説明

車両情報の表示方法

自動車に関する情報表示ユニットであって、ディスプレイスクリーンと、前記ディスプレイスクリーン上に表示されたユーザインターフェースを有し、前記ユーザインターフェースは、自動車の異なるサブシステム(例えば、ナビゲーションサブシステムおよびオーディオサブシステム)に関する情報をそれぞれ映し出す少なくとも2つの表示要素を、同時に表示する。前記ユーザインターフェースは、ユーザの手の動作や、ラジオ制御ノブへの接近や、ナビゲーションシステムにより提唱されたカーブに近づくなどのような、所定の刺激に応答し、1つの表示要素を、他のもう1つの表示要素に対して視覚的に強調する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、オーディオシステムなど、ディスプレイスクリーン上の多様な車両サブシステムについての情報の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車などの車両は、通常、ナビゲーションシステム、オーディオシステム、ビデオシステム、暖房及びエアコンシステム、リアビューカメラシステム、燃料システム、その他のように、数々のオン・ボード・サブシステムを有している。例えば、ダッシュボード内や他のすぐにアクセス可能な場所内のラジオコンソールやナビゲーションシステムのような、一または複数のコンソールは、通常、前記車両内に備えられ、多様なサブシステムに関する情報及び/又は制御をユーザに提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一つの構成において、本発明は、車両(例えば、自動車、航空機、船など)に関する情報表示ユニットを特徴とし、前記情報表示ユニットは、ユーザインターフェースを有し、前記ユーザインターフェースは、ディスプレイスクリーン上で一または複数の車両サブシステム(例えば、ナビゲーションシステム、オーディオシステム、ビデオシステム、燃料システム、計器システムなど)に関する2つの表示要素を表示する。前記ユーザインターフェースは、所定の内部刺激(例えば、前記サブシステムの1つにより誘発されるアクションまたはイベント)や所定の外部刺激(例えば、ユーザにより起こされたアクション)に応答し、1つの表示要素を、もう1つの表示要素に対して視覚的に強調するように構成される。
【0004】
他の構成において、本発明は、自動車に関する情報表示ユニットを特徴とし、前記情報表示ユニットは、ディスプレイスクリーンと、ディスプレイスクリーン上に表示されたユーザインターフェースとを有し、前記ディスプレイスクリーンは、自動車の異なるサブシステムに関する情報をそれぞれ映し出す少なくとも2つの表示要素を同時に表示する。前記ユーザインターフェースは、所定の刺激に応答し、少なくとも1つの表示要素を、少なくとも他のもう1つの表示要素に対して視覚的に強調するようにさらに構成される。
【0005】
実施例は、以下の特徴のうち一または複数を有する。前記表示要素は、ナビゲーションシステム、オーディオシステム、暖房及びエアコンシステム、計器システム、リアビューカメラシステム、オン・ボード・電話システム、または自動車の他のサブシステムに関する情報を映し出してもよい。表示要素は、ナビゲーションシステムによって生成されたナビゲーションマップなどのようなサブシステムのアウトプットであってもよいし、あるいは、オーディオシステムまたはビデオシステムの操作を集約しているウィンドウのようなサブシステムの操作を集約してもよい。
【0006】
前記ユーザインターフェースは、サブシステムの1つによって生成される刺激のような内部刺激に応答し、表示要素を視覚的に強調する。例えば、ユーザインターフェースは、ナビゲーションシステムによって決定されたカーブに接近しようとする自動車に応答し、自動車のナビゲーションシステムに関する情報を映し出す表示要素を強調する。前記ユーザインターフェースは、また、ユーザの手や他の対象物が触れることや表示要素とユーザインターフェースに接続された制御要素への接近などのような外部刺激に応答し、表示要素を視覚的に強調する。情報表示ユニットは、制御要素近傍の対象物の存在を検知するための一または複数の近接センサーを有する。表示要素は、タッチセンサー方式であり、かつ、制御要素としての役割も果たすことができる。
【0007】
