説明

車両後部構造

【課題】リアホイールハウス内の空気を空気通路部にスムーズに流入させることができる車両後部構造を得る。
【解決手段】リアバンパカバー12の内側かつリアホイールハウス16の車両後方側に、前端部に流入開口30を備えた空気通路部としてのリアアウトレット20が設けられている。リアアウトレット20は、リアホイールハウス16内の空気を流入開口30から通路部21に流入させ、リアバンパカバー12の後部域の排出開口32から車両後方へ排出する。車両側面視にて、リアアウトレット20の前端部には、車両後方側に上り勾配となる上壁部34が設けられており、上壁部34の路面50に対する傾斜角度θ2が、流入開口30の下端36Aを通るリアタイヤ14の接線40と路面50との角度θ1以上となるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、リアバンパとクォータパネルとによって形成された通路部を備え、リアホイールハウス内の空気を通路部によりリアバンパの車両後部に向けて排出する構造が開示されている。この構造では、リアホイールハウス内の空気をリアバンパの車両後部に向けて排出することで、空気抵抗の低減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−25369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、リアバンパとクォータパネルとによって通路部を形成しても、通路部の入口の形状が適切に設定されていないと、空気の流入が阻害され、空気抵抗の低減効果が損なわれる可能性がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、リアホイールハウス内の空気を空気通路部にスムーズに流入させることができる車両後部構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る車両後部構造は、リアバンパカバーの内側で、かつリアタイヤが配置されるリアホイールハウスの車両後方側に設けられ、前端部に前記リアホイールハウス内の空気が流入される流入開口を備え、前記リアホイールハウス内の空気を前記流入開口に流入させて前記リアバンパカバーの後部域に設けられた排出開口から車両後方へ排出する空気通路部と、前記空気通路部の前端部に設けられ、車両側面視にて、前記流入開口に繋がる上部に車両後方側に向かって上り勾配となるように形成され、前記上部の路面に対する傾斜角度θ2が、前記流入開口の下端を通る前記リアタイヤの接線と路面との角度θ1以上となるように構成された上壁部と、を有するものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載の車両後部構造において、前記上壁部は、車両上方側に窪み形状に湾曲する湾曲面とされ、前記上壁部における前記流入開口の上端を通る接線と路面との角度を前記θ2とし、前記θ2が前記θ1以上となるように構成されているものである。
【0008】
請求項1記載の本発明によれば、リアバンパカバーの内側かつリアホイールハウスの車両後方側に空気通路部が設けられており、リアホイールハウス内の空気を空気通路部の前端部に形成された流入開口に流入させることで、空気が空気通路部を通ってリアバンパカバーの後部域に設けられた排出開口から車両後方へ排出される。空気通路部の前端部には、車両側面視にて、流入開口に繋がる上部に車両後方側に向かって上り勾配となるように上壁部が形成されており、上壁部の路面に対する傾斜角度θ2が、流入開口の下端を通るリアタイヤの接線と路面との角度θ1以上となるように構成されている。これにより、リアホイールハウス内のリアタイヤによって上向きに流れる空気が上壁部に当たりにくくなり、上向きに流れる空気を流入開口から空気通路部内にスムーズに流入させることができる。
【0009】
請求項2記載の本発明によれば、空気通路部の前端部に設けられた上壁部は、車両上方側に窪み形状に湾曲する湾曲面とされており、上壁部における流入開口の上端を通る接線と路面との角度をθ2とし、θ2がθ1以上となるように構成されている。これにより、リアホイールハウス内のリアタイヤによって上向きに流れる空気が湾曲面に当たりにくくなり、上向きに流れる空気を流入開口から空気通路部内にスムーズに流入させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る車両後部構造によれば、リアホイールハウス内の空気を空気通路部にスムーズに流入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態に係る車両後部構造が適用された車両を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る車両後部構造が適用された車両の後部を示す側面図である。
