説明

車両前部構造

【課題】ヘッドライトのレンズに荷重が入力しても、レンズとライトハウジングとの間に隙間が生じ難い車両前部構造を提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明は、車両前部の左右両側に設けられてバンパ構成部材を支持するバンパブラケット2と、車両前部の左右両側に設けられるとともにバンパ構成部材に隣接し、車両前方を照射するヘッドライト3と、を備える車両前部構造であり、ヘッドライト3は、車幅方向の内方で車両の骨格部材に固定されるとともに、車両前方を照射する照射光源32を支持するライトハウジング31と、ライトハウジング31に対して車両前方に配置されるとともに、照射光源32を覆うようにシール部材35aを介してライトハウジング31に結合するレンズ33と、を有し、バンパブラケット2は、ライトハウジング31に固定されるとともに、レンズ33の前面側にも固定されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンパ構成部材やヘッドライトが取り付けられる車両前部構造に関し、特に、バンパ構成部材とヘッドライトのレンズとを支持するバンパブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両前部に取り付けられる部材・部品として、接触・衝突による荷重を吸収するフロントバンパや、外気を車両前部内に導通させるフロントグリルなどのバンパ構成部材が挙げられる。
これらのバンパ構成部材は、バルクヘッドなどの骨格部材に固定されるバンパブラケットに支持されることにより、車両前部に配設される。よって、バンパ構成部材に荷重が入力した場合には、その荷重がバンパ構成部材を支持するバンパブラケットに作用し、バンパ構成部材に入力した荷重が吸収される。
【0003】
ここで、バンパ構成部材を支持するバンパブラケットに関しては、従来から、剛性の強化、荷重の吸収、軽量化など多面的な観点から研究・開発されてきた。
たとえば、下記特許文献によれば、車両前部で隣接して配設されるフロントグリルとヘッドライトが振動により干渉することを防止するため、フロントグリルとヘッドライトとの二つの部品を取り付け可能なバンパブラケットが開示されている。
【0004】
一方で、バンパ構成部材と同様に車両前部に配設される部材・部品として、ヘッドライトが挙げられる。特に、ヘッドライトを構成するレンズは、ヘッドライトの構成部品のうち最も車両前方に配置され、フロントグリルなどに隣接して車両前部に配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−73661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のヘッドライトのレンズは、照射光源を支持するライトハウジングに結合することによって、車両前部に取り付けられており、バンパブラケット等には支持されていなかった。
そのため、レンズに荷重が入力した場合には、その荷重が吸収されることなく結合するライトハウジングに作用してしまい、水が浸入しないように密封して結合しているレンズとライトハウジングとの間に隙間が生じる可能性があった。
【0007】
また、近年では、車両の外観をより良くするため、レンズ前面側に係合可能なライトカバーを設けて、レンズの一部を覆うデザインのヘッドライトが開発されているが、当該ライトカバーについても、レンズに係合しているだけであって、バンパブラケット等には支持されていなかった。
よって、ライトカバーを備えるヘッドライトにおいても、接触・衝突による荷重がライトカバーに入力した場合、荷重が吸収されることなくレンズに作用してしまい、密封して結合しているレンズとライトハウジングとの間に隙間が生じる可能性があった。
【0008】
そこで、本発明は、前記する背景に鑑みて創案された発明であって、ヘッドライトのレンズに荷重が入力しても、レンズとライトハウジングとの間に隙間が生じ難い車両前部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本願発明に係る車両前部構造は、車両前部に配設されるバンパ構成部材と、前記車両前部の左右両側に設けられ、前記バンパ構成部材を支持する一対のバンパブラケットと、前記車両前部の左右両側に設けられるとともに前記バンパ構成部材に隣接し、車両前方を照射する一対のヘッドライトと、を備える車両前部構造であり、 前記ヘッドライトは、車幅方向の内方で車両の骨格部材に固定されるとともに、車両前方を照射する照射光源を支持するライトハウジングと、前記ライトハウジングに対して車両前方に配置されるとともに、前記照射光源を覆うようにシール部材を介して前記ライトハウジングに結合するレンズと、を有し、前記バンパブラケットは、前記ライトハウジングに固定されるとともに、前記レンズの前面側にも固定されることを特徴とする。
【0010】
前記する本願発明の車両前部構造によれば、バンパブラケットがライトハウジングに固定されている。そして、レンズは、車両後方でライトハウジングに結合するとともに、レンズの前面側である車両前方でバンパブラケットに固定される。そのため、レンズをバンパブラケットとライトハウジングとで挟み込む構造となっており、一体化されている。
よって、本発明によれば、たとえ、レンズに荷重が作用したとしても、バンパブラケットとライトハウジングとレンズとが一体となって荷重を吸収することができるため、レンズとライトハウジングとの間に隙間が生じることを抑止し、ヘッドライト内に水が浸入することを回避できる。
