説明

車両用エアダクト取付構造

【課題】フロントバルクヘッドとフロントグリル・フロントバンパフェイスとの車体前後方向の距離(間隔)が長くても、エアダクトのアッパダクトメンバの大型化、重量増大を招くことなく、アッパダクトメンバをフロントバルクヘッドのアッパフレームより所要の強度をもって支持できるようにすること。
【解決手段】基端部72Aを車体前部の骨格部材であるフロントバルクヘッド組立体30のアッパフレーム32に固定されて車体前方に延出する高剛性のグリルスティ70によってエアダクト組立体60のアッパダクトメンバ62を支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用エアダクト取付構造に関し、特に、自動車のフロントグリルよりラジエータへ走行風を導くエアダクトの車体に対する取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、車体前部に配置されたフロントグリルやフロントバンパフェイスに形成された空気取入開口より走行風をラジエータに効率よく導くよう、フロントグリル・フロントバンパフェイスとラジエータとの間にエアダクト等の導風構造が設けられているものがある(たとえば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−306047号公報
【特許文献2】特開2009−184487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロントグリルやフロントバンパフェイスとラジエータとの間に、クラーコンデンサ(凝縮器)やフロントバンパビーム等が配置されると、ラジエータより車体後方にあって車体前部の骨格をなすフロントバルクヘッドとフロントグリルやフロントバンパフェイスとの車体前後方向の距離(間隔)が長くなる。
【0005】
このため、エアダクトの上部を構成するアッパダクトメンバをフロントバルクヘッドのアッパフレームより支持する取付構造を採用しようとすると、フロントバルクヘッドとフロントグリルとの車体前後方向距離に応じてアッパダクトメンバの車体前後方向寸法が大きくなる。このことにより、アッパダクトメンバが大型化すると共に、アッパダクトメンバの重量が増大するので、アッパダクトメンバを、高強度で、堅牢な構造体にする必要が生じる。このことは、アッパダクトメンバの更なる重量増大を招くことになる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、フロントバルクヘッドとフロントグリルやフロントバンパフェイスとの車体前後方向の距離(間隔)が長くても、エアダクトのアッパダクトメンバの大型化、重量増大を招くことなく、アッパダクトメンバをフロントバルクヘッドのアッパフレームより所要の強度をもって支持できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による車両用エアダクト取付構造は、車体前部の骨格をなすフロントバルクヘッド(30)より車体前方に配置されたラジエータ(46)に、前記ラジエータ(46)より車体前方に配置されたフロントグリル(12)の空気取入開口(24)より走行風を導くエアダクト(60)の車体に対する取付構造であって、基端部(72A)を前記フロントバルクヘッド(30)のアッパフレーム(32)に固定され、前記基端部(72A)よりラジエータ(46)の上方を越えて車体前方に延出するグリルスティ(70)を有し、前記グリルスティ(70)は、先端部にダクト支持部(76)を具備し、前記ダクト支持部(76)において締結具(78)によって前記エアダクト(60)の上部を構成するアッパダクトメンバ(62)を固定支持している。
【0008】
この構成によれば、フロントバルクヘッド(30)とフロントグリル12との車体前後方向の距離が長くても、グリルスティ(70)のスティ長を長くするだけで、アッパダクトメンバ(62)の大型化、重量増大を招くことなく、アッパダクトメンバ(62)をフロントバルクヘッド(30)のアッパフレーム(32)より所要の強度をもって支持することができる。
【0009】
本発明による車両用エアダクト取付構造は、好ましくは、更に、前記グリルスティ(70)は、車幅方向の中央部に配置され、前記先端部にグリル支持部(80)を具備し、当該グリル支持部(80)によって前記フロントグリル(12)の車幅方向中央部を支持し、前記フロントグリル(12)は、前記アッパダクトメンバ(62)との係合によって前記アッパダクトメンバ(62)を支持している。