【図3】図2に示す車両後部構造に用いられるリアバンパカバーの内側のリアアウトレット付近の構成を示す斜視図である。
【図4】図2に示す車両後部構造に用いられるリアアウトレットを示す断面図である。
【図5】車両の走行時に受ける風の流れを示す側面図である。
【図6】図5に示す車両のリアアウトレット内における風の流れを示す側面図である。
【図7】第2実施形態に係る車両後部構造が適用された車両の後部のリアアウトレット付近を示す側面図である。
【図8】第3実施形態に係る車両後部構造が適用された車両の後部のリアアウトレット付近を示す側面図である。
【図9】図8に示す車両後部構造に用いられるリアアウトレットを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1〜図6を用いて、本発明に係る車両後部構造の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印RRは車両後方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
【0013】
図1には、本実施形態に係る車両後部構造が適用される車両が斜視図にて示されている。図2には、本実施形態に係る車両後部構造が適用される車両の後部が側面図にて示されており、図3には、本実施形態に係る車両後部構造の構成が斜視図にて示されている。これらの図に示されるように、車両10の後部11には、車両下方側の後端部に樹脂製のリアバンパカバー12が取り付けられている。リアバンパカバー12は、車両10の後端部に車両幅方向に沿って配置される後面部12A(図2参照)と、後面部12Aの車両幅方向両端部から車両前方側に延びる側面部12Bと、を備えている。車両10の後部11には、リアバンパカバー12の後面部12Aと側面部12Bとが交差する位置の上方側にリアコンビネーションランプ22が取り付けられている。なお、図1〜図3では、車両10の一方の側部のリアバンパカバー12の側面部12Bのみが図示されており、車両10の他方の側部は左右対称であるので図示を省略する。
【0014】
車両10の後部11には、リアバンパカバー12の側面部12Bの車両前方側に、リアタイヤ14を格納するリアホイールハウス16が設けられている。リアバンパカバー12の側面部12Bの前端には、リアタイヤ14と対向する位置にフェンダライナー18が設けられている。フェンダライナー18は、リアタイヤ14の周面に沿って車両上下方向及び車両幅方向に湾曲して形成されている。
【0015】
リアバンパカバー12の側面部12Bの車両幅方向内側には、車両前後方向に沿って空気通路部の一例としてのリアアウトレット(ダクト)20が設けられている。リアアウトレット20は、車両10の後部の両サイドに設けられている。リアアウトレット20は、リアバンパカバー12の側面部12Bとその車両幅方向内側の車両本体との間に配置されており、車両本体に図示しない取付具により固定されている。リアアウトレット20は、リアホイールハウス16の車両後方側に配置されている。車両10の後部の両サイドのリアアウトレット20は左右対称に形成されている。
【0016】
図2〜図4に示されるように、リアアウトレット20は、筒状体からなり、車両幅方向に沿った断面が車両上下方向に長い矩形状に形成されている。リアアウトレット20の前端部には、リアホイールハウス16内の空気が流入される流入開口30が形成されており、リアアウトレット20の後端部には、リアアウトレット20内を通った空気が排出される排出開口32が形成されている。
【0017】
より詳細には、リアアウトレット20は、空気が流れる通路部21の側面を形成する左右一対の側壁20Aと、通路部21の上面を形成する上壁20Bと、通路部21の下面を形成する下壁20Cと、を備えている。リアアウトレット20の上壁20Bの前端部には、流入開口30から通路部21の後方側に向かって上り勾配となるように傾斜した上壁部34が設けられている。リアアウトレット20の下壁20Cの前端部には、流入開口30から通路部21の後方側に向かって上り勾配となるように傾斜した下壁部36が設けられている(図4等参照)。すなわち、流入開口30は、上壁部34、下壁部36にそれぞれ繋がっている。
【0018】