【0011】
さらに、前記する本願発明の車両前部構造によれば、バンパブラケットがレンズの前面側に固定される。そのため、車両前方にある障害物等にヘッドライトが接触・衝突した場合、前方側に配置されるバンパブラケットに荷重が入力され、後方側に配置されるレンズに入力する荷重が低減する。
よって、本発明によれば、レンズとライトハウジングとの間に隙間が生じることを抑止して、ヘッドライト内に水が浸入することを抑制できる。
【0012】
また、本願発明に係る車両前部構造は、前記ヘッドライトが、さらに、前記レンズの前面側に設けられるライトカバーを有し、前記バンパブラケットは、前記バンパ構成部材を支持するバンパ支持部と、前記バンパ支持部から前記レンズの前面に延出するとともに、前記レンズの前面に固定されるブラケット延出部と、を有し、前記ブラケット延出部は、前記ライトカバーを車両前方側で支持するのが好ましい。
【0013】
前記する構成によれば、ライトカバーは、レンズの前面に固定されるブラケット延出部に固定されることにより、レンズの前面に配設される。
そのため、ライトカバーが直接レンズの前面に取り付けられることがなく、ライトカバーとレンズとは当接しない構造となる。
よって、本発明によれば、ライトカバーとレンズとが振動により接触し、騒音を生じることを防止できる。
【0014】
また、前記する構成によれば、ライトカバーは、バンパブラケットのブラケット延出部に支持されている。よって、レンズに直接支持される場合に比べて、ライトカバーの取り付け精度が向上し、収容部に配設されるライトカバーとレンズとの見切り精度を向上させることができる。
【0015】
さらに、前記する構成によれば、バンパ構成部材を支持するバンパブラケットがライトカバーも支持する。よって、本発明によれば、ライトカバー専用のブラケットが不要となり、部品点数の増加を防止できるとともに、ライトカバー専用のブラケットの取り付け工数の増加を防止でき、ひいてはコストダウンを図ることができる。
【0016】
また、本発明に係る車両前部構造は、前記バンパ構成部材が、車両前部内に外気を導通可能とするグリルベースに固定されるグリルカバーを含み、前記グリルカバーは、前記車両前部において前記ヘッドライトのライトカバーに隣接しており、前記ライトカバーと前記グリルカバーは、互いに隣接する端部近傍の背面から対向して車両後方に延出する一対の対向延出部が形成されており、前記バンパブラケットは、前記ライトカバーと前記グリルカバーとの背面に形成された前記一対の対向延出部の間に介在して、前記ライトカバーと前記グリルカバーとの端部同士の当接を防止する当接規制部を有していることが好ましい。
【0017】
前記する構成によれば、ライトカバーとグリルカバーの隣接する端部近傍に形成された一対の対向延出部の間に、バンパブラケットから延出する当接規制部が介在するので、ライトカバーとグリルカバーとの端部同士が当接しない。よって、ライトカバーとグリルカバーとが振動により接触し、騒音が生じることを回避できる。
また、本発明によれば、グリルカバーとライトカバーとの一方又は両方が、表面が鍍金塗装されている場合にあっては、接触により塗装面が傷つくことを防止することができる。
【0018】
また、本願発明に係る車両前部構造は、前記バンパ構成部材は、車両前部内に外気を導通可能にするグリルベースに固定されるグリルカバーを含み、前記グリルカバーは、車両前部において前記ヘッドライトのレンズに隣接しており、前記バンパブラケットは、前記グリルカバーを支持することが好ましい。
【0019】
前記する構成によれば、グリルカバーは、グリルベースに固定されるとともに、バンパブラケットによっても支持されるため、支持強度を高めることができる。
また、バンパブラケットは、グリルベースを支持するのみならず、そのグリルベースに車両前部で隣り合うレンズにも固定されているため、隣り合って配置されるレンズとグリルカバーとの相対的な距離関係を保持することができる。よって、本発明によれば、レンズとグリルカバーとの見切り精度を高めることができ、さらに、レンズとグリルカバーとの当接による騒音の防止も図ることができる。
【0020】
また、本発明に係る車両前部構造は、前記バンパ構成部材が、背面に車両後方に延びる前後規制部を有し、前記バンパブラケットは、前記前後規制部に係合して、前記バンパ構成部材における車両前後方向の変位を規制する係合部を有していることが好ましい。
【0021】
前記する構成によれば、バンパ構成部材の前後規制部がバンパブラケットの係合部に係合するため、前後方向に位置ずれすることを回避できる。
また、例えば、バンパ構成部材が、樹脂部材をベースに形成されるとともに、前面側に鍍金塗装されてなる場合、樹脂は鍍金に比べて熱膨張率が高いため、バンパ構成部材が熱された場合に、熱膨張率の高い樹脂部材の両端側が前方に反り返ってしまう可能性がある。
このような場合であっても、本発明によれば、バンパ構成部材の背面側にある前後規制部がバンパブラケットの係合部に係合するため、バンパ構成部材の端部が前方に反りかえることを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
以上、本発明によれば、ヘッドライトのレンズに荷重が入力しても、レンズとライトハウジングとの間に隙間が生じ難い車両前部構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態に係る車両前部構造の外観を示す外観図であり、具体的には、車両前部を左上側から見た斜視図である。