前記情報表示ユニットの前記ユーザインターフェースは、一方が他方に重ねられることにより同時に2つの表示要素を映し出すことが出来る。例えば、第1表示要素は、ナビゲーションマップまたはリアビューカメラにより生成された画像を表示することにより、ディスプレイスクリーン全体に実質的に表示されるとともに、第2表示要素は、オーディオもしくはビデオシステムの操作を集約するウィンドウなどであり、前記第1表示要素に重ねられる。
【0008】
前記ユーザインターフェースは、強調された表示要素の視覚的特性を変化させることによって、あるいは、他の表示要素または両方の視覚的特性を変化させることによって、前記表示要素を視覚的に強調することができる。前記ユーザインターフェースは、一または複数の表示要素の多様な視覚的特性を変化させることによって、前記ディスプレイ上に映し出された一または複数の表示要素の、大きさ、位置、色、透明度、明るさなど特定の表示要素を強調することができる。
【0009】
他のもう1つの構成において、本発明は、複数のサブシステム(例えば、オーディオシステム、ビデオシステム、HVACシステム、計器システム、燃料システム、ナビゲーションシステム、リアビューカメラシステム、等)と、情報表示ユニット(例えば、ダッシュボード内に取り付けられた)とを有する自動車を特徴とする。前記情報表示ユニットは、ディスプレイスクリーンと前記ディスプレイスクリーン上に表示されたユーザインターフェースとを有し、前記ディスプレイスクリーンは、自動車の異なるサブシステムに関する情報をそれぞれ映し出す少なくとも2つの表示要素を同時に表示する。前記ユーザインターフェースは、所定の刺激に応答し、少なくとも1つの表示要素を、少なくとも他方の表示要素に対して視覚的に強調するように構成される。
【0010】
他のもう1つの構成において、本発明は、車両のマルチプルサブシステムについての情報表示方法を特徴とし、前記方法は、車両の一または複数のサブシステムに関する情報をそれぞれ映し出す少なくとも2つの表示要素を電子ディスプレイ上に同時に表示する手段と、所定の刺激に応答し、少なくとも1つの表示要素を、少なくとも他方の表示要素に対して視覚的に強調する手段とを有する。
【0011】
実施例は、以下の一または複数の特徴を有する。前記方法は、また、制御要素と表示要素を接続する手段を有してもよく、次いで、前記所定の刺激は、表示要素に接続された制御要素に触れているユーザでもよい。前記方法は、また、表示要素に接続された制御要素近傍の対象物の存在を検知する手段を有してもよく、次いで、所定の刺激は、表示要素に接続された制御要素近傍の対象物の検知でもよい。
【0012】
所定の刺激は、ユーザアクションにより引き起こされた刺激のような外部刺激、及び/又は、あるサブシステムの1つの中のアクションもしくはイベントのような内部刺激でもよい。
【0013】
表示要素は、強調された表示要素の視覚的特性を変化させることによって、及び/又は、他の表示要素の視覚的特性を変化させることによって、強調してもよい。
【0014】
他のもう1つの構成において、本発明は、命令プロセッサに、自動車の異なるサブシステムに関する情報をそれぞれ映し出す少なくとも2つの表示要素を電子ディスプレイ上に同時に表示させ、および、所定の刺激に応答し、少なくとも1つの表示要素を、少なくとも他のもう1つの表示要素に対して視覚的に強調する命令を有する媒体上に存在するソフトウェア生成物を特徴とする。
【0015】
実施例は、以下の一または複数の特徴を有する。前記ソフトウェア生成物は、前記命令プロセッサに表示要素と制御要素を接続させる命令をさらに有してもよく、所定の刺激は、表示要素に接続する制御要素に対象物が触れていることの検知であるか、または表示要素に接続する制御要素の近傍の対象物の検知であってもよい。前記所定の刺激は、ユーザアクションまたは前記サブシステムの1つの中のアクションまたはイベントによって発生されてもよい。
【0016】
他の特徴は、有利な点および対象物と同様に、下記のより詳細にかつ添付している図および請求項に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
自動車のような車両には、情報表示ユニットが設けられており、前記情報表示ユニットは、車両オペレータまたは他のユーザに興味を持たせるような表示要素を視覚的に強調することにより、一または複数の車両サブシステムについての情報を効果的に表示する。オペレータに興味を持たせるような表示要素を視覚的に強調することにより、オペレータの注意は、強調された表示要素に対してすぐに向けられるようになり、オペレータが車両の操作から気を散らされる時間の量が潜在的に減ることになる。
