説明

車両寝室及び運転室のための温度調節システム

【課題】車両用換気システム、特に、複数の種類の車両の寝室及び運転室のための暖房及び空調システムを提供する。
【解決手段】車両の運転室/寝室のための温度調節システム(10)は、第1の冷媒が、蓄積器冷媒が第1の冷媒と熱交換する少なくともエネルギ蓄積器(20)と、運転室/寝室の温度を調節するための運転室/寝室内の放熱器(22)と、熱交換ユニット(23)との間を循環する温度調節回路(12)を含む。冷却回路(14)が、第2の冷媒を冷却サイクルに従わせるために設けられる。蒸発段(43)が、第2の冷媒が第1の冷媒から熱を吸収するように温度調節回路(12)の熱交換ユニット(23)と熱交換関係にある。コントローラシステム(50)が、車両の電源(A)によって給電され、電源(A)が充電される時にエネルギ蓄積器(20)に冷熱又は高熱エネルギを貯蔵するために温度調節回路及び冷却回路(14)を選択的に起動し、放熱器(22)を用いて運転室/寝室を冷却するために温度調節回路(12)を選択的に起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本特許出願は、2004年8月31日出願の米国特許仮出願第60/605,507号に対する優先権を主張するものである。
本発明は、一般的に車両用換気システムに関し、より具体的には、複数の種類の車両の寝室及び運転室のための暖房及び空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路輸送車両の運転室には、多くの場合、運転者のための休憩宿泊設備から成る睡眠用寝室が備えられる。道路輸送車両は、多くの場合、長距離にわたって移動し、従って、運転者が活力を回復するための睡眠用寝室が設けられている。同様に、RV車は、車両乗員のための自己充足型居住用寝室を有する。
適切な環境条件を維持するために、睡眠用寝室及び居住用寝室には、一般的に、その乗員に妥当な休息条件を与えるように寝室/運転室に給送される空気を処理し、加温し、及び/又は冷やすHVACシステム(すなわち、暖房、換気、及び空調システム)が設けられる。
【0003】
特定種類の車両(例えば、クレーン車、作業車両、バス、乗用車、及び他の乗用車)の寝室及び運転室は、多くの場合、エンジンが停止中の間、並びに車両が作動中の時に乗員を収容する。従って、そのような換気システムの作動には、エンジンが、HVACシステムが稼動すべき間に停止される場合があり、それによってエンジンに付随する発電機が、これらの車両の電気系統の電圧レベルを維持しないという点で問題がある。様々な事例において、外部電源は利用可能ではなく、そのために寝室及び運転室の一部の換気システムは、車両の電気系統によって給電される。寝室又は運転室の暖房又は冷房中に電気系統のバッテリ放電を回避するために、車両エンジンは、例えば、発電機を電気系統に対して充電モードに維持するようにオン状態に保たれる。
【0004】
従って、そのような換気システムの一部の使用は、エンジンをオンにして作動させることを必要とするか又はエンジンに機械的に関連することによって車両性能に影響を与えるかのいずれかによって車両の燃料消費を伴うものである。これは、燃焼副産物の放出をもたらす。従って、そのような換気システムは、燃料消費に起因する高い作動コストだけでなく、それらはまた、環境に悪影響を及ぼしている。
【0005】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/605,507号
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、車両の睡眠用寝室及び運転室のための斬新なHVACシステムを提供することである。
また、本発明の目的は、従来技術に関連した問題に対処する車両の睡眠用寝室及び運転室のための斬新なHVACシステムを提供することである。
従って、本発明により、第1の冷媒が、蓄積器冷媒が第1の冷媒と熱交換する少なくともエネルギ蓄積器、運転室/寝室の温度を調節するために運転室/寝室に吹き込まれる流体と第1の冷媒が熱交換する放熱器、及び熱交換ユニットの間で循環する温度調節回路と、第2の冷媒が、第2の冷媒を冷却サイクルに従わせるための、少なくとも1つの電動圧縮器を有する圧縮段、凝縮段、膨張段、及び第2の冷媒が第1の冷媒から熱を吸収するように温度調節回路の熱交換ユニットと熱交換関係にある蒸発段の間で循環する冷却回路と、車両がオン状態にあって電源を充電する時にエネルギ蓄積器に冷熱エネルギを貯蔵するために温度調節回路及び冷却回路を選択的に作動させ、かつ放熱器を用いて運転室/寝室に吹き込まれる流体を冷却するために温度調節回路を選択的に作動させる、車両の電源によって給電されたコントローラシステムとを含む、車両の運転室/寝室のための温度調節システムが提供される。
【0007】
