギヤ14は、車両2が旋回する際に生じる旋回の中心側、つまり内側の駆動輪3と、外側の駆動輪3との回転速度の差を吸収する。
【0028】
上記のように構成される駆動装置4は、エンジン7が発生させた動力をクランク軸20からダンパ機構8、K0クラッチ9、ロータ軸21、トルクコンバータ11、変速機12、プロペラ軸13、デファレンシャルギヤ14、ドライブ軸15を介して駆動輪3に伝達することができる。また、駆動装置4は、モータジェネレータ10が発生させた動力をロータ軸21から、K0クラッチ9を介さずに、トルクコンバータ11、変速機12、プロペラ軸13、デファレンシャルギヤ14、ドライブ軸15を介して駆動輪3に伝達することができる。この結果、車両2は、駆動輪3と路面との接地面に駆動力を生じさせ、これにより走行することができる。
【0029】
状態検出装置5は、車両2の状態を検出するものであり、車両2の状態を表す種々の状態量や物理量、スイッチ類の作動状態等を検出するものである。状態検出装置5は、ECU6と電気的に接続されており、相互に検出信号や駆動信号、制御指令等の情報の授受を行うことができる。状態検出装置5は、例えば、アクセル開度センサ50、ブレーキセンサ51、車速センサ52、クランク角センサ53、モータ回転数センサ54、タービン回転数センサ55、プロペラ回転数センサ56、充電状態検出器57等を含む。アクセル開度センサ50は、運転者による車両2のアクセルペダルの操作量(アクセル操作量、加速要求操作量)に相当するアクセル開度を検出する。ブレーキセンサ51は、運転者による車両2のブレーキペダルの操作量(ブレーキ操作量、制動要求操作量)に相当するマスタシリンダ圧、あるいは、ブレーキ踏力等を検出する。車速センサ52は、車両2の走行速度である車速を検出する。クランク角センサ53は、クランク軸20の回転角度であるクランク角度を検出する。ECU6は、このクランク角度に基づいて、エンジン7の各気筒における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、クランク軸20の回転数(回転速度)であるエンジン回転数を算出することができる。モータ回転数センサ54は、モータジェネレータ10のロータ軸21の回転数であるモータ回転数を検出する。タービン回転数センサ55は、トルクコンバータ11のタービン17tの回転数であり、トルクコンバータ11の出力軸26の回転数であるタービン回転数、及びC1クラッチ18の係合時における変速機本体19の入力軸27の回転数である入力回転数を検出する。プロペラ回転数センサ56は、変速機本体19の出力軸となるプロペラ軸13の回転数であるプロペラ回転数を検出する。充電状態検出器57は、バッテリ24の蓄電量(充電量)やバッテリ電圧等に応じた蓄電状態SOCを検出する。
【0030】
ECU6は、車両制御システム1の全体の制御を統括的に行い、エンジン7やモータジェネレータ10等を協調して制御するための制御ユニットである。ECU6は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路である。ECU6は、状態検出装置5が電気的に接続され、また、エンジン7の燃料噴射装置、点火装置、スロットル装置、モータジェネレータ10のインバータ、バッテリ24等が電気的に接続される。さらに、ECU6は、K0クラッチ9、ロックアップクラッチ25、C1クラッチ18及び変速機本体19等に油圧制御装置28を介して接続され、油圧制御装置28を介してこれらの動作を制御する。ECU6は、状態検出装置5が検出した検出結果に対応した電気信号が入力され、入力された検出結果に応じてエンジン7、モータジェネレータ10のインバータ、油圧制御装置28等の駆動装置4の各部に駆動信号を出力しこれらの駆動を制御する。
【0031】
ここで、油圧制御装置28は、作動流体としての作動油(オイル)の油圧によって、変速機本体19の変速動作やK0クラッチ9、ロックアップクラッチ25、C1クラッチ18等の係合要素の係合・解放・スリップ動作を制御するものである。油圧制御装置28は、ECU6により制御される種々の公知の油圧制御回路を含んで構成され、例えば、複数の油路、オイルリザーバ、オイルポンプ、複数の電磁弁などを含んで構成される。油圧制御装置28は、ECU6からの信号に応じて、駆動装置4の各部に供給される作動油の流量あるいは油圧を制御する。
【0032】
