説明

車両整備用リフト

【課題】スイングアームの昇降装置をコンパクトに形成してコストアップを抑える。
【解決手段】アーム昇降装置30を、スイングアーム7,7の基端から下向きに突設された支軸12,12と、ベースの側方で横向きに設けられたエアシリンダ31と、そのピストンロッド32に取り付けられて前端が前方へ下り傾斜する傾斜面34となるスライダ33,33と、スライダ33,33の傾斜面34に沿って相対的に転動可能な一対のローラ39,39を備えて上下動可能に設けられ、車両載置台4の下限位置で下側位置にあるスイングアーム7,7の各支軸12に下降位置で当接する押し上げ板36と、で形成し、ピストンロッド32の伸長に伴うスライダ33,33の前進により、ローラ39,39を傾斜面34に沿って転動させながら押し上げ板36を下降位置から上昇させ、支軸12,12を介してスイングアーム7,7を上側位置へ押し上げるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を支持して昇降する車両載置台に、一対のスイングアームを水平旋回可能に備えた車両整備用リフトに関する。
【背景技術】
【0002】
車両整備用リフトは、車両を支持してXリンク機構や油圧シリンダ等によって昇降動作する一対の車両載置台(ドライブオンプレートやテーブル、ボードとも称される)を備えると共に、各車両載置台に、車両載置台の上面に沿って水平旋回可能な一対のスイングアームを備えている。
このスイングアームは、特許文献1,2に示すように、車両載置台の外側に位置する待機姿勢で、車両載置台の上面より上方へ突出する上側位置と、車両載置台の上面以下となる下側位置との間で上下動可能に支持されて、使用時には、車両載置台の下限位置で作動するアーム昇降装置によってスイングアームを上側位置に押し上げるようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2664359号公報
【特許文献2】特許第3771461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のアーム昇降装置は、スイングアームを押し上げるエアシリンダ等のアクチュエータが上向きに設けられているため、上下方向の全体高さが大きくなり、床面に凹設されるピットをアーム昇降装置に合わせてさらに深く凹設する必要が生じ、コストアップに繋がる。
【0005】
そこで、本発明は、アーム昇降装置をコンパクトに形成でき、コストアップを抑えた車両整備用リフトを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、アーム昇降装置を、スイングアームの基端からそれぞれ下向きに突設された支軸と、スイングアームの下方の床面上で横向きに設けられて伸縮動作するロッドを備えたアクチュエータと、ロッドの前端に取り付けられて一体に進退動し、前端が前方へ下り傾斜する傾斜面となる左右一対のスライダと、進退動するスライダの傾斜面に沿って相対的に転動可能な一対の転動体を備えてスライダの間で上下動可能に設けられ、車両載置台の下限位置で下側位置にあるスイングアームの各支軸に下降位置で当接する押し上げ部材と、を含み、ロッドの伸長に伴うスライダの前進により、転動体を傾斜面に沿って転動させながら押し上げ部材を下降位置から上昇させ、支軸を介してスイングアームを上側位置へ押し上げることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、押し上げ部材を、スライダの間で前後方向に配置され、中央に設けたスリーブがスライダの間で立設されるガイド棒に遊挿されてスリーブの左右に転動体が備えられ、前後端に各支軸の下端を受ける受け部がそれぞれ形成される押し上げ板としたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、車両載置台の側面に、支軸が遊挿して下側位置と上側位置との間の上下動を案内する支持板を設け、支持板に、車両載置台の下限位置でガイド棒の上端が嵌合する嵌合孔を形成したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3の構成において、押し上げ板をスライダの後退側へ付勢する付勢手段を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、アーム昇降装置をコンパクトに形成できる。