説明

車両用エネルギー貯蔵装置を制御する方法およびシステム

【課題】電力移送機会中に機関車などの車両の車載型のエネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの電力移送速度を制御するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】その方法は、所定の電力移送期間に基づいて、電力移送機会の期間に電力移送機会のある期間を適合させ指定の充電状態を実現するように、電力移送速度を調節するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、車両用エネルギー貯蔵装置の電力移送プロファイルを改善し、それにより貯蔵装置の動作寿命を延ばす方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
機関車などの電気車両およびハイブリッド式電気車両は、車載型の充電可能な電気エネルギー貯蔵装置で動作する。エネルギー貯蔵装置は、1つまたは複数のタイプのバッテリ、スーパーキャパシタ、およびフライホイールシステムを含むことができる。
【0003】
動作中に、エネルギー貯蔵装置は周期的な充電および放電の頻繁なサイクルを経る。さらに、こうした装置の動作寿命および性能特性は、充電/放電の速度および深度、ならびに/または電力移送が起きる電流レベルの影響を受けることがある。装置の充電状態および温度における関連の変化もまた、装置の寿命および性能特性に影響を及ぼすおそれがある。例えば、バルク充電/放電中に、使用する電力移送速度がより速くより深く、電流(および/または電圧)レベルがより高いと、エネルギー貯蔵装置の動作寿命および貯蔵容量が悪影響を受けるおそれがある。装置の経年数、使用頻度、エネルギー貯蔵状態、および貯蔵温度は、装置の性能に影響を及ぼすいくつかの追加のパラメータである。さらに、電気エネルギー貯蔵装置の性能が低下すると、それらが使用される車両システムの燃料効率に影響を与えることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】英国特許第2273614号
【発明の概要】
【0005】
電力移送機会中に車両用エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの電力移送速度を制御する方法およびシステムを提供する。一実施形態では、その方法は、所定の電力移送機会の期間に基づいて、ある電力移送機会の期間を適合させ指定の充電状態を実現するように電力移送速度を調節するステップを含む。
【0006】
例えば、充電機会がより長い期間であると予め決められているときは、充電機会がより短い期間であると予め決められているときよりも、遅い速度で(例えば、小さい充電電流で)エネルギー貯蔵装置を充電することができる。同様に、エネルギー貯蔵装置の放電速度を、来たるべき放電機会の既知の期間に応じて適切に調節することができる。このようにして、充電/放電機会についての事前の情報(例えば、その充電/放電機会の前に、知られ、推測され、かつ/または推定された情報)を利用して、遅い充電/放電速度によってより長い充電/放電期間をより良く利用することが可能である。充電/放電時間が長いと、全体的な損失が減少するなど付随的な利点によって、バッテリの寿命および性能をさらに向上させることができる。一例では、抵抗による熱損失(すなわち、I2R電力損失によるエネルギー損失)を直接低減することにより、全体的な損失を減少させることができる。別の例では、全体的な損失(抵抗またはその他)が減ると、必要な冷却力の量、および他の熱管理要件を減らすことができる。全体的な損失の減少のこうした相乗効果の利点は、充電/放電機会の時間の延長に関する問題より重要なことがある。総合すれば、それにより、こうした動作はより効率的な電力移送をもたらし、充電/放電機会の終わりに所望の充電状態を実現しながらも、車両のエネルギー貯蔵装置の劣化を低減する。
【0007】
上記の発明の概要は、詳細な説明でさらに説明するいくつかの概念を、単純化した形態で取り入れるために述べられていることを理解されたい。特許請求する主題の重要点または本質的な特徴を特定するものではなく、その範囲は、詳細な説明に続く特許請求の範囲によって一意的に定義される。さらに、特許請求する主題は上記でまたはこの開示の任意の部分で言及した欠点を解決する実装形態に限定されない。
【0008】
本発明は添付の図面を参照しながら非限定的な実施形態の以下の説明を読むことによってより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示によるエネルギー管理システムを備えたディーゼル電気機関車の例示的な実施形態を示す図である。
【図2】所与の所望の充電状態に関する代替の充電/放電プロファイルの例示的なマップを示す図である。