更に、本発明により、オペレータから運転室/寝室に対する設定値温度を受け取るためのオペレータインタフェースと、第1の冷媒が、蓄積器冷媒が第1の冷媒と熱交換する少なくともエネルギ蓄積器、第1の冷媒を加熱するための加熱ユニット、運転室/寝室の温度を調節するために運転室/寝室に吹き込まれる流体と第1の冷媒が熱交換する放熱器、及び熱交換ユニットの間で循環する温度調節回路と、第2の冷媒が、第2の冷媒を冷却サイクルに従わせるための圧縮段、凝縮段、膨張段、及び第2の冷媒が第1の冷媒から熱を吸収するように温度調節回路の熱交換ユニットと熱交換関係にある蒸発段の間を循環する冷却回路と、少なくとも蓄積器冷媒の温度、外気温度、及び運転室/寝室の温度をモニタするセンサと、センサの温度読取値に応じてエネルギ蓄積器の所要エネルギレベルを計算する、センサに付随するエネルギレベル計算器と、車両の電源に接続され、かつエネルギレベル計算器に接続した作動コントローラとを含み、作動コントローラが、(1)エネルギ蓄積器に冷熱エネルギを貯蔵するために加熱ユニットを使用しないで冷却回路及び温度調節回路を作動させること、及び(2)エネルギ蓄積器に高熱エネルギを貯蔵するために加熱ユニットを使用して温度調節回路を作動させることの一方のために設けられ、作動(1)及び(2)は、エネルギ蓄積器のエネルギレベルと設定値温度に応じて選択され、かつ作動コントローラが、(3)放熱器内で第1の冷媒を循環させることによって運転室/寝室に吹き込まれる流体を処理するために温度調節回路を作動させることのために設けられた、車両の運転室/寝室のための温度調節システムが提供される。
本発明の性質を以上のように概略的に説明したが、ここで、その好ましい実施形態を例示的に示す添付図面を以下に参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図面、より詳しくは図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態による温度調節システムを概略的に10で示している。温度調節システム10は、概略的には、温度調節回路12、及び冷却回路14を有する。
【0009】
温度調節回路12
温度調節回路12は、温度調節を必要とする車両の睡眠用寝室又は他のそのような自己充足型空間に供給される空気の加熱又は冷却に使用される。温度調節回路12は、第1の冷媒が循環する閉回路である。温度調節回路12は、一般的に、配管ネットワークによって相互に関連した4つの段を有する。より具体的には、温度調節回路12は、エネルギ蓄積器20、加熱ユニット21、放熱器22、及び熱交換ユニット23を有する。
【0010】
エネルギ蓄積器20は、蓄積器冷媒がエネルギを蓄積するリザーバ、及び温度調節回路12の第1の冷媒が蓄積器冷媒と熱交換関係になる熱交換器(例えば、コイル)を有する。エネルギ蓄積器20内の蓄積器冷媒は、それが寝室の空気の冷却に必要とされる時に冷却状態であり、又はそれが寝室の空気の加熱に必要とされる時に加熱状態である。蓄積器冷媒は、以下に説明するように、温度調節回路12の作動温度において相変化するように選択されることが好ましい。
【0011】
加熱ユニット21は、第1の冷媒の流入を受け取るようにエネルギ蓄積器20と流体連通しており、エネルギ蓄積器20の下流に配置される。加熱ユニット21は、エネルギ蓄積器20から給送された第1の冷媒の加熱に使用される。第1の冷媒の加熱が必要とされない場合があり、従って、図1に示すように加熱ユニット21を迂回することができる。
加熱ユニット21は、一般的に、車両の電気回路から電力を受け取るための電気コイルを有する。また、電気コイルの代替又は特に寒冷気候のための予備熱源として、加熱ユニット21へ燃焼加熱を提供することも考えられている。燃焼加熱がもたらされる事例では、燃料を車両のエンジンの燃料系統から収集することができる。例えば、加熱ユニット21の燃焼加熱器をエンジンの燃料系統に関連付ける燃料導管は、車両の燃料リザーバ内の標準ポートに入り込むことができる。代替的に、小型の燃料タンクを加熱ユニット21に関連付けることができる。
放熱器22は、加熱ユニット21の下流に配置され、加熱ユニット21から、又は加熱ユニット21が迂回された場合ではエネルギ蓄積器20からの第1の冷媒の流れを受け取る。放熱器22は、そこを通過する空気の流れを作り出し、それを用いて放熱器22を貫通する第1の冷媒が熱交換され、それによって寝室内に必要になる温度条件に従ってこの空気が加熱又は冷却される。
【0012】
熱交換ユニット23は、放熱器22の下流かつエネルギ蓄積器20の上流に配置され、かつ熱交換ユニット23を迂回することができる。熱交換ユニット23は、温度調節回路12を冷却回路14と相互に関連付ける。より具体的には、熱交換ユニット23を貫通して循環する第1の冷媒は、冷却回路14内を循環する冷媒(すなわち、第2の冷媒)に熱を放出することになる。熱交換ユニット23は、寝室の温度調節が空気の冷却を必要とする時に使用される(例えば、寝室内の空調)。従って、空調が不要な時には、熱交換ユニット23は、迂回することができる。
第1の冷媒は、上述の必要な段に到達するように温度調節回路12を通じて循環することになる。流れ生成手段(例えば、ポンプ)は、25に示されており、温度調節回路12を通じた第1の冷媒の循環を引き起こす。温度調節回路12の段のシーケンスは変わる場合があることが指摘される。例えば、加熱ユニット21は、エネルギ蓄積器20の上流に配置することができる等である。
【0013】
冷却回路14
図1を参照すると、冷却回路14は、空調が寝室内で必要であるか又は必要であることになる時(すなわち、冷却が、その後の寝室における空調の使用のために蓄えられるべきである時)に、温度調節回路12の第1の冷媒から熱を吸収するために使用される。
