説明

車両情報の通信

【解決手段】 この発明の代表的な実施例は、その後、サーバに対して継続的な通信リンクを有する、特別の選択された車両に対して、ネットワークによって前記情報を送信するサーバに送信するために、移動体ネットワークを使用して、車両によって他の車両に送信されている車両情報を有する。
そのような送信用の時間間隔は、関連する事象の動力学と整合し、その結果、データ通信量は、最小限にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用の通信および安全工学技術に関する。
【0002】
この発明は、特には、センタとの通信のための車両用通信装置、通信システム、車両、車両中の通信装置、車両とコントロールセンタ間の通信用の方法、コンピュータプログラムプロダクト、およびコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
車両対X(C2X)通信と呼ばれる車両対車両通信、および車両対インフラストラクチャ通信は、代表的にWLANベースの通信工学技術にリンクされている。この通信工学技術は、代表的な因果関係の分からない問題を有している:それは、単に、そうでなければ広範囲の使用が正しく機能しないので、相応して数多くの他の車両がそれに装備されるならば、車両における通信を統合する価値があるということである。
【0004】
移動体無線(cellular radio)に基づくC2Xのための技術は、既に知られている。これらの技術は、この発明において記述された技術と組み合わせることができる。フローティングカーデータは、同様に、既に知られている。
【発明の概要】
【0005】
車両情報の改善された通信を提供することが、この発明の目的である。
【0006】
この発明は、独立請求項の特徴にしたがって、通信装置、通信システム、車両、使用、方法、コンピュータプログラムプロダクト、およびコンピュータ可読媒体を明示している。
【0007】
この発明の展開は、従属請求項において見出すことができる。記述された代表的な実施例は、通信装置、通信システム、車両、使用、方法、コンピュータプログラムプロダクト、およびコンピュータ可読媒体に対応する手段に関する。
【0008】
この発明の1つの代表的な実施例にしたがって、コントロールセンタとの通信のための車両用の通信装置が明示され、その通信装置は、車両の位置を決定するための位置見出(position-finding)ユニットと、第1情報データを生成するための制御ユニットと、コントロールセンタに通信リンクを設置し、さらに保持するための、さらには通信リンクを使用してコントロールセンタに第1情報データを送るための通信ユニットと、を有する。通信リンクは、移動体通信ネットワークに基づき、さらには、第1情報データは、車両の位置に関するデータを有している。
【0009】
既存の移動体通信技術の使用は、2G、3G、3.5Gおよび4G移動体無線ネットワークにおいて使用されるように、車両に関する情報が、関連する(relevant)車両からコントロールセンタに送信されることを可能にし、その情報は、そうでなければ、WLANベースのC2X通信の広範囲の導入まで利用可能ではないであろう。例として、使用することができる他の移動体通信技術は、ホットスポットによるWLAN、WiMaxなどである。
【0010】
この発明の車両情報の通信は、都合よく非常に少量のデータを要求し、さらに時間にわたって基準化することができる方法でその位置を送信することによって車両ドライバーおよび車両同乗者のプライバシーを都合よく保護する。
【0011】
このように、車両関連部分の情報は、その周囲にある車両に対して、容易に、かつ安全に送信することができる。
【0012】
例として、この車両は、例えば、自動車、バス、または重量貨物車両のような自動車両であるか、または他に、レール車両、船、ヘリコプタまたは飛行機のような航空機であるか、あるいは、自転車である。
【0013】
この際に、この発明の状況においては、GPSは、GPS、ガリレオ、GLONASS(ロシア)、コンパス(中国)、IRNSS(インド)、・・・のようなすべての全地球型衛星航法システム(GNSS)の代表であることは指摘されるべきである。
【0014】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、その通信リンクは、インターネットプロトコルベース(IP)リンクである。
【0015】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、その通信リンクは、車両の全走行時間の間、維持される。このことは、コントロールセンタが、個々の車両に対していつでも適切なデータを送信することを可能にする。