【図3】本開示によるエネルギー貯蔵装置の電力移送プロファイルを制御するための高いレベルのフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
充電可能な電気エネルギー貯蔵装置で動作する機関車などの車両は、エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの電力移送速度を制御する総合エネルギー管理システムを備えることができる。エネルギー貯蔵装置の動作条件に基づくだけでなく、任務中に利用可能な充電/放電に応じて電力移送速度を制御することができる。図1を参照しながら、エネルギー管理システムが、機関車の車載型電気エネルギー貯蔵装置の動作条件をモニタリングし、電力移送機会の期間に基づいて、効率的な電力移送を可能にするように充電/放電プロファイルを調節する一例を示す。そのようにする際は、故障率を低下させながらエネルギー貯蔵装置の動作寿命を延ばすことができる。エネルギー貯蔵バンクが複数ある場合には、特定の各貯蔵バンクの経年数、容量、性能、貯蔵状態、温度、および他の動作特性に応じて、電力移送プロファイルをカスタマイズすることができる。図2に示すように、システムは、最後の充電状態を同じにするように様々な充電/放電プロファイルから選択することができる。選択したプロファイルは、電力移送で電力移送機会の期間についての事前の情報を利用できるように、例えば図3に示すような電力移送プロファイルルーチンを実行することによって判定することができる。装置の動作条件および充電/放電機会の来たるべき期間についての所定の情報に応じてエネルギー貯蔵装置の動作をカスタマイズすることによって、装置の動作寿命を改善し故障率を低下させながら、エネルギー貯蔵装置中/外への電力移送の効率を向上させることができる。
【0011】
図1は、軌道104上を走るように構成された、本明細書で機関車100として示す、例示的なハイブリッド車両システムのブロック図である。本明細書に示すように、一例では、機関車は、主エンジンハウジング102内に配置されたディーゼルエンジン106を動作させるディーゼル電気車両である。しかし、機関車100の代替の実施形態では、例えばガソリンエンジン、またはバイオディーゼルエンジンもしくは天然ガスエンジンなど、代替のエンジン構成を採用することができる。図示の例では車両が機関車であるが、そうではなく大型掘削機、掘削ダンプトラックなどのオフハイウェイ車両(OHV、off−highway vehicle)でよいことが理解されよう。さらに、この車両システムは、海洋および定置の用途で使用できるようなハイブリッド電気推進システムでよい。
【0012】
機関車の運転乗務員、およびエネルギー管理システム116などの機関車システムの制御および管理に関係する電子構成部品は、機関車の運転室103内に収容することができる。エネルギー管理システム116は、複数のマイクロプロセッサおよび/またはコンピュータを備えることができる。エネルギー管理システム116は、車両制御システム128と連絡することができる。車両制御システム128は、やはり機関車の運転室103に配置された車載型制御システムでよい。あるいは、車両制御システムを、離れた位置に配置することができる。車両制御システム128および/またはエネルギー管理システム116はさらに、全地球測位システム(GPS)などの位置特定システム、および任務計画を含むことができ、それにより、エネルギー管理システムが現在の任務プロファイルを認識できるようになる。
【0013】
ディーゼルエンジン106は、駆動軸(図示せず)に沿って交流発電機108に送るトルクを生成する。生成したトルクは、交流発電機108で使用して電気を生成し、その後車両を伝播する。動作上の需要に基づいて機関車のエンジン106を動作させることができる。このようにして生成された電力は、原動機電力と呼ばれることがある。機関車100の代替の実施形態では、任意選択で、空調、加熱などの補助構成要素のための少量の電力(補助電力)を生成する補助交流発電機を備えることができる。電気バス110に沿って下流の様々な電気構成部品に電力を送ることができる。生成した電気出力の性質に基づいて、電気バスは(図示のような)直流(DC)バスでも交流(AC)バスでもよい。
【0014】
交流発電機108を1つまたは複数の整流器(図示せず)に直列で接続することができ、その整流器は、交流発電機の電気出力をDC電力に変換し、その後DCバス110に沿って送る。DCバス110からの電力を受け取る下流の電気構成部品の構成に基づいて、インバータ112を使用してDC電力をAC電力に変換することができる。機関車100の一実施形態では、単一のインバータ112は、DCバス110から複数の構成要素にAC電力を供給することができる。代替の実施形態では、別々の複数のインバータがそれぞれ、別々の構成要素に電力を供給することができる。さらに他の実施形態では、機関車が、スイッチに接続された1つまたは複数のインバータを含むことができ、そのインバータが、スイッチに接続された異なる構成要素に電力を選択的に供給するように制御できることが理解されよう。
