説明

車両制御システム

【課題】車載機器制御システムにおいて、より簡単な操作で車載機器の作動制御を可能とする車載機器制御システムを提供することである。
【解決手段】車載機器制御システムにおいて、ルームランプ103と、インサイドハンドル部101と、容量変化検知回路104と、操作検出回路106と、ユーザスイッチ108と、車速センサ110と、車載全体の制御を行うECU(Electronic Control Unit)112と、制御部10を含んで構成され、制御部10は、車速センサI/F32と、ユーザスイッチI/F34と、操作検出回路I/F36と、容量変化検知回路I/F38と、記憶部40と、CPU20とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車載機器制御システムに係り、特に、インサイドハンドルを用いた車載機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが車両を利用するにあたり、静電容量スイッチを用いて車載機器の制御を行うことがある。例えば、特許文献1には、車両照明装置において、照明用光源と、照明用光源を保護する透光保護カバーと、透光保護カバーの表面又は裏面に設けられた透明電極を含み、透明電極の対接地容量の変化を検出して検出信号を出力する静電容量式スイッチと、静電容量式スイッチからの検出信号に基づいて照明用光源の点灯状態を制御する制御部とを備えたものが開示されている。ここでは、車内の天井に取り付けられるルームランプの車両照明装置に応用することが述べられている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−80808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、特許文献1の構成を用いることで、静電容量スイッチを用いて車載機器を制御することができる。しかし、上記の構成では、ユーザが車載機器を操作するために、車載機器付近に専用に設けられた静電容量スイッチに触れる必要があり不便である。
【0005】
本発明の目的は、より簡単な操作で車載機器の作動制御を可能とする車載機器制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車載機器制御システムは、車室内に設けられ、操作用取手を有するインサイドハンドル部であって、導電材料で構成される導電材料部を一部に有するインサイドハンドル部と、インサイドハンドル部の導電材料部に接続される導電プレート部と、導電プレート部に接続される検知手段であって、ユーザがインサイドハンドル部の導電材料部に触れることによる静電容量の変化を検知する静電容量検知手段と、静電容量の変化を検知したときに、予め定められた任意の車載機器の作動制御を行う制御部と、車速が予め定められた値以下であるか否かの監視を行う車速監視手段と、を備え、前記導電材料部は、表側から視認されない裏側に設けられ、制御部は、静電容量の変化を検知し、車速が予め定められた値以下であるときに予め定められた任意の車載機器の制御を行うことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る車載機器制御システムにおいて、インサイドハンドル部の操作の有無を検出する操作検出手段を備え、制御部は、静電容量の変化を検知して、予め定められた任意の車載機器の作動制御を行った後の所定の時間内に操作検出手段がインサイドハンドル部の操作を検出しないときに、作動制御を行った車載機器の作動を停止する制御を行うことが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る車載機器制御システムにおいて、車両ドアを閉状態のまま保持するロック機構であって、インサイドハンドル部の操作によってロックが解除されるロック機構を備え、予め定められた任意の車載機器は、インサイドハンドル部の操作を開始する前からロックが解除されるまでに制御が必要な車載機器であることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る車載機器制御システムにおいて、ユーザからの車載機器制御の停止指示を取得する指示取得手段を備え、制御部は、停止指示を取得したときに、予め定められた任意の車載機器の作動制御を停止することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る車載機器制御システムにおいて、インサイドハンドル部は、表側から視認されない裏側に設けられる導電材料部であって、絶縁性添加物を含んだ金属スパッタ材料がスパッタリングされる導電材料部を有することが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る車載機器制御システムにおいて、予め定められた任意の車載機器は、ルームランプまたはドアミラーまたは車両ドアのうち少なくともいずれか1つであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