【0016】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、その通信装置は、さらに、測定値を捕捉するために、または事象を検知するために検知ユニットを有しており、そこでは制御装置は、捕捉された測定値、または検知された事象であって、それらは同様にコントロールセンタに対して送信されるものに基づく第2情報データを生成することを目指して(design)いる。
【0017】
通信装置は、また、単に、コントロールセンタに対して車両位置を送信するばかりでなく、車両センサシステムによって検出される他の関連するデータを送信するように目指している。適切な場合には、測定データは、その送信に先立って分析され、評価され、および/またはメディア変換することができる。
【0018】
その用語媒体変換は、全く一般的に、ひとつのファイル形式から他のファイル形式へのファイルの翻訳、転換、または変換を意味している。このことは、ひとつの記憶メディアから他の記憶メディアへのデータの転送と同様に、異なるメディアとファイルシステムとの間のデータの転送にも当てはまる。例として、全ての情報データは、送信に先立って、音声、または映像情報に転換することができる。
【0019】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、捕捉された測定値、または検知された事象は、車両のハザードライトの動作、滑りやすい道路(例えば、氷または汚染の理由で)、または標識(signage)のような1つの交通情報に相当する。
【0020】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、第1情報データは、第1の時間間隔で送信される。さらに、第2情報データは、第2の時間間隔で送信され、ここで第2の時間間隔は、第1の時間間隔より短い。
【0021】
換言すれば、第2情報は、第1情報より高い繰返速度(repetition rate)送信される。
【0022】
例えば、前記情報が、送信される繰返速度は、車両運動の動力学(dynamics)、または検知された事象の動力学、または捕捉された測定値の変化の速度と一致する。
【0023】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、通信装置は、さらに車両の計算されたルートに関する1ユニットを有しており、第2情報データは、その車両の計算されたルートに関するデータを有する。
【0024】
例として、そのようなユニットは、車両におけるナビゲーションユニットである。
【0025】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、通信リンクは、UMTS、GPRS、LTE、WLAN(ホットスポットによる)、またはWiMaxに基づいている。
【0026】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、通信装置は、この通信装置のために識別子(ID)の動力学変化用のデータ完全性を提供するように設計されている。
【0027】
例として、前記ID変更は、MAC ID(すなわち、通信ユニットの実際のハードウェアアドレス)、IP ID、または車両対車両のIDとして知られているものに関係があることができる。
【0028】
例として、識別子の動力学変化は、その車両内における無作為の時間間隔でなされる、すなわち、外部からは引き起こされない。
【0029】
このことは、データの完全性が増加されることを可能にする。
【0030】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、通信装置は、eCallユニット(eCallモジュール)として知られているものの形状である。
【0031】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、車両とコントロールセンタとの間の通信用の通信システムが、上述したような通信装置、および、情報データを受信するための、さらには、選択されたさらなる車両に対する前記情報データに対応するデータを送信するための、コントロールセンタを有して、明示されている。
【0032】
例として、コントロールセンタは、前記情報が意図されるこれらの車両に対して関係データをすべて送信するサーバを有する。この状況において、この車両は、送信された車両位置および関連する車両識別子(車両ID)に基づいて関連づけられる。
【0033】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、通信するデータが送信される送信レートは、捕捉された測定値、または検知された事象の動力学と一致する。この一致は、コントロールセンタによって実行することができるか、または送信する車両によって指示されるか、または引き起こすことができる。
【0034】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、通信システムは、車両のありそうな所在を確認することを目指している。
