説明

車両用ウインドウシェード装置

【課題】巻取シャフトをその回転に伴ってその軸方向に移動させることができ、かつ、巻取シャフトの支持強度を向上させる。
【解決手段】ウインドウを遮蔽及び開放可能に覆う車両用ウインドウシェード装置であって、ウインドウを遮蔽可能なウインドウシェードと、ウインドウシェードを巻取可能な巻取シャフト40と、巻取シャフト40を回転可能かつその軸方向に沿って移動可能に支持する一対の支持シャフトと、巻取シャフト40を巻取り方向に付勢する付勢機構と、伝達機構80とを備える。伝達機構80は、巻取シャフト40の軸方向に沿って配設されると共に巻取シャフト40の軸方向に沿ってその巻取シャフト40と共に移動可能な長尺部材に形成された中継伝達部材94を有し、巻取シャフト40の回転運動を直線運動に変換して巻取シャフト40をその軸方向に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のウインドウを遮蔽及び開放可能に覆う車両用ウインドウシェード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な車両用ウインドウシェード装置は、ウインドウの下縁部に沿って配設された巻取シャフトと、前記巻取シャフトに巻取られたシェードとを備えている。そして、巻取シャフトから引出されたシェードがウインドウを遮蔽するようになっている。
【0003】
ところで、ウインドウの側縁部がウインドウの下縁部に対して傾斜している場合、シェードの引出度合に応じて、シェードの側縁部とウインドウの側縁部との隙間が変動する。このため、シェードの引出度合によっては、シェードの側縁部とウインドウの側縁部との間に大きな隙間が生じてしまう。
【0004】
そこで、シェードの引出に応じて巻取シャフトをその軸方向に沿って移動させる技術が、特許文献1及び2に開示されている。
【0005】
特許文献1及び2では、巻取シャフトに形成されたネジ孔にネジを螺合させることによって、巻取シャフトが回転可能に支持されている。そして、シェードの引出しに応じて巻取シャフトが回転すると、ネジとネジ孔との螺合構造によって巻取シャフトがその軸方向に沿って移動する。これにより、シェードの引出度合に応じて巻取シャフトをその軸方向に沿って移動させて、シェードの側縁部とウインドウの側縁部との隙間をなるべく小さくするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−16284号公報
【特許文献2】特開2006−274792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2では、ネジとネジ孔との螺合構造によって巻取シャフトを支持するため、巻取シャフトの支持強度が弱くなってしまう恐れがある。
【0008】
そこで、巻取シャフトをその回転に伴ってその軸方向に移動させることができ、かつ、巻取シャフトの支持強度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、第1の態様は、ウインドウを遮蔽及び開放可能に覆う車両用ウインドウシェード装置であって、前記ウインドウを遮蔽可能なウインドウシェードと、前記ウインドウシェードを巻取可能な巻取シャフトと、前記巻取シャフトを回転可能かつその軸方向に沿って移動可能に支持する一対の支持シャフトと、前記巻取シャフトを、前記ウインドウシェードを巻取る方向に付勢する付勢機構と、前記巻取シャフトの軸方向に沿って配設されると共に前記巻取シャフトの軸方向に沿ってその巻取シャフトと共に移動可能な長尺部材に形成された中継伝達部材を有し、前記巻取シャフトの回転運動を直線運動に変換して前記巻取シャフトをその軸方向に移動させる伝達機構とを備える。
【0010】
第2の態様は、第1の態様に係る車両用ウインドウシェード装置であって、前記一対の支持シャフトの一方は、前記巻取シャフトと共に回転可能な連動支持シャフトであり、前記中継伝達部材は、ラックギヤ部分を有し、前記伝達機構は、前記連動支持シャフトに対して連動して回転可能に配設された第1歯車と、前記第1歯車と噛合可能でかつ前記第1歯車に対して直交する回転軸を有する第2歯車と、前記ラックギヤ部と噛合可能でかつ前記第2歯車と連動して回転可能に設けられた第3歯車とをさらに有する。
【0011】
第3の態様は、第2の態様に係る車両用ウインドウシェード装置であって、前記連動支持シャフトは、前記巻取シャフトに対してその軸方向に移動可能であり、前記第1歯車は前記連動支持シャフトと一体化された部材である。
【0012】
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係る車両用ウインドウシェード装置であって、前記巻取シャフトに環状溝が形成され、前記中継伝達部材は、前記環状溝に嵌り込む弧状凹部を有するシャフト連結部を有し、前記巻取シャフトが前記シャフト連結部に対して回転可能で、かつ、前記シャフト連結部が前記巻取シャフトに対してその軸方向に位置規制された状態で、前記シャフト連結部が前記環状溝に嵌り込んでいる。
【発明の効果】
【0013】