上記構成により、車載機器制御システムは、ユーザが、インサイドハンドル部の導電材料部に触れることによる静電容量の変化を検知したときに、車載機器の作動制御を行う制御部を有する。したがって、ユーザが、インサイドハンドル部の導電材料部に触れることにより車載機器の作動制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。なお、以下では、制御対象の車載機器をルームランプとして説明するが、これは説明のための一例であって、その他の車載機器を制御対象としてもよい。例えば、ドアミラーの格納制御あるいは、車両ドアの自動開閉制御を行うものとしてもよい。また、以下では、インサイドハンドル部は、車両ドアの開閉操作を行うための操作ハンドルとして説明するが、他の車載機器の操作を行うための操作ハンドル、例えば、車両窓の開閉操作を行うための操作ハンドル等であってもよい。
【0014】
インサイドハンドル部の操作を開始する前からロックが解除されるまでに必要な車載機器の制御の一例としては、ユーザが車両を降車するときまでに必要なドアミラーの格納、ルームランプの点灯、車両ドアの開制御等があげられる。ユーザがインサイドハンドル部の導電材料部に触れることによって、上記のうち少なくとも1つの車両機器の制御が行われる。もちろん、ユーザがインサイドハンドル部の導電材料部に触れることによって、上記のすべての車両機器の制御が行われてもよい。
【実施例1】
【0015】
図1は、車載機器制御システム8を示す図である。図2は、インサイドハンドル部101付近の平面図である。車載機器制御システム8は、ルームランプ103と、インサイドハンドル部101と、容量変化検知回路104と、操作検出回路106と、ユーザスイッチ108と、車速センサ110と、車載全体の制御を行うECU(Electronic Control Unit)112と、制御部10を含んで構成される。なお、容量変化検知回路104についての詳細な説明については、後述する。
【0016】
ルームランプ103は、車両の室内天井の中央に配置される照明ランプである。ルームランプ103は、その付近に設けられた専用スイッチを操作することによって、例えば、夜間の車室内で作業を行いやすくするために車室内を照らす機能を有する。なお、ルームランプ103の1つの態様としてドームランプが用いられる。
【0017】
インサイドハンドル部101は、ユーザが車両ドアを開閉するために、取手に手を掛けて回転操作を行う操作ハンドルである。また、図2に示されるようにインサイドハンドル部101は、表側から視認されない裏側に設けられる導電材料部102を少なくとも一部に有する。また、インサイドハンドル部101は、車両の室内における車両ドアの中央付近に配置される。また、ユーザによってインサイドハンドル部101が回転操作された場合に、車両ドアを閉状態のまま保持するロック機構のロックが解除されて、車両ドアが開状態となる。
【0018】
導電材料部102は、絶縁性添加物を含んだ金属スパッタ材料がスパッタリングされる全体として電極の機能を有する。なお、導電材料部102は、メッキ等で表面加工されていてもよい。
【0019】
操作検出回路106は、ユーザによってインサイドハンドル部101が操作されたか否かを検出する回路である。操作検出回路106は、インサイドハンドル部101が配置される付近に配置される。
【0020】
ユーザスイッチ108は、運転席のステアリングハンドル付近に設けられるスイッチであって、ユーザが必要に応じてこれを操作することによって、後述する制御部10による車載機器の作動制御の停止を可能とするためのスイッチである。
【0021】
車速センサ110は、車両に設けられるセンサであって、車両が走行すると車速に応じて、図示されていない車速パルス生成器によって生成されるパルスの有無等を検知することで車速を取得するセンサである。
【0022】
ECU112は、上記のように車両の全体の作動を制御する機能を有し、特に、ここでは、ルームランプ103に設けられた専用スイッチによることなく、ルームランプ103の点灯あるいは消灯を制御する機能を有する。
【0023】
制御部10は、ユーザがインサイドハンドル部101の導電材料部102に触れることによる静電容量の変化を検知することで、ECU112を介して、車両の室内に設けられた車載機器を制御する機能を有する。ここでは、車載機器の1つの例として、ルームランプ103を説明している。
【0024】
制御部10は、車速センサI/F32と、ユーザスイッチI/F34と、操作検出回路I/F36と、容量変化検知回路I/F38と、記憶部40と、CPU20とを含んで構成される。各要素は、内部バスを通じて相互に接続されている。また、制御部10とECU112は、相互に交信可能となるように接続されている。
【0025】
かかる制御部10は、車両搭載に適したコンピュータを用いることができる。また、専用の制御装置を用いてもよい。また、制御部10の機能は、車両に搭載される他の制御装置の機能の一部としてもよい。例えば、ECU112の機能の一部とすることもできる。
【0026】
車速センサI/F32は、車両の車速を取得する車速センサ110と接続されたインターフェース回路である。ユーザスイッチI/F34は、ユーザが制御部10に対して、ルームランプ103の作動制御の停止を指示するために操作を行うユーザスイッチ108と接続されたインターフェース回路である。
【0027】
操作検出回路I/F36は、インサイドハンドル部101が操作されたことを検出する操作検出回路106と接続されたインターフェース回路である。容量変化検知回路I/F38は、ユーザがインサイドハンドル部101の導電材料部102に触れることによる静電容量の変化を検知する容量変化検知回路104と接続されたインターフェース回路である。
