車両情報表示システム及びプログラム
【課題】車両の状態を運転者が従来よりも一目で理解しやすい表示を表示手段にさせる表示制御システム等を提供する。
【解決手段】エンジン負荷が0%のとき、エンジンオブジェクトは緑色で静止して表示させるとともにクーリングファンのオブジェクトは静止して表示させ、エンジン負荷が100%に近づくにつれ、エンジンオブジェクトは赤色に変化して表示させるとともに揺れの激しさが増して表示させ、クーリングファンのオブジェクトの回転数も増加して表示させる。
【解決手段】エンジン負荷が0%のとき、エンジンオブジェクトは緑色で静止して表示させるとともにクーリングファンのオブジェクトは静止して表示させ、エンジン負荷が100%に近づくにつれ、エンジンオブジェクトは赤色に変化して表示させるとともに揺れの激しさが増して表示させ、クーリングファンのオブジェクトの回転数も増加して表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両情報システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、最小負荷表示位置と最大負荷表示位置とに亘る設定経路に沿って指示部をエンジン負荷に応じて移動させる形態でエンジン負荷を表示し、エンジン負荷が適正負荷であることを表示する適正負荷表示部と、エンジン負荷が注意負荷であることを表示する注意負荷表示部と、エンジン負荷が過大負荷であることを表示する過大負荷表示部とを備え、注意負荷表示部が、エンジン負荷を複数の段階に区分けした状態で表示する複数の段階表示部分を備える作業機械の表示装置が開示されている。
【0003】
このように車両から取得した車両情報をメータ表示するシステムが一般的に普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−54007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、メータによって車両情報を表示する場合、そのメータがどの車両情報を示すものなのかが、分かりにくいという問題がある。特にメータが複数ある場合や、メータ表示を切替えて表示する場合には、この問題が顕著になる。
【0006】
そこで、本発明は、係る問題等を解決するためになされたもので、車両の状態を運転者が従来よりも一目で理解しやすい表示を表示手段にさせる表示制御システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述した目的を達成するために、本発明に係る表示制御システムは、車両状態を取得し、取得した車両状態に関するオブジェクトを表示手段に表示させる制御を行う表示制御システムであって、前記取得した車両状態に関するオブジェクトは、前記取得した車両状態に関する部位の形状をしたオブジェクトとし、前記車両状態に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を行うことを特徴とする。
【0008】
このようにすれば、取得した車両状態に関する部位の形状をしたオブジェクトの表示態様の変化によって、車両状態を一目で理解することができる。
【0009】
なお、車両情報は、例えば車内LAN等に接続して車両から取得するようにしてもよいし、センサ等を車両に設けて取得するようにしてもよいし、表示制御システム内にセンサ等を設けて取得するようにしてもよい。
【0010】
また、「部位の形状」は、その部位を視認した者がその部位が何を示しているのかが分かる程度に実際の部位の形状を模した程度のものでもよいし、実写画像のようにその部位そのものの形状としてもよい。
オブジェクトは、例えば、イラスト、写真、3Dオブジェクト、または、これらの組み合わせとするとよい。
【0011】
(2)前記車両状態に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御は、前記取得した車両状態に関する部位の形状をしたオブジェクトについて車両状態の変化による実際の前記部位の状態変化を模した態様で変化させる制御とする構成とするとよい。
【0012】
前記オブジェクトは、前記取得した車両状態の生成に因果関係を有する部位の形状をしたオブジェクトとする構成とするとよい。前記オブジェクトは、前記取得した車両状態の生成に因果関係を有しない例えば相関関係を有する部位の形状としてもよいが、因果関係を有する部位の形状をしたオブジェクトとする構成とすると特によい。
【0013】
このようにすれば、そのオブジェクトの形状から、車両状態と因果関係のある部位を一目で知ることができる。また、オブジェクトの表示態様から車両状態と因果関係のある部位の状態を一目で把握できる。
【0014】
実際の前記部位の状態変化としては、部位の物理的状態の変化とするとよく、例えば、部位の位置の変化、部位の移動速度の変化、部位の内部または外部の温度の変化とするとよい。そして、実際の前記部位の状態変化を模した態様としては、例えば、実際の部位の位置の変化に対応した表示した部位の位置の変化、実際の部位の移動速度の変化に対応した表示した部位の移動速度の変化、実際の部位の内部または外部の温度の変化に対応した表示した部位の色の変化などとするとよい。
【0015】
(3)前記車両状態は、前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の車両操作によって変動する状態とするとよい。このようにすれば、オブジェクトの形状から何の車両状態を表示しているかが分かりしかもその車両状態はオブジェクトを視認可能な者の車両操作によって変動する状態であるから、表示された状態に基づいてより素早く操作に反映させることができる。
【0016】
例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、取得した車両状態に関する部位を足として、当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御としてアクセル開度に対応する足の傾きに足の形状をしたオブジェクト(イラスト等)を動かす制御を行うとよい。
(4)前記表示制御は、前記部位の実際の車両状態の変化を模した態様で変化させる制御とする構成とするとよい。
【0017】
例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、取得した車両状態に関する部位をアクセルペダルとして、当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御としてアクセル開度に対応するアクセルペダルの傾きにアクセルペダルの形状をしたオブジェクト(イラスト等)を動かす制御を行うとよい。
【0018】
また、当該実際の車両部位と共に、当該車両状態の変化に因果関係を有する前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の操作状態を示す部位をオブジェクトとして表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、「取得した車両状態に関する部位」をアクセルペダルとし、「当該車両状態の変化に因果関係を有する前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の操作状態を示す部位」として操作者の足を模したオブジェクトを表示して、両オブジェクトの表示態様として、アクセル開度に対応するアクセルペダル及び足の傾きにアクセルペダルの形状をしたオブジェクトと足の形状をしたオブジェクトとを動かす制御を行うとよい。
【0019】
(5)前記車両状態は値として取得し、前記車両状態に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御として、前記車両状態の値に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を含む構成とするとよい。
車両状態は、例えば、状態A・状態B・状態Cを採るようなものとしてもよいが、値として取得するものとするとよい。
【0020】
このようにすれば、値に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化するので、直感的におおよその値を把握することができる。
【0021】
(6)前記オブジェクトは、前記部位の概略外観を示すオブジェクトまたは当該部位の概略断面状態を示すオブジェクトとするとよい。
【0022】
このようにすれば、車両状態を直感的に一目で把握することがより容易になる。特に例えば運転者のように、前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者が、運転時に視認不能な部位の概略外観を示すオブジェクトまたは概略断面状態を示すオブジェクトとするとよい。このようにすれば、運転時に視認不能な箇所の状態を一目で把握することができる。
【0023】
例えば、車両状態としてエンジン負荷を取得し、エンジンの概略外観またはエンジン概略断面状態を示すオブジェクトの表示態様をエンジン負荷に応じて変化させるとよい。
(7)前記車両状態はエンジン負荷であり、前記部位はエンジンである構成とすると良い。
【0024】
このようにすれば、車両の状態を運転者が従来よりも一目で理解しやすい。
【0025】
(8)前記オブジェクトを複数の部分オブジェクトから構成し、当該部分オブジェクトは、動的な表示を行う部分オブジェクトと、静的な表示を行う部分オブジェクトからなり、前記動的な表示を行う部分オブジェクトを前記取得した車両状態に応じて変化させる構成とするとよい。
【0026】
このようにすれば、動的な表示を行うオブジェクトを、静的な表示を行うオブジェクトとの関係で把握することが一目でできる。例えば動的な表示をオブジェクトの動きで行う場合、静的なオブジェクトに対して動的なオブジェクトの位置関係を把握することができる。また例えば動的な表示をオブジェクトの色で行う場合、静的なオブジェクトは特定の色に固定し、この静的なオブジェクトの色に対して動的なオブジェクトの色の状態を容易に把握することができる。
例えば、エンジンの外装部分を静的な表示を行うオブジェクトとして、エンジン内部のピストンやクランク等を動的な表示を行うオブジェクトとするとよい。
【0027】
(9)前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色、動き、表示位置、大きさの少なくともいずれか一つを前記車両状態に応じて変化させる構成とするとよい。
【0028】
(10)前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色を変化させ、当該オブジェクトの色は、前記車両状態が悪化するほど赤色を濃く表示させるとよい。
【0029】
このようにすれば、車両状態が悪化していることをオブジェクトの色から一目で把握することができるとともに、その悪化している車両状態が何についてのものかも同時に把握することができる。
【0030】
(11)前記オブジェクトは3Dオブジェクトであり、前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該3Dオブジェクトを撮影するカメラの状態を変化させるようにしてもよい。
【0031】
(12)前記車両状態を複数取得し、その車両状態ごとに前記オブジェクトの異なる部位の表示態様を変化させる構成とするとよい。
【0032】
このようにすれば、1つのオブジェクトを見るだけで、複数の車両状態の変化を把握できる。すなわち、一目で複数の車両状態を容易に把握できる。
【0033】
例えば、車両状態としてエンジン負荷とエンジン回転数を取得し、オブジェクトとしてエンジンを表示し、エンジン負荷に応じてエンジンのピストンの色を変化させるとともに、エンジン回転数に応じてクランク軸の回転速度を変化させるようにするとよい。このようにすれば、エンジンのオブジェクトの状態を見るだけで、エンジン負荷とエンジン回転数を一目で把握できる。
【0034】
(13)前記車両状態を複数取得し、当該オブジェクトの色、動き、表示位置、大きさのうち、その車両状態ごとに異なるこれらいずれかを変化させるとよい。
【0035】
前記(1)〜(13)の構成要素は適宜組み合わせて構成するとよい。