第1の態様に係る車両用ウインドウシェード装置によると、巻取シャフトを回転させると、その回転運動が伝達機構を介して直線運動に変換されて巻取シャフトに伝達される。これにより、巻取シャフトをその回転に伴ってその軸方向に移動させることができる。この際、中継伝達部材を介して巻取シャフトをその軸方向に移動させる構成としているため、一対の支持シャフトには、ネジ溝等を形成しなくてもよく、巻取シャフトの支持強度を向上させることができる。
【0014】
第2の態様によると、巻取シャフトの回転運動を、連動支持シャフト、第1歯車、第2歯車、第3歯車及び中継伝達部材を介して、巻取シャフトに伝達することができる。
【0015】
第3の態様によると、巻取シャフトの移動に拘らず、連動支持シャフトをその軸方向に沿って一定位置に配設することができる。これにより、連動支持シャフトと第1歯車とを一体化構成することができる。
【0016】
第4の態様によると、前記巻取シャフトが前記中継伝達部材に対して回転可能で、かつ、前記中継伝達部材と前記巻取シャフトとが前記巻取シャフトの軸方向に沿って共に移動可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】車両用ウインドウシェード装置が車両に取付けられた状態を示す説明図である。
【図2】車両用ウインドウシェード装置が車両に取付けられた状態を示す説明図である。
【図3】車両用ウインドウシェード装置が車両に取付けられた状態を示す説明図である。
【図4】車両用ウインドウシェード装置を示す透過斜視図である。
【図5】車両用ウインドウシェード装置の一端側部分の透過斜視図である。
【図6】車両用ウインドウシェード装置の断面図である。
【図7】車両用ウインドウシェード装置の他端側部分の分解斜視図である。
【図8】車両用ウインドウシェード装置の一端側部分の分解斜視図である。
【図9】車両用ウインドウシェード装置の動作を示す説明図である。
【図10】車両用ウインドウシェード装置の動作を示す説明図である。
【図11】車両用ウインドウシェード装置の動作を示す説明図である。
【図12】車両用ウインドウシェード装置の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態に係る車両用ウインドウシェード装置について説明する。
【0019】
説明の便宜上、まず、車両用ウインドウシェード装置の全体動作について説明する。図1〜図3は車両用ウインドウシェード装置20が車両のウインドウ10近傍部分に取付けられた状態を示す説明図であり、図1はウインドウシェード30が完全に巻取られた状態、図2はウインドウシェード30が途中まで引出された状態、図3はウインドウシェード30が完全に引出された状態を示している。本実施形態では、ウインドウ10が後部座席側方のサイドウインドウ、即ち、BピラーとCピラーとの間にあるサイドウインドウである場合を想定して説明するが、その他、荷室側方のウインドウ等であってもよい。
【0020】
ウインドウ10は、第1の枠部であるドアパネル12の上側の縁部12aと、この縁部12aに対して傾斜する(ここでは鈍角で傾斜する)第2の枠部である一方の側枠部14aとの内側に配設される。
【0021】
より具体的には、ウインドウ10は、ドアパネル12の上方にあるウインドウ枠14内に開閉可能に配設される。すなわち、ドアパネル12の上側の縁部12aの上方に、その上方領域の両側及び上側の三方を囲うウインドウ枠14が配設されている。ウインドウ枠14の一方(図1〜図3の左側、車両において後ろ側)の側枠部14aは、ドアパネル12の上側の縁部12aの後端部から鈍角となる斜め姿勢、ここでは、車両後方側に傾斜する姿勢で上方に延出している。また、ウインドウ枠14の他方(図1〜図3の右側、車両において前側)の側枠部14bは、ドアパネル12の上側の縁部12aの前端部から鋭角となる斜め姿勢、ここでは、車両後方側に傾斜する姿勢で上方に延出している。つまり、一方の側枠部14aと他方の側枠部14bとは並行姿勢である。もっとも、両側枠部14a、14bが並行姿勢であることは必須ではない。ウインドウ枠14の上側枠部14cは、ドアパネル12の上側の縁部12aに対して斜め(やや斜め)姿勢で上側の縁部12aに対して間隔をあけて配設されている。もっとも、ウインドウ枠14の上側枠部14cは、縁部12aに対して平行姿勢であってもよい。
【0022】
ウインドウ10は、ドアパネル12内から上記ウインドウ枠14内に開閉可能に設けられる。ウインドウ10がウインドウ枠14内全体を塞ぐように閉じられた状態で、ウインドウ10の露出領域は、ドアパネル12の縁部12a及びウインドウ枠14によって囲まれる内部領域である。
【0023】
通常、後部座席に乗員が着座した姿勢で、乗員の顔は、一方の側枠部14aの内側に位置するため、当該一方の側枠部14a近傍で、乗員の顔を外部から遮蔽できるようにすることが好ましい。この車両用ウインドウシェード装置20は、一方の側枠部14aの近傍で、ウインドウシェード30と一方の側枠部14aとの隙間をなるべく小さくする技術に関する。
【0024】
すなわち、本実施形態では、ウインドウシェード30を巻取る巻取シャフト40が、ドアパネル12の縁部12aに沿って配設されている。そして、ウインドウシェード30の引出度合に応じて、巻取シャフト40が、その軸方向、即ち、ドアパネル12の上側の縁部12aに沿って移動するようになっている。すなわち、ウインドウシェード30が巻取シャフト40に完全に巻取られた状態では、巻取シャフト40は、一方の側枠部14aから離れた位置に存在している。この状態では、巻取シャフト40と一方の側枠部14aとの間に隙間が生じており、ウインドウシェード30は、前記隙間にも延出した状態で巻取シャフト40に巻取られている(図1参照)。