【0015】
主電動機120が、主エンジンハウジング102の下方のトラック122に取り付けられており、これは、けん引力を供給して機関車を前進させるために、交流発電機108からDCバス110を介して電力を受け取ることができる。本明細書で説明するように、主電動機120はACモータでよい。したがって、主電動機と対になったインバータは、主電動機によって引き続き使用するために、DC入力を三相AC入力などの適切なAC入力に変換することができる。代替の実施形態では、主電動機120は、DCバスに沿った、または適切なDC/DCコンバータを通した、整流および伝達の後で交流発電機の出力を直接用いるDCモータでよい。一例の機関車の構成は、1つの車軸124につき1対のインバータ/主電動機を含む。本明細書に示すように、機関車の6対の車軸/車輪それぞれに対する6対のインバータ/主電動機を示す。代替の実施形態では、機関車100を、例えば4対のインバータ/主電動機で構成することができる。その代わりに単一のインバータを複数の主電動機と対にできることが理解されよう。
【0016】
発電制動して機関車100を制動するために発電機として働くように主電動機120を構成することもできる。具体的には、発電制動中に主電動機は、回転方向の反対の方向のトルクを供給し、それにより電気を生成することができる。生成した電力の少なくとも一部を、本明細書ではバッテリ114として示す電気エネルギー貯蔵装置に送ることができる。エネルギー貯蔵装置が全ての発電制動エネルギーを受け取りかつ/または貯蔵することができないときは、過剰なエネルギーを抵抗器のグリッド126に送り、熱として放散させることができる。一例では、そのグリッドは、電気バスに直列に直接接続された階層状の抵抗要素を含む。それらの階層状の抵抗要素を、グリッドからの空気の冷却および熱の放散を促進するために主エンジンハウジング102の天井近くに配置することができる。さらに、主電動機120を駆動するのに必要な量より多くのエネルギーを供給するようにエンジン106が動作する期間中には、(過剰な原動機電力とも呼ばれる)過剰な量を任意選択でバッテリ114に貯蔵することができる。したがって、主電動機が発電制動モードで動作しているとき以外のときに、エネルギー貯蔵装置を充電することができる。圧縮空気を使用するエアブレーキ(図示せず)を車両制動システムの一部として機関車100によって使用することもできる。
【0017】
多数のモータ駆動式の通風装置が、機関車の構成要素を温度制御するために動作することができる。例えば、重労働期間中に主電動機120を冷却する主電動機ブロワ、交流発電機108を冷却する交流発電機ブロワ、および抵抗器のグリッド126を冷却する格子ブロワがある。ブロワはそれぞれ、ACモータまたはDCモータによって駆動することができ、したがって、それぞれのインバータによってDCバス110から電力を受け取るように構成することができる。
【0018】
エンジンの温度の一部はラジエータ118によって維持される。エンジン106の周りで水を循環させて、過剰な熱を吸収し、効率的なエンジン動作のための所望の範囲内に温度を抑えることができる。次いで、加熱された水はラジエータ118を通ることができ、そのラジエータ118では、ラジエータのファンを通して吹かれた空気がその加熱された水を冷却することができる。エンジン106をさらに冷却するために、水ベースの冷媒を備える冷却システムをラジエータ118と共に任意選択で使用することができる。エネルギー貯蔵装置を冷却するために通風装置および/または冷却システムを使用することもできる。
【0019】
この例ではバッテリ114として示すシステム電気エネルギー貯蔵装置も、DCバス110に接続することができる。DC−DCコンバータ(図示せず)をDCバス110とバッテリ114との間に構築することができ、そのためDCバスの(例えば1000Vの範囲の)高い電圧を(例えば12V〜75Vの範囲に)適切に低下させて、バッテリで使用することが可能である。ハイブリッド機関車の場合は、車載型電気エネルギー貯蔵装置は、中間のDC−DCコンバータを省略できるように、高電圧のバッテリの形態でよい。
【0020】
バッテリ114は、エンジン106を走らせることによって充電することができる。あるいは、バッテリ114は回生制動中に充電することができる。バッテリに貯蔵された電気エネルギーをエンジンの待機動作モード中に使用して、ライト、車載型モニタリングシステム、マイクロプロセッサ、プロセッサのディスプレイ、環境制御など、様々な電子構成部品を動作させることができる。ハイブリッド機関車または他のハイブリッド電気推進システムでは、バッテリに貯蔵された電気エネルギーを使用して車両を動かすこともできる。さらに、バッテリ114を使用して、エンジン106を停止状況から始動させるために初充電することができる。
【0021】
