説明

車両前部の艤装部品取付構造

【課題】本発明は、ランプに掛かる荷重負担の少ないホルダを提供すること、またそれによってランプ本体の水密性を確保すること、ランプとバンパの相互位置を上下方向および左右方向に対して管理できる構造を提供すること、相互位置を管理しつつランプとホルダがある程度独立してそれぞれバンパ支持可能とすること、優れた外観を有するヘッドランプの取付自由度ほ確保することを目的としている。
【解決手段】このため、車両のヘッドランプの外縁の一部に沿うようにバンパを配設し、このバンパの位置決め又は外形形状を保持するホルダを設けた車両前部の艤装部品取付構造において、ヘッドランプとは別体にホルダを設け、ホルダを、曲げを有するとともに、ヘッドランプの内側辺とヘッドランプの下側辺との2辺を繋ぐ形状とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は車両のランプ周りにおいてバンパの支持構造に関する。
特に、ランプ周りに設けたホルダによってバンパとの間隙を備えた相互位置を管理する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両、例えば車両前部に取り付けられるバンパにおいて、このバンパはエネルギ吸収と軽微な外力に対する復元性などの要求性能から柔らかい材質で形成されている。
また、前記バンパは、サイズも大きく、しかもフォグランプなどの部品も装着されるため、バンパ自身の重量やバンパに装着されるフォグランプなどの部品の重量により、変形し易い部品である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4029379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の上述したバンパにおいては、このバンパと近接するヘッドランプとの形状合わせが困難で、位置がズレることにより、外観が悪化するという問題があった。
この問題を解決するために、間隙を整えるホルダ(「バンパホルダ」ともいう。)を設定しているが、従来のホルダには以下の不都合があった。
(1)ヘッドランプのレンズ一体構造にした場合(図6)、バンパ重量による荷重でヘッドランプの水密性が悪くなり、その対策としてスクリュー固定などの機械的締結が必要である。
(2)ヘッドランプの下側だけにホルダを設定した場合、車両幅方向の位置ズレの問題が残った。
(3)ホルダをヘッドランプに固定しない構造とした場合、ヘッドランプとホルダとの位置ズレが残るため、バンパとヘッドランプとの位置ズレの問題が残った。
【0005】
追記すれば、上記の特許文献1に開示されるように、ヘッドランプの下側辺に設けたホルダ(「リーンフォースメント」ともいう。)がある。
この構造では、ヘッドランプ下側辺の距離が短く、つまりヘッドランプ内側辺からフロントフェンダまでの寸法が小さく、アッパクロスメンバとフロントフェンダとを直接連結するように設けてある。
そして、バンパには、ラジエータグリルのような立ち上がり部が存在しないため、バンパとヘッドランプとの見切りは、下側辺だけ配慮すれば十分となっている。
そのため、より幅の広い大きな車両に、意匠性の高いヘッドランプおよび意匠性の高いラジエータグリル一体型のバンパを組み付けるような場合には、見切りの間隙管理が不十分となってしまう。
また、艤装品である大型のヘッドランプでは、取付剛性(「支持剛性」とも換言できる。)も必然的に高くする必要があった。
【0006】
この発明は、ヘッドランプに掛かる荷重負担の少ないホルダを提供すること、またそれによってヘッドランプ本体の水密性を確保すること、ヘッドランプとバンパの相互位置を上下方向および左右方向に対して管理できる構造を提供すること、相互位置を管理しつつヘッドランプとホルダがある程度独立してそれぞれバンパ支持可能とすること、優れた外観を有するヘッドランプの取付自由度ほ確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、車両のヘッドランプの外縁の一部に沿うようにバンパを配設し、このバンパの位置決め又は外形形状を保持するホルダを設けた車両前部の艤装部品取付構造において、前記ヘッドランプとは別体に前記ホルダを設け、このホルダを、曲げを有するとともに、前記ヘッドランプの内側辺とヘッドランプの下側辺との2辺を繋ぐ形状とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上詳細に説明した如くこの発明によれば、車両のヘッドランプの外縁の一部に沿うようにバンパを配設し、バンパの位置決め又は外形形状を保持するホルダを設けた車両前部の艤装部品取付構造において、ヘッドランプとは別体にホルダを設け、このホルダを、曲げを有するとともに、ヘッドランプの内側辺とヘッドランプの下側辺との2辺を繋ぐ形状とする。