よって、ピットを深く掘設する必要がなく、設置に係るコストアップを抑えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、スライダの間に押し上げ部材やガイド棒が収まり、アーム昇降装置がよりコンパクトとなる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、下限位置での支持板とガイド棒との位置関係が保持され、支軸を押し上げ部材で確実に受けることができる。また、押し上げ部材の昇降時にガイド棒が傾いたりしないため、スリーブにこじれが生じることがなく、押し上げ部材のスムーズな昇降動作が確保できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3の効果に加えて、スリーブとガイド棒との間の上昇時の摩擦が低減され、損失低減が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】車両整備用リフトの斜視図(車両載置台は上限位置、スイングアームは旋回位置)である。
【図2】車両整備用リフトの側面図(車両載置台は上限位置、スイングアームは旋回位置)である。
【図3】車両載置台が下限位置、スイングアームが下側位置にある車両整備用リフトの説明図で、(A)が斜視、(B)が側面をそれぞれ示す。
【図4】車両整備用リフトの側面図(車両載置台は上限位置、スイングアームは下側位置)である。
【図5】アーム昇降装置の説明図で、(A)が正面、(B)が側面をそれぞれ示す。
【図6】アーム昇降装置の斜視図である。
【図7】スイングアームが下側位置にあるアーム昇降装置の説明図で、(A)が正面、(B)が側面をそれぞれ示す。
【図8】スイングアームが下側位置にあるアーム昇降装置の斜視図である。
【図9】スイングアームが上側位置にあるアーム昇降装置の説明図で、(A)が正面、(B)が側面をそれぞれ示す。
【図10】スイングアームが上側位置にあるアーム昇降装置の斜視図である。
【図11】スイングアームが旋回位置にあるアーム昇降装置の斜視図である。
【図12】アーム昇降装置の変更例を示す斜視図で、(A)がスイングアームの上側位置、(B)が下側位置をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、車両整備用リフトの一例を示す斜視図、図2はその側面図で、車両整備用リフト1は、左右一対のベース2,2上に、上下二段のXリンクからなるパンタグラフ機構3,3を介して平面視矩形状の車両載置台4,4を水平に支持して、ベース2とパンタグラフ機構3との間に設けた油圧シリンダ5の伸縮動作により、パンタグラフ機構3を上下方向へ伸縮させて車両載置台4を昇降させる周知の構成となっている。両ベース2,2の間には、パンタグラフ機構3,3の下段のリンク同士を連結する同調軸やモータ等を収容する収容ボックス6が設けられている。
【0010】
また、両ベース2,2及び収容ボックス6は、図3に示すように、床面に凹設されたピットPの底面に設置されており、車両載置台4,4は、図1,2に示す上限位置と、上面が床面と同一高さとなる図3の下限位置との間で昇降制御される。ここでは収容ボックス6の上面も床面と同一高さとなって、車両載置台4,4の下限位置では、ピットPが略閉塞されるようになっている。
【0011】
さらに、各車両載置台4の外側の長手側辺には、一対のスイングアーム7,7がそれぞれ設けられている。このスイングアーム7は、先端に受金8を着脱可能に設けた先端アーム9と、その先端アーム9を出し入れ可能に収納する角筒状の中間アーム10と、その中間アーム10を出し入れ可能に収納する基端アーム11とを備えたテレスコープ構造となっている。基端アーム11の端部には、図4にも示すように、支軸12が下向きに突設されており、この支軸12は、車両載置台4の外側面に設けられた細長箱状の収納部13内において長手方向の略中央に設けられた支持板14を貫通し、下端には大径のワッシャー15がナット16で固着されている。17は、スイングアーム7,7の上面で支軸12,12の上端同士を連結する連結板である。
【0012】
よって、スイングアーム7,7は、支軸12を中心に水平旋回可能に支持されると共に、車両載置台4の外側面に沿った直線状となる待機姿勢で受金8を外して各スイングアーム7を収縮させると、支持板14上にあって基端アーム11の上面が車両載置台4の上面と略一致する下側位置と、支持板14の下面に設けられて支軸12が貫通するストッパ18にワッシャー15が当接して基端アーム11の下面が車両載置台4の上面より上方となる上側位置との間で上下動可能となる。この下側位置では、スイングアーム7,7は車両載置台4から突出することなく収納部13に収納され、各スイングアーム7の支軸12は、支持板14及びストッパ18を貫通して下方へ突出するようになっている。
