説明

車両制御装置、および車両制御プログラム

【課題】車両の危険状態を抑制するための車両制御装置において、運転者がアクセルとブレーキとを踏み間違えたときに、車速が大きくなる前に危険状態を抑制できるようにする。
【解決手段】誤操作防止システムを構成する制御部は、アクセルの操作量の情報を示すアクセル情報を繰り返し取得し、アクセル情報に基づいて、アクセルの操作量が、予め設定された減少判定時間以内に減少閾値以上減少し、その後、予め設定された増加判定時間以内に増加した場合、運転者がアクセルとブレーキとを踏み間違えたものと判断する(S150、S160)。そして、踏み間違いと判断された場合、当該車両の加速を抑制する(S290)。このシステムによれば、アクセルの操作量が減少後に増加すれば直ちに当該車両の加速を抑制することができるので、車速が大きくなる前に加速を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を制御する車両制御装置、および車両制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記車両制御装置として、車両の急加速をアクセル開度が閾値を超えるか否かを検出することで、アクセルとブレーキとの踏み間違いを検出し、踏み間違いである場合に加速を抑制する構成を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−299880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記車両制御装置では、必要な急加速を抑制しないようにするために、閾値を比較的大きく設定する必要がある。このため、加速が抑制されるまでに車速が大きくなる虞がある。
【0005】
そこでこのような問題点を鑑み、車両の危険状態を抑制するための車両制御装置において、運転者がアクセルとブレーキとを踏み間違えたときに、車速が大きくなる前に加速を抑制できるようにすることを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために成された第1の構成の車両制御装置において、操作量取得手段は、アクセルの操作量を示すアクセル情報を繰り返し取得し、危険抑制手段は、アクセル情報に基づいて、アクセルの操作量が、所定の減少率となった後、予め設定された増加判定時間以内に増加した場合、車両の危険状態を抑制する。
【0007】
すなわち、本発明では、運転者がアクセルとブレーキとを踏み間違える際に、運転者が2度のアクセル操作を短時間で行う傾向がある一方で、運転者が通常のアクセル操作を行う際には、2度のアクセル操作を短時間で行うことが少ないことに着目し、運転者が2度のアクセル操作を短時間で行なった場合に踏み間違いと判断し、車両の危険状態を抑制するようにしている。具体的には、例えば、アクセルの操作量が減少判定時間以内に減少閾値以上減少した場合、つまり、アクセルの操作量が減少する際の絶対量・減少量が大きい場合や、アクセルの操作量の減少率が大きい場合に、さらにアクセルの操作量が増加すれば、踏み間違いと判断すればよい。
【0008】
このような車両制御装置によれば、アクセルの操作量が減少後に増加すれば直ちに当該車両の危険状態を抑制することができるので、車速が大きくなる前に危険状態を抑制することができる。
【0009】
ところで、上記車両制御装置においては、第2の構成のように、危険抑制手段は、アクセルの操作量が減少判定時間以内に減少閾値以上減少し、その後、増加判定時間以内に予め設定された増加閾値以上になった場合、車両の危険状態を抑制するようにしてもよい。
【0010】
このような車両制御装置によれば、アクセルの操作量が僅かに増加し、増加閾値未満となる場合には、踏み間違いでないものとすることができる。よって、当該装置の誤作動を防止することができる。なお、増加閾値を設定する際には、通常の急加速操作を考慮する必要がないため、従来構成の装置と比較して、小さめの閾値を設定可能となる。
【0011】
さらに、上記車両制御装置においては、第3の構成のように、アクセルの操作量が前記減少判定時間以内に減少閾値以上減少し、その後の経過時間が長くなるに従って増加閾値を大きく設定する第1増加閾値設定手段を備えていてもよい。
【0012】
すなわち、本発明では、踏み間違いの際にはアクセルの操作量の減少後に直ちにアクセルの操作量が増加する傾向があり、アクセルの操作量の減少後、現在時刻までの経過時間が長くなるに従って、踏み間違いではない可能性が高くなる傾向があることを考慮して、アクセルの操作量が増加するまでの時間が長くなるに従って、危険状態の抑制が実施されにくくなるように、増加閾値を大きく設定している。なお、第1増加閾値設定手段の作動は、繰り返し実施されるとよい。
【0013】
このような車両制御装置によれば、踏み間違いの誤検出を防止しやすくすることができる。
また、上記車両制御装置においては、第4の構成のように、アクセルの操作量が減少閾値以上減少する際のアクセルの操作量の減少速度が速くなるに従って増加閾値を小さく設定する第2増加閾値設定手段を備えていてもよい。
【0014】
このような車両制御装置によれば、運転者の心理状態(焦りの程度)をアクセルの操作量の減少速度で捉え、焦りの程度が高い場合(アクセルの操作量の減少速度が速い場合)に危険状態の抑制が実施されやすいようにすることができる。よって、より安全に車両を制御することができる。