(14)(1)〜(13)のいずれかに記載の車両情報表示システムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして構成するとよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、車両の状態を運転者が従来よりも一目で理解しやすい表示を表示手段にさせる表示制御システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示す図である。
【図2】レーダー探知機のブロック図である。
【図3】待ち受け画面・レーダースコープ・GPS警報の表示例を示す図である。
【図4】レーダー波警報機能における警報画面の表示例を示す図である。
【図5】車両情報表示機能による車両情報表示画面の表示例を示す図である。
【図6】色の変化の説明図である。
【図7】車両情報表示機能による車両情報表示画面の別の表示例を示す図である。
【図8】図7の表示例の続きの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1,図2は、本発明の車両情報表示システムとして好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示している。本レーダー探知機は通常ダッシュボード上に取り付けられる。本レーダー探知機は通常ダッシュボード上に台座33のプレート33bの底面を貼りつけて固定される。台座33の上部にはボールジョイント受け部33aを設けており、ケース本体1の底面から下方に伸びる支柱部31の下端部に設けたボール部をこのボールジョイント受け部33aに挿し込み、ボール部をその可動範囲内の任意の角度・姿勢で保持させることができる。台座33は、その上面所定位置に球面状の凹部を備えており、台座33は、ゴム等の弾性変形可能で、適度な摩擦係数を有する材質から構成している。ボール部の外径と、凹部の内径とはほぼ等しく設定している。これにより、ボール部が凹部内に入り込んだ状態では、ボール部の外形状と凹部の内形状とが略符合し、ボール部は球面に沿って任意の方向に回転・移動できるようになる。そして、両者の径をほぼ一致させると共に、凹部の内形状に適度な摩擦係数を持たせることで、ボール部を任意の角度・姿勢で保持させることができる。さらに、台座33は弾性変形が可能であるので、図1に示す状態から台座33を保持しつつケース本体1を上方に引き上げる方向に付勢すると、凹部の開口部の径が広がりボール部を凹部から離脱させることができる。逆に、台座33とボール部とが分離した状態の場合、ボール部を凹部の開口部に押し当て、その状態のまま台座33に向けて押し込むように付勢すると、凹部の弾性変形によりその開口部が一旦広がり凹部内にボール部が収納される。その後は、台座33の弾性復元力により凹部の形状は元に戻り、ボール部が簡単に凹部から離脱するのが抑制される。また、台座33の底面には、粘着シートや両面接着テープや面ファスナー等の接着部材の一面が装着され、その接着部材の他の面がダッシュボード等の車室内の所定位置に取り付けられる。これにより、係る車室内の所定位置に台座33が固定される。
【0039】
本レーダー探知機は、図1に示すように、ケース本体1の上面にソーラーパネル2及びスイッチ部3を配置し、ケース本体1の前面側(車両前方へ配置される側(フロントガラス側))の内部に速度測定装置の発する周波数帯のマイクロ波を検知するマイクロ波受信器4を配置する。一方、ケース本体1の後面側(車両後方へ配置される側(ユーザ側(ドライバー側))には、表示部5と警報ランプ6と赤外線通信機7とリモコン受信器16を配置している。また、ケース本体1の上面側内部には、GPS受信器8を配置する。さらに、ケース本体1の一方の側面には、アダプタージャック9を配置し、他方の側面には電源スイッチ10並びに図示省略するDCジャック21を配置する。ケース本体の底面側内部にはバッテリを備え、このバッテリにはソーラーパネル2及びDCジャック21から供給される電力を充電し、各部に電力を供給する。また、ケース本体1内には、スピーカ20も内蔵している。本実施形態では、表示部5はバックライトを有する2.4インチの小型カラードットマトリックス液晶ディスプレイであり、ケース本体1の後面側(車両後方へ配置される側(ユーザ側(ドライバー側))を表示面としている。表示部5を実装するケース本体1の後方側の高さHは、その他の部位の高さH0よりも大きくしている。
【0040】
図2に示すように、赤外線通信機7は携帯電話機12等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。アダプタージャック9は、メモリカードリーダ13を接続する端子である。アダプタージャック9にメモリカードリーダ13を接続することで、そのメモリカードリーダ13に装着されたメモリカード14に格納されたデータを内部に取り込んだり、データベース19や制御部18のメモリの内容をメモリカード14に書き込んだりすることができる。より具体的には、メモリカード14に格納されたデータに、新規な目標物の情報(経度・緯度を含む位置情報,種別情報等)などの更新情報がある場合、その更新情報を制御部18が本レーダー探知機に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)し、データベース19のデータを更新する。なお、メモリカードリーダ13の機能は、本体ケース1内に内蔵するように構成してもよい。
【0041】
データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)である。データベース19には、出荷時に一定の目標物に関する情報を登録しており、その後に追加された目標物についてのデータ等は上記のようにしてデータ更新することができる。また、データ更新は、赤外線通信機7を介して行なうこともできる。
【0042】
DCジャック21は、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。
【0043】
無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信器16は、赤外線によりリモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、本装置に対する各種の設定を行なう。また、スイッチ部3も制御部18に接続され(図示省略)、リモコン17と同様の設定を行えるようになっている。リモコン17には、待受切替ボタン、設定ボタン、選択ボタン、取消ボタン、決定ボタン、リセットボタン、上下左右の十字ボタンを備えている。
【0044】
さらに本実施形態のレーダー探知機は、図2に示すように車両に実装されているOBD−II(IIはローマ数字の「2」であり、以下「OBD−II」を「OBD2」と記す)コネクタに接続する接続ケーブル22を備え、この接続ケーブル22の先端には、車両のOBD2コネクタに着脱自在に装着できるコネクタ端子23が取り付けられている。OBD2コネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECUに接続され、各種の車両情報が出力される。さらに本実施形態では、接続ケーブル22の他端には、レーダー探知機のケース本体1の側面に設けたソケット口24と接続するためのコネクタ端子25を設けており、レーダー探知機に対しても接続ケーブル22を着脱できるようにしている。もちろん、接続ケーブル22をレーダー探知機に直接接続するようにしても良い。
【0045】
そこで、この接続ケーブル22に取り付けられたコネクタ端子23と、車両本体側のOBD2コネクタとを連結することで、制御部18は、各種の車両情報を一秒おきに取得する。この車両情報としては、車速、エンジン回転数、エンジン負荷率、スロットル開度、燃料流量、瞬間燃費、吸入空気量(MAF)、インジェクション開時間、残燃料量、アクセル開度、ウインカー情報(左右のウインカーの動作(ON/OFF))、ハンドルの回転操舵角情報等がある。
【0046】
また、制御部18は、CPU,ROM,RAM,不揮発性メモリ、I/O等を備えるマイコンであり、上記の各種の入力機器から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、上記の各種の出力機器を利用して所定の警報・メッセージや情報を出力する。なお、これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。
【0047】
本実施形態のレーダー探知機における機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0048】
制御部18の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、GPSログ機能、待ち受け画面表示機能、レーダースコープ表示機能、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能、車両情報表示機能などがある。
【0049】
GPSログ機能は、制御部18が1秒ごとにGPS受信器8によって検出された現在位置をその検出した時刻および速度(車速)と関連づけて位置履歴として不揮発性メモリに記憶する機能である。この位置履歴は例えばNMEA形式で記録する。
待ち受け画面表示機能は、図3(a)に示すように、GPS受信器8によって検出した自車両の速度、緯度、経度、高度を表示部5に表示する機能である。
【0050】
レーダースコープ表示機能は、図3(b)に示すように、GPS受信器8によって検出した現在位置から所定の範囲内(例えば約1kmの範囲内)にある目標物をデータベース19に記憶された位置情報に基づいて検索し、自車位置と目標物の位置との相対的な位置関係を表示部5に表示させる機能である。図3(b)中の左側の「W」が西、右側の「E」が東、上側の「N」が北の方角を示し、「W」と「E」を結ぶ左右方向の線と「N」から下へ伸びる上下方向の線との交点にあるアイコンが自車位置を示している。また「L」「RD」「P」「N」等の文字を有するアイコンが目標物の種類と位置を示す。
【0051】
図3(a)に示すような待ち受け画面表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、図3(b)に示すようなレーダースコープ表示機能に切り替える。また、レーダースコープ表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、後述する図5に示す車両情報表示機能に切り替える処理を行う。また、車両情報表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、待ち受け画面表示機能に切り替える処理を行う。
【0052】
制御部18は、待ち受け画面表示機能、レーダースコープ表示機能、車両情報表示機能(以下これらの機能を総称して待受機能と称する)の実行中に、発生したイベントに応じて、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能等の各機能を実現する処理を実行し、当該機能の処理終了時には元の待受機能の処理に戻る。各機能の優先度は、高いほうから、レーダー波警報機能、無線警報機能、GPS警報機能の順に設定している。
【0053】
GPS警報機能は、制御部18に有するタイマーからのイベントにより所定時間間隔(1秒間隔)で実行される処理であり、データベース19に記憶された目標物の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が所定の接近距離(例えば500m以内)になった場合に、表示部5に図3(c)に示すようなGPS警報表示をし、スピーカ20からその旨を示す接近警告の音声を出力する処理である。
【0054】
こうした目標物としては、居眠り運転事故地点、レーダー、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等があり、これらの目標物の種別情報とその位置を示す緯度経度情報と表示部5に表示する模式図または写真のデータと音声データとを対応付けてデータベース19に記憶している。
【0055】
レーダー波警報機能は、マイクロ波受信器4によって速度測定装置(移動式レーダー等(以下、単に「レーダー」と称する))から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、表示部5に対して警報画面を表示するとともに、スピーカ20から警報音を出力する警報機能である。例えば、レーダーの発するマイクロ波の周波数帯のマイクロ波がマイクロ波受信器4によって検出された場合に、図4に示すように、データベース19に記憶されたレーダーの模式図または写真を表示部5に警報画面として表示するとともに、データベース19に記憶された音声データを読み出して「レーダーです。スピード注意」という音声をスピーカ20から出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
