説明

車両情報送信装置および交通管理システム

【課題】車両情報を作成するタイミングを規定して車両情報の効率的な送信を行うと共に、交通状況の判断を簡略な処理により高い精度で実現可能にする車両情報送信装置および交通管理システムを提供する。
【解決手段】本交通管理システムは、各車両に搭載される車両情報送信装置1と、該車両情報送信装置1からの車両情報を受信処理する管理センター2とからなり、車両情報送信装置1は、GPS受信部11で計測した自車両の現在位置を、ノード通過検出部12でノードエリアデータベース13のノードエリア情報と比較し、ノードエリアの通過が判断可能なときに限って、その位置情報および通過時刻を送信情報生成部14に伝え、車両識別情報を付加した車両情報を作成し、送信情報記憶部16および送信部17を介して管理センター2に送信する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載されて使用され、自車両の位置等に関する車両情報を外部に送信する車両情報送信装置およびそれを用いて交通状況の判断処理を行う交通管理システムに関し、特に、車両情報を作成するタイミングを規定することで高い精度の交通管理を実現可能にする車両情報送信装置および交通管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、カーナビゲーションシステム等をはじめとして、GPS(Global Positioning System)で計測した位置情報を利用するアプリケーションが広く出回っている。また最近では、車両1台1台をセンサーと考え、各車両が計測した位置情報から交通状況を把握するシステムの研究が進められている。
【0003】上記のような従来のシステムでは、例えば、各車両において、GPS衛星からの信号を受信して計測した現在位置とその計測時刻とを含んだ車両情報が生成され、該車両情報が管理センターにそれぞれ送信される。管理センターでは、各車両からの情報を基に、各々の車両の現在位置とその地点の通過時刻が軌跡情報データベースに車両単位で登録・蓄積されると同時に、軌跡情報データベースの中から同一車両について時間的に1つ前の軌跡データを参照して、その移動経路が特定される。そして、2つの軌跡データの計測時刻の差からその経路の区間旅行時間などが算出され、それを基に渋滞度等の交通状況が把握される。
【0004】また、例えば特開平8−263783号公報等に記載された従来のシステムでは、位置情報に加えて渋滞や事故等の情報が各車両で収集され、それらの各種情報がセンター側に送信される技術が提案されている。さらに、例えば特開平10−340393号公報等に記載されたシステムでは、車両で収集した情報をセンターから他の車両に提供するときに、センター側で必要とする情報のみを車両から送信する技術も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のシステムでは、車両側が現在位置を計測し、車両情報を作成して管理センターへ送信するというシーケンシャル処理のタイミングは、定時間あるいは定距離間隔が一般的である(なお、このとき作成した車両情報をすぐには送信せずに蓄積して、いくつかまとめて送信する方式もある)。このため、車両情報で示される車両位置は、交差点、合流点、分岐点、料金所など道路ネットワーク上の接続点(以下、ノードとする)に一致するよりも、2つのノード間を結ぶ道路(以下、リンクとする)上となる可能性が高い。一方、交通状況の把握・管理には、予め設定したノード間の所要時間から渋滞度などを算出する場合が多い。
【0006】したがって、従来のシステムでは、管理センター側において、前処理としてリンクの起点あるいは終点にあたるノードの通過時刻を推定する必要性が生じ、その結果、ソフトウェア処理の負荷が重くなり、かつ、把握される交通状況の精度が落ちるという問題があった。
【0007】また、従来のシステムでは、管理センター側において、受信した車両情報を基に特定の車両がある時刻にある地点にいたということが分かったとしても、例えば図10に示すように、その車両が1サイクル前にいた地点(前回の位置)から現在の地点(今回の位置)までに至る経路が複数考えられる場合は、どの経路を通ったかということの判別が難しいという問題があった。
【0008】本発明は上記の点に着目してなされたもので、車両側で車両情報を作成するタイミングを規定することで、車両情報の効率的な送信を行うと共に、交通状況の判断を簡略な処理により高い精度で実現可能にする車両情報送信装置および交通管理システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明による車両情報送信装置は、車両に搭載され、自車両の位置に関する情報を外部に送信可能な車両情報送信装置において、自車両の現在位置を計測する位置計測手段と、道路上に予め設定されたノードに対応した所定の領域を有するノードエリアについて、該ノードエリアの位置および範囲を特定可能なノードエリア情報を記憶したノードエリア情報記憶手段と、前記位置計測手段で計測された現在位置と、前記ノードエリア情報記憶手段に記憶されたノードエリア情報とを比較して、自車両のノードエリアの通過が判断可能なときに限って、前記ノードエリアの位置およびその通過時刻、並びに、自車両の識別情報を含んだ車両情報を作成する車両情報作成手段と、該車両情報作成手段で作成された車両情報を外部に送信する送信手段と、を備えて構成されるものである。