【0028】
記憶部40は、CPU20の各機能モジュールにおいて実行される車載機器制御プログラム等を格納する記憶装置である。
【0029】
CPU20は、車載機器制御モジュール22と、容量変化情報取得モジュール24と、操作情報取得モジュール26と、車速情報取得モジュール28と、ユーザ指示取得モジュール29とを含んで構成される。これらの各機能は、ソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には記憶部40に記憶された車載機器制御プログラムを実行することにより実現できる。また、かかる機能の一部あるいは全部をハードウェアで実現するものとしてもよい。なお、ユーザ指示取得モジュール29と車速情報取得モジュール28については、他の実施例を説明する際に詳細な説明を行う。
【0030】
容量変化情報取得モジュール24は、容量変化検知回路104から容量変化検知回路I/F38を介して、容量変化検知回路104の検知状態を取得し、ユーザがインサイドハンドル部101の導電材料部102に触れることによって静電容量が変化しているか否かを判断する機能を有する。そして、その情報を車載機器制御モジュール22に受け渡す機能を有する。
【0031】
操作情報取得モジュール26は、操作検出回路I/F36を介して、操作検出回路106の検出状態を取得し、インサイドハンドル部101が操作されたか否かを判断する機能を有する。そして、その情報を車載機器制御モジュール22に受け渡す機能を有する。
【0032】
車載機器制御モジュール22は、静電容量の変化情報やインサイドハンドル部101の操作情報等を受けて、ルームランプ103の作動制御を行うようにECU112対して指示する機能を有する。
【0033】
図3は、容量変化検知回路104のブロック図である。なお、図1、図2と同様の要素について同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。以下、図3を用いて容量変化検知回路104の詳細な説明を行う。容量変化検知回路104は、公知の静電容量式のタッチセンサ回路68を用いた回路であって、タッチセンサ回路68と、タッチセンサ回路68に接続される導電プレート64と電源回路66とを含んで構成される。
【0034】
導電プレート64は、車両に設けられる電極であって、図2に示されるようにインサイドハンドル部101の導電材料部102と接続されている。したがって、ユーザがインサイドハンドル部101の導電材料部102に接触すると、導電材料部102と導電プレート64とをあわせた電極部63と接地2の間に形成される静電容量62の容量値が変化する。そして、その静電容量の変化は、タッチセンサ回路68によって検出され、容量変化検知回路I/F38に受け渡される。なお、タッチセンサ回路68と容量変化検知回路I/F38は接続されている。
【0035】
上記構成の作用について図面を用いて説明する。図4は、車載機器制御システム8において、車載機器制御を行うときの各手順を示すフローチャートである。各手順は、車載機器制御プログラムの各処理の手順に対応する。なお、図1から図3の符号を用いて説明する。
【0036】
車載機器制御プログラムを実行すると、まず、容量変化検知回路104から容量変化検知回路I/F38を介して、容量変化検知回路104の検知状態を取得し、インサイドハンドル部101の静電容量が変化しているか否かを判断する(S12)。この機能は、CPU20の容量変化情報取得モジュール24の機能によって実行される。
【0037】
静電容量が変化していない場合には、ルームランプ103の作動制御を行わずにEND処理を行う(S14)。この機能についても、CPU20の車載機器制御モジュール22の機能によって実行される。
【0038】
静電容量が変化している場合には、ルームランプ103の点灯を行うように、ECU112に対して指示を行う(S16)。この機能は、CPU20の車載機器制御モジュール22の機能によって実行される。S16の後は、S18に進む。
【0039】
次に、静電容量が変化してから予め定められた時間内に、操作検出回路I/F36を介して操作検出回路106の検出状態を取得し、インサイドハンドル部101が操作されたか否かを判断する(S18)。この機能は、CPU20の操作情報取得モジュール26の機能によって実行される。
【0040】
インサイドハンドル部101が操作されたと判断された場合には、END処理を行う(S20)。この機能は、CPU20の車載機器制御モジュール22の機能によって実行される。
【0041】
インサイドハンドル部101が操作されていないと判断された場合には、ルームランプ103を消灯するようにECU112に対して指示を行い(S22)、次にEND処理を行う(S24)。この機能についても、CPU20の車載機器制御モジュール22の機能によって実行される。
【0042】
したがって、車両を利用するユーザがインサイドハンドル部101に手を触れただけで、車載機器の1つであるルームランプ103を点灯させることできる。さらに予め定められた所定の時間内にインサイドハンドル部101の操作がなされなければ、ルームランプ103が自動的に消灯されるため便利である。
【0043】
また、インサイドハンドル部101の導電材料部102は表側から視認されない裏側に設けられるため、ユーザが誤ってインサイドハンドル部101の表側に手が触れた場合であっても、ルームランプ103は制御されないため便利である。
