説明

車両変速機用操作装置

【課題】検出手段の数を少なくできる車両変速機用操作装置を得る。
【解決手段】シフトレバー20と一体に移動する銅片112と鉄片114がセレクト操作方向に互いに対向して設けられており、この銅片112と鉄片114との間に近接センサ82〜90の検出コイル84〜92がシフト操作方向に並んだ状態で設けられている。シフトレバー20を左側シフト孔62側へセレクト操作すると銅片112が検出コイル84〜92に接近し、右側シフト孔64側へセレクト操作すると鉄片114が検出コイル84〜92に接近する。銅片112や鉄片114が検出コイル84〜92に接近すると、検出コイル84〜92の周囲に形成される高周波磁界が変化するが、銅片112が検出コイル84〜92に接近した場合と鉄片114が検出コイル84〜92に接近した場合とでは高周波磁界の変化が異なるため、少ない近接センサ82〜90で多くのシフトレバー20の位置を検出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフトレバー装置等の車両の変速機を操作するための車両変速機用操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示された誘導式の車両変速機の操作装置(誘導式の切換装置)では、操作手段(セレクトレバー)を左右方向に操作可能であると共に、この操作手段(セレクトレバー)の左右方向の操作範囲の一端から前方へ操作手段(セレクトレバー)の操作が可能で、更に、左右方向の操作範囲の他端から後方へ操作手段(セレクトレバー)の操作が可能である。
【0003】
この操作手段(セレクトレバー)の操作範囲の所定位置に操作手段(セレクトレバー)が到達すると、車両の自動変速機に予め設定されたシフトレンジのうち、この所定位置に対応したシフトレンジに切り換えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−505534の公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この特許文献1に開示された車両変速機の操作装置では、上記の操作手段(セレクトレバー)の操作範囲の所定位置の各々に操作手段(セレクトレバー)が到達したか否かを検出するセンサコイルが設けられているが、コスト面等の観点から、このようなセンサコイルの数を少なくすることが切望されている。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、検出手段の数を少なくできる車両変速機用操作装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の本発明に係る車両変速機用操作装置は、第1操作方向へ操作可能で且つ前記第1操作方向の両側で前記第1操作方向に対して交差する第2操作方向へ操作可能な操作手段と、前記操作手段に一体的に設けられた第1移動体と、前記第1移動体よりも前記第1操作方向側で前記操作手段に一体的に設けられた第2移動体と、前記第2操作方向の操作範囲内に設定された複数の所定位置の各々に対応して所定間隔毎に並べられた状態で前記第1移動体と前記第2移動体との間に設けられ、前記第1操作方向の一方の側に前記操作手段が移動することにより前記第1移動体が接近し、前記第1操作方向の一方の側で前記操作手段が前記第2操作方向に操作されて前記所定位置に到達することで前記第1移動体を検出して所定レベルの検出信号を出力すると共に、前記第1操作方向の他方の側に前記操作手段が移動することにより前記第2移動体が接近し、前記第1操作方向の他方の側で前記操作手段が前記第2操作方向に操作されて前記所定位置に到達することで前記第2移動体を検出して前記第1移動体を検出した際の検出信号とは異なるレベルの検出信号を出力する検出手段と、を備え、前記複数の検出手段から出力された検出信号に基づき車両の変速機を操作するように設定されている。
【0008】
請求項1に記載の本発明に係る車両変速機用操作装置は、操作手段が第1操作方向に移動可能とされ、更に、第1操作方向の一方の側及び他方の側のそれぞれから第1操作方向に対して交差する第2操作方向へ移動可能とされる。
【0009】
請求項1に記載の本発明に係る車両変速機用操作装置では、操作手段に第1移動体が一体的に設けられていると共に、この第1移動体よりも第1操作方向一方の側で第2移動体が一体的に設けられている。この第1移動体と第2移動体との間には検出手段が設けられており、操作手段を第1操作方向他方の側へ移動させると、操作手段に一体的に設けられた第1移動体が検出手段側へ移動すると共に第2移動体が検出手段から遠ざかる。操作手段が第1操作方向他方の側へ移動することで検出手段に接近した第1移動体が検出手段に検出されると、検出手段から所定レベルの検出信号が出力される。これにより、車両の変速機が操作されて、車両の変速機における所定のシフトレンジ又は所定のギヤが選択される。
【0010】
一方、操作手段を第1操作方向一方の側へ移動させると、第2移動体が検出手段側へ移動すると共に第1移動体が検出手段から遠ざかる。操作手段が第1操作方向一方の側へ移動することで検出手段に接近した第2移動体が検出手段に検出されると、第1移動体を検出した際の検出信号とは異なるレベルの検出信号が出力される。これにより、車両の変速機が操作されて、車両の変速機における所定のシフトレンジ又は所定のギヤが選択される。
