説明

車両案内装置、車両案内方法、及び車両案内プログラム

【課題】車線の交通状況に応じて車線変更を容易とする案内を行うことができる、車両案内装置、車両案内方法、及び車両案内プログラムを提供すること。
【解決手段】車両案内装置10は、所定の車線における車間距離であって、車線変更の基準地点までに存在する車両3相互間の車間距離を特定する車間距離特定部12aと、特定した車間距離に基づき、基準地点に至るまでに所定の車線へ車線変更すべき推奨区間を特定する推奨区間特定部12bと、特定した推奨区間に基づいて所定の車線への車線変更に関する案内情報を出力する通信部11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両案内装置、車両案内方法、及び車両案内プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配信センタから道路規制や渋滞等に関する交通情報を取得し、これに基づいた案内を出力する車両案内装置が用いられている。例えば、目的地までの経路上に存在する分岐点の手前に複数の渋滞チェックポイントを設定し、連続した所定数の渋滞していないと判断された渋滞チェックポイントのうち分岐点から遠い側のチェックポイントに自車両が到達したときに分岐案内を行う車両用経路案内装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−203100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の如き従来の装置では、車線変更を必要とする分岐案内を行う場合であっても、車線変更先の車線における車間距離については何ら考慮がされていなかった。その結果、例えば分岐点の手前で渋滞が発生していない場合には、分岐点から所定距離離れた地点で分岐案内が行われていたが、当該分岐案内を行った位置では車線変更先の車線における車間距離が十分ではなく、車線変更が困難な場合が生じていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車線の交通状況に応じて車線変更を容易とする案内を行うことができる、車両案内装置、車両案内方法、及び車両案内プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の車両案内装置は、所定の車線における車間距離であって、車線変更の基準地点までに存在する車両相互間の車間距離を特定する車間距離特定手段と、前記特定した車間距離に基づき、前記基準地点に至るまでに前記所定の車線へ車線変更すべき推奨区間を特定する推奨区間特定手段と、前記特定した推奨区間に基づいて前記所定の車線への車線変更に関する案内情報を出力する出力手段と、を備える。
【0007】
また、請求項2に記載の車両案内装置は、請求項1に記載の車両案内装置において、前記所定の車線における車間距離であって、当該所定の車線に車線変更を行うことが許容される許容車間距離を特定する許容車間距離特定手段を備え、前記推奨区間特定手段は、前記基準地点に至るまでの範囲内において前記所定の車線に複数の判定区間を設定し、当該設定した各判定区間の内、前記車間距離特定手段が特定した車間距離が前記許容車間距離特定手段によって特定された前記許容車間距離以上となる判定区間を、前記推奨区間として特定する。
【0008】
また、請求項3に記載の車両案内装置は、請求項2に記載の車両案内装置において、前記許容車間距離特定手段は、前記所定の車線を走行する車両の前記各判定区間内における基準車速と、前記所定の車線への車線変更元となる車線を走行する車両の前記各判定区間に対応する区間内における基準車速との差分を特定し、当該特定した差分に基づいて前記許容車間距離を特定する。
【0009】
また、請求項4に記載の車両案内方法は、所定の車線における車間距離であって、車線変更の基準地点までに存在する車両相互間の車間距離を特定する車間距離特定ステップと、前記特定した車間距離に基づき、前記基準地点に至るまでに前記所定の車線へ車線変更すべき推奨区間を特定する推奨区間特定ステップと、前記特定した推奨区間に基づいて前記所定の車線への車線変更に関する案内情報を出力する出力ステップと、を含む。
【0010】
また、請求項5に記載の車両案内プログラムは、請求項4に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の車両案内装置、請求項4に記載の車両案内方法、又は請求項5に記載の車両案内プログラムによれば、所定の車線における車間距離であって、車線変更の基準地点までに存在する車両相互間の車間距離を特定し、当該特定した車間距離に基づき、基準地点に至るまでに所定の車線へ車線変更すべき推奨区間を特定し、当該特定した推奨区間に基づいて所定の車線への車線変更に関する案内情報を出力するので、車線変更先の車線における車間距離が大きく車線変更が容易な区間にて車線変更できるように案内を出力することができ、当該車線への車線変更を容易とする案内を行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の車両案内装置によれば、基準地点に至るまでの範囲内において所定の車線に複数の判定区間を設定し、当該設定した各判定区間の内、車間距離特定手段が特定した車間距離が許容車間距離特定手段によって特定された許容車間距離以上となる判定区間を推奨区間として特定するので、車線変更を行うための車間距離の許容値以上に車間距離が大きく車線変更が容易な区間にて車線変更に関する案内を出力することができ、車線変更を一層容易とする案内を行うことができる。