冷却回路14は、第2の冷媒が完結した冷却サイクルの形で循環する閉回路である。冷却回路14は、圧縮段40、凝縮段41、膨張段42、及び蒸発段43と呼ばれる流体連通シーケンスの4つの段を有する。
【0014】
圧縮段40は、一般的に、第2の冷媒を冷却媒体(例えば、空気)の温度に応じて高圧ガス状態まで圧縮する圧縮機を有し、この圧縮された第2の冷媒は、凝縮段を横断して吹き込まれることになる。電動圧縮器を圧縮段40に使用することが考えられている。より具体的には、エンジンへの機械的接続(例えば、ベルト経由で)とは対照的に、電源(例えば、車両の電気系統、温度調節システム10に関連したバッテリ)にそのような圧縮機を接続することができる。機械的に接続した圧縮機は、エンジン性能に影響を及ぼすことが示されている。好ましい電動圧縮器は、非排他的に、遠心式及び/又は回転式圧縮機を含むが、往復式及び/又はネジ式及び/又は他の形式の圧縮機も温度調節システム10で使用することができる。
【0015】
凝縮段41は、圧縮段40の下流に配置されて、高圧ガス状態の形態で圧縮段40から第2の冷媒の流れを受け取る。凝縮段41は、一般的に、第2の冷媒がその高圧ガス状態の形態で媒体(例えば、外気)と熱交換関係にある凝縮器を有する。この媒体は、凝縮段41の凝縮器表面に例えば吹き付けられ、それによって熱が第2の冷媒から放出され、そのために第2の冷媒が高圧の液体状態に達する。
【0016】
膨張段42は、凝縮段41の下流に配置されて、高圧の液体状態の形態の第2の冷媒の流れを受け取る。膨張段42は、第2の冷媒に対して圧力降下を作り出し、それによって第2の冷媒は、総じて低圧の液体状態の形態で膨張段42を出て行く。膨張段42は、一般的に、膨張弁(例えば、感温膨張弁)を含むが、毛管チューブ又は事前較正膨張ポートも使用することができる。
蒸発段43は、膨張段42の下流に配置されて、それと流体連通している。第2の冷媒は、低圧の液体状態の形態で蒸発段43に到達する。蒸発段43は、熱交換ユニット23と熱交換関係にある蒸発器を有し、それによって冷却回路14の第2の冷媒は、温度調節回路12内の第1の冷媒から熱を吸収することになる。
第2の冷媒が蒸発段43で熱を吸収する時に、第2の冷媒は、低圧のガス状態に至ることになる。圧縮段40は、蒸発段43の下流に配置されて、低圧のガス状態の形態で第2の冷媒の流れを受け取り、それによって冷却回路が完結する。
【0017】
冷媒
本説明では、冷媒という表現は、温度調節システム10内で熱を吸収又は放出するために提供される流体又は固体を意味するように通常使用される。本発明の温度調節システム10は、温度調節回路12内に第1の冷媒、冷却回路14内に第2の冷媒、及びエネルギ蓄積器20内に蓄積器冷媒を有する。
第1の冷媒は、寝室に供給される空気を加熱するか又は冷却するために放熱器22に給送される点に鑑みて、設定値温度に達する熱伝導流体である。例えば、第1の冷媒は、一般的に、グリコールのようなアルコールベースの流体、又は単に水である。
【0018】
温度調節システム10が空調の形態で作動する時には、第1の冷媒は、熱交換器ユニット23において第2の冷媒に、及び/又はエネルギ蓄積器20において蓄積器冷媒に熱を放出する。第1の冷媒は、温度調節システム10が空調の形態で作動する時には、放熱器22表面に吹き付けられた空気から熱を吸収する。
温度調節システム10が暖房の形態で作動する時には、第1の冷媒は、加熱ユニット21から及び/又はエネルギ蓄積器20から熱を吸収する。温度調節システム10が暖房の形態で作動する時には、第1の冷媒は、放熱器22表面に吹き付けられた空気に熱を放出する。
【0019】
蓄積器冷媒は、第1の冷媒との一連の熱交換の後に、エネルギ蓄積器20の内部でほぼ標準大気圧下で相変化(例えば、固体から液体に、液体から気体に、又は逆もまた同様)するように選択される。蓄積器冷媒が、蓄積器冷媒の潜熱容量の使用によってエネルギ蓄積器20の保温容量を最大にするように、第1の冷媒に要求される温度変化に応じて相変化(例えば、液体−固体、及び逆もまた同様)を行うことが好ましい。
蓄積器冷媒は、アルカン、N−パラフィン炭化水素鎖、グリセリン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、へプタデカン、炭化水素ワックス、グリセロール、1、2、3−プロパントリオールを含むことができる異なる材料の複合物である。
【0020】
第2の冷媒は、冷却回路14の作動中に完結した冷却サイクルを行う。第2の冷媒は、凝縮段41においてその表面に吹き付けられた空気(例えば、周囲空気、外気)に熱を放出する際に相変化する(すなわち、気体から液体)ように、圧縮段40で圧縮される。更に、膨張すると、第2の冷媒は、相変化して(すなわち、液体から気体)第1の冷媒から熱を吸収する。
第2の冷媒は、一般的に、60℃までの温度変動範囲内で作動するように圧縮されるべく適合された炭化水素ベースの流体、又はその同類から構成される。
【0021】
空調作動
圧縮段40は、温度調節システム10が最も多くの仕事を必要とする温度調節システム10の段である。更に、寝室が道路車両の作動中は空調を必要としない点を考慮すると、寝室のその後の空調の必要性を考慮してエネルギ蓄積器20内に冷却エネルギを蓄積するために、冷却回路14は、温度調節回路12の蓄積器媒体を冷却するために車両の通行中に使用される。