【0011】
このように、1つの検出手段で異なる2つの所定位置に操作手段が到達したことを検出できるので、各所定位置にそれぞれ検出手段を設ける構成に比べて検出手段を少なくできる。
【0012】
請求項2に記載の本発明に係る車両変速機用操作装置は、請求項1に記載の本発明において、前記第1操作方向の少なくとも一方の側から前記操作手段を前記第1操作方向に対して交差する第2操作方向へ操作可能とし、前記第2操作方向に沿った前記操作手段の操作範囲内の1又は複数の所定位置に応じて前記検出手段を設けている。
【0013】
請求項2に記載の本発明に係る車両変速機用操作装置によれば、操作手段は第1操作方向の少なくとも一方の側から第1操作方向に対して交差する第2操作方向へ操作可能とされる。この第2操作方向への操作手段の操作範囲内の1又は複数の所定位置に対応して検出手段が設けられており、操作手段が第2操作方向に操作されることで操作手段が所定位置に到達すると、第1移動体又は第2移動体が検出手段に検出される。これにより、この所定位置に対応したシフトレンジ又はギヤが選択される。
【0014】
請求項3に記載の本発明に係る車両変速機用操作装置は、請求項2に記載の本発明において、前記第1操作方向の両側から前記操作手段を前記第2操作方向へ操作可能とし、前記第1操作方向一方の側から前記第2操作方向へ前記操作手段を移動させた際の操作範囲中における1又は複数の所定位置と、前記第1操作方向他方の側から前記第2操作方向へ前記操作手段を移動させた際の操作範囲中における1又は複数の所定位置とを前記検出手段を介して前記第1操作方向に対向するように設定している。
【0015】
請求項3に記載の本発明に係る車両変速機用操作装置によれば、操作手段は第1操作方向両側から第2操作方向へ操作可能とされ、第1操作方向一方の側から第2操作方向への操作手段の操作範囲内には1又は複数の所定位置が設定され、この所定位置に対応して検出手段が設けられる。
【0016】
ここで、第1操作方向他方の側から第2操作方向への操作手段の操作範囲内に設定された1又は複数の所定位置は、検出手段を介して第1操作方向一方の側から第2操作方向への操作手段の操作範囲内に設定された1又は複数の所定位置と対向している。
【0017】
このため、第1操作方向一方の側での第2操作方向の操作範囲の所定位置に操作手段に到達した際には、第1移動体及び第2移動体の何れかの一方が検出手段に接近して、検出手段に検出されるが、第1操作方向他方の側での第2操作方向の操作範囲の所定位置に操作手段に到達した際には、第1移動体及び第2移動体の何れかの他方が検出手段に接近して、検出手段に検出される。このように、第1操作方向一方の側からの第2操作方向への操作手段の操作範囲と、第1操作方向他方の側からの第2操作方向への操作手段の操作範囲のそれぞれに個別の検出手段を設けなくてもよいので、検出手段を少なくできる。
【0018】
請求項4に記載の本発明に係る車両変速機用操作装置は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の本発明において、高周波電流が流されることによって周囲に高周波磁界を形成するコイルを含めて構成された近接センサを含めて前記検出手段を構成すると共に、前記第1移動体及び前記第2移動体の少なくとも一方を導体により構成し、前記第1移動体及び前記第2移動体のうち前記導体で構成された方が前記コイルに接近した際の前記近接センサの前記コイルを含めて構成された回路のインピーダンスの変化に応じて前記近接スイッチが前記検出信号を出力するように設定している。
【0019】
請求項4に記載の本発明に係る車両変速機用操作装置によれば、第1移動体及び第2移動体の少なくとも一方が導体により形成され、また、検出手段としての近接スイッチを構成するコイルには高周波電流が流され、これにより、コイルの周囲には高周波磁界が形成される。
【0020】
操作手段が第1操作方向へ操作されて第1移動体及び第2移動体のうち導体で形成された方がコイルに接近すると、第1移動体及び第2移動体のうちコイルに接近した方に渦電流が発生する。これにより、近接センサのコイルを含めて構成されている回路のインピーダンス(例えば、コイルのインダクタンス)が変化して発振状態が変化する。この発振状態の変化に応じた検出信号が近接スイッチから出力されると、車両の変速機が操作されて、操作手段の位置に応じたシフトレンジ又は所定のギヤが選択される。
【0021】
なお、本発明では、第1移動体及び第2移動体の双方が導体で構成されていてもよいし、第1移動体及び第2移動体の一方のみが導体で構成され、他方は導体以外、例えば、導電性を有さない磁性体で構成してもよい。
【0022】
また、例えば、第1移動体及び第2移動体の双方を導体で構成した場合、近接スイッチのコイルに第1移動体が接近した場合と第2移動体が接近した場合とで近接センサのコイルを含めて構成されている回路のインピーダンスの変化が異なればよい。したがって、第1移動体の導電率と第2移動体の導電率とが異なっていてもよいのは勿論のこと、近接スイッチのコイルに第1移動体が接近した場合と第2移動体が接近した場合とで近接センサのコイルを含めて構成されている回路のインピーダンスの変化を異ならせることができれば、第1移動体の導電率と第2移動体の導電率とが同じであってもよい。