従って、バンパおよびヘッドランプの相互隙間を、ヘッドランプの内側辺ないしヘッドランプの下側辺にわたる長い距離について、小さく管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は車両前部にヘッドランプとホルダとを取り付ける状態を示す概略斜視図である。(実施例1)
【図2】図2は車両前部における艤装部品取付状態を示す概略斜視図である。(実施例1)
【図3】図3はアッパクロスメンバへのヘッドランプの第1車両取付部とホルダの第1車両取付部とを一致させた取付状態を示す拡大断面図である。(実施例1)
【図4】図4はヘッドランプの第2車両取付部とホルダの第2車両取付部との取付状態を示す拡大断面図である。(実施例1)
【図5】図5はヘッドランプの第3車両取付部とホルダの第3車両取付部との取付状態を示す拡大断面図である。(実施例1)
【図6】図6は従来例を示すヘッドランプの取付部位の概略拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0011】
図1〜図5はこの発明の実施例を示すものである。
図2において、1は車両、2は車体、3は車両2前部に取り付けられるラジエータグリル一体バンパ(以下、単に「バンパ」という。)、4はヘッドランプである。
前記車両1前部の車体2は、図2に示す如く、車両幅方向に延びるアッパクロスメンバ(あるいは、フードロックメンバでも可能。)5及びロアクロスメンバ6を備えるとともに、車両1前部の左右両側にフロントバンパメンパプレート(あるいは、ランプサポートパネルでも可能。)7、バンパサイドホルダ8を備え、これらのアッパクロスメンバ5及びロアクロスメンバ6、フロントバンパメンパプレート7、バンパサイドホルダ8の前面に、前記バンパ3を取り付けている。
また、前記車両1前部の左右両側は、フロントフェンダパネル9にて覆われている。
このとき、前記バンパ3は、前記車両1の前記ヘッドランプ4の外縁の一部に沿うように配設されている。
そして、このバンパ3の位置決め又は外形形状を保持するホルダ10を設ける。
なお、前記車両1前部において、ヘッドランプ4やホルダ10が左右線対称状態に配置されるものであるが、以下の説明においては車両1前部の左側についてのみ説明し、左右線対称状態の車両1前部の右側についての説明は省略する。
【0012】
また、前記ヘッドランプ4とは別体に前記ホルダ10を設け、このホルダ10を、曲げを有するとともに、前記ヘッドランプ4の内側辺4aとヘッドランプ4の下側辺4bとの2辺を繋ぐ形状とする。
詳述すれば、前記ホルダ10は、図1に示す如く、正面視で概略L字形状を呈する。
つまり、前記ホルダ10は、図1に示す如く、前記ヘッドランプ4の正面視で、ヘッドランプ4の内側辺4a(縦方向、例えば鉛直方向と車両前後方向を含む面上の方向)に対応する内側辺対応支持部11と、ヘッドランプ4の下側辺4b(幅方向、例えば、水平方向)に対応する下側辺対応支持部12と、内側辺対応支持部11と下側辺対応支持部12とを繋ぐ曲げ部13とを有する形状とする。
このとき、前記バンパ3方向に突出し、途中に曲げ部13を有する前記ホルダ10の内側辺対応支持部11及び下側辺対応支持部12の2辺は、図1に示す如く、曲げ部13に向かってバンパ3方向に突出するように傾斜したり、前記車体2側の基端に延出部を設けたりしている。
従って、前記バンパ3および前記ヘッドランプ4の相互隙間を、ヘッドランプ4の内側辺4aないしヘッドランプ4の下側辺4bにわたる長い距離について、小さく管理できる。
【0013】
前記ホルダ10の一の車体取付部14と前記ヘッドランプ4の一の車体取付部15とを一致させる一方、前記ホルダ10を複数の車体取付部14によって前記車体2に固定して前記バンパ3からの荷重を車体2に伝達可能とする。
つまり、前記ホルダ10の車体取付部14は、複数、例えば図1に示す如く、前記内側辺対応支持部11の端部に形成した第1車体取付部14aと、前記下側辺対応支持部12の中央部位に前記車体2側に突出するように形成した第2車体取付部14bと、前記下側辺対応支持部12の端部に形成した第3車体取付部14cと、前記下側辺対応支持部12の中央部位に前記車体2側に突出するように形成した第4車体取付部14dとの4箇所を備える。
また、前記ヘッドランプ4の車体取付部15は、ヘッドランプ4の外周辺部位において、複数、例えば図1に示す如く、前記内側辺4aの上端部に形成した第1車体取付部15aと、前記下側辺4bの内側辺4a側に形成した第2車体取付部15bと、この第2車体取付部14bよりも内側辺4aから離間する側に形成した第3車体取付部15cと、上側辺4cの内側辺4a側に形成した第4車体取付部15dと、この第4車体取付部15dよりも内側辺4aから離間する側に形成した第5車体取付部15eと、外側辺4dに形成した第6車体取付部15fとの6箇所を備える。