【0015】
さらに、上記車両制御装置においては、第5の構成のように、アクセルの操作量の減少開始時におけるアクセルの操作量の値が大きくなるに従って増加閾値を小さく設定する第3増加閾値設定手段を備えていてもよい。
【0016】
このようにしているのは、アクセルを大きく踏み込んでいる状態から一気に離すほど、より緊急度が高い操作であると推定でき、その後のアクセル操作は小さくても踏み間違いである可能性が高いと推定できるからである。従ってこのような車両制御装置によれば、踏み間違いである可能性が高い場合に、より早く車両の危険状態を抑制することができる。
【0017】
また、上記車両制御装置においては、第6の構成のように、アクセルの操作量の減少時におけるアクセルの操作量の変化率の極小値が小さくなるに従って増加閾値を小さく設定する第4増加閾値設定手段を備えていてもよい。
【0018】
このような車両制御装置によれば、第5の構成と同様の理由により、踏み間違いである可能性が高い場合に、より早く車両の危険状態を抑制することができる。
また、上記車両制御装置においては、第7の構成のように、アクセルの操作量の減少開始時におけるアクセルの操作量の値が小さくなるに従って減少閾値を小さく(アクセルの操作量が減少したと判定する際の減少幅を小さく)設定する減少閾値設定手段を備えていてもよい。
【0019】
このような車両制御装置によれば、アクセルの操作量の減少開始時におけるアクセルの操作量の値が小さい場合でも、良好にアクセルの操作量が減少したことを検出することができる。また、アクセルの操作量の減少の誤検出を防止することができる。
【0020】
さらに、上記車両制御装置において危険抑制手段は、第8の構成のように、アクセル情報に基づいて、アクセルの操作量が予め設定された加速閾値以上に増加した場合、運転者がアクセルとブレーキとを踏み間違えたものと判断するようにしてもよい。
【0021】
このような車両制御装置によれば、アクセルの操作量の減少が検出されない場合であっても、運転者によるペダルの踏み間違いを防止することができる。
さらに、上記車両制御装置においては、第9の構成のように、増加閾値は、加速閾値以下の値に設定されているとよい。
【0022】
このような車両制御装置によれば、アクセルの操作量の減少後により早く運転者によるペダルの踏み間違いを検出することができる。
さらに、上記車両制御装置においては、第10の構成のように、当該車両の進行方向の障害物の有無を判断する障害物判断手段と、障害物判断手段にて障害物が有ると判断された場合にのみ危険抑制手段を作動させる第1作動制御手段と、を備えていてもよい。
【0023】
このような車両制御装置によれば、車両の進行方向の障害物がない場合に、誤って車両の危険状態を抑制してしまうことを防止することができる。
また、上記車両制御装置においては、第11の構成のように、当該車両が動力を発生可能な状態であるか否かを判断する動力発生判断手段と、当該車両が動力を発生不可能な状態である場合に前記危険抑制手段により当該車両の危険状態を抑制する作動を禁止する第2作動制御手段と、を備えていてもよい。
【0024】
このような車両制御装置によれば、車両が動力を発生不可能な状態である場合に、危険状態を抑制する必要がないものとすることができる。つまり、無意味となる制御を防止することができる。
【0025】
さらに、上記車両制御装置においては、第12の構成のように、当該車両の走行速度が基準速度以上であるか否かを判断する速度判断手段と、当該車両の走行速度が基準速度以上である場合に前記危険抑制手段により当該車両の危険状態を抑制する作動を禁止する第3作動制御手段と、を備えていてもよい。
【0026】
このような車両制御装置によれば、車両の走行速度がある程度の速度に達している場合にはペダルの踏み間違いが発生する可能性が低いため、この場合には、車両の危険状態を抑制しないようにすることができる。
【0027】
また、上記車両制御装置において危険抑制手段は、第13の構成のように、車両の危険状態を抑制する制御として、車両の加速を抑制する加速抑制制御を実施するようにしてもよいし、第14の構成のように、車両の速度を抑制する速度抑制制御を実施するようにしてもよいし、第15の構成のように、車両の運転者に対する警報を行う警報制御を実施するようにしてもよい。また、第13〜第15の構成を任意に組み合わせてもよい。
【0028】
このような車両制御装置によれば、車両の危険状態を抑制する制御をより具体的に実施することができる。
次に、上記目的を達成するためには、第16の構成としての車両制御プログラムように、コンピュータを上記車両制御装置を構成する各手段として機能させるための走行状態制御プログラムとしてもよい。
【0029】
このような車両制御プログラムによれば、上記車両制御装置と同様の効果を享受することができる。
なお、本発明で利用する各閾値は、アクセルの操作量の絶対値に対して設定してもよいし、アクセルの操作量の変化率に対して設定してもよいし、これらを組み合わせて適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明が適用された誤操作防止システム1の概略構成を示すブロック図(a)および制御部10が実行する作動判断処理を示すフローチャート(b)である。