【0023】
請求項5に記載の本発明に係る車両変速機用操作装置は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の本発明において、高周波電流が流されることによって周囲に高周波磁界を形成するコイルを含めて構成された近接センサを含めて前記検出手段を構成すると共に、前記第1移動体及び前記第2移動体の少なくとも一方を磁性体により構成し、前記第1移動体及び前記第2移動体のうち前記磁性体で構成された方が前記コイルに接近した際の前記近接センサの前記コイルを含めて構成された回路のインピーダンスの変化に応じて前記近接スイッチが前記検出信号を出力するように設定している。
【0024】
請求項5に記載の本発明に係る車両変速機用操作装置によれば、第1移動体及び第2移動体の少なくとも一方が磁性体により形成され、また、検出手段としての近接スイッチを構成するコイルには高周波電流が流され、これにより、コイルの周囲には高周波磁界が形成される。
【0025】
第1移動体及び第2移動体のうち、磁性体により構成された方が近接スイッチのコイルに接近することで近接センサのコイルを含めて構成されている回路のインピーダンス(例えば、コイルのインダクタンス)が非磁性の導体にコイルが接近した場合とは発振状態が逆になるように変化する。この発振状態の変化に応じた検出信号が近接スイッチから出力されると、車両の変速機が操作されて、操作手段の位置に応じたシフトレンジ又は所定のギヤが選択される。
【発明の効果】
【0026】
以上、説明したように、本発明に係る車両変速機用操作装置は、検出手段の数を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車両変速機用操作装置の概略的な正面断面図である。
【図2】操作手段を第1操作方向に操作した状態を示す図1に対応した正面断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る車両変速機用操作装置の概略的な側面断面図である。
【図4】操作手段を第2操作方向に操作した状態を示す図3に対応した側面断面図である。
【図5】操作手段を第2操作方向に操作した状態を示す図3に対応した側面断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る車両変速機用操作装置の概略的な平面図である。
【図7】検出手段の構成を概略的に示す回路図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る車両変速機用操作装置の概略的なブロック図である。
【図9】操作手段の操作範囲上の各所定位置での検出手段の電圧波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係る車両変速機用走査装置としてのシフトレバー装置10の構成が概略的な正面断面図により示されており、図3にはシフトレバー装置10の構成が概略的な側面断面図により示されている。これらの図を含む各図において、便宜上、矢印FRはシフトレバー装置10の前後方向前方、矢印LFはシフトレバー装置10の左右方向左方、矢印UPはシフトレバー装置10の上下方向上方として説明するが、これらの向きは本シフトレバー装置10が搭載される車両の各向きに対応することを示すものではない。
【0029】
これらの図に示されるように、本シフトレバー装置10はロアハウジング12を備えている。このロアハウジング12は底壁部14を備えている。この底壁部14の前後方向両端部からは上方へ向けて一対の側壁部16が前後方向に互いに対向するように立設されている。このロアハウジング12にはシャフト18が設けられている。このシャフト18は軸方向が前後方向に沿った断面円形の丸棒形状に形成されており、軸方向一端は一対の側壁部16の一方に支持されており、軸方向他端は他方の側壁部16に支持されている。
【0030】
このシャフト18の軸方向略中央部にはシフトレバー20を構成するブラケット22が設けられている。ブラケット22は一対の脚板24を備えている。脚板24は幅方向が左右方向に沿い厚さ方向が前後方向に沿った板状に形成されており、前後方向に所定距離離間した状態で設けられている。これらの脚板24には内径寸法がシャフト18の外径寸法に略等しい(厳密には僅かに大きい)円孔26が形成されており、一方の脚板24の円孔26と他方の脚板24の円孔26とは互いに同軸的に形成されており、各脚板24の円孔26をシャフト18が貫通しており、シャフト18周りに左右方向へブラケット22が回動可能(すなわち、第1操作方向であるセレクト操作方向へ操作可能)にシャフト18に支持されている。
【0031】
これらの脚板24の上側には一対の脚板28が設けられている。これらの脚板28は幅方向が前後方向に沿い厚さ方向が左右方向に沿った板状に形成されている。一方の脚板28は脚板24の幅方向一端側にて一方の脚板24と他方の脚板24とを一体的に繋いでおり、他方の脚板28は脚板24の幅方向他端側にて一方の脚板24と他方の脚板24とを一体的に繋いでいる。
【0032】
