説明

車両後部構造

【課題】車両後方への泥水等の通過物の飛散を抑制することができる車両後部構造を得る。
【解決手段】リアバンパカバーの内側かつリアホイールハウスの車両後方側に、リアホイールハウス内の空気をリアバンパカバーの車両後部側に向けて排出する空気通路部としてのダクト部20が設けられている。ダクト部20は矩形状の筒状体からなり、ダクト部20内には、左右一対の縦壁20A、20Aに掛け渡された複数の平板34が設けられている。ダクト部20内を通過する通過物としての泥水40に複数の平板34のいずれかが当たることで、泥水40の移動速度が減速され、車両後方への泥水40の飛散が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、リアバンパとクォータパネルとによって形成された通路部を備え、リアホイールハウス内の空気を通路部によりリアバンパの後面に設けられた開口から車両後方へ排出する構造が開示されている。この構造では、リアホイールハウス内の空気を通路部からリアバンパの開口の車両後方に向けて吹き出すことで、車両の空気抵抗の低減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−25369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、雨天の車両走行時に、リアタイヤによって巻き上げられた泥水がリアホイールハウスの後方に設けられた通路部を通り、リアバンパの後面の開口から車両後方へ飛散する可能性がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車両後方への泥水等の通過物の飛散を抑制することができる車両後部構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る車両後部構造は、リアバンパカバーの内側で、かつリアホイールハウスの車両後方側に設けられ、前記リアホイールハウス内の空気を前記リアバンパカバーの後部域に設けられた排出開口から車両後方へ排出する空気通路部と、前記空気通路部内に設けられ、前記空気通路部内を通過する通過物に当たることで前記通過物の移動速度を減速させる低速化手段と、を有するものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載の車両後部構造において、前記低速化手段は、前記空気通路部を構成する壁から突出して設けられた突部材であるものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の車両後部構造において、前記突部材は、前記空気通路部の空気の流れ方向に対して交差する方向に配置されると共に、前記空気通路部の対向する壁に架け渡されているものである。
【0009】
請求項1記載の本発明によれば、リアバンパカバーの内側かつリアホイールハウスの車両後方側に設けられた空気通路部によって、リアホイールハウス内の空気がリアバンパカバーの後部域に設けられた排出開口から車両後方へ排出される。空気通路部内には、通過物の移動速度を減速させる低速化手段が設けられており、空気通路部内を通過する通過物に低速化手段が当たることで、通過物の移動速度が減速される。これにより、空気通路部を泥水等の通過物が直進することが妨げられ、排出開口から車両後方への泥水等の通過物の飛散が抑制される。
【0010】
請求項2記載の本発明によれば、低速化手段は、空気通路部を構成する壁から突出して設けられた突部材であり、空気通路部内を通過する通過物に突部材が当たることで、通過物の移動速度が減速される。これにより、空気通路部を泥水等の通過物が直進することが妨げられ、排出開口から車両後方への泥水等の通過物の飛散が抑制される。
【0011】
請求項3記載の本発明によれば、突部材は、気通路部の空気の流れ方向に対して交差する方向に配置されると共に、空気通路部の対向する壁に架け渡されており、空気通路部内を通過する通過物に突部材が当りやすい。このため、通過物の移動速度がより確実に減速される。これにより、空気通路部を泥水等の通過物が直進することがより確実に妨げられ、排出開口から車両後方への泥水等の通過物の飛散がより効果的に抑制される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る車両後部構造によれば、車両後方への泥水等の通過物の飛散を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る車両後部構造が適用された車両を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る車両後部構造が適用された車両の後部のダクト部付近の構成を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る車両後部構造が適用された車両の後部のダクト部付近の構成を示す側面図である。
