説明

車両情報表示装置及び車両情報表示システム

【課題】車両管理センタからの指示で車載装置に目標位置を設定した場合に、到着時刻などに関する情報がセンタ側で良好に確認できるようにする。
【解決手段】車両管理センタに設置された車両情報表示装置10と、車両情報表示装置で管理される車両に搭載された車載装置20とで構成されるシステムに適用される。車両情報表示装置10は、管理している車両に対して目標位置を指示する目標位置入力部14と、目標位置入力部で目標位置が入力されたとき、候補となる車両が搭載した車載装置に対して目標位置を指示するデータ処理部15とを備える。そして、車載装置20に目標位置が設定されることで、車載装置で算出された到着時刻情報を受信した場合に、受信した到着時刻情報を、車載装置20が搭載された車両に関する情報と共に表示部16に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置が搭載された車両と通信を行って、車両情報を収集して表示する車両情報表示装置及びその車両情報表示装置を備えた車両情報表示システムに関する。特に本発明は、車載装置に対して目標位置を設定して、その目標位置に向かっている車両についての情報を車両情報表示装置で表示させる場合に適用される技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を使用した各種業務を行う際に、車両管理センタ側に車両情報表示装置を設け、車両側に無線通信機能を備えた車載装置を搭載させて、車載装置から送信された情報に基づいた表示を、車両情報表示装置で行うことが行われている。例えば、各車両に現在位置を測位する測位部を設けて、その測位部で測位された現在位置を車両管理センタ側に随時送信させる。そして、車両管理センタでは、受信した各車両の位置情報に基づいて、地図中に、各車両の現在位置などを表示させる。
【0003】
特許文献1には、車載装置として、カーナビゲーション装置に通信装置を接続した構成とし、車両管理センタから車載装置に対して目標位置を設定し、車両側では、カーナビゲーション装置に設定された目標位置に誘導することについての記載がある。
特許文献2には、車両状態情報及び車両安全走行支援情報を車両管理センタに送信する構成についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−80215号公報
【特許文献2】特開2010−169538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のシステムでは、車両管理センタからの指示で、車載装置としてのカーナビゲーション装置に目標位置が設定されると、設定された以後は、カーナビゲーション装置が備えた演算機能で、目標位置までの到着予想時刻が計算される。そして、カーナビゲーション装置の表示部で、その計算された到着予想時刻を表示させることが行われている。
このように、カーナビゲーション装置で目標位置を設定した場合に、そのカーナビゲーション装置の画面上で到着予想時刻を表示することは従来から行われていることであるが、上述したように、車両管理センタとシステムを組んだ場合でも、車内のカーナビゲーション装置の画面上で、目標位置の到着予想時刻が表示されるだけである。
【0006】
従って、車両管理センタでは、各車両の目標位置までの到着時刻及び目標位置までの距離を確認することができない問題があった。また、ナビゲーション装置などの車載装置で算出される到着予想時刻は、実際の道路混雑状況によって走行中に修正されることが多々あるが、車両管理センタでは、そのような到着予想時刻に修正があったとしても、そのことを知ることができない問題があった。
【0007】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、車両管理センタからの指示で車載装置に目標位置を設定した場合に、到着時刻などに関する情報がセンタ側で良好に確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両管理センタに設置された車両情報表示装置と、車両情報表示装置で管理される車両に搭載された車載装置とで構成され、車両情報表示装置と車載装置とで通信を行うシステムに適用される。