これらの脚板28には円孔30が形成されている。一方の脚板28に形成された円孔30と他方の脚板28に形成された円孔30とは同軸的に形成されており、内径寸法も互いに等しく設定されている。これらの円孔30にはシャフト32が貫通配置されている。
【0033】
このブラケット22の上側には移動体保持部としての取付部40が設けられている。取付部40は一対の取付壁42を備えている。取付壁42は幅方向が前後方向に沿った板状に形成されており、上下方向中間部よりも下側ではシャフト32の軸方向に互いに対向している。これらの取付壁42は長手方向が上下方向に沿った状態では、シャフト18の中心軸線から一方の取付壁42までの距離とシャフト18の中心軸線から他方の取付壁42までの距離とが略同一になるように取付壁42の位置が設定されている。
【0034】
これらの取付壁42には円孔44が形成されている。これらの円孔44の内径寸法は互いに等しく、上記のシャフト32の外径寸法に略等しい(厳密には僅かに大きい)。これらの円孔44にはシャフト32の軸方向両端側が貫通配置されており、取付壁42(すなわち、取付部40)はシャフト32周りに回動可能(すなわち、第2操作方向であるシフト操作方向へ操作可能)とされている。また、これらの取付壁42の上下方向中間部よりも上側は、上方へ向けて互いに離間するように傾斜している。さらに、両取付壁42の上側には上壁部46が設けられており、一方の取付壁42の円孔44とは反対側の端部と他方の取付壁42の円孔44とは反対側の端部とが上壁部46によって一体的に繋がっている。
【0035】
この上壁部46の取付壁42とは反対側にはレバー本体52が設けられている。レバー本体52は長手方向(軸方向)が取付壁42の長手方向に沿った丸棒形状とされ、その下端は上壁部46に一体的に繋がっている。レバー本体52の上端側はロアハウジング12の上側でロアハウジング12に取り付けられたアッパハウジング54の操作孔56を貫通してアッパハウジング54の上側に延びている。さらに、レバー本体52の上端にはノブ58が取り付けられており、乗員はこのノブ58を把持してシフトレバー20を操作できるようになっている。
【0036】
図3に示されるように、このレバー本体52が通過している操作孔56は、左側シフト孔62、右側シフト孔64、及びセレクト孔66により構成されている。左側シフト孔62は長手方向が前後方向に沿った長孔形状で、シャフト18の中心軸線よりも左側に形成されている。これに対して、右側シフト孔64は長手方向が前後方向に沿った長孔形状で、シャフト18の中心軸線よりも右側に形成されている。ここで、本実施の形態では、シャフト18の中心軸線から左右方向に沿った左側シフト孔62までの距離と、シャフト18の中心軸線から左右方向に沿った右側シフト孔64までの距離とが略等しくなるようにアッパハウジング54における左側シフト孔62及び右側シフト孔64の形成位置が設定されている。
【0037】
また、本実施の形態では、左側シフト孔62の長手方向寸法と右側シフト孔64の長手方向寸法とは略等しく、左側シフト孔62の長手方向両端の位置と右側シフト孔64の長手方向両端の位置が前後方向に同じ位置になるように左側シフト孔62及び右側シフト孔64の形成位置が設定されている。
【0038】
本実施の形態では、以上の構成の操作孔56においてセレクト孔66の長手方向(左右方向)略中央部を便宜上「中立位置」と称する。また、セレクト孔66の長手方向左側の端部と左側シフト孔62の長手方向(前後方向)中央部とが交差する位置を「LC位置」、左側シフト孔62の長手方向一端(前後方向前端)を「LF位置」、左側シフト孔62の長手方向他端(前後方向後端)を「LB位置」と称する。さらに、セレクト孔66の長手方向右側の端部と右側シフト孔64の長手方向(前後方向)中央部とが交差する位置を「RC位置」、右側シフト孔64の長手方向一端(前後方向前端)を「RF位置」、右側シフト孔64の長手方向他端(前後方向後端)を「RB位置」と称する。
【0039】
「LF位置」、「LC位置」、「LB位置」、「RF位置」、「RC位置」、「RB位置」の各位置は車両の自動変速機96(図8参照)に設定された各シフトレンジに対応しており、これらの位置の何れか1つをシフトレバー20のレバー本体52が通過するように、操作孔56に沿ってシフトレバー20を移動させると、その位置に対応したシフトレンジが選択されて自動変速機96が操作される。
【0040】
なお、本実施の形態では、左側シフト孔62及び右側シフト孔64の形成位置を上記のように設定したが、本発明がこのような構成に限定されるものではなく、シャフト18の中心軸線から左右方向に沿った左側シフト孔62までの距離と、シャフト18の中心軸線から左右方向に沿った右側シフト孔64までの距離とが異なっていてもよいし、左側シフト孔62の長手方向寸法と右側シフト孔64の長手方向寸法とが異なっていてもよく、更には、左側シフト孔62の前後両端の少なくとも一方と、右側シフト孔64の前後両端の少なくとも一方とが前後方向にずれていてもよい。
【0041】
一方、本実施の形態では、セレクト孔66は左側シフト孔62の長手方向中央と右側シフト孔64の長手方向中央とを繋ぐように形成されており、操作孔56は全体的に平面視で略「H」形状とされている。但し、セレクト孔66は左側シフト孔62及び右側シフト孔64の長手方向に対して交差する向きに沿って左側シフト孔62と右側シフト孔64とを繋ぐように形成されればよく、セレクト孔66の形成位置が左側シフト孔62及び右側シフト孔64の長手方向中央に限定されるものではない。
