説明

車両前部構造

【課題】フロントサイドメンバの変形ストロークを確保することができる車両前部構造を提供することが目的である。
【解決手段】車両前部構造10は、車両前部に形成されたモータルーム26内に収容され、駆動軸34が前輪56,62に連結されたドライブシャフト54,60と同軸上に配置された前輪駆動用のモータユニット12と、モータユニット12の車両後側に一体に取り付けられた空気コンプレッサ14と、モータユニット12の車両幅方向外側に配置されると共に、車両前後方向に延在されたフロントサイドメンバ16と、モータユニット12の車両上側に配置され、車両幅方向に延在されてフロントサイドメンバ16と結合されたクロスメンバ18と、クロスメンバ18の車両上側に配置され、モータユニット12に電力を供給するインバータ20と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両前部に形成されたモータルーム内に収容された車両駆動用のモータと、このモータの車両前側に一体に取り付けられた空気コンプレッサとを備えたモータルーム内部品搭載構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−219020号公報
【特許文献2】特開2005−112240号公報
【特許文献3】特開2002−274194号公報
【特許文献4】特開2010−274912号公報
【特許文献5】特開2004−314803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のモータルーム内部品搭載構造では、空気コンプレッサがモータの車両前側に一体に取り付けられている。このため、車両に前面衝突が生じた場合には、例えば、この空気コンプレッサの車両前側に配置されたラジエータ等の部材が空気コンプレッサと干渉し、フロントサイドメンバの変形ストロークを確保できない可能性がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、フロントサイドメンバの変形ストロークを確保することができる車両前部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両前部構造は、車両前部に形成されたモータルーム内に収容され、駆動軸が前輪に連結されたドライブシャフトと同軸上に配置された前輪駆動用のモータユニットと、前記モータユニットの車両後側に一体に取り付けられた空気コンプレッサと、前記モータユニットの車両幅方向外側に配置されると共に、車両前後方向に延在されたフロントサイドメンバと、前記モータユニットの車両上側に配置され、車両幅方向に延在されて前記フロントサイドメンバと結合されたクロスメンバと、前記クロスメンバの車両上側に配置され、前記モータユニットに電力を供給するインバータと、を備えている。
【0007】
この車両前部構造によれば、前輪駆動用のモータユニットは、駆動軸がドライブシャフトと同軸上に配置された、所謂、単軸化された構成とされている。そして、このようにモータユニットが単軸化されることで、このモータユニットの車両後側にスペースが確保されており、このスペースに空気コンプレッサが配置されている。従って、例えば、モータユニットの車両前側にラジエータ等の部材が配置されていても、空気コンプレッサがモータユニットよりも先にこの部材と干渉することを回避しつつ、フロントサイドメンバの変形ストロークを確保することができる。
【0008】
請求項2に記載の車両前部構造は、請求項1に記載の車両前部構造において、前記モータユニットの車両後側に配置されると共に、車両幅方向に延びてサスペンションメンバの後部を構成するサスペンションメンバリアと、車両前後方向に延びて前記モータユニットと前記サスペンションメンバリアとを連結すると共に、車両前後方向中間部に折れ曲がり変形の起点となる折れ部を有するトルクロッドと、を備えている。
【0009】
この車両前部構造によれば、モータユニットとサスペンションメンバリアとは、車両前後方向に延びるトルクロッドにより連結されており、このトルクロッドは、車両前後方向中間部に折れ曲がり変形の起点となる折れ部を有している。従って、車両に前面衝突が生じた場合には、トルクロッドが折れ部を起点として折れ曲がり変形するので、これにより、車両前面衝突時の衝撃を吸収することができる。
【0010】
また、このトルクロッドは、モータユニットが単軸化されることでモータユニットの車両後側に確保されたスペースに配置されているので、車両前後方向の長さが十分に確保される。これにより、車両前面衝突時の衝撃をより効率良く吸収することができる。
【0011】