ECU6は、例えば、アクセル開度、車速等に基づいてエンジン7のスロットル装置を制御し、吸気通路のスロットル開度を調節し、吸入空気量を調節して、その変化に対応して燃料噴射量を制御し、燃焼室に充填される混合気の量を調節してエンジン7の出力を制御する。また、ECU6は、例えば、アクセル開度、車速等に基づいて油圧制御装置28を制御し、変速機本体19の変速動作やK0クラッチ9、ロックアップクラッチ25、C1クラッチ18等の係合・解放・スリップ動作等を制御する。
【0033】
また、ECU6には、変速機本体19の変速制御を実行するために用いられる変速マップMが記憶されている。ECU6は、変速マップMに基づいて、変速機本体19の変速段を変更することで、変速機本体19の変速比を所定の変速比となるように変速制御する。
【0034】
上記のように構成される車両制御システム1は、ECU6が駆動装置4を制御し、エンジン7とモータジェネレータ10とを併用又は選択使用することで、車両2を様々な走行モードで走行させることができる。
【0035】
ECU6は、例えば、K0クラッチ9を係合状態(K0クラッチON)としかつエンジン7を作動させ、走行用駆動源であるエンジン7とモータジェネレータ10とのうちエンジン7から出力する動力(エンジントルク)のみを駆動輪3に伝達させる。このとき、C1クラッチ18は、係合状態(C1クラッチON)となっている。これにより、車両制御システム1は、「エンジン走行」を実現することができる(図示省略)。したがって、車両2は、走行用駆動源のうちエンジン7のみを用いて走行することができる。
【0036】
また、ECU6は、例えば、上記のようにK0クラッチ9を係合状態(K0クラッチON)としかつエンジン7を作動させた状態で、要求駆動力やバッテリ24の蓄電状態SOCに応じてモータジェネレータ10を力行させ、エンジン7から出力する動力と、モータジェネレータ10から出力する動力(モータトルク)とを統合して駆動輪3に伝達させる。このとき、C1クラッチ18は、係合状態(C1クラッチON)となっている。これにより、車両制御システム1は、「HV走行」を実現することができる。したがって、車両2は、エンジン7とモータジェネレータ10とを併用して走行することができる。
【0037】
さらに、ECU6は、例えば、K0クラッチ9を解放状態(K0クラッチOFF)としかつエンジン7を停止し非作動状態とした上で、モータジェネレータ10を力行させ、走行用駆動源であるエンジン7とモータジェネレータ10とのうちモータジェネレータ10から出力する動力のみを駆動輪3に伝達させる。このとき、C1クラッチ18は、係合状態(C1クラッチON)となっている。また、エンジン7は、非作動状態でありかつK0クラッチ9が解放状態であるから、クランク軸20の回転も停止している。これにより、車両制御システム1は、「EV走行」を実現することができる。したがって、車両2は、走行用駆動源のうちモータジェネレータ10のみを用いて走行することができる。このとき、車両2は、基本的にはクランク軸20とロータ軸21とがK0クラッチ9にて機械的に切り離された状態となり、エンジン7の回転抵抗が作用しない状態となる。
【0038】
また、ECU6は、例えば、車両2の減速走行時に、モータジェネレータ10を制御し、駆動輪3からロータ軸21に伝達される動力によってモータジェネレータ10にて回生により発電し、これに伴ってロータ軸21に生じる機械的動力(負のモータトルク)を駆動輪3に伝達する。このとき、C1クラッチ18は、係合状態(C1クラッチON)となっている。これにより、車両制御システム1は、「回生走行」を実現することができる(図示省略)。したがって、車両2は、モータジェネレータ10により回生制動されて減速走行することができる。
【0039】
また、上記のように構成される車両制御システム1において、ECU6は、変速マップMに基づいて、変速機本体19の変速段を変更することで、変速機本体19の変速比を所定の変速比となるように変速制御する。ここで、図2及び図3を参照し、変速マップMについて説明する。変速マップMは、その横軸が変速機本体19の出力軸(プロペラ軸13)の回転数となっており、その縦軸がアクセル開度となっている。変速マップMは、変速機本体19の複数の変速段を切り替えるための複数の変速線を有している。ECU6は、変速マップMに基づく変速制御を実行すると、アクセル開度センサ50で検出されたアクセル開度と、プロペラ回転数センサ56で検出された変速機本体19の出力軸回転数とに基づいて、変速マップM上における車両2の動作点の位置から、所定の変速段を設定する。そして、ECU6は、設定された変速段となるように、変速機本体19の変速制御を実行する。