車両情報表示装置は、管理している車両に対して目標位置を指示する目標位置入力部と、目標位置入力部で目標位置が入力されたとき、候補となる車両が搭載した車載装置に対して目標位置を指示するデータ処理部とを備える。そして、車載装置に目標位置が設定されることで、車載装置で算出された到着時刻情報を受信した場合に、受信した到着時刻情報を、車載装置が搭載された車両に関する情報と共に表示させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、車両情報表示装置が備える表示部で、車両の車載装置で算出された到着時刻が表示されるようになる。従って、例えば第三者からの車両到着時刻の要求があった場合に、センタで即座に応えることが可能になる。また、各車両の目標位置までの到着時刻をセンタで即座に確認でき、車両の管理状況を良好に確認できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態によるシステム全体の例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態による目標位置到達までの処理例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施の形態によるセンタでの表示例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態による車両選択処理例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態による車両の再選択処理例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態によるセンタでの表示例(候補車両選択時)を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるセンタでの表示例(到着時刻遅延時)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態を、以下の順序で説明する。
1.システム構成例(図1)
2.目標位置到達までの処理例(図2)
3.センタでの車両選択処理例(図4)
4.センタでの再選択処理例(図5)
5.変形例
【0012】
[1.システム構成例]
図1を参照して、本発明の一実施の形態の例のシステム構成例について説明する。
本実施の形態の例のシステムは、車両管理センタに設置された車両情報表示装置10と、その車両管理センタで管理される車両に搭載される車載装置20とで構成される。車載装置10は、図1では1台の装置だけを示してあるが、実際には複数台の車両ごとに搭載された複数台の車載装置20で構成される。
【0013】
車両情報表示装置10は通信処理部11を備え、車載装置20についても通信処理部21を備え、車両情報表示装置10と車載装置20との間で随時通信を行う構成としてある。図1では、車両情報表示装置10の通信処理部11にアンテナ12を接続し、車載装置20の通信処理部21にアンテナ22を接続し、アンテナ12,22間で無線通信を行う構成として示してあるが、センタ側の車両情報表示装置10の通信処理部11は、直接無線通信を行うとは限らない。例えば、センタ側は、何らかの通信回線や電話回線などを経由して、車載装置と無線通信を行う無線通信システムと接続される構成としてもよい。
【0014】
車両管理センタに設置された車両情報表示装置10の構成について説明すると、車両情報表示装置10は、目標位置入力部14を備え、この車両管理センタで管理している車両が向かう目標位置の情報が入力される。この目標位置入力部14は、車両情報表示装置10の操作者が、地図表示などを行って目標位置の入力操作を行うようにするか、或いは、第三者からの電話などでの連絡があった際に検出した位置情報を目標位置として入力させてもよい。
【0015】
目標位置入力部14で入力された目標位置の情報は、データ処理部15に送られる。また、操作者の操作に基づいた入力を受け付ける操作部17を備え、その操作部17の操作入力についても、データ処理部15に送られる。
データ処理部15では、目標位置の入力があると、通信処理部11から通信で、管理中の車両に対して、目標位置に関する情報を送り、返送された情報を判断する。そして、その目標位置と返送された情報をデータ処理して、表示処理部13にこれらの情報を表示させる処理を実行させる。表示処理部13は、表示部16での表示を制御する処理部である。なお、通信処理部11が受信した情報を、直接表示処理部13に送る場合もある。目標位置に関する表示処理状態の詳細については後述する。