【0044】
なお、制御部10の制御対象としては、ルームランプ103の点灯のほかに、例えば、ユーザがインサイドハンドル部101の導電材料部102に手が触れたときにドアミラーの格納を開始する制御を行うこともできる。このように、制御部10は、インサイドハンドル部101の操作前からロック機能の解除後にいたるまでに必要な車載機器の制御を行うことができる。
【実施例2】
【0045】
実施例1は、ユーザスイッチ108を考慮しないものとして説明したが、実施例2は、ユーザスイッチ108を含んだ車載機器の制御を行う。上記で述べたようにユーザ指示取得モジュール29について説明する。
【0046】
ユーザ指示取得モジュール29は、ユーザスイッチ108からユーザスイッチI/F34を介して、ユーザスイッチ108の操作状態を取得し、制御部10の車載機器の作動制御の停止指令がなされたか否かを判断する機能を有する。そして、その情報を車載機器制御モジュール22に受け渡す機能を有する。
【0047】
上記構成の作用について図面を用いて説明する。図5は、車載機器制御システム8において、ユーザスイッチ108を含めて車載機器制御を行うときの各手順を示すフローチャートである。各手順は、車載機器制御プログラムの各処理の手順に対応する。なお、図1から図4の符号を用いて説明する。
【0048】
車載機器制御プログラムを実行すると、まず、ユーザスイッチ108からユーザスイッチI/F34を介して、ユーザスイッチ108の操作状態を取得し、制御部10の作動制御の停止指令がなされたか否かを判断する(S30)。この機能は、CPU20のユーザ指示取得モジュール29によって実行される。
【0049】
作動制御の停止指令がないと判断すれば、END処理を行う(S32)。この機能は、CPU20の車載機器制御モジュール22の機能によって実行される。また、作動制御の停止指令があると判断すれば、図3に示される手順同様にS12以降の各手順を行う。
【0050】
したがって、ユーザの意思によって、制御部10に対して車載機器の作動制御の停止を指令することができるため便利である。
【実施例3】
【0051】
実施例1,2は、車速センサ110を考慮しないものとして説明したが、実施例3は、車速を考慮した車載機器の制御を行う。上記で述べたように車速情報取得モジュール28について説明する。
【0052】
車速情報取得モジュール28は、車速センサ110から車速センサI/F32を介して車速を取得し、車両が走行状態にあるか否かを判断する機能を有する。そして、その情報を車載機器制御モジュール22に受け渡す機能を有する。
【0053】
上記構成の作用について図面を用いて説明する。図6は、車載機器制御システムにおいて、車速情報も考慮して車載機器制御を行うときの各手順を示すフローチャートである。各手順は、車載機器制御プログラムの各処理の手順に対応する。なお、図1から図5の符号を用いて説明する。
【0054】
車載機器制御プログラムを実行すると、まず、車速センサ110から車速センサI/F32を介して車速を取得し、車両が走行状態にあるか否かを判断する(S40)。この機能は、CPU20の車速情報取得モジュール28によって実行される。
【0055】
車両が走行状態であると判断した場合には、END処理を行う(S42)。この機能は、車載機器制御モジュール22の機能によって実行される。車両が走行状態でないと判断した場合には、図3に示される手順同様にS12以降の各手順を行う。
【0056】
したがって、車両が走行状態である場合に、ユーザが誤ってインサイドハンドル部101に触れても、制御部10はルームランプ103を点灯させてしまうということを抑制することができる。
【実施例4】
【0057】
実施例3は、CPU20の操作情報取得モジュール26の機能を用いて車載機器の制御を行うものとして説明したが、実施例4は、CPU20の操作情報取得モジュール26の機能を用いて車載機器の制御を行う。
【0058】
車載機器制御プログラムを実行すると、まず、図6に示される手順と同様に車速センサ110から車速センサI/F32を介して車速を取得し、車両が走行状態にあるか否かを判断する(S40)。この機能は、CPU20の車速情報取得モジュール28によって実行される。
【0059】
車両が走行状態であると判断した場合には、END処理を行う(S42)。この機能は、車載機器制御モジュール22の機能によって実行される。車両が走行状態でないと判断した場合に、インサイドハンドル部101の導電材料部102に触れることによって静電容量が変化しているか否かを判断する(S12)。この機能は、CPU20の容量変化情報取得モジュール24の機能によって実行される。
【0060】
静電容量が変化していない場合には、ルームランプ103の作動制御を行わずにEND処理を行う(S14)。静電容量が変化している場合には、ルームランプ103の点灯を行うように、ECU112に対して指示を行う(S16)。この機能は、CPU20の車載機器制御モジュール22の機能によって実行される。そして、S16の後はS12に進み、END処理を行う(S20)。
【0061】