図2及び図4に示されるように、リアアウトレット20は、車両側面視にて、流入開口30の下端36A(下壁部36の前端)を通るリアタイヤ14の接線40と路面(地面を含む)50との角度をθ1とし、流入開口30の前端部の上壁部34と路面50との角度(路面50に対する上壁部34の傾斜角度)をθ2としたとき、θ1≦θ2となるように設定されている。このとき、車両側面視にて、流入開口30の前端部の下壁部36と路面50との角度(路面50に対する下壁部36の傾斜角度)をθ3とすると、θ3とθ1又はθ2との関係については規定しない(図2参照)。なお、本実施形態では、θ3<θ1、θ3<θ2となるように設定されているが、これに限定するものではない。上記のθ1≦θ2の関係の根拠については、後に説明する。
【0019】
図2及び図3に示されるように、フェンダライナー18には、リアアウトレット20の流入開口30とほぼ同じ形状の開口が設けられており、リアアウトレット20の流入開口30がフェンダライナー18の開口に連結されている。リアバンパカバー12の後面部12Aには、リアアウトレット20の排出開口32とほぼ同じ形状の開口が設けられており、リアアウトレット20の排出開口32が後面部12Aの開口に連結されている(図2参照)。すなわち、リアアウトレット20の流入開口30はフェンダライナー18の開口を介してリアホイールハウス16と連通している。また、リアアウトレット20の排出開口32はリアバンパカバー12の後面部12Aの開口を介して車両10の後部11の外部側と連通している。これによって、リアホイールハウス16内の空気が流入開口30からリアアウトレット20内(通路部21)に流入し、空気がリアアウトレット20内(通路部21)を通って排出開口32からリアバンパカバー12の後面部12Aの後方側に向けて排出されるようになっている。
【0020】
なお、本実施形態では、フェンダライナー18にリアアウトレット20の流入開口30と連通する開口が設けられているが、フェンダライナー18に代えて、バンパシールにリアアウトレット20の流入開口30と連通する開口を設ける構成でもよい。
【0021】
図5に示されるように、車両10の走行時には、車両10の進行方向(矢印A方向)に対し、車両10の前方側からの風の流れ(矢印B方向)を受ける。図6に示されるように、リアホイールハウス16付近のリアタイヤ14の前方側では、車両10の後方側に向かって、車両10の走行に伴う風の流れuが発生する。また、リアタイヤ14は矢印C方向に回転するため、リアタイヤ14の回転に伴ってリアタイヤ14周りの風の流れuが発生する。
【0022】
このため、リアホイールハウス16内のリアタイヤ14の後方上部側では、リアタイヤ14に沿って下向きの流れuが発生する。このとき、下向きの流れuは、走行に伴う風の流れuからリアタイヤ14周りの風の流れuを引いた値となる(u=u−u)。さらに、リアホイールハウス16内のリアタイヤ14の後方下部側では、リアタイヤ14に沿って上向き流れuが発生する。このとき、上向きの流れuは、走行に伴う風の流れuとリアタイヤ14周りの風の流れuとを合算した値となる(u=u+u)。このため、上向き流れuが下向きの流れuよりも大きくなる(u>uの関係となる)。したがって、リアアウトレット20に流入してくる風の流れは、上向きの流れが主となる。
【0023】
そのため、図2及び図4に示されるように、流入開口30の前端部の上壁部34の路面50に対する傾斜角度θ2と、流入開口30の下端36Aを通るリアタイヤ14の接線40と路面50との角度θ1とを、θ1≦θ2の関係となるように設定することで、リアホイールハウス16内の上向きの流れが上壁部34に当りにくくなり、リアアウトレット20の流入開口30に流入しやすくなる。これによって、リアタイヤ14の後方側の上向きに流れる空気をリアアウトレット20の流入開口30にスムーズに流入させるようになっている。
【0024】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0025】
リアバンパカバー12の側面部12Bの車両幅方向内側には、車両前後方向に沿って筒状のリアアウトレット20が設けられており、リアアウトレット20の前端部の流入開口30はフェンダライナー18の開口に連通されており、リアアウトレット20の排出開口32はリアバンパカバー12の後面部12Aの開口に連通されている。これによって、リアホイールハウス16内の空気が流入開口30からリアアウトレット20内(通路部21)に流入し、更に空気がリアアウトレット20内(通路部21)を通って排出開口32からリアバンパカバー12の後面部12Aの後方側(外部側)に排出される。
【0026】