これと逆に、スイングアーム7,7を上側位置に引き上げて伸長させ、車両載置台4側へ旋回させれば、基端アーム11が車両載置台4上で支持されて任意の旋回位置で支持される。
【0013】
一方、ベース2の外側面において収納部13の真下には、ピットカバー20が設けられている。このピットカバー20は、ピットPの底面でベース2に沿って固定される横断面倒コ字状の下プレート21と、その下プレート21の上方にあって下プレート21より長手方向に大きい寸法で下プレート21と向かい合う横断面倒コ字状の上プレート22と、上下プレート21,22の間で上プレート22を下プレート21上で上下動可能に支持するXリンク23と、Xリンク23を上方への伸長方向へ付勢するバネ部24と、伸長付勢されるXリンク23を所定の位置で固定するラッチ部25とを備える。すなわち、車両載置台4が上昇すると、バネ部24の付勢によって上プレート22が上昇し、上プレート22の上面が床面と同じ高さになると、ラッチ部25がXリンク23を固定する一方、車両載置台4が下降すると、車両載置台4に設けた解除片26がラッチ部25による固定を解除すると共に、同時に下降した収納部13の下面に設けた図示しないゴム板が図3のように上プレート22を押圧して下降させるものである。
【0014】
そして、ピットカバー20内には、車両載置台4の下限位置でスイングアーム7,7を上側位置と下側位置との間で昇降させるアーム昇降装置30が設けられている。このアーム昇降装置30を図5,6に示す。但し図5以降の図では、便宜上ピットカバー20を下プレート21の一部を除いて省略し、ベース2や収納部13も省略している。
まず下プレート21上には、アクチュエータとしてのエアシリンダ31が下プレート21の長手方向に沿って横向きに配置されて、エアシリンダ31のピストンロッド32の前端(以下アーム昇降装置30においては、ピストンロッド32の伸長側を前方として説明する。)には、左右一対のスライダ33,33が固定されている。このスライダ33は、前端を前方へ下り傾斜する傾斜面34とした板体で、各スライダ33の下部には、前後一対のローラ35,35が設けられて、ピストンロッド32の伸縮に伴うスライダ33の前後移動をガイドしている。
【0015】
また、スライダ33,33の間には、中央にスリーブ37を備えた前後に長い押し上げ部材としての押し上げ板36が配置されて、スリーブ37を、スライダ33,33の間に立設されたガイド棒38に遊挿させることで、押し上げ板36はガイド棒38に沿って上下動可能に支持されている。スリーブ37の左右両側には、転動体としてのローラ39,39がそれぞれ設けられて、スライダ33,33の進退動に伴って傾斜面34,34を相対的に転動可能となっている。
【0016】
さらに、押し上げ板36の前後端には、車両載置台4の下限位置で尚かつスイングアーム7,7が下側位置にある場合に、支軸12,12のナット16,16が係止してワッシャー15,15を受ける受け部としての透孔40及び切欠き41がそれぞれ形成されている。
なお、上プレート22には、図1に示すように、下降した支軸12,12が貫通する貫通孔42,42と、上プレート22が下降した際にガイド棒38とスリーブ37とローラ39とが貫通する貫通孔43とが形成されている。一方、支持板14には、車両載置台4の下限位置でガイド棒38の上端が嵌合する嵌合孔44が形成されている。
【0017】
以上の如く構成された車両整備用リフト1のアーム昇降装置30の動作を説明する。
まず、図7,8に示す状態では、スイングアーム7,7は収納部13に収まる下側位置にあって車両載置台4,4は下限位置まで下降している。一方、アーム昇降装置30では、エアシリンダ31のピストンロッド32が収縮してスライダ33,33が後退している。この状態では、前述のようにゴム板を介して収納部13が上プレート22を押し下げると共に、支軸12,12が上プレート22を貫通してピットカバー20内に突出し、下端のナット16,16を最下位置にある押し上げ板36の透孔40及び切欠き41にそれぞれ嵌合させている。また、ガイド棒38の上端は、支持板14の嵌合孔44に嵌合している。このとき押し上げ板36のローラ39,39はスライダ33,33の傾斜面34の下端に当接している。
【0018】
ここから図示しない制御盤の操作によってエアシリンダ31を動作させてピストンロッド32を伸長させる。すると、図9,10に示すようにスライダ33,33が前進してローラ39,39を傾斜面34,34に沿って上端まで押し上げるため、押し上げ板36もガイド棒38に沿って上昇して、前後端で受ける支軸12,12を押し上げることになる。このとき、左右のローラ39,39は左右のスライダ33,33の傾斜面34に沿って同時に転動するため、押し上げ板36は回転したり傾いたりすることなく、前後の向き及び水平姿勢を維持したまま上昇する。また、ガイド棒38の上端が支持板14の嵌合孔44に嵌合しているため、支持板14とガイド棒38との位置関係が保持されてガイド棒38が傾いたりすることがない。