【0042】
一方、図1及び図3に示されるように、本シフトレバー装置10はセンサホルダ72を備えている。センサホルダ72は、厚さ方向が左右方向に沿った平板状に形成されている。このセンサホルダ72は、上述した一対の取付壁42の間に設けられており、特に、本実施の形態においては、センサホルダ72の厚さ方向中央がシャフト18の中心軸線の真上に位置するように設定されている。
【0043】
上記のように取付壁42は、上下方向中間部よりも上側では上方へ向けて互いに離間するように傾斜しているが、図3に示されるように、セレクト孔66の両端であるLC位置やRC位置までシャフト18周りにシフトレバー20が回動すると、これに伴いセンサホルダ72に接近した方の取付壁42の上下方向中間部よりも上側の厚さ方向とセンサホルダ72の厚さ方向が略同方向になるように取付壁42の傾斜角度が設定されている。
【0044】
しかも、本実施の形態では、LC位置までシャフト18周りにシフトレバー20が回動した際にセンサホルダ72に接近した方の取付壁42とセンサホルダ72との間隔D1と、RC位置までシャフト18周りにシフトレバー20が回動した際にセンサホルダ72に接近した方の取付壁42とセンサホルダ72との間隔D2とが同じ距離になるように取付部40の形状が設定されている。
【0045】
また、センサホルダ72はホルダ本体74を備えている。ホルダ本体74には厚さ方向に貫通する複数(本実施の形態では3つ)の透孔76、78、80が形成されている。これらの透孔76〜80は概ねシャフト32の中心軸線を中心とする同一円周上に形成されており、シャフト32の中心軸線を中心として最も前に位置する透孔76と中央に位置する透孔78までの角度は、「LF位置」(「RF位置」)から「LC位置」(「RC位置」)へのシフトレバー20の回動角度に略等しく、シャフト32の中心軸線を中心として最も後ろに位置する透孔80と中央に位置する透孔78までの角度は、「LB位置」(「RB位置」)から「LC位置」(「RC位置」)へのシフトレバー20の回動角度に略等しくなるように設定されている。
【0046】
透孔76には近接センサ82を構成する検出コイル84が貫通配置されており、透孔78には近接センサ86を構成する検出コイル88が貫通配置されており、透孔80には近接センサ90を構成する検出コイル92が貫通配置されている。近接センサ82、86、90は基本的に所謂「渦電流式の近接センサ」を構成している。
【0047】
例えば、図7に示されるように、近接センサ82の検出コイル84は、一端が抵抗108を介して高周波交流電源106に接続されており、他端がアースされている。抵抗108と検出コイル84との間には図示しない発振状態検出回路や出力回路が接続され、更に、図8に示されるように制御手段としてのECU94に接続されている(詳細な説明は省略するが、近接センサ86、90に関しても近接センサ82と同様である)。
【0048】
図7に示されるように、検出コイル84を含めて構成される回路は所謂分圧回路を構成しており、検出コイル84のインダクタンスが変化すると検出コイル84と抵抗108との間の出力電圧が変化する。図8に示されるECU94は自動変速機96に接続されており、ECU94は近接センサ82の検出コイル84と抵抗108との間の出力電圧や、近接センサ86、90においても同様に出力される出力電圧に基づいて自動変速機96を操作する。
【0049】
一方、図1及び図3に示されるように、ホルダ本体74の前後方向両端部からは連続して取付片98が延出されている。これらの取付片98に対応してロアハウジング12を構成する両側壁部16には支持部100が形成されている。支持部100は取付片98が載置される下壁部102を備えている。下壁部102の左右方向両端部からは上方へ向けて側壁部104が立設されている。一方の側壁部104と他方の側壁部104との間隔は取付片98の厚さ寸法に略等しく、下壁部102上に載置された取付片98の左右両側から側壁部104が干渉することで左右方向への取付片98(すなわち、センサホルダ72)の変位を規制する。
【0050】
また、上述した取付部40には導体である第1導電部材として第1移動体を構成する銅片112と、銅片112よりも導電率が低い導体である第2導電部材で、且つ、磁性体として第2移動体を構成する鉄片114が設けられている。銅片112は、取付部40を構成する一対の取付壁42のうち、右側に位置する取付壁42におけるセンサホルダ72と対向する側の面に一体的に取り付けられており、セレクト孔66の長手方向中央の中立位置にシフトレバー20が位置した状態で上述した3つの検出コイル84、88、90のうち、中央に位置する検出コイル88と銅片112とが対向するように取付壁42に銅片112が設けられている。
【0051】
これに対して、鉄片114は、取付部40を構成する一対の取付壁42のうち、左側に位置する取付壁42におけるセンサホルダ72と対向する側の面に一体的に取り付けられており、セレクト孔66の長手方向中央の中立位置にシフトレバー20が位置した状態で検出コイル88と鉄片114とが対向するように取付壁42に鉄片114が設けられている。
【0052】