【0040】
また、車両2の走行状態に応じて車両2の動作点が変更される際に、車両2の動作点が変速線を超えて(跨いで)変更されると異なる変速段となるため、ECU6は、異なる変速段となるように、変速機本体19の変速制御を実行する。車両2の走行状態に応じて車両2の動作点が変更される場合としては、例えば、要求駆動力が増加するパワーオン状態におけるシフトダウン(以下、パワーオンシフトダウンという)がある。パワーオンシフトダウンは、変速機本体19の出力軸回転数が所定の回転数で維持されている状態、すなわち所定の車速が維持された状態において、アクセル開度が大きくなる場合、変速段を高速段から低速段に移行させて、変速機本体19の入力軸27の回転数を高回転とする変速制御である。
【0041】
ここで、ECU6は、パワーオンシフトダウン時において、使用する変速マップMを切り替えている。つまり、ECU6には、複数の変速マップMが記憶されており、複数の変速マップMとして、第1変速マップM1と第2変速マップM2とを有している。図2及び図3を参照して、第1変速マップM1と第2変速マップM2について説明する。
【0042】
第1変速マップM1及び第2変速マップM2は、パワーオンシフトダウン時に用いられる変速マップMである。各変速マップM1、M2は、複数の変速線を有している。なお、図2及び図3では、複数の変速線のうち、2つの変速線に着目して説明を行う。
【0043】
図2に示すように、第1変速マップM1は、複数の第1変速線L1を有しており、複数の第1変速線L1のうちの2つの変速線として、低速段と中間段との間にある低速側変速線L1aと、中間段と高速段との間にある高速側変速線L1bとを有している。第1変速マップM1において、低速側変速線L1aと高速側変速線L1bとは、重複する部分がなく、単独の変速線となっている。このため、第1変速マップM1は、低速側変速線L1aにより低速段の領域と中間段の領域とに区分けされ、高速側変速線L1bにより中間段の領域と高速段の領域とに区分けされている。つまり、第1変速マップM1では、中間段の領域を挟んで低速段の領域と高速段の領域とが区画され、区画された低速段、中間段及び高速段の領域が、アクセル開度及び出力軸回転数に亘ってそれぞれ設けられている。このため、ECU6は、パワーオンシフトダウン時において、第1変速マップM1に基づく変速制御を実行すると、変速機本体19の変速段を段階的にシフトダウンすることができる。
【0044】
具体的に、ECU6は、車両2の出力軸回転数及びアクセル開度が動作点P1にある場合、第1変速マップM1上において動作点P1が高速段の領域に位置していることから、高速段となるように変速機本体19を変速制御する。ECU6は、動作点P1にある状態から、要求駆動力を増加させるパワーオン状態とすると、アクセル開度が大きくなる一方で、出力時回転数が所定の回転数で維持されるため、動作点P1から動作点P2へ向けて移動する。ECU6は、動作点が高速段の領域から高速側変速線L1bを超えて中間段の領域へ移動すると、中間段となるように変速機本体19を変速制御する。この後、ECU6は、動作点が中間段の領域から低速側変速線L1aを超えて低速段の領域へ移動すると、低速段となるように変速機本体19を変速制御する。これにより、ECU6は、高速段から中間段を経て低速段へ順に変速機本体19をシフトダウンすることができる。
【0045】
一方、図3に示すように、第2変速マップM2は、複数の第2変速線L2を有しており、複数の第2変速線L2のうちの2つの変速線として、低速段と中間段との間にある低速側変速線L2aと、中間段と高速段との間にある高速側変速線L2bとを有している。このとき、第1変速マップM1における複数の第1変速線L1と、第2変速マップM2における複数の第2変速線L2とは、少なくとも一部が異なった変速線となっている。第2変速マップM2において、低速側変速線L2aと高速側変速線L2bとは、一部が重複している。具体的に、低速側変速線L2aと高速側変速線L2bとは、アクセル開度の大きい側及び出力軸回転数の高回転側における部分において重複している。