【0010】かかる構成では、車両情報送信装置を搭載した車両の現在位置が、位置計測手段で計測されて、その結果が車両情報作成手段に送られる。車両情報作成手段では、計測された位置とノードエリア情報記憶手段に記憶されたノードエリア情報とが比較される。ノードエリアは、道路上に予め設定されたノードに対応した所定の領域を有するものである。計測された位置とノードエリア情報との比較により、自車両のノードエリアの通過が判断可能になると、そのときに限って、通過したノードエリアの位置およびその通過時刻、並びに、自車両の識別情報を含んだ車両情報が作成されて、該車両情報が送信手段から外部に送信される。これにより、ノードエリア以外のリンク上の地点での通信が回避され、車両情報の効率的な送信が行われるようになる。
【0011】また、上記車両情報送信装置の具体的な構成として、位置計測手段が、GPSを利用して自車両の現在位置を計測するようにしてもよい。さらに、上記の車両情報送信装置については、自車両の走行状態を検出する車両状態検出手段を備えて構成され、前記車両情報作成手段が、前記車両状態検出手段で検出された走行状態を基に、前記ノードエリア内での自車両の進路に関する情報を取得し、該進路情報を付加した前記車両情報を作成するようにしてもよい。
【0012】かかる構成では、車両状態検出手段によって自車両の走行状態が検出され、その結果が車両情報作成手段に伝えられる。車両情報作成手段では、検出された走行状態を基に、ノードエリア内における例えば右左折や直進等といった自車両の進路情報が取得され、前述した場合と同様にして作成した車両情報に進路情報が付加されて送信手段に伝えられる。これにより、自車両のノードエリア内における路線の移り変わり等が分かるようになって、ノードエリア内での自車両の走行経路がより確実に特定できるようになる。
【0013】加えて、上記車両情報送信装置の具体的な構成として、車両情報作成手段は、自車両がノードエリアに入った後、該ノードエリアから出た時点、または、自車両がノードエリアに入った時点を、自車両のノードエリア通過と判断して、前記車両情報を作成してもよい。あるいは、車両情報作成手段は、自車両のノードエリア通過と判断して、前記車両情報を作成するようにしても構わない。
【0014】また、上記車両情報送信装置について、車両情報作成手段は、前記車両情報を作成する際に、ノンストップ自動料金収受システム(ETC)における路車間通信データを利用するようにしてもよい。
【0015】かかる構成では、例えば、有料道路の料金所など識別情報等を含んだETCの路車間通信データを利用しながら、車両情報作成手段において車両情報が作成される。これにより、例えば、高速道路と一般道が併走するような場所などが存在しても、自車両の路線の移り変わりを認識可能にする車両情報が外部に送信されるようになる。
【0016】本発明による交通管理システムの1つの態様は、上述した車両情報送信装置が複数の車両にそれぞれ搭載され、前記各車両の車両情報送信装置から送信される前記車両情報を受信し各車両毎に蓄積して、該蓄積した車両情報を基に交通状況の判断処理を行う情報管理装置を備えて構成されるものである。
【0017】かかる構成では、複数の車両にそれぞれ搭載された車両情報送信装置から送信された各車両情報が情報管理装置で受信され蓄積される。情報管理装置では、蓄積した各車両の情報を基に、例えばリンク旅行時間や渋滞度などの交通状況が判断されるようになる。
【0018】また、上記の交通管理システムについては、情報管理装置が、車両情報送信装置から送信される車両情報を受けて、当該車両が次に通過するノードエリアの候補を特定しノード候補情報として前記車両情報送信装置に送信するノード候補送信手段を備え、車両情報送信装置が、ノード候補送信手段からのノード候補情報を受信する受信手段を備え、該受信手段で受信されたノード候補情報が、ノードエリア情報記憶手段のノードエリア情報として記憶されるようにしてもよい。
【0019】かかる構成によれば、車両情報送信装置から情報管理装置に車両情報が伝達されると共に、情報管理装置から車両情報送信装置にはノード候補情報が伝達され、該ノード候補情報に基づいて自車両のノードエリアの通過が判断されるようになる。
【0020】本発明による交通管理システムの他の態様は、道路上に予め設定されたノード近傍に設置され、前記ノードに対応した所定の領域を有するノードエリアに略一致する通信エリア内に向けて、前記ノードエリアの位置を特定可能なノード情報を送信するノード情報送信装置と、該ノード情報送信装置から送信されるノード情報を受信するノード情報受信手段と、該ノード情報受信手段でのノード情報の受信状態に応じて自車両の現在位置を認識し、自車両のノードエリアの通過が判断可能なときに限って、前記ノードエリアの位置およびその通過時刻、並びに、自車両の識別情報を含んだ車両情報を作成する車両情報作成手段と、該車両情報作成手段で作成された車両情報を外部に送信する送信手段と、を有し、複数の車両にそれぞれ搭載される複数の車両情報送信装置と、前記各車両の車両情報送信装置から送信される前記車両情報を受信し各車両毎に蓄積して、該蓄積した車両情報を基に交通状況の判断処理を行う情報管理装置と、を備えて構成されるものである。
【0021】かかる構成では、ノード近傍に設置されたノード情報送信装置からノードエリアに向けてノード情報が送信されていて、該ノード情報が、ノードエリアを通る各車両に搭載された車両情報送信装置のノード情報受信手段で受信される。車両情報作成手段では、ノード情報受信手段の受信状態を監視することで自車両の現在位置が認識され、自車両のノードエリアの通過が判断可能になると、そのときに限って、通過したノードエリアの位置およびその通過時刻、並びに、自車両の識別情報を含んだ車両情報が作成されて、該車両情報が送信手段から情報管理装置に向けて送信される。情報管理装置では、車両情報送信装置から送信された各車両情報が受信され、蓄積された各車両の情報を基に、例えばリンク旅行時間や渋滞度などの交通状況が判断されるようになる。これにより、ノードエリア以外のリンク上の地点での通信が回避され、車両情報の効率的な送信が行われ、また、情報管理装置におけるソフトウェア処理の負荷が軽減され、交通状況が高い精度で判断されるようになる。