そして、図1及び図3に示す如く、前記ホルダ10の車体取付部14の第1車体取付部14aと、前記ヘッドランプ4の車体取付部15の第1車体取付部15aとを一致させ、前記車体2に取り付ける。
このとき、前記第1車体取付部14a及び第1車体取付部15aは、図1及び図3に示す如く、車体2の前記アッパクロスメンバ5にボルト・ナット16によって取り付ける。
なお、図3において、前記バンパ3上方には、図示しないエンジンルームの上方を覆うボンネット17の先端部位が位置している。
また、図1及び図4、図5に示す如く、前記ホルダ10の車体取付部14の第2車体取付部14bに前記ヘッドランプ4の車体取付部15の第2車体取付部15bを取り付けるとともに、前記ホルダ10の車体取付部14の第3車体取付部14cには前記ヘッドランプ4の車体取付部15の第3車体取付部15cを取り付ける。
このとき、前記第2車体取付部14bと第2車体取付部15bとの取付部位、及び第3車体取付部14cと第3車体取付部15cとの取付部位は、クリップ18によって接続する。
更に、前記ヘッドランプ4の車体取付部15の第4車体取付部15dは、図1に示す如く、車体2の前記アッパクロスメンバ5にボルト・ナット16によって取り付ける。
更にまた、前記ヘッドランプ4の車体取付部15の第5車体取付部15eは、図1に示す如く、車体2の前記アッパクロスメンバ5にクリップ18によって取り付ける。このとき、第5車体取付部15eのクリップ18は位置決めピンとして機能する。
また、前記ヘッドランプ4の車体取付部15の第6車体取付部15fは、図1に示す如く、前記バンパサイドホルダ8にボルト・ナット16によって取り付ける。このとき、第6車体取付部15fのボルト・ナット16は位置決め用として機能する。
これにより、前記ホルダ10を複数の車体取付部14によって前記車体2に固定し、前記バンパ3からの荷重を車体2に伝達可能な形状及び構造とする。
【0014】
追記すれば、前記ホルダ10の一の車体取付部14である第1車体取付部14aと、前記ヘッドランプ4の一の車体取付部15である第1車体取付部15aとを一致させ、共通する前記ボルト・ナット16によって共締めしている。
このとき、一致させる一方の前記ホルダ10の一の車体取付部14である第1車体取付部14aは、ホルダ10の前記内側辺対応部11の上端に位置するとともに、一致させる他方の前記ヘッドランプ4の一の車体取付部15である第1車体取付部15aは、ヘッドランプ4の外周辺部位において、ヘッドランプ4の車両搭載時に内側、つまり車両中心寄りの前記内側辺4aの上端部に位置する。
また、この取付位置では、前記ホルダ10の車体取付部14の第1車体取付部14aと前記ヘッドランプ4の車体取付部15の第1車体取付部15aとをフランジ形状に夫々形成し、図1及び図3に示す如く、前記車体2の構造部材である前記アッパクロスメンバ5上にフランジ形状の前記ホルダ10の車体取付部14の第1車体取付部14aと前記ヘッドランプ4の車体取付部15の第1車体取付部15aとを重ね合わせて載置し、前記ボルト・ナット16によって固定する。
更に、前記ホルダ10の車体取付部14においては、前記第1車体取付部14a以外にも、前記第2車体取付部14bや前記第4車体取付部14dもフランジ形状に形成する一方、前記ヘッドランプ4の車体取付部15においては、前記第1車体取付部15a以外にも、前記第4車体取付部15dや前記第5車体取付部15eもフランジ形状に形成する。
従って、前記ヘッドランプ4のハウジングに掛かる荷重を軽減して、ヘッドランプ4の水密性を確保することができる。
また、前記バンパ3に外力が加わっても、軽微な場合に、前記ヘッドランプ4への影響を低減できる。
【0015】
そして、前記バンパ3方向に突出し曲げ形状を有する前記ホルダ10の両端を上下に離間させて車体2に固定し、この車体2とホルダ10とによって囲まれる空間19内に前記ヘッドランプ4を入れ込むとともに、その空間19内においてヘッドランプ4とホルダ10とを固定する。
つまり、このホルダ10の両端を、互いに上下に離間させるとともに、互いに左右に離間させて配置している。
また、前記ホルダ10の複数の車体取付部14は、両端をそれぞれ前記車体2の構成部材に固定する。
このとき、車体2の構成部材は、前記アッパクロスメンバ5と前記フロントバンパメンパプレート7であり、図1に示す如く、これらの車体2の構成部材に前記ホルダ10の両端、つまり前記車体取付部14の第1車体取付部14a及び第4車体取付部14dを固定する。