【0025】
この状態からウインドウシェード30が引出され、ウインドウシェード30がウインドウ10の上下方向の途中までを閉塞すると、巻取シャフト40はその軸方向に沿って一方の側枠部14a側に移動する。この移動にあわせて、ウインドウシェード30のうち一方の側枠部14aに沿った縁部が当該一方の側枠部14a側に移動する。この移動によって、ウインドウシェード30のうち一方の側枠部14a側の側縁部と一方の側枠部14aとの隙間を狭めることができる(図2参照)。
【0026】
上記状態からウインドウシェード30がさらに引出され、ウインドウシェード30がウインドウ10のほぼ全体を遮蔽すると、巻取シャフト40はその軸方向に沿ってさらに一方の側枠部14a側に移動する。この移動にあわせて、続けて、ウインドウシェード30のうち一方の側枠部14aに沿った縁部が当該一方の側枠部14a側にさらに移動する。この移動により、ウインドウシェード30のうち一方の側枠部14a側の側縁部と一方の側枠部14aとの隙間を狭めることができる(図3参照)。
【0027】
このため、ウインドウシェード30の引出途中及びウインドウシェード30を完全に引出した状態のいずれにおいても、ウインドウシェード30のうち一方の側枠部14a側の側縁部と一方の側枠部14aとの隙間をなるべく小さくすることができる。
【0028】
上記を実現するため、本実施形態に係る車両用ウインドウシェード装置20において、ウインドウシェード30の引出状態に応じて巻取シャフト40を移動させるための構成について説明する。図4は車両用ウインドウシェード装置20を示す透過斜視図であり、図5は車両用ウインドウシェード装置20の一端側部分の透過斜視図であり、図6は車両用ウインドウシェード装置20の断面図であり、図7は車両用ウインドウシェード装置20の他端側部分の分解斜視図であり、図8は車両用ウインドウシェード装置20の一端側部分の分解斜視図である。なお、以下の各図においてウインドウシェード30は省略されている。
【0029】
この車両用ウインドウシェード装置20は、ウインドウシェード30と、巻取シャフト40と、一対の支持シャフトとしての支持シャフト50、60と、付勢機構70と、伝達機構80とを備えている。
【0030】
ウインドウシェード30は、メッシュ状の布、樹脂シート等の材料を裁断、縫製等して形成されたシート状の部材である(図3参照)。ここでは、ウインドウシェード30は、上記ウインドウ10のうちドアパネル12の縁部12a及びウインドウ枠14によって囲まれる露出部分を覆う大きさ及び形状に形成されている。ウインドウシェード30は、ウインドウ10の略全体を遮蔽できる大きさ及び形状であることが好ましいが、ウインドウ10の一部を遮蔽する形状及び大きさ、或は、複数のウインドウを一括して遮蔽可能な形状及び大きさに形成されていてもよい。ウインドウシェード30の引出長は、例えば、400mm〜500mmである。
【0031】
このウインドウシェード30の引出方向側端部にステイ32が取付けられている。ここでは、ウインドウシェード30は、巻取シャフト40によって巻取られ、当該巻取シャフト40からウインドウ10に沿って上方に引出されるため、ウインドウシェード30の上側端部が引出方向側端部である。このステイ32は、ウインドウシェード30の巻取状態では、後述するケース46の引出用スリット46h内或はその開口部に配設されている。この状態からステイ32をウインドウ10に沿って引張ることで、ウインドウシェード30が引出用スリット46hを通じてウインドウ10に沿って引出される。また、ステイ32には、ウインドウ枠14の上側枠部14cに設けられた被係止部に係止可能なフック部(図示省略)が設けられている。そして、ウインドウシェード30を引出した状態で、当該フック部を当該被係止部に係止することで、ウインドウシェード30が引出された状態に維持される。
【0032】
巻取シャフト40は、ウインドウシェード30を巻取可能に構成されている。より具体的には、巻取シャフト40は、シャフト本体部41と、軸受42と、シャフト連結受部材43とを備えている。巻取シャフト40の長さ寸法は、ドアパネル12の縁部12aの長さ寸法及び後述するケース46の長さ寸法よりも小さい。従って、巻取シャフト40を、当該縁部12a及びケース46の長手方向に沿った姿勢で配設した状態で、当該縁部12a及びケース46の長手方向に沿って移動できるようになっている。
【0033】
シャフト本体部41は、金属等で形成された筒部材に形成されている。このシャフト本体部41の内周部には、その長手方向に沿って延びる突条部が複数形成されている。
【0034】
軸受42は、シャフト本体部41の他端部内に挿入可能な筒状に形成されている(図4及び図7参照)。軸受42の外周部には、その軸方向に沿ってスプライン溝42aが形成されている。本軸受42を上記シャフト本体部41の他端部内に挿入した状態で、シャフト本体部41の内周部の突条部がスプライン溝42aに嵌り込み、軸受42がシャフト本体部41に対して回転止されるようになっている。また、軸受42の一端部には鍔部42bが形成されている。軸受42がシャフト本体部41の他端部内に挿入された状態で、鍔部42bがシャフト本体部41の他端側開口部に当接することで、軸受42の軸方向の位置決めが図られている。また、軸受42の内周部には、支持シャフト50を回転可能に挿通可能な挿通孔42hが形成されている。