【0022】また、上記交通管理システムの具体的な構成として、車両情報送信装置の車両情報作成手段は、自車両がノードエリアに入った後、該ノードエリアから出た時点、または、自車両がノードエリアに入った時点を、自車両のノードエリア通過と判断して、前記車両情報を作成するようにしてもよい。あるいは、車両情報送信装置の車両情報作成手段は、自車両がノードエリアに入った時点と、該ノードエリアから出た時点との組み合わせにより、自車両のノードエリア通過を判断して、前記車両情報を作成するようにしても構わない。
【0023】さらに、上記交通管理システムについて、車両情報送信装置の車両情報作成手段は、前記車両情報を作成する際に、ノンストップ自動料金収受システム(ETC)における路車間通信データを利用するようにしてもよい。
【0024】かかる構成では、各車両の車両情報送信装置において、例えば、有料道路の料金所など識別情報等を含んだETCの路車間通信データを利用しながら、車両情報作成手段で車両情報が作成され、該車両情報が情報管理装置に送られる。これにより、例えば、高速道路と一般道が併走するような場所などが存在しても、自車両の路線の移り変わりを認識することが可能になり、各車両の移動経路をより確実に特定できるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1実施形態の交通管理システムの構成を示すブロック図である。
【0026】図1において、本交通管理システムは、車載機として各車両に搭載される車両情報送信装置1と、各々の車両情報送信装置1から送られてくる車両情報を受信して、渋滞度などの交通状況の判断処理を行う情報管理装置としての管理センター2とを備えて構成される。
【0027】車両情報送信装置1は、位置計測手段としてのGPS受信部11、ノード通過検出部12、ノードエリア情報記憶手段としてのノードエリアデータベース13、送信情報生成部14、車両識別情報記憶部15、送信情報記憶部16および送信部17を有する。ここでは、ノード通過検出部12、送信情報生成部14および車両識別情報記憶部15が車両情報作成手段として機能し、送信情報記憶部16および送信部17が送信手段として機能する。
【0028】GPS受信部11は、接続された受信アンテナ11AによりGPS衛星からの信号を受信し、車両の現在位置を計測して位置情報をノード通過検出部12に伝える。なお、本発明における自車両の現在位置を計測する手段は、GPSに限られるものではなく、公知の計測手段を利用することが可能である。
【0029】ノード通過検出部12は、GPS受信部11で受信・計測した現在位置とノードエリアデータベース13に登録されているノードエリアデータとを比較し、当該車両がノードエリアを通過したか否かを判断して、通過時の時刻をノード通過時刻として送信情報生成部14に伝える。この際、通過したノードエリアの位置情報も同時に伝えられる。この位置情報としては、例えば、ノードエリアごとに予め設定されたノードIDや緯度経度データ等とすることができる。特に、ノードIDを用いることによって、管理センター2側での処理負荷を軽減することが可能である。上記のノードエリアは、従来のようにノードを点と考えるのではなく、予め設定した範囲を有する領域と考え、その位置および範囲を定義したノードエリアデータがノードエリアデータベース13に登録される。
【0030】ノードエリアデータとしては、例えば図2に示すような交差点では、交差点の中心(x,y)から半径Rの範囲内がノードエリアと定義され、その中心座標(x,y)および半径Rの各値がノードエリアデータベース13に登録される。なお、ノードエリアの形状は、上記のような円形に限られるものではなく、ノードとして設定される地点の道路状況に応じて多様な形状とすることが可能である。
【0031】ここで、上記のような円形のノードエリアの具体的な設定方法について簡単に説明しておく。現在、一般的に利用されているGPS装置は通常1秒おきに位置情報を計算している。このようなGPS装置を本実施形態のGPS受信部11として利用し、車両のノードエリア通過を検出するためには、1秒間に少なくとも1回は、ノードエリア内の座標を示す位置情報を取得しなければならない。つまり、車両がノードエリア内を走行する間にGPS受信部11の位置計測が行われる必要がある。車両速度を50km/hと仮定すると、1秒間に進む距離は約13.8mになる。従って、上記のような円形のノードエリアは、半径Rが7m前後というようなある程度の大きさを有するように設定する必要がある。次の表1には、ノードエリアデータの具体的な属性例を示しておく
【0032】
【表1】


ノード通過検出部12が車両のノードエリア通過を判断するときの判断基準としては、ここでは、車両がノードエリアに入った後に再びそのエリアから出た時点とする。なお、ノードエリア通過の判断基準は、上記の時点に限定されるものではない。例えば、車両がノードエリアに入った時点をノードエリア通過と判断してもよい。また例えば、車両がノードエリアに入った時点と、その後再びそのエリアから出た時点とを組み合わせて、ノードエリア通過を判断するようにしても構わない。だたし、この場合には、ノードエリアへの進入およびノードエリアからの退出の区別が後述する管理センター2側で識別できるような送信情報を送信情報生成部14で生成する必要がある。
【0033】送信情報生成部14は、ノード通過検出部12からの位置情報および通過時刻を受けると、車両識別情報記憶部15に記憶された車両識別情報を読み出し、通過したノードエリアの位置情報、通過時刻および車両識別情報を含んだ車両情報を生成して送信情報記憶部16に伝える。上記の車両識別情報は、例えば車両ナンバー等のように各車両ごとに個別に設定された識別情報である。