図示の例では、エネルギー貯蔵装置がバッテリを含むが、代替の実施形態では、電気エネルギー貯蔵装置が複数のエネルギー貯蔵バンクを備えるエネルギー貯蔵システムでよい。それらの貯蔵バンクは、例えば、スーパーキャパシタもしくはウルトラキャパシタ、フライホイール、バッテリ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。貯蔵バンクは、別々に使用しても、任意の組み合わせで使用してもよい。組み合わせの場合は、単一のエネルギー貯蔵装置の使用では実現されない相乗的な利益を様々な貯蔵バンクで提供することができる。例えば、フライホイールシステムは、電気エネルギーを比較的迅速に貯蔵することができるが、そのエネルギー貯蔵の全容量は比較的限定されていることがある。一方、バッテリシステムは、比較的ゆっくりとエネルギーを貯蔵するが、全貯蔵容量が大きくなるように構成することができる。したがって、組み合わせたときは、フライホイールは、バッテリによって適時に確保できない発電制動エネルギーを確保することができ、フライホイールに貯蔵されたエネルギーは、その後、バッテリを充電するために使用することができる。このようにして、エネルギー貯蔵システムの全体の貯蔵能力および確保能力は、フライホイール単独またはバッテリ動作単独での限界を超えて拡大される。代替の実施形態では、エネルギー貯蔵装置を、大電力および/またはエネルギーの要件を満たすように、同じタイプまたは異なるタイプの複数のエネルギー貯蔵バンクと組み合わせることができる。一例では、エネルギー貯蔵装置は、例えば複数のリチウムイオンバッテリなど、複数のバッテリを含む。
【0022】
同じ機関車または代替の機関車に複数のエネルギー貯蔵バンクを配置できることが理解されよう。さらに、バッテリ114などの車載型エネルギー貯蔵装置にエネルギーを伝達するために代替のエネルギー源117を使用することができる。代替のエネルギー源117および/またはエネルギー貯蔵バンクは、エンジンによって充電し、エネルギー管理システム116によって管理することもできる。
【0023】
アンペア時またはキロワット時で示される、バッテリのエネルギー量は、利用可能なエネルギーではなく、典型的には、バッテリに貯蔵された全エネルギーを反映することができる。したがって、代替として放電深度(DOD、depth of discharge)として表される、バッテリの充電状態(SOC、state of charge)の下限は、実際に利用可能なエネルギーを反映することができる。一例では、DODは80%でよく、これはエネルギー量全体のうち80%しか使用できないことを示す。充電/放電速度ならびに/あるいはバッテリ114へのおよび/またはそこからの電力移送速度を、エネルギー管理システム116によって制御することができる。
【0024】
さらに、エネルギー管理システム116は、パワーエレクトロニクス、DC/DCコンバータまたは双方向ブーストコンバータ、電気接続装置、接触器、およびダイオードを含むことができる。エネルギー管理システム116に含むことができる双方向ブーストコンバータ(図示せず)は、代替のエネルギー貯蔵システム、例えば、複数のエネルギー貯蔵装置から構成されたエネルギー貯蔵システム中のウルトラキャパシタまたは第2のバッテリの電圧をバッテリ114の電圧から減結合する。
【0025】
エネルギー管理システム116は、バッテリの状況に関係するデータを受け取るように構成することができ、そのデータは、バッテリの充電状態(SOC)、バッテリの温度および温度勾配、使用頻度、経過した充電/放電サイクルの数、電力移送の電流および電圧、充電/放電モードの動作時間の和、完了した車両の任務数、車両の移動距離、動作経過時間など含むが、これらに限定されない。さらに、GPSなど、関連の位置特定システム、またはTrip Optimizer(登録商標)ソフトウェア(2007年9月27日出願の米国特許出願公開第20070219680A1号参照)からの入力は、勾配、制限速度、曲率、および高度を含むがそれらに限定されない、現在の任務ルートのエネルギー管理システムに詳細なプロファイルを提供することができる。あるいは、こうしたデータを、車両のトン数、速度、積載量、または他の統計的入力などの動作パラメータから判定することができる。さらに、こうしたデータを、動作時間、例えば、昼の動作対夜の動作および/または交通量の多い時間の動作対少ない時間の動作に基づいて判定することができる。エネルギー管理システム116は、受け取ったデータから、現在の充電/放電機会の詳細なプロファイルを計算することができる。車両用エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの電力移送速度は、電力移送機会の所定の期間に基づいて、その電力移送機会の期間に電力移送のある期間を適合させ、やはり指定の充電状態を実現するように、電力移送機会中にエネルギー管理システムによって調節することができる。電力移送速度はさらに、エネルギー貯蔵装置の動作条件に応じて調節することができる。一例では、動作条件は装置の経年数である。別の例では、動作条件は装置の温度である。