【図2】短時間に1回のみアクセルが操作された場合において加速抑制を行う例を示す、時間とアクセル開度(アクセルの操作量)との関係を示すグラフである。
【図3】短時間に複数回のアクセルが操作された場合において加速抑制を行う例を示す、時間とアクセル開度との関係を示すグラフである。
【図4】第1実施形態の走行制御処理を示すフローチャートである。
【図5】開度増加閾値の算出に際して、経過時間、アクセル開度、アクセル開度変化率の関係を示すグラフである。
【図6】開度急減閾値の算出に際して、経過時間、アクセル開度、アクセル開度変化率の関係を示すグラフである。
【図7】経過時間とアクセル開度および車速との関係を示すグラフである。
【図8】第2実施形態の走行制御処理を示すフローチャートである。
【図9】開度急増閾値の算出に際して、経過時間、アクセル開度、アクセル開度変化率の関係を示すグラフである。
【図10】第3実施形態の走行制御処理を示すフローチャートである。
【図11】可変値としての開度増加閾値の設定例を示すグラフである。
【図12】可変値としての開度急減閾値の設定例を示すグラフである。
【図13】可変値としての開度急増閾値の設定例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[第1実施形態]
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
[本実施形態の構成]
図1(a)は本発明が適用された誤操作防止システム1の概略構成を示すブロック図である。誤操作防止システム1は、例えば乗用車等の車両に搭載され、当該車両の危険状態を抑制するためのシステムである。具体的に誤操作防止システム1では、運転者によるアクセルペダル(以下、単に「アクセル」という。)とブレーキペダル(以下単に「ブレーキ」という。)の踏み間違いによる車両の急発進を抑制する機能を有する。
【0032】
誤操作防止システム1は、図1(a)に示すように、制御部10と、アクセル操作センサ15と、レーダ16と、シフトポジションセンサ17と、車速センサ18と、制御対象20とを備えている。
【0033】
アクセル操作センサ15は、例えば、周知のアクセル開度センサや、アクセル踏力センサ、或いはスロットル開度センサとして構成されており、運転者によるアクセルの操作量を検出する。
【0034】
レーダ16は、例えば、周知のミリ波レーダやレーザレーダとして構成されており、車両の進行方向(例えば、前方および後方)の障害物までの位置(距離)、移動速度を検出し、この検出結果を制御部10に送る。
【0035】
シフトポジションセンサ17は、シフトレバーの位置等の車両の走行状態(停車、前進、後退)を検出する。車速センサ18は、周知の車速センサとして構成されている。
制御対象20は、車両の駆動力や制動力を制御する制御装置として構成されている。制御対象20は、制御部10から走行抑制制御実行の指示を受けると、車両の加速を抑制するために、駆動力を抑制したり、制動力を加えたり、或いは加速を中止させるための警報を発したりする。
【0036】
制御部10は、CPU、ROM、RAM等を備えた周知のマイコンとして構成されており、CPUがROMに格納されたプログラムやRAMにロードされたプログラムに基づいて、後述する作動判断処理や走行制御処理(車両制御プログラム)等の各種処理を実行する。
【0037】
[本実施形態の処理]
上記のような誤操作防止システム1による処理の概要について図2および図3を用いて説明する。図2は短時間に1回のみアクセルが操作された場合において加速抑制を行う例を示す、時間とアクセル開度(アクセルの操作量)との関係を示すグラフである。
【0038】
また、図3は短時間に複数回のアクセルが操作された場合において加速抑制を行う例を示す、時間とアクセル開度との関係を示すグラフである。なお、図2および図3にて示す閾値1、閾値2は、本実施形態においてはアクセル開度の絶対値ではなく、アクセル開度の変化率に対して設定されているが、説明を簡素化するためにアクセル開度の絶対値に閾値が設けられているかのように説明する。
【0039】
図2に示すように、比較的短い時間範囲内において1回のみアクセルが操作された際に加速抑制を行う場合には、必要な急加速を抑制しないようにするために、比較的大きな閾値2が設定されている。このため、図2(a)〜図2(c)に示す様々なアクセルの踏み方において、アクセル開度が閾値2を超えると加速抑制が実施される。
【0040】
また、図3(a)〜図3(c)に示すように、比較的短い時間範囲内において複数回アクセルが操作された際に加速抑制を行う場合には、運転者がアクセルとブレーキとを踏み間違える際に、運転者が2度のアクセル操作を短時間で行う傾向がある一方で、運転者が通常のアクセル操作を行う際には、2度のアクセル操作を短時間で行うことが少ないことに着目し、運転者が2度のアクセル操作を短時間で行なった場合に踏み間違いと判断し、速やかに加速を抑制するようにしている。
【0041】
この場合には、2度のアクセル操作が短時間で実施された時点で通常の操作ではなく、必要な急加速を抑制しないようにする構成は不要であるため、1回のみアクセルが操作された際に加速抑制を行う構成(閾値2)と比較して小さな閾値1を設定する。そして、短時間に2度目のアクセル操作を検出すると、加速を抑制する。