【0034】送信情報記憶部16は、送信情報生成部14で生成された車両情報を一時的に蓄積する。送信部17は、送信情報記憶部16に蓄積された車両情報を予め設定した送信タイミングで管理センター2へ送信する。なお、車両情報の送信後、送信情報記憶部16の蓄積データはクリアされるものとする。
【0035】図3は、管理センター2の具体的な構成例を示すブロック図である。ただし、位置情報としてノードIDを含んだ車両情報が車両情報送信装置1から送られる場合の一例が示してある。
【0036】図3の構成例において、受信部21は、各車両の送信部17から発信された送信情報を受信して車両情報を識別し、該車両情報を車両軌跡データベース22およびリンク旅行時間算出部23に出力する。車両軌跡データベース22では、受信部21からの車両情報が車両識別情報に応じて車両単位で登録・蓄積される。
【0037】リンク旅行時間算出部23は、車両軌跡データベース22に蓄積された車両情報の中から、同一車両について時間的に1つ前の情報を参照すると共に、地図情報データベース24に登録された地図データを参照して、当該車両が移動した2つのノードエリア間の経路(リンク)を特定し、各ノードエリアの通過時刻の差から、そのリンクの移動に要した時間(リンク旅行時間)を算出して、該リンク旅行時間を経路情報と共にリンク旅行時間データベース25に伝える。
【0038】リンク旅行時間データベース25には、リンク旅行時間算出部23で算出されたリンク旅行時間が各々のリンク毎に登録される。このリンク旅行時間データベース27の蓄積データは、ここでは例えば、描画データ生成部26における描画データの作成等に利用される。
【0039】描画データ生成部26は、リンク旅行時間データベース25の蓄積データおよび地図情報データベース24の地図データを基に、例えば、複数のリンクを結んだ所要の区間の移動に要する時間などの交通状況を把握し、その結果を表示部27に表示させる描画データを生成する。表示部27は、描画データ生成部26からの描画データに従って、利用者等に交通状況を知らせる表示を行う。
【0040】上記のような交通管理システムでは、各車両に搭載された車両情報送信装置1において、GPS衛星からの信号が受信アンテナ11Aで逐次受信され、GPS受信部11が自車両の現在位置を一定の時間間隔で計測し、その結果を示す位置情報がノード通過検出部12に出力される。ノード通過検出部12では、計測された自車両の現在位置がノードエリアデータベース13に登録されたノードエリアの範囲内にあるか否かが検出される。ここでは、車両がノードエリアに進入した後に再びそのエリアから出た時点を通過と判断するように設定したので、ノード通過検出部12は、GPS受信部11で計測された現在位置がノードエリア内に該当した後、最初にノードエリア外となった時点で、通過したノードエリアを特定するノードIDと、その時のノード通過時刻とを送信情報生成部14に出力する。
【0041】なお、ノード通過検出部12において現在位置とノードエリアを比較する場合、複数のノードエリアに優先順位を付けて、比較処理を軽減することが可能である。すなわち、例えば図4に示すように、ノードエリアAを通過した次には、ノードエリアB〜Eのいずれかに移動する可能性が高いので、それらの近隣ノードエリアから優先的に比較することで、比較処理を軽くすることができる。また、車両出発時においてはノードエリア以外のリンク上からの移動となる場合が多いが、この場合にも、出発地の位置データに対して近隣ノードエリアを優先的に比較することによって、比較処理の軽減が可能である。
【0042】送信情報生成部14では、ノード通過検出部12からの位置情報(ノードID)およびノード通過時刻に、車両識別情報記憶部15に記憶された車両識別情報を付加した車両情報が生成され、送信情報記憶部16に送られて一時的に蓄積される。そして、送信情報記憶部16に蓄積された車両情報は、所定の送信タイミングに従って送信部16に読み出され、管理センター2に向けて送信される。
【0043】管理センター2では、各車両の送信部16からの車両情報が、受信部21で識別されて車両軌跡データベース22およびリンク旅行時間算出部23にそれぞれ送られ、車両軌跡データベース22には各車両毎にノード通過時刻がデータベース化される。リンク旅行時間算出部26では、車両軌跡データベース22および地図情報データベース24に蓄積されたデータを基に、2つのノードエリアの通過時刻の差からリンク旅行時間が算出され、その結果がリンク旅行時間データベース25に伝えられる。リンク旅行時間データベース25には、各々のリンク毎にリンク旅行時間がデータベース化される。さらに、ここでは描画データ生成部26において、リンク旅行時間データベース25の蓄積データを基に、複数のリンクを結んだ所要の区間の移動に要する時間などの交通状況が求められ、その結果が表示部27に表示される。
【0044】このように本交通管理システムによれば、交差点等に対応するノードを点としてではなく領域(ノードエリア)として捉え、該ノードエリアに関する位置情報をデータベース化して各車両に搭載し、GPSで計測した現在位置を基に自車両がいずれかのノードエリアを通過した時に限って、車両情報送信装置1から管理センター2に車両情報を送信するようにしたことで、リンク旅行時間等の算出には関係しないノードエリア以外のリンク上の地点での無駄な通信を削減できる。また、従来のようにリンク上の地点から発信された情報を基に、そのリンクの起点および終点に相当するノードの通過時刻を推測する場合と比べて、リンク旅行時間の算出精度を上げることができ、かつ、管理センター2側におけるソフトウェア処理の負荷を軽減することができる。