したがって、車両を利用するユーザがインサイドハンドル部101に手を触れただけで、車載機器の1つであるルームランプ103を点灯させることできる。また、車両ドアのロック機構をインサイドハンドル部101の回転操作によらず、導電材料部102に触れるだけで解除できるロック機構を備える車両制御システムにおいて、車両機器の制御対象を車両ドアの開くためのロック機構の解除とする。そうすると、自車が走行状態にない場合において、インサイドハンドル部101の導電材料部102に触れるだけで自動的に車両ドアを開くことができるため便利である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態に係る車載機器制御システムを示す図である。
【図2】インサイドハンドル部付近の平面図である。
【図3】容量変化検知回路のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車載機器制御システムにおいて、車載機器制御を行うときの各手順を示すフローチャートである。
【図5】他の実施の形態に係る車載機器制御システムにおいて、車載機器制御を行うときの各手順を示すフローチャートである。
【図6】さらに他の実施の形態に係る車載機器制御システムにおいて、車載機器制御を行うときの各手順を示すフローチャートである。
【図7】別の実施の形態に係る車載機器制御システムにおいて、車載機器制御を行うときの各手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
2 接地、8 車載機器制御システム、10 制御部、20 CPU、22 車載機器制御モジュール、24 容量変化情報取得モジュール、26 操作情報取得モジュール、28 車速情報取得モジュール、29 ユーザ指示取得モジュール、32 車速センサI/F、34 ユーザスイッチI/F、36 操作検出回路I/F、38 容量変化検知回路I/F、40 記憶部、62 静電容量、63 電極部、64 導電プレート、66 電源回路、68 タッチセンサ回路、101 インサイドハンドル部、102 導電材料部、103 ルームランプ、104 容量変化検知回路、106 操作検出回路、108 ユーザスイッチ、110 車速センサ、112 ECU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に設けられ、操作用取手を有するインサイドハンドル部であって、導電材料で構成される導電材料部を一部に有するインサイドハンドル部と、
インサイドハンドル部の導電材料部に接続される導電プレート部と、
導電プレート部に接続される検知手段であって、ユーザがインサイドハンドル部の導電材料部に触れることによる静電容量の変化を検知する静電容量検知手段と、
静電容量の変化を検知したときに、予め定められた任意の車載機器の作動制御を行う制御部と、
車速が予め定められた値以下であるか否かの監視を行う車速監視手段と、
を備え、
前記導電材料部は、
表側から視認されない裏側に設けられ
制御部は、
静電容量の変化を検知し、車速が予め定められた値以下であるときに予め定められた任意の車載機器の制御を行うことを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車載機器制御システムにおいて、
インサイドハンドル部の操作の有無を検出する操作検出手段を備え、
制御部は、
静電容量の変化を検知して、予め定められた任意の車載機器の作動制御を行った後の所定の時間内に操作検出手段がインサイドハンドル部の操作を検出しないときに、作動制御を行った車載機器の作動を停止する制御を行うことを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車載機器制御システムにおいて、
車両ドアを閉状態のまま保持するロック機構であって、インサイドハンドル部の操作によってロックが解除されるロック機構を備え、
予め定められた任意の車載機器は、
インサイドハンドル部の操作を開始する前からロックが解除されるまでに制御が必要な車載機器であることを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか1に記載の車載機器制御システムにおいて、
ユーザからの車載機器制御の停止指示を取得する指示取得手段を備え、
制御部は、
停止指示を取得したときに、予め定められた任意の車載機器の作動制御を停止することを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項5】
請求項1から請求項のいずれか1に記載の車載機器制御システムにおいて、
インサイドハンドル部は、
絶縁性添加物を含んだ金属スパッタ材料がスパッタリングされる導電材料部を有することを特徴とする車載機器制御システム。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか1に記載の車載機器制御システムにおいて、
予め定められた任意の車載機器は、
ルームランプまたはドアミラーまたは車両ドアのうち少なくともいずれか1つであることを特徴とする車載機器制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−56668(P2013−56668A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−273116(P2012−273116)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2007−258866(P2007−258866)の分割
【原出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)