複数のエネルギー貯蔵バンクで動作するときは、異なる経年数、構成、寿命と速度の伝達関数(例えば、非線形でよい、バッテリ寿命短縮と充電速度の関係)、および関連の特性、バンクの中および/または外および/または中間への電力移送速度をそれぞれ、関連する各バンクの上記の特性に応じて調節することができることが理解されよう。したがって、個々のバッテリまたはバッテリバンクの充電速度を、こうした特性ならびに充電機会の推定期間に基づいて調節することができる。したがって、バッテリの経年数、使用頻度、効率、および他の動作パラメータに応じて、最大および最小の充電/放電速度を割り当てることができる。任意選択で、またはさらに、同じパラメータを使用して、所望の充電状態に関する最大および最小の閾値を割り当てることができる。任務および/またはバッテリ動作パラメータが変化するときは、充電/放電プロファイルを変更および更新することができる。
【0026】
図2に、所与の所望の充電状態に関する代替の充電プロファイルを示す例示的なマップ200を示す。図示のように、マップ200は、所与のバッテリに対する3つの充電プロファイル202、204および206を有する。バッテリは、充電の速度に関する予め設定した高閾値および低閾値(それぞれROCmaxおよびROCmin)を有することができる。バッテリがROCmaxを超えて充電される場合は、バッテリ構成要素の過熱およびそれに続く劣化が生じることがあり、バッテリ性能の低下につながる。バッテリの充電がROCmin未満の場合は、加速された充電消費が起きることがあり、これはバッテリ容量に悪影響を及ぼす。所与の所望の充電状態に関する代替の放電プロファイルについて同様のマップを計算することができることが理解されよう。異なる充電プロファイル(202、204、206)の充電速度、および充電期間はほとんど異なる。しかし、これらの3つのプロファイルが全て、各曲線の下の領域で計算できるような同じ最終の充電状態をもたらすことが理解されよう。充電プロファイル202は、(最大の大きさで表される)最高の充電速度を有するが、最も短期間で充電される。一例として、エネルギー貯蔵装置を、250kWhの充電を行うのに1000kW15分で充電することができる。したがって、充電プロファイル202はデフォルト(未調節)の最大電力移送速度プロファイルでよい。例えば、現在の電力移送機会がより短い期間のものであり、かつ/またはバッテリがあまり経年変化していないときは、充電プロファイル202を選択することができる。あるいは、充電速度の変化が、故障率の大幅な低下、寿命の延長、冷却力の低減、または関連の構成要素に対する電圧/電流のストレスの低減などの重大な利益をもたらさないときに充電プロファイル202を選択することができる。プロファイル204を介してプロファイル206に向かうときは、充電速度は低下し、充電期間は長くなる。一例として、エネルギー貯蔵装置を、(プロファイル204の例として)600kW25分、または(プロファイル206の例として)250kW60分で充電することができる。例えば、現在の電力移送機会がより長い期間のものであり、かつ/またはバッテリが経年変化し、したがって、より速い速度の充電がバッテリの寿命にとって好ましくない、高い内部抵抗が生じるときに、調節した充電プロファイル204または206を選択することができる。あるいは、速度を低下させることで、装置の故障率を低減し、装置の劣化速度を低下させ、かつ/または装置の寿命を改善するときに、こうした電力移送プロファイルを選択することができる。図示の例は異なる充電プロファイルに関する充電速度(ROC)に対する共通の上限および下限を示すが、代替の実施形態では、充電プロファイルそれぞれが、充電速度に関して独立に割り当てられた上限および下限を有してよいことが理解されよう。所望の充電状態に関する高閾値および低閾値は、例えば、エネルギー貯蔵装置の温度、SOC、および経年数に応じて調節することができる。あるいは、装置の動作条件に応じてそれらの限度を割り当てることができる。一例では、温度または装置の経年数が上昇するにつれて、指定の充電状態に関して、高閾値を低下させることができ、低閾値を上昇させることができ、それにより、装置に過剰な熱が生じることが防止される。あるいは、所望の最大SOCを低くすることができる。エネルギー貯蔵装置がエネルギー貯蔵バンクを複数含むときは、個々のバンクそれぞれに関するROCおよび/またはSOCの最大閾値を、経年数、温度、使用頻度、およびバンクの特性に影響する他の性能に応じて独立に調節することができる。一例では、1つのバンクに関するROCおよび/またはSOCを上昇させることができるが、正味の明確な利益を生み出すために別のバンクについてのROCおよび/またはSOCを低下させることができる。例えば、エネルギー貯蔵バンクに基づいて、経年数が異なる複数のバッテリを有するエネルギー貯蔵装置を動作させるときは、より新しいバッテリの電力の使用を増やすことができ、より古いバッテリの使用を減らすことができる。さらに、複数のエネルギー貯蔵バンクの間、および/またはそれらのうちの少なくとも1つの中および外への電力移送速度を、エネルギー貯蔵バンクの動作条件に応じて調節することができる。一例では、これは、電力移送期間に装置の温度が上昇するときに装置の電力移送速度を低下させることによって実現することができる。同様にして、温度条件が異なる複数のエネルギー貯蔵バンクで動作するときは、各バンクの温度に応じてバンクの電力移送プロファイルを調節することができる。例えば、より低温のバンクの電力移送の使用を増加させながらより高温の電力の使用/伝達を減少させることができる。