【0042】
このような処理の詳細を以下に説明する。図1(b)は制御部10が実行する作動判断処理を示すフローチャートである。作動判断処理は、運転者がアクセルとブレーキとを踏み間違える状況にあるか、或いは、踏み間違えたときに危険な状況になるかに応じて、加速の抑制を実施するか否かを設定する処理である。なお、作動判断処理は、例えば車両の電源が投入されると開始され、その後、後述する走行制御処理と同じか、それよりも短い周期で繰り返し実行される。
【0043】
作動判断処理の具体例としては、図1(b)に示すように、まず、車両情報を取得する(S10)。ここでいう車両情報とは、レーダ16を含む各種センサ15〜18による検出結果やその他の装置から得られる車両に関する情報を示す。
【0044】
続いて、車両の進行方向に障害物があるか否か(S20)、シフトポジションがパーキング(P)、ニュートラル(N)以外であるか否か(S30)、走行速度が基準値以上であるか否か(S40)について判断する。
【0045】
車両の進行方向に障害物があるか否かについては、車両の進行方向に歩行者、他車両、その他の障害物(崖等の走行不能な領域を含む)の有無をレーダ16、シフトポジションセンサ17による検出結果に基づいて判断する。シフトポジションがパーキング(P)、ニュートラル(N)以外であるか否か(言い換えると、当該車両が動力を発生可能な状態であるか否か)については、シフトポジションセンサ17による検出結果に基づいて判断する。走行速度が基準値以上であるか否かについては、車速センサ18による検出結果と、ペダルの踏み間違いが発生しやすい速度(例えば時速30km未満)以上に設定された基準値と、を比較することにより判断する。
【0046】
車両の進行方向に障害物があり(S20:YES)、かつシフトポジションがパーキング(P)、ニュートラル(N)以外であり(S30:YES)、かつ走行速度が基準値以下であれば(S40:YES)、後述する走行制御処理の作動許可を設定し(S50)、作動判断処理を終了する。また、車両の進行方向に障害物がなく(S20:NO)、またはシフトポジションがパーキング(P)、ニュートラル(N)であり(S30:NO)、または走行速度が基準値よりも大きければ(S40:NO)、後述する走行制御処理の作動禁止を設定し(S60)、作動判断処理を終了する。なお、本処理で走行制御処理の作動禁止が設定されると、加速の抑制は実施されないことになる。
【0047】
次に、走行制御処理について説明する。図4は制御部10が実行する第1実施形態の走行制御処理を示すフローチャートである。走行制御処理は、運転者によるアクセルとブレーキとの踏み間違い(とりわけブレーキを踏むつもりがアクセルを踏んでしまったこと)を検出し、踏み間違いが発生したときに車両の加速を抑制する制御を行う処理である。なお、本処理を初めて実行する際には、後述するカウンタやフラグはリセット状態(0の状態)にされているものとする。
【0048】
この走行制御処理は、作動許可が設定されると実施され、その後、作動禁止が設定されるまで所定周期(例えば16ms毎)で繰り返し実行される処理である。具体的には図4に示すように、まず、踏み間違い判断モードの状態について判断する(S110)。
【0049】
ここで、踏み間違い判断モードとは、急減判定中であるか否かを急減判定フラグの状態で判断可能とするものであり、一定時間内にアクセル開度の急減少が検出された場合に急減判定フラグが「1」にセットされ、一定時間内にアクセル開度の急減少が検出されていない場合に急減判定フラグが「0」にセットされるものである。踏み間違い判断モードが急減判定中(急減判定フラグが「1」)の場合(S110:急減判定中)、カウンタをインクリメントし(S120)、開度増加閾値を算出し設定する(S130)。
【0050】
この処理については、図5に示す、経過時間、アクセル開度、アクセル開度変化率の関係を示すグラフを用いて説明する。例えば、図5(a)に示すように、時間の経過とともにアクセル開度が増加する場合、アクセル開度の変化率は図5(b)に示すように、一旦上昇し、その後、0に戻る。このとき、アクセル開度とアクセル開度変化率との関係は、図5(c)に示す曲線を描く。
【0051】
ここで、本実施形態においては、開度増加閾値をアクセル開度変化率が10%/s程度となる値に設定する。この構成では、絶対的なアクセル開度とは無関係に、アクセル開度が減少後に増加したことを良好に検出することができる。なお、アクセル開度の絶対量に対して開度増加閾値を設定してもよいし、これらを併用してもよい。
【0052】
続いて、アクセル開度が減少直後に増加したかを判断するための増加判定時間以内であるか否かを、カウンタ値が所定値以上であるか否かによって判断する(S140)。カウンタ値が所定値以上であれば(S140:YES)、アクセル開度の減少後から十分な時間が経過しているものとして、急減判定フラグを「0」にセットし、後述するS220の処理に移行する。
【0053】
カウンタ値が所定値未満であれば(S140:NO)、アクセル開度変化率が正(つまりアクセル開度の増加)であるか否かを判定する(S150)。アクセル開度変化率が正でなければ(S150:NO)、走行制御処理を終了する。