【0013】
請求項3に記載の車両案内装置によれば、所定の車線を走行する車両の各判定区間内における基準車速と、所定の車線への車線変更元となる車線を走行する車両の各判定区間に対応する区間内における基準車速との差分を特定し、当該特定した差分に基づいて許容車間距離を特定するので、車線間の相対車速に応じて異なる車間距離の許容値を考慮した案内を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】車両案内システムを例示するブロック図である。
【図2】許容値テーブルを例示した表である。
【図3】図1に示した車両に搭載されている車載装置、及びその他の搭載機器を例示したブロック図である。
【図4】走行情報取得処理のフローチャートである。
【図5】案内地点特定処理のフローチャートである。
【図6】案内地点特定処理の対象となる分岐及び車線を例示した平面図である。
【図7】基準地点と判定区間との関係を概念的に示した図である。
【図8】案内処理のフローチャートである。
【図9】実施の形態2に係る許容値テーブルを例示した表である。
【図10】実施の形態2に係る案内地点特定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る車両案内装置、車両案内方法、及び車両案内プログラムの各実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、これら各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、所定の車線における基準車速と、車線変更元の車線における基準車速との差分に基づいて許容車間距離を特定する形態である。
【0017】
(構成)
まず、実施の形態に係る車両案内システムの構成を説明する。図1は、車両案内システムを例示するブロック図である。図1に示すように、車両案内システム1は車両案内装置10、及び車両3に搭載された車載装置20を備えており、これらの車両案内装置10と車載装置20とはネットワーク2を介して相互に通信可能に接続されている。
【0018】
(構成−車両案内装置)
車両案内装置10は、通信部11、制御部12、及びデータ記録部13を備えている。
【0019】
(構成−車両案内装置−通信部)
通信部11は、車載装置20との間でネットワーク2を介して通信を行う通信手段であり、車線変更に関する案内情報を車載装置20に出力する出力手段である。この通信部11としては、公知の有線及び/又は無線通信装置を用いることができる。
【0020】
(構成−車両案内装置−制御部)
制御部12は、車両案内装置10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る車両案内プログラムは、任意の記録媒体又はネットワーク2を介して車両案内装置10にインストールされることで、制御部12の各部を実質的に構成する(後述する車載装置20の制御部21についても同じ)。
【0021】
この制御部12は、機能概念的に、車間距離特定部12a、推奨区間特定部12b、許容車間距離特定部12c、及び渋滞情報取得部12dを備えている。
【0022】
車間距離特定部12aは、所定の車線における車間距離を特定する車間距離特定手段である。推奨区間特定部12bは、所定の車線へ車線変更すべき推奨区間を特定する推奨区間特定手段である。許容車間距離特定部12cは、所定の車線に車線変更を行うことが許容される許容車間距離を特定する許容車間距離特定手段である。渋滞情報取得部12dは、渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段である。これらの制御部12の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0023】
(構成−車両案内装置−データ記録部)
データ記録部13は、車両案内装置10の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(後述する車載装置20のデータ記録部22についても同じ)。
【0024】
このデータ記録部13は、地図情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)13a、走行情報DB13b、案内地点DB13c、及び許容値テーブル13dを備えている。地図情報DB13aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、地形データ等を含んで構成されている。
【0025】
走行情報DB13bは、後述する走行情報取得処理において車載装置20から取得した走行情報を格納する走行情報格納手段である。走行情報には、例えば、走行情報を取得した車両3の識別情報、走行情報を取得した日時、走行情報を取得した位置、各車両3の前方の車両3までの車間距離、各車両3が走行している走行車線、各車両3の車速、渋滞度、規制情報等を含めることができる。
【0026】
案内地点DB13cは、車線変更に関する案内を行う案内地点に関する案内地点情報を格納する案内地点情報格納手段である。案内地点情報には、例えば、案内地点、案内地点を特定する対象となる分岐、及び案内地点を特定する対象となる車線、車線変更元となる車線等を特定するための情報を含めることができる。