従って、冷却サイクルは、冷却回路14内の第2の冷媒が温度調節回路12内の第1の冷媒から熱を吸収するために、冷却回路14を用いて作動される。上述のように、この熱交換は、熱交換器ユニット23で行われる。第1の冷媒は、同時に温度調節回路12内を循環し、それによって熱交換器ユニット23の下流での第1の冷媒の冷却状態が、エネルギ蓄積器20内の蓄積器冷媒から熱を吸収するために使用される。
蓄積器冷媒によって蓄積されたエネルギ量が最大になった状態で、温度調節回路12及び冷却回路14の両方における冷媒循環は停止される。
【0022】
寝室の内部を空調する必要性が存在する時には、温度調節回路12は、その中に第1の冷媒の循環を誘発させることによって単独に作動する。第1の冷媒は、放熱器22の表面に吹き付けられた空気から熱を吸収し、この熱をエネルギ蓄積器20内の蓄積器冷媒に放出する。
従って、空調作動中の温度調節システム10の電力所要量は、車両が通行状態(下文の説明のように、電源が発電機によって再充電されている状態)にある間に冷却を行うエネルギがエネルギ蓄積器20内に蓄積されているという事実により最小になる。
【0023】
しかし、エネルギ蓄積器20内の冷却を行うエネルギレベルが下限に達する場合には、冷却回路14を作動させることができる。そのような場合には、温度調節回路12及び冷却回路14は、それらのそれぞれの冷媒を同時に循環させ、それによって上述のように冷却回路14内の第2の冷媒は、温度調節回路12内の第1の冷媒から熱を吸収する。温度調節回路12内の第1の冷媒は、エネルギ蓄積器20の冷却を行うエネルギを回復させるために及び/又は放熱器22の表面に吹き付けられた空気から熱を吸収するために使用される。
温度調節システム10の空調作動中には、加熱ユニット21は、通常は迂回される(例えば、加熱ユニット21が停止中に第1の冷媒がそれを通って通過するのを可能にすることにより)。
【0024】
暖房作動
温度調節システム10を暖房用に使用する期間では、冷却回路14は作動しない。車両の通行中は、寝室に暖房が不要であることを考察すると、温度調節回路12は、その後の寝室暖房の必要性を考慮してエネルギ蓄積器20内の加熱エネルギを蓄積するために、通行中に蓄積器冷媒を加熱するように使用されることが好ましい。
従って、第1の冷媒は、加熱ユニット21から熱を吸収するように、温度調節回路12内で循環される。放熱器22及び熱交換器ユニット23は迂回され、第1の冷媒は、エネルギ蓄積器20に到達し、このエネルギ蓄積器20では、第1の冷媒は、蓄積器冷媒に熱を放出することになる。
【0025】
車両が駐車し、かつ寝室の暖房の必要に応じて、放熱器22が作動され、それによって空気が吹き込まれて温度調節回路12内を循環する第1の冷媒との熱交換が行われる。放熱器22内で第1の冷媒によって加熱を終えたこの空気は、次に寝室に供給される。
第1の冷媒は、次に、エネルギ蓄積器20内で蓄積器冷媒から熱を吸収するために、熱交換器ユニット23を迂回した後にエネルギ蓄積器20に到達する。
【0026】
蓄積器冷媒が、空調に鑑みて最適相変化設定値において相変化するように選択されることを考慮すると、エネルギ蓄積器20の出口における第1の冷媒の温度は、厳しい加熱目的に対しては低くなりすぎる恐れがある。従って、必要時には、その後の放熱器22への供給のために第1の冷媒の加熱を完全に行う目的で、加熱ユニット21が作動される。
更に、より寒冷な天候では、加熱ユニット21を通過して循環する第1の冷媒を更に加熱するために、以前に説明した予備用燃焼加熱器を使用することができる。
【0027】
エネルギ蓄積器20が低い加熱エネルギレベルに到達する時には、第1の冷媒が蓄積器冷媒に熱を放出するのに適切な高温状態でエネルギ蓄積器20に到達するために、放熱器22を迂回することが考えられている(例えば、その表面を流れる空気の停止により)。
空調及び暖房作動の両方は、車両の通行中は電力を使用してエネルギを蓄積し、従って、この電源が車両の発電機によって再充電されることが指摘される。このエネルギの蓄積により、その後車両がエンジンを停止した状態で駐車する時に、温度調節システム10が相対的に低いエネルギ消費で作動することができるようになる。
【0028】
コントローラシステム50
図1を参照すると、温度調節システム10の複数の構成要素は、温度調節システム10の作動の様々な段階において起動される。従って、装置10の様々な作動を制御かつ誘導するために、コントローラシステム50は、温度調節システム10の様々な電動式構成要素に接続されている。
コントローラシステム50は、装置10の様々な作動パラメータがそれによって影響を受けることになる情報を受け取る。図1に示すように、温度センサ52は、運転室温度(例えば、運転室内又は放熱器22出口における)、外気温度、及び/又は冷媒温度(第1の冷媒、第1の冷媒、及び蓄積器冷媒)のような情報を提供するようにコントローラシステム50に接続されている。
【0029】
コントローラシステム50はまた、オペレータインタフェース54に接続されて、このオペレータインタフェースによって車両乗員が運転室の温度調節を選択することができる。