【0027】
このようにして、現在の電力移送機会の全期間に電力移送を最大にするようにエネルギー貯蔵装置の電力移送プロファイルを調節することができる。ROCの最大閾値での電力移送の頻度を低下させ、(可能なときは事前の情報に基づいて)エネルギーエクスカーションを延長することによって、故障率を低減し貯蔵装置の動作寿命を改善しながら効率的な電力移送を実現することができる。
【0028】
図3に、充電/放電プロファイルルーチン300を示す。その充電/放電プロファイルルーチン300は、バッテリの電力移送プロファイルを判定するようにエネルギー管理システム116または機関車制御システムのマイクロプロセッサによって実行することができる。そのルーチンにより、電力移送機会の開始時に電力移送速度および/または電力レベルを調節することによって、現在の電力移送機会の終わりに所望のSOCを実現することができる。一例では、現在の電力移送機会は長期間の充電機会である。本明細書では、充電機会の全期間にわたって最大電流レベル(ROCmax)で充電すると、充電の終了が早くなる。言い換えると、最大電流レベル(ROCmax)で充電するときは、充電機会の推定期間の一部の中で所望の充電状態を実現することができる。したがって、充電機会の推定期間を満たすように、充電速度を低下させることができ、充電期間を長くすることができる。したがって、調節した低い速度で充電するときに、充電機会の実際の終了時に近いときに所望の充電状態を実現することができる。
【0029】
別の例では、現在の電力移送機会は短い期間の充電機会であり、その期間中の最大電流レベルでの充電がバッテリの過充電になることはない。本明細書では、電力移送プロファイルは、短い期間の最後であるが早くない時期に所望の充電状態を実現できるように、未調節のままにすることができ、(デフォルトの)最大閾値レベルで維持することができる。このようにして、いずれかの充電機会中に確保したエネルギー量を、効率的なエネルギー伝達を可能にしながら最大にすることができる。こうした方法は、バッテリの寿命を改善することもできる。図示の例は充電機会が終わるまでの所望のSOCの実現を示すが、代替の実施形態では、こうした動作が追加の利益をもたらす場合に現在の電力移送機会が終わる前に所望のSOCを実現できることが理解されよう。一例では、ダイオードなどのインターフェース機器に一定の電力消費が存在するので追加の利益を実現することができる。
【0030】
電力移送機会は、2種類、すなわち、充電機会または放電機会でよい。エネルギー管理システム116を、アクティブ動作中に放電エネルギーを向けるべき位置を特定するように構成することができる。一例では、車両をモニタリングするために放電エネルギーを印加することが望ましい場合がある。別の例では、複数のエネルギー貯蔵バンクで動作するときは、代替のバンクのうちの1つのバンクから放電されたエネルギーを貯蔵することがより望ましい場合がある。別の例では、代替の選択肢が利用できない場合に、放電エネルギーを抵抗器のグリッドによって放散することができる。エネルギー管理システムは、充電エネルギーがどこから得られるかを指定することもできる。一例では、回生制動エネルギーから(一気に)充電エネルギーを得ることができるが、代替の例では、エンジンから、またはより制御された形で別の利用可能なエネルギー貯蔵バンクから、充電エネルギーを得ることができる。
【0031】
302では、バッテリの現在のSOC(Q)が判定される。それらに限定されないが、(例えば鉛蓄電池の)バッテリ電解質の比重測定値、電圧および/または電流の測定値、セルのインピーダンス測定値、あるいはそれらの組み合わせに基づいて、これを推定することができる。あるいは、SOCの判定を、バッテリの動作時間、車両の移動距離、または他の適切なパラメータの推定値から推測することができる。304では、現在の電力移送機会の期間(本明細書ではエネルギーエクスカーション「t」とも呼ばれる)が判定される。306では、現在のエネルギーエクスカーションのSOC(ΔQ)の最大の変化を判定することができる。エネルギー管理システムは、最大の大きさのSOCの変化を計算することを目指すことができる。したがって、車両システムが現在のエネルギーエクスカーションに供給できる最大電流または電力プロファイルをバッテリが受け入れた場合、ΔQは、バッテリの状態をそれによって変更できる充電量を表す。さらに、現在の電力移送機会が充電の場合は、ΔQに正の値を割り当てることができる。現在の電力移送機会が放電の場合は、ΔQに負の値を割り当てることができる。