【0027】
許容値テーブル13dは、許容車間距離特定部12cが許容車間距離を特定する際に参照するためのテーブルである。図2は許容値テーブル13dを例示した表である。図2に示すように、許容値テーブル13dにはテーブル項目「相対車速(絶対値)」及び「許容値」に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。項目「相対車速(絶対値)」に対応して格納される情報は、所定の車線を走行する車両3の基準車速と、当該所定の車線への車線変更元となる車線を走行する車両3の基準車速との差分の絶対値の範囲を特定する情報である。基準車速としては、例えば車線を走行する複数車両3の平均車速、最低車速、あるいは最高車速等を用いることができる。項目「許容値」に対応して格納される情報は、車線変更を行う際の困難度の許容値である。ここで「困難度」とは、所定の車線の一定区間内における最小車間距離に対応して決定される値である。つまり、所定の車線を走行する車両3の基準車速と、当該所定の車線への車線変更元となる車線を走行する車両3の基準車速との差分に基づいて、所定の車線へ車線変更を行うことが容易な車間距離に対応する許容値が決定され、この許容値が閾値として上述の困難度と比較されることで、所定の車線の一定区間内における車線変更が容易か否かが判定される。困難度の決定方法は任意で、例えば、最小車間距離を100で除した値の小数点以下を四捨五入して求めた整数値を困難度として求める。この場合、困難度が小さいほど最小車間距離が小さく、車線変更を行うことが困難であることを示している。図2の許容値テーブル13dでは、基準車速の差分の絶対値が20km/h以上の場合に対応する許容値は4、差分の絶対値が10km/h以上20km/h未満の場合に対応する許容値は3、差分の絶対値が10km/h未満の場合に対応する許容値は2が格納されている。すなわち、車線間の基準車速の差分の絶対値が大きい程当該車線間の車線変更は困難と考えられるため、対応する許容値が大きい。一方、車線間の基準車速の車線間の差分の絶対値が小さい程当該車線間の車線変更は容易と考えられるため、対応する許容値が小さい。なお、この許容値テーブル13dを用いた処理の詳細については後述する。
【0028】
(構成−車両)
図3は、図1に示した車両3に搭載されている車載装置20、及びその他の搭載機器を例示したブロック図である。図3に示すように、車両3は車間センサ30、カメラ40、車速センサ50、現在位置検出処理部60、通信部70、スピーカ80、ディスプレイ90、及び車載装置20を備えている。
【0029】
(構成−車両−車間センサ)
車間センサ30は、当該車間センサ30が搭載されている車両3と、その前方を走行する車両3との間の車間距離を測定する。この車間センサ30としては、例えばレーザセンサやミリ波レーダセンサ等の公知の車間計測装置を用いることができる。
【0030】
(構成−車両−カメラ)
カメラ40は、車両3の周辺を撮影する撮影手段である。このカメラ40は、例えば車両3の前後バンパー近傍等に1台又は複数台設置され、車両3の周辺を撮影する。カメラ40が撮影した画像データは、車載装置20に入力される。なお、カメラ40の具体的な構成は任意で、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の公知の撮像素子、及び魚眼レンズやプリズム等の公知の光学系部品を用いて構成されている。
【0031】
(構成−車両−車速センサ)
車速センサ50は、車軸の回転数に比例する車速パルス信号等を車載装置20に出力するものであり、公知の車速センサを用いることができる。
【0032】
(構成−車両−現在位置検出処理部)
現在位置検出処理部60は、車両3の現在位置を検出する現在位置検出手段である。具体的には、現在位置検出処理部60は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の車両3の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0033】
(構成−車両−通信部)
通信部70は、車両案内装置10との間でネットワーク2を介して通信を行う通信手段である。この通信部70としては、公知の無線通信装置を用いることができる。
【0034】
(構成−車両−スピーカ)
スピーカ80は、車載装置20の制御に基づいて各種の音声を出力する。スピーカ80より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0035】
(構成−車両−ディスプレイ)
ディスプレイ90は、車載装置20の制御に基づいて各種の画像を表示する。なお、このディスプレイ90の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
【0036】
(構成−車両−車載装置)
図3に示すように、車載装置20は、制御部21、及びデータ記録部22を備えている。
【0037】
(構成−車載装置−制御部)
制御部21は、車載装置20を制御する制御手段であり、機能概念的に走行情報取得部21a、経路取得部21b、及び案内制御部21cを備えている。
【0038】