このため、第2変速マップM2は、重複しない部分の低速側変速線L2aにより低速段の領域と中間段の領域とに区分けされ、重複する部分の低速側変速線L2aにより低速段の領域と高速段の領域とに区分けされている。また、第2変速マップM2は、重複しない部分の高速側変速線L2bにより中間段の領域と高速段の領域とに区分けされ、重複する部分の高速側変速線L2bにより低速段の領域と高速段の領域とに区分けされている。つまり、第2変速マップM2では、低速段、中間段及び高速段の領域が区画されているものの、低速段の領域と高速段の領域とが隣接する部分がある。このため、ECU6は、パワーオンシフトダウン時において、第2変速マップM2に基づく変速制御を実行すると、変速機本体19の変速段を1つ飛ばしてシフトダウンすることができる。
【0046】
具体的に、ECU6は、車両2の出力時回転数及びアクセル開度が動作点P3にある場合、第2変速マップM2上において動作点P3が高速段の領域に位置していることから、高速段となるように変速機本体19を変速制御する。ECU6は、動作点P3にある状態から、アクセル開度が大きくなる一方で、出力時回転数が所定の回転数で維持されるため、動作点P3から動作点P4へ向けて移動する。ECU6は、動作点が高速段の領域から、高速側変速線L2bと低速側変速線L2aとが重複する部分を超えて低速段の領域へ移動すると、低速段となるように変速機本体19を変速制御する。これにより、ECU6は、高速段から中間段を飛ばして低速段へ変速機本体19をシフトダウンすることができる。
【0047】
これにより、第2変速マップM2を用いた変速制御は、中間段を飛ばして高速段から低速段へシフトダウンするため、第1変速マップM1を用いた変速制御に比して、変速回数を抑制できる。また、第2変速マップM2を用いた変速制御は、中間段を飛ばして高速段から低速段へシフトダウンするため、変速機本体19の入力軸27の回転数が大きくなる。
【0048】
次に、ECU6が、パワーオンシフトダウン時において、第1変速マップM1と第2変速マップM2とを切り替える制御について説明する。ECU6は、バッテリ24から要求される要求充電量に基づいて、第1変速マップM1と第2変速マップM2とを切り替えている。要求充電量は、充電状態検出器57により検出されるバッテリ24の充電量に応じて設定される。つまり、ECU6は、バッテリ24の充電量が少ない場合、要求充電量を大きく設定する一方で、バッテリ24の充電量が多い場合、要求充電量を小さく設定する。そして、ECU6は、設定した要求充電量が、予め設定された設定要求充電量よりも大きい場合、第2変速マップM2を選択する。一方で、ECU6は、設定した要求充電量が、予め設定された設定要求充電量よりも小さい場合、第1変速マップM1を選択する。
【0049】
続いて、図4を参照して、ECU6により第1変速マップM1(第1変速線L1)と第2変速マップM2(第2変速線L2)とを切り替える制御動作について説明する。なお、変速マップMを切り替える制御動作は、パワーオンシフトダウンの実行中において繰り返し実行される。先ず、ECU6は、パワーオンシフトダウンが実行されると、充電状態検出器57により検出されるバッテリ24の充電量に基づいて、要求充電量を設定する(ステップS1)。この後、ECU6は、設定した要求充電量が、予め設定された設定要求充電量よりも大きいか否かを判定する(ステップS2)。ECU6は、要求充電量が設定要求充電量よりも大きいと判定した場合(ステップS2:Yes)、第2変速マップM2(第2変速線L2)を選択する(ステップS3)。一方で、ECU6は、要求充電量が設定要求充電量以下であると判定した場合(ステップS2:No)、第1変速マップM1(第1変速線L1)を選択する(ステップS4)。
【0050】
ECU6は、ステップS3において、第2変速マップM2を選択すると、パワーオンシフトダウン時において、第2変速マップM2に基づく変速制御を実行する。この場合、ECU6は、中間段を飛ばして高速段から低速段となるように、変速機本体19を変速制御する。一方、ECU6は、ステップS4において、第1変速マップM1を選択すると、パワーオンシフトダウン時において、第1変速マップM1に基づく変速制御を実行する。この場合、ECU6は、高速段から中間段を経て低速段となるように、変速機本体19を変速制御する。
【0051】