【0045】次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態の交通管理システムの構成を示すブロック図である。ただし、第1実施形態の構成と同様の部分には同一の符号が付してあり、以下同様とする。
【0046】図5において、本実施形態の交通管理システムは、上述の図1に示した車両情報送信装置1について、車両状態検出手段としての車両状態検出部18を設けて車両情報送信装置1’とした構成である。車両状態検出部18を設けたこと以外の車両情報送信装置1’の他の部分の構成および管理センター2の構成は、第1実施形態の場合と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0047】車両状態検出部18は、自車両の進路情報(直進、右折または左折)を検出するものであって、例えば、ステアリング角または方向指示器の状態等を検出するセンサーを利用して自車両の進路情報を得るものである。この車両状態検出部18で検出された進路情報は、ノード通過検出部12に伝えられる。
【0048】ノード通過検出部12では、上述した第1実施形態の場合と同様にして、GPS受信部11で計測された位置情報とノードエリアデータベース13に登録されているノードエリアデータとを比較して、ノードエリアを通過したか否かを判断すると共に、車両状態検出部18で検出された進路情報を参照して、自車両のノードエリア内での行動を認識する。具体的には、自車両がノードエリアに進入したと判断した直後から進路情報の監視を行い、例えば、ステアリング角が予め設定した角度を超えて右方向(または左方向)に切られた場合や、方向指示器が右折(または左折)の状態に作動した場合には、自車両がノードエリア内で右折(または左折)を行ったと認識し、上記のような進路情報がノードエリアを通過するまでの間に得られなかった場合には、自車両がノードエリア内を直進したと認識する。そして、認識された進路情報は、ノードエリアの通過が判断された時、そのノードエリアの位置情報および通過時刻と共に、送信情報生成部14に伝えられる。送信情報生成部14では、ノード通過検出部12からの位置情報、通過時刻および進路情報に車両識別情報を付加した車両情報が生成され送信情報記憶部16に伝えられる。
【0049】上記のような車両情報送信装置1’の送信部17から発信された車両情報を受信した管理センター2(図3)では、例えば、車両軌跡データベース22に各車両毎の進路情報も登録されるようにして、該進路情報を利用し、リンク旅行時間算出部23においてリンク旅行時間の算出処理が進路別に行われる。
【0050】このように第2実施形態によれば、車両状態検出部18を設けた車両情報送信装置1’を各車両に搭載したことによって、各々の車両のノードエリア内における路線の移り変わりが分かるようになるため、走行経路をより確実に特定できる。これにより、高い精度の車両運行管理が実現可能になる。
【0051】次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した第1、2実施形態では、運行中の車両がノードエリアの通過を判断する方式として、車両側にノードエリアデータベースを設け、各車両自身がノードエリアの通過を認識する場合について説明した。第3実施形態では、路側の通信装置(インフラ設備)からの信号を各車両で受けてノードエリアの通過を判断する方式について説明する。
【0052】なお、例えば特開平9−62884号公報には、位置情報を局地的範囲内に無線で送信して車両側に伝える技術が開示されている。ただし、この従来技術は、GPSの電波が届かない場所でも車両の位置が検出できるようにするものであって、その目的が本発明とは異なるものである。
【0053】図6は、第3実施形態にかかる交通管理システムの構成を示すブロック図である。図6において、本交通管理システムは、例えば、ノードエリアに対応した路側に設置されるノード情報送信装置3と、該ノード情報送信装置3からの送信信号を受けて車両情報を送信する車両情報送信装置1”と、該車両情報送信装置1”からの車両情報を受けて渋滞度などの交通状況の判断処理を行う管理センター2とを備えて構成される。
【0054】ノード情報送信装置3は、例えば、交差点、合流点、分岐点、料金所などの予め設定したノードエリア毎に設置されるものであって、ここでは、ノード情報送信装置3が、ノード情報記憶部31およびノード情報送信部32を有するものとする。ノード情報記憶部31は、各ノードエリアを識別するためのノード識別データを含んだノード情報が予め記憶されている。このノード識別データは、各ノードエリア毎に個別に割り当てたIDや、各ノードエリアの緯度経度データなどとすることが可能である。ノード情報送信部32は、ノード情報記憶部31から記憶データを読み出し送信信号として外部に発信するものである。このノード情報送信部32は、該当するノードエリアに略一致する通信エリアを有するように設計されている。例えば、上述の図2に示したような円形のノードエリアについては、ノード情報送信部32の通信エリアも交差点(x,y)を中心とした半径略Rの範囲をカバーできるものとする。
【0055】車両情報送信装置1”は、車載機として各車両に搭載されるものであって、ここでは例えば、ノード情報受信部19、ノード通過検出部12’、送信情報生成部14、車両識別情報記憶部15、送信情報記憶部16および送信部17を有する。なお、上述の第1実施形態で用いた車両情報送信装置1の構成と異なる部分は、GPS受信部11に代えてノード情報受信部19を設け、ノード通過検出部12の処理機能に変更を加えてノード通過検出部12’とし、ノードエリアデータベース13を省略した部分である。上記以外の他の部分の構成は、第1実施形態の場合と同様であるためここでの説明を省略する。