このため、シフトレバー20がセレクト孔66の長手方向左端である「LC位置」に移動すると、右側の取付壁42に設けられた銅片112が検出コイル88に接近し、シフトレバー20がセレクト孔66の長手方向右端である「RC位置」に移動すると、左側の取付壁42に設けられた鉄片114が検出コイル88に接近する。ここで、本実施の形態では、シフトレバー20が「LC位置」に到達した状態での左右方向に沿った銅片112から検出コイル88までの間隔と、シフトレバー20が「RC位置」に到達した状態での左右方向に沿った鉄片114から検出コイル88までの間隔とが等しくなるように各種部品の形状や寸法等が設定されている。
【0053】
<本実施の形態の作用、効果>
次に本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0054】
本実施の形態に係るシフトレバー装置10では、高周波交流電源106が作動して近接センサ82、86、90の各検出コイル84、88、92に所定の高周波交流電流が流され、これにより、各検出コイル84、88、92の周囲には所定の高周波磁界が形成される。この状態で、例えば、中立位置にあるシフトレバー20をセレクト孔66の長手方向左側の端部である「LC位置」へシャフト18周りに左側へ回動させると、図2の(LC位置)の図に示されるように、取付部40を構成する一対の取付壁42のうち、右側の取付壁42がセンサホルダ72に接近して左側の取付壁42がセンサホルダ72から離間する。
【0055】
右側の取付壁42がセンサホルダ72に接近することで銅片112が近接センサ86の検出コイル88に接近すると、検出コイル88の周囲に形成された高周波磁界により銅片112に誘導電流が発生する。このように、銅片112に誘導電流が発生すると、高周波磁界が減衰し、これにより、検出コイル88のインダクタンスが変化する。このように検出コイル88のインダクタンスが変化すると、図9に示されるように、近接センサ86の検出コイル88を含めて構成された分圧回路の出力電圧がV0からVLまで減衰する。
【0056】
一方、中立位置にあるシフトレバー20をセレクト孔66の長手方向右側の端部である「RC位置」にシャフト18周りに右側へ回動させると、図2の(RC位置)の図に示されるように、取付部40を構成する一対の取付壁42のうち、左側の取付壁42がセンサホルダ72に接近して右側の取付壁42がセンサホルダ72から離間する。
【0057】
左側の取付壁42がセンサホルダ72に接近することで磁性体である鉄片114が近接センサ86の検出コイル88に接近すると、鉄片114が交流磁界を構成する磁束の磁路となり交流磁界は鉄片114を通過する。これにより、これにより、検出コイル88のインダクタンスが変化するが銅片112の場合とは異なり、図9に示されるように、近接センサ86の検出コイル88を含めて構成された分圧回路の出力電圧がV0からVRまで増加する。
【0058】
このように、センサホルダ72に銅片112が接近した場合には、検出コイル88を含めて構成された分圧回路の出力電圧が減衰し、センサホルダ72に鉄片114が接近した場合には、検出コイル88を含めて構成された分圧回路の出力電圧が増加するので、「LC位置」にシフトレバー20が回動した場合と「RC位置」にシフトレバー20が回動した場合とでは検出コイル88からECU94に入力される電気信号のレベルが異なるため、ECU94では入力された電気信号のレベルを判定することで、シフトレバー20が「LC位置」に回動したか「RC位置」に回動したかを判定できる。
【0059】
また、図4の(LF位置)の図に示されるように、シフトレバー20を「LF位置」に回動させるには、シフトレバー20を「LC位置」に移動させた後に左側シフト孔62に沿ってシフトレバー20をシャフト32周りに前方へ回動させる。左側シフト孔62内をシフトレバー20が通過している状態では右側の取付壁42がセンサホルダ72に接近して左側の取付壁42がセンサホルダ72から離間している。このため、左側シフト孔62内を「LF位置」まで回動させると、近接センサ86の検出コイル88に代わり近接センサ82の検出コイル84に銅片112が接近した状態になる。これにより、検出コイル84を含めて構成された分圧回路の出力電圧がV0からVLまで減衰する。これにより、シフトレバー20が「LF位置」に回動したことを検出できる。
【0060】
これに対して、図5の(RF位置)の図に示されるように、シフトレバー20を「RF位置」に回動させるには、シフトレバー20を「RC位置」に移動させた後に右側シフト孔64に沿ってシフトレバー20をシャフト32周りに前方へ回動させる。右側シフト孔64内をシフトレバー20が通過している状態では左側の取付壁42がセンサホルダ72に接近して右側の取付壁42がセンサホルダ72から離間している。このため、右側シフト孔64内を「RF位置」まで回動させると、近接センサ86の検出コイル88に代わり近接センサ90の検出コイル92に鉄片114が接近した状態になる。これにより、検出コイル92を含めて構成された分圧回路の出力電圧がV0からVRまで増加する。これにより、シフトレバー20が「RF位置」に回動したことを検出できる。
【0061】