【0035】
例として、旅行の開始前に、ドライバーは、開始位置と開始時間と共に、計画されたルートをコントロールセンタに送信する。この時から、コントロールセンタは、その車両が、およそそのルートにおけるどのポイントにある何時かについて、計算することができる。その車両が計算されたルートを出発する場合にのみ、新しい位置データがコントロールセンタに送信される。ルート計画は、その車両の内部で、または例として、さらに家でオンラインで実行される。
【0036】
このことは、データ通信量が減少されることを可能にする。
【0037】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、上述したような車両における通信装置の使用が、開示される。
【0038】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、その車両の位置が決定され、かつ第1情報データが生成される、車両とコントロールセンタとの間の通信のための方法が、開示される。この第1情報データは、車両の位置に関するデータを有する。
【0039】
さらに、コントロールセンタに対する通信リンクは、この通信リンクを使用して、コントロールセンタに送信されている第1情報データを後に続けるように、設置され、保持される。コントロールセンタは、情報データを受信し、さらに車両の周囲にあるさらなる車両に対してその情報データに対応するデータを送信する。通信リンクは、移動体通信ネットワーク、例えば、移動無線ネットワークに基づく。
【0040】
この際、セル測位によって車両用の位置見出を実行することができることは指摘されるべきである。このことは、特には、GSM、UMTS、またはLTEネットワークを使用するときには適切であるが、WiMax、またはWLAN(ホットスポットによる)にとってもまた、可能である。
【0041】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、コンピュータプログラムプロダクトは、プロセッサで実行されるときに、以下のステップを実行するようにプロセッサに命令することを開示する:車両の位置の決定、第1情報データセンタの生成、コントロールセンタに対する通信リンクのセットアップおよび保持、通信リンクを使用してコントロールセンタに対する第1情報データの送信。ここに、その第1情報データは、その車両の位置に関するデータを有する;そして、そこでは通信リンクは、移動体通信ネットワークに基づく。
【0042】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、プロセッサにおいて実行されたときに、上に開示されたステップを実行するようにプロセッサに命令するコンピュータプログラムプロダクトを格納するコンピュータ可読媒体が、開示される。
【0043】
この発明のさらなる代表的な実施例にしたがって、上述したような通信装置を有する車両が、開示される。
【0044】
この発明の好ましい代表的な実施例が、図に関連して以下に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明の代表的な実施例に基づく通信装置の概要の例証を示す。
【図2】この発明の代表的な実施例に基づく通信システムの概要の例証を示す。
【図3】この発明の代表的な実施例に基づく方法のためのフローチャートを示す。
【0046】
図における例証は、概略であり、縮尺で描かれてはいない。
【0047】
続く図の記述においては、同一の参照数字は、同一、または同様の部分用に使用される。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、コントロールセンタとの通信のために車両用の通信装置のコンポーネントの概要の例証を示す。例として、通信装置100は、車両に搭載され、アンテナ116を備えた通信ユニット115を有し、位置見出ユニット106を備えた検知ユニット119を有し、さらに制御ユニット102を有する。
【0049】
例えば、通信ユニット115に対して、制御ユニット102であって、CPUの形をしているものによって送信される、送信されるべきデータは、暗号化装置114によって暗号化することができる。同様に、通信ユニット115から制御ユニット102に送信された受信データは、暗号化ユニット114によって解読することができる。
【0050】
さらに、ダイナミックID変更を、実行することができる。
【0051】
このことは、誤用の危険が減少することを可能にする。
【0052】