【0010】
この構成によれば、別の支持構造を要することなくアッパフレーム(32)の支持強度が向上する。
【0011】
本発明による車両用エアダクト取付構造は、好ましくは、前記アッパダクトメンバ(62)は、前部に車体前方に突出した突出部(84)を一体形成され、当該突出部(84)が前記フロントグリル(12)の背面側に係合することにより、前記フロントグリル(12)より支持されている。
【0012】
この構成によれば、締結具等の別部品を必要とすることなく、きわめて簡単な構造によってグリルスティ(70)はフロントグリル(12)を支持する。
【0013】
本発明による車両用エアダクト取付構造は、好ましくは、前記グリル支持部(80)は、前記グリルスティと一体形成されて当該グリルスティの前記先端部より車体前方に突出した突出部により構成され、当該突出部が前記フロントグリルの背面側に係合することにより前記フロントグリル(12)を支持するものであり、突出部の根元部に切欠き部(82)が形成されている。
【0014】
この構成によれば、締結具等の別部品を必要とすることなく、きわめて簡単な構造によってアッパダクトメンバ(62)をフロントグリル(12)によって支持することができ、突出部の切欠き部(82)があることにより、突起部に所定値以上の下向き荷重が作用した際には、突起部が下向きに変形し、歩行者保護が行われる。
【0015】
本発明による車両用エアダクト取付構造は、好ましくは、前記アッパダクトメンバ(62)は前記ラジエータ(46)側への飛石の侵入を阻止する格子部(63)を一体に有する。
【0016】
この構成によれば、別部品を必要とすることなく、ラジエータ(46)側への飛石の侵入が阻止される。
【0017】
本発明による車両用エアダクト取付構造は、好ましくは、前記アッパダクト(62)は、後縁側に、前記アッパフレーム(32)に取り付けられているフードロック機構(31)の配置部にフロントフード閉じ状態で車体前方よりフードロック解除器具が侵入することを止める隆起部(62C)を一体に有する。
【0018】
この構成によれば、別部品を必要とすることなく、フードロック機構(31)の配置部に、ドライバ等のフードロック解除器具が侵入することが抑制され、フードロック機構(31)が不当に解除されることが回避され、車両盗難、いたずらが防止される。
【0019】
本発明による車両用エアダクト取付構造は、好ましくは、前記アッパダクトメンバ(62)は、上部に意匠面を形成する意匠面部(62C)を一体に有し、前記グリルスティ(70)の上面部の一部が前記アッパダクトメンバ(70)の意匠面に連なる意匠面部(74)である。
【0020】
この構成によれば、別部品を必要とすることなく意匠面部(62B、74)が構成される。
【発明の効果】
【0021】
本発明による車両用エアダクト取付構造によれば、基端部を車体前部の骨格部材であるフロントバルクヘッドのアッパフレームに固定されて車体前方に延出する高剛性のグリルスティによってエアダクトアッパダクトメンバを支持しているので、フロントバルクヘッドとフロントグリルとの車体前後方向の間隔が大きくても、グリルスティのスティ長を長くするだけで、アッパダクトメンバの大型化、重量増大を招くことなく、アッパダクトメンバをフロントバルクヘッドのアッパフレームより所要の強度をもって支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による車両用エアダクト取付構造を自動車に適用した一つの実施形態を示す正面図。
【図2】本実施形態による車両用エアダクト取付構造の側断面図。
【図3】本実施形態による車両用エアダクト取付構造を、ラジエータ及びクーラコンデンサを取り外した状態で示す車体前方よりの斜視図。
【図4】本実施形態による車両用エアダクト取付構造の要部を拡大して示す斜視図。
【図5】本実施形態による車両用エアダクト取付構造の要部の拡大側断面図。
【図6】本実施形態による車両用エアダクト取付構造の要部の異なる断面での拡大側断面図。
【図7】本実施形態による車両用エアダクト取付構造に用いられるエアダクト組立体を車体後方より見た斜視図。
【図8】本実施形態による車両用エアダクト取付構造に用いられるエアダクト組立体を車体前方より見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明による車両用エアダクト取付構造を自動車に適用した一つの実施形態を、図1〜図8を参照して説明する。なお、以下の説明において、材料についての記載がない部品は鋼板製のものである。