【0018】
例えば、図1に図示されているとおり、自動車10は、表示ユニット12を有し、前記表示ユニット12は、ナビゲーションシステム14と、オン・ボード・テレフォン16(例えば、携帯電話もしくは固定電話)と、オーディオシステム18と、燃料システム20と、暖房及びエアコン(HVAC)システム22と、計器システム23と、リアビューカメラシステム24とを有する多数のオン・ボード・サブシステムと通信する。これらの各サブシステムは、情報表示ユニット12へ情報を提供し、前記情報表示ユニット12はディスプレイコンソール26上に設けられたユーザインターフェースを介してサブシステムの制御情報を提供する。前記情報表示ユニット12は、燃料および計器システムを除く、全てのサブシステムへの制御信号を出力するように構成される。これらのサブシステムにとって、情報表示ユニット12は、燃料レベルや車両の計器(例えば、スピードメータ、タコメータ、走行距離計、方向指示器等)の操作についての情報等のような情報をただ受信するのみである。
【0019】
前記情報表示ユニット12は、制御器と、ストレージユニット28と、ディスプレイコンソール26とを有する。前記ストレージユニットは、前記ディスプレイコンソール26上にグラフィカルユーザインターフェースを表示する前記制御器によって実行されるソフトウェアを格納する。
【0020】
図2に図示されているとおり、前記ディスプレイコンソール26は、ディスプレイスクリーン30(例えば、液晶ディスプレイ、ブラウン管、等)と、制御ノブ32a―32bとを有する。前記ディスプレイスクリーン30は、グラフィカルユーザインターフェースを表示し、前記グラフィカルユーザインターフェースは、ナビゲーションマップ上に重ねられたサブシステムの情報ウィンドウ(例えば、オーディオシステムの操作に関する情報ウィンドウ)のようなマルチプル表示要素を同時に表示するように構成される。
【0021】
前記制御ノブ32a―32bは、種々の車両サブシステム(例えば、オーディオ、ビデオ、リアカメラ、オン・ボード・テレフォン、ナビゲーション、HVAC、等)の操作を制御するように構成され、かつ活性状態もしくは不活性状態である。制御要素が活性状態であるとき、ユーザからの入力をすぐに受信する。さらに、ディスプレイスクリーン上に表示された表示要素には、制御要素が設けられている。例えば、表示要素には、ユーザが制御要素を操作する(例えば、制御ノブを回す)と、前記表示要素は変化して上記操作に対応していることをユーザに知らせる(例えば、オーディオの音量を上げていく)ような活性制御要素が設けられている。
【0022】
図3A―3Cに図示されているとおり、ディスプレイコンソール40は、2つの表示要素を表示するディスプレイスクリーン41と、ナビゲーションマップ42を表示する第1表示要素42と、オーディオシステム操作のカレントモードを集約する(すなわち、ラジオは、AM530の周波数に合わせられ、かつシーク制御のように選択される)第2表示要素44とを有する。この例で、前記第2表示要素44は、第1表示要素の表面に重ねられている。他の実施において、前記表示要素は、カスケード表示されるかタイル状であってもよい。
【0023】
制御ノブ46bは、ユーザ入力をすぐに受信することができ、こうして活性状態になる。制御ノブ46bは、2つの同心ダイアル、すなわち内側ダイアル47aおよび外側ダイアル47bを有し、これらには表示要素44がそれぞれ接続されている。前記内側ダイアル47bには、前記第2表示要素44が接続されている、例えば、ユーザが前記内側ダイアルをある方向(例えば、時計方向)に回すと、第2表示要素44は、前記ラジオがAM530以降で次に受信可能なAM周波数を探索していることを表示し、次いでユーザが内側ダイアル47aを他の方向に回すと、第2表示要素44は、ラジオがAM530以前の受信可能なAM周波数だけを探索するということを表示する。前記第2表示要素44には、また、前記制御ノブ46bの外側ダイアル47bが接続されている、例えば、ユーザが外側ダイアル47bをある方向(例えば、反時計回り)に回すと、第2表示要素は、内側ダイアル47aの操作がシーク制御(図3A―3Bに図示されている)から手動チューニング制御(図3Cに図示されている)へ切り替わることを表示する。。第2表示要素44は、操作モードをグラフィックに集約する2つの可動部を有することに注意されたい。図3Bでは、下側の可動部49aは、シーク制御が選択されたことを表示しながら中央に配置されかつ延出されており、一方図3Cでは、ユーザが、外側ダイアル47bを反時計回りの方向で回すと、上側可動部49bは、手動チューニング制御が選択されたことを表示しながら中央に配置されかつ延出されている。