一般的に、リアホイールハウス16内の空気がリアアウトレット内に効率良く流れないと、リアアウトレットの主な効果である整流効果を十分に発揮することができず、空力性能を向上させる効果が低減してしまう。その結果、燃費への寄与度も低下する。
【0027】
例えば、リアホイールハウス16内のリアタイヤ14周りの風の流れを考慮せずにリアアウトレットの流入開口及び前端の上面を設定すると、リアホイールハウス16内の空気の流れを効率良くリアアウトレット内に取り込めない可能性がある。すなわち、リアホイールハウス16内の風の流れがリアアウトレットの前端の上面に当たる等の要因により、リアアウトレット内に効率良く流入されず、リアホイールハウス16内に空気が滞流したり、車両外側に空気が流出され、車両周りの流れを乱す可能性がある。
【0028】
これに対して、本実施形態の車両後部構造では、図2及び図4に示されるように、リアアウトレット20は、車両側面視にて、流入開口30の前端部の上壁部34と路面50との角度(路面50に対する上壁部34の傾斜角度)θ2が、流入開口30の下端36Aを通るリアタイヤ14の接線40と路面50との角度θ1以上となるように設定されている(θ1≦θ2の関係となるように設定されている)。図6に示されるように、リアホイールハウス16内のリアタイヤ14の後方側では、上向き流れuが下向きの流れuよりも大きくなり(u>uの関係となり)、リアアウトレット20に流入してくる風の流れは、上向きの流れが主となる。このため、θ1≦θ2の関係となるように設定することで、リアホイールハウス16内のリアタイヤ14の後方側の上向きの流れが上壁部34に当りにくく、リアアウトレット20の流入開口30に流入しやすくなる。したがって、リアホイールハウス16内の上向きに流れる空気をリアアウトレット20の流入開口30にスムーズに流入させることができる。これによって、整流効果を向上させることで空力性能を向上させ、結果として燃費を向上させることができる。
【0029】
次に、図7を用いて、本発明に係る車両後部構造の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0030】
図7に示されるように、本実施形態の車両後部構造に用いられる空気通路部の一例としてのリアアウトレット60は、筒状体からなり、リアアウトレット60の下部には、通路部21の後方側に向かって上り勾配となるように傾斜した下壁62が設けられている。さらに、リアアウトレット60の下壁62の前端部には、流入開口30から通路部21の後方側に向かって上り勾配となると共に、路面50に対する下壁62の傾斜角度よりも大きな傾斜角度となるように形成された下壁部36が設けられている。
【0031】
リアアウトレット60は、車両側面視にて、流入開口30の下端64Aを通るリアタイヤ14の接線40と路面50との角度をθ1とし、流入開口30の前端部の上壁部34と路面50との角度(路面50に対する上壁部34の傾斜角度)をθ2としたとき、θ1≦θ2となるように設定されている。また、車両側面視にて、流入開口30の前端部の下壁部64と路面50との角度(路面50に対する下壁部64の傾斜角度)をθ3としたとき、θ3とθ1又はθ2との関係については規定しない。本実施形態では、θ3は、第1実施形態の下壁部36と路面50との角度よりも小さく(図2参照)、また、θ3<θ1、θ3<θ2となるように設定されているが、これに限定するものではない。
【0032】
このような車両後部構造でも、θ1≦θ2の関係となるように設定することで、リアホイールハウス16内のリアタイヤ14の後方側の上向きの流れが上壁部34に当りにくく、リアアウトレット60の流入開口30に流入しやすくなる。これにより、リアホイールハウス16内の上向きに流れる空気をリアアウトレット60の流入開口30にスムーズに流入させることができ、整流効果を向上させ、空力性能を向上させることができる。
【0033】
なお、本実施形態では、路面50に対する下壁62の傾斜角度が、路面50に対する下壁部64の傾斜角度θ3よりも小さくなるように設定したが、下壁部64と下壁62が同じ傾斜角度で排出開口32まで連続する傾斜面としてもよい。また、路面50に対する下壁62の傾斜角度が、路面50に対する下壁部64の傾斜角度θ3よりも大きくなるように設定してもよい。
【0034】
本実施形態では、θ1>θ3とされているが、これに限定されず、θ1=θ3、θ1<θ3のいずれの関係でもよい。また、θ2>θ3とされているが、これに限定されず、θ2=θ3、θ2<θ3のいずれの関係でもよい。
【0035】