その結果、コントローラシステム50は、温度調節システム10の全ての起動された構成要素の作動を制御して、温度調節システム10を使用している運転室の望ましい温度条件を調節する。
【0030】
より具体的には、図2を参照すると、コントローラシステム50と、その構成要素と、温度調節システム10の構成要素とのその相互作用とが、より詳細に示されている。コントローラシステム50は、一般的に、作動コントローラ60を有する処理ユニット(例えば、CPU、プロセッサチップ、又はその同類)である。
作動コントローラ60は、寝室、寝室の環境、及び温度調節システム10からの複数の情報源から情報を受け取り、この情報を様々な計算器に送る。この計算器は、次に、作動コントローラ60に情報を戻すことになり、それは、作動コントローラ60が、寝室での温度制御に関するオペレータインタフェース54からの要求に応答するように、収集されたデータに応じて温度調節システム10の構成要素を作動させることを促すことになる。
【0031】
実施形態では、寝室オペレータは、寝室における状態に基づいて判断する(例えば、設定値温度)。この決定は、一般的に、車両が停止される前に行われる。オペレータは、オペレータインタフェース54経由でコントローラシステム50の作動コントローラ60と通信する。
作動コントローラ60は、次に、寝室におけるオペレータの設定値温度の設定に応答するために行う必要があるアクションは何であるかを判断する目的で、温度調節システム10の様々な構成要素のステータス並びに他の要因を検証すべきである。
【0032】
温度調節システム10は、第一義的にはエネルギ蓄積器として見なされる。より具体的には、温度調節システム10は、でき得る限りエネルギに依存しない存在になることによってエネルギ効率が良くなるように、電力が利用可能でありかつ再生可能(車両の発電機により)である時には、選択的にエネルギを貯蔵するように作動される。更に、この発電機が温度調節システム10に給電中の間はバッテリの出力レベルをそのレベルに維持するために、温度調節システム10の作動が車両の性能に影響を与えることにならない時に(すなわち、車両のバッテリ電圧が十分高い時)、温度調節システム10を車両の電気系統から切り離して作動することが好ましい。
【0033】
上述のように、温度調節回路12は、蓄積器冷媒(例えば、相変化する冷媒)を備えたリザーバを含むエネルギ蓄積器20を有する。エネルギ蓄積器20内に蓄積されるべきであるエネルギ量(例えば、蓄積器冷媒が到達すべき温度)は、寝室オペレータによって要求された設定値温度に応じて計算されるべきである。
従って、温度センサ52の1つは、蓄積器冷媒の温度をモニタするようにエネルギ蓄積器20に関連付けられる。この温度データは、必要なエネルギ輸送の計算に場合によっては必要になる他の温度情報と共に作動コントローラ60に給送される。例えば、外気温度、及び寝室温度情報が給送される。
【0034】
エネルギレベル計算器61は、コントローラシステム50内に設けられて、作動コントローラ60と関連付けられる。より具体的には、エネルギレベル計算器61は、作動コントローラ60からの温度データ(例えば、エネルギ蓄積器20内冷媒温度、外気温度、寝室温度)、並びにオペレータインタフェース54を通じて寝室オペレータによって要求された設定値温度を受け取る。
受け取った情報に対する応答として、エネルギレベル計算器61は、オペレータによって要求された寝室内の温度設定値をエネルギ蓄積器20が満足させるための所要エネルギレベルを計算することになる。
【0035】
エネルギ蓄積器20に対する所要エネルギレベルに鑑みて、作動コントローラ60は、次に、車両が停止した時にその後の空気/調節、又は暖房作動のためのエネルギを貯蔵するために、温度調節回路12及び/又は冷却回路14の様々な構成要素を作動させることになる。
作動コントローラ60は、電力を受け取るために車両電源Aに接続されている。作動コントローラ60は、電力を受電して温度調節回路12及び冷却回路14の構成要素に送電するために必要な電気構成要素の全てを有することが指摘される。
【0036】
コントローラシステム50はまた、電力レベル計算器62を有する。電力レベル計算器62は、作動コントローラ60に関連付けられている。電力レベル計算器62は、コントローラシステム50の電力蓄積器63(例えば、バッテリ)の電力レベル、及びこの電源Aの電力レベルを判断するために設けられる。電力レベル計算器62はまた、車両のステータス(すなわち、車両が稼動中か又は停止状態か)をこの電源Aの電圧データを作動コントローラ60から受け取ることによって判断することができる。例えば、この電源Aの電圧を測定することが考えられている。車両の発電機が電源Aを充電する時(すなわち、車両が稼動中)には、この電圧は、通常は12Vよりも高く、それによって車両が稼動中か否かを電圧測定値から判断することができる。
【0037】
電力蓄積器63は、一般的に、車両停止時に温度調節システム10の主電源になることになるバッテリである。より具体的には、車両電源Aは、主として車両の作動を可能にする役目を果たす。従って、コントローラシステム50は、車両停止時に温度調節回路12、冷却回路14、及びコントローラシステム50の各種構成要素に対する電源としての役目を果たす電力蓄積器63を有する。電力蓄積器63は、車両稼動時には車両電源Aによって再充電状態になる。
【0038】