【0035】
シャフト連結受部材43は、シャフト本体部41の一端部内に挿入可能な筒状に形成されている(図4及び図8参照)。シャフト連結受部材43の外周部にも、上記軸受42と同様に、その軸方向に沿ってスプライン溝43aが形成されている。これにより、シャフト連結受部材43をシャフト本体部41の一端部に挿入した状態で、シャフト連結受部材43がシャフト本体部41に対して回転止されるようになっている。また、シャフト連結受部材43の一端部には鍔部44が形成されており、シャフト連結受部材43がシャフト本体部41の一端部に挿入された状態で、鍔部44がシャフト本体部41の一端側開口部に当接することにより、シャフト連結受部材43の軸方向の位置決めが図られている。また、シャフト連結受部材43の内周部には、支持シャフト60を相対回転不能な状態で挿入可能な挿入孔43hが形成されている。挿入孔43hの内周部には、その長手方向に沿って延びる突条部が複数形成されている。
【0036】
上記鍔部44の外周部には、その周方向に沿って延びる環状溝44aが形成されている。この環状溝44aに後述するシャフト連結部96が連結される。なお、環状溝44aは、シャフト本体部41自体、特に、その端部に形成されていてもよい。
【0037】
この巻取シャフト40は、ケース46内に収容される。ケース46は、アルミニウム等の金属で形成された長尺部材であり、巻取シャフト40及び当該巻取シャフト40に巻取られたウインドウシェード30を収容可能な筒状部47と、一対のフランジ部48とを備えている(図7及び図8参照)。筒状部47の一側部にはスリットが形成されており、このスリットを挟む両側縁部から外方に延出するようにして一対のフランジ部48が形成されている。筒状部47に形成された前記スリット及び前記一対のフランジ部48に挟まれる空間によって引出用スリット46hが形成されている。ウインドウシェード30は、本引出用スリット46hを通じて引出及び巻取りされ、ウインドウシェード30が完全に巻取られた状態で、ステイ32が引出用スリット46hの開口部或はその内部に配設される。
【0038】
なお、ケース46には、ネジSを螺合可能なネジ止部45が形成されている(図8参照)。ここでは、ケース46の横断面形状を同じにすることによって当該ケース46を容易に加工するため、ネジ止部45は、ケース46の一部を、その長手方向に沿って延びる細筒状に突出させた形状とされているが、これは必須ではない。そして、後述する支持シャフト50、60を支持するための構造部分が、本ネジ止部45を利用してケース46の両端部にネジ止固定される。つまり、ケース46は、支持シャフト50、60を巻取シャフト40の両端側において一定位置及び一定姿勢で固定する役割を有している。
【0039】
なお、ケース46の一端部には、その長手方向に沿った伝達用スリット47Sが形成されている。後述するシャフト連結部96が伝達用スリット47Sを介して環状溝44aに連結される。
【0040】
車両用ウインドウシェード装置20の他端側部分、即ち、支持シャフト50側の部分について説明する。
【0041】
図4、図6及び図7に示すように、支持シャフト50は、巻取シャフト40の他端部を回転可能かつその軸方向に沿って移動可能に支持するように構成されている。
【0042】
より具体的には、支持シャフト50は、樹脂により形成された棒状部材に形成されている。この支持シャフト50は、丸棒状部材であり、その表面にはネジ溝等が形成されていない円滑な円柱表面に形成されている。
【0043】
この支持シャフト50は、シャフト支持部54と共に樹脂によって一体形成されている。
【0044】
シャフト支持部54は、上記ケース46の他端部にネジ止め等により固定可能な部材である。支持シャフト50は、本シャフト支持部54に対して突出姿勢で一体形成されることにより、巻取シャフト40を回転可能かつその軸方向に沿って移動可能に支持する。
【0045】
ここでは、シャフト支持部54は、ケース46の他端側開口を閉塞可能な板状部材に形成されている。より具体的には、シャフト支持部54は、円板部54aの外周部に突出板部54bが突出する板形状に形成されている。円板部54aは、筒状部47の他端部を閉塞可能な板状部分に形成され、突出板部54bは一対のフランジ部48の他端側開口を閉塞可能な板状部分に形成されている。支持シャフト50は、円板部54aの中央部に当該円板部54aに対して直交する姿勢で突設されている。また、シャフト支持部54の外周部にネジ挿通孔を有するネジ止片54cが突設されている。そして、ケース46の他端側開口を閉塞するように本シャフト支持部54を配設した状態で、ネジSをネジ止片54cに挿通してケース46のネジ止部45に螺合させることで、本シャフト支持部54がケース46の他端部に取付固定される。この状態で、シャフト支持部54に突設された支持シャフト50が筒状部47の中心軸に沿って配設される。この支持シャフト50が巻取シャフト40の軸受42の挿通孔42hに挿通されることで、巻取シャフト40の他端部が筒状部47内で回転可能かつその回転に伴ってその軸方向に移動可能に支持される。
【0046】