以上のように、実施形態1の構成によれば、車両制御システム1のECU6は、パワーオンシフトダウン時において、要求充電量が大きい場合に、中間段を飛ばして高速段から低速段となるように、変速機本体19を変速制御することができる。このため、ECU6は、高速段から低速段へ移行する際の変速段の変更回数を少なくすることができ、パワーオンシフトダウン時におけるビジーシフト、すなわち変速段の頻繁な変更を抑制しつつ、モータジェネレータ10の回生による発電を増大させることができる。これにより、車両制御システム1のECU6は、パワーオンシフトダウン時において、発電量を増大させつつ、ドライバビリティの低下を抑制することができる。
【0052】
なお、実施形態1において、ECU6は、パワーオンシフトダウン時において、要求充電量が大きい場合に、1つの変速段(中間段)を飛ばして変速制御したが、複数の変速段であってもよい。つまり、ECU6は、パワーオンシフトダウン時において、要求充電量が大きい場合に、複数の変速段を飛ばして変速制御してもよい。
【0053】
[実施形態2]
続いて、図5を参照して、実施形態2に係る車両制御システム1及びECU6について説明する。なお、実施形態2では、重複した記載を避けるべく、実施形態1と異なる部分についてのみ説明し、同一の符号を用いて説明する。実施形態1では、充電状態検出器57により検出されるバッテリ24の充電量に基づいて、要求充電量を設定したが、実施形態2では、要求充電量設定マップM3に基づいて、要求充電量を設定する。図5を参照して、要求充電量設定マップM3について説明する。
【0054】
ECU6には、要求充電量を設定するための要求充電量設定マップM3が記憶されている(図1の点線)。要求充電量設定マップM3は、その横軸がタービン回転数となっており、その縦軸がアクセル開度となっている。タービン回転数は、パワーオンシフトダウン時において、タービン回転数センサ55により検出されるトルクコンバータ11のタービン17tの回転数である。アクセル開度は、パワーオンシフトダウン時において、アクセル開度センサ50により検出されるアクセル開度であり、変速機12へ入力される入力トルクの要求値として用いられている。
【0055】
この要求充電量設定マップM3は、タービン回転数が高回転であれば、要求充電量が大きくなるように構成され、タービン回転数が低回転であれば、要求充電量が小さくなるように構成される。また、要求充電量設定マップM3は、アクセル開度が大きければ、要求充電量が小さくなるように構成され、アクセル開度が小さければ、要求充電量が大きくなるように構成される。
【0056】
また、要求充電量設定マップM3は、要求充電量の大きさの分布が、変速機12からエンジン7側における効率が最適となるように設定されている。つまり、要求充電量設定マップM3は、エンジン7の熱効率、要求充電量に対するモータジェネレータ10の発電効率、バッテリ24の充電効率、モータジェネレータ10とバッテリ24との間に設けられた図示しないインバータの損失、バッテリ24の放電時におけるモータジェネレータ10の回転効率、バッテリ24の放電効率等が最適となるように、要求充電量の大きさの分布が設定されている。
【0057】
従って、ECU6は、パワーオンシフトダウンの変速制御を実行すると、タービン回転数センサ55により検出されるタービン回転数と、アクセル開度センサ50により検出されるアクセル開度とに基づいて、要求充電量設定マップM3から要求充電量を設定する。つまり、ECU6は、パワーオンシフトダウンの変速制御を実行すると、変速機本体19の入力軸27の回転数が高回転となり、また、変速機本体19の入力軸27の入力トルクが小さくなることから、設定される要求充電量は増大する。
【0058】
以上のように、実施形態2の構成によれば、変速機本体19の入力軸27の回転数、変速機本体19の入力軸27の入力トルクに基づいて、変速機12からエンジン7側の効率が最適となるように、要求充電量を設定することができる。このため、ECU6は、パワーオンシフトダウン時において、変速機本体19の入力軸27の回転数が増大し、変速機本体19の入力軸27の入力トルクが小さくなった分、要求充電量を大きくすることができる。これにより、ECU6は、要求充電量設定マップM3を用いて大きな要求充電量を設定することができるため、変速機本体19から入力側(エンジン側)の効率を最適なものとしつつ、モータジェネレータ10の回生による発電を行うことができる。
【0059】