【0024】
制御ノブ46bと対照的に、制御ノブ46aは、図3A―3Cに図示されている例において、不活性状態である。制御要素は、活性状態と不活性状態の間を内部入力または外部入力に基づいて切り替えることができる。例えば、制御ノブを押すことによって、ユーザは、そのノブを活性状態とし、次いでノブが所定の時間(例えば、5秒)操作されなければ(回されなければ)、不活性状態へと逆戻りすることになる。
【0025】
前記ディスプレイコンソールは、また、近接センサーを有し、前記近接センサーは、ユーザの手などの対象物がディスプレイスクリーン30に隣接して配置された制御ノブの1つに接近した場合に感知する。ディスプレイコンソール内で実装される近接センサーの例は、Carl Price、Andrew Olcott、John Coffey、Neil Gelfond、Joe Killough、Peter Santoro、Lee Zamir、James Hotaryにより、2004年10月1日に出願されたもので、米国特許出願10/956,836に詳細に記載されており、発明の名称を「ユーザ制御入力の受信システム及び方法」とする、この引用によって本明細書に完全に組み込まれる。近接センサーは、対象物が活性状態である制御要素への接近を検知すると、ユーザインターフェースは、ディスプレイスクリーン上に表示された一方の表示要素を他のもう一方の表示要素に対して視覚的に強調する。例えば、図3Bを参照すると、ユーザの手のような対象物が46b(活性状態である)に近づくと、前記ユーザインターフェースは、前記ノブに接続されたウィンドウ44をディスプレイの中央へ動かすことにより、かつディスプレイの全体幅にわたって幅を延出することにより、前記ウィンドウ44を視覚的に強調する。さらにまたウィンドウ44を視覚的に強調することに加えて、前記ユーザインターフェースを、暗くすることによりナビゲーションマップ32を視覚的に目立たせなくする。表示要素を視覚的に強調することによって、ユーザが前記表示要素に接続される制御要素(例えば、制御ノブ)に気づくので、前記ユーザの注意が強調された表示要素にすぐに惹き付けられ、ユーザの注意が車両操作から離れて向けられる時間の量は減る。
【0026】
前記ユーザが制御ノブから自分の手を離すと、前記ユーザインターフェースは、ほぼ等しい視覚的強調を有する両方の表示要素を同時に表示する、図3Aに図示された設定へと逆戻りする。
【0027】
図3Aに図示されているとおり、前記ディスプレイコンソール40は、また、いくつかの選択ボタン36a―36lを有し、これらには、ユーザに対する付加的なサブシステム制御が設けられている。数個の選択ボタン、すなわち36g―36hおよび36k―36lは、サブシステムが活性状態であることに基づいては操作が変わらない固定操作ボタンである。図示された例では、選択ボタン36gは、オーディオシステムのラジオソースを活性化させ、ボタン36hは、オーディオシステムのコンパクトディスクプレイヤーソースを活性化させ、ボタン36kは、ナビゲーションシステムを活性化させ、ボタン36lは、オン・ボード・電話システムを活性化させる。他の選択ボタンは、サブシステムが情報表示ユニットによって制御されていることに基づいて操作が変わる可変操作ボタンである。図示されている例では、可変選択ボタンは、オーディオサブシステムの操作を制御する。特に、ボタン36a―36eは、それぞれあらかじめ決められたAM周波数に一致しており、次いでボタン36jは、カレントシークモードからスキャンモードへと切り替える。ユーザが選択ボタンを選択すると、視覚的に強調されたディスプレイウィンドウが前記ユーザインターフェース上に表示される。このようにして、ユーザがAM870に設けられたボタン(すなわち、ボタン36b)を選択する場合、図3Bに図示された表示要素44に類似して視覚的に強調されたディスプレイウィンドウは、ラジオが周波数AM870にチューニングされていることを指し示すことを明らかにする。同様に、ユーザがCDソースに設けられたボタン(すなわち、ボタン36h)を選択する場合、ラジオソースの操作を集約する前記表示要素は、CDソース(例えば、CDのタイトルおよび演奏されている曲名)の操作を集約する視覚的に強調された表示要素によって再配置される。