【0054】
また、アクセル開度変化率が正であれば(S150:NO)、アクセル開度変化率と開度増加閾値とを比較する(S160)。アクセル開度変化率が開度増加閾値よりも大きければ(S160:YES)、急減判定フラグを「0」にセットし(S170)、運転者がアクセルとブレーキとを踏み間違えたものとして、走行抑制制御を実施するよう制御対象20に指示し(S290)、走行制御処理を終了する。また、アクセル開度変化率が開度増加閾値以下であれば(S160:NO)、直ちに走行制御処理を終了する。
【0055】
ところで、S110において、踏み間違い判断モードが急減判定中でない(急減判定フラグが「0」)の場合には(S110:通常)、アクセル開度変化率が負であるか否かを判定する(S220)。アクセル開度変化率が負でなければ(S220:YES)、直ちに走行制御処理を終了する。
【0056】
また、アクセル開度変化率が負であれば(S220:NO)、開度急減閾値を算出し設定する(S230)。この処理については、図6に示す、経過時間、アクセル開度、アクセル開度変化率の関係を示すグラフを用いて説明する。例えば、図6(a)に示すように、時間の経過とともにアクセル開度が減少する場合、アクセル開度の変化率は図6(b)に示すように、一旦下降し、その後、0に戻る。このとき、アクセル開度とアクセル開度変化率との関係は、図6(c)に示す曲線を描く。
【0057】
ここで、本実施形態においては、開度急減閾値をアクセル開度変化率が−10%/s程度となる値に設定する。この構成では、絶対的なアクセル開度とは無関係に、アクセル開度が減少したことを良好に検出することができる。なお、アクセル開度の絶対量や減少量に対して開度急減閾値を設定してもよいし、これらを併用してもよい。
【0058】
続いて、アクセル開度変化率と開度急減閾値とを比較する(S240)。アクセル開度変化率が開度急減閾値よりも小さければ(S240:YES)、急減判定フラグを「1」にセットする(S250)。そして、カウンタをリセットして(S260)、走行制御処理を終了する。
【0059】
また、アクセル開度変化率が開度急減閾値以上であれば(S240:NO)、直ちに走行制御処理を終了する。
[本実施形態による効果]
以上のように詳述した誤操作防止システム1において、制御部10は、アクセルの操作量の情報を示すアクセル情報を繰り返し取得し、アクセル情報に基づいて、アクセルの操作量が、予め設定された減少判定時間以内に減少閾値(開度急減閾値)以上減少し、その後、予め設定された増加判定時間以内に増加した場合、運転者がアクセルとブレーキとを踏み間違えたものと判断する。そして、踏み間違いと判断された場合、当該車両の加速を抑制する。
【0060】
このような誤操作防止システム1によれば、アクセルの操作量が減少後に増加すれば直ちに当該車両の加速を抑制することができるので、車速が大きくなる前に加速を抑制することができる。より詳細には、図7に示す経過時間とアクセル開度との関係を示すグラフに示すように、従来構成では、アクセル開度がかなり大きくなってから(図7中の「閾値2」参照)車速が抑制されるため、図7中の一点鎖線に示す速度で抑制されたが、本件発明では、アクセル開度が大きくなる前に(図7中の「閾値1」参照)車速が抑制されるため、図7中の二点鎖線に示す、より低い速度で車速が抑制される。
【0061】
また、上記誤操作防止システム1において制御部10は、アクセルの操作量が減少判定時間以内に減少閾値以上減少し、その後、増加判定時間以内に予め設定された増加閾値(開度増加閾値)以上になった場合、踏み間違いと判断する。
【0062】
このような誤操作防止システム1によれば、アクセルの操作量が僅かに増加し、増加閾値未満となる場合には、踏み間違いでないものとすることができる。よって、当該システムの誤作動を防止することができる。
【0063】
さらに、上記誤操作防止システム1において制御部10は、当該車両の進行方向の障害物の有無を判断し、当該車両の進行方向の障害物がない場合に当該車両の加速を抑制する作動を禁止する。
【0064】
このような誤操作防止システム1によれば、車両の進行方向の障害物がない場合に、誤って車両の加速を抑制してしまうことを防止することができる。
また、上記誤操作防止システム1において制御部10は、当該車両が動力を発生可能な状態であるか否かを判断し、当該車両が動力を発生不可能な状態である場合に当該車両の加速を抑制する作動を禁止する。
【0065】
このような誤操作防止システム1によれば、車両が動力を発生不可能な状態である場合に、加速を抑制する必要がないものとすることができる。つまり、無意味となる制御を防止することができる。
【0066】
さらに、上記誤操作防止システム1において制御部10は、当該車両の走行速度が基準速度以上であるか否かを判断し、当該車両の走行速度が基準速度以上である場合に当該車両の加速を抑制する作動を禁止する。
【0067】
このような誤操作防止システム1によれば、車両の走行速度がある程度の速度に達している場合にはペダルの踏み間違いが発生する可能性が低いため、この場合には、車両の加速を抑制しないようにすることができる。
【0068】
[第2実施形態]