車両停止時、かつ寝室内の温度を設定値温度に維持するように空気調節又は加熱する際に温度調節システム10の作動を必要とする時には、作動コントローラ60は、温度調節回路12及び冷却回路14の各種構成要素を作動させる。
例えば、電力蓄積器63における適切な電力レベルの状態下での空調作動中(上述のような)には、温度調節回路12の放熱器22及びポンプ25は、第1の冷媒がエネルギ蓄積器20で熱を放出し、放熱器22で熱を吸収するように作動されるべきである。両者は、作動コントローラ60を通じて電力蓄積器63によって給電され、温度測定値は、エネルギ蓄積器20内のエネルギレベルをモニタするために温度センサ52によって作動期間中にわたって与えられる。
【0039】
電力蓄積器63における適切な電力レベルの状態下での加熱作動中(上述のような)には、放熱器22及びポンプ25は、第1の冷媒がエネルギ蓄積器20で熱を吸収し、放熱器22で熱を放出するように作動されるべきである。電力蓄積器63による給電又は車両からの燃料の使用のいずれかによって第1の冷媒を更に加熱するように、加熱ユニット21に要求することができる。
エネルギ蓄積器20内の温度モニタリングを用いて、このエネルギレベルが温度調節システム10による運転室内の設定値温度の維持を不可能にすることになるのをエネルギレベル計算器61によって判断することができる。従って、エネルギ蓄積器20のエネルギレベルの再回復を要求することができる。温度調節システム10が、例えば寝室空調のための冷却回路14の作動によってエネルギ蓄積器20を再回復している時には、圧縮段40の圧縮機及び凝縮段41のファンのような装置10の付加的な構成要素が作動される。エネルギがエネルギ蓄積器20内に蓄積されている時には、放熱器22を用いる寝室の暖房/冷房に温度調節回路12を使用することができる。
【0040】
空調運転の長期の作動中には、エネルギ蓄積器20内に蓄積されたエネルギレベルが減少し、従って、冷却回路14内の第2の冷媒を通じてエネルギ蓄積器20内に蓄積されたエネルギを放出するように冷却回路14を瞬間的に再作動させることにより、ある程度のエネルギをエネルギ蓄積器20から放出することを要求することができる。
従って、第1の冷媒及び第2の冷媒の両方は、第2の冷媒が熱交換関係30によって熱交換ユニット23内の第1の冷媒から熱を吸収するように、それらのそれぞれの回路内を循環する。第1の冷媒は、次に、温度調節回路12内を循環して、エネルギ蓄積器20内の蓄積器冷媒から、及び運転室冷房のために放熱器22表面に吹き付けられた流体からもある程度の熱を吸収する。
【0041】
十分なエネルギ量がエネルギ蓄積器20から放出し終わった時に(例えば、所定の期間の終わりから又はエネルギレベル計算器61によって計算されたエネルギレベルからコントローラシステム50によって判断されるように)、冷却回路14を停止することができる。
電力レベル計算器62は、連続的に電力蓄積器63の電力レベルをモニタし、この電力レベルが、温度調節システム10の作動を可能にするに足る高さにあることを確実にする。
【0042】
一例として、コントローラシステム50の作動方法を図3の100に示している。方法100は、ユーザによる設定値温度の設定に対する応答としてのコントローラシステム50の論理の代表的な説明である。
段階102では、設定値温度がユーザによって入力される。コントローラシステム50が、空調又は空気暖房のためのエネルギをこのシステムが貯蔵すべきか否かを温度センサ52によって与えられる温度データに応じて判断する許可をユーザが与えることができる点が指摘される。
設定値温度が段階102でユーザによって入力された状態で、エネルギ蓄積器20内のエネルギレベルの計算が段階104で実行される。このエネルギレベル(例えば、蓄積器冷媒の所要温度)の計算は、温度センサ52によって与えられる温度データに応じてエネルギレベル計算器61を用いて計算される。
【0043】
判断106において、作動コントローラ60は、エネルギレベル計算器61によって与えられたエネルギレベルが、ユーザ選択の設定値温度に対して適切であるか否かを判断することになる。
適切である場合には、段階108に進み、段階108では、温度調節回路12の放熱器22が作動され、運転室/寝室を冷房又は暖房する。適切でない場合には、エネルギは、冷熱エネルギ又は高熱エネルギのいずれかの形態でエネルギ蓄積器20内に蓄積されるべきである。
従って、判断110では、温度調節システム10をどの方法で給電することになるかを判断するために、車両電源及び電力蓄積器63の電力レベルが、電力レベル計算器62によって計算されるべきである。
【0044】
以前の説明のように、電力が、例えば発電機経由で再生されている時は、車両電源Aの電力の使用が好ましい。車両が停止している場合には、温度調節システム10を電力蓄積器63内に蓄積されたエネルギから切り離して作動するように要求することができる。
この電源A及び電力蓄積器63の両方が、電力レベル計算器62によって計算された時に、この設定値温度に応じてエネルギ蓄積器20内のエネルギレベルを回復させるに足る利用可能な電力レベルを持たない場合には、コントローラシステム50は、段階112に進むことになり、段階112では、システムは待機状態になり、電源A及び電力蓄積器63の電力レベルが低いことに関してユーザにフィードバックすることになる。