そして、アッパクロスメンバ5とフロントバンパメンパプレート7とによって、仮想の縦壁面の面上にのるように縦方向の剛性が高い構造を有する。
この構造において、前記ホルダ10の両端は、アッパクロスメンバ5の取付部位とフロントバンパメンパプレート7の取付部位とに固定、支持される。
更に、前記車体2とホルダ10とによって囲まれる空間19内に前記ヘッドランプ4を入れ込むように配設する。
また、同時に、前記アッパクロスメンバ5とフロントバンパメンパプレート7とによって構成される縦方向の剛性が高い車体構造部材によって、前記車体2及びホルダ10の内側半部が、その下方で堅固に支持される。
そして、バンパ3方向に突出し曲げ形状を有する前記ホルダ10の両端を、仮想の縦壁面の面上にのるように縦方向の剛性が高い構造部材に連結したので、ホルダ10と構造部材とによって閉じた形状を構成し、相互に剛性が高まる。
また、前記ホルダ10の両端を、互いに上下に離間させるとともに、互いに左右に離間させて配置しており、その間を前記曲げ部13を介する形状としたホルダ10であることと、前記アッパクロスメンバ5とフロントバンパメンパプレート7とによって構成される車体構造部材が上部を切り欠いたようなL字状の外縁形状を呈することから、前記ヘッドランプ4(特に内側半部)を収容する前記空間19を設けている。
この空間19において、前記ヘッドランプ4と前記ホルダ10とを固定する。
このとき、前記ヘッドランプ4の下側辺4bと、このヘッドランプ4の下側辺4bに対応する前記ホルダ10の下側辺対応支持部12とにおいて、ヘッドランプ4の下側辺4bに第2車体取付部15bや第3車体取付部15cを設けるとともに、ホルダ10の下側辺対応支持部12に第2車体取付部14bや第3車体取付部14cを設けてあり、前記クリップ17によって前記第2車体取付部14bと第2車体取付部15bとの取付部位と第3車体取付部14cと第3車体取付部15cとの取付部位とを相互に連結している。
前記ホルダ10自体が前記車体2と閉じた形状を有する、高い剛性の支持構造となっているので、前記ヘッドランプ4と相互に連結しても、ヘッドランプ4のハウジングに荷重が過大にかかることはなく、水密性をも確保できる。
そして、前記ヘッドランプ4の大型化、重量増に対しても、支持剛性を確保することができる。
従って、前記ホルダ10によって、前記ヘッドランプ4に掛かる荷重を軽減することができる。
また、相互の隙間を管理する距離が長くなっても、優れた外観を確保することができる。
しかも、前記ホルダ10をヘッドランプ4の内側辺4aとヘッドランプ4の下側辺4bに設定することで、位置合わせが容易となる。
また、前記ホルダ10の取付部の一部をヘッドランプ4に固定することで、さらに位置合わせが容易になり、外観の向上に寄与し得る。
【0016】
前記ホルダ10全体と、取付点およびヘッドランプ4とが、ラジエータグリル一体バンパである前記バンパ3のグリル外枠20およびそれに連続するバンパ意匠面21によって被覆される。
前記取付点は、取付部、つまり前記ホルダ10の車体取付部14である第1〜第4車体取付部14a、14b、14c、14dからなる。
そして、前記ホルダ10全体と、取付点である第1〜第4車体取付部14a、14b、14c、14dおよびヘッドランプ4の一部とが、前記バンパ3のグリル外枠20およびそれに連続するバンパ意匠面21によって被覆される。
前記ホルダ10全体は、前記バンパ3のラジエータの意匠面の一部であるグリル外枠20と、このグリル外枠20と連続するバンパ意匠面21の上部とによって、前記車両1上の前面、および前記ホルダ10と前記ヘッドランプ4との間の面が被覆される。
前記ホルダ10は、ヘッドランプ4の外形、特にレンズ意匠面となる部分から外れた外縁部にオーバーラップしているため、ホルダ10を被覆すると、自動的にヘッドランプ4の外縁の一部を被覆することになる。
また、前記ホルダ10とヘッドランプ4とを共締めした取付部である前記ホルダ10の車体取付部14の第1車体取付部14aと、前記ヘッドランプ4の車体取付部15の第1車体取付部15aとを被覆することになるので、前記バンパ3が外力によって押され移動しても、ヘッドランプ4及びホルダ10にかかる荷重は軽減でき、またヘッドランプ4の脱落もし難くなる。
更に、ヘッドランプ4盗難のような被害も受け難いものである。
そして、前記ヘッドランプ4の他の取付部、つまりヘッドランプ4の車体取付部15の第4〜第6車体取付部15d、15e、15fは、前記車体2側のランプサポートパネルやフロントフェンダパネル9等に固定される。
また、前記フロントフェンダパネル9とは相互の位置を決める位置決め部を有するだけでなく、フロントフェンダパネル9に設けられた前記バンパサイドホルダ8と締結によって固定する。