図4、図6及び図7に示すように、巻取シャフト40のうち、本支持シャフト50により支持される側の端部に、当該巻取シャフト40を、ウインドウシェード30を巻取る方向に付勢する付勢機構70が設けられている。付勢機構70は、付勢部材としてのコイルバネ72と、コイルバネ72を覆う弾性チューブ76とを備えている。
【0047】
巻取シャフト40のシャフト本体部41内で、コイルバネ72の一端部が支持シャフト50の一端部に連結されている。ここでは、コイルバネ72の一端部のL字状部分の先端部(図7参照)が、支持シャフト50の先端部に形成された孔に挿通されることで、コイルバネ72の一端部が支持シャフト50の先端部に相対回転不能に連結されている。
【0048】
また、コイルバネ72の他端部は巻取シャフト40の内部に相対回転不能に連結されている。ここでは、バネ連結部材78を用いて前記連結が行われている。バネ連結部材78は、シャフト本体部41内に挿通可能な長尺部材に形成されている。バネ連結部材78の外周部の少なくとも一部には、その軸方向に沿ってスプライン溝78aが形成されている。そして、本バネ連結部材78がシャフト本体部41内に配設された状態で、シャフト本体部41の内周部の突条部がスプライン溝78aに嵌り込む。また、バネ連結部材78の一端部には、その径方向に沿って延びる孔が形成されており、コイルバネ72の他端部のL字状部分の先端部(図7参照)が当該孔に挿通されることで、コイルバネ72の他端部がバネ連結部材78に対して相対回転不能に連結されている。
【0049】
そして、コイルバネ72の各端部を支持シャフト50及びバネ連結部材78に連結した状態で、バネ連結部材78、コイルバネ72及び支持シャフト50の先端部をシャフト本体部41内に挿入配置する。この状態で、支持シャフト50に対して巻取シャフト40が回転すると、巻取シャフト40と共にバネ連結部材78も回転する。これにより、支持シャフト50とバネ連結部材78との間でコイルバネ72が捻られる。このコイルバネ72の捻れを元に戻そうとする力によって、支持シャフト50に対してバネ連結部材78及び巻取シャフト40が上記とは逆方向に付勢される。この付勢力がウインドウシェード30を巻取る力として作用する。
【0050】
また、弾性チューブ76は、ゴム等のエラストマーによって形成された部材であり、上記コイルバネ72を覆う筒状部材に形成されている。弾性チューブ76は、コイルバネ72の自然長よりも大きい長さ寸法に形成されている。
【0051】
また、支持シャフト50のうちコイルバネ72が連結される部分よりも中間よりの位置に環状溝52gが形成され(図7参照)、この環状溝52gにゴム等のエラストマーによって形成された弾性リング72rが位置決め固定されている。また、バネ連結部材78には、スプライン溝78aが形成された部分とコイルバネ72が連結された部分との間に、コイルバネ72側に向く段部78sが形成されている。弾性チューブ76がコイルバネ72に外嵌めされた状態で、弾性チューブ76の両端部はバネ連結部材78の一端部及び支持シャフト50のうちコイルバネ72が連結された側の端部にも外嵌めされ、上記段部78sと弾性リング72rとの間に配設されている。この弾性チューブ76は、上記段部78sと弾性リング72rとによってそれらの間に位置するように規制される。弾性チューブ76は、コイルバネ72とシャフト本体部41との接触による異音を抑制等する役割を有する。
【0052】
車両用ウインドウシェード装置20の一端側部分、即ち、支持シャフト60側の部分について説明する。
【0053】
図4、図6及び図8に示すように、支持シャフト60は、巻取シャフト40の一端部を回転可能かつその軸方向に沿って移動可能に支持するように構成されている。
【0054】
より具体的には、支持シャフト60は、樹脂により形成された棒状部材に形成されている。支持シャフト60は、巻取シャフト40に対して相対回転不能に連結され、巻取シャフト40と共に回転する。この点で、この支持シャフト60は、連動支持シャフトである。ここでは、支持シャフト60の一端部に、外周にスプライン溝61aが形成されたシャフト挿入部61を備えている。そして、この支持シャフト60のシャフト挿入部61がシャフト連結受部材43を介してシャフト本体部41の一端部内に挿通されると、前記スプライン溝61aがシャフト連結受部材43の内周部の溝と嵌り合う。これにより、支持シャフト60がシャフト連結受部材43を介してシャフト本体部41に対して相対回転不能かつその軸方向に沿って移動可能に連結される。なお、支持シャフト60をシャフト本体部41に対して相対回転不能に連結する構成は上記例に限られず、例えば、シャフト本体部41の内周部に形成された溝に嵌り合う構成であってもよい。
【0055】
また、支持シャフト60のうち上記シャフト挿入部61の他端側の部分は、断面の外周形状が円形状を呈する軸部62に形成されている。この軸部62を介して、支持シャフト60がシャフト支持部64によって回転可能に支持される。
【0056】
シャフト支持部64は、上記ケース46の一端部にネジ止め等により固定可能な部材である。支持シャフト60は、本シャフト支持部64に対して挿通されることにより、巻取シャフト40を回転可能に支持する。
【0057】