【0016】
次に、各車両に搭載された車載装置20の構成について説明する。車載装置20は、位置検出部23を備え、車両の現在位置を随時測位する。例えば、GPS(Global Positioning System)用の衛星から送信される信号を受信して、その受信信号を解析して現在位置を測位し、現在位置情報を得る。現在位置を測位する際には、ジャイロや車速パルスを組み合わせて検出するようにしてもよい。
得られた現在位置情報は、表示部26に供給すると共に、車両位置入力部24を介して目標位置到達情報計算部25に供給する。表示部26では、現在位置が画面上に表示される。目標位置到達情報計算部25は、車両位置入力部24から車両位置データが供給されると共に、通信処理部21で受信した目標位置データが、データ処理部27を介して供給される。目標位置データや車両位置データは、例えば緯度と経度などよりなる絶対的な位置のデータとする。目標位置データについては、地名,建物名,道路名などのデータとして受信して、その受信したデータを、緯度と経度などよりなる絶対的な位置のデータに変換してもよい。
【0017】
これらの情報が供給されることで、目標位置到達情報計算部25は、入力された目標位置データと現在の車両位置データとから目標位置到達時刻などの目標位置到達情報を計算する。計算された目標位置到達情報は、車載装置内の表示部26に供給されて、画面上に表示させると共に、通信処理部21に供給し、車両情報表示装置10側に送信する。
なお、車載装置20の位置検出部23,車両位置入力部24,目標位置到達情報計算部25,表示部26については、例えばカーナビゲーション装置として構成されたものをそのまま利用することが可能である。
【0018】
[2.目標位置到達までの処理例]
次に、図2のフローチャートを参照して、本実施の形態の例で、車両が目標位置まで到着するまでの処理例について説明する。
この図2のフローチャートの例では、車両情報表示装置10では、車両が向かう目標位置が設定させてあり、その目標位置を特定の車両の車載装置20に対して指示する状態から、その指示された車両が目標位置に到着するまでの処理を示している。図2のフローチャートでは、センタ側の車両情報表示装置10での処理と、車両側の車載装置20での処理とを1つの流れで示してある。
図2に従って処理を説明すると、まず、車両情報表示装置10の通信処理部11は、目標位置データを特定の車載装置20に送信し(ステップS11)、その目標位置データを車載装置20の通信処理部21が受信する(ステップS12)。
【0019】
車載装置20で目標位置データを受信すると、目標位置到達情報計算部25は、車両位置データで示される現在位置から、目標位置データで示される目標位置までの到達時間予想時刻などの目標位置到達情報を計算する(ステップS13)。計算された目標位置到達情報は、通信処理部21からセンタ側に送信させる(ステップS14)。
この目標位置到達情報をセンタ側の車両情報表示装置10の通信処理部11で受信すると(ステップS15)、表示処理部13に目標位置到達情報を送り、表示部16で表示中の画面に、到着予想時刻などの目標位置到達情報を表示させる(ステップS16)。なお、到着予想時刻などの目標位置到達情報は、車載装置20側の表示部26にも表示させる。
【0020】
その後、車載装置20の目標位置到達情報計算部25では、目標位置に到着したか否か判断し(ステップS17)、到着していない場合には、ステップS14の処理に戻り、予め決められた一定周期で、目標位置到達情報を送信する。一定周期とは、例えば1分や3分などの比較的短い時間とする。あるいは、現在位置に一定距離以上の変化があった場合のように、何らかの条件で、目標位置到達情報の送信を繰り返すようにしてもよい。
【0021】
図3は、この図2のフローチャートの処理を行った場合の、車両情報表示装置10の表示部16での表示例を示したものである。
図3は、画面上に、車両種別表示1と目標位置表示2と到達予想時刻表示3と所要時間表示4と距離表示5とを行うようにした例である。ここでは、車両管理センタが管理する複数台の車両に、それぞれ別の目標位置を設定して、それぞれの車両の状態を一覧で表示させた例としてある。
【0022】
車両種別表示1の欄には、「車両A」、「車両B」・・・と車両の種別を表示させてある。