従って、隙間を小さく抑えるように管理するだけでなく、前記ホルダ10そのものを被覆して見えなくすることにより、外観を向上できる。
また、前記ホルダ10そのものを高剛性とするように大型化しても、外観を損ねることが無いものである。
【0017】
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0018】
例えば、図6に示す如く、前記ヘッドランプ4のレンズ一体構造として、ヘッドランプ4下部の前面部位に車両前方向に突出する位置決め用の突起部22を、ホルダ10に併設するように形成することも可能である。
すなわち、前記ヘッドランプ4下部の前面部位に突起部22を形成し、ヘッドランプ4及びバンパ3の取付時に、突起部22によってバンパ3の位置ズレを規制するものである。
このとき、前記突起部22は、前記ヘッドランプ4下部の前面部位から突出させる際に、板状部材の幅方向を上下方向に合致させるように立設させ、かつ車両幅方向に複数枚、所定間隔を有するように形成する。
さすれば、前記ヘッドランプ4及びバンパ3の取付時には、ヘッドランプ4に形成した突起部22がバンパ3に接触するため、バンパ3の位置ズレを規制することができる。
また、前記突起部22によってバンパ3の位置ズレを規制できることによって、極めて複雑な意匠形状を有するヘッドランプ4であっても、バンパ3とヘッドランプ4との位置合わせが容易となり、取付作業性を向上させることができるとともに、外観(「見栄え」ともいう。)を向上させることができるものである。
【0019】
また、この発明の実施例においては、バンパをラジエータグリル一体バンパとして説明したが、ラジエータグリルのごとき通風開口やルーバ形状を備えていないバンパであっても、L字状の外縁形状を有していれば利用可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 車両
2 車体
3 ラジエータグリル一体バンパ(以下、単に「バンパ」という。)
4 ヘッドランプ
4a 内側辺
4b 下側辺
5 アッパクロスメンバ(あるいは、フードロックメンバでも可能。)
6 ロアクロスメンバ
7 フロントバンパメンパプレート(あるいは、ランプサポートパネルでも可能。)
8 バンパサイドホルダ
9 フロントフェンダパネル
10 ホルダ
11 内側辺対応支持部
12 下側辺対応支持部
13 曲げ部
14 ホルダの車体取付部
14a 第1車体取付部
14b 第2車体取付部
14c 第3車体取付部
14d 第4車体取付部
15 ヘッドランプの車体取付部
15a 第1車体取付部
15b 第2車体取付部
15c 第3車体取付部
15d 第4車体取付部
15e 第5車体取付部
15f 第6車体取付部
16 ボルト・ナット
17 ボンネット
18 クリップ
19 空間
20 バンパのグリル外枠
21 バンパ意匠面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のヘッドランプの外縁の一部に沿うようにバンパを配設し、このバンパの位置決め又は外形形状を保持するホルダを設けた車両前部の艤装部品取付構造において、前記ヘッドランプとは別体に前記ホルダを設け、このホルダを、曲げを有するとともに、前記ヘッドランプの内側辺とヘッドランプの下側辺との2辺を繋ぐ形状とすることを特徴とする車両前部の艤装部品取付構造。
【請求項2】
前記ホルダの一の車体取付部とヘッドランプの一の車体取付部とを一致させる一方、前記ホルダを複数の車体取付部によって車体に固定してバンパからの荷重を車体に伝達可能とすることを特徴とする請求項1に記載の車両前部の艤装部品取付構造。
【請求項3】
前記バンパ方向に突出し曲げ形状を有するホルダの両端を上下に離間させて車体に固定し、この車体とホルダとによって囲まれる空間内にヘッドランプを入れ込むとともに、その空間内においてヘッドランプとホルダとを固定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両前部の艤装部品取付構造。
【請求項4】
前記ホルダ全体と、取付点およびヘッドランプとが、ラジエータグリル一体バンパのグリル外枠およびそれに連続するバンパ意匠面によって被覆されることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の車両前部の艤装部品取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−16386(P2011−16386A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160463(P2009−160463)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】