【0028】
図3A―3Cに図示されている例は、ナビゲーションシステムおよびオーディオシステムに関連する表示要素を映し出すとともに、前記ユーザインターフェースは、情報表示ユニットが通信する各サブシステムに関する表示要素を映し出すように構成される。こうして、例えば、図1に図示された前記情報表示ユニット12は、前記オーディオシステム18およびナビゲーションシステム14に関するだけでなく、オン・ボード・電話システム(例えば、携帯もしくは固定電話)16と、オーディオシステム18と、燃料システム20と、HVACシステム22と、計器システム23と、リアビューカメラシステム24とに関する表示要素を有する。
【0029】
表示要素の視覚的強調は、他の内部もしくは外部刺激に応答し、制御要素へのユーザの手の接近や選択ボタンの操作に加えて変化させてもよい。例えば、表示要素は、ユーザが制御ノブに触れたり、作動したりする時に強調される。さらにいえば、表示要素の視覚的強調は、内部刺激により誘発される。例えば、ナビゲーションマップの表示要素(例えば、図3Aに図示されている表示要素44)は、車両が次の動きまでの所定の距離内あるいは時間内に存在する時、視覚的に強調される。同様に、リアビューカメラシステムの出力を表示している表示要素は、自動車がリバースギアーに置かれた時、ディスプレイスクリーン上で視覚的に強調される。表示要素の視覚的強調のトリガーとなるための刺激の他の例は、以下のような表示である。すなわち、車両は燃料またはオイルが少ない、鍵がキー差込み口に置き忘れている、オートマティックトランスミッションはギアが入ったままでいる、エンジンがストップした後にヘッドランプがついている、車両がオーバーヒートしている、ドアが少し開いている、電話を受信している、などである。
【0030】
表示要素を視覚的に強調することは、強調された要素へユーザの注意を向けるために一または複数の表示要素の特性を視覚的に変化させることである。したがって、表示要素は、表示要素の視覚的特性を変化させる(例えば、明るさあるいは大きさを大きくする、ディスプレイスクリーン上の位置を変える、点滅させる、色を明るい色へと変える、表示要素に表示されている情報の量を変える、表示要素をぼかす、等)ことにより、及び/又は他の表示要素の視覚的特性を変化させる(例えば、明るさあるいは大きさを減らす、位置を変える、色を地味な色にもしくはブラックと白に変える、表示要素内の情報の量を変化させる、前記要素を透明にする、等)ことにより、視覚的に強調される。これらのテクニックの様々な組み合わせを使用してまた、ある表示要素を他のもう1つに対して強調することが使用できる。例えば、図3Aを再び参照すると、車両が次の動作(右へ曲がる)をしようとすると、ナビゲーションマップを表示する第1表示要素42は、より詳細部を表示するために、明るくさせ、かつズームインする。さらに、オーディオシステムの操作を集約する第2表示要素44は、一時的に消え、またはドライバーが曲がるまで和らげられかつ不透明になる。同様に、図4に図示されているように、ディスプレイコンソール50は、ある表示要素(すなわち、要素52)を他のもう1つの表示要素(すなわち、要素54)が不透明になることによって視覚的に強調する。
【0031】
本発明の多くの実施形態が、記載されている。それでもなお、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、様々な改良が、なされる可能性があることは理解される。例えば、図3A―3Bに図示された表示要素は、車両のナビゲーションシステムおよびオーディシステムに関する情報を有するが、ユーザが選択できる制御表面は有さない。しかし、他のいくつかの実施例において、一または複数の表示要素は、タッチセンサー方式の表面であってもよい。さらに、図1はサブシステムと情報表示ユニットとの間の直接通信を映し出す一方、いくつかの実施例において、通信は、バスネットワークのようなネットワークを超えて発生する可能性もある。さらに、いくつかの実施例において、オーディオ、ビデオ、及び/又はナビゲーションシステムのような車両サブシステムの一または複数は、単一の統一されたシステムとして情報表示ユニット内に有してもよい。そして、車両情報表示ユニットは、車両の計器パネルエリアなどのようなユーザにより見えやすいあらゆる場所に配置してもよい。さらに、ディスプレイスクリーン及び/又は情報表示ユニットの一部である制御要素は、車両ヘッドユニットのようなより大きなユニット内に設置される。したがって、他の実施形態は、上記請求項の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】自動車内に統合された車両情報ディスプレイユニットである。