【図2】実施形態に係るヘッドライトとそのヘッドライトに固定されるバンパブラケットを分解した分解斜視図である。
【図3】実施形態に係るバンパブラケットの構成を示す外観図であって、(a)は、バンパブラケットを前方側から見た図であって、(b)は、バンパブラケットを後方側から見た図である。
【図4】実施形態に係るヘッドライトの構成部品とバンパブラケットの取り付け状態を示す図であって、(a)は、ライトハウジングとライトハウジングとの固定状態を抽出した斜視図であり、(b)は、バンパブラケットがレンズの前面に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図5】実施形態に係るヘッドライトの構成部品とバンパブラケットの取り付け状態を示す図であって、(a)は、バンパブラケットとライトハウジングの取付部分を後方から見た図であり、(b)は、バンパブラケットにライトカバーが取り付けられた状態を示した図である。
【図6】実施形態に係るバンパ構成部材のみを抽出し、前方側であって左上部側から見た斜視図である。
【図7】図6に示すバンパ構成部材の一部を背面側から見た背面図である。
【図8】図7に示すバンパ構成部材の破線Bで囲まれた範囲を拡大した拡大図である。
【図9】図8に示すバンパ構成部材が、バンパブラケットに取り付けられた状態を背面側から見た背面図である。
【図10】(a)は、図9に示すバンパ構成部材とバンパブラケットをC―C線で切った場合における断面を示し、(b)は、D―D線で切った場合における断面を示した断面図である。
【図11】(a)は、図9に示すバンパブラケットに取り付けられたバンパ構成部材の一部をさらに下方から見た斜視図であり、(b)は、図1に示す車両前部をA−A線で切った場合における車両前部の断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態に係る車両前部構造について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、実施形態の車両前部構造の説明において、技術的に同一要素であるものについては、同一の符号を付している。
【0025】
(車両V)
実施形態に係る車両Vは、図1に示すように、前部に、車両前方から視認可能なバンパ構成部材4と、表面にライトカバー34が設けられた一対のヘッドライト3、3とを備え、さらに、ライトカバー34の内側に、一対のバンパブラケット2,2を備える構造になっている。
以下において、車両Vの前部を、単に「車両前部1」と称し、また、車両前部1に係る構造を、単に「車両前部構造」と称する。
【0026】
ここで、バンパ構成部材4は、図1に示すように、車両前部1の中央に配設されて、車両前方からの接触・衝突による荷重を緩衝・吸収するとともに、車両前部1内に配置されるエンジンルームに外気を導通させるための部品である。
一方で、ヘッドライト3は、図1に示すように、バンパ構成部材4の左右両側に隣接して配設されて、車両前方を照射するための部品である。
また、一対のバンパブラケット2,2は、ヘッドライト3,3に固定されて、バンパ構成部材4を支持するための部品である。
【0027】
次に、車両前部構造を構成する各部品についての詳細を説明するが、説明の便宜上、最初にヘッドライト3とバンパブラケット2を説明し、次にバンパ構成部材4を説明する。そのほか、本実施形態においては、車両Vの前後方向を単に前後方向と称して説明する。車両Vの車幅方向を単に運転者から見て左右方向として、また、車両Vの高さ方向を単に上下方向と称して説明する。
【0028】
(ヘッドライト3)
ヘッドライト3及びそのヘッドライト3に固定されるバンパブラケット2を分解した分解斜視図を図2に示す。ヘッドライト3は、図2に示すように、ライトハウジング31と、ライトハウジング31に支持される照射光源32と、照射光源32を覆うレンズ33と、バンパブラケット2を介してレンズ33の前面に設けられるライトカバー34とが、車両後方から前方に向かって順に配置されて構成される。なお、図2に図示するヘッドライト3は、左側に配設されるヘッドライト3である。また、右側のヘッドライト3は、左側のヘッドライト3と対称構造であるので説明を省略する。以下の説明において、図2に図示するヘッドライト3を基に、ヘッドライト3の構成の詳細について説明する。
【0029】
(ライトハウジング31)
ライトハウジング31は、図2に示すように、照射光源32を支持するライトハウジング本体35と、そのライトハウジング本体35を他の部品に固定する骨格部材固定部36a、フェンダブラケット固定部36b、バンパブラケット固定部36cとが一体的に形成されてなる部品である。
【0030】
ライトハウジング本体35は、照射光源32を支持するとともに、レンズ33が結合する部分である。よって、ライトハウジング本体35は、照射光源32を支持するための図示しない開口部が形成されているとともに、レンズ33が結合可能な形状に形成されている。また、ライトハウジング本体35は、レンズ33が結合するライトハウジング本体35の周縁に、ライトハウジング31との密接性を高めるためのシール部材35aが貼付けてある。
【0031】
骨格部材固定部36aは、図2に示すように、ライトハウジング本体35の右側周縁の中央部と下部の2箇所から車幅方向の内方に延出し、骨格部材であるバルクヘッドBHに固定可能に形成されてなる部分である。