制御ユニット102は、それに接続された入力ユニット112を有する。入力ユニット112は、通信装置のために、および恐らくはさらにそれにリンクされたナビゲーションユニット120のために、様々なセッティングがなされることを可能にする。さらに、モニター110の形をしている視覚的な出力ユニットは、例えば、ルーチン情報、または警告情報を出力するために使用することができるように設けられる。この情報も、可聴出力ユニット111によって出力することができる。可聴出力ユニット111による出力は、ドライバーが、交通で現在起こっていることから、より注意散漫にならないという利点を有する。
【0053】
制御ユニット102に接続されるか、または制御ユニット102に統合されるメモリー要素113は、デジタルマップデータ(例えば、ナビゲーションマップデータの形式で)を、データレコードの形で格納する。例として、メモリー要素112は、さらにデータレコードと関連して、交通制限、インフラストラクチャ装置、および同種のものに関する追加情報を格納する。
【0054】
用語「デジタルマップ」も、起こっているいかなるナビゲーションなしで、高度ドライバー支援システム(ADAS)用のマップを意味するように理解される場合がある。
【0055】
さらに、ドライバー支援システム117は、デジタルマップデータ、または警告、または通信からの他の情報を供給されるように設けられる。
【0056】
現在の車両位置を決定する目的のために、その通信装置は、衛星航法受信機106に接続されるナビゲーションユニット120を有する。
【0057】
この衛星航法受信機106は、例えば、ガリレオの衛星、またはGPS衛星からのナビゲーション信号を受信するために使用される。当然、衛星航法受信機106を備えたナビゲーションユニットも、他の人工衛星航法システムのために設計することができる。
【0058】
ナビゲーション信号が、常に、例えば、都市センターにおいて受信することができるとは限らないので、通信装置は、さらに複合したナビゲーションを実行する目的のために、方向センサ107、距離センサ108、ハンドル角度センサ109、スプリング可動域センサ118、ESPセンサシステム104、および恐らくは光学検知器105を、例えばカメラ、またはビームセンサ(レーダ、またはライダセンサ)の形で有している。さらに、検出ユニット119は、スピードメータ122を有する。
【0059】
GPS受信機からの、さらには他のセンサからの信号は、制御ユニット102において、またはその他ナビゲーションユニット120において扱われる。前記信号から確認された車両位置は、マップマッチングを使用して、ロードマップと調整する。このように得られたルート情報は、最終的にモニター110によって出力される。
【0060】
人工衛星航法装置の使用に加えて、車両位置は、さらに無線ネットワークと関係して、他の車両センサシステムから、またはセル測位から続くことができる。
【0061】
図2は、この発明の代表的な実施例に基づく通信システムの概要の例証を示す。2つの車両201、202は、それぞれが通信装置100を有して提供される。さらに、通信ユニット203、アンテナ206、サーバ204、およびデータメモリ205を備えたコントロールセンタ200が設けられる。車両201、202におけるコントロールセンタおよび通信装置100は、無線伝送リンク207によって相互に通信することができる。
【0062】
その通信は、GPRS、UMTS、LTE、WiMax、WLAN(ホットスポットによる)、・・・のような移動体通信技術を使用して達成される。前記通信技術は、移動無線であって、そのために必要なインフラストラクチャが適所にあることを意味するものに既に使用されている。移動体無線に関する問題は、潜時(latency)である。このことは、車両安全のための全てのC2X法を示すことが、時々は、可能ではないことを意味し、しかし、多数を描くことは既に可能である。
【0063】
この発明の代表的な実施例は、下記方法ステップを有する:
− 関与する車両は、サーバ、またはコントロールセンタ200に対するIPリンクをセットアップする。このIPリンクは、全旅行の間、維持される。
【0064】
− この車両は、例えば、比較的長い間隔(例えば、5分ごと)でサーバに対して、それらの現在位置であって、GPS、またはガリレオによって確認されたもの、他の車両センサシステム、またはセル測位を送信する。サーバは、その後、車両が恐らく位置しているエリアを確証することができる。
【0065】
− ルートが計画されている場合(例えば、ナビゲーション器具120を使用して)には、このルートは、同様にサーバに送信される。このルートからの偏差、または交通渋滞列(tailback)のための再計画の場合には、再計画されたルートが、再びサーバに送信される。
【0066】
− 車両が、他の車両に送信される必要のある事象を経験する場合には、この事象、および他の必要な情報の位置を有して、短い間隔(例えば5秒ごと)にサーバに送信される。サーバは、その後、車両の近くにある全ての車両にこの事象に関する情報を配信する。このことは、その事象の動力学に対して、サーバから車両まで伝送レートを一致させることを有している。この事象が定常である場合(例えば、それが破壊された車両である場合)には、例えば、送信は殆ど生じない。その事象が、非常に不安定に移動している場合には、送信は、より頻繁に生じる。