【0032】
一例では、現在のエネルギーエクスカーションおよびSOCの最大の変化は、以前に同じ任務を経たときの同じ車両の履歴および/または統計的分析に基づいて判定することができる。あるいは、以前に同様の任務を経たときの同じ車両の履歴に基づくことができる。代替の実施形態では、同じ任務を経た他の車両の履歴に基づいて、または同様の任務を経た他の車両の統計的平均値に基づいてSOCの最大の変化を計算できることが理解されよう。ルートプロファイルのデータベースまたはスケジュールは、勾配、制限速度、高度、および曲率に関係する詳細を含むことができる。履歴データおよび関連の統計的データを、予め計算することができ、任務の途中でエネルギー管理システムによって簡単にアクセス可能なデータベース、またはルックアップテーブルで利用することができる。現在の機関車の位置をデータベースまたはルックアップテーブルと比較することによって、現在の電力移送機会の期間を判定することができる。その期間は、履歴データおよび統計的データの代わりに、予測した電力使用に基づいてよいことが理解されよう。
【0033】
同様のデータに基づいてSOCの最大の変化を計算することができる。ΔQを計算しながら検討できる追加のデータは、車両の積載量、空重、平均燃料消費量、任務の分野、位置、制限速度、所望の速度プロファイル、交通渋滞パラメータ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。現在のエクスカーションとデータベースの間の変動を考慮するために、計算した充電/放電機会の期間からバッファ時間を引くことができる。
【0034】
308では、現在の電力移送機会の期間(「t」)全体の、最大電流レベル(ROCmax)での、すなわちデフォルトの電力移送プロファイルでの充電(または放電)がバッテリの過充電(または過放電)になるかどうかが判定される。一例では、これは、現在のSOCとSOC(すなわち、Q+ΔQ)の最大の変化の和を、所望の充電状態(SOCdes)の閾値(SOCmax≧SOCdes≧SOCminになるような、充電の場合のSOCmax、放電の場合のSOCmin)と比較することによって判定することができる。過充電も過放電も予期されない場合は、310で未調節(最大)の電力移送プロファイルを用いることができる。
【0035】
308で過充電(または過放電)が起きることが判定された場合は、312では目標SOCを超えることを避けるように最初に調節した電力移送プロファイルを計算することができる。前に図2で詳細に述べたように、エネルギーエクスカーションの期間および所望の最終SOCに基づいて電力移送速度を選択することができる。具体的には、電力移送速度を調節するステップが、電力移送機会の期間が長くなるときは、電力移送機会の所定の期間を実質的に満たすように電力移送機会の期間を延ばしながら電力移送速度を遅くするステップを含み、さらに、電力移送機会の期間が短くなるときは、電力移送機会の所定の期間を実質的に満たすように電力移送期間を短縮しながら電力移送速度を速くするステップを含む。
【0036】
一例では、図2に示すように目標SOCに達するまで、充電プロファイルをより低いレベルに正確に計算および調節することができる。別の例では、目標SOCを確実に満たすために電流プロファイルの低減を正確に計算することはできないが、その代わりに、最大電流プロファイルを所定の量などの適切な量によって、または所定の要因によって低減することができる。その所定の量または要因は、車両および/または任務の履歴データベースの詳細に基づいて割り当てることができる。
【0037】
314では、バッテリのパラメータに影響する追加の性能を、エネルギー貯蔵装置の動作条件に応じて電力移送速度をさらに調節できるように判定することができる。これらは、装置の経年数、装置の動作温度、使用頻度、経過した充電/放電サイクルの数、バッテリの全動作時間、およびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。一例では、バッテリは古いバッテリでよい。経年劣化したバッテリの性能の損失は、多くの場合、各動作サイクル中に受けたダメージが蓄積することが原因である。バッテリが経年変化するときは、内部抵抗が増大し、したがって、同じ充電状態および同じ電流レベルに関しては、経年変化したバッテリがより多く熱を発生させる傾向がある。したがって、より低いROCmaxおよびより高いROCminを割り当て、したがって、バッテリの電力移送速度をさらに低下させることが望ましい場合がある。パラメータに影響する個々の性能それぞれについて補償係数を計算することができる。あるいは、エネルギー管理システムに構成したルックアップテーブルから予め計算した補償係数を読み取ることができる。したがって、316では、パラメータに影響する性能の補償係数を考慮しながら、性能を調節した電力移送プロファイルを電力移送機会の期間中に計算および使用することができる。