【0056】ノード情報受信部19は、各ノードエリアに設置されたノード情報送信装置3から送信されるノード情報を受信してノード通過検出部12’に出力する。ノード通過検出部12’は、ノード情報受信部19におけるノード情報の受信状態を監視することにより、自車両がノードエリアを通過したか否かを検出する。具体的には、ノード情報受信部19におけるノード情報の受信レベルが予め設定したレベルを超えて受信可能状態になった時に自車両のノードエリアへの進入を判断し、一旦受信可能状態になって再び受信不可能状態になった時にそのノードエリアの通過を判断する。通過したノードエリアは、受信したノード情報に含まれるノード識別データを基に特定する。ここでは、ノードエリアの通過を判断した時に、通過ノードエリアの位置情報(ノードID等)および通過時刻が、ノード通過検出部12’から送信情報生成部14に伝えられるものとする。なお、車両がノードエリアに入った時点をノードエリア通過と判断してもよく、また、車両がノードエリアに入った時点と、その後再びそのエリアから出た時点とを組み合わせて、ノードエリア通過を判断するようにしても構わない。
【0057】上記のような構成の交通管理システムでは、交差点等に設置された各ノード情報送信装置3からノードエリア内に位置する各々の車両に向けてノード情報が常時送信されていて、車両情報送信装置1”を搭載した各車両は、ノードエリアに近づくと、ノード情報送信装置3からの送信信号をノード情報受信部19で受信するようになる。そして、車両がノードエリア内に進入すると、ノード情報受信部19における受信レベルが所定のレベルを超えて、ノード通過検出部12’でノードエリアへの進入が判断される。そして、車両がノードエリアを通過することによって、ノード情報受信部19における受信レベルが所定のレベルよりも小さくなり、ノード通過検出部12’でノードエリアの通過が判断される。この際、ノード通過検出部12では、受信したノード情報を基に進入したノードエリアの位置情報が認識されると共に、その時の時刻がノード通過時刻とされて、ノード通過検出部12から送信情報生成部14に伝えられる。そして、第1実施形態の場合と同様にして、送信情報生成部14では、ノード通過検出部12’からの位置情報および通過時間に、車両識別情報記憶部15から読み出した車両識別情報を付加した車両情報が生成され、該車両情報が送信情報記憶部16および送信部17を介して管理センター2に送信される。管理センター2においても、第1実施形態の場合と同様の処理が実行される。
【0058】このように第3実施形態によれば、路側のインフラ設備としてノードエリア毎に設けられたノード情報送信装置3からの信号を受信することに基づいて、各車両がノードエリアの通過を判断して、管理センター2に車両情報を送信するようにしても、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0059】なお、上記の第3実施形態では、交差点等の1つの地点(ノード)に対して1つのノードエリアを設定する構成としているが、本実施形態のように路車間で通信を行う場合には、1つのノードに対して複数のノードエリアを設定する構成も可能である。例えば図7に示すように、1つの交差点について各車線毎にノードエリアを設定することができる。つまり、ノードエリアの設定は、車両の走行ライン上であればよい。具体的には、例えば光ビーコンなどを使えば交差点全体ではなく各車線毎にノードエリアを設定することが可能である。上記のようにノードエリアを設定した場合、ノード情報としては、交差点(ノード)全体を示すノード識別データの他に、例えば車線番号などといった、複数のノードのうちのどの車線かという情報を付加することが有用である。これにより、そのノードへの入出時刻が計測可能になると共に、右左折直進などの車両の行動も把握することができるようになる。
【0060】また、上述の第1〜3実施形態について、例えば、高架橋の高速道路があって、その下などを一般道が併走するような場所等では、路線の移り変わりを検出できない場合が生じてしまう。特に、第1、2実施形態の場合のように、GPSの計測結果を利用するときには、どちらの道路を走行しているかを特定するのは困難である。この問題に対しては、例えば、近年、導入が進められているETC(ノンストップ自動料金収受システム)の利用を図ることが有効である。ETCは、料金決済に必要なデータを、車両に設置した車載機と料金所のアンテナとの間で無線通信することにより、ノンストップ・キャッシュレスでの料金決済を実現するシステムのことである。
【0061】具体的には、有料道路の料金所などのノードでは、ETCが導入されている場合、ETCゲート通過時に路車間でデータの通信が行われる。このETC路車間通信データには、料金所の識別情報も含まれるので、そこからノード位置を特定することが可能である。これを実現するため、第1、2実施形態の場合には、車両側のGPS受信部11にETC情報受信機能を持たせ、また、第3実施形態の場合には、ノード情報受信部19にETC情報受信機能を持たせるようにする。そして、それぞれの場合においてノード通過検出部12(または12’)では、ETCゲート通過時の路車間通信で行われる一連の処理シーケンスの中で、予め設定した特定の処理が行われるタイミングをノード通過(この場合、料金所通過)と判断して、その時刻がノード通過時刻とされる。また、ETC路車間通信データのうちで、例えば、走行区間などの移動経路を特定できるデータがETC情報とされ、ノードエリアの位置情報および通過時刻とともに送信情報生成部14に伝えられるようにする。その後の処理は、各々の実施形態の場合と同様となる。