目標位置表示2の欄には、各車両に設定された目標位置を表示させる。この目標位置の表示は、緯度・経度などの位置表示でもよいが、地名や建物名などの判りやすい形態での表示が好ましい。
到達予想時刻表示3の欄には、車載装置20から送信された到着予想時刻を表示させてある。
所要時間表示4の欄には、目標位置までの所要時間を表示させてある。この所要時間は現在時刻から到着予想時刻までの所要時間としてある。あるいは、車載装置20に対して目標位置を指示したタイミングから到着予想時刻までのトータルの所要時間としてもよい。
距離表示5の欄には、目標位置までの残りの走行距離を表示させてある。この走行距離の情報は、例えば目標位置到達情報に付加された情報として、車載装置20側から送信させる。あるいは、車両情報表示装置10側で、車両の現在位置と目標位置とから走行距離を予測して表示させてもよい。この走行距離についても、目標位置設定時からのトータルの走行距離を示してもよい。
【0023】
この図3に示す表示は、時間が経過して、図2のフローチャートのステップS14からステップS16の処理が繰り返し実行されるごとに、それぞれの車両についての表示情報が更新されることになる。この更新は、各車両で個別に行われるので、図3に示す表示中の各車両についての情報が個別に随時更新されることになる。
このように車両管理センタが備える車両情報表示装置10の表示部16で、目標位置を指示した車両の到着予想時刻が表示されることで、車両管理の効率が向上する。例えば、第三者から車両管理センタに何らかの依頼が電話などであり、その第三者の所在地に車両を向かわせた場合に、その車両の到着予想時刻を、センタ側の操作者は画面を見るだけで確認でき、第三者に対して到着予想時刻を知らせることが可能になる。従来は、車載装置側の表示部に到着予想時刻が表示されるだけであったので、センタ側の操作者が無線電話などで、車両側の要員と連絡を取って、到着予想時刻を聞き取る必要があったが、そのような処理が必要なく、センタ側で迅速に到着予想時間の判断が行える。また、到着予想時刻そのものの算出は、各車両側の車載装置で行われるので、各車両での実際の道路の走行状態や混雑状況などを考慮した精度の高い予想が行われ、精度の高い到着予想時間をセンタ側で把握できる効果を有する。
【0024】
[3.センタでの車両選択処理例]
図2のフローチャートでの処理では、既に目標位置に向かわせる車両が選択された状態での処理を示したが、目標位置に向かわせる車両を選択する場合には、例えば図4のフローチャートに示した処理が実行される。
図4のフローチャートの処理について説明すると、まず、車両情報表示装置10の目標位置入力部14に、車両を向かわせる目標位置の入力があったとする(ステップS21)。この目標位置の入力は、電話などの何らかの対応に基づいて自動的に入力される場合と、操作者が手動で入力される場合のいずれでもよい。
この目標位置の入力があると、車両情報表示装置10のデータ処理部15は、車両情報表示装置10で把握している各車両の現在位置から、目標位置から一定距離以内の車両を、候補車両に選定する(ステップS22)。ここで、選定した候補車両の中で、緊急業務に対応中の車両があるか否か判断し(ステップS23)、緊急業務に対応中の車両がある場合には、候補から除外する(ステップS24)。
【0025】
そして、候補となる車両が選定されると、その候補となる車両の全てに対して、目標位置までの到着時刻を返送させる指令を送る。各車両の車載装置20では、目標位置到達情報計算部25で、現在位置からその目標位置までの到着時刻を計算し、その計算した目標位置までの到着時刻の情報を、通信処理部21から車両情報表示装置10側に送信させる。但し、この状態では、目標位置到達情報計算部25で計算を行うだけであり、車載装置20にはまだ目標位置が設定されていない。
【0026】
車両情報表示装置10では、この目標位置までの到着時刻を受信すると、各候補車両の到着予想時刻を、到着予想時刻が早い順に一覧で表示させる(ステップS25)。このときの表示例は後述する。
そして、車両情報表示装置10の操作者は、その一覧表示から、目標位置に向かわせる車両を必要な台数選択する操作を行い(ステップS26)、選択された1台又は複数台の車両の車載装置20に対して、目標位置を設定させる指令を行う(ステップS27)。
このステップS27の目標位置を設定させる指令を送信する処理が、図2のフローチャートのステップS11での目標位置データの送信に相当し、以後は図2のフローチャートに従った処理が実行される。