【0024】
自動車は、図1に示されているように、正面下部にフロントバンパフェンス10を有する。フロントバンパフェンス10の上部にはフロントグリル12が、フロントグリル12の左右両側にはヘッドランプ14が各々設けられている。フロントバンパフェンス10及びフロントグリル12の車体後方側に、左右のサイドフェンダ18等と協働してエンジンルーム16(図2参照)が画定される。エンジンルーム16の上方部には開閉可能なフロントフード20が配置されている。
【0025】
フロントバンパフェンス10とフロントグリル12の各々に、これらを車体前後方向に貫通した空気取入開口22、24が形成されている。
【0026】
図2、図3に示されているように、車体前部には、車体前部の骨格をなす構造体として、車体上部を車体幅方向に水平に延在するバルクヘッドアッパフレーム32と、車体下部を車体幅方向に水平に延在するバルクヘッドロアフレーム34と、バルクヘッドアッパフレーム32とバルクヘッドロアフレーム34の左右両端を各々接続する垂直配置の左右のバルクヘッドサイドスティ36とにより構成された枠状のフロントバルクヘッド組立体30が設けられている。フロントバルクヘッド組立体30は、左右両側に接合されたバルクヘッドアッパサイドフレーム38によって図示されていない左右のホイールハウスアッパダクトメンバに接続されている。
【0027】
バルクヘッドアッパフレーム32の前部には解除レバー33を含むフードロック解除機構31が取り付けられている。バルクヘッドロアフレーム34の左右部分には、バルクヘッドロアフレーム34より車体前方に略水平に延出した足払いプレート35が取り付けられている。
【0028】
車体前部には、車体下部を車体前後方向に延在する左右のフロントサイドフレーム40が設けられている。フロントサイドフレーム40の前端部には、各々、フロントバンパエクステンションメンバ42が車体前方へ突出するように接合されている。フロントバンパエクステンションメンバ42は、前突荷重に対してフロントサイドフレーム40より低強度のものであり、前部衝突におけるクラシュ部材をなす。
【0029】
左右のフロントバンパエクステンションメンバ42の前端部には車体幅方向に略水平に延在するフロントバンパビーム44の左右両端近傍が接合されている。フロントバンパビーム44に前述のフロントバンパフェンス10が取り付けられている。なお、フロントグリル12は、後述するグリルスティ70やフロントバンパフェンス10、ヘッドランプ14の取付部等に接続され、これらを介して車体より支持されている。
【0030】
フロントバルクヘッド組立体30の車体前方にはエンジン冷却系のラジエータ46とクーラコンデンサ50とが配置されている。ラジエータ46とクーラコンデンサ50は、上部を左右一対のマウントブラケット48によってバルクヘッドアッパフレーム32に固定され、下部をバルクヘッドロアフレーム34に固定され、フロントバルクヘッド組立体30に取り付けられている。
【0031】
ラジエータ46とクーラコンデンサ50とは、大型の四角形状の熱交換器であり、ともにフロントバルクヘッド組立体30より車体前方、且つフロントバンパビーム44より車体後方にあって、互いに車体前後方向に所定空隙を設けて平行に存在する。なお、クーラコンデンサ50はラジエータ46より車体前方にある。ラジエータ46の車体後方側には、電動冷却ファン52とファンシュラウド54が設けられている。
【0032】
フロントバルクヘッド組立体30の車体前側には、フロントバンパフェンス10及びフロントグリル12の空気取入開口22、24よりラジエータ46とクーラコンデンサ50へ走行風を導くための導風路68を構成するエアダクト組立体60が設けられている。
【0033】
エアダクト組立体60は、図3、図7、図8に示されているように、車体幅方向に水平に延在してエアダクトの上部を構成する硬質樹脂製のアッパダクトメンバ62と、上端をクリップ64によってアッパダクトメンバ62の左右端部に連結されて上下方向に延在する軟質ラバー製の左右のサイドダクトメンバ66により門形に構成されている。
【0034】
アッパダクトメンバ62は、下側に導風路68を画定する導風壁部62Aと、導風壁部62Aの前端部より上方且つ車体後方に折り返して上部に意匠面を形成する意匠面部62Bとを一体成形されている。これにより、意匠面部62Bを別部材で構成する必要がなくなり、部品点数、組付工数が削減される。また、意匠面部62Bは、ラジエータ46の上方における冷却風の車体前方への廻り込みを阻止し、冷却風廻り込みによるラジエータ46、クーラコンデンサ50の冷却効率の低下を防止する。