【0019】
この押し上げ板36による支軸12,12の押し上げにより、スイングアーム7,7も上側位置まで上昇するため、作業者は図11に示すようにスイングアーム7,7を車両載置台4の上面側へ旋回させて先端アーム9及び中間アーム10を引き出し、先端アーム9に受金8を装着することができる。
そして、車両載置台4,4が上昇すると、その上面に載置されているスイングアーム7,7も車両載置台4,4と共に上昇するため、図5,6に示すように支軸12,12が押し上げ板36から離れる。同時に収納部13のゴム板による押圧が解除された上プレート22がバネ部24の付勢により上昇して、図1,2に示すようにスイングアーム7,7及び収納部13が上昇した後のピットPの開口部分を閉塞することになる。
【0020】
作業終了後、車両載置台4,4を下限位置まで下降させると、支軸12,12が再びピットカバー20内に突出して、スライダ33,33によってガイド棒38の上端位置に保持される押し上げ板36の前後端に係止すると共に、ガイド棒38の上端が支持板14の嵌合孔44に嵌合する(図11)。この状態でスイングアーム7,7を収縮及び旋回させて収納部13の上方に位置させた後(図9,10)、エアシリンダ31のピストンロッド32を収縮させると、スライダ33,33が後退して傾斜面34,34の上端に位置していたローラ39,39を下端まで下降させ、押し上げ板36を下降させるため、支軸12,12の押し上げが解除されたスイングアーム7,7は自重によって下側位置まで下降して収納部13内に収まる(図7,8)。
【0021】
このように、上記形態の車両整備用リフト1によれば、アーム昇降装置30を、スイングアーム7,7の基端からそれぞれ下向きに突設された支軸12,12と、ベース2の側方で横向きに設けられて伸縮動作するピストンロッド32を備えたエアシリンダ31と、ピストンロッド32の前端に取り付けられて一体に進退動し、前端が前方へ下り傾斜する傾斜面34となる左右一対のスライダ33,33と、進退動するスライダ33,33の傾斜面34に沿って相対的に転動可能な一対のローラ39,39を備えてスライダ33,33の間で上下動可能に設けられ、車両載置台4の下限位置で下側位置にあるスイングアーム7,7の各支軸12に下降位置で当接する押し上げ板36と、で形成し、ピストンロッド32の伸長に伴うスライダ33,33の前進により、ローラ39,39を傾斜面34に沿って転動させながら押し上げ板36を下降位置から上昇させ、支軸12,12を介してスイングアーム7,7を上側位置へ押し上げるようにしたことで、アーム昇降装置30,30をコンパクトに形成できる。よって、ピットPを深く掘設する必要がなく、設置に係るコストアップを抑えることができる。
【0022】
特にここでは、押し上げ部材を、スライダ33,33の間で前後方向に配置され、中央に設けたスリーブ37がスライダ33,33の間で立設されるガイド棒38に遊挿されてスリーブ37の左右にローラ39,39が備えられ、前後端に各支軸12の下端を受ける透孔40及び切欠き41がそれぞれ形成された押し上げ板36としているので、スライダ33,33の間に押し上げ板36やガイド棒38が収まり、アーム昇降装置30がよりコンパクトとなる。
また、車両載置台4の側面に、支軸12,12が遊挿して下側位置と上側位置との間の上下動を案内する支持板14を設け、支持板14に、車両載置台4の下限位置でガイド棒38の上端が嵌合する嵌合孔44を形成したことで、下限位置での支持板14とガイド棒38との位置関係が保持され、支軸12,12を押し上げ板36で確実に受けることができる。一方、押し上げ板36の昇降時にガイド棒38が傾いたりしないため、スリーブ37にこじれが生じることがなく、押し上げ板36のスムーズな昇降動作が確保できる。
【0023】
なお、上記形態では、スライダ33,33の前進に伴うローラ39,39の転動で押し上げ板36が上昇する際、スリーブ37とガイド棒38との間に摩擦が発生し、上昇時の抵抗となる。このため、例えば図12に示すように、ローラ39,39を支持するローラ軸45,45をそれぞれ左右方向へ突出させると共に、エアシリンダ31の左右の側面にピン46,46をそれぞれ突設して、左右のローラ軸45とピン46との間に付勢手段としてのコイルバネ47をそれぞれ架設して、押し上げ板36を後方へ引張付勢するのが望ましい。このように押し上げ板36をスライダ33の後退側へ付勢する付勢手段を設ければ、スリーブ37とガイド棒38との間の上昇時の摩擦が低減され、損失低減が期待できる。