【0045】
好ましくは電源Aであるが、それと電力蓄積器63のいずれか一方が温度調節システム10を作動させるに足る電力レベルを有する場合には、判断114に進み、判断114では、設定値温度を考慮してエネルギ蓄積器20においてこのエネルギレベルを増加する(高熱エネルギ)必要があるか又は低減する(冷熱エネルギ)必要があるか否かが判断される。
エネルギ蓄積器20において高熱エネルギの貯蔵が必要になる場合には、方法100は、段階116に進み、段階116では、エネルギ蓄積器20内にエネルギを貯蔵するために、加熱ユニット21が温度調節回路12内で作動される。
【0046】
その後又は同時に、段階118は、温度調節回路12の放熱器を運転室又は寝室を暖房/冷房するために作動させる。その後、方法100は、エネルギ蓄積器20内のエネルギレベルを連続的にモニタするために継続的に段階104に戻る。
空調目的でエネルギ蓄積器20内でのエネルギレベルの低下が必要になる場合には、段階120は、冷却回路14を作動させる。冷却回路14内の第2の冷媒との熱交換によってエネルギ蓄積器20内に冷熱エネルギを貯蔵するために温度調節回路12の第1の冷媒を循環させるように、段階122が、同時に実行される。
上述のように、段階118は、段階120及び段階122の後に又はそれらと同時に実行される。
【0047】
冷却回路14が無視できない量の電力をその構成要素(例えば、圧縮段40の圧縮機)の作動に必要とするので、作動コントローラ60は、電力蓄積器63から切り離して作動する冷却回路14の様々な構成要素を作動させるための作動シーケンスを用いてプログラムされる。
例えば、コントローラシステム50は、圧縮段40の圧縮機に好ましい電圧を与えるインバータを通常は備えている。また、エンジン発電機が停止した瞬間に圧縮機の起動がバッテリに及ぼす影響を制限するために、コントローラシステム50内にコンデンサが設けられている。
【0048】
温度調節回路12の放熱器22及びポンプ25だけが作動中の時に冷却回路14を起動するように考えられたシーケンスにおいて、このインバータがオンになる。作動コントローラ60に関連した起動コンデンサが次に充電され、続いて同じく作動コントローラ60に関連した作動コンデンサが充電される。
両方のコンデンサが充電された時に、エネルギ蓄積器20内のエネルギレベルを回復するために圧縮機40をオンにすることができ、続いて凝縮機41のファンをオンにすることができる。エネルギ蓄積器20が適切なエネルギレベルに到達した時又は所定の期間の有効期限が切れた時に、凝縮機41の圧縮機40及びファンがオフにされ、続いてインバータがオフにされる。
【0049】
温度調節システム10をあらゆる種類の車両へ設けることが考えられている。温度調節システム10は、車両が停止した時に乗員のために便宜を与える種類の車両に対する使用が好ましいが(例えば、睡眠用寝室、クレーン運転席など)、乗用車、バス、ボート、列車、及び他の乗用車両のような通常の車両に温度調節システム10を装備することができる。
更に、燃焼機関及び電動機の両方を有するハイブリッド車両も、温度調節システム10を使用することができる。そのような場合には、燃焼機関の作動中に発電機によって生成される電力を使用することが好ましい。電気自動車では、温度調節システム10も使用することができるが、作動させるには電気自動車のバッテリに接続される。
本明細書で説明した実施形態のあらゆる明らかな修正を網羅することは、そのような修正が特許請求の範囲に含まれるという条件で本発明の領域内である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の好ましい実施形態による温度調節システムの概略図である。
【図2】図1の温度調節システムに関連したコントローラシステムの概略図である。
【図3】車両の運転室/寝室を加熱/冷却する際のコントローラシステムの作動を説明する流れ図である。
【符号の説明】
【0051】
10 温度調節システム
12 温度調節回路
14 冷却回路
20 エネルギ蓄積器
22 放熱器
23 熱交換ユニット
43 蒸発段
50 コントローラシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転室/寝室のための温度調節システムであって、
第1の冷媒が、蓄積器冷媒が該第1の冷媒と熱交換する少なくともエネルギ蓄積器と、該第1の冷媒が運転室/寝室の温度を調節するために該運転室/寝室に吹き込まれる流体と熱交換する放熱器と、熱交換ユニットとの間を循環する温度調節回路と、
第2の冷媒が、該第2の冷媒を冷却サイクルに従わせるための、少なくとも1つの電動圧縮器を有する圧縮段と、凝縮段と、膨張段と、該第2の冷媒が前記第1の冷媒から熱を吸収するように前記温度調節回路の前記熱交換ユニットと熱交換関係にある蒸発段との間を循環する冷却回路と、