【0062】このように、ETCが導入されているノードエリアについては、ETC路車間通信データを利用して、車両のノードエリア通過を認識し、移動経路に関する情報を得ることで、上記のような高速道路と一般道が併走するような場所などが存在しても、ETC情報を利用して管理センター2側で車両の路線の移り変わりを認識することが可能になる。これにより、各車両の移動経路をより確実に特定でき、リンク旅行時間等の算出に反映させることができるようになる。
【0063】さらに、上述の第1、2実施形態では、車両から管理センターにのみ情報を伝送するようにしたが、例えば、管理センターから車両に対して、次に通過するノードエリアの候補に関する情報を送信するようにしても構わない。
【0064】図8および図9は、上記の場合における管理センターおよび車両情報送信装置の各構成例を示すブロック図である。図8に示した管理センター2’は、例えば上述した図3の構成について、ノード候補作成部41と、送信部42とを設けたものである。ノード候補作成部41は、受信部21からの車両情報および地図情報データベース24の地図データを基に、車両情報を送信してきた車両が次に通過するであろうノードエリア(上述の図4を参照)を特定し、そのノードエリアに対応したノードIDをノード候補として送信部42に伝える。送信部42は、ノード候補作成部41からのノード候補を示す送信信号を生成して車両側に送信する。
【0065】図9に示した車両情報送信装置1'''は、例えば上述した図1の構成について、受信部43を付加すると共に、ノードエリアデータベース13に代えてノードエリア記憶部44を設けたものである。受信部43は、管理センター2’の送信部42から送られる送信信号を受信してノード候補を識別し、その結果をノードエリア記憶部44に伝える。ノードエリア記憶部44は、受信部43で識別されたノードIDで示されるノード候補を記憶し、該記憶データはノード通過検出部12からの要求に応じて参照される。
【0066】上記のような交通管理システムでは、車両情報送信装置1'''から管理センター2’に車両情報が伝達されると、管理センター2’側では、上述の第1実施形態の場合と同様にしてリンク旅行時間の算出処理等が行われると同時に、ノード候補作成部41において当該車両に対応したノード候補が特定され、そのノード候補が送信部42を介して車両情報送信装置1'''に送信される。車両情報送信装置1'''では、管理センター2’からの信号が受信部43で受信されノード候補が識別されてノードエリア記憶部44に記憶される。そして、ノードエリア記憶部44の記憶データを参照しながら、ノード通過検出部12で自車両のノードエリア通過が検出される。これにより、多数のノードエリアデータを蓄積したノードエリアデータベース13に代えて、比較的記憶容量の小さいノードエリア記憶部44を車両側に搭載すれば済むようになる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明の車両情報送信装置および交通管理システムによれば、ノードに対応した所定の領域を有するノードエリアを定め、自車両のノードエリアの通過が判断可能なときに限って、車両情報を作成して送信するようにしたことで、ノードエリア以外のリンク上の地点での通信を削減でき、車両情報の効率的な送信が実現可能になる。また、従来のようにノードの通過時刻を推測する必要がないため、交通状況の判断の精度を上げることができ、かつ、情報管理装置側におけるソフトウェア処理の負荷を軽減することができる。さらに、車両情報送信装置に車両状態検出手段を設けたり、ETCの路車間通信データを利用したりすることで、より精度の高い交通状況の判断、管理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の交通管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同上第1実施形態について、交差点におけるノードエリアの設定例を示す図である。
【図3】同上第1実施形態における管理センターの具体的な構成例を示すブロック図である。
【図4】同上第1実施形態について、ノード通過検出部でのノードエリアの比較処理を説明する図である。
【図5】本発明の第2実施形態の交通管理システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3実施形態の交通管理システムの構成を示すブロック図である。
【図7】同上第3実施形態に関連するノードエリアの他の設定例を示す図である。
【図8】図3の管理センターの構成について、ノード候補の送信機能を付加した構成例を示すブロック図である。
【図9】図1の車両情報送信装置の構成について、ノード候補の受信機能を付加した構成例を示すブロック図である。
【図10】従来のシステムで移動経路が特定できない場合の一例を示す図である。
【符号の説明】
1,1’,1”,1'''…車両情報送信装置
11…GPS受信部
12,12’…ノード通過検出部
13…ノードエリアデータベース
14…送信情報生成部
15…車両識別情報記憶部
16…送信情報記憶部
17,42…送信部
18…車両状態検出部
19…ノード情報受信部
2,2’…管理センター
21,43…受信部
22…車両軌跡データベース
23…リンク旅行時間算出部
24…地図データベース
25…リンク旅行時間データベース
26…描画データ生成部
27…表示部
3…ノード情報送信装置
31…ノード情報記憶部
32…ノード情報送信部
41…ノード候補作成部
44…ノードエリア記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】車両に搭載され、自車両の位置に関する情報を外部に送信可能な車両情報送信装置において、自車両の現在位置を計測する位置計測手段と、道路上に予め設定されたノードに対応した所定の領域を有するノードエリアについて、該ノードエリアの位置および範囲を特定可能なノードエリア情報を記憶したノードエリア情報記憶手段と、前記位置計測手段で計測された現在位置と、前記ノードエリア情報記憶手段に記憶されたノードエリア情報とを比較して、自車両のノードエリアの通過が判断可能なときに限って、前記ノードエリアの位置およびその通過時刻、並びに、自車両の識別情報を含んだ車両情報を作成する車両情報作成手段と、該車両情報作成手段で作成された車両情報を外部に送信する送信手段と、を備えて構成されたことを特徴とする車両情報送信装置。