【0027】
図6は、ステップS25での、車両情報表示装置10の表示部16で、候補車両の到着予想時刻を、到着予想時刻が早い順に一覧で表示させた場合の例を示したものである。
この例では、車両種別表示31と到達予想時刻表示32と所要時間表示33と距離表示34をと行うようにしてある。
この図6の例では、「目標位置X」までの到着予想時刻として、「車両A」、「車両D」、「車両E」が選定された例としてあり、それぞれの到着予想時刻が早い順に表示させてある。
そして、表示された候補の中から選択される車両の欄を示した選択表示35を行うようにしてあり、決定ボタン36の表示箇所のクリックなどの操作者による操作で、選択表示35で選択された車両が、目標位置に向かわせる車両として選定される。この図6の表示画面から、複数台の車両を、目標位置に向かわせる車両として選定してもよい。
【0028】
[4.センタでの再選択処理例]
次に、目標位置に向かわせる車両を選定した後の状態で、車両の再選択を行う場合の例について説明する。
まず、車両情報表示装置10では、図3に示したような到着予想時刻表示を行っている状態で、その到着予想時刻表示を更新させるタイミングになったか否か判断する(ステップS31)。
ステップS31で更新タイミングではないと判断した場合には、車両情報表示装置10の操作者が手動で最新情報の取得操作を行ったか否か判断する。更新の操作がない場合には、ステップS31の判断に戻る。
【0029】
そして、表示を更新させる場合にはステップS33に移り、目標位置に向かっている車両から最新の到着予想時刻情報を取得し、表示される到着予想時刻を更新させる。なお、このステップS31〜S33の処理は、車両情報表示装置10からの要求で更新させることを想定した処理であるが、車載装置20側から一定時間ごとに自動的に最新の到着予想時刻情報を送信させて、車両情報表示装置10では、受信があったときに更新させるようにしてもよい。
【0030】
そして、更新された到着予想時刻が、予め決められた条件以上に遅くなったか否か判断する(ステップS34)。ここでの条件としては、例えば10分などの一定時間以上に予想時刻が遅くなったか否かの判断とする。あるいは、残りの所要時間に対して、特定の比率以上(例えば30パーセント以上)時間が遅延するような場合の判断とする。
この決められた条件以上に遅くなった車両がある場合には、目標位置の再選択を促す表示を車両情報表示装置10で行い、その表示に基づいて再選択を行う操作入力があるか否か判断する(ステップS35)。再選択を行う操作入力がない場合には、ステップS31の処理に戻る。
再選択を行う操作入力がある場合には、選択画面を再度表示させ(ステップS36)、以後はその選択画面での操作に基づいて、目標位置に向かわせる車両の変更などが行われる。
【0031】
図7は、ステップS35での目標位置の再選択を促す表示の一例である。この例では、図3に示した到着予想時刻表示が行われている状態で、車両Aの到着予想時刻が10分遅れた「17時25分」に更新されたとする。このとき、この10分遅れた到着予想時刻を点滅させる等の遅延警告表示41を行うと共に、画面上に再選択ボタン42を表示させる。操作者が再選択ボタン42を選択する操作入力を行った場合には、例えば、図6に示した候補車両の一覧表示などを行って、再度、目標位置に向かわせるのに適した車両の選択が行える。
このように、到着予想時刻の遅延が発生したとき、そのことがセンタ側で迅速に判断できることで、車両の変更や、第三者に遅れることの報告などが迅速に行え、良好な車両管理が行える効果を有する。
【0032】
[5.変形例]
なお、上述した実施の形態で説明した処理構成や表示例などは、一例を示したものであり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形・変更が可能である。
例えば表示例としては、各車両の到着時刻などを表の形式で表示させた例を示したが、例えば道路地図などを表示させた上に、各車両の現在位置を示すようにして、その現在の車両位置の箇所に、到着予想時刻などの情報を表示させるようにしてもよい。
【0033】
また、図1に示した車両情報表示装置10と車載装置20の各処理部の構成は、装置で実現される機能から見た構成であり、必ずしも各装置がそのような処理部を備えるとは限らない。例えば、コンピュータ装置とディスプレイなどで構成される情報処理装置に、本発明の処理を行うプログラム(ソフトウェア)を実装させて、同じ処理を行うように構成してもよい。