ここでは、シャフト支持部64は、上記シャフト支持部54と同様に、ケース46の一端側開口を閉塞可能な板状部材に形成されている。より具体的には、シャフト支持部64は、円板部64aの外周部に突出板部64bが突出する板形状に形成されている(図8参照)。円板部64aは、筒状部47の他端部を閉塞可能な板状部分に形成され、突出板部64bは一対のフランジ部48の一端側開口を閉塞可能な板状部分に形成されている。円板部64aの中央部には、支持シャフト60の軸部62を回転可能に挿通可能な挿通孔64hが形成されている。また、シャフト支持部64の外周部にネジ挿通孔を有するネジ止片64cが突設されている。そして、ケース46の一端側開口を閉塞するように本シャフト支持部64を配設した状態で、ネジSをネジ止片64cに挿通してケース46のネジ止部45に螺合させることで、本シャフト支持部64がケース46の一端部に取付固定される。この状態で、シャフト支持部64の軸部62が挿通孔64h内に配設される。これにより、巻取シャフト40の一端部が筒状部47内で回転可能に支持される。
【0058】
つまり、支持シャフト60は、シャフト挿入部61がシャフト連結受部材43に挿入されることで巻取シャフト40と共に回転可能でかつ当該巻取シャフト40に対してその軸方向に移動可能とされる。また、支持シャフト60は、軸部62がシャフト支持部64の挿通孔64h内に挿通されることで、巻取シャフト40を回転可能に支持する構成とされている。
【0059】
また、支持シャフト60の他端部は、シャフト支持部64の外面に突出しており、シャフト支持部64の外面には伝達機構80を取付けるための取付片64dが突設されている。これらの部分に伝達機構80が設けられる。
【0060】
伝達機構80は、中継伝達部材94を有しており、上記巻取シャフト40の回転運動を直線運動に変換して前記巻取シャフト40をその軸方向に移動させる構成とされている。
【0061】
より具体的には、伝達機構80は、中継伝達部材94の他に、第1歯車としてのシャフト側傘歯車81と、第2歯車としてのラック側傘歯車82と、第3歯車83とを備えており、これらの各部品は、上記支持シャフト60の外面側に固定されたハウジング98、99に組込まれている。
【0062】
上記中継伝達部材94は、長尺部材に形成され、上記巻取シャフト40の軸方向に沿って配設されると共に、その巻取シャフト40と共に移動可能に形成されている。より具体的には、中継伝達部材94は、樹脂等によって形成された部材であり、長尺棒状の本体部95と、その本体部95の一端部に設けられたシャフト連結部96とを有している。本体部95は、ここでは、四角棒状に形成されており、その一側部にラックギヤ部分95aが形成されている。ラックギヤ部分95aは、本体部95の長手方向に沿って形成された複数のギヤ歯によって構成されている。また、シャフト連結部96は、本体部95の一端部からその側方に延出する形状に形成され、その先端部に弧状凹部96aが形成されている(図8参照)。弧状凹部96aは、上記環状溝44aの溝部分の外周り半径に応じた曲率半径を有する弧状部分を有している。また、シャフト連結部96の厚み寸法は、環状溝44aの溝幅と同じ(ほぼ同じ)に設定されている。そして、上記弧状凹部96aを環状溝44aに嵌め込むようにすることで、シャフト連結部96に対して巻取シャフト40が回転可能な状態で、シャフト連結部96が巻取シャフト40に対してその軸方向に位置規制された状態で連結される。
【0063】
上記ハウジング98、99には、ケース46の外側方で、本体部95を巻取シャフト40の長手方向に沿って移動可能に支持する収容空間が形成されている。このハウジング98、99によって、中継伝達部材94は、本体部95をケース46の外周に沿って配設すると共に、シャフト連結部96を、ケース46の伝達用スリット47Sを通ってケース46内に配設した状態で、巻取シャフト40の長手方向に沿って移動可能に支持される。
【0064】
シャフト側傘歯車81は、支持シャフト60に対して連動して回転可能に配設されている。ここでは、シャフト側傘歯車81は、支持シャフト60の外側の端部に直接連結固定されることで、当該支持シャフト60と一体化された部材として当該支持シャフト60と一体的に回転するようになっている。なお、ここでは、支持シャフト60を挿通孔64hに挿通させるための作業工程上の必要性から、シャフト側傘歯車81は、支持シャフト60とば別途形成され、当該支持シャフト60に後から固定されて一体化される構成を想定して説明しているが、これらは樹脂等によって当初から一体形成されていてもよい。また、支持シャフト60とシャフト側傘歯車81との間に他の平歯車、伝達ベルト等が介在していてもよい。すなわち、シャフト側傘歯車81は、支持シャフト60と連動して回転するように設けられていればよい。
【0065】
ラック側傘歯車82は、上記シャフト側傘歯車81と噛合可能でかつ当該シャフト側傘歯車81に対して直交する回転軸を有する傘歯車として構成されている。つまり、シャフト側傘歯車81とラック側傘歯車82とは、軸角90度で噛合する。なお、ここでは、ラック側傘歯車82の基準円すい角は、シャフト側傘歯車81の基準円すい角よりも大きい。また、ラック側傘歯車82の歯数は、シャフト側傘歯車81の歯数よりも多い。ラック側傘歯車82は、シャフト側傘歯車81と中継伝達部材94との間で、シャフト側傘歯車81の回転軸と直交する回転軸周りで回転可能に配設され、シャフト側傘歯車81の一側方より噛合可能に配設されている。
【0066】