【請求項2】前記位置計測手段が、GPSを利用して自車両の現在位置を計測することを特徴とする請求項1に記載の車両情報送信装置。
【請求項3】自車両の走行状態を検出する車両状態検出手段を備えて構成され、前記車両情報作成手段が、前記車両状態検出手段で検出された走行状態を基に、前記ノードエリア内での自車両の進路に関する情報を取得し、該進路情報を付加した前記車両情報を作成することを特徴とする請求項1または2に記載の車両情報送信装置。
【請求項4】前記車両情報作成手段は、自車両がノードエリアに入った後、該ノードエリアから出た時点を、自車両のノードエリア通過と判断して、前記車両情報を作成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両情報送信装置。
【請求項5】前記車両情報作成手段は、自車両がノードエリアに入った時点を、自車両のノードエリア通過と判断して、前記車両情報を作成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両情報送信装置。
【請求項6】前記車両情報作成手段は、自車両がノードエリアに入った時点と、該ノードエリアから出た時点との組み合わせにより、自車両のノードエリア通過を判断して、前記車両情報を作成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両情報送信装置。
【請求項7】前記車両情報作成手段は、前記車両情報を作成する際に、ノンストップ自動料金収受システム(ETC)における路車間通信データを利用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両情報送信装置。
【請求項8】請求項1〜7のいずれか1つに記載の車両情報送信装置が複数の車両にそれぞれ搭載され、前記各車両の車両情報送信装置から送信される前記車両情報を受信し各車両毎に蓄積して、該蓄積した車両情報を基に交通状況の判断処理を行う情報管理装置を備えて構成されたことを特徴とする交通管理システム。
【請求項9】前記情報管理装置が、前記車両情報送信装置から送信される車両情報を受けて、当該車両が次に通過するノードエリアの候補を特定しノード候補情報として前記車両情報送信装置に送信するノード候補送信手段を備え、前記車両情報送信装置が、前記ノード候補送信手段からのノード候補情報を受信する受信手段を備え、該受信手段で受信されたノード候補情報が、前記ノードエリア情報記憶手段のノードエリア情報として記憶されることを特徴とする請求項8に記載の交通管理システム。
【請求項10】道路上に予め設定されたノード近傍に設置され、前記ノードに対応した所定の領域を有するノードエリアに略一致する通信エリア内に向けて、前記ノードエリアの位置を特定可能なノード情報を送信するノード情報送信装置と、該ノード情報送信装置から送信されるノード情報を受信するノード情報受信手段と、該ノード情報受信手段でのノード情報の受信状態に応じて自車両の現在位置を認識し、自車両のノードエリアの通過が判断可能なときに限って、前記ノードエリアの位置およびその通過時刻、並びに、自車両の識別情報を含んだ車両情報を作成する車両情報作成手段と、該車両情報作成手段で作成された車両情報を外部に送信する送信手段と、を有し、複数の車両にそれぞれ搭載される複数の車両情報送信装置と、前記各車両の車両情報送信装置から送信される前記車両情報を受信し各車両毎に蓄積して、該蓄積した車両情報を基に交通状況の判断処理を行う情報管理装置と、を備えて構成されたことを特徴とする交通管理システム。
【請求項11】前記車両情報送信装置の車両情報作成手段は、自車両がノードエリアに入った後、該ノードエリアから出た時点を、自車両のノードエリア通過と判断して、前記車両情報を作成することを特徴とする請求項10に記載の交通管理システム。
【請求項12】前記車両情報送信装置の車両情報作成手段は、自車両がノードエリアに入った時点を、自車両のノードエリア通過と判断して、前記車両情報を作成することを特徴とする請求項10に記載の交通管理システム。
【請求項13】前記車両情報送信装置の車両情報作成手段は、自車両がノードエリアに入った時点と、該ノードエリアから出た時点との組み合わせにより、自車両のノードエリア通過を判断して、前記車両情報を作成することを特徴とする請求項10に記載の交通管理システム。
【請求項14】前記車両情報送信装置の車両情報作成手段は、前記車両情報を作成する際に、ノンストップ自動料金収受システム(ETC)における路車間通信データを利用することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1つに記載の交通管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図10】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2001−195693(P2001−195693A)
【公開日】平成13年7月19日(2001.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−5373(P2000−5373)
【出願日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】