【0024】
このコイルバネは、後端を下プレート等の他の構成部に係止させる等、数や架設形態は適宜変更できる。また、付勢手段はこのような引張付勢に限らず、スライダの前方外側に立設した支持部材とローラ軸との間にコイルバネを設ける等して圧縮付勢しても差し支えない。
【0025】
その他、押し上げ板も上記形態に限らず、前後端に設ける支軸の受け部を何れも透孔又は切欠きとしたり、押し上げ板の肉厚によっては凹部としたりしてもよい。また、スリーブをガイド棒に対してキーやスプラインによって回転不能に結合したりすることも可能である。
さらに、アクチュエータはエアシリンダに限らず、油圧シリンダやモータ駆動するボールネジ等の他の構成を採用して差し支えない。
そして、車両整備用リフトの他の構造も上記形態以外に、例えばベースと車両載置台とを上下二段のパンタグラフ機構でなく一段のXリンクやλ型リンクで連結するタイプや、床下に設けた鉛直方向の油圧シリンダで車両載置台を昇降させるタイプ等、適宜設計変更可能である。
【符号の説明】
【0026】
1・・車両整備用リフト、2・・ベース、3・・パンタグラフ機構、4・・車両載置台、5・・油圧シリンダ、7・・スイングアーム、8・・受金、11・・基端アーム、12・・支軸、13・・収納部、14・・支持板、15・・ワッシャー、16・・ナット、20・・ピットカバー、21・・下プレート、22・・上プレート、23・・Xリンク、24・・バネ部、25・・ラッチ部、30・・アーム昇降装置、31・・エアシリンダ、32・・ピストンロッド、33・・スライダ、34・・傾斜面、36・・押し上げ板、37・・スリーブ、38・・ガイド棒、39・・ローラ、40・・透孔、41・・切欠き、P・・ピット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降動作する車両載置台の側方に、一対のスイングアームの基端を、水平旋回可能に、且つ上面が前記車両載置台の上面以下の高さとなる下側位置と、下面が前記車両載置台の上面以上の高さとなる上側位置との間を上下動可能に設ける一方、前記車両載置台の下限位置で前記スイングアームを前記下側位置と上側位置との間で任意に上下動させるアーム昇降装置を設けた車両整備用リフトであって、
前記アーム昇降装置が、
前記スイングアームの基端からそれぞれ下向きに突設された支軸と、
前記スイングアームの下方の床面上で横向きに設けられて伸縮動作するロッドを備えたアクチュエータと、
前記ロッドの前端に取り付けられて一体に進退動し、前端が前方へ下り傾斜する傾斜面となる左右一対のスライダと、
進退動する前記スライダの前記傾斜面に沿って相対的に転動可能な一対の転動体を備えて前記スライダの間で上下動可能に設けられ、前記車両載置台の下限位置で前記下側位置にある前記スイングアームの各支軸に下降位置で当接する押し上げ部材と、を含み、
前記ロッドの伸長に伴う前記スライダの前進により、前記転動体を前記傾斜面に沿って転動させながら前記押し上げ部材を前記下降位置から上昇させ、前記支軸を介して前記スイングアームを前記上側位置へ押し上げることを特徴とする車両整備用リフト。
【請求項2】
前記押し上げ部材を、前記スライダの間で前後方向に配置され、中央に設けたスリーブが前記スライダの間で立設されるガイド棒に遊挿されて前記スリーブの左右に前記転動体が備えられ、前後端に前記各支軸の下端を受ける受け部がそれぞれ形成される押し上げ板としたことを特徴とする請求項1に記載の車両整備用リフト。
【請求項3】
前記車両載置台の側面に、前記支軸が遊挿して前記下側位置と上側位置との間の上下動を案内する支持板を設け、前記支持板に、前記車両載置台の下限位置で前記ガイド棒の上端が嵌合する嵌合孔を形成したことを特徴とする請求項2に記載の車両整備用リフト。
【請求項4】
前記押し上げ板を前記スライダの後退側へ付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両整備用リフト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−106810(P2012−106810A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255098(P2010−255098)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(390018326)株式会社スギヤス (35)