【図4】図2に示す車両後部構造に用いられるダクト部を示す斜視図である。
【図5】図4に示すダクト部の長手方向に沿った縦断面図である。
【図6】図5中の2−2線に沿った縦断面図である。
【図7】第2実施形態に係る車両後部構造が適用された車両の後部のダクト部付近の構成を示す斜視図である。
【図8】第2実施形態に係る車両後部構造に用いられるダクト部の長手方向に沿った縦断面図である。
【図9】第3実施形態に係る車両後部構造に用いられるダクト部の長手方向に沿った縦断面図である。
【図10】図9中の4−4線に沿った縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1〜図6を用いて、本発明に係る車両後部構造の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印RRは車両後方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
【0015】
図1には、本実施形態に係る車両後部構造が適用される車両が斜視図にて示されている。図2には、本実施形態に係る車両後部構造が適用される車両の後部が斜視図にて示されており、図3には、本実施形態に係る車両後部構造が適用される車両の後部が側面図にて示されている。これらの図に示されるように、車両10の後部11には、車両下方側の後端部に樹脂製のリアバンパカバー12が取り付けられている。リアバンパカバー12は、車両10の後端部に車両幅方向に沿って配置される後面部12Aと、後面部12Aの車両幅方向両端部から車両前方側に延びる側面部12Bと、を備えている。車両10の後部11には、リアバンパカバー12の後面部12Aと側面部12Bとが交差する位置の上方側にリアコンビネーションランプ22が取り付けられている。なお、図3では、車両10の一方の側部のリアバンパカバー12の側面部12Bのみが図示されており、車両10の他方の側部は左右対称であるので図示を省略している。
【0016】
車両10の後部11には、リアバンパカバー12の側面部12Bの車両前方側に、リアタイヤ14を格納するリアホイールハウス16が設けられている。リアバンパカバー12の側面部12Bの前端には、リアタイヤ14と対向する位置にフェンダライナー18が設けられている。フェンダライナー18は、リアタイヤ14の周面に沿って車両上下方向及び車両幅方向に湾曲して形成されている。
【0017】
リアバンパカバー12の側面部12Bの車両幅方向内側には、車両前後方向に沿って空気通路部の一例としてのダクト部(リアアウトレットとも言う)20が設けられている。ダクト部20は、車両10の後部11の両サイドに設けられている(図2参照)。ダクト部20は、リアバンパカバー12の側面部12Bとその車両幅方向内側の車両本体との間に配置されており、車両本体に図示しない取付具により固定されている。ダクト部20は、リアホイールハウス16の車両後方側に配置されている。
【0018】
図2及び図4に示されるように、ダクト部20は、筒状体からなり、車両幅方向に沿った断面が車両上下方向に長い矩形状に形成されている。すなわち、ダクト部20は、車両幅方向内側と車両幅方向外側に対向するように配置された左右一対の縦壁20A、20Aと、車両上方と車両下方に対向するように配置された上下一対の横壁20B、20Cと、を備えている。ダクト部20の前端部には、リアホイールハウス16内の空気が流入される流入開口30が形成されており、ダクト部20の後端部には、ダクト部20内を通った空気が排出される排出開口32が形成されている。車両下方の横壁20Cは、流入開口30から車両後方側に向かってやや上り勾配となるように傾斜して配置されている(図5参照)。
【0019】
フェンダライナー18には、ダクト部20の流入開口30とほぼ同じ形状の開口が設けられており、ダクト部20の流入開口30がフェンダライナー18の開口に連結されている(図1及び図3参照)。リアバンパカバー12の後面部12Aには、ダクト部20の排出開口32とほぼ同じ形状の開口が設けられており、ダクト部20の排出開口32が後面部12Aの開口に連結されている(図2参照)。すなわち、ダクト部20の流入開口30はフェンダライナー18の開口を介してリアホイールハウス16と連通している。また、ダクト部20の排出開口32はリアバンパカバー12の後面部12Aの開口を介して車両10の後部11の外部側と連通している。これによって、リアホイールハウス16内の空気が流入開口30からダクト部20内に流入し、空気がダクト部20内を通って排出開口32からリアバンパカバー12の後面部12Aの後方側へ排出されるようになっている。