【符号の説明】
【0034】
1…車両種別表示、2…目標位置表示、3…到達予想時刻表示、4…所要時間表示、5…距離表示、10…車両情報表示装置、11…通信処理部、12…アンテナ、13…表示処理部、14…目標位置入力部、15…データ処理部、16…表示部、17…操作部、20…車載装置、21…通信処理部、22…アンテナ、23…位置検出部、24…車両位置入力部、25…目標位置到達情報計算部、26…表示部、27…データ処理部、28…目標位置入力部、29…目標位置到着情報保持部、31…車両種別表示、32…到達予想時刻表示、33…所要時間表示、34…距離表示、35…選択表示、36…決定ボタン、41…遅延警告表示、42…再選択ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載装置と通信を行う通信処理部と、
管理している車両が向かう目標位置を指示する目標位置入力部と、
前記目標位置入力部で目標位置が入力されたとき、候補となる車両が搭載した車載装置に対して、前記通信処理部を介した通信で、目標位置の設定を指示するデータ処理部と、
前記車載装置に前記目標位置が設定されることで、前記車載装置で算出された到着時刻の情報を前記通信処理部で受信した場合に、受信した到着時刻を、目標位置を指示した車両に関する情報と共に表示させる表示処理部と、
前記表示処理部の制御に基づいた表示を行う表示部とを備えた車両情報表示装置。
【請求項2】
前記目標位置入力部で目標位置が入力されたとき、前記通信処理部は、管理している複数台の車両に対して目標位置に対する到着時刻を返送させる指示を送り、前記表示処理部は、到着時刻を返送させる指示に基づいて返送された到着時刻の一覧を前記表示部に表示させ、
その表示に基づいて操作者が選択した候補となる車両の車載装置に対して、前記データ処理部は目標位置を設定させる請求項1記載の車両情報表示装置。
【請求項3】
前記通信処理部は、前記目標位置が設定された車載装置と随時通信を行い、その通信で得られた到着時刻が、過去に受信した到着時刻から変化したとき、前記表示処理部は、前記表示部での到着時刻の表示を更新させる請求項2記載の車両情報表示装置。
【請求項4】
受信された到着時刻情報で示される到着時刻が、過去に受信した到着時刻から予め決めた条件以上に遅くなる変化があった場合に、前記データ処理部は候補となる車両の再選択処理を行い、前記表示処理部は、その再選択の画面を前記表示部に表示させる請求項2記載の車両情報表示装置。
【請求項5】
前記通信処理部から目標位置に対する到着時刻を返送させる指示を送った場合に返送された情報で、緊急対応中又は所定の対応中であることが示された車両を、前記表示処理部が表示させる到着時刻の一覧から除外する請求項2記載の車両情報表示装置。
【請求項6】
車両管理センタに設置された車両情報表示装置と、前記車両情報表示装置で管理される車両に搭載された車載装置とで構成された車両情報表示システムにおいて、
前記車両情報表示装置は、
前記車載装置と通信を行うセンタ側の通信処理部と、
管理している車両に対して目標位置を指示する目標位置入力部と、
前記目標位置入力部で目標位置が入力されたとき、候補となる車両が搭載した車載装置に対して、前記通信処理部を介した通信で、目標位置を指示するセンタ側のデータ処理部と、
前記車載装置に前記目標位置が設定されることで、前記車載装置で算出された到着時刻情報を前記通信処理部で受信した場合に、受信した到着時刻情報を、前記車載装置が搭載された車両に関する情報と共に表示させる表示処理部と、
前記表示処理部の制御に基づいた表示を行う表示部とを備え、
前記車載装置は、
前記車両情報表示装置の通信処理部と通信を行う車両側の通信処理部と、
前記車両側の通信部が目標位置の指示を受信した場合に、その目標位置への到着時刻の算出結果を、前記車両側の通信処理部で返送させる車両側のデータ処理部とを備えた車両情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−128475(P2012−128475A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276665(P2010−276665)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)
【Fターム(参考)】