【0035】
更に、意匠面部62Bの後縁側には、図6に示されているように、隆起部62Cが一体成形されている。隆起部62Cは、閉じ状態のフロントフード20の前端部とフロントグリル12の上面部との間隙から、フードロック機構31の配置部、特に解除レバー33の配置部に、ドライバ等のフードロック解除器具が不当に侵入することを止める障壁として作用し、フードロック機構31が不当に解除されることを防ぐ作用をする。これにより、車両盗難、いたずらが防止される。
【0036】
導風壁部62Aは、図5に示されているように、車体前方の側からクーララジエータ50の上方を越えた車体後方位置まで延在しており、その延在端部に、フロントグリル12の空気取入開口24からラジエータ46側への飛石の侵入を阻止する格子部63が一体成形されている。
【0037】
図3〜図5に示されているように、バルクヘッドアッパフレーム32の車幅方向の中央部にはグリルスティ70が取り付けられている。グリルスティ70は、硬質樹脂による成形品あるいは軽金属鋳造品であり、車幅方向に間隔をおいて車体前後方向に延在する溝形断面形状の2本のビーム部72と、ビーム部72の前方側において2本のビーム部72間に延在して上面がアッパダクトメンバ62の意匠面部62Bの意匠面に連なる意匠面をなす意匠面部74とを含み、2本のビーム部72の基端部72Aを各々ボルト77あるいは図示されていないクリップによってバルクヘッドアッパフレーム32の上部に固定されている。
【0038】
基端部72Aは、図5に示されているように、鉤形(逆L字形)の側面形状を有してバルクヘッドアッパフレーム32の上面部と前面部とに接合している。これにより、アッパダクトメンバ62は、前倒れ(前端が下方に落ちる傾斜)に対する取付強度が増す。
【0039】
2本のビーム部72は、各々、断面形状が溝形断面形状で、しかも内側にリブ72Bを有することにより強い曲げ強度を備えており、強い曲げ強度をもって基端部72Aよりラジエータ46の上方を越えて車体前方に延出している。
【0040】
この2本のビーム部72の前端部の左右両側にはダクト支持座部76が突出形成されている。この2個のダクト支持座部76は、締結具であるボルト78あるいは図示されていないクリップによってアッパダクトメンバ62の車幅方向中央部の2箇所を下側から固定支持している。なお、図8において、符号61は、ボルト78を挿通されるボルト通し孔である。
【0041】
グリルスティ70は、先端部にグリル支持突起部80を一体に有する。グリル支持突起部80は、図5に示されているように、フロントグリル12の裏面12Aに当接し、この当接によって沈み阻止方向にフロントグリル12の車幅方向中央部を支持している。これにより、締結具等の別部品を必要とすることなく、きわめて簡単な構造によってグリルスティ70はフロントグリル12を支持する。
【0042】
更に、グリル支持突起部80の根元部には切欠き部82が形成されている。この切欠き82により、フロントグリル12、グリル支持突起部80に所定値以上の下向き荷重が作用した際には、グリル支持突起部80がグリルスティ先端より頭を下げるように変形するので、歩行者保護が行われる。
【0043】
アッパダクトメンバ62の前部には、車幅方向の複数箇所に車体前方に突出した突出部84が一体形成されている。アッパダクトメンバ62は、突出部84の下底面がフロントグリル12の裏面側の上面12B(図5参照)に当接することにより、車幅方向の複数箇所において、フロントグリル12によって沈み阻止方向に支持されている。つまり、フロントバンパフェンス10等を介して車体より支持されているフロントグリル12は、アッパダクトメンバ62との係合によって沈み阻止方向にアッパダクトメンバ62を車幅方向の複数箇所において支持している。これにより、締結具等の別部品を必要とすることなく、きわめて簡単な構造によってアッパダクトメンバ62をフロントグリル12によって支持することができる。
【0044】
左右のサイドダクトメンバ66は、各々、車体後方側をクリップ86によってフロントバルクヘッド組立体30のバルクヘッドサイドスティ36の前面に固定され、これよりラジエータ46、クーラコンデンサ50の左右両側部を車体前後方向に横切って、これらより車体前方に延出している。サイドダクトメンバ66の下端部は、クリップ88によって足払いプレート35に連結され、足払いプレート35より支持されている。