【図2】自動車内に統合された車両情報ディスプレイユニットである。
【図3a】車両情報ディスプレイユニットのディスプレイコンソールおよびユーザインターフェースである。
【図3b】車両情報ディスプレイユニットのディスプレイコンソールおよびユーザインターフェースである。
【図3c】車両情報ディスプレイユニットのディスプレイコンソールおよびユーザインターフェースである。
【図4】車両情報ディスプレイユニットのディスプレイコンソールおよびユーザインターフェースである。
【符号の説明】
【0033】
40 ディスプレイコンソール
41 ディスプレイスクリーン
42 第1表示要素
44 第2表示要素
46b 制御ノブ
47a 内側のダイアル
47b 外側のダイアル
49b 可動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に関する情報表示ユニットであって、
ディスプレイスクリーンと、
前記ディスプレイスクリーン上に表示されたユーザインターフェースとを有し、
前記ディスプレイスクリーンは、自動車の異なるサブシステムに関する情報をそれぞれ映し出す少なくとも2つの表示要素を同時に表示し、
前記ユーザインターフェースは、所定の刺激に応答し、少なくとも1つの表示要素を、少なくとも他のもう1つの表示要素に対して視覚的に強調するように構成されることを特徴とする情報表示ユニット。
【請求項2】
少なくとも1つの前記表示要素は、前記自動車のナビゲーションサブシステムに関する情報を映し出すことを特徴とする請求項1に記載の情報表示ユニット。
【請求項3】
映し出された前記情報は、ナビゲーションマップを有することを特徴とする請求項2に記載の情報表示ユニット。
【請求項4】
少なくとも1つの前記表示要素は、前記自動車のオーディオサブシステムに関する情報を映し出すことを特徴とする請求項2に記載の情報表示ユニット。
【請求項5】
少なくとも1つの前記表示要素は、前記自動車の暖房およびエアコンサブシステムに関する情報を映し出すことを特徴とする請求項1に記載の情報表示ユニット。
【請求項6】
前記ユーザインターフェースは、前記ナビゲーションサブシステムにより決定されたカーブに接近しようとする自動車に応答し、前記自動車のナビゲーションサブシステムに関する情報を映し出す表示要素を視覚的に強調するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の情報表示ユニット。
【請求項7】
表示要素に接続された制御要素をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報表示ユニット。
【請求項8】
前記制御要素は、ノブを有することを特徴とする請求項7に記載の情報表示ユニット。
【請求項9】
前記制御要素は、ボタンを有することを特徴とする請求項7に記載の情報表示ユニット。
【請求項10】
前記ユーザインターフェースは、ユーザが前記制御要素に触れることに応答し、前記制御要素に接続された前記表示要素を視覚的に強調するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の情報表示ユニット。
【請求項11】
前記表示要素に接続された前記制御要素近傍の対象物の存在を検知するように構成される近接センサーをさらに有することを特徴とする請求項7に記載の情報表示ユニット。
【請求項12】
前記ユーザインターフェースは、前記制御要素近傍の対象物の検知に応答し、前記制御要素に接続された前記表示要素を視覚的に強調するように構成されることを特徴とする請求項11に記載の情報表示ユニット。
【請求項13】
一または複数の表示要素がタッチセンター方式であることを特徴とする請求項11に記載の情報表示ユニット。
【請求項14】
ナビゲーションマップを有する前記表示要素は、実質的にディスプレイスクリーン全体に表示され、かつ他の表示要素は、前記ナビゲーションマップ上に重ねられることを特徴とする請求項3に記載の情報表示ユニット。
【請求項15】