また、図4の(LB位置)の図に示されるように、シフトレバー20を「LB位置」に回動させるには、シフトレバー20を「LC位置」に移動させた後に左側シフト孔62に沿ってシフトレバー20をシャフト32周りに後方へ回動させる。左側シフト孔62内をシフトレバー20が通過している状態では右側の取付壁42がセンサホルダ72に接近して左側の取付壁42がセンサホルダ72から離間している。このため、左側シフト孔62内を「LB位置」まで回動させると、近接センサ86の検出コイル88に代わり近接センサ90の検出コイル92に銅片112が接近した状態になる。これにより、検出コイル92を含めて構成された分圧回路の出力電圧がV0からVLまで減衰する。これにより、シフトレバー20が「LB位置」に回動したことを検出できる。
【0062】
これに対して、図5の(RB位置)の図に示されるように、シフトレバー20を「RB位置」に回動させるには、シフトレバー20を「RC位置」に移動させた後に右側シフト孔64に沿ってシフトレバー20をシャフト32周りに後方へ回動させる。右側シフト孔64内をシフトレバー20が通過している状態では左側の取付壁42がセンサホルダ72に接近して右側の取付壁42がセンサホルダ72から離間している。このため、右側シフト孔64内を「RB位置」まで回動させると、近接センサ86の検出コイル88に代わり近接センサ90の検出コイル92に鉄片114が接近した状態になる。これにより、検出コイル92を含めて構成された分圧回路の出力電圧がV0からVRまで増加する。これにより、シフトレバー20が「RB位置」に回動したことを検出できる。
【0063】
以上のように、本実施の形態に係るシフトレバー装置10では、シャフト32周りのシフトレバー20の回動位置が同じ検出位置ならば近接センサ82、86、90のうちの1つで検出可能である。このため、本シフトレバー装置10では、シフトレバー20の検出位置が、左側シフト孔62側で3箇所、右側シフト孔64側で3箇所の合計6箇所設定されるものの、この6箇所の検出位置よりも少ない3つの近接センサ82、86、90でシフトレバー20の位置を検出できる。これにより、コストを低減できる。
【0064】
(補足事項)
なお、本実施の形態では、第1移動体を導体である銅片112で構成し、第2移動体を磁性体である鉄片114で構成した。しかしながら、検出手段に所謂「渦電流式の近接センサ」を適用するのであれば、第1移動体及び第2移動体の双方が非磁性の導体で構成してもよい。この場合、上述した一方の取付壁42とセンサホルダ72との間隔D1と、他方の取付壁42とセンサホルダ72との間隔D2とを同じ距離にするのであれば、第1移動体の導電率と第2移動体の導電率とを異ならせればよいし、第1移動体と第2移動体とが同じ導電率ならば、間隔D1と間隔D2とが異なるように取付部40を構成すればよい。もちろん、第1移動体の導電率と第2移動体の導電率とを異ならせたうえで間隔D1と間隔D2とを異ならせてもよい。
【0065】
これに対して、第1移動体及び第2移動体の双方が磁性を有していてもよい。この場合も、上記の間隔D1と間隔D2とを同じ距離にするのであれば、第1移動体の透磁率と第2移動体の透磁率とを異ならせればよいし、第1移動体と第2移動体とが同じ透磁率ならば、間隔D1と間隔D2とが異なるように取付部40を構成すればよい。もちろん、第1移動体の透磁率と第2移動体の透磁率とを異ならせたうえで間隔D1と間隔D2とを異ならせてもよい。
【0066】
但し、第1移動体及び第2移動体の双方を非磁性の導体で構成した場合や、第1移動体及び第2移動体の双方を磁性体で構成した場合は、検出コイル84〜92に第1移動体及び第2移動体の一方が接近する過程で、検出コイル84〜92を含めて構成された分圧回路の出力電圧が第1移動体及び第2移動体の他方が接近した状態と同じになる可能性がある。このため、このような構成では、例えば、出力電圧が変化した状態が一定時間以上継続されていない場合には、近接センサ82、86、90から検出信号を出力しないか、ECU94において入力された検出信号をキャンセルするようにしなくてはならない。
【0067】
しかしながら、本実施の形態のように、第1移動体及び第2移動体の一方を磁性体として他方を非磁性の導体とした場合には、上述したように検出コイル84〜92に第1移動体が接近した場合と検出コイル84〜92に第2移動体が接近した場合とで出力電圧の変化が逆になる。このため、検出コイル84〜92に第1移動体及び第2移動体の一方が接近する過程で、出力電圧の変化が検出コイル84〜92に第1移動体及び第2移動体の他方が接近した状態と同じになることはなく、近接センサ82、86、90における検出信号の出力制御やECU94における検出信号の処理が簡単になる。
【0068】
さらに、本実施の形態では、上述したように検出手段に所謂「渦電流式の近接センサ」を適用したが、検出手段がこのような構成に限定されるものではなく、所謂「近接センサ」であれば基本的に適用が可能であり、検出手段が検出する媒体に関してなんら限定されるものではない。例えば、銅片112や鉄片114に代わり永久磁石を用い、この永久磁石の磁気を検出する磁気センサを近接センサ82、86、90に代わる検出手段として用いてもよい。
【0069】