なお、シャフト側傘歯車81とラック側傘歯車82とは、軸角90度で噛合するものであればよく、例えば、クラウンギヤと平歯車とを用いてもよい。
【0067】
第3歯車83は、上記ラックギヤ部分95aと噛合可能でかつラック側傘歯車82と連動して回転可能に設けられている。ここでは、第3歯車83は、ラック側傘歯車82と同じ回転軸を有し、当該ラック側傘歯車82と一体化された平歯車として構成されている。第3歯車83の歯数は、ラック側傘歯車82よりも少ない。この第3歯車83は、ラック側傘歯車82の大径側部分で、上記中継伝達部材94のラックギヤ部分95aと噛合可能に配設されている。なお、ラック側傘歯車82と第3歯車83との間に他の平歯車、伝達ベルト等が介在していてもよい。つまり、ラック側傘歯車82の回転に連動して第3歯車83が回転すればよい。また、上記歯車の大きさ、歯数等は一例であり、シャフトの回転量、移動量等の関係に応じて適宜設計すればよい。
【0068】
上記シャフト側傘歯車81、ラック側傘歯車82及び第3歯車83は、樹脂等で形成されたハウジング98,99の収容空間内に配設されている。また、シャフト側傘歯車81にピンP1が挿通されると共に、ラック側傘歯車82及び第3歯車83にもピンP2が挿通され、これらのピンP1、P2がハウジング98,99間の合せ目部分等に形成された凹部に嵌め込まれることによって、上記した位置及び姿勢で回転可能に支持されている。
【0069】
なお、ハウジング98、99は、ネジSを用いて合体状態に維持され、また、上記シャフト支持部64に取付固定される。
【0070】
以上のように構成された車両用ウインドウシェード装置20の動作について説明する。
【0071】
まず、初期状態では、ウインドウシェード30は巻取シャフト40に完全に巻取られており、ウインドウ10の全体が露出している(図1、図4及び図5参照)。この状態では、巻取シャフト40は、一方の側枠部14aより離れた位置に存在している。ここでは、巻取シャフト40の一端部がケース46の一端部に達し、また、中継伝達部材94もケース46の一端側より大きく延出した状態となっている。
【0072】
上記初期状態からウインドウシェード30がウインドウ10に沿って引出されると、この引出しに伴って巻取シャフト40が回転する。すると、支持シャフト60と共にシャフト側傘歯車81が回転する。これにより、当該シャフト側傘歯車81と噛合するラック側傘歯車82が回転し、ラック側傘歯車82と共に第3歯車83が回転する。第3歯車83とラックギヤ部分95aとの噛合によって、中継伝達部材94が巻取シャフト40の他端側に向けて移動する。すると、中継伝達部材94のシャフト連結部96と環状溝44aとの連結によって、中継伝達部材94が巻取シャフト40の回転を許容しつつ、当該巻取シャフト40を一方の側枠部14a側に移動させる(図2、図9及び図10参照)。そして、巻取シャフト40がケース46の中間部に位置し、ウインドウシェード30はウインドウ10の上下方向中間部まで引出された状態となる。
【0073】
ウインドウシェード30がウインドウ10に沿ってさらに引出されると、この引出しに伴って巻取シャフト40がさらに回転する。上記シャフト側傘歯車81、ラック側傘歯車82、第3歯車83及びラックギヤ部分95aの噛合によって、巻取シャフト40がさらに一方の側枠部14a側に移動する(図3、図11及び図12参照)。そして、巻取シャフト40がケース46の他端部に達し、シャフト支持部54近くに位置するようになる。この状態で、ウインドウシェード30は、ウインドウ10のほぼ全体を覆うように引出され、その引出方向先端側のステイ32が上側枠部14cに取付けられることで、ウインドウシェード30が引出された状態に維持される。
【0074】
なお、巻取シャフト40の回転運動は、シャフト側傘歯車81、ラック側傘歯車82、第3歯車83及びラックギヤ部分95aを介して減速して伝達され、その減速度合は、シェード30全体が引出されることで、巻取シャフト40がケース46の一端部から他端部に移動するように設定されている。
【0075】
上記のようにウインドウシェード30が引出される際、また、巻取シャフト40は、支持シャフト50に対して相対回転されるため、巻取シャフト40側に相対回転不能に取付けられたバネ連結部材78と支持シャフト50との間でコイルバネ72が捻られる。従って、上記ウインドウシェード30を引出す力を解除すると、コイルバネ72の捻れを解消しようとする力によって、巻取シャフト40が、ウインドウシェード30を巻取る方向に回転され、ウインドウシェード30が巻取シャフト40に巻取られる。この際、上記伝達機構80が上記とは逆に動作することによって、巻取シャフト40は上記とは逆方向に移動して、上記初期状態の位置に戻る。
【0076】
また、巻取シャフト40の移動に伴って、支持シャフト50を軸として、巻取シャフト40側の軸受42が移動する。この際、弾性チューブ76は、段部78sと弾性リング72rとの間に位置するように規制されているため、コイルバネ72を覆った状態がより確実に維持される。
【0077】