【0045】
上述の構成によれば、基端部72Aを車体前部の骨格部材であるフロントバルクヘッド組立体30のアッパフレーム32に固定されて車体前方に延出する高剛性のグリルスティ70によってエアダクト組立体60のアッパダクトメンバ62を支持しているので、フロントバルクヘッド組立体30とフロントグリル12及びフロントバンパフェイス10との車体前後方向の距離(間隔)が長くても、グリルスティ70のスティ長を長くするだけで、アッパダクトメンバ62の大型化、重量増大を招くことなく、アッパダクトメンバ62をフロントバルクヘッド組立体30のアッパフレーム32より所要の強度をもって支持することができる。
【0046】
更に、グリルスティ70がフロントグリル12を支持し、フロントグリル12がフロントバルクヘッド組立体30のアッパフレーム32を支持しているので、別の支持構造を要することなくアッパフレーム32の支持強度が向上する。
【符号の説明】
【0047】
10 フロントバンパフェンス
12 フロントグリル
16 エンジンルーム
22、24 空気取入開口
30 フロントバルクヘッド組立体
31 フードロック解除ツール
32 バルクヘッドアッパフレーム
33 解除レバー
34 バルクヘッドロアフレーム
35 足払いプレート
36 バルクヘッドサイドスティ
46 ラジエータ
50 クーラコンデンサ
60 エアダクト組立体
62 アッパダクトメンバ
62A 導風壁部
62B 意匠面部
63 格子部
66 サイドダクトメンバ
70 グリルスティ
72 ビーム部
76 ダクト支持座部
80 グリル支持突起部
82 切欠き部
84 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部の骨格をなすフロントバルクヘッドより車体前方に配置されたラジエータに、前記ラジエータより車体前方に配置されたフロントグリルの空気取入開口より走行風を導くエアダクトの車体に対する取付構造であって、
基端部を前記フロントバルクヘッドのアッパフレームに固定され、前記基端部よりラジエータの上方を越えて車体前方に延出するグリルスティを有し、前記グリルスティは、先端部にダクト支持部を具備し、前記ダクト支持部において締結具によって前記エアダクトの上部を構成するアッパダクトメンバを固定支持している車両用エアダクト取付構造。
【請求項2】
前記グリルスティは、車幅方向の中央部に配置され、前記先端部にグリル支持部を具備し、当該グリル支持部によって前記フロントグリルの車幅方向中央部を支持し、前記フロントグリルは、前記アッパダクトメンバとの係合によって前記アッパダクトメンバを支持している請求項1に記載の車両用エアダクト取付構造。
【請求項3】
前記アッパダクトメンバは、前部に車体前方に突出した突出部を一体形成され、当該突出部が前記フロントグリルの背面側に係合することにより、前記フロントグリルより支持されている請求項2に記載の車両用エアダクト取付構造。
【請求項4】
前記グリル支持部は、前記グリルスティと一体形成されて当該グリルスティの前記先端部より車体前方に突出した突出部により構成され、当該突出部が前記フロントグリルの背面側に係合することにより前記フロントグリルを支持するものであり、突出部の根元部に切欠き部が形成されている請求項1から3の何れか一項に記載の車両用エアダクト取付構造。
【請求項5】
前記アッパダクトメンバは前記ラジエータ側への飛石の侵入を阻止する格子部を一体に有する請求項1から4の何れか一項に記載の車両用エアダクト取付構造。
【請求項6】
前記アッパダクトは、後縁側に、前記アッパフレームに取り付けられているフードロック機構の配置部にフロントフード閉じ状態で車体前方よりフードロック解除器具が侵入することを止める隆起部を一体に有する請求項1から5の何れか一項に記載の車両用エアダクト取付構造。
【請求項7】
前記アッパダクトメンバは、上部に意匠面を形成する意匠面部を一体に有し、前記グリルスティの上面部の一部が前記アッパダクトメンバの意匠面に連なる意匠面部である請求項1から6の何れか一項に記載に車両用エアダクト取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−183851(P2012−183851A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46341(P2011−46341)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】