当該構成によれば、図4(a)に示すように、骨格部材固定部36aをバルクヘッドBHに固定することにより、ライトハウジング31を車両Vに取り付けることが可能となる。
【0032】
フェンダブラケット固定部36bは、ライトハウジング31の上方に位置するフェンダブラケット(不図示)に固定するための部分であって、図2に示すように、ライトハウジング本体35の上部周縁から上方に延出して、図示しないフェンダブラケットに固定可能に形成されている。当該構成によれば、バルクヘッドBHに固定されるライトハウジング31は、さらにフェンダブラケットにも固定されるため、ライトハウジング31をより強固に車両Vに固定することができる。
【0033】
また、バンパブラケット固定部36cは、図2に示すように、レンズ33が結合するライトハウジング本体35の周縁から車幅方向の内方に延出するとともに、前後方向に貫孔する孔が形成されてなる部分である。当該構成によれば、図4(a)に示すように、レンズ33がライトハウジング本体35に結合しても、バンパブラケット固定部36cが露出するため、レンズ33の前方に配設されるバンパブラケット2をライトハウジング31に固定することが可能となる。
【0034】
(照射光源32)
また、照射光源32は、図2に示すように、前方を照射するための部品であり、ライトハウジング31の図示しない開口部に結合して、ライトハウジング31の前面に支持される。
【0035】
(レンズ33)
レンズ33は、図2に示すように、ライトハウジング31に結合するレンズ本体37と、そのレンズ本体37の前面側の中央部であって後方に向かって凹む収容部38と、収容部38内に形成された位置決めピン39aとブラケット固定孔39b、39bとが一体的に形成されてなる部品である。
【0036】
レンズ本体37は、照射光源32から照射される光を透過可能とするため、透明度の高い材料から形成されている。また、レンズ本体37は、背面側が、ライトハウジング31に結合可能な形状に形成されているとともに、ライトハウジング31との結合により照射光源32を内包することができる内部空間が形成されている。
【0037】
収容部38は、図2に示すように、レンズ本体37の前面側にバンパブラケット2とライトカバー34を収容可能とするための凹みであって、バンパブラケット2とライトカバー34とが収容可能な形状となるように形成されている。
【0038】
ブラケット固定孔39b、39bは、図2に示すように、バンパブラケット2を収容部38に固定するために、収容部38の左右両側に形成された二つの孔である。
また、位置決めピン39aは、図2に示すように、収容部38に固定されるバンパブラケット2の位置を決定するために、収容部38の左側に突出形成されたピン状の部分である。なお、ライトカバー34については後述する。
【0039】
(バンパブラケット2)
一対のバンパブラケット2、2は、左右対称な形状を有するように形成されており、車両Vの左右両側であって、図2に示すように、レンズ33の収容部38に配置される。
【0040】
具体的に、バンパブラケット2は、図3に示すように、バンパ構成部材4を支持するバンパ支持部10と、バンパ支持部10の上部から左側(車両外側)に延出するブラケット延出部20とが一体的に形成されてなる部品である。
なお、図3に図示するバンパブラケット2は、車両Vの左側に配置されるバンパブラケット2であり、説明の便宜上、図3に示すバンパブラケット2を基に説明する。
【0041】
バンパ支持部10は、ヘッドライト3のライトハウジング31に固定された場合に、バンパ構成部材4の背面に対向する部分である。そして、バンパ支持部10は、図3に示すように、バンパ支持部本体11と、バンパ支持部本体11の背面から後方に延出する後方延出部12と、バンパ構成部材4を支持するバンパ構成部材固定部13a、13bと、バンパ支持部本体11の上端近傍に形成された当接規制部14と係合部15とを備える。
【0042】
バンパ支持部本体11は、略平板状に形成されており、また、強度向上の観点からリブが形成されてなる。また、バンパ支持部本体11の左側は、レンズ33の収容部38の形状に対応するように形成されており、図4(b)に示すように、レンズ33の収容部38に収容可能になっている。
【0043】
後方延出部12は、図3(b)に示すように、バンパ支持部本体11の背面側から後方に延出して、ライトハウジング31のバンパブラケット固定部36cにビス止め可能に形成されてなる部分である。
【0044】
バンパ構成部材固定部13a、13bは、図3に示すように、バンパ支持部本体11の上部と下部に形成された孔であって、バンパ構成部材4をバンパブラケット2に取り付けるための部分である。なお、バンパ構成部材固定部13aは、バンパ支持部本体11の下部側に形成された孔であり、また、バンパ構成部材固定部13bは、バンパ支持部本体11の上部側に形成された孔である。
【0045】
当接規制部14は、図3に示すように、バンパ支持部本体11の表面側の右上部から前方に延出してなる部分である。また、当接規制部14は、バンパブラケット2が支持するライトカバー34とそのライトカバー34に隣接するバンパ構成部材4との間に向かって延出するように形成されている(図11(b)参照)。
【0046】
係合部15は、図3に示すように、バンパ支持部本体11の左上端から、後方に向かって突出してなる部分である。
【0047】
ブラケット延出部20は、図3に示すように、レンズ33の収容部38に収容されるブラケット延出部本体21と、ブラケット延出部本体21に形成された孔である位置決め孔22とレンズ固定孔23と、ブラケット延出部本体21の前面から前方に延出する固定爪24とを備える。