【0056】
無線警報機能は、無線受信器15によって、緊急車両等の発する無線電波を受信した場合に、その走行等の妨げとならないよう、警報を発する機能である。無線警報機能においては、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線等の周波数をスキャンし、スキャンした周波数で、無線を受信した場合には、データベース19に無線種別ごとに記憶されたその周波数に対応する無線を受信した旨の模式図を警報画面として表示部5に表示するとともに、データベース19に無線種別ごとに記憶された音声データを読み出して、スピーカ20からその無線の種別を示す警報音声を出力する。たとえば、取締無線を受信した場合には「取締無線です。スピード注意」のように音声を出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
【0057】
本実施形態のレーダー探知機は、これらの機能に加え、図5に示すような車両情報表示画面を表示する車両情報表示機能を備える。車両情報表示画面は、エンジン負荷率を主として表示する画面である。図5に示すように、前述したようにOBD2コネクタを介して車両から取得した車両情報のうち、エンジン負荷率の現在値に加え、スロットル開度、燃料流量、瞬間燃費の現在値と、本レーダー探知機を車両に取り付けたときから現在までに1秒おきに取得した瞬間燃費の平均値である平均燃費を表示するとともに、エンジン負荷率の大きさに応じてエンジンの形状を示す3Dオブジェクトの表示態様を変化させて表示する。なお、瞬間燃費の平均値は、リモコン17のリセットボタンの押下が検出された場合には0にリセットするように構成している。設定メニューなどを表示してリモコン17の十字ボタン等の操作を検出してリセットする構成としてもよい。
【0058】
車両情報表示画面に切り替えられたときには、図5の画面に上から重ねて「エンジン負荷率」の文字を有する長方形の領域からなるテロップ領域を画面中心部に3秒間表示し、その後当該テロップ領域を消去して図5のような画面を表示する処理を行う。
【0059】
車両情報表示画面は、図5に示すように右下部にエンジンオブジェクト表示領域を有する。そして、エンジンオブジェクト表示領域の左側に上から順にエンジン負荷率表示領域、スロットル開度表示領域、燃料流量表示領域、瞬間燃費表示領域を有し、エンジンオブジェクト表示領域の上側に平均燃費表示領域を有する。
【0060】
エンジン負荷率表示領域、スロットル開度表示領域、燃料流量表示領域、瞬間燃費表示領域、平均燃費表示領域は、左側に各車両情報の名称を文字で表示するとともに、右側にその値の数値と単位をその文字の下に表示する車両情報名及び現在値の表示領域を備える。
【0061】
図5(a)の例では、エンジン負荷率表示領域にはその名称として「エンジン負荷率」という文字を表示するとともに、その右側にその値の数値である「16」とその単位である「%」を表示している。また、スロットル開度表示領域にはその名称として「スロットル開度」という文字を表示するとともに、その右側にその値の数値である「11」とその単位である「%」を表示している。また、燃料流量表示領域にはその名称として「燃料流量」という文字を表示するとともに、その右側にその値の数値である「34」とその単位である「ml/m」を表示している。同様に、瞬間燃費表示領域にはその名称として「瞬間燃費」という文字を表示するとともに、その右側にその値の数値である「6.3」とその単位である「km/l」を表示している。また、平均燃費表示領域にはその名称として「平均燃費」という文字を表示するとともに、その右側にその値の数値である「7.0」とその単位である「km/l」を表示している。
【0062】
エンジンオブジェクト表示領域は、エンジン負荷率の大きさに応じてエンジンの形状を示す3Dオブジェクト(以下エンジンオブジェクトとも称する)の表示態様を変化させて表示する領域である。この3Dオブジェクトは、エンジンの外径形状を模したオブジェクトであり、エンジン外装、マニホールド(給排気管)、タイミングベルト、クーリングファン等を備える。エンジン外装全体とクーリングファンの全体がエンジンオブジェクト表示領域内に入りこれらが見えるようにカメラ画角や光源を設定してレンダリングしている。この3Dオブジェクトの中心部分が原点であり、画面左右方向がX軸、画面上下方向がY軸、画面奥行方向がZ軸となる。
【0063】
表示態様の変化として、エンジンオブジェクトは、エンジン負荷が0%のときに静止させて表示させる一方、エンジン負荷が0%でないときY軸を中心としてY軸を上方向から見て反時計周り方向をプラス方向としてプラスマイナス10度の範囲でエンジンオブジェクトの表示角度を変更する処理を行う。図5(a)の状態が0度の位置にあるエンジンオブジェクトを示している。この角度変更の周期は、エンジン負荷が100%に近づくにつれ、短くなるようにしている。具体的には、0〜+10〜0度〜−10度〜0度(1周期)の変化を、エンジン負荷の最大値である100%のときに一秒間に5回(200msに1回)行うようにエンジン負荷に比例してこの周期を変更する。なお、周期を変更するのではなく周期は一定としておき(例えば一秒間に5回)、表示角度の振り幅をエンジン負荷率の大きさに応じて変化させるようにしてもよい。例えば、エンジン負荷率が0%時、振り幅を0度とし、エンジン負荷率が100%に近づくに連れて振り幅を広げ、最終的にエンジン負荷が100%の時に振り幅をプラスマイナス10度にするといった具合にしてもよい。できるだけ、エンジン負荷率の変動によるエンジンの実際の動きよりも誇張した態様で表示することが望ましい。例えばエンジン負荷率が大きくなるとエンジンが七転八倒するように、のた打ち回るように表示するとなおよい。
【0064】
また、表示態様の変化として、エンジンオブジェクトの色は、図6に示すようにエンジン負荷率に応じて変化させる。エンジンブロックの部分(エンジン下部の部分)の色は、図6(a)に示すように変化させ、マニホールドの部分の色は、図6(b)に示すように変化させる。図6中、実線が赤色の色の割合(単位%)であり、破線が緑色の色の割合(単位%)であり、一点鎖線が青色の色の割合(単位%)である。図6(a)のパターンは、青色は常に0%であり、エンジン負荷率が55%までは緑色の割合は100%で55%を超えると85%に至るまでエンジン負荷率の減少に応じて緑色の割合を減少させ85%で0%として100%まで0%を維持する。一方、赤色は、エンジン負荷率が0%から30%までは0%の割合とし、エンジン負荷率が30%からから65%まではエンジン負荷率の増加に応じてその割合を増加させ、65%以上では赤色が100%の割合として維持させる。図6(b)に示すパターンも赤色をエンジン負荷率の上昇に応じて増加させ、緑色をエンジン負荷率の上昇に応じて減少させるパターンであり詳細はグラフに示すとおりである。
【0065】
さらに、表示態様の変化として、エンジンオブジェクトを構成するクーリングファンのオブジェクトは、エンジン負荷率が0%のときには停止し、エンジン負荷率が0%でないときにはファンが回転しているように見えるように回転させる。クーリングファンのオブジェクトの回転数は、エンジン負荷率が上昇するにつれ時間あたりの回転数が増加するようにしている。エンジン負荷率が100%の時に一秒間に5回転(200msに1回転)を行うようにエンジン負荷に比例してこの周期を変更する。
【0066】
このような表示態様を変化させる処理の結果、エンジン負荷が0%のとき、エンジンオブジェクトは緑色で静止して見えるとともにクーリングファンのオブジェクトは静止して見え、エンジン負荷が100%に近づくにつれ、エンジンオブジェクトは赤色に変化していくとともに揺れの激しさが増してみえるとともにクーリングファンのオブジェクトの回転数が増加して見えることとなる。例えば、図5(a)のようにエンジン負荷率が16%のときにはエンジンオブジェクトは緑色にみえてほとんど揺れの激しさは感じられずクーリングファンのオブジェクトの回転もゆったりとして感じられる。ところが、図5(b)のようにエンジン負荷率が51%になるとエンジンオブジェクトは黄緑色にみえガタガタと揺れるように感じられクーリングファンのオブジェクトの回転が早く感じられるようになる。そして図5(c)のようにエンジン負荷率が81%になるとエンジンオブジェクトは赤色にみえガタガタと激しく揺れるように感じられクーリングファンのオブジェクトの回転も激しく回転しているように感じられることとなる。
【0067】
上述した実施形態では、3Dオブジェクトは、エンジンの外形形状を示すオブジェクトとしたがこれに限らず各種の態様を採りうる。また数値の表示部も各種の態様を採りうる。
【0068】
例えば、図7(a)〜(c)、図8(a)〜(d)の各図に示すように、左側にエンジンの断面形状の態様で表示するようにし、右側に車両情報の値の数値を表示するようにしてもよい。なお、図7、図8の数値はダミーの数値が入っているが、図5に示して説明したのと同様の処理によって車両情報に対応する値を表示すればよい。
【0069】
図7、図8のエンジン断面形状の3Dオブジェクトは、エンジン内部のピストンやクランク等の動的な表示を行う第一オブジェクトと、エンジンの外装部分の静的な表示を行う第二オブジェクトを備える。
【0070】
第一オブジェクトは、ピストン、コンロッド、クランク軸等からなる部分であって、エンジンの燃焼室内の燃料の燃焼によってピストンが上下運動(移動)し、そのピストンの上下運動をクランクによって軸の回転とする様子を3Dアニメーションで示すものであり、図7(a)、図7(b)、図7(c)、図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)の順に、変化が見られるように部分のオブジェクトである。
【0071】
一方、第二オブジェクトはエンジン外装部分など図7(a)、図7(b)、図7(c)、図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)の順で第一オブジェクトが動いた際にも動かない部分の3Dオブジェクトである。
【0072】
クランク軸の回転は、例えば、図5に示して説明したクーリングファンの動きと同様にエンジン負荷率に応じて変化させ、このクランク軸の動きに応じてピストンを移動させるように(図7,8に示すように)第一オブジェクトの位置を変化させるとよい。また、エンジン負荷率に応じて変化させるのではなく、車両情報として取得したエンジン回転数に対応させてクランク軸を回転させるように表示してもよい。例えば、エンジン回転数の10分の1の速度でクランク軸を回転させるように表示するとよい。また、第一オブジェクトの色だけを図5に示して説明したエンジンの色の変化と同様の変化をさせるようにしたり、あるいは、第一オブジェクトの色は、モノトーンで表示し、エンジン負荷が0%のとき赤色成分を0%としてエンジン負荷が100%のとき赤色成分を100%として表示するようにしてもよい。
【0073】
以上説明した本レーダー探知機は、車両状態としてエンジン負荷率を取得し、取得したエンジン負荷率に関する3Dオブジェクトを表示部5に表示させる制御を制御部18が行う表示制御システムである。そして、取得したエンジン負荷率に関するオブジェクトとして取得したエンジン負荷率に関する部位としてエンジンの形状をしたオブジェクトとし、エンジン負荷率に応じてこのオブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を行っている。したがって、取得したエンジン負荷率に関する部位としてエンジンの形状をしたオブジェクトの表示態様の変化によって、エンジン負荷率を一目で理解することができる。
【0074】
なお、本実施形態では、エンジン負荷率等の車両情報は車両から取得することとしたが、センサ等を車両に設けて取得するようにしてもよいし、本レーダー探知機内にセンサ等を設けて取得するようにしてもよい。
本実施形態ではオブジェクトは3Dオブジェクトとしたが、例えば、イラスト、写真、または、これらの組み合わせとしてもよい。
【0075】