以上のように構成された車両用ウインドウシェード装置20によると、巻取シャフト40を回転させると、その回転運動が伝達機構80を介して直線運動に変換されて巻取シャフト40に伝達され、これにより、巻取シャフト40をその回転に伴ってその軸方向に移動させることができる。これにより、巻取シャフト40が第1の枠部である縁部12aに沿って配設されている場合において、この縁部12aに対して傾斜する第2の枠部である一方の側枠部14aとウインドウシェード30のうちの一方の側枠部14a側の側縁部との隙間をなるべく小さくするようにすることができる。
【0078】
この際、中継伝達部材94を介して巻取シャフト40をその軸方向に移動させる構成としている。具体的には、巻取シャフト40の回転運動を、シャフト側傘歯車81、ラック側傘歯車82、第3歯車83、及び、ラックギヤ部分95aを有する中継伝達部材94を介して、巻取シャフト40に直線運動として伝達して当該巻取シャフト40をその軸方向に沿って移動させている。このため、支持シャフト50、60等にはネジ溝等を形成しなくてもよい。このため、巻取シャフト40の支持強度を向上させることができる。
【0079】
これにより、支持シャフト50、60を樹脂によって形成しても十分な強度を得ることができる。そして、支持シャフト50、60を樹脂によって形成することによって、その軽量化等を図ることができる。
【0080】
また、支持シャフト60を巻取シャフト40に対してその軸方向に移動可能に連結しているため、巻取シャフト40の軸方向に移動に係わらず、支持シャフト60を前記軸方向に沿って一定位置に配設することができる。これにより、支持シャフト60とシャフト側傘歯車81とを一体化構成することができ、また、シャフト側傘歯車81を有する伝達機構80を容易に構成できる。
【0081】
また、巻取シャフト40に環状溝44aが形成され、中継伝達部材94には、環状溝44aに嵌り込む弧状凹部96aが形成されているため、巻取シャフト40を中継伝達部材94に対して回転可能にしつつ、中継伝達部材94によって巻取シャフト40をその軸方向に沿って移動させるように、中継伝達部材94と巻取シャフト40とを容易に連結できる。
【0082】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0083】
10 ウインドウ
20 車両用ウインドウシェード装置
30 ウインドウシェード
40 巻取シャフト
41 シャフト本体部
42 軸受
43 シャフト連結受部材
46 ケース
50,60 支持シャフト
54 シャフト支持部
61a スプライン溝
62 軸部
64 シャフト支持部
64h 挿通孔
70 付勢機構
80 伝達機構
81 シャフト側傘歯車
82 ラック側傘歯車
83 第3歯車
94 中継伝達部材
95 本体部
95a ラックギヤ部分
96 シャフト連結部
96a 弧状凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウインドウを遮蔽及び開放可能に覆う車両用ウインドウシェード装置であって、
前記ウインドウを遮蔽可能なウインドウシェードと、
前記ウインドウシェードを巻取可能な巻取シャフトと、
前記巻取シャフトを回転可能かつその軸方向に沿って移動可能に支持する一対の支持シャフトと、
前記巻取シャフトを、前記ウインドウシェードを巻取る方向に付勢する付勢機構と、
前記巻取シャフトの軸方向に沿って配設されると共に前記巻取シャフトの軸方向に沿ってその巻取シャフトと共に移動可能な長尺部材に形成された中継伝達部材を有し、前記巻取シャフトの回転運動を直線運動に変換して前記巻取シャフトをその軸方向に移動させる伝達機構と、
を備える車両用ウインドウシェード装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用ウインドウシェード装置であって、
前記一対の支持シャフトの一方は、前記巻取シャフトと共に回転可能な連動支持シャフトであり、
前記中継伝達部材は、ラックギヤ部分を有し、
前記伝達機構は、前記連動支持シャフトに対して連動して回転可能に配設された第1歯車と、前記第1歯車と噛合可能でかつ前記第1歯車に対して直交する回転軸を有する第2歯車と、前記ラックギヤ部と噛合可能でかつ前記第2歯車と連動して回転可能に設けられた第3歯車とをさらに有する、
車両用ウインドウシェード装置。
【請求項3】
請求項2記載の車両用ウインドウシェード装置であって、
前記連動支持シャフトは、前記巻取シャフトに対してその軸方向に移動可能であり、
前記第1歯車は前記連動支持シャフトと一体化された部材である、車両用ウインドウシェード装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の車両用ウインドウシェード装置であって、
前記巻取シャフトに環状溝が形成され、
前記中継伝達部材は、前記環状溝に嵌り込む弧状凹部を有するシャフト連結部を有し、
前記巻取シャフトが前記シャフト連結部に対して回転可能で、かつ、前記シャフト連結部が前記巻取シャフトに対してその軸方向に位置規制された状態で、前記シャフト連結部が前記環状溝に嵌り込んでいる、車両用ウインドウシェード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−103671(P2013−103671A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250568(P2011−250568)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)