【0020】
図4〜図6に示されるように、ダクト部20には、ダクト部20を構成する縦壁20Aからダクト部20内に突出する突部材の一例としての平板34が設けられている。平板34は、ダクト部20内で対向する左右一対の縦壁20A、20Aに架け渡されている(図6等参照)。平板34は、ダクト部20の長手方向(車両前後方向)、すなわちダクト部20内の空気の流れ方向に対して交差する方向に配置されている(図5等参照)。
【0021】
また、平板34の上下面は、ダクト部20の長手方向、すなわちダクト部20内の空気の流れ方向に沿って配置されている。平板34の車両前後方向の長さは、ダクト部20の流入開口30から排出開口32までの長さよりも短く設定されており、平板34は、ダクト部20内の車両上下方向及び車両前後方向に間隔をおいて複数設けられている。言い換えると、複数の平板34は、ダクト部20内の車両上下方向、車両前後方向に分散して横方向(車両幅方向)に配置されている。これにより、ダクト部20内に複数の平板34を設けても、流入開口30を制限することがなく、また、ダクト部20内を流れる空気の通風量が減少しない構成とされている。また、複数の平板34は、ダクト部20内の車両上下方向、車両前後方向に分散して横方向に配置されていることで、雨天の車両走行時などにダクト部20内に通過物(質量体)としての泥水40が通過するときに、泥水40に複数の平板34のいずれかが当たることで、泥水40の移動速度を減速させるようになっている。すなわち、複数の平板34は、ダクト部20内に入った泥水40の移動速度を減速させる「低速化手段」として機能する。
【0022】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0023】
リアバンパカバー12の側面部12Bの車両幅方向内側には、車両前後方向に沿って筒状のダクト部20が設けられており、ダクト部20の前端部の流入開口30はフェンダライナー18の開口に連結されており、ダクト部20の排出開口32はリアバンパカバー12の後面部12Aの開口に連結されている。これによって、リアホイールハウス16内の空気が流入開口30からダクト部20内に流入し、更に空気がダクト部20内を通って排出開口32からリアバンパカバー12の後面部12Aの後方側(車両10の後部11の外部側)へ排出される。すなわち、図5に示されるように、矢印A方向に沿ってダクト部20の流入開口30から排出開口32に向かって空気が流れる。
【0024】
その際、図5及び図6に示されるように、ダクト部20の対向する左右一対の縦壁20A、20Aに複数の平板34が架け渡されており、複数の平板34は、ダクト部20内の車両上下方向、車両前後方向に分散して横方向(車両幅方向)に配置されている。これにより、図5に示されるように、雨天の車両走行時などにダクト部20内に通過物としての泥水40が入った場合に、泥水40に複数の平板34のいずれかが当たることで、泥水40の移動速度が減速される。泥水40は平板34に付着し、又はダクト部20の下部に落下する。これにより、ダクト部20内を泥水40等の通過物(質量体)が直進することが妨げられ、ダクト部20の排出開口32から車両後方へ泥水40等の通過物が飛散することを抑制することができる。このため、車両10の後方に後続車が走行する場合でも、後続車の前方視界を妨げることが阻止される。
【0025】
また、複数の平板34は、ダクト部20の対向する左右一対の縦壁20Aに架け渡されると共に、ダクト部20内の空気の流れ方向に対して交差する方向に配置されている。さらに、複数の平板34は、ダクト部20内の車両上下方向、車両前後方向に分散して横方向に配置されている。これにより、ダクト部20内に入った泥水40に複数の平板34のいずれかが当りやすい。このため、ダクト部20内を泥水40等の通過物が直進することがより確実に妨げられ、ダクト部20の排出開口32から車両後方へ泥水40等の通過物が飛散することをより効果的に抑制することができる。
【0026】
さらに、複数の平板34の上下面は、ダクト部20の長手方向、すなわちダクト部20内の空気の流れ方向に沿って配置されると共に、複数の平板34は、ダクト部20内の車両上下方向、車両前後方向に分散して配置されている。これにより、ダクト部20内に複数の平板34を設けても、流入開口30を制限することがなく、また、ダクト部20内を流れる空気の通風量が減少することが抑制される。