走行情報取得部21aは、車間センサ30、カメラ40、車速センサ50、及び現在位置検出処理部60からの入力に基づき、走行情報を取得する走行情報取得手段である。経路取得部21bは、車両3の走行経路を取得する経路取得手段であり、例えば公知のナビゲーション装置によって設定された走行経路を取得する。案内制御部21cは、車線変更に関する案内の出力制御を行う案内制御手段である。これらの制御部21の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0039】
(構成−車載装置−データ記録部)
データ記録部22は、車載装置20の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。このデータ記録部22は、地図情報DB22aを備えている。地図情報DB22aに格納されている地図情報には、上述の車両案内装置10における地図情報DB13aに格納されている各種情報の他、地図をディスプレイ90に表示するための地図表示データを含んで構成されている。
【0040】
(処理)
次に、このように構成される車両案内装置10及び/又は車載装置20によって実行される処理について説明する。車両案内装置10及び/又は車載装置20によって実行される処理は、各車両3の車載装置20が走行情報を取得する走行情報取得処理、車線変更に関する案内を行うべき案内地点を車両案内装置10が特定する案内地点特定処理、及び車載装置20が車線変更に関する案内制御を行う案内処理に大別される。これらの処理について、以下説明する。
【0041】
(処理−走行情報取得処理)
まず、走行情報取得処理について説明する。図4は走行情報取得処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この走行情報取得処理は車載装置20によって実行される処理であり、例えば車載装置20への電源投入後に、所定周期にて繰り返し起動される。
【0042】
走行情報取得処理の起動後、走行情報取得部21aは、現在位置検出処理部60を介して取得した車両3の現在位置と当該車両3の前方にある分岐との間の距離が、当該分岐に至るまでの間に走行情報を取得すべき取得距離以下となるまで待機する(SA1、No)。なお、車両3の前方にある分岐は、現在位置検出処理部60を介して取得された当該車両3の現在位置、方位センサ(図示省略)を介して特定された車両3の進行方向、及び地図情報DB22aに格納されている地図情報に基づいて特定することができる。また、取得距離の具体的な値は任意で、例えば分岐の手前で車線変更に関する案内を行うべき最大の距離として、分岐から5000mの距離を取得距離として設定する。
【0043】
車両3の現在位置と当該車両3の前方にある分岐との間の距離が取得距離以下となった場合(SA1、Yes)、走行情報取得部21aは走行情報として、例えば車両3の識別情報、現在日時、現在位置、前方車両3までの車間距離、車両3が走行している走行車線、車速、渋滞度、規制情報等を取得し、当該取得した走行情報をRAM(図示省略)等の公知の記憶手段に格納する(SA2)。例えば走行情報取得部21aは、GPS衛星から受信した標準時刻情報に基づき現在日時を特定し、現在位置検出処理部60を介して車両3の現在位置を特定し、車間センサ30を介して前方を走行する車両3との間の車間距離を特定し、車速センサ50を介して車両3の車速を特定する。また、例えば現在位置検出処理部60を介して特定した車両3の現在位置と地図情報とに基づいて走行車線を特定し、あるいは、カメラ40によって撮影した車両3周辺の撮影画像から車線境界線を抽出し、当該車線境界線の位置に基づいて走行車線を特定する。また、特定した車速に基づき現在位置における渋滞度を特定する。更に、カメラ40によって撮影した車両3周辺の撮影画像から、通行規制が行われていることを示す規制標識を抽出し、当該規制標識に基づいて走行車線における規制情報を取得する。
【0044】
次に、走行情報取得部21aは、現在位置検出処理部60を介して取得した車両3の現在位置に基づき、車両3が当該車両3の前方にある分岐を通過したか否かを判定する(SA3)。その結果、車両3が分岐を通過していないと判定した場合(SA3、No)、SA2に戻り走行情報取得部21aは走行情報の取得及び格納を行う(SA2)。一方、車両3が分岐を通過したと判定した場合(SA3、Yes)、走行情報取得部21aはSA2でRAMに格納した走行情報を、通信部70を介して車両案内装置10に送信する(SA4)。その後、走行情報取得処理を終了する。車両案内装置10は上記SA4で車載装置20から通信部70を介して送信された走行情報を順次走行情報DB13bに格納する。
【0045】
(処理−案内地点特定処理)
続いて、案内地点特定処理について説明する。図5は案内地点特定処理のフローチャートである。この案内地点特定処理は車両案内装置10によって実行される処理であり、例えば車両案内装置10への電源投入後に所定周期にて繰り返し起動される。
【0046】
案内地点特定処理の起動後、推奨区間特定部12bは案内地点を特定する対象となる分岐を選択する(SB1)。なお、案内地点を特定する対象となる分岐は任意で、例えば本実施の形態1では、高速道路における分岐(例えばインターチェンジやジャンクション等)を案内地点を特定する対象となる分岐とした場合を例として説明する。また、分岐の選択方法は任意で、例えば地図情報のリンクデータ及びノードデータを参照し、複数の道路が接続しているノード(分岐)をノード番号順に選択する。図6は、案内地点特定処理の対象となる分岐及び車線を例示した平面図である。例えば、この図6の分岐AがSB1で選択されたものとする。