【0067】
可能な事象は、次のとおりである:
− ハザードライト(あるいは始まる事象のさらなる分類を備えた);
− 活動中の緊急車両;
− 例えば、ABS/ESP/TCS、または車両安全システムによって確認される、道路の滑りやすさ、または摩擦係数、;
− 車両の速度は、著しい交通渋滞列ハザードの場合のように、現在の道路区間のための速度制限未満である;
− 迂回管理(ハイウェイにおける、および市中における);
− 走時情報システム;
− 道路標識補助物;
− 道路工事情報システム;
− 道路工事通過補助物;
− 緊急車両用の優先的信号切換;
− 地域情報サービス;
および
− データ伝送の潜時に関する低い需要を備えたさらなるC2X適用。
【0068】
− さらに、もし望まれれば、交通情報、道路工事に関する情報、駐車スペースに関する情報、近くのガソリン価格等に関する情報も、車両に送信される。
【0069】
同じハードウェアも、交通信号位相補助物を提供するために使用することができる。好都合に、このことは既に移動体通信、および測位(例えば、GPSによる)を必要とするので、これらの全ての選択は、1つのeCallハードウェアによって実行される。
【0070】
記述された方法の利点は、さもなければ、802.11pであって、最終的には未だ標準化されていないものに依存しているC2X通信適用のための既存の通信技術の使用である。情報は、(事象の場合とは別に)非常に散発的に送信されるだけであるので、データ保護も保証される。さらなるデータ保護のために、動力学ID変更のような技術も使用される。情報は、非常に例外的に送信されるだけであるので、通信コストも非常に低く見なすことができる。
【0071】
よりよい交通情報のためには、これがデータ保護を危険にさらすことができるが、その方法は、フローティングカーデータと結合することができる。しかしながら、フローティングカーデータを使用する加入者の数が充分に大きく、動力学ID変更のような技術が使用される場合、さらに、その方法は、この場合にはデータ保護条件を満たすと、仮定することができる。
【0072】
下記の本文は、2つの代表的な実施例であって、当然に相互に結合することができるもの、について記述する。
【0073】
代表的な実施例1:
関与する車両は、接近する緊急車両(救急車、消防車、パトカーのような...)によって警告される。表示は、その緊急車両がその車両に接近しているところから与えられる。
【0074】
緊急車両が、役割上出発する(そしてその青色灯、および/またはサイレンをスイッチオンする)とすぐに、それは、GPRSによるサービスプロバイダに、タイムスタンプを有してその位置を報告する。例として、IPリンクは、このために使用される。測位用に、さらにタイムスタンプ用に、GPSは、都合よく使用される。緊急車両のルートが既に知られている場合には、これは、同様にサービスプロバイダに報告される。その位置は、一定間隔、例えば、5秒の間隔で更新される。
【0075】
車両は、同様に、それらの位置を、例えば同様にIPリンクにより、サービスプロバイダに対して、タイムスタンプを有して報告する。どのルートが使用されているか(例えばナビゲーション器具における計画の結果として)が、既に知られている場合には、これは、同様にサービスプロバイダに対して送信される。通常、使用されている道路が変更し、または、その車両が計画されたルートから外れる場合のみ、その車両自身の位置が送信される。そうでなければ、その位置は、再び、非常に長い時間間隔、例えば5分の間隔でのみ報告される。
【0076】
緊急車両が、今、その車両自身の位置近くにある場合には、サービスプロバイダは、ドライバー自身の車両に対して、この情報を、その緊急車両が位置している道路セグメントとともに、さらには緊急車両の計画されたルートとともに、送信する。緊急車両の道路セグメントとドライバー自身の車両の道路セグメントとの間の間隔が短い(すなわち、それが所定のしきい値未満である)場合には、または双方が同じ道路セグメント内に位置している場合には、そのドライバー自身の車両は、サービスプロバイダに短い報告を送信する。この時から、進んで(続いて呼ばれた報告時間または報告しきい値)、ドライバー自身の車両は、短い間隔で緊急車両の現在位置を示す送信を受信する。緊急車両が、ドライバー自身の車両を追い越した場合には、ドライバー自身の車両は、サービスプロバイダに再び報告を送信し、さらに、したがって短い間隔で緊急車両の位置の送信を終了する。今、道路セグメント等のみは、最初にちょうど記述したように、送信される。
【0077】