請求項3に記載の車両前部構造は、請求項2に記載の車両前部構造において、前記フロントサイドメンバが、車両前後方向に延び前記クロスメンバが結合された第一水平部と、前記第一水平部の車両後側に形成され車両後側に向かうに従って車両下側に向かうように傾斜する傾斜部と、前記傾斜部の車両後側に形成され車両前後方向に延びる第二水平部とを有し、前記モータユニットが、前記クロスメンバに固定され、前記サスペンションメンバリアが、前記第二水平部に固定された構成とされている。
【0012】
この車両前部構造によれば、モータユニットがフロントサイドメンバにおける第一水平部に結合されたクロスメンバに固定されると共に、サスペンションメンバリアがフロントサイドメンバにおける第二水平部に固定されることで、トルクロッドの長さがより長く確保されている。従って、車両前面衝突時の衝撃吸収性能を向上させることができる。
【0013】
請求項4に記載の車両前部構造は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両前部構造において、前記インバータの車両前後方向の配置位置が、前記クロスメンバの前端部と後端部との間とされた構成とされている。
【0014】
この車両前部構造によれば、インバータの車両前後方向の配置位置は、クロスメンバの前端部と後端部との間とされている。従って、インバータがクロスメンバの体格内に納められているので、車両に前面衝突が生じた場合でも、高電圧部品であるインバータをクロスメンバにより保護することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上詳述したように、本発明によれば、フロントサイドメンバの変形ストロークを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両前部構造の側面図である。
【図2】図1に示されるモータユニット及びその周辺部の斜視図である。
【図3】図1に示されるトルクロッドの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0018】
なお、各図において示される矢印UP、矢印FR、矢印OUTは、車両上下方向上側、車両前後方向前側、車両幅方向外側(右側)をそれぞれ示している。
【0019】
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る車両前部構造10は、モータユニット12と、空気コンプレッサ14と、フロントサイドメンバ16と、クロスメンバ18と、インバータ20と、サスペンションメンバ22と、トルクロッド24とを備えている。
【0020】
モータユニット12は、前輪駆動用であり、車両前部に形成されたモータルーム26内に収容されている。このモータユニット12は、図2に示されるように、モータ28と、トランスアクスル30と、モータ28を収容しトランスアクスル30と一体化されたモータケース32とを備えている。モータ28は、車両幅方向を軸方向として配置された駆動軸34を有している。
【0021】
トランスアクスル30は、太陽歯車36、ピニオンギア38、内歯歯車40、遊星歯車42、及び、ディファレンシャルギア44を備えている。太陽歯車36は、駆動軸34における軸方向中間部に設けられており、ピニオンギア38は、太陽歯車36と噛合されている。このピニオンギア38は、駆動軸34と平行に設けられた公転軸46の一端部に設けられており、この駆動軸34及び公転軸46は、内歯歯車40の内側に挿通されている。
【0022】
内歯歯車40は、駆動軸34と同軸上に配置されており、公転軸46の軸方向中間部に設けられた遊星歯車42と噛合されている。ディファレンシャルギア44は、三つのピニオンギア48,50,52を備えており、ピニオンギア48は、駆動軸34の一端部に設けられ、ピニオンギア50は、一方のドライブシャフト54の一端部に設けられている。ドライブシャフト54は、駆動軸34と同軸上に配置されており、一方の前輪56と連結されている。
【0023】
公転軸46の他端部には、駆動軸34の延長線と交差するように折り曲げられた折曲部58が形成されており、ピニオンギア52は、この折曲部58の先端部に固定されている。そして、このピニオンギア52は、ピニオンギア48,50とそれぞれ噛合されている。また、駆動軸34の他端部には、この駆動軸34と同軸上に配置された他方のドライブシャフト60が一体に形成されており、このドライブシャフト60は、他方の前輪62と連結されている。このように、上述のモータユニット12は、駆動軸34がドライブシャフト54,60と同軸上に配置された、所謂、単軸化された構成とされている。
【0024】
また、図1に示されるように、このモータユニット12は、後述のクロスメンバ18にモータマウント64を介して固定されている。このモータマウント64は、より具体的には、モータユニット12に固定されたマウント本体66と、このマウント本体66に支持されたゴム製のブッシュ68と、このブッシュ68とクロスメンバ18とを連結するブラケット70とを備えている。