本実施形態では、エンジン負荷率に応じて3Dオブジェクトの表示態様を変化させる表示制御として、取得したエンジン負荷率に関する部位であるエンジンの形状をしたエンジンオブジェクトについてエンジン負荷率の変化による実際のエンジンの状態変化を模した態様で変化させる制御している。エンジンはエンジン負荷率が高まれば振動も激しさを増し、内部温度も上昇する。この振動の激しさを模してエンジンオブジェクト全体ないしその一部を動かし、内部温度も上昇を模して色を赤色へと変化させている。
【0076】
なお、実際のエンジンの状態変化としては、本実施形態に示したものに限らず、エンジンないしその構成要素の物理的状態の変化とするとよく、例えば、エンジンないしその構成要素の位置の変化、移動速度の変化、内部または外部の温度の変化とするとよい。そして、実際のエンジン状態変化を模した態様としては、例えば、実際のエンジンないしその構成要素の位置の変化に対応した表示したオブジェクトの位置の変化、実際のエンジンないしその構成要素の移動速度の変化に対応したオブジェクトの移動速度の変化、実際のエンジンないしその構成要素の内部または外部の温度の変化に対応した表示した部位の色の変化などとするとよい。
【0077】
本実施形態では、オブジェクトの表示態様をエンジン負荷率に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色、動き、表示位置を変化させることとしたが、例えば、当該オブジェクの大きさや形状、当該3Dオブジェクトを撮影するカメラの状態、光源の状態を変化させるようにしてもよい。これらは、組み合わせて構成するとよい。
【0078】
本実施形態では、オブジェクトの表示態様をエンジン負荷率に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色を変化させ、当該オブジェクトの色は、前記エンジン負荷率が悪化するほど赤色を濃く表示させている。そのため、車両状態が悪化していることをオブジェクトの色から一目で把握することができるとともに、その悪化している車両状態が何についてのものかも同時に把握することができる。
【0079】
本実施形態では、車両状態としてエンジン負荷率の値を取得し、その値に応じて3Dオブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を行っている。このようにエンジン負荷率の値に応じてエンジンオブジェクトの色や動きが変化するので、直感的におおよその値を把握することができる。
【0080】
図7、図8に示した実施形態では、車両状態としてエンジン負荷率とエンジン回転数を取得し、オブジェクトとしてエンジンを表示し、エンジン負荷に応じてエンジンのピストンの色を変化させるとともに、エンジン回転数に応じてクランク軸の回転速度を変化させている。そのため、運転者は、エンジンのオブジェクトの状態を見るだけで、エンジン負荷とエンジン回転数を一目で把握できる。このように、1つのオブジェクトを見るだけで、複数の車両状態の変化を把握できるのである。
【0081】
図7、図8に示した実施形態では、オブジェクトを複数の部分オブジェクトから構成し、その部分オブジェクトは、動的な表示を行う第一オブジェクトと、静的な表示を行う第二オブジェクトからなり、前記動的な表示を行う第一オブジェクトを前記取得した車両状態に応じて変化させる構成としている。したがって、動的な表示を行う第一オブジェクトを、静的な表示を行う第二オブジェクトとの関係で把握することが一目でできる。すなわち、静的な第二オブジェクトに対して動的な第一オブジェクトの位置関係を把握することが容易にできる。また第一オブジェクトの色の変化を第二オブジェクトの固定された色との対比によって、車両状態を容易に把握することができる。
【0082】
この3Dオブジェクトは、取得したエンジン負荷率の生成に因果関係を有する部位であるエンジンの形状をしたオブジェクトとして構成している。そのため、このオブジェクトの形状(エンジンの形状)から、エンジン負荷率と因果関係のある部位であるエンジンを一目で知ることができる。また、オブジェクトの表示態様からエンジン負荷率と因果関係のある部位であるエンジンの状態を一目で把握できる。
【0083】
エンジン負荷率は、表示部5に表示されたエンジンオブジェクトを視認可能な運転者の車両操作によって変動する車両状態である。したがって、オブジェクトの形状からエンジンの車両状態を表示していることが一目で分かりしかもエンジン負荷率はオブジェクトを視認可能な者の車両操作によって変動する状態であるから、表示された状態に基づいてより素早く操作に反映させることができる。例えば、エンジン負荷率が高まった状態であることをエンジンオブジェクトの色や動きから即座に認識して、アクセルを緩めるなどの操作ができる。したがって、従来よりも無駄を無くしてエコ運転をすることも容易にできる。
【0084】
本実施形態では、車両情報としてエンジン負荷率やエンジン回転数を取得してこの車両状態に関する部分としてエンジンの形状のオブジェクトを表示することとしたが、取得する車両情報はこれに限らない。例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、取得した車両状態に関する部位をアクセルペダルとして、当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御としてアクセル開度に対応するアクセルペダルの傾きにアクセルペダルの形状をしたオブジェクト(イラスト等)を動かす制御を行うとよい。
【0085】
また、車両状態に関する部位は車両の部位に限らない。例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、取得した車両状態に関する部位を足として、当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御としてアクセル開度に対応する足の傾きに足の形状をしたオブジェクト(イラスト等)を動かす制御を行うとよい。
【0086】
また、その実際の車両部位と共に、当該車両状態の変化に因果関係を有する前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の操作状態を示す部位をオブジェクトとして表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、「取得した車両状態に関する部位」をアクセルペダルとし、「当該車両状態の変化に因果関係を有する前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の操作状態を示す部位」として操作者の足を模したオブジェクトを表示して、両オブジェクトの表示態様として、アクセル開度に対応するアクセルペダル及び足の傾きにアクセルペダルの形状をしたオブジェクトと足の形状をしたオブジェクトとを動かす制御を行うとよい。
【0087】
本実施形態では、表示部5やスピーカ20をレーダー探知機内に備えることとしたが、レーダー探知機内には、これらを備えず、代わりに例えば汎用の機器(例えば、モニタ、スピーカ等を有する携帯電話等)へ信号を出力するようにしてもよい。
上述した各構成要素は適宜組み合わせてレーダー探知機を構成するとよい。
【0088】
本実施形態では、シガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにしたがOBD2コネクタから電源の供給を受けるようにしてもよい。
【0089】
また、本実施形態では、レーダー探知機の例で説明したが、車載用の各種の電子機器の機能として実施することができる。たとえば、ナビゲーション装置や、ドライブレコーダ、カーオーディオの機能として組み込んでもよい。また本実施例で記載した数値の値は、実験等を行って適宜、効果を奏する値に変更してもよい。表示部5の画面サイズなども任意のものとすることができる。また、制御部18には、各機能や警報の優先順位をリモコン17等からのユーザからの指示に基づいて設定する機能を設け、この設定された優先順位で制御部18が処理を行うように構成してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 ケース本体
2 ソーラーパネル
4 マイクロ波受信器
5 表示部
6 ランプ
7 赤外線通信機
8 GPS受信器
9 アダプタージャック
10 電源スイッチ
11 携帯電話機
12 メモリカードリーダ
14 メモリカード
15 無線受信器
16 リモコン受信器
17 リモコン
18 制御部
19 データベース
20 スピーカ
21 DCジャック
22 接続ケーブル
23 コネクタ端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両情報システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、最小負荷表示位置と最大負荷表示位置とに亘る設定経路に沿って指示部をエンジン負荷に応じて移動させる形態でエンジン負荷を表示し、エンジン負荷が適正負荷であることを表示する適正負荷表示部と、エンジン負荷が注意負荷であることを表示する注意負荷表示部と、エンジン負荷が過大負荷であることを表示する過大負荷表示部とを備え、注意負荷表示部が、エンジン負荷を複数の段階に区分けした状態で表示する複数の段階表示部分を備える作業機械の表示装置が開示されている。
【0003】
このように車両から取得した車両情報をメータ表示するシステムが一般的に普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−54007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、メータによって車両情報を表示する場合、そのメータがどの車両情報を示すものなのかが、分かりにくいという問題がある。特にメータが複数ある場合や、メータ表示を切替えて表示する場合には、この問題が顕著になる。
【0006】
そこで、本発明は、係る問題等を解決するためになされたもので、車両の状態を運転者が従来よりも一目で理解しやすい表示を表示手段にさせる表示制御システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述した目的を達成するために、本発明に係る表示制御システムは、車両状態を取得し、取得した車両状態に関するオブジェクトを表示手段に表示させる制御を行う表示制御システムであって、前記取得した車両状態に関するオブジェクトは、前記取得した車両状態に関する部位の形状をしたオブジェクトとし、前記車両状態に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を行うことを特徴とする。
【0008】
このようにすれば、取得した車両状態に関する部位の形状をしたオブジェクトの表示態様の変化によって、車両状態を一目で理解することができる。
【0009】
なお、車両情報は、例えば車内LAN等に接続して車両から取得するようにしてもよいし、センサ等を車両に設けて取得するようにしてもよいし、表示制御システム内にセンサ等を設けて取得するようにしてもよい。
【0010】
また、「部位の形状」は、その部位を視認した者がその部位が何を示しているのかが分かる程度に実際の部位の形状を模した程度のものでもよいし、実写画像のようにその部位そのものの形状としてもよい。
オブジェクトは、例えば、イラスト、写真、3Dオブジェクト、または、これらの組み合わせとするとよい。
【0011】
(2)前記車両状態に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御は、前記取得した車両状態に関する部位の形状をしたオブジェクトについて車両状態の変化による実際の前記部位の状態変化を模した態様で変化させる制御とする構成とするとよい。
【0012】
前記オブジェクトは、前記取得した車両状態の生成に因果関係を有する部位の形状をしたオブジェクトとする構成とするとよい。前記オブジェクトは、前記取得した車両状態の生成に因果関係を有しない例えば相関関係を有する部位の形状としてもよいが、因果関係を有する部位の形状をしたオブジェクトとする構成とすると特によい。
【0013】
このようにすれば、そのオブジェクトの形状から、車両状態と因果関係のある部位を一目で知ることができる。また、オブジェクトの表示態様から車両状態と因果関係のある部位の状態を一目で把握できる。
【0014】
実際の前記部位の状態変化としては、部位の物理的状態の変化とするとよく、例えば、部位の位置の変化、部位の移動速度の変化、部位の内部または外部の温度の変化とするとよい。そして、実際の前記部位の状態変化を模した態様としては、例えば、実際の部位の位置の変化に対応した表示した部位の位置の変化、実際の部位の移動速度の変化に対応した表示した部位の移動速度の変化、実際の部位の内部または外部の温度の変化に対応した表示した部位の色の変化などとするとよい。