前記自動車の前記サブシステムは、オーディオシステム、ビデオシステム、ナビゲーションシステム、リアビューカメラシステム、燃料システム、電話、計器システムのうち一または複数を有することを特徴とする請求項1に記載の情報表示ユニット。
【請求項16】
前記ユーザインターフェースは、強調された表示要素の視覚的特性を変化させることにより、前記表示要素を視覚的に強調するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の情報表示ユニット。
【請求項17】
前記ユーザインターフェースは、他の表示要素の視覚的特性を変化させることにより、表示要素を視覚的に強調するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の情報表示ユニット。
【請求項18】
前記ユーザインターフェースは、強調された前記表示要素の次の一または複数の視覚的特徴:すなわち、前記ディスプレイ上で強調された前記表示要素の位置、前記ディスプレイ上で強調された前記表示要素の大きさ、強調された前記表示要素の色、強調された前記表示要素の明るさ、強調された前記表示要素の透明度を変化させるように構成されることを特徴とする請求項16に記載の情報表示ユニット。
【請求項19】
前記ユーザインターフェースは、前記他の表示要素の次の一または複数の視覚的特徴:すなわち、前記ディスプレイ上で強調された前記表示要素の位置、前記ディスプレイ上で強調された前記表示要素の大きさ、強調された前記表示要素の色、強調された前記表示要素の明るさ、強調された前記表示要素の透明度を変化させるように構成されることを特徴とする請求項17に記載の情報表示ユニット。
【請求項20】
自動車は、
複数のサブシステムと、
情報表示ユニットと、
を有し、前記情報表示ユニットは、
ディスプレイスクリーンと、
前記ディスプレイスクリーン上に表示されたユーザインターフェースとを有し、
前記ディスプレイスクリーンは、自動車の異なるサブシステムに関する情報をそれぞれ映し出す少なくとも2つの表示要素を同時に表示し、
前記ユーザインターフェースは、所定の刺激に応答し、少なくとも1つの表示要素を、少なくとも他のもう1つの表示要素に対して視覚的に強調するように構成されることを特徴とする自動車。
【請求項21】
少なくとも1つの前記表示要素は、前記自動車のナビゲーションサブシステムに関する情報を映し出すことを特徴とする請求項20に記載の自動車。
【請求項22】
少なくとも1つの前記表示要素は、前記自動車のオーディオサブシステムに関する情報を映し出すことを特徴とする請求項20に記載の自動車。
【請求項23】
前記ユーザインターフェースは、前記ナビゲーションマップにより決定されたカーブに接近しようとする自動車に応答し、前記自動車のナビゲーションシステムに関する情報を映し出す表示要素を視覚的に強調するように構成されることを特徴とする請求項21に記載の自動車。
【請求項24】
前記情報表示ユニットは、表示要素に接続された制御要素をさらに有することを特徴とする請求項20に記載の自動車。
【請求項25】
前記ユーザインターフェースは、ユーザが前記制御要素に触れることに応答し、前記制御要素に接続された前記表示要素を視覚的に強調するように構成されることを特徴とする請求項24に記載の自動車。
【請求項26】
前記情報表示ユニットは、
前記表示要素に接続された前記制御要素近傍の対象物の存在を検知するように構成される近接センサーをさらに有することを特徴とする請求項24に記載の自動車。
【請求項27】
前記ユーザインターフェースは、前記制御要素近傍の対象物の検知に応答し、前記制御要素に接続された前記表示要素を視覚的に強調するように構成されることを特徴とする請求項26に記載の自動車。
【請求項28】
前記サブシステムは、オーディオシステム、ビデオシステム、ナビゲーションシステム、リアビューカメラシステム、燃料システム、電話、計器システム、のうち一または複数を有することを特徴とする請求項20に記載の自動車。
【請求項29】
前記ユーザインターフェースは、強調された表示要素の視覚的特性を変化させることにより、表示要素を視覚的に強調するように構成されることを特徴とする請求項20に記載の自動車。
【請求項30】
前記ユーザインターフェースは、他の表示要素の視覚的特性を変化させることにより、表示要素を視覚的に強調するように構成されることを特徴とする請求項20に記載の自動車。
【請求項31】
自動車のマルチプルサブシステムについての情報表示に関する方法であって、