次に、別形態の誤操作防止システムについて説明する。本実施形態(第2実施形態)では、第1実施形態の誤操作防止システム1と異なる箇所のみを詳述し、第1実施形態の誤操作防止システム1と同様の箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
図8は、第2実施形態の走行制御処理を示すフローチャートである。第2実施形態では走行制御処理のみが異なり、他の処理は第1実施形態と同様である。
第2実施形態の走行制御処理では、まず、アクセル開度変化率が正であるか否かを判定する(S310)。アクセル開度変化率が正でなければ(S310:NO)、S110の処理に移行する。また、アクセル開度変化率が正であれば(S310:YES)、開度急増閾値を算出し設定する(S320)。
【0070】
この処理については、図9に示す、経過時間、アクセル開度、アクセル開度変化率の関係を示すグラフを用いて説明する。例えば、図9(a)に示すように、時間の経過とともにアクセル開度が増加する場合、アクセル開度の変化率は図9(b)に示すように、一旦上昇し、その後、0に戻る。このとき、アクセル開度とアクセル開度変化率との関係は、図9(c)に示す曲線を描く。
【0071】
ここで、本実施形態においては、開度急増閾値をアクセル開度変化率が25%/s程度となる値(開度増加閾値よりも大きな値)に設定する。この構成では、絶対的なアクセル開度とは無関係に、アクセル開度が極端に増加したことを良好に検出することができる。なお、アクセル開度の絶対量に対して開度急増閾値を設定してもよいし、これらを併用してもよい。
【0072】
この処理が終了すると、S110の処理に移行する。続いて、本実施形態の走行制御処理では、S140の処理においてカウンタが所定値未満である場合(S140:NO)、開度増加閾値と開度急増閾値とを比較する(S330)。本実施形態では、開度増加閾値および開度急増閾値を固定値としているため、開度増加閾値が開度急増閾値未満となるが、これらの閾値は可変としてもよく(第3実施形態以下の実施形態を参照)、これらの閾値の大小関係が入れ替わることがあるため、本処理を実施する。
【0073】
開度増加閾値が開度急増閾値未満であれば(S330:YES)、S150の処理に移行し、開度増加閾値が開度急増閾値以上であれば(S330:NO)、S210の処理に移行する。
【0074】
また、本実施形態では、S220の処理において、アクセル開度変化率が負でない場合(S220:NO)、アクセル開度変化率と開度急増閾値とを比較する(S340)。アクセル開度変化率が開度急増閾値よりも大きければ(S340:YES)、前述のS290の処理に移行し、加速抑制制御を実行する。また、アクセル開度変化率が開度急増閾値未満であれば(S340:NO)、走行制御処理を終了する。
【0075】
上記のように、第2実施形態の誤操作防止システムでは、制御部10は、アクセル情報に基づいて、アクセルの操作量が増加閾値よりも大きな値に設定された加速閾値(開度急増閾値)以上に増加した場合、運転者がアクセルとブレーキとを踏み間違えたものと判断する。
【0076】
このような第2実施形態の誤操作防止システムによれば、アクセルの操作量の減少が検出されない場合であっても、運転者によるペダルの踏み間違いを防止することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の誤操作防止システムについて説明する。
【0077】
図10は、第3実施形態の走行制御処理を示すフローチャートである。第3実施形態では走行制御処理のみが異なり、他の処理は第1実施形態と同様である。本実施形態の走行制御処理では、開度増加閾値を固定値ではなく変動値とする。特に本実施形態では、開度増加閾値をアクセル開度変化率の極小値(下限ピーク値)に応じた値に設定する。
【0078】
詳細には、S170およびS210の処理(単に急減判定フラグを「0」にセットする処理)に換えて、急減判定フラグを「0」にセットするとともに下限ピーク値をリセットする処理を実施する(S410、S420)。また、S220の処理においてアクセル開度変化率が負である場合(S220:YES)、アクセル開度変化率の下限ピーク値を記録し(S440)、ペダルの踏み替えを検出するためのアクセル開度の下限設定値とアクセル開度とを比較する(S450)。
【0079】
アクセル開度が下限設定値未満であれば(S450:YES)、S250の処理に移行する。また、アクセル開度が下限設定値以上であれば(S450:NO)、走行制御処理を終了する。
【0080】
また、S220の処理においてアクセル開度変化率が負でない場合(S220:NO)、下限ピーク値をリセットし(S460)、S340の処理に移行する。
ここで、本実施形態においてS130の処理にて開度増加閾値を算出する際の処理について図11(c)を用いて説明する。図11(c)は、開度増加閾値を示すグラフであり、アクセル減少変化率の下限ピークと開度増加閾値との関係を示している。
【0081】
開度増加閾値は、図11(c)に示すように、下限ピーク値が小さくなるにつれてより小さな値に設定され、僅かにアクセル開度が増加するだけで踏み間違いであると判定されやすくなる。
【0082】
すなわち、アクセルの操作量が減少閾値以上減少する際のアクセルの操作量の減少速度が速くなるに従って増加閾値を小さく設定する。