【0015】
(3)前記車両状態は、前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の車両操作によって変動する状態とするとよい。このようにすれば、オブジェクトの形状から何の車両状態を表示しているかが分かりしかもその車両状態はオブジェクトを視認可能な者の車両操作によって変動する状態であるから、表示された状態に基づいてより素早く操作に反映させることができる。
【0016】
例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、取得した車両状態に関する部位を足として、当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御としてアクセル開度に対応する足の傾きに足の形状をしたオブジェクト(イラスト等)を動かす制御を行うとよい。
(4)前記表示制御は、前記部位の実際の車両状態の変化を模した態様で変化させる制御とする構成とするとよい。
【0017】
例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、取得した車両状態に関する部位をアクセルペダルとして、当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御としてアクセル開度に対応するアクセルペダルの傾きにアクセルペダルの形状をしたオブジェクト(イラスト等)を動かす制御を行うとよい。
【0018】
また、当該実際の車両部位と共に、当該車両状態の変化に因果関係を有する前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の操作状態を示す部位をオブジェクトとして表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、「取得した車両状態に関する部位」をアクセルペダルとし、「当該車両状態の変化に因果関係を有する前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の操作状態を示す部位」として操作者の足を模したオブジェクトを表示して、両オブジェクトの表示態様として、アクセル開度に対応するアクセルペダル及び足の傾きにアクセルペダルの形状をしたオブジェクトと足の形状をしたオブジェクトとを動かす制御を行うとよい。
【0019】
(5)前記車両状態は値として取得し、前記車両状態に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御として、前記車両状態の値に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を含む構成とするとよい。
車両状態は、例えば、状態A・状態B・状態Cを採るようなものとしてもよいが、値として取得するものとするとよい。
【0020】
このようにすれば、値に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化するので、直感的におおよその値を把握することができる。
【0021】
(6)前記オブジェクトは、前記部位の概略外観を示すオブジェクトまたは当該部位の概略断面状態を示すオブジェクトとするとよい。
【0022】
このようにすれば、車両状態を直感的に一目で把握することがより容易になる。特に例えば運転者のように、前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者が、運転時に視認不能な部位の概略外観を示すオブジェクトまたは概略断面状態を示すオブジェクトとするとよい。このようにすれば、運転時に視認不能な箇所の状態を一目で把握することができる。
【0023】
例えば、車両状態としてエンジン負荷を取得し、エンジンの概略外観またはエンジン概略断面状態を示すオブジェクトの表示態様をエンジン負荷に応じて変化させるとよい。
(7)前記車両状態はエンジン負荷であり、前記部位はエンジンである構成とすると良い。
【0024】
このようにすれば、車両の状態を運転者が従来よりも一目で理解しやすい。
【0025】
(8)前記オブジェクトを複数の部分オブジェクトから構成し、当該部分オブジェクトは、動的な表示を行う部分オブジェクトと、静的な表示を行う部分オブジェクトからなり、前記動的な表示を行う部分オブジェクトを前記取得した車両状態に応じて変化させる構成とするとよい。
【0026】
このようにすれば、動的な表示を行うオブジェクトを、静的な表示を行うオブジェクトとの関係で把握することが一目でできる。例えば動的な表示をオブジェクトの動きで行う場合、静的なオブジェクトに対して動的なオブジェクトの位置関係を把握することができる。また例えば動的な表示をオブジェクトの色で行う場合、静的なオブジェクトは特定の色に固定し、この静的なオブジェクトの色に対して動的なオブジェクトの色の状態を容易に把握することができる。
例えば、エンジンの外装部分を静的な表示を行うオブジェクトとして、エンジン内部のピストンやクランク等を動的な表示を行うオブジェクトとするとよい。
【0027】
(9)前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色、動き、表示位置、大きさの少なくともいずれか一つを前記車両状態に応じて変化させる構成とするとよい。
【0028】
(10)前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色を変化させ、当該オブジェクトの色は、前記車両状態が悪化するほど赤色を濃く表示させるとよい。
【0029】
このようにすれば、車両状態が悪化していることをオブジェクトの色から一目で把握することができるとともに、その悪化している車両状態が何についてのものかも同時に把握することができる。
【0030】
(11)前記オブジェクトは3Dオブジェクトであり、前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該3Dオブジェクトを撮影するカメラの状態を変化させるようにしてもよい。
【0031】
(12)前記車両状態を複数取得し、その車両状態ごとに前記オブジェクトの異なる部位の表示態様を変化させる構成とするとよい。
【0032】
このようにすれば、1つのオブジェクトを見るだけで、複数の車両状態の変化を把握できる。すなわち、一目で複数の車両状態を容易に把握できる。
【0033】
例えば、車両状態としてエンジン負荷とエンジン回転数を取得し、オブジェクトとしてエンジンを表示し、エンジン負荷に応じてエンジンのピストンの色を変化させるとともに、エンジン回転数に応じてクランク軸の回転速度を変化させるようにするとよい。このようにすれば、エンジンのオブジェクトの状態を見るだけで、エンジン負荷とエンジン回転数を一目で把握できる。
【0034】
(13)前記車両状態を複数取得し、当該オブジェクトの色、動き、表示位置、大きさのうち、その車両状態ごとに異なるこれらいずれかを変化させるとよい。
【0035】
前記(1)〜(13)の構成要素は適宜組み合わせて構成するとよい。
(14)(1)〜(13)のいずれかに記載の車両情報表示システムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして構成するとよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、車両の状態を運転者が従来よりも一目で理解しやすい表示を表示手段にさせる表示制御システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示す図である。
【図2】レーダー探知機のブロック図である。
【図3】待ち受け画面・レーダースコープ・GPS警報の表示例を示す図である。
【図4】レーダー波警報機能における警報画面の表示例を示す図である。
【図5】車両情報表示機能による車両情報表示画面の表示例を示す図である。
【図6】色の変化の説明図である。
【図7】車両情報表示機能による車両情報表示画面の別の表示例を示す図である。
【図8】図7の表示例の続きの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1,図2は、本発明の車両情報表示システムとして好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示している。本レーダー探知機は通常ダッシュボード上に取り付けられる。本レーダー探知機は通常ダッシュボード上に台座33のプレート33bの底面を貼りつけて固定される。台座33の上部にはボールジョイント受け部33aを設けており、ケース本体1の底面から下方に伸びる支柱部31の下端部に設けたボール部をこのボールジョイント受け部33aに挿し込み、ボール部をその可動範囲内の任意の角度・姿勢で保持させることができる。台座33は、その上面所定位置に球面状の凹部を備えており、台座33は、ゴム等の弾性変形可能で、適度な摩擦係数を有する材質から構成している。ボール部の外径と、凹部の内径とはほぼ等しく設定している。これにより、ボール部が凹部内に入り込んだ状態では、ボール部の外形状と凹部の内形状とが略符合し、ボール部は球面に沿って任意の方向に回転・移動できるようになる。そして、両者の径をほぼ一致させると共に、凹部の内形状に適度な摩擦係数を持たせることで、ボール部を任意の角度・姿勢で保持させることができる。さらに、台座33は弾性変形が可能であるので、図1に示す状態から台座33を保持しつつケース本体1を上方に引き上げる方向に付勢すると、凹部の開口部の径が広がりボール部を凹部から離脱させることができる。逆に、台座33とボール部とが分離した状態の場合、ボール部を凹部の開口部に押し当て、その状態のまま台座33に向けて押し込むように付勢すると、凹部の弾性変形によりその開口部が一旦広がり凹部内にボール部が収納される。その後は、台座33の弾性復元力により凹部の形状は元に戻り、ボール部が簡単に凹部から離脱するのが抑制される。また、台座33の底面には、粘着シートや両面接着テープや面ファスナー等の接着部材の一面が装着され、その接着部材の他の面がダッシュボード等の車室内の所定位置に取り付けられる。これにより、係る車室内の所定位置に台座33が固定される。
【0039】
本レーダー探知機は、図1に示すように、ケース本体1の上面にソーラーパネル2及びスイッチ部3を配置し、ケース本体1の前面側(車両前方へ配置される側(フロントガラス側))の内部に速度測定装置の発する周波数帯のマイクロ波を検知するマイクロ波受信器4を配置する。一方、ケース本体1の後面側(車両後方へ配置される側(ユーザ側(ドライバー側))には、表示部5と警報ランプ6と赤外線通信機7とリモコン受信器16を配置している。また、ケース本体1の上面側内部には、GPS受信器8を配置する。さらに、ケース本体1の一方の側面には、アダプタージャック9を配置し、他方の側面には電源スイッチ10並びに図示省略するDCジャック21を配置する。ケース本体の底面側内部にはバッテリを備え、このバッテリにはソーラーパネル2及びDCジャック21から供給される電力を充電し、各部に電力を供給する。また、ケース本体1内には、スピーカ20も内蔵している。本実施形態では、表示部5はバックライトを有する2.4インチの小型カラードットマトリックス液晶ディスプレイであり、ケース本体1の後面側(車両後方へ配置される側(ユーザ側(ドライバー側))を表示面としている。表示部5を実装するケース本体1の後方側の高さHは、その他の部位の高さH0よりも大きくしている。
【0040】
図2に示すように、赤外線通信機7は携帯電話機12等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。アダプタージャック9は、メモリカードリーダ13を接続する端子である。アダプタージャック9にメモリカードリーダ13を接続することで、そのメモリカードリーダ13に装着されたメモリカード14に格納されたデータを内部に取り込んだり、データベース19や制御部18のメモリの内容をメモリカード14に書き込んだりすることができる。より具体的には、メモリカード14に格納されたデータに、新規な目標物の情報(経度・緯度を含む位置情報,種別情報等)などの更新情報がある場合、その更新情報を制御部18が本レーダー探知機に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)し、データベース19のデータを更新する。なお、メモリカードリーダ13の機能は、本体ケース1内に内蔵するように構成してもよい。