【0047】
図5に戻り、推奨区間特定部12bは案内地点を特定する対象となる車線を選択する(SB2)。車線の選択方法も任意で、例えば進行方向に向かって左側の車線から順次選択する。例えば、図6において進行方向に向かって左側(図6では上側)の車線がSB2で選択されたものとする。
【0048】
図5に戻り、渋滞情報取得部12dは渋滞情報を取得し、当該取得した渋滞情報に基づき、SB2で選択した車線において渋滞が発生しているか否かを判定する(SB3)。例えば渋滞情報取得部12dは、走行情報DB13bに格納されている走行情報のうち、SB2で選択した車線に対応付けて格納されている渋滞度を参照し、当該渋滞度が閾値以上の場合に当該車線において渋滞が発生していると判定する。
【0049】
その結果、SB2で選択した車線において渋滞が発生していると判定した場合(SB3、Yes)、推奨区間特定部12bは、走行情報DB13bに格納されている走行情報に基づき、SB2で選択した車線で発生している渋滞の末尾を特定し、当該末尾から車線の進行方向後方に案内距離を戻った地点を案内地点として特定する(SB4)。この案内距離の具体的な値は任意で、例えば車載装置20によって車線変更をすべき旨の案内を出力した後、渋滞の末尾に至る前に車線変更を行うために十分な距離を用いることができる。例えば、図6において「車両#03」が渋滞の末尾として特定された場合は、この「車両#03」から後方(図6では左側)に案内距離を戻った地点を案内地点として特定する。ここで特定した案内地点は、SB1で選択された分岐、及びSB2で選択された車線と関連付けられて、案内地点DB13cに格納される。
【0050】
図5に戻り、SB2で選択した車線において渋滞が発生していないと判定した場合(SB3、Yes)、推奨区間特定部12bは、当該車線において車線変更の基準地点から当該車線の進行方向後方に判定距離を戻った地点までの区間を判定区間として設定する(SB5)。基準地点の具体的な位置は任意で、例えばSB1で選択した分岐を基準地点として用いることができる。図7は、基準地点と判定区間との関係を概念的に示した図である。この図7の例では、推奨区間特定部12bは基準地点と当該基準地点から車線の進行方向後方(図7では下側)に判定距離(2000m)を戻った地点との間の区間が判定区間αとして設定される。なお、判定距離の具体的な値は任意で、例えば上述の案内距離と同様の距離を用いることができる。
【0051】
図5に戻り、車間距離特定部12aは、SB2で選択した車線においてSB5で設定した判定区間内に存在する車両3相互間の車間距離を特定する(SB6)。例えば車間距離特定部12aは、走行情報DB13bに格納されている走行情報のうち、SB2で選択した車線に対応付けて格納されている車間距離の中から、SB5で設定した判定区間内で取得された車間距離を特定する。
【0052】
続いて、車間距離特定部12aは、SB6で特定した車間距離に基づき、SB5で設定した判定区間における車線変更の困難度を特定する(SB7)。例えば上述したように、SB6で特定した車間距離の最小値を100で除した値の小数点以下を四捨五入して求めた整数値を困難度として求める。図7の例では、SB5で設定した判定区間αにおける最小車間距離100mを100で除した「1」が当該判定区間αにおける困難度として特定される。
【0053】
図5に戻り、許容車間距離特定部12cは、SB2で選択した車線を走行する車両3のSB5で設定した判定区間内における基準車速と、当該車線への車線変更元となる車線を走行する車両3のSB5で設定した判定区間に対応する区間内における基準車速とを特定する(SB8)。ここで、基準車速としては、例えば車線を走行する複数の車両3の平均車速、最低車速、あるいは最高車速等を用いることができる。
【0054】
続いて許容車間距離特定部12cは、SB8で特定したSB2で選択した車線を走行する車両3の基準車速と車線変更元となる車線を走行する車両3の基準車速と差分を特定し(SB9)、当該特定した差分に基づいて許容値を特定する(SB10)。すなわち、許容車間距離特定部12cは図2の許容値テーブル13dを参照し、SB9で特定した基準車速の差分の絶対値に対応する許容値を特定する。
【0055】
図5に戻り、推奨区間特定部12bは、SB7で特定した困難度がSB10で特定した許容値以上か否かを判定する(SB11)。その結果、困難度が許容値以上であった場合(SB11、Yes)、推奨区間特定部12bはSB5で設定した判定区間を、基準地点に至るまでにSB2で選択した車線へ車線変更すべき推奨区間として特定し、当該特定した推奨区間の端点のうち、基準地点から遠い端点を、車線変更に関する案内を行うべき案内地点として特定する(SB12)。図7の例では、許容値が1の場合には、判定区間αの困難度が1であり許容値と等しいので、推奨区間として判定区間αが特定される。そして当該判定区間αのうち基準地点から最も離れた位置(図7では円で示した位置)が案内地点として特定される。ここで特定した案内地点は、SB1で選択された分岐、SB2で選択された車線、及びSB8で基準車速を特定した車線変更元となる車線と関連付けられて、案内地点DB13cに格納される。
【0056】