【0025】
また、モータユニット12の車両前側には、ラジエータ72(クーリングモジュール)が配置されている。このラジエータ72は、フロントサイドメンバ16(第一水平部74)や、後述するサスペンションメンバフロント80よりも車両前側に配置されている。このラジエータ72は、車両前後方向を厚み方向として車両上下方向及び車両幅方向に延びる扁平箱状に形成されている。
【0026】
このラジエータ72の下端部72Aの車両上下方向の配置位置は、モータユニット12の上端部12Aと下端部12Bとの間とされており、このラジエータ72の上端部72Bの車両上下方向の配置位置は、インバータ20の上端部20Aよりも車両上側とされている。
【0027】
空気コンプレッサ14は、図示しない空調ユニットの本体部に圧縮空気を供給するためのものであり、モータユニット12の車両後側に一体に取り付けられている。なお、この空気コンプレッサ14は、図示しない燃料電池に圧縮空気を供給するためのものでも良い。
【0028】
フロントサイドメンバ16は、モータユニット12の車両幅方向外側に配置されており、車両前後方向に延在されている。なお、図1では、片側のフロントサイドメンバ16のみが図示されているが、フロントサイドメンバ16は、モータユニット12の車両幅方向両側にそれぞれ配置されている。
【0029】
このフロントサイドメンバ16は、車両前後方向に延びる第一水平部74と、第一水平部74の車両後側に形成され車両後側に向かうに従って車両下側に向かうように傾斜する傾斜部76と、傾斜部76の車両後側に形成され車両前後方向に延びる第二水平部78とを有している。
【0030】
クロスメンバ18は、モータユニット12の車両上側に配置されており、車両幅方向に延在されている。このクロスメンバ18の車両幅方向外側の端部は、第一水平部74の後部と結合されている。このクロスメンバ18の車両上側には、モータユニット12(モータ28)に電力を供給する高電圧部品とされたインバータ20が配置されている。
【0031】
クロスメンバ18の車両前後方向の配置位置は、モータユニット12の前端部12Cと後端部12Dとの間とされており、インバータ20の車両前後方向の配置位置は、クロスメンバ18の前端部18Aと後端部18Bとの間とされている。つまり、クロスメンバ18における車両前後方向の全体は、モータユニット12における前端部12Cと後端部12Dとの間の中間部分と車両前後方向にオーバラップされている。一方、インバータ20における車両前後方向の全体は、クロスメンバ18における前端部18Aと後端部18Bとの間の中間部分と車両前後方向にオーバラップされている。
【0032】
なお、図1において、長さL1は、インバータ20における車両前後方向の全長を示しており、長さL2は、クロスメンバ18における車両前後方向の全長を示している。また、長さL3は、モータユニット12における車両前後方向の全長を示している。長さL3は、長さL2よりも長く、長さL2は、長さL1よりも長くなっている(L1<L2<L3)。
【0033】
サスペンションメンバ22は、フロントサイドメンバ16の車両下側に配置されている。このサスペンションメンバ22は、車両幅方向に延びてサスペンションメンバ22の前部を構成するサスペンションメンバフロント80と、車両前後方向に延びてサスペンションメンバ22の側部を構成するサスペンションメンバサイドレール82と、車両幅方向に延びてサスペンションメンバ22の後部を構成するサスペンションメンバリア84とを備えている。
【0034】
サスペンションメンバフロント80は、モータユニット12の下部の車両前側に配置されており、サスペンションメンバサイドレール82は、モータユニット12の下部の車両幅方向外側に配置されている。なお、図1では、片側のサスペンションメンバサイドレール82のみが図示されているが、サスペンションメンバサイドレール82は、サスペンションメンバ22の両側の側部にそれぞれ備えられている。
【0035】
サスペンションメンバリア84は、モータユニット12の下部の車両後側に配置されており、上壁部86、下壁部88、及び、後壁部90を有する断面C字状に形成されている。
【0036】
また、サスペンションメンバフロント80における車両幅方向外側の端部は、車両上下方向に延びるブラケット92を介して第一水平部74の車両前後方向中間部に固定されており、サスペンションメンバリア84における車両幅方向外側の端部は、車両上下方向に延びるブラケット94を介して第二水平部78の車両前後方向中間部に固定されている。このサスペンションメンバリア84の車両後側には、車両上下方向に延びてモータルーム26と車室27とを区画するダッシュパネル91が配置されている。