【0041】
データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)である。データベース19には、出荷時に一定の目標物に関する情報を登録しており、その後に追加された目標物についてのデータ等は上記のようにしてデータ更新することができる。また、データ更新は、赤外線通信機7を介して行なうこともできる。
【0042】
DCジャック21は、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。
【0043】
無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信器16は、赤外線によりリモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、本装置に対する各種の設定を行なう。また、スイッチ部3も制御部18に接続され(図示省略)、リモコン17と同様の設定を行えるようになっている。リモコン17には、待受切替ボタン、設定ボタン、選択ボタン、取消ボタン、決定ボタン、リセットボタン、上下左右の十字ボタンを備えている。
【0044】
さらに本実施形態のレーダー探知機は、図2に示すように車両に実装されているOBD−II(IIはローマ数字の「2」であり、以下「OBD−II」を「OBD2」と記す)コネクタに接続する接続ケーブル22を備え、この接続ケーブル22の先端には、車両のOBD2コネクタに着脱自在に装着できるコネクタ端子23が取り付けられている。OBD2コネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECUに接続され、各種の車両情報が出力される。さらに本実施形態では、接続ケーブル22の他端には、レーダー探知機のケース本体1の側面に設けたソケット口24と接続するためのコネクタ端子25を設けており、レーダー探知機に対しても接続ケーブル22を着脱できるようにしている。もちろん、接続ケーブル22をレーダー探知機に直接接続するようにしても良い。
【0045】
そこで、この接続ケーブル22に取り付けられたコネクタ端子23と、車両本体側のOBD2コネクタとを連結することで、制御部18は、各種の車両情報を一秒おきに取得する。この車両情報としては、車速、エンジン回転数、エンジン負荷率、スロットル開度、燃料流量、瞬間燃費、吸入空気量(MAF)、インジェクション開時間、残燃料量、アクセル開度、ウインカー情報(左右のウインカーの動作(ON/OFF))、ハンドルの回転操舵角情報等がある。
【0046】
また、制御部18は、CPU,ROM,RAM,不揮発性メモリ、I/O等を備えるマイコンであり、上記の各種の入力機器から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、上記の各種の出力機器を利用して所定の警報・メッセージや情報を出力する。なお、これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。
【0047】
本実施形態のレーダー探知機における機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0048】
制御部18の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、GPSログ機能、待ち受け画面表示機能、レーダースコープ表示機能、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能、車両情報表示機能などがある。
【0049】
GPSログ機能は、制御部18が1秒ごとにGPS受信器8によって検出された現在位置をその検出した時刻および速度(車速)と関連づけて位置履歴として不揮発性メモリに記憶する機能である。この位置履歴は例えばNMEA形式で記録する。
待ち受け画面表示機能は、図3(a)に示すように、GPS受信器8によって検出した自車両の速度、緯度、経度、高度を表示部5に表示する機能である。
【0050】
レーダースコープ表示機能は、図3(b)に示すように、GPS受信器8によって検出した現在位置から所定の範囲内(例えば約1kmの範囲内)にある目標物をデータベース19に記憶された位置情報に基づいて検索し、自車位置と目標物の位置との相対的な位置関係を表示部5に表示させる機能である。図3(b)中の左側の「W」が西、右側の「E」が東、上側の「N」が北の方角を示し、「W」と「E」を結ぶ左右方向の線と「N」から下へ伸びる上下方向の線との交点にあるアイコンが自車位置を示している。また「L」「RD」「P」「N」等の文字を有するアイコンが目標物の種類と位置を示す。
【0051】
図3(a)に示すような待ち受け画面表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、図3(b)に示すようなレーダースコープ表示機能に切り替える。また、レーダースコープ表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、後述する図5に示す車両情報表示機能に切り替える処理を行う。また、車両情報表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、待ち受け画面表示機能に切り替える処理を行う。
【0052】
制御部18は、待ち受け画面表示機能、レーダースコープ表示機能、車両情報表示機能(以下これらの機能を総称して待受機能と称する)の実行中に、発生したイベントに応じて、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能等の各機能を実現する処理を実行し、当該機能の処理終了時には元の待受機能の処理に戻る。各機能の優先度は、高いほうから、レーダー波警報機能、無線警報機能、GPS警報機能の順に設定している。
【0053】
GPS警報機能は、制御部18に有するタイマーからのイベントにより所定時間間隔(1秒間隔)で実行される処理であり、データベース19に記憶された目標物の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が所定の接近距離(例えば500m以内)になった場合に、表示部5に図3(c)に示すようなGPS警報表示をし、スピーカ20からその旨を示す接近警告の音声を出力する処理である。
【0054】
こうした目標物としては、居眠り運転事故地点、レーダー、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等があり、これらの目標物の種別情報とその位置を示す緯度経度情報と表示部5に表示する模式図または写真のデータと音声データとを対応付けてデータベース19に記憶している。
【0055】
レーダー波警報機能は、マイクロ波受信器4によって速度測定装置(移動式レーダー等(以下、単に「レーダー」と称する))から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、表示部5に対して警報画面を表示するとともに、スピーカ20から警報音を出力する警報機能である。例えば、レーダーの発するマイクロ波の周波数帯のマイクロ波がマイクロ波受信器4によって検出された場合に、図4に示すように、データベース19に記憶されたレーダーの模式図または写真を表示部5に警報画面として表示するとともに、データベース19に記憶された音声データを読み出して「レーダーです。スピード注意」という音声をスピーカ20から出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
【0056】
無線警報機能は、無線受信器15によって、緊急車両等の発する無線電波を受信した場合に、その走行等の妨げとならないよう、警報を発する機能である。無線警報機能においては、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線等の周波数をスキャンし、スキャンした周波数で、無線を受信した場合には、データベース19に無線種別ごとに記憶されたその周波数に対応する無線を受信した旨の模式図を警報画面として表示部5に表示するとともに、データベース19に無線種別ごとに記憶された音声データを読み出して、スピーカ20からその無線の種別を示す警報音声を出力する。たとえば、取締無線を受信した場合には「取締無線です。スピード注意」のように音声を出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
【0057】
本実施形態のレーダー探知機は、これらの機能に加え、図5に示すような車両情報表示画面を表示する車両情報表示機能を備える。車両情報表示画面は、エンジン負荷率を主として表示する画面である。図5に示すように、前述したようにOBD2コネクタを介して車両から取得した車両情報のうち、エンジン負荷率の現在値に加え、スロットル開度、燃料流量、瞬間燃費の現在値と、本レーダー探知機を車両に取り付けたときから現在までに1秒おきに取得した瞬間燃費の平均値である平均燃費を表示するとともに、エンジン負荷率の大きさに応じてエンジンの形状を示す3Dオブジェクトの表示態様を変化させて表示する。なお、瞬間燃費の平均値は、リモコン17のリセットボタンの押下が検出された場合には0にリセットするように構成している。設定メニューなどを表示してリモコン17の十字ボタン等の操作を検出してリセットする構成としてもよい。
【0058】
車両情報表示画面に切り替えられたときには、図5の画面に上から重ねて「エンジン負荷率」の文字を有する長方形の領域からなるテロップ領域を画面中心部に3秒間表示し、その後当該テロップ領域を消去して図5のような画面を表示する処理を行う。
【0059】
車両情報表示画面は、図5に示すように右下部にエンジンオブジェクト表示領域を有する。そして、エンジンオブジェクト表示領域の左側に上から順にエンジン負荷率表示領域、スロットル開度表示領域、燃料流量表示領域、瞬間燃費表示領域を有し、エンジンオブジェクト表示領域の上側に平均燃費表示領域を有する。
【0060】
エンジン負荷率表示領域、スロットル開度表示領域、燃料流量表示領域、瞬間燃費表示領域、平均燃費表示領域は、左側に各車両情報の名称を文字で表示するとともに、右側にその値の数値と単位をその文字の下に表示する車両情報名及び現在値の表示領域を備える。
【0061】
図5(a)の例では、エンジン負荷率表示領域にはその名称として「エンジン負荷率」という文字を表示するとともに、その右側にその値の数値である「16」とその単位である「%」を表示している。また、スロットル開度表示領域にはその名称として「スロットル開度」という文字を表示するとともに、その右側にその値の数値である「11」とその単位である「%」を表示している。また、燃料流量表示領域にはその名称として「燃料流量」という文字を表示するとともに、その右側にその値の数値である「34」とその単位である「ml/m」を表示している。同様に、瞬間燃費表示領域にはその名称として「瞬間燃費」という文字を表示するとともに、その右側にその値の数値である「6.3」とその単位である「km/l」を表示している。また、平均燃費表示領域にはその名称として「平均燃費」という文字を表示するとともに、その右側にその値の数値である「7.0」とその単位である「km/l」を表示している。
【0062】
エンジンオブジェクト表示領域は、エンジン負荷率の大きさに応じてエンジンの形状を示す3Dオブジェクト(以下エンジンオブジェクトとも称する)の表示態様を変化させて表示する領域である。この3Dオブジェクトは、エンジンの外径形状を模したオブジェクトであり、エンジン外装、マニホールド(給排気管)、タイミングベルト、クーリングファン等を備える。エンジン外装全体とクーリングファンの全体がエンジンオブジェクト表示領域内に入りこれらが見えるようにカメラ画角や光源を設定してレンダリングしている。この3Dオブジェクトの中心部分が原点であり、画面左右方向がX軸、画面上下方向がY軸、画面奥行方向がZ軸となる。
【0063】