【0027】
さらにまた、ダクト部20の対向する左右一対の縦壁20Aに複数の平板34が架け渡されることで、ダクト部20の剛性を向上させることができる。
【0028】
次に、図7及び図8を用いて、本発明に係る車両後部構造の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0029】
図7に示されるように、リアバンパカバー12の側面部12Bの車両幅方向内側には、車両前後方向に沿って空気通路部の一例としてのダクト部50が設けられている。ダクト部50は、リアホイールハウス16の車両後方側に配置されている。
【0030】
図7及び図8に示されるように、ダクト部50は、筒状体からなり、車両幅方向内側と車両幅方向外側に対向するように配置された左右一対の縦壁50A、50Aと、車両上方と車両下方に対向するように配置された上下一対の横壁50B、50Cと、を備えている。なお、図8には、ダクト部50の図中手前側の縦壁は図示されていない。車両上方の横壁50Bは、車両前後方向の中間部が車両上方側に突出するように湾曲して形成されている。車両下方の横壁50Cは、車両前後方向の中間部が凹状に湾曲した状態で、流入開口30から車両後方側に向かってやや上り勾配となるように配置されている。
【0031】
ダクト部50には、ダクト部50を構成する縦壁50Aからダクト部50内に突出する突部材の一例としての壁体52が設けられている。壁体52は、中空の突出部材からなり、ダクト部50内で対向する左右一対の縦壁50A、50Aに架け渡されている。壁体52は、車両側面視にてダクト部50の車両前後方向及び車両上下方向の中央部に設けられており、外周面が略長円状に形成されている。これにより、車両側面視にて、ダクト部50内の車両前後方向の中間部では、壁体52の上方の空気通路部54Aと、壁体52の下方の空気通路部54Bに分割されている。
【0032】
また、図8に示されるように、車両側面視にてダクト部50の流入開口30の上端よりも壁体52の上面52Aが車両上方側に配置されており、壁体52の最下面部52Bよりもダクト部50の排出開口32の下端が車両上方側に配置されている。このような壁体52を設けることにより、ダクト部50の流入開口30から車両後方の排出開口32が見通せないように設定されている。
【0033】
このような車両後部構造では、リアホイールハウス16内の空気が流入開口30からダクト部50内に流入し、更に空気がダクト部50内で壁体52により分割された上方の空気通路部54Aと下方の空気通路部54Bに分かれて流れ、排出開口32からリアバンパカバー12の後面部12Aの後方側(車両10の後部11の外部側)へ排出される。
【0034】
ダクト部50内では、車両側面視にて左右一対の縦壁50A、50Aの車両前後方向及び車両上下方向の中央部に壁体52が架け渡されており、ダクト部50の流入開口30から車両後方の排出開口32が見通せないように設定されている。このため、図8に示されるように、雨天の車両走行時などに、ダクト部50内に通過物(質量体)としての泥水40が入った場合に、泥水40に壁体52が当たることで、泥水40の移動速度が減速される。すなわち、壁体52は、ダクト部50内に入った泥水40の移動速度を減速させる「低速化手段」として機能する。泥水40は壁体52に付着し、又はダクト部50の下部に落下する。これにより、ダクト部50内を泥水40等の通過物が直進することが妨げられ、ダクト部50の排出開口32から車両後方へ泥水40等の通過物が飛散することを抑制することができる。このため、車両10の後方に後続車が走行する場合でも、後続車の前方視界を妨げることが阻止される。
【0035】
また、ダクト部50の流入開口30から車両後方の排出開口32が見通せないように壁体52を設けることで、ダクト部50内を通過する泥水40に壁体52がより確実に当たり、泥水40の移動速度が減速される。このため、ダクト部50の排出開口32から車両後方へ泥水40等の通過物が飛散することをより効果的に抑制することができる。
【0036】
次に、図9及び図10を用いて、本発明に係る車両後部構造の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0037】
図9及び図10に示されるように、ダクト部70は、車両上下方向に長い矩形状の筒状体からなり、車両幅方向内側と車両幅方向外側に対向するように配置された左右一対の縦壁20A、20Aと、車両上方と車両下方に対向するように配置された上下一対の横壁20B、20Cと、を備えている。