なお、実施形態2において、ECU6は、タービン回転数及びアクセル開度に基づいて要求充電量を設定したが、この構成に限定されない。ECU6は、例えば、エンジン回転数及びエンジントルクに基づいて要求充電量を設定してもよい。つまり、要求充電量設定マップM3は、その横軸をエンジン回転数とし、その縦軸をエンジントルクとしている。そして、要求充電量設定マップM3は、エンジン回転数が高回転になるほど、又はエンジントルクが小さくなるほど、要求充電量が大きくなっており、エンジン回転数が低回転になるほど、又はエンジントルクが大きくなるほど、要求充電量が小さくなっている。また、要求充電量設定マップM3は、エンジン7の熱効率が最適となるように、要求充電量の大きさの分布が設定されている。
【0060】
従って、ECU6は、パワーオンシフトダウンの変速制御を実行すると、変速機本体19の入力軸27の回転数が高回転となることで、入力軸27に係合するエンジン7のエンジン回転数が高回転となり、また、変速機本体19の入力軸27の入力トルクが小さくなることで、エンジントルクが小さくなる。このとき、ECU6は、エンジン回転数とエンジントルクとに基づいて、要求充電量設定マップM3から要求充電量を設定することで、設定される要求充電量は増大する。要求充電量を増大させると、エンジン7に加わる負荷が大きくなり、エンジン回転数が低回転側に移行し、エンジントルクが高トルク側に移行することから、エンジン7の作動効率を良いものとすることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 車両制御システム
2 車両
3 駆動輪
4 駆動装置
5 状態検出装置
6 ECU(制御装置)
7 エンジン(内燃機関)
9 K0クラッチ
10 モータジェネレータ(回転電機)
11 トルクコンバータ
12 変速機
18 C1クラッチ
24 バッテリ(蓄電装置)
25 ロックアップクラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の動力源となる内燃機関及び回転電機と、
複数の変速段を有し、前記内燃機関又は前記回転電機からの動力を変速して出力する有段自動変速機と、
前記回転電機の回生により発生する電力を蓄電可能な蓄電装置と、
前記内燃機関、前記回転電機、前記有段自動変速機及び前記蓄電装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、要求駆動力が増加するパワーオン状態におけるシフトダウン時において、前記蓄電装置から要求される要求充電量が予め設定された設定要求充電量よりも多い場合、少なくとも1つの変速段を飛ばしてシフトダウンする変速制御を実行することを特徴とする車両制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記有段自動変速機の入力軸の回転数が高ければ高いほど、又は前記有段自動変速機の入力軸に入力される入力トルクが小さければ小さいほど、前記要求充電量を高くすることを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記内燃機関の出力軸の回転数が高ければ高いほど、又は前記内燃機関の出力軸から出力される出力トルクが小さければ小さいほど、前記要求充電量を高くすることを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項4】
車両の動力源となる内燃機関及び回転電機と、複数の変速段を有し、前記内燃機関又は前記回転電機からの動力を変速して出力する有段自動変速機と、前記回転電機の回生により発生する電力を蓄電可能な蓄電装置とを制御する制御装置であって、
要求駆動力が増加するパワーオン状態におけるシフトダウン時において、前記蓄電装置から要求される要求充電量が予め設定された設定要求充電量よりも多い場合、少なくとも1つの変速段を飛ばしてシフトダウンする変速制御を実行することを特徴とする制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−95160(P2013−95160A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236515(P2011−236515)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】