表示態様の変化として、エンジンオブジェクトは、エンジン負荷が0%のときに静止させて表示させる一方、エンジン負荷が0%でないときY軸を中心としてY軸を上方向から見て反時計周り方向をプラス方向としてプラスマイナス10度の範囲でエンジンオブジェクトの表示角度を変更する処理を行う。図5(a)の状態が0度の位置にあるエンジンオブジェクトを示している。この角度変更の周期は、エンジン負荷が100%に近づくにつれ、短くなるようにしている。具体的には、0〜+10〜0度〜−10度〜0度(1周期)の変化を、エンジン負荷の最大値である100%のときに一秒間に5回(200msに1回)行うようにエンジン負荷に比例してこの周期を変更する。なお、周期を変更するのではなく周期は一定としておき(例えば一秒間に5回)、表示角度の振り幅をエンジン負荷率の大きさに応じて変化させるようにしてもよい。例えば、エンジン負荷率が0%時、振り幅を0度とし、エンジン負荷率が100%に近づくに連れて振り幅を広げ、最終的にエンジン負荷が100%の時に振り幅をプラスマイナス10度にするといった具合にしてもよい。できるだけ、エンジン負荷率の変動によるエンジンの実際の動きよりも誇張した態様で表示することが望ましい。例えばエンジン負荷率が大きくなるとエンジンが七転八倒するように、のた打ち回るように表示するとなおよい。
【0064】
また、表示態様の変化として、エンジンオブジェクトの色は、図6に示すようにエンジン負荷率に応じて変化させる。エンジンブロックの部分(エンジン下部の部分)の色は、図6(a)に示すように変化させ、マニホールドの部分の色は、図6(b)に示すように変化させる。図6中、実線が赤色の色の割合(単位%)であり、破線が緑色の色の割合(単位%)であり、一点鎖線が青色の色の割合(単位%)である。図6(a)のパターンは、青色は常に0%であり、エンジン負荷率が55%までは緑色の割合は100%で55%を超えると85%に至るまでエンジン負荷率の減少に応じて緑色の割合を減少させ85%で0%として100%まで0%を維持する。一方、赤色は、エンジン負荷率が0%から30%までは0%の割合とし、エンジン負荷率が30%からから65%まではエンジン負荷率の増加に応じてその割合を増加させ、65%以上では赤色が100%の割合として維持させる。図6(b)に示すパターンも赤色をエンジン負荷率の上昇に応じて増加させ、緑色をエンジン負荷率の上昇に応じて減少させるパターンであり詳細はグラフに示すとおりである。
【0065】
さらに、表示態様の変化として、エンジンオブジェクトを構成するクーリングファンのオブジェクトは、エンジン負荷率が0%のときには停止し、エンジン負荷率が0%でないときにはファンが回転しているように見えるように回転させる。クーリングファンのオブジェクトの回転数は、エンジン負荷率が上昇するにつれ時間あたりの回転数が増加するようにしている。エンジン負荷率が100%の時に一秒間に5回転(200msに1回転)を行うようにエンジン負荷に比例してこの周期を変更する。
【0066】
このような表示態様を変化させる処理の結果、エンジン負荷が0%のとき、エンジンオブジェクトは緑色で静止して見えるとともにクーリングファンのオブジェクトは静止して見え、エンジン負荷が100%に近づくにつれ、エンジンオブジェクトは赤色に変化していくとともに揺れの激しさが増してみえるとともにクーリングファンのオブジェクトの回転数が増加して見えることとなる。例えば、図5(a)のようにエンジン負荷率が16%のときにはエンジンオブジェクトは緑色にみえてほとんど揺れの激しさは感じられずクーリングファンのオブジェクトの回転もゆったりとして感じられる。ところが、図5(b)のようにエンジン負荷率が51%になるとエンジンオブジェクトは黄緑色にみえガタガタと揺れるように感じられクーリングファンのオブジェクトの回転が早く感じられるようになる。そして図5(c)のようにエンジン負荷率が81%になるとエンジンオブジェクトは赤色にみえガタガタと激しく揺れるように感じられクーリングファンのオブジェクトの回転も激しく回転しているように感じられることとなる。
【0067】
上述した実施形態では、3Dオブジェクトは、エンジンの外形形状を示すオブジェクトとしたがこれに限らず各種の態様を採りうる。また数値の表示部も各種の態様を採りうる。
【0068】
例えば、図7(a)〜(c)、図8(a)〜(d)の各図に示すように、左側にエンジンの断面形状の態様で表示するようにし、右側に車両情報の値の数値を表示するようにしてもよい。なお、図7、図8の数値はダミーの数値が入っているが、図5に示して説明したのと同様の処理によって車両情報に対応する値を表示すればよい。
【0069】
図7、図8のエンジン断面形状の3Dオブジェクトは、エンジン内部のピストンやクランク等の動的な表示を行う第一オブジェクトと、エンジンの外装部分の静的な表示を行う第二オブジェクトを備える。
【0070】
第一オブジェクトは、ピストン、コンロッド、クランク軸等からなる部分であって、エンジンの燃焼室内の燃料の燃焼によってピストンが上下運動(移動)し、そのピストンの上下運動をクランクによって軸の回転とする様子を3Dアニメーションで示すものであり、図7(a)、図7(b)、図7(c)、図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)の順に、変化が見られるように部分のオブジェクトである。
【0071】
一方、第二オブジェクトはエンジン外装部分など図7(a)、図7(b)、図7(c)、図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)の順で第一オブジェクトが動いた際にも動かない部分の3Dオブジェクトである。
【0072】
クランク軸の回転は、例えば、図5に示して説明したクーリングファンの動きと同様にエンジン負荷率に応じて変化させ、このクランク軸の動きに応じてピストンを移動させるように(図7,8に示すように)第一オブジェクトの位置を変化させるとよい。また、エンジン負荷率に応じて変化させるのではなく、車両情報として取得したエンジン回転数に対応させてクランク軸を回転させるように表示してもよい。例えば、エンジン回転数の10分の1の速度でクランク軸を回転させるように表示するとよい。また、第一オブジェクトの色だけを図5に示して説明したエンジンの色の変化と同様の変化をさせるようにしたり、あるいは、第一オブジェクトの色は、モノトーンで表示し、エンジン負荷が0%のとき赤色成分を0%としてエンジン負荷が100%のとき赤色成分を100%として表示するようにしてもよい。
【0073】
以上説明した本レーダー探知機は、車両状態としてエンジン負荷率を取得し、取得したエンジン負荷率に関する3Dオブジェクトを表示部5に表示させる制御を制御部18が行う表示制御システムである。そして、取得したエンジン負荷率に関するオブジェクトとして取得したエンジン負荷率に関する部位としてエンジンの形状をしたオブジェクトとし、エンジン負荷率に応じてこのオブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を行っている。したがって、取得したエンジン負荷率に関する部位としてエンジンの形状をしたオブジェクトの表示態様の変化によって、エンジン負荷率を一目で理解することができる。
【0074】
なお、本実施形態では、エンジン負荷率等の車両情報は車両から取得することとしたが、センサ等を車両に設けて取得するようにしてもよいし、本レーダー探知機内にセンサ等を設けて取得するようにしてもよい。
本実施形態ではオブジェクトは3Dオブジェクトとしたが、例えば、イラスト、写真、または、これらの組み合わせとしてもよい。
【0075】
本実施形態では、エンジン負荷率に応じて3Dオブジェクトの表示態様を変化させる表示制御として、取得したエンジン負荷率に関する部位であるエンジンの形状をしたエンジンオブジェクトについてエンジン負荷率の変化による実際のエンジンの状態変化を模した態様で変化させる制御している。エンジンはエンジン負荷率が高まれば振動も激しさを増し、内部温度も上昇する。この振動の激しさを模してエンジンオブジェクト全体ないしその一部を動かし、内部温度も上昇を模して色を赤色へと変化させている。
【0076】
なお、実際のエンジンの状態変化としては、本実施形態に示したものに限らず、エンジンないしその構成要素の物理的状態の変化とするとよく、例えば、エンジンないしその構成要素の位置の変化、移動速度の変化、内部または外部の温度の変化とするとよい。そして、実際のエンジン状態変化を模した態様としては、例えば、実際のエンジンないしその構成要素の位置の変化に対応した表示したオブジェクトの位置の変化、実際のエンジンないしその構成要素の移動速度の変化に対応したオブジェクトの移動速度の変化、実際のエンジンないしその構成要素の内部または外部の温度の変化に対応した表示した部位の色の変化などとするとよい。
【0077】
本実施形態では、オブジェクトの表示態様をエンジン負荷率に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色、動き、表示位置を変化させることとしたが、例えば、当該オブジェクの大きさや形状、当該3Dオブジェクトを撮影するカメラの状態、光源の状態を変化させるようにしてもよい。これらは、組み合わせて構成するとよい。
【0078】
本実施形態では、オブジェクトの表示態様をエンジン負荷率に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色を変化させ、当該オブジェクトの色は、前記エンジン負荷率が悪化するほど赤色を濃く表示させている。そのため、車両状態が悪化していることをオブジェクトの色から一目で把握することができるとともに、その悪化している車両状態が何についてのものかも同時に把握することができる。
【0079】
本実施形態では、車両状態としてエンジン負荷率の値を取得し、その値に応じて3Dオブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を行っている。このようにエンジン負荷率の値に応じてエンジンオブジェクトの色や動きが変化するので、直感的におおよその値を把握することができる。
【0080】
図7、図8に示した実施形態では、車両状態としてエンジン負荷率とエンジン回転数を取得し、オブジェクトとしてエンジンを表示し、エンジン負荷に応じてエンジンのピストンの色を変化させるとともに、エンジン回転数に応じてクランク軸の回転速度を変化させている。そのため、運転者は、エンジンのオブジェクトの状態を見るだけで、エンジン負荷とエンジン回転数を一目で把握できる。このように、1つのオブジェクトを見るだけで、複数の車両状態の変化を把握できるのである。
【0081】
図7、図8に示した実施形態では、オブジェクトを複数の部分オブジェクトから構成し、その部分オブジェクトは、動的な表示を行う第一オブジェクトと、静的な表示を行う第二オブジェクトからなり、前記動的な表示を行う第一オブジェクトを前記取得した車両状態に応じて変化させる構成としている。したがって、動的な表示を行う第一オブジェクトを、静的な表示を行う第二オブジェクトとの関係で把握することが一目でできる。すなわち、静的な第二オブジェクトに対して動的な第一オブジェクトの位置関係を把握することが容易にできる。また第一オブジェクトの色の変化を第二オブジェクトの固定された色との対比によって、車両状態を容易に把握することができる。
【0082】
この3Dオブジェクトは、取得したエンジン負荷率の生成に因果関係を有する部位であるエンジンの形状をしたオブジェクトとして構成している。そのため、このオブジェクトの形状(エンジンの形状)から、エンジン負荷率と因果関係のある部位であるエンジンを一目で知ることができる。また、オブジェクトの表示態様からエンジン負荷率と因果関係のある部位であるエンジンの状態を一目で把握できる。
【0083】
エンジン負荷率は、表示部5に表示されたエンジンオブジェクトを視認可能な運転者の車両操作によって変動する車両状態である。したがって、オブジェクトの形状からエンジンの車両状態を表示していることが一目で分かりしかもエンジン負荷率はオブジェクトを視認可能な者の車両操作によって変動する状態であるから、表示された状態に基づいてより素早く操作に反映させることができる。例えば、エンジン負荷率が高まった状態であることをエンジンオブジェクトの色や動きから即座に認識して、アクセルを緩めるなどの操作ができる。したがって、従来よりも無駄を無くしてエコ運転をすることも容易にできる。
【0084】
本実施形態では、車両情報としてエンジン負荷率やエンジン回転数を取得してこの車両状態に関する部分としてエンジンの形状のオブジェクトを表示することとしたが、取得する車両情報はこれに限らない。例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、取得した車両状態に関する部位をアクセルペダルとして、当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御としてアクセル開度に対応するアクセルペダルの傾きにアクセルペダルの形状をしたオブジェクト(イラスト等)を動かす制御を行うとよい。