【0048】
ブラケット延出部本体21は、バンパブラケット2がライトハウジング31に固定された場合に、レンズ33の収容部38に収容する部分であって、バンパ支持部本体11の上部から左側に延出して、レンズ33の収容部38に収容可能な形状に形成されている。なお、ブラケット延出部本体21は、強度の向上の観点から、リブが形成されている。
【0049】
位置決め孔22は、図3に示すように、ブラケット延出部本体21に形成された孔であって、ブラケット延出部本体21がレンズ33の収容部38に収容された場合、収容部38に形成された位置決めピン39aに対応するように形成されている。
これによって、レンズ33の収容部38に収容されるブラケット延出部本体21の取り付け位置を容易に決定することができるとともに、レンズ33とブラケット延出部本体21との見切りの精度も向上させることができる。
【0050】
レンズ固定孔23は、図3に示すように、ブラケット延出部本体21に形成された2つの孔であって、レンズ33の収容部38に形成されたブラケット固定孔39b、39bに対応するように形成されている。これにより、ブラケット延出部本体21の前方から、ビスをレンズ固定孔23に挿通させてブラケット固定孔39bに固定することにより、ブラケット延出部本体21をレンズ33の収容部38に固定することができる。
【0051】
固定爪24は、図3(a)に示すように、ライトカバー34を取り付けるための部分であって、ブラケット延出部本体21の前面から前方に延出するとともに、その延出する端部に爪が形成された形状となっている。
【0052】
(ライトカバー34)
次に、ライトカバー34について説明する。ライトカバー34は、図1に示すように、レンズ33の前面側に取り付けられる意匠的部品であって、樹脂材料をレンズ33の収容部38に収容可能な形状に成形してなる部品である。
また、ライトカバー34は、表面側に鍍金塗装されているとともに、背面側に固定爪24に係合可能なバンパブラケット係合部(不図示)が形成されている。
【0053】
さらに、ライトカバー34は、図2に示すように、背面側であって、後述するグリルカバー50が隣接する右下端の近傍に、後方に向かって延出するライトカバー延出部34aを備える。
このライトカバー延出部34aは、ライトカバー34をバンパブラケット2に取り付けた場合、バンパブラケット2の当接規制部14の上方側に位置して、当接規制部14に上下方向で対向するように形成されている(図11(b)参照)。
これによれば、振動によりライトカバー34が上下方向に移動したとしても、ライトカバー延出部34aがバンパブラケット2の当接規制部14に当接して、ライトカバー34の下方への移動が規制される。
【0054】
以上、ヘッドライト3の構成部品とバンパブラケット2の構成について説明したが、次にヘッドライト3の構成部品とバンパブラケット2との取り付け構造について説明する。
【0055】
ヘッドライト3の構成部品であるライトハウジング31は、図4(a)に示すように、骨格部材固定部36aが車両Vの内方にあるバルクヘッドBHに固定され、車両Vに取り付けられている。また、ライトハウジング31は、フェンダブラケット固定部36bが、図示しないフェンダブラケットに固定され、より強固に車両Vに取り付けられている。
【0056】
ヘッドライト3の構成部品であるレンズ33は、図4(a)に示すように、レンズ本体37の背面側がシール部材35aを介してライトハウジング31に結合し、収容部38が形成されたレンズ本体37の前面が前方を向くように車両Vに取り付けられている。
【0057】
バンパブラケット2は、図4(b)に示すように、ブラケット延出部20がレンズ33の収容部38に収容されるように配置されている。そして、図示しないビスが車両前方からブラケット延出部20のレンズ固定孔23を挿通して、レンズ33のブラケット固定孔39bに固定されて、バンパブラケット2がレンズ33の前面側に固定されている。
一方で、バンパブラケット2は、図5(a)に示すように、背面側で、後方延出部12がライトハウジング31のバンパブラケット固定部36cにビス止めされて、ライトハウジング31に固定されている。
【0058】
そして、ヘッドライト3の構成部品であるライトカバー34は、バンパブラケット2の固定爪24に係合するように取り付けられて、図5(b)に示すように、レンズ33の前面に配設される。
なお、本実施形態のヘッドライト3とバンパブラケット2によれば、図5(b)に示すように、ライトカバー34の取り付けにより、バンパブラケット2のブラケット延出部20が覆われるものの、バンパブラケット2のバンパ支持部10の方は露出しており、後述するバンパ構成部材4の取り付けが可能となる。
【0059】
(バンパ構成部材4)
次に、バンパ構成部材4について説明する。バンパ構成部材4は、図6に示すように、グリルベース40と、そのグリルベース40の前面に取り付けられるとともに車両前部1においてヘッドライト3のライトカバー34に隣接(図1参照)するグリルカバー50と、グリルベース40の下部に取り付けられるフロントバンパ70と、グリルベース40の上部に取り付けられるアッパブラケット80との各部品が組み合わされて一体的になっている。
【0060】
(グリルベース40)
グリルベース40は、図7及び図8に示すように、グリルベース本体41と、グリルベース本体41の下部側に形成された開口部42と、グリルベース本体41に形成されたビス止め孔43と、グリルベース本体41の下部側に形成されたクリップ孔44と、グリルベース本体41の背面の左右両側に形成された第1突出部46とが一体的に形成されてなる部品である。