このような構成の場合、例えば、一対の取付壁42の一方に設けた永久磁石が磁気センサに接近した場合と、他方の取付壁42に設けた永久磁石が磁気センサに接近した場合とを区別できるように一対の取付壁42の一方に設ける永久磁石と他方の取付壁42に設ける永久磁石とで磁気特性を変えればよい。また、同じ磁気特性を有する永久磁石を用いるのであれば、磁気センサに対する磁極の向きを変えて設けたり、一対の取付壁42の一方に設けた永久磁石が磁気センサに接近した状態での永久磁石と磁気センサとの間隔と、一対の取付壁42の他方に設けた永久磁石が磁気センサに接近した状態での永久磁石と磁気センサとの間隔とが異なるように取付部40を設定したりする構成としてもよい。
【0070】
また、本実施の形態では、シフトレバー20の操作範囲を、左側シフト孔62及び右側シフト孔64の両中間部をセレクト孔66で繋いだ略H形状としたが、左側シフト孔62の一端と右側シフト孔64の一端とをセレクト孔66で繋いだ略U形状としてもよい。さらに、左側シフト孔62(又は右側シフト孔64)のみを有し、左側シフト孔62(又は右側シフト孔64)の中間部又は一端部にセレクト孔66の一端が繋がった略T形状や鉤状としてもよく、シフトレバー20の操作範囲をセレクト孔66のみとしてもよい。
【0071】
さらに、本実施の形態では、セレクト孔66に沿ったシフトレバー20の移動方向を第1操作方向としたが、セレクト孔66に対して交差するシフト孔に沿ったシフトレバーの操作方向が第1操作方向となるように構成してもよい。
【0072】
また、本実施の形態は、シャフト18周りにセレクト操作移動可能でシャフト30周りにシフト操作移動が可能なシフトレバー20を操作手段としたが、操作手段がこのような構成に限定されるものではない。例えば、本実施の形態における前後方向及び左右方向にスライド移動可能なスライダを操作手段としてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 シフトレバー装置(車両変速機用操作装置)
20 シフトレバー(操作手段)
82 近接センサ(検出手段)
86 近接センサ(検出手段)
90 近接センサ(検出手段)
112 銅片(第1移動体)
114 鉄片(第2移動体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第1操作方向へ操作可能な操作手段と、
前記操作手段に一体的に設けられた第1移動体と、
前記第1移動体よりも前記第1操作方向に沿った一方の側で前記操作手段に一体的に設けられた第2移動体と、
前記第1移動体と前記第2移動体との間に設けられ、前記第1操作方向の他方の側に前記操作手段が移動することにより前記第1移動体が接近し、前記第1移動体を検出することで所定レベルの検出信号を出力すると共に、
前記第1操作方向の一方の側に前記操作手段が移動することにより前記第2移動体が接近し、前記第2移動体を検出することで前記第1移動体を検出した際の検出信号とは異なるレベルの検出信号を出力する検出手段と、
を備え、前記検出手段から出力された検出信号に基づき車両の変速機を操作する車両変速機用操作装置。
【請求項2】
前記第1操作方向の少なくとも一方の側から前記操作手段を前記第1操作方向に対して交差する第2操作方向へ操作可能とし、前記第2操作方向に沿った前記操作手段の操作範囲内の1又は複数の所定位置に応じて前記検出手段を設けた請求項1に記載の車両変速機用操作装置。
【請求項3】
前記第1操作方向の両側から前記操作手段を前記第2操作方向へ操作可能とし、前記第1操作方向一方の側から前記第2操作方向へ前記操作手段を移動させた際の操作範囲中における1又は複数の所定位置と、前記第1操作方向他方の側から前記第2操作方向へ前記操作手段を移動させた際の操作範囲中における1又は複数の所定位置とを前記検出手段を介して前記第1操作方向に対向するように設定した請求項2に記載の車両変速機用操作装置。
【請求項4】
高周波電流が流されることによって周囲に高周波磁界を形成するコイルを含めて構成された近接センサを含めて前記検出手段を構成すると共に、前記第1移動体及び前記第2移動体の少なくとも一方を導体により構成し、前記第1移動体及び前記第2移動体のうち前記導体で構成された方が前記コイルに接近した際の前記近接センサの前記コイルを含めて構成された回路のインピーダンスの変化に応じて前記近接スイッチが前記検出信号を出力する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の車両変速機用操作装置。
【請求項5】
高周波電流が流されることによって周囲に高周波磁界を形成するコイルを含めて構成された近接センサを含めて前記検出手段を構成すると共に、前記第1移動体及び前記第2移動体の少なくとも一方を磁性体により構成し、前記第1移動体及び前記第2移動体のうち前記磁性体で構成された方が前記コイルに接近した際の前記近接センサの前記コイルを含めて構成された回路のインピーダンスの変化に応じて前記近接スイッチが前記検出信号を出力する請求項1から請求項4の何れか1項に記載の車両変速機用操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−188018(P2012−188018A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53314(P2011−53314)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】