【0038】
ダクト部70には、ダクト部20内で対向する左右一対の縦壁20A、20Aに架け渡された突部材の一例としての複数のピン72が設けられている。ピン72は、円柱状部材からなり、ダクト部70の長手方向(車両前後方向)、すなわちダクト部70内の空気の流れ方向に対して交差する方向に配置されている(図5等参照)。言い換えると、複数のピン72は、ダクト部70内の車両上下方向、車両前後方向に分散して横方向(車両幅方向)に配置されている。
【0039】
このような車両後部構造では、リアホイールハウス16(図2参照)内の空気が流入開口30からダクト部70内に流入し、空気がダクト部70内を通って排出開口32からリアバンパカバー12の後面部12A(図2参照)の後方側へ排出される。
【0040】
ダクト部70内では、左右一対の縦壁20A、20Aに複数のピン72が車両幅方向に掛け渡されており、図9に示されるように、雨天の車両走行時などに、ダクト部70内に通過物(質量体)としての泥水40が入った場合に、泥水40に複数のピン72のいずれかが当たることで、泥水40の移動速度が減速される。すなわち、複数のピン72は、ダクト部70内に入った泥水40の移動速度を減速させる「低速化手段」として機能する。泥水40はピン72に付着し、又はダクト部70の下部に落下する。これにより、ダクト部70内を泥水40等の通過物が直進することが妨げられ、ダクト部70の排出開口32から車両後方へ泥水40等の通過物が飛散することを抑制することができる。このため、車両10の後方に後続車が走行する場合でも、後続車の前方視界を妨げることが阻止される。
【0041】
なお、第3実施形態では、円柱状部材からなるピン72を設けたが、ピン72の形状はこれに限定されず、楕円状、4角柱などの角材などでもよい。
【0042】
なお、第1〜第3実施形態において、ダクト部内に設けた平板34、壁体52、ピン72の位置や寸法等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。また、平板34又はピン72の個数も変更可能である。
【0043】
また、第1、第3実施形態では、平板34又はピン72は、ダクト部内で対向する縦壁に架け渡されているが、例えば、ダクト部の一方の縦壁に片持ち状態で突出する平板、又はピンを設けてもよい。
【0044】
また、第1〜第3実施形態では、車両幅方向に沿った断面が車両上下方向に長い筒状のダクト部を設けたが、ダクト部を構成する筒状体の形状は変更可能である。
【0045】
また、第1〜第3実施形態では、リアバンパカバー12の側面部12Bの車両幅方向内側に、筒状のダクト部を設けたが、この構成に限定されず、例えば、リアバンパカバー12の側面部12Bの内壁と車両本体を構成するパネル部材とでダクト部を形成してもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 車両
11 後部
12 リアバンパカバー
12A 後面部(後部)
16 リアホイールハウス
20 ダクト部(空気通路部)
20A 縦壁(壁)
32 排出開口
34 平板(突部材)
40 泥水(通過物)
50 ダクト部(空気通路部)
50A 縦壁(壁)
52 壁体(突部材)
54A 空気通路部
54B 空気通路部
70 ダクト部(空気通路部)
72 ピン(突部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアバンパカバーの内側で、かつリアホイールハウスの車両後方側に設けられ、前記リアホイールハウス内の空気を前記リアバンパカバーの後部域に設けられた排出開口から車両後方へ排出する空気通路部と、
前記空気通路部内に設けられ、前記空気通路部内を通過する通過物に当たることで前記通過物の移動速度を減速させる低速化手段と、
を有する車両後部構造。
【請求項2】
前記低速化手段は、前記空気通路部を構成する壁から突出して設けられた突部材である請求項1に記載の車両後部構造。
【請求項3】
前記突部材は、前記空気通路部の空気の流れ方向に対して交差する方向に配置されると共に、前記空気通路部の対向する壁に架け渡されている請求項2に記載の車両後部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−23199(P2013−23199A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163369(P2011−163369)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】