このような第3実施形態の誤操作防止システムによれば、運転者の心理状態(焦りの程度)をアクセルの操作量の減少速度で捉え、焦りの程度が高い場合(アクセルの操作量の減少速度が速い場合)に加速の抑制が実施されやすいようにすることができる。よって、より安全に車両を制御することができる。
【0083】
[その他の実施形態]
本発明の実施の形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0084】
例えば、上記実施形態においては、走行制御処理の作動禁止が設定されると、加速の抑制は実施されないよう構成したが、常に加速の抑制(つまり、走行制御処理)を実行するようにしてもよい。この場合、常に走行制御処理の作動許可が設定された状態となり、作動判断処理は不要となる。
【0085】
また、上記実施形態において開度増加閾値を設定する際(S130)には、アクセルの操作量が減少判定時間以内に減少閾値以上減少し、その後の経過時間が長くなるに従って開度増加閾値を大きく設定する。具体的には、図11(a)に示すように、開度増加閾値を設定すればよい。例えば、図11(a)の図中Aの値は、急いでペダルの踏み替える際に必要な時間(例えば0.2秒)を設定し、図11(a)の図中Bの値は、急ぐことなくペダルの踏み替える際の標準的な時間(例えば0.5秒)を設定する。なお、これらの時間は、実験的に求められ設定される。
【0086】
このような誤操作防止システム1によれば、アクセルの操作量の減少後により早く運転者によるペダルの踏み間違いを検出することができるようにしつつ、踏み間違いの誤検出を防止しやすくすることができる。
【0087】
さらに、開度増加閾値を設定する際(S130)には、例えば、図11(b)に示すようにアクセル開度が減少を開始する際のアクセル開度が大きくなるに従って、開度増加閾値を小さくなるように設定すればよい。
【0088】
なお、開度増加閾値を設定する際には、図11(a)〜図11(c)に示した構成を任意に組み合わせて適用することができる。この場合、先に求めた開度増加閾値を後から求めた開度増加閾値に対応する値で補正するようにすればよい。
【0089】
また、上記実施形態においては、開度急減閾値(S230)を固定値としたが、変動値とすることもできる。例えば、図12(a)に示すように、アクセル開度が減少する際のアクセル開度が大きいほどアクセル開度変化率に設定される開度急減閾値を小さく設定するようにすればよい。この構成では、アクセル開度が減少する際のアクセル開度が大きいほど、より大きくアクセル開度が減少しなければ、アクセル開度が減少したことを検出しないようにすることができる。よって、踏み間違いの誤検出を防止しやすくすることができる。
【0090】
さらに、上記実施形態においては、開度急増閾値(S320)を固定値としたが、変動値とすることもできる。例えば、アクセル開度の急増の検出を開始する際のアクセル開度が大きくなるに従って、踏み間違いによる危険性が高くなるため、図13(a)、図13(b)に示すように、開度急増閾値を小さく設定するようにしてもよい。
【0091】
また、図13(c)に示すように、障害物が検出されている場合には、障害物が検出されていない場合よりも開度急増閾値が小さくなるように、アクセル開度の絶対値とアクセル開度の変化率とに応じた値を設定し、より早く加速の抑制が実施されるようにしてもよい。
【0092】
なお、各閾値を設定する構成は、任意に組み合わせて適用することができる。また、各閾値は、アクセル開度の絶対量に対して設定されてもよいし、アクセル開度の変化率に対して設定されてもよいし、これらを組み合わせて設定されてもよい。
【0093】
[本発明と実施形態との関係]
上記実施形態における作動判断処理において、S10の処理は本発明でいう操作量取得手段に相当し、S20の処理は本発明でいう障害物判断手段に相当し、S30の処理は本発明でいう動力発生判断手段に相当する。また、S40の処理は本発明でいう速度判断手段に相当し、S60の処理は本発明でいう第1作動制御手段、第2作動制御手段、第3作動制御手段に相当する。
【0094】
また、上記実施形態における走行制御処理において、S150、S160,S290,S340の処理は本発明でいう危険抑制手段に相当する。
また、上記変形例における走行制御処理において、S130の処理は本発明でいう第1増加閾値設定手段〜第4増加閾値設定手段に相当し、S230の処理は本発明でいう減少閾値設定手段に相当する。
【符号の説明】
【0095】
1…誤操作防止システム、10…制御部、15…アクセル操作センサ、16…レーダ、17…シフトポジションセンサ、18…車速センサ、20…制御対象。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の危険状態を抑制するための車両制御装置であって、
アクセルの操作量を示すアクセル情報を取得する操作量取得手段と、
前記アクセル情報に基づいて、前記アクセルの操作量が、所定の減少率となった後、予め設定された増加判定時間以内に増加した場合、車両の危険状態を抑制する危険抑制手段と、
を備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御装置において、