図5に戻り、困難度が許容値以上ではなかった場合(困難度が許容値未満であった場合)(SB11、No)、推奨区間特定部12bは、SB2で選択した車線において基準地点から所定の設定範囲内で判定区間を設定済みか否かを判定する(SB13)。この設定範囲の具体的な値は任意で、例えば基準地点の手前で車線変更に関する案内を行うべき最大の範囲として、基準地点から車線の進行方向後方の5000mの範囲を設定範囲とする。
【0057】
その結果、基準地点から設定範囲内に判定区間を設定済みではないと判定した場合(SB13、No)推奨区間特定部12bは、SB5で設定した判定区間からSB2で選択した車線の進行方向後方に所定距離ずらした位置に新たな判定区間を設定する(SB14)。図7の例では、SB5で設定した判定区間αから車線の進行方向後方(図7では下側)に100mずらした位置に、新たな判定区間βを設定する。
【0058】
図5において、SB14の処理の後SB6に戻り、車間距離特定部12aは、SB2で選択した車線においてSB14で設定した判定区間内に存在する車両3相互間の車間距離を特定する。以降の各処理では、上述のSB5で設定した判定区間に代えて、SB14で設定した判定区間に基づいて各処理を実行する。
【0059】
一方、SB13で基準地点から設定範囲内に判定区間を設定済みと判定した場合(SB13、Yes)、あるいはSB4又はSB12で案内地点を特定した後、推奨区間特定部12bは、SB1で特定した分岐について全ての車線を選択済みか否かを判定する(SB15)。その結果、全ての車線を選択済みではないと判定した場合(SB15、No)、SB2に戻り、推奨区間特定部12bは案内地点を特定する対象となる車線を選択する(SB2)。例えば、前回選択した車線の進行方向右側に隣接する車線を選択する。
【0060】
一方、SB1で特定した分岐について全ての車線を選択済みと判定した場合(SB15、Yes)、推奨区間特定部12bは、地図情報に含まれる全ての分岐を選択済みか否かを判定する(SB16)。その結果、全ての分岐を選択済みではないと判定した場合(SB16、No)、SB1に戻り、推奨区間特定部12bは案内地点を特定する対象となる分岐を選択する(SB1)。例えば、前回選択したノード(分岐)の次のノード番号に対応するノード(分岐)を選択する。
【0061】
一方、全ての分岐を選択済みと判定した場合(SB16、Yes)、推奨区間特定部12bは案内地点特定処理を終了する。
【0062】
(処理−案内処理)
次に、案内処理について説明する。図8は案内処理のフローチャートである。この案内処理は車載装置20及び車両案内装置10によって実行される処理であり、例えば車載装置20及び車両案内装置10において、これらの車載装置20及び車両案内装置10への電源投入後に所定周期にて繰り返し起動される。
【0063】
案内処理の起動後、経路取得部21bは公知のナビゲーション装置(図示省略)を介して車両3の走行経路を取得する(SC1)。
【0064】
続いて、案内制御部21cは車線変更に関する案内を行う対象となる案内対象分岐を特定する(SC2)。この案内対象分岐は、SC1で取得した走行経路に沿って当該分岐を通過するために特定の車線を走行する必要がある分岐(例えば、走行経路がインターチェンジの取付道路の方向に設定されている場合における、当該インターチェンジの分岐)のうち、車両3に最も近い分岐であり、SC1で取得した走行経路に基づいて特定される。
【0065】
次に、案内制御部21cはSC2で特定した案内対象分岐と車両3との距離が閾値以下になるまで待機する(SC3、No)。閾値の具体的な値は任意で、例えば案内を行うべき最大の範囲としての上述の設定範囲に余裕値を加えた5500mを閾値とする。
【0066】
SC3において、SC2で特定した案内対象分岐と車両3との距離が閾値以下となった場合(SC3、Yes)、案内制御部21cは、現在位置検出処理部60やカメラ40からの入力に基づき、車両3が走行している走行車線を特定する(SC4)。
【0067】
次に、案内制御部21cは、SC1で取得した走行経路において車両3が走行すべき車線と、SC4で特定した実際に車両3が走行している走行車線とが一致しているか否かを判定する(SC5)。ここで、「車両3が走行すべき車線」とは、SC1で取得した走行経路において、SC2で特定した案内対象分岐を通過後に車両3が走行すべき道路に進入するための車線を意味する。その結果、SC1で取得した走行経路において車両3が走行すべき車線と、SC4で特定した実際に車両3が走行している走行車線とが一致していないと判定した場合(SC5、No)、案内制御部21cは車線変更に関する案内を行う必要があるものとし、通信部70を介して車両案内装置10に車線変更に関する案内を行うべき案内地点のリクエスト情報を送信する(SC6)。リクエスト情報の具体的な内容は任意で、例えばSC2で特定した案内対象分岐、車両3が走行すべき車線、及び車両3が現在走行している車線を特定する情報をリクエスト情報に含めることができる。
【0068】
車両案内装置10の制御部12は、通信部11を介してリクエスト情報を受信すると、当該受信したリクエスト情報に基づいて特定されたSC2で特定した案内対象分岐、車両3が走行すべき車線、及び車両3が現在走行している車線(車線変更元となる車線)に関連付けて案内地点DB13cに格納されている案内地点を特定し、当該特定した案内地点を含む案内情報を通信部11から車載装置20に送信させる(SC7)。
【0069】