自動車の異なるサブシステムに関する情報をそれぞれ映し出す少なくとも2つの表示要素を電気ディスプレイ上に同時に表示する手段と、
所定の刺激に応答し、少なくとも1つの表示要素を、少なくとも他のもう1つの表示要素に対して視覚的に強調する手段とを有することを特徴とする方法。
【請求項32】
表示要素と制御要素が接続する手段をさらに有することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記所定の刺激は、ユーザが前記表示要素に接続された前記制御要素を触れることであることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記表示要素に接続された前記表示要素近傍の対象物の存在を検知する手段をさらに有することを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記制御要素近傍の対象物の検知に応答し、前記制御要素に接続された前記表示要素を視覚的に強調する手段をさらに有することを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記所定の刺激は、ユーザアクションにより発生される刺激であることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記所定の刺激は、前記サブシステムの1つのアクションにより発生される刺激であることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項38】
視覚的に強調する表示要素は、強調された前記表示要素の視覚的特徴を変化させる手段を有することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項39】
視覚的に強調する表示要素は、強調された前記表示要素以外の表示要素の視覚的特徴を変化させる手段を有することを特徴する請求項31に記載の方法。
【請求項40】
命令プロセッサに、
自動車の異なるサブシステムに関する情報をそれぞれ映し出す少なくとも2つの表示要素を電子ディスプレイ上に同時に表示するとともに、
所定の刺激に応答し、少なくとも1つの表示要素を、少なくとも他のもう1つの表示要素に対して視覚的に強調する命令を有する媒体。
【請求項41】
命令プロセッサに、
表示要素と制御要素を接続する命令をさらに有することを特徴とする請求項40に記載の媒体。
【請求項42】
前記所定の刺激は、ユーザが前記表示要素に接続された前記制限要素を触れることであることを特徴とする請求項41に記載の媒体。
【請求項43】
命令プロセッサに、
前記制御要素近傍の対象物の検知に応答し、前記制御要素に接続された前記表示要素を視覚的に強調する命令をさらに有することを特徴とする請求項41に記載の媒体。
【請求項44】
前記所定の刺激は、ユーザアクションにより発生される刺激であることを特徴とする請求項40に記載の媒体。
【請求項45】
前記所定の刺激は、前記サブシステムの1つのアクションにより発生された刺激であることを特徴とする請求項40に記載の媒体。
【請求項46】
前記命令プロセッサに表示要素を視覚的に強調する前記命令は、前記命令プロセッサに強調された前記表示要素の視覚的特徴を変化させるインクルード命令を有することを特徴とする請求項40に記載の媒体。
【請求項47】
前記命令プロセッサに表示要素を視覚的に強調する前記命令は、前記命令プロセッサに強調された前記表示要素以外の表示要素の視覚的特徴を変化させるインクルード命令を有することを特徴とする請求項40に記載の媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−545571(P2008−545571A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512497(P2008−512497)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/019194
【国際公開番号】WO2006/127378
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(591009509)ボーズ・コーポレーション (121)
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
【Fターム(参考)】