次に、図8及び図9を用いて、本発明に係る車両後部構造の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0036】
図8及び図9に示されるように、本実施形態の車両後部構造に用いられる空気通路部の一例としてのリアアウトレット80は、筒状体からなり、リアアウトレット80の上壁20Bの前端部には、流入開口30から通路部21の後方側に向かって上り勾配となると共に、車両上方側に窪み形状に湾曲した上壁部82が形成されている。言い換えると、上壁部82は、車両上方側にR状に窪んだ湾曲面とされている。また、リアアウトレット80の下壁20Cの前端部には、流入開口30から通路部21の後方側に向かって上り勾配となると共に、車両上方側にR状に突出する湾曲面とされた下壁部84が形成されている。
【0037】
本実施形態では、車両側面視にて、上壁部(湾曲面)82における流入開口30の上端82A(上壁部82の前端)を通る接線86と路面50との角度をθ2とし、このθ2と、流入開口30の下端84Aを通るリアタイヤ14の接線40と路面50との角度θ1とが、θ1≦θ2となるように設定されている。このとき、車両側面視にて、下壁部84における流入開口30の下端84A(下壁部84の前端)を通る接線と路面50との角度と、θ1又はθ2との関係については規定しない。
【0038】
このような車両後部構造でも、θ1≦θ2の関係となるように設定することで、リアホイールハウス16内のリアタイヤ14の後方側の上向きの流れが上壁部82に当りにくく、リアアウトレット80の流入開口30に流入しやすくなる。これにより、リアホイールハウス16内の上向きに流れる空気をリアアウトレット80の流入開口30にスムーズに流入させることができ、整流効果を向上させ、空力性能を向上させることができる。
【0039】
なお、第1実施形態〜第3実施形態では、車両幅方向に沿った断面が車両上下方向に長い矩形状に形成されたリアアウトレットを設けたが、リアアウトレットを構成する筒状体の形状は変更可能である。
【0040】
また、第1実施形態〜第3実施形態では、リアバンパカバー12の車両幅方向内側に、車両前後方向に沿って筒状のリアアウトレットを設けたが、これに限定されず、リアバンパカバーとその車両幅方向内側に配置されるインナパネルとを用いてダクト(空気通路部)を形成してもよい。例えば、車両前面視にてリアバンパカバーとインナパネルとの間に上下の板材(樹脂板等)を追加し、リアバンパカバーとインナパネルと上下の板材とで囲まれた部位をダクト(空気通路部)とする構成でもよい。
また、車両前面視にてリアバンパカバーの車両幅方向内側にコ字状の部材を重ね合わせることにより、リアバンパカバーとコ字状の部材とでダクト(空気通路部)を形成する構成でもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 車両
11 後部
12 リアバンパカバー
14 リアタイヤ
16 リアホイールハウス
20 リアアウトレット(空気通路部)
30 流入開口
32 排出開口
34 上壁部
36A 下端(流入開口の下端)
40 接線
50 路面
60 リアアウトレット(空気通路部)
64A 下端(流入開口の下端)
80 リアアウトレット(空気通路部)
82 上壁部
82A 上端(流入開口の上端)
84A 下端(流入開口の下端)
86 接線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアバンパカバーの内側で、かつリアタイヤが配置されるリアホイールハウスの車両後方側に設けられ、前端部に前記リアホイールハウス内の空気が流入される流入開口を備え、前記リアホイールハウス内の空気を前記流入開口に流入させて前記リアバンパカバーの後部域に設けられた排出開口から車両後方へ排出する空気通路部と、
前記空気通路部の前端部に設けられ、車両側面視にて、前記流入開口に繋がる上部に車両後方側に向かって上り勾配となるように形成され、前記上部の路面に対する傾斜角度θ2が、前記流入開口の下端を通る前記リアタイヤの接線と路面との角度θ1以上となるように構成された上壁部と、
を有する車両後部構造。
【請求項2】
前記上壁部は、車両上方側に窪み形状に湾曲する湾曲面とされ、
前記上壁部における前記流入開口の上端を通る接線と路面との角度を前記θ2とし、前記θ2が前記θ1以上となるように構成されている請求項1に記載の車両後部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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