【0085】
また、車両状態に関する部位は車両の部位に限らない。例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、取得した車両状態に関する部位を足として、当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御としてアクセル開度に対応する足の傾きに足の形状をしたオブジェクト(イラスト等)を動かす制御を行うとよい。
【0086】
また、その実際の車両部位と共に、当該車両状態の変化に因果関係を有する前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の操作状態を示す部位をオブジェクトとして表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、車両状態としてアクセル開度を取得し、「取得した車両状態に関する部位」をアクセルペダルとし、「当該車両状態の変化に因果関係を有する前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の操作状態を示す部位」として操作者の足を模したオブジェクトを表示して、両オブジェクトの表示態様として、アクセル開度に対応するアクセルペダル及び足の傾きにアクセルペダルの形状をしたオブジェクトと足の形状をしたオブジェクトとを動かす制御を行うとよい。
【0087】
本実施形態では、表示部5やスピーカ20をレーダー探知機内に備えることとしたが、レーダー探知機内には、これらを備えず、代わりに例えば汎用の機器(例えば、モニタ、スピーカ等を有する携帯電話等)へ信号を出力するようにしてもよい。
上述した各構成要素は適宜組み合わせてレーダー探知機を構成するとよい。
【0088】
本実施形態では、シガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにしたがOBD2コネクタから電源の供給を受けるようにしてもよい。
【0089】
また、本実施形態では、レーダー探知機の例で説明したが、車載用の各種の電子機器の機能として実施することができる。たとえば、ナビゲーション装置や、ドライブレコーダ、カーオーディオの機能として組み込んでもよい。また本実施例で記載した数値の値は、実験等を行って適宜、効果を奏する値に変更してもよい。表示部5の画面サイズなども任意のものとすることができる。また、制御部18には、各機能や警報の優先順位をリモコン17等からのユーザからの指示に基づいて設定する機能を設け、この設定された優先順位で制御部18が処理を行うように構成してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 ケース本体
2 ソーラーパネル
4 マイクロ波受信器
5 表示部
6 ランプ
7 赤外線通信機
8 GPS受信器
9 アダプタージャック
10 電源スイッチ
11 携帯電話機
12 メモリカードリーダ
14 メモリカード
15 無線受信器
16 リモコン受信器
17 リモコン
18 制御部
19 データベース
20 スピーカ
21 DCジャック
22 接続ケーブル
23 コネクタ端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両状態を取得し、取得した車両状態に関するオブジェクトを表示手段に表示させる制御を行う表示制御システムであって、
前記取得した車両状態に関するオブジェクトは、前記取得した車両状態に関する部位の形状をしたオブジェクトとし、前記車両状態に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を行うことを特徴とする表示制御システム。
【請求項2】
前記オブジェクトは、前記取得した車両状態の生成に因果関係を有する部位の形状をしたオブジェクトとすること
を特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記車両状態は、前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の車両操作によって変動する状態とすること
を特徴とする請求項1または2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記表示制御は、前記部位の実際の車両状態の変化を模した態様で変化させる制御とする構成とするとよい。
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項5】
前記車両状態は値として取得し、前記車両状態に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御として、前記車両状態の値に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を含むこと
を特徴とする請求項4に記載の表示制御システム。
【請求項6】
前記オブジェクトは、前記部位の概略外観を示すオブジェクトまたは当該部位の概略断面状態を示すオブジェクトであること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項7】
前記車両状態はエンジン負荷であり、前記部位はエンジンであること
を特徴とする請求項6に記載の表示制御システム。
【請求項8】
前記オブジェクトを複数の部分オブジェクトから構成し、当該部分オブジェクトは、動的な表示を行う部分オブジェクトと、静的な表示を行う部分オブジェクトからなり、
前記動的な表示を行う部分オブジェクトを前記取得した車両状態に応じて変化させること
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の表示システム。
【請求項9】
前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色、動き、表示位置、大きさの少なくともいずれか一つを前記車両状態に応じて変化させること
を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項10】
前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色を変化させ、当該オブジェクトの色は、前記車両状態が悪化するほど赤色を濃く表示させること
を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項11】
前記オブジェクトは3Dオブジェクトであり、前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該3Dオブジェクトを撮影するカメラの状態を変化させること
を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項12】
前記車両状態を複数取得し、その車両状態ごとに前記オブジェクトの異なる部位の表示態様を変化させること
を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項13】
前記車両状態を複数取得し、当該オブジェクトの色、動き、表示位置、大きさのうち、その車両状態ごとに異なるこれらいずれかを変化させること
を特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の表示制御システムとしての機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項1】
車両状態を取得し、取得した車両状態に関するオブジェクトを表示手段に表示させる制御を行う表示制御システムであって、
前記取得した車両状態に関するオブジェクトは、前記取得した車両状態に関する部位の形状をしたオブジェクトとし、前記車両状態に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を行うことを特徴とする表示制御システム。
【請求項2】
前記オブジェクトは、前記取得した車両状態の生成に因果関係を有する部位の形状をしたオブジェクトとすること
を特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記車両状態は、前記表示手段に表示されたオブジェクトを視認可能な者の車両操作によって変動する状態とすること
を特徴とする請求項1または2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記表示制御は、前記部位の実際の車両状態の変化を模した態様で変化させる制御とする構成とするとよい。
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項5】
前記車両状態は値として取得し、前記車両状態に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御として、前記車両状態の値に応じて当該オブジェクトの表示態様を変化させる表示制御を含むこと
を特徴とする請求項4に記載の表示制御システム。
【請求項6】
前記オブジェクトは、前記部位の概略外観を示すオブジェクトまたは当該部位の概略断面状態を示すオブジェクトであること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項7】
前記車両状態はエンジン負荷であり、前記部位はエンジンであること
を特徴とする請求項6に記載の表示制御システム。
【請求項8】
前記オブジェクトを複数の部分オブジェクトから構成し、当該部分オブジェクトは、動的な表示を行う部分オブジェクトと、静的な表示を行う部分オブジェクトからなり、
前記動的な表示を行う部分オブジェクトを前記取得した車両状態に応じて変化させること
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の表示システム。
【請求項9】
前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色、動き、表示位置、大きさの少なくともいずれか一つを前記車両状態に応じて変化させること
を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項10】
前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該オブジェクトの色を変化させ、当該オブジェクトの色は、前記車両状態が悪化するほど赤色を濃く表示させること
を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項11】
前記オブジェクトは3Dオブジェクトであり、前記オブジェクトの表示態様を前記車両状態に応じて変化させる表示制御として、当該3Dオブジェクトを撮影するカメラの状態を変化させること
を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項12】
前記車両状態を複数取得し、その車両状態ごとに前記オブジェクトの異なる部位の表示態様を変化させること
を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項13】
前記車両状態を複数取得し、当該オブジェクトの色、動き、表示位置、大きさのうち、その車両状態ごとに異なるこれらいずれかを変化させること
を特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の表示制御システム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の表示制御システムとしての機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−192800(P2012−192800A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57308(P2011−57308)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
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