前記危険抑制手段は、前記アクセルの操作量が予め設定された減少判定時間以内に減少閾値以上減少し、その後、前記増加判定時間以内に予め設定された増加閾値以上になった場合に、車両の危険状態を抑制すること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両制御装置において、
前記アクセルの操作量が前記減少判定時間以内に減少閾値以上減少し、その後の経過時間が長くなるに従って前記増加閾値を大きく設定する第1増加閾値設定手段を備えたこと
を特徴とする車両制御装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の車両制御装置において、
前記アクセルの操作量が前記減少閾値以上減少する際のアクセルの操作量の減少速度が速くなるに従って前記増加閾値を小さく設定する第2増加閾値設定手段を備えたこと
を特徴とする車両制御装置。
【請求項5】
請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の車両制御装置において、
前記アクセルの操作量の減少開始時におけるアクセルの操作量の値が大きくなるに従って前記増加閾値を小さく設定する第3増加閾値設定手段を備えたこと
を特徴とする車両制御装置。
【請求項6】
請求項2〜請求項5の何れか1項に記載の車両制御装置において、
前記アクセルの操作量の減少時におけるアクセルの操作量の変化率の極小値が小さくなるに従って前記増加閾値を小さく設定する第4増加閾値設定手段を備えたこと
を特徴とする車両制御装置。
【請求項7】
請求項2〜請求項6の何れか1項に記載の車両制御装置において、
前記アクセルの操作量の減少開始時におけるアクセルの操作量の値が小さくなるに従って前記減少閾値を小さく設定する減少閾値設定手段を備えたこと
を特徴とする車両制御装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の車両制御装置において、
前記危険抑制手段は、前記アクセル情報に基づいて、アクセルの操作量が予め設定された加速閾値以上に増加した場合にも、車両の危険状態を抑制すること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車両制御装置において、
前記増加閾値は、前記加速閾値以下の値に設定されていること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の車両制御装置において、
当該車両の進行方向の障害物の有無を判断する障害物判断手段と、
前記障害物判断手段にて前記障害物が有ると判断された場合にのみ前記危険抑制手段を作動させる第1作動制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の車両制御装置において、
当該車両が動力を発生可能な状態であるか否かを判断する動力発生判断手段と、
当該車両が動力を発生不可能な状態である場合に前記危険抑制手段により当該車両の危険状態を抑制する作動を禁止する第2作動制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の車両制御装置において、
当該車両の走行速度が基準速度以上であるか否かを判断する速度判断手段と、
当該車両の走行速度が基準速度以上である場合に前記危険抑制手段により当該車両の危険状態を抑制する作動を禁止する第3作動制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項13】
請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の車両制御装置において、
前記危険抑制手段は、車両の危険状態を抑制する制御として、車両の加速を抑制する加速抑制制御を実施すること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項14】
請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の車両制御装置において、
前記危険抑制手段は、車両の危険状態を抑制する制御として、車両の速度を抑制する速度抑制制御を実施すること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項15】
請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の車両制御装置において、
前記危険抑制手段は、車両の危険状態を抑制する制御として、車両の運転者に対する警報を行う警報制御を実施すること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1〜請求項15の何れか1項に記載の車両制御装置を構成する各手段として機能させるための車両制御制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−36434(P2013−36434A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175026(P2011−175026)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】