車両案内装置10から通信部70を介して案内情報を受信すると、案内制御部21cは、当該受信した案内情報に基づいて案内地点を特定し、車両3が当該特定した案内地点に到達した際に、車線変更をすべき旨の案内をスピーカ80やディスプレイ90を介して出力する(SC8)。その後、案内制御部21cは案内処理を終了する。
【0070】
また、SC5において、SC1で取得した走行経路において車両3が走行すべき車線と、SC4で特定した実際に車両3が走行している走行車線とが一致していると判定した場合(SC5、Yes)、車線変更に関する案内を行う必要はないものとし、案内制御部21cは案内処理を終了する。
【0071】
(効果)
このように実施の形態1によれば、所定の車線における車間距離であって、車線変更の基準地点までに存在する車両3相互間の車間距離を特定し、当該特定した車間距離に基づき、基準地点に至るまでに所定の車線へ車線変更すべき推奨区間を特定し、当該特定した推奨区間に基づいて所定の車線への車線変更に関する案内情報を出力するので、車線変更先の車線における車間距離が大きく車線変更が容易な区間にて車線変更できるように案内を出力することができ、当該車線への車線変更を容易とする案内を行うことができる。
【0072】
また、基準地点に至るまでの範囲内において所定の車線に複数の判定区間を設定し、当該設定した各判定区間の内、車間距離特定部12aが特定した困難度が許容車間距離特定部12cによって特定された許容値以上となる判定区間を推奨区間として特定するので、車線変更を行うための車間距離の許容値以上に車間距離が大きく車線変更が容易な区間にて車線変更に関する案内を出力することができ、車線変更を一層容易とする案内を行うことができる。
【0073】
特に、所定の車線を走行する車両3の各判定区間内における基準車速と、所定の車線への車線変更元となる車線を走行する車両3の各判定区間に対応する区間内における基準車速との差分を特定し、当該特定した差分に基づいて許容値を特定するので、車線間の相対車速に応じて異なる車間距離の許容値を考慮した案内を行うことができる。
【0074】
また、渋滞情報に基づき、所定の車線において渋滞が発生しているか否かを判定し、渋滞が発生していないと判定した場合に推奨区間を特定するので、渋滞が発生していない場合に車線変更先の車線における車間距離を考慮し、当該車線への車線変更を容易とする案内を行うことができる。
【0075】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、許容車間距離を、基準地点及び/又は所定の車線毎に予め設定された固定値とした形態である。なお、実施の形態2の構成は特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0076】
(構成−車両案内装置−データ記録部)
まず、実施の形態2に係る車両案内装置10の構成について説明する。図9は、実施の形態2に係る許容値テーブル13dを例示した表である。図9に示すように、許容値テーブル13dにはテーブル項目「基準地点」、「車線」、及び「許容値」に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。項目「基準地点」に対応して格納される情報は、車線変更を行う基準となる地点を特定する情報であり、例えば分岐となっているノードのノード番号が格納される。項目「車線」に対応して格納される情報は、車線を特定する情報であり、例えば各車線に対応するリンク番号や車線番号等が格納される。
【0077】
(処理−案内地点特定処理)
続いて、案内地点特定処理について説明する。図10は、実施の形態2に係る案内地点特定処理のフローチャートである。ただし、本実施の形態2における案内地点特定処理のSD1及びSD2は図5のSB1及びSB2と、SD4からSD8はSB3からSB7と、SD10からSD14はSB12からSB16と、それぞれ同様であるため、これらの処理については説明を省略する。
【0078】
SD2で案内地点を特定する対象となる車線を選択した後、許容車間距離特定部12cは許容値テーブル13dを参照し、SD1で特定した分岐及びSD2で特定した車線に対応する許容値を特定する(SD3)。図9の例では、SD1で特定された分岐の番号が「10010」、SD2で特定された車線の番号が「1001011」であった場合、対応する許容値として「4」が特定される。
【0079】
図10に戻り、SD8において、SD6又はSD12で設定した判定区間における車線変更の困難度を特定した後、推奨区間特定部12bは、SD8で特定した困難度がSD3で特定した許容値以上か否かを判定する(SD9)。
【0080】
(効果)
このように実施の形態2によれば、許容車間距離に対応する許容値は、基準地点及び/又は所定の車線毎に予め設定された固定値であるので、道路形状や交通量等に応じて分岐や車線毎に許容値を予め設定し、当該許容値を考慮した案内を行うことができ、車線変更を一層容易とする案内を行うことができる。