【0061】
グリルベース本体41は、図7に示すように、略平板状であるとともに、剛性強化の観点から背面側にリブが形成されてなる。
【0062】
また、開口部42は、図6及び図7に示すように、グリルベース本体41の下部側に形成された開口であり、グリルベース40の背面側に位置するエンジンルームに外気を導入するための部分である。
【0063】
ビス止め孔43は、図7に示すように、グリルベース40に、グリルカバー50とアッパブラケット80とを固定するため、グリルベース本体41の所定の箇所に形成された孔である。
これによって、図6及び図7に示すように、グリルベース本体41の前面上部側にグリルカバー50を、また、グリルベース本体41の上部側にアッパブラケット80をビス止めにより固定することができる。
【0064】
クリップ孔44は、図7に示すように、グリルベース本体41の下部側であって、左右方向に延びるように形成された孔であり、フロントバンパ70の背面上部側に形成されたクリップ爪71が挿入して係合可能に形成されてなる部分である。
【0065】
第1突出部46は、図8に示すようにグリルベース本体41の背面の左右両側から後方に向かって突出する部分である。そして、第1突出部46は、グリルベース40がバンパブラケット2に取り付けられた場合、バンパブラケット2のバンパ構成部材固定部13a(図3参照)に挿入して係合可能な形状に形成されている(図10(b)参照)。これにより、グリルベース40をバンパブラケット2に取り付けることが可能となる。
【0066】
(グリルカバー50)
グリルカバー50は、図6〜図8(主に図8)に示すように、グリルベース40の前面上部側に取り付けられる部品であって、略平板状に形成された平板部51と、平板部51の背面側の周縁に形成された複数の穴である穴部51a(図10(b)参照)と、平板部51の背面の左右両側に、前後規制部54と、グリルカバー延出部55と、後方に向かって突出する第2突出部56とが一体的に形成されてなる。
【0067】
平板部51は、樹脂部材を所定の形状に成型してなり、また、前面側が外観形状を良くするために鍍金が塗装されている。
【0068】
また、穴部51aは、平板部51の背面側に形成された穴であって、グリルベース40のビス止め孔43に対応するように形成されている。これにより、グリルベース40の背面側から、ビスをグリルベース40のビス止め孔43を挿通させて、この穴部51aに固定することにより(図10(b)参照)、グリルカバー50をグリルベース40の前面に固定することが可能となる。
【0069】
前後規制部54は、図8に示すように、平板部51の背面であって左右両側の上部から後方に延出する部分である。そして、前後規制部54は、グリルベース40がバンパブラケット2に取り付けられた場合に、バンパブラケット2の係合部15(図3参照)に係合可能なように、上下方向に開口する開口部が形成されている。
これによれば、図11(a)に示すように、前後規制部54がバンパブラケット2の係合部15に上下方向に係合するため、グリルカバー50の左右両側の前後方向における移動を抑止できる。
【0070】
グリルカバー延出部55は、図8に示すように、平板部51の背面であって、ライトカバー34に隣接する左右両側の上端辺近傍から後方に延出してなる部分である。そして、グリルカバー延出部55は、図11(b)に示すように、グリルベース40がバンパブラケット2に取り付けられた場合に、バンパブラケット2の当接規制部14の下方側に位置して、当接規制部14に上下方向で対向するように形成されている。
これによれば、振動によりグリルカバー50が上方に移動したとしても、グリルカバー50のグリルカバー延出部55が上方に位置するバンパブラケット2の当接規制部14に当接して、グリルカバー50の上方への移動が規制される。
【0071】
第2突出部56は、図8に示すように、平板部51の背面側から後方に向かって突出する部分である。そして、第2突出部56は、グリルベース40がバンパブラケット2に取り付けられた場合、バンパブラケット2のバンパ構成部材固定部13b(図3参照)に挿入して係合可能な形状に形成されている(図10(a)参照)。これにより、グリルカバー50をバンパブラケット2に取り付けることが可能となる。
【0072】
(フロントバンパ70)
フロントバンパ70は、図6に示すように、車両前部1の下部部分を覆うための部品であって、所定の形状に形成されている。また、フロントバンパ70は、図7に示すように、背面の上部側には、グリルベース40のクリップ孔44に挿入して係合するクリップ爪71が形成されている。
【0073】
アッパブラケット80は、上方に配設されるグリルを支持するための部材であって、グリルを支持可能な形状に形成されている。また、アッパブラケット80は、底面側にグリルベース40に固定するための図示しない固定孔が形成されている。なお、本実施形態のグリルは、フードに取り付けられており、フードの開閉に伴って、グリルも上下に移動するように構成されている。
【0074】
なお、バンパ構成部材4を構成する部品において、グリルベース40とグリルカバー50とフロントバンパ70とアッパブラケット80とは、樹脂部材を所定の形状に成形してなり、また、グリルカバー50の車両前方側である前面には鍍金が塗装されている。
【0075】
以上、バンパ構成部材4を構成する各部品について説明したが、次にバンパ構成部材4を構成する各部品同士の組み合わせについて説明する。