車両の電源によって給電され、該車両がオンにされて該電源を充電する時に前記エネルギ蓄積器に冷熱エネルギを貯蔵するために前記温度調節回路及び前記冷却回路を選択的に起動し、かつ前記放熱器を用いて前記運転室/寝室に吹き込まれる前記流体を冷却するために該温度調節回路を選択的に起動するコントローラシステムと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記温度調節回路は、加熱ユニットを有し、前記コントローラシステムは、前記エネルギ蓄積器に高熱エネルギを選択的に貯蔵し、かつ該温度調節回路を起動して前記放熱器を用いて前記運転室/寝室に吹き込まれる前記流体を加熱するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の温度調節システム。
【請求項3】
前記蓄積器冷媒は、冷熱エネルギを貯蔵する時に相変化することを特徴とする請求項1に記載の温度調節システム。
【請求項4】
車両の運転室/寝室のための温度調節システムであって、
オペレータから運転室/寝室に対する設定値温度を受け取るためのオペレータインタフェースと、
第1の冷媒が、蓄積器冷媒が該第1の冷媒と熱交換する少なくともエネルギ蓄積器と、該第1の冷媒を加熱するための加熱ユニットと、該第1の冷媒が運転室/寝室の温度を調節するために該運転室/寝室に吹き込まれる流体と熱交換する放熱器と、熱交換ユニットとの間を循環する温度調節回路と、
第2の冷媒が、該第2の冷媒を冷却サイクルに従わせるための圧縮段と、凝縮段と、膨張段と、該第2の冷媒が前記第1の冷媒から熱を吸収するように前記温度調節回路の前記熱交換ユニットと熱交換関係にある蒸発段との間を循環する冷却回路と、
少なくとも前記蓄積器冷媒の温度、外気温度、及び運転室/寝室温度をモニタするセンサと、
前記センサの温度読取値に応じて前記エネルギ蓄積器の所要エネルギレベルを計算する、該センサに関連したエネルギレベル計算器と、
車両の電源に接続され、かつ前記エネルギレベル計算器に接続された作動コントローラと、
を含み、
前記作動コントローラは、(1)前記エネルギ蓄積器に冷熱エネルギを貯蔵するために前記加熱ユニットを使用しないで前記冷却回路及び前記温度調節回路を起動すること、及び(2)該エネルギ蓄積器に高熱エネルギを貯蔵するために該加熱ユニットを使用して該温度調節回路を起動することの一方のために設けられ、作動(1)及び(2)は、該エネルギ蓄積器のエネルギレベルと前記設定値温度とに応じて選択され、かつ該作動コントローラは、(3)前記放熱器に前記第1の冷媒を循環させることによって前記運転室/寝室に吹き込まれる前記流体を処理するために該温度調節回路を起動することのために設けられている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項5】
前記車両の前記電源の電力レベルをモニタし、かつ該電源の該電力レベルに応じて作動(1)、(2)、及び(3)のいずれかを実行する時を示すために前記作動コントローラに接続した電力レベル計算器を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の温度調節システム。
【請求項6】
前記電力レベル計算器は、前記車両が走行している時に前記作動(1)及び(2)を実行することができることを示すことを特徴とする請求項5に記載の温度調節システム。
【請求項7】
前記車両の前記電源から電力を蓄積するための、前記作動コントローラに接続された電力蓄積器を更に含み、それによって前記温度調節システムは、該車両がオフにされた時に該電力蓄積器によって給電されることを特徴とする請求項4に記載の温度調節システム。
【請求項8】
前記車両の前記電源の電力レベルをモニタし、かつ該電源の該電力レベルに応じて電力を前記電力蓄積器に蓄積することができる時を示すために前記作動コントローラに接続した電力レベル計算器を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の温度調節システム。
【請求項9】
前記電力レベル計算器は、前記車両の前記電源の前記電力レベルをモニタし、かつ該電源の該電力レベルに応じて作動(1)、(2)、及び(3)のいずれかを実行する時を示すために前記作動コントローラに接続されていることを特徴とする請求項8に記載の温度調節システム。
【請求項10】
前記温度調節回路の前記加熱ユニットは、前記第1の冷媒を加熱する車両燃料を燃焼させるバーナーを有することを特徴とする請求項4に記載の温度調節システム。
【請求項11】
前記作動コントローラによって実行される前記作動(1)及び(2)のいずれか一方は、前記作動(3)と同時に実行されることを特徴とする請求項4に記載の温度調節システム。
【請求項12】
前記蓄積器冷媒は、前記作動(1)及び(2)の一方の間に相変化することを特徴とする請求項4に記載の温度調節システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−511482(P2008−511482A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528543(P2007−528543)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001334
【国際公開番号】WO2006/024168
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(507066013)グループ エナースタット インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】