【0037】
また、サスペンションメンバサイドレール82の後部よりも車両前側の部分は、車両前後方向に延びる水平部96とされており、サスペンションメンバサイドレール82の後部は、車両後側に向かうに従って車両上側に向かうように傾斜する傾斜部98とされている。そして、この傾斜部98の傾斜に対応してサスペンションメンバリア84も傾斜されており、これにより、サスペンションメンバリア84の車両前側の開口部100は、車両前側且つ車両下側に向けて開口されている。
【0038】
トルクロッド24は、車両前後方向に延びており、モータユニット12とサスペンションメンバリア84とを連結している。このトルクロッド24の前部24Aは、ゴム製のブッシュ102及びブラケット104を介してモータユニット12の後面下端部に固定されており、このトルクロッド24の後部24Bは、ゴム製のブッシュ106及び軸部108を介してサスペンションメンバリア84に固定されている。トルクロッド24の後部24Bは、開口部100を通じてサスペンションメンバリア84の内側に収容されており、軸部108の軸方向両端部は、上壁部86及び下壁部88にそれぞれ固定されている。
【0039】
また、このトルクロッド24における車両前後方向中間部には、上述のサスペンションメンバサイドレール82における水平部96と傾斜部98との間の屈曲部110に対応して折れ部112が形成されている。この折れ部112は、車両前側からトルクロッド24に衝突荷重が入力された場合にトルクロッド24の車両下側への折れ曲がり変形の起点となるものであり、車両下側に凸を成すように屈曲されている。
【0040】
このトルクロッド24における折れ部112よりも車両前側の部分は、車両前後方向に延びる水平部114とされており、このトルクロッド24における折れ部112よりも車両後側の部分は、車両後側に向かうに従って車両上側に向かう傾斜部116とされている。また、このトルクロッド24における前部24Aと後部24Bとの間の本体部24Cは、図3に示されるように、車両幅方向に対向する一対の側壁部118,120と、この一対の側壁部118,120の上端部を連結する上壁部122とを有する断面逆さU字状に形成されている。この本体部24Cは、その長手方向の全長に亘って一定の断面で構成されている。
【0041】
なお、本実施形態において、折れ部112は、車両下側に凸を成す屈曲形状とされていたが、車両前側からトルクロッド24に衝突荷重が入力された場合にトルクロッド24の折れ曲がり変形の起点となるものであれば、その他の形状(例えば、切欠き形状、ビード形状、孔形状等)でも良い。また、トルクロッド24の折れ曲がり方向は、車両下側以外の方向でも良い。
【0042】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0043】
以上詳述したように、本発明の一実施形態に係る車両前部構造10によれば、前輪駆動用のモータユニット12は、駆動軸34がドライブシャフト54,60と同軸上に配置された、所謂、単軸化された構成とされている。そして、このようにモータユニット12が単軸化されることで、このモータユニット12の車両後側にスペース124が確保されており、このスペース124に空気コンプレッサ14が配置されている。従って、例えば、モータユニット12の車両前側にラジエータ72等の部材が配置されていても、空気コンプレッサ14がモータユニット12よりも先にこの部材と干渉することを回避しつつ、フロントサイドメンバ16の変形ストロークを確保することができる。
【0044】
また、モータユニット12とサスペンションメンバリア84とは、車両前後方向に延びるトルクロッド24により連結されており、このトルクロッド24は、車両前後方向中間部に折れ曲がり変形の起点となる折れ部112を有している。従って、車両に前面衝突が生じた場合には、トルクロッド24が折れ部112を起点として例えば車両下側に凸を成すように折れ曲がり変形するので、これにより、車両前面衝突時の衝撃を吸収することができる。
【0045】
また、インバータ20を搭載するためのクロスメンバ18がフロントサイドメンバ16に結合されているため、車両前面衝突時にフロントサイドメンバ16の変形が規制される(変形ストロークが減少する)虞があるが、フロントサイドメンバ16の変形ストロークの減少分をトルクロッド24により補うことができる。
【0046】
また、このトルクロッド24は、モータユニット12が単軸化されることでモータユニット12の車両後側に確保されたスペース124に配置されているので、車両前後方向の長さが十分に確保される。これにより、車両前面衝突時の衝撃をより効率良く吸収することができる。