【0076】
まず、グリルカバー50は、背面側に形成された穴部51aに、グリルベース40の背面側から、グリルベース40のビス止め孔43を挿通するビスが固定され、グリルベース40の前面上部側に固定される(図10(b)参照)。
【0077】
フロントバンパ70は、図7に示すように、クリップ爪71がグリルベース40のクリップ孔44に挿通されて係合し、グリルベース40の下方に取り付けられる。
また、アッパブラケット80は、グリルベース40の背面側から、グリルベース40のビス止め孔43を挿通するビスが、アッパブラケット80の図示しない固定孔に固定して、グリルベース40の上部側に固定される。
【0078】
以上、前述する取り付け構造によれば、図6に示すように、バンパ構成部材4を構成する各部品は一体となる。次に、バンパ構成部材4のバンパブラケット2に対する取り付け構造を説明する。
【0079】
バンパ構成部材4は、図8に示すように、背面の左右両側であって、下部側に、グリルベース40の第1突出部46を備え、上部側に、グリルカバー50の第2突出部56を備える。
【0080】
そして、図9に示すように、この下部側の第1突出部46が、バンパブラケット2のバンパ構成部材固定部13aに挿入して結合している。ここで、図10(b)に示すように、バンパ構成部材固定部13aに、第1突出部46がしっかりと係合しており、グリルベース40とバンパブラケット2との結合は、強固なものとなっている。
【0081】
一方で、図9に示すように、上部側の第2突出部56が、バンパブラケット2のバンパ構成部材固定部13aに挿入して結合している。そして、図10(a)に示すように、バンパ構成部材固定部13bに、第2突出部56がしっかりと係合しており、グリルカバー50とバンパブラケット2との結合についても、強固なものとなっている。
以上する結合により、バンパ構成部材4は、図1に示すように、バンパブラケット2に支持されて、車両前部1に配設されることとなる。
【0082】
また、バンパブラケット2にバンパ構成部材4を取り付けることにより、図11(a)に示すように、グリルカバー50の前後規制部54がバンパブラケット2の係合部15に係合する。
【0083】
さらに、バンパブラケット2にバンパ構成部材4を取り付けることにより、図1に示すように、ライトカバー34とグリルカバー50とが隣接して配設される。そして、隣接するライトカバー34とグリルカバー50の内側では、図11(b)に示すように、ライトカバー34のライトカバー延出部34aと、グリルカバー50のグリルカバー延出部55とが対向している。
【0084】
以上、実施形態の車両前部構造について説明したが、この車両前部構造によれば、バンパブラケット2が、レンズ33の前面側に固定しているとともに、レンズ33の背面側に位置するライトハウジング31にも固定している。つまり、レンズ33をライトハウジング31とバンパブラケット2で挟み込むサンドイッチ構造となっており、レンズ33とバンパブラケット2とライトハウジング31とが一体化している。
よって、バンパブラケット2とライトハウジング31が、レンズ33に入力された荷重を吸収することができ、レンズ33とライトハウジング31との間に隙間が生じることを抑止し、ヘッドライト3内に水が浸入する可能性が低減される。
【0085】
また、実施形態の車両前部構造によれば、図2に示すように、レンズ33の前面側には、従来のヘッドライト3にはなかったバンパブラケット2が配設されている。そのため、ヘッドライト3が車両前方から接触・衝突した場合、前方側に配置されるバンパブラケット2に接触・衝突による荷重が入力して吸収されるため、レンズ33に入力する荷重が低減する。
よって、ヘッドライト3が車両前方から接触・衝突したとしても、バンパブラケット2が荷重を吸収するため、レンズ33とライトハウジング31との間に隙間が生じることを抑止して、ヘッドライト3内に水が浸入する可能性が低減される。
【0086】
また、実施形態の車両前部構造は、ライトカバー34が、図5(b)に示すように、ブラケット延出部20に取り付けられている。
よって、実施形態の車両前部構造によれば、ライトカバー34がレンズ33に直接取り付けられ、振動によりライトカバー34とレンズ33とが接触して騒音を生じるという事態を回避できる。
さらに、実施形態の車両前部構造によれば、ライトカバー34をレンズ33に直接取り付けた場合に比べて、ライトカバー34の取り付け精度を向上させることができるとともに、収容部38に配設されるライトカバー34とレンズ33との見切り精度を向上させることができる。
【0087】
また、実施形態の車両前部構造によれば、図2に示すように、バンパブラケット2は、バンパ構成部材4を支持するバンパ支持部10と、ライトカバー34を支持するブラケット延出部20とが一体的になっている。
よって、ライトカバー34専用のブラケットは不要になり、部品点数の増加を防止できる。また、併せて、ライトカバー34専用のブラケットの取り付け工数の増加も防止でき、ひいてはコストダウンを図ることが可能である。
【0088】
また、実施形態の車両前部構造によれば、グリルカバー50は、グリルベース40に固定されているとともに、バンパブラケット2にも支持されている。よって、グリルカバー50の支持強度が高めることができる。
さらに、グリルカバー50を支持するバンパブラケット2は、グリルカバー50に隣接するレンズ33に固定されているため、隣り合って配置されるレンズ33とグリルカバー50との相対的な距離関係を保持することができる。