【0081】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0082】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0083】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、許容値テーブル13d、推奨区間特定部12b、及び許容車間距離特定部12cを車載装置20に設け、車載装置20において推奨区間の特定や案内地点の特定を行うようにしてもよい。例えば、図5のSB7において車両案内装置10の車間距離特定部12aが特定した困難度を、図8のSC7において車載装置20に送信し、当該送信された困難度と車載装置20の許容車間距離特定部12cによって特定された許容値との比較に基づいて、車載装置20の推奨区間特定部12bが推奨区間及び案内地点の特定を行うようにしてもよい。
【0084】
(困難度及び許容値について)
上述の各実施の形態では、案内地点特定処理において、車間距離に基づいて困難度を特定し、当該困難度と許容車間距離に対応する許容値とを比較することにより推奨区間の特定の要否を判定したが、車間距離と許容車間距離との比較に基づいて推奨区間の特定の要否を判定するようにしてもよい。この場合、許容値テーブル13dには許容値に代えて許容車間距離を格納する。
【0085】
(案内地点特定処理について)
上述の各実施の形態では、SB2又はSD2で選択した車線において渋滞が発生していると判定した場合(SB3、Yes)(SD4、Yes)、渋滞の末尾から車線の進行方向後方に案内距離を戻った地点を案内地点として特定する(SB4又はSD5)と説明したが、渋滞が発生していると判定した場合には、渋滞の末尾を車線変更の基準地点として、SB5又はSD6以降の各処理を行うようにしてもよい。
【0086】
また、上述の各実施の形態では、案内地点を特定する対象となる道路が片側2車線の道路である場合(所定の車線への車線変更元となる車線が1つの場合)を例として説明したが、案内地点を特定する対象となる道路が片側3車線以上の道路の場合(所定の車線への車線変更元となる車線が2つの場合)についても案内地点特定処理を実行することができる。この場合、図5のSB2で選択した車線と車線変更元となる車線との組み合わせ毎にSB5からSB14までの処理を行い、車線変更元となる車線毎にSB2で選択した車線へ車線変更すべき推奨区間を特定する。
【0087】
(基準地点について)
上述の各実施の形態では、基準地点として分岐を用いる場合を例として説明したが、渋滞の末尾、車線規制が行われている地点、障害物が存在する地点等、他の任意の地点を基準地点としてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 車両案内システム
2 ネットワーク
3 車両
10 車両案内装置
11、70 通信部
12、21 制御部
12a 車間距離特定部
12b 推奨区間特定部
12c 許容車間距離特定部
12d 渋滞情報取得部
13、22 データ記録部
13a、22a 地図情報DB
13b 走行情報DB
13c 案内地点DB
13d 許容値テーブル
20 車載装置
21a 走行情報取得部
21b 経路取得部
21c 案内制御部
30 車間センサ
40 カメラ
50 車速センサ
60 現在位置検出処理部
80 スピーカ
90 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の車線における車間距離であって、車線変更の基準地点までに存在する車両相互間の車間距離を特定する車間距離特定手段と、
前記特定した車間距離に基づき、前記基準地点に至るまでに前記所定の車線へ車線変更すべき推奨区間を特定する推奨区間特定手段と、
前記特定した推奨区間に基づいて前記所定の車線への車線変更に関する案内情報を出力する出力手段と、
を備える車両案内装置。
【請求項2】
前記所定の車線における車間距離であって、当該所定の車線に車線変更を行うことが許容される許容車間距離を特定する許容車間距離特定手段を備え、
前記推奨区間特定手段は、
前記基準地点に至るまでの範囲内において前記所定の車線に複数の判定区間を設定し、当該設定した各判定区間の内、前記車間距離特定手段が特定した車間距離が前記許容車間距離特定手段によって特定された前記許容車間距離以上となる判定区間を、前記推奨区間として特定する、
請求項1に記載の車両案内装置。
【請求項3】
前記許容車間距離特定手段は、
前記所定の車線を走行する車両の前記各判定区間内における基準車速と、前記所定の車線への車線変更元となる車線を走行する車両の前記各判定区間に対応する区間内における基準車速との差分を特定し、当該特定した差分に基づいて前記許容車間距離を特定する、
請求項2に記載の車両案内装置。
【請求項4】
所定の車線における車間距離であって、車線変更の基準地点までに存在する車両相互間の車間距離を特定する車間距離特定ステップと、
前記特定した車間距離に基づき、前記基準地点に至るまでに前記所定の車線へ車線変更すべき推奨区間を特定する推奨区間特定ステップと、
前記特定した推奨区間に基づいて前記所定の車線への車線変更に関する案内情報を出力する出力ステップと、
を含む車両案内方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法をコンピュータに実行させる車両案内プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−123840(P2011−123840A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283249(P2009−283249)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】