GPRSによるデータの送信用に2、3秒の想定される潜時がある場合には、その車両と緊急車両とが位置している道路セグメントを知ることは、常に必要である。双方が報告しきい値内に位置している場合には、この道路セグメント内の緊急車両の位置は、さらに重要である。
【0078】
代表的な実施例2:
車両は、他の車両がそのハザードライトをスイッチオンしたという事実に関して、通知される。このハザードがどれくらい離れているか、そして恐らくその警告の理由は何かが表示される。可能性ある理由は、車両におけるパンクしたタイヤ、または漏れているガソリンであるかもしれない。
【0079】
1. 警告車両:
警告機能が作動されるとすぐに、GPRS/UMTS/…が、報告をサーバに対して送信するために使用される。警告機能が作動され続ける限り、その報告は、20秒ごとに繰り返される。その報告は、タイムスタンプ、利用可能である場合には、正確な、一致したマップデータ(例えば、道路名、地理的位置、…)を備えたGPS位置、および恐らくナビゲーション器具からのルートデータを有する。さらに、なぜハザードライトが作動されたか(例えば、パンクしたタイヤ)のより正確な決定を可能とする情報を送信することは、さらに可能である。
【0080】
2. 警告された車両:
その車両は、5分ごとのGPRS/UMTS/…によるサーバに対してその位置を送信することによる警告サービスに「加入」している。それは、その最後の位置報告以来、町で500メートル、または高速道路上で10キロメートルを越えて移動される場合には、またはそれが、その計画されたルートを立ち去る場合には、その位置をより速く更新する。このルートは、直ちにサーバに送信される。
【0081】
3. サーバ
警報通報が報告されるとすぐに、サーバは、その位置を加入者の位置と比較し、そして直ちに、GPRS/UMTS/…によって前記メッセージを全ての加入者(例えば、半径1キロメートル以内に位置される)に転送する。これが実行されるとすぐに、半径5キロメートル以内の加入者は、全て警告される。この場合、その警告は、警告車両が警報通報を終了するまで、20秒ごとに繰り返される。
【0082】
4. 警告された車両:
車両は、データを受信して、さらにそのデータを、それ自身のルート/マップ/GPSデータと比較し、さらに、必要であれば、ドライバーに対する警告を生成するか、またはナビゲーション器具が代りのルートを計算することを可能にする。
【0083】
図3は、この発明の代表的な実施例に基づく方法のためのフローチャートを示す。ステップ301において、サーバに対する、(またはコントロールセンタに対する)IPリンクが設置され、全走行時間、保持される。さらに、ステップ302において、ドライバー自身の車両位置は決定され、比較的長い時間間隔でサーバに送信される。さらに、ステップ303において、計画されたルートは、サーバに送信される。ステップ304において、対応する位置および恐らく補足情報を有する事象は、短い間隔でサーバに送信される。その後、ステップ305において、サーバは、(あるいは受信された情報の適切な処理/分析の後に)その関連事象を、その事象の周囲における、ある選択された車両に送信する。
【0084】
その車両は、通信リンクを使用して、それらの現在位置を周期的にサーバに送信することができ、そうすると、そのサーバは、車両が恐らく位置している地理的エリアを決定する。車両に関連する事象の発生に続いて、前記事象、およびさらに車両に関連する事象の位置を示す情報と、車両に関連する事象に関する二次的情報とが、より短い時間間隔でサーバに送信され、そして、そのサーバは、その後、前記情報を他の車両に転送する。サーバから車両までの送信レートは、事象の動力学と一致する。さらに、「有する(comprising)」および「有する(having)」は、他のエレメント、またはステップを排除しないこと、さらには「1つの(a)」または「1つの(an)」は、多数を排除しないことは、指摘されるべきである。さらに、上記の代表的な実施例のうちの1つに関して記述された特徴、またはステップも、上に記述した他の代表的な実施例からの他の特徴、またはステップと結合して使用することができることは、指摘されるべきである。請求項における参照符号は、限定と見なされるべきでない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置は:
車両の位置を決定するための位置見出ユニット(106)と;
第1情報データを生成するための制御ユニット(102)と;
コントロールセンタに対する通信リンクを設置して、維持するための、およびコントロールセンタを使用して、第1情報データを送信するための通信ユニット(115、116)とを有してなり;
前記通信リンクは、移動体通信ネットワークに基づき;
さらには、第1情報データは、車両の位置に関するデータを有するコントロールセンタとの通信のための車両用の通信装置。
【請求項2】