【0047】
特に、モータユニット12がフロントサイドメンバ16における第一水平部74に結合されたクロスメンバ18に固定されると共に、サスペンションメンバリア84がフロントサイドメンバ16における第二水平部78に固定されることで、トルクロッド24の長さがより長く確保されている。従って、車両前面衝突時の衝撃吸収性能を向上させることができる。
【0048】
このように、この車両前部構造10によれば、車両前面衝突時には、車両前後方向に十分に確保された変形ストロークでフロントサイドメンバ16を変形させながら、トルクロッド24を変形させることができるので、車両前面衝突時の衝撃吸収性能(衝撃緩和性能)を増大させることができる。
【0049】
しかも、この車両前部構造10によれば、インバータ20の車両前後方向の配置位置は、クロスメンバ18の前端部18Aと後端部18Bとの間とされている。従って、インバータ20がクロスメンバ18の体格内に納められているので、車両に前面衝突が生じた場合でも、高電圧部品であるインバータ20をクロスメンバ18により保護することができる。
【0050】
また、クロスメンバ18の車両前後方向の配置位置は、モータユニット12の前端部12Cと後端部12Dとの間とされており、インバータ20は、このモータユニット12の体格内にも納められている。従って、高電圧部品であるインバータ20の保護性能を向上させることができる。
【0051】
このように、この車両前部構造10によれば、高電圧部品であるインバータ20の保護性能と、車両前面衝突時の衝撃吸収性能を効果的に両立させることができる。
【0052】
なお、インバータ20における車両前後方向の全長L1、クロスメンバ18における車両前後方向の全長L2、及び、モータユニット12における車両前後方向の全長L3の関係は、L1<L2<L3以外でも良い。
【0053】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
10 車両前部構造
12 モータユニット
14 空気コンプレッサ
16 フロントサイドメンバ
18 クロスメンバ
18A 前端部
18B 後端部
20 インバータ
22 サスペンションメンバ
24 トルクロッド
26 モータルーム
34 駆動軸
54,60 ドライブシャフト
56,62 前輪
58 折曲部
72 ラジエータ
74 第一水平部
76 傾斜部
78 第二水平部
84 サスペンションメンバリア
112 折れ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前部に形成されたモータルーム内に収容され、駆動軸が前輪に連結されたドライブシャフトと同軸上に配置された前輪駆動用のモータユニットと、
前記モータユニットの車両後側に一体に取り付けられた空気コンプレッサと、
前記モータユニットの車両幅方向外側に配置されると共に、車両前後方向に延在されたフロントサイドメンバと、
前記モータユニットの車両上側に配置され、車両幅方向に延在されて前記フロントサイドメンバと結合されたクロスメンバと、
前記クロスメンバの車両上側に配置され、前記モータユニットに電力を供給するインバータと、
を備えた車両前部構造。
【請求項2】
前記モータユニットの車両後側に配置されると共に、車両幅方向に延びてサスペンションメンバの後部を構成するサスペンションメンバリアと、
車両前後方向に延びて前記モータユニットと前記サスペンションメンバリアとを連結すると共に、車両前後方向中間部に折れ曲がり変形の起点となる折れ部を有するトルクロッドと、
を備えた請求項1に記載の車両前部構造。
【請求項3】
前記フロントサイドメンバは、車両前後方向に延び前記クロスメンバが結合された第一水平部と、前記第一水平部の車両後側に形成され車両後側に向かうに従って車両下側に向かうように傾斜する傾斜部と、前記傾斜部の車両後側に形成され車両前後方向に延びる第二水平部とを有し、
前記モータユニットは、前記クロスメンバに固定され、
前記サスペンションメンバリアは、前記第二水平部に固定されている、
請求項2に記載の車両前部構造。
【請求項4】
前記インバータの車両前後方向の配置位置が、前記クロスメンバの前端部と後端部との間とされている、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両前部構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−95152(P2013−95152A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236463(P2011−236463)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】