よって、レンズ33とグリルカバー50との見切り精度を高めることができ、さらに、レンズ33とグリルカバー50との当接による騒音の防止も図ることができる
【0089】
また、実施形態のグリルカバー50は、樹脂部材の前面側に鍍金塗装されている。ここで、樹脂は鍍金に比べて熱膨張率が高いため、グリルカバー50が熱された場合、熱膨張率の高い樹脂部材の両端が前方に反り返ってしまう可能性がある。
しかしながら、実施形態のグリルカバー50において、図11(a)に示すように、前後規制部54がバンパブラケット2の係合部15に係合しているため、グリルカバー50の両端部が前方変位することが規制されている。
よって、実施形態の車両前部構造によれば、グリルカバー50が熱せられた場合であっても、グリルカバー50の両端部が前方に反り返ることを防止できる。
【0090】
また、実施形態の車両前部構造によれば、図11(b)に示すように、バンパブラケット2は、対向するライトカバー延出部34aとグリルカバー延出部55との間に介在する当接規制部14を備えている。
よって、バンパブラケット2の当接規制部14が、ライトカバー34又はグリルカバー50が接触する方向に移動したとしても、ライトカバー延出部34a又はグリルカバー延出部55がバンパブラケット2の当接規制部14に当接するため、ライトカバー34とグリルカバー50との接触による騒音を回避できる。
また、グリルカバー50とライトカバー34は、表面が鍍金塗装されているが、接触により塗装面が傷つくことを防止することができる。
【0091】
なお、本発明の実施形態に係る車両前部構造について説明したが、本発明は実施形態に係る車両前部構造に限るものでなく、車両Vの構造によって、適宜変形させてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 車両前部
2 バンパブラケット
3 ヘッドライト
4 バンパ構成部材
10 バンパ支持部
20 ブラケット延出部
31 ライトハウジング
32 照射光源
33 レンズ
34 ライトカバー
40 グリルベース
50 グリルカバー
70 フロントバンパ
80 アッパブラケット
BH バルクヘッド(骨格部材)
V 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前部に配設されるバンパ構成部材と、
前記車両前部の左右両側に設けられ、前記バンパ構成部材を支持する一対のバンパブラケットと、
前記車両前部の左右両側に設けられるとともに前記バンパ構成部材に隣接し、車両前方を照射する一対のヘッドライトと、を備える車両前部構造であり、
前記ヘッドライトは、
車幅方向の内方で車両の骨格部材に固定されるとともに、車両前方を照射する照射光源を支持するライトハウジングと、
前記ライトハウジングに対して車両前方に配置されるとともに、前記照射光源を覆うようにシール部材を介して前記ライトハウジングに結合するレンズと、を有し、
前記バンパブラケットは、前記ライトハウジングに固定されるとともに、前記レンズの前面側にも固定されることを特徴とする車両前部構造。
【請求項2】
前記ヘッドライトは、さらに、前記レンズの前面側に設けられるライトカバーを有し、
前記バンパブラケットは、
前記バンパ構成部材を支持するバンパ支持部と、
前記バンパ支持部から前記レンズの前面に延出するとともに、前記レンズの前面に固定されるブラケット延出部と、を有し、
前記ブラケット延出部は、
前記ライトカバーを車両前方側で支持することを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。
【請求項3】
前記バンパ構成部材は、車両前部内に外気を導通可能とするグリルベースに固定されるグリルカバーを含み、
前記グリルカバーは、前記車両前部において前記ヘッドライトのライトカバーに隣接しており、
前記ライトカバーと前記グリルカバーには、互いに隣接する端部近傍の背面から対向して車両後方に延出する一対の対向延出部が形成されており、
前記バンパブラケットは、前記ライトカバーと前記グリルカバーとの背面に形成された前記一対の対向延出部の間に介在して、前記ライトカバーと前記グリルカバーとの端部同士の当接を防止する当接規制部を有していることを特徴とする請求項2に記載の車両前部構造。
【請求項4】
前記バンパ構成部材は、車両前部内に外気を導通可能にするグリルベースに固定されるグリルカバーを含み、
前記グリルカバーは、車両前部において前記ヘッドライトのレンズに隣接しており、
前記バンパブラケットは、前記グリルカバーを支持することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両前部構造。
【請求項5】
前記バンパ構成部材は、背面に車両後方に延びる前後規制部を有し、
前記バンパブラケットは、前記前後規制部に係合して、前記バンパ構成部材における車両前後方向の変位を規制する係合部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車両前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−52700(P2013−52700A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190286(P2011−190286)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)