通信リンクは、IPリンクである請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
通信リンクは、車両の全走行時の間、維持される請求項1、または2記載の通信装置。
【請求項4】
測定値を捕捉するための、または事象を検知するための検知ユニット(119)をとさらに有し;
制御ユニット(102)は、捕捉された測定値、または検知された事象に基づく第2情報データを生成することを目指し、かつ同様にコントロールセンタに送信される、先行する請求項のうちの1項記載の通信装置。
【請求項5】
捕捉された測定値、または検知された事象は、ハザードライトの動作、滑りやすい道路、または1つの交通情報に対応する請求項4記載の通信装置。
【請求項6】
第1情報データは、第1時間で送信され;
第2情報データは、第2時間で送信され;
そして第2時間は、第1時間より短い、
先行する請求項の1項記載の通信装置。
【請求項7】
車両用のルートを計算するためのユニット(120)をさらに有し;
第2情報データは、車両の計算されたルートに関するデータを有する先行する請求項のうちの1項記載の通信装置。
【請求項8】
通信リンクは、ホットスポットによって、UMTS、GPRS、LTE、WiMax、またはWLANに基づく、先行する請求項の1項記載の通信装置。
【請求項9】
通信装置用の識別子の動力学的変化のためにデータの完全性を提供することを目指している、先行する請求項の1項記載の通信装置。
【請求項10】
eCallユニットとして目指している先行する請求項の1項記載の通信装置。
【請求項11】
先行する請求項の1項記載の通信装置と;
情報データを受信するための、および、選択されたさらなる車両に対する情報データに対応するデータを送信するためのコントロールセンタと、
車両とコントロールセンタとの間の通信用の通信システムとを有する前記通信システム。
【請求項12】
対応するデータが送信される送信レートは、捕捉された測定値、または検知された事象の動力学と整合する請求項11記載の通信システム。
【請求項13】
通信システムは、1つの車両の可能性ある所在を確認することを目指している、請求項11および12のうちの1項記載の通信システム。
【請求項14】
車両における請求項1〜10のうちの1項記載の通信装置の使用。
【請求項15】
車両とコントロールセンタとの間の通信のための方法であって、その方法は、車両の位置が決定されること;
第1情報データが生成されること;
コントロールセンタに対する通信リンクが設定され、かつ保持されることと;
第1情報データは、通信リンクを使用して、コントロールセンタに送信されることと;
情報データは、コントロールセンタ内に受信されることと;
情報データに対応するデータは、コントロールセンタから車両の周囲にあるさらなる車両に送信されることと;
第1情報データは、車両の位置に関するデータを有することと;
通信リンクが、移動体通信ネットワークに基づくことと。
【請求項16】
プロセッサ上で実行されたときに、次のステップを実行するようにプロセッサに促すコンピュータプログラムプロダクト:
車両の位置の決定と;
第1情報データの生成と;
コントロールセンタに対する通信リンクを設定し、かつ保持することと;
コントロールセンタに対する通信リンクを使用して、第1情報データを送信することと;
第1情報データは、車両の位置に関するデータを有することと;
通信リンクは移動体通信ネットワークに基づくことと。
【請求項17】
プロセッサ上で実行されたときに、次のステップを実行するようにプロセッサに命令するコンピュータプログラムプロダクトを格納するコンピュータ可読媒体:
車両の位置の決定と;
第1情報データの生成と;
コントロールセンタに対する通信リンクを設定し、かつ維持することと;
コントロールセンタに対する通信リンクを使用して、第1情報データを送信することと;
第1情報データは、車両の位置に関するデータを有することと;
通信リンクは、移動体通信ネットワークに基づくことと。
【請求項18】
請求項1から10のうちの1項記載の通信装置を有する車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−520160(P2011−520160A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533519(P2010−533519)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【国際出願番号】PCT/EP2008/059190
【国際公開番号】WO2009/062765
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(500030596)コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー (126)
【Fターム(参考)】