【0038】
このようにして、調節済みのあまり強くない電力移送プロファイルを提供することによって、いくつかの利益を実現することができる。具体的には、効率的なエネルギー伝達、バッテリの寿命の延長、バッテリ構成要素に加熱の低減、および他の車両システム構成要素へのストレスの低減を、最大未満の電流プロファイルを使用して実現することができる。
【0039】
さらに、電力移送機会中にエネルギー貯蔵装置の電力移送プロファイルを調節することによって、充電機会の期間の事前の知識に基づいて、効率的な電力移送を実現することができる。装置の経年数、温度、容量、および他の動作特性などのパラメータに影響する性能を補償しながら電力移送プロファイルを調節することによって、バッテリの動作寿命を延ばし、性能を向上させることができる。
【0040】
本明細書では、機関車および他の車両に関して本発明の例示的な実施形態を説明しているが、一般に定置型発電システムを含む動力システムに適用可能であることも理解される。そのためには、指定の任務について検討するときに、これは動力システムで実行するタスクまたは要件を含む。定置の用途、例えば、1つまたは複数の発電機を含む定置型発電ステーション、または発電ステーションのネットワークの場合には、指定の任務は、(1つまたは複数の)発電ステーションによって単独でまたは協働して満たされるワット数または他のパラメータもしくは要件、および/または電力網、電気バスなどからの過剰な電力を貯蔵するように、推定されたまたは既知の機会を参照することができる。ディーゼル燃料の発電システム(例えば、電気エネルギー貯蔵システムにエネルギーを供給するディーゼル発電機システム)の場合は、動作条件は、発電機速度、負荷、燃料供給値、タイミングなどのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0041】
この書面による明細書は、最良の形態を含む本発明を開示し、任意の装置またはシステムを作製および使用し、組み合わせた任意の方法を実行することを含めて、当業者が本発明を実施できるようにするいくつかの例を用いる。特許性のある本発明の範囲は、請求項によって定義され、当業者が思いつく他のいくつかの例を含むことができる。請求項の文字通りの言葉と相違ない構造上の要素を有する場合、または請求項の文字通りの言葉との相違が実質的でない等価の構造上の要素を含む場合は、このようないくつかの他の例は特許請求の範囲内に包含されるものである。
【符号の説明】
【0042】
100 機関車
102 主エンジンハウジング
103 運転室
104 軌道
106 ディーゼルエンジン
108 交流発電機
110 電気バス、DCバス
112 インバータ
114 バッテリ
116 エネルギー管理システム
117 代替のエネルギー源
118 ラジエータ
120 主電動機
122 トラック
124 車軸
126 抵抗器のグリッド
128 車両制御システム
200 マップ
202 充電特性
204 充電特性
206 充電特性
300 充電/放電特性ルーチン
302 現在のSOC(Q)を判定
304 現在のエネルギーエクスカーション(t)の判定
306 現在のエネルギーエクスカーション(ΔQ)のSOCの最大変化を判定
308 現在の電力移送期間(「t」)全体の、最大電流レベル(ROCmax)での、すなわちデフォルトの電力移送特性での充電(または放電)がバッテリの過充電(または過放電)になるかどうかを判定
310 未調節の電力移送特性を使用
312 初期の調節済みの電力移送特性を計算
314 パラメータ(例えば、経年数、使用頻度、経過した充電/放電サイクルの数、動作時間の和など)に影響する性能を判定
316 性能を調節した電力移送特性を使用

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力移送機会中に車両用エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの最大電力移送速度を制御する方法であって、
所定の電力移送機会の期間に基づいて、前記電力移送の期間を前記機会の期間に適合させ、指定の充電状態を実現するように、前記車両用エネルギー貯蔵装置の前記最大電力移送速度を調節するステップと、
前記エネルギー貯蔵装置の動作条件に応じて、複数のエネルギー貯蔵バンクのうちの少なくとも1つの前記最大電力移送速度を調節するステップであって、前記動作条件が前記装置の経年数である、ステップと、
を含み、
前記最大電力移送速度を調節するステップが、前記電力移送機会の期間が長くなるにつれて、前記所定の電力移送機会の期間全体を実質的に満たして所望の充電条件を達成するように、前記電力移送の期間を延ばしながら、前記最大電力移送速度を低下させるステップを含み、
前記最大電力移送速度を調節するステップが、
第1の期間の第1の電力移送機会の間に、第1の最大速度と、
前記第1の期間より長い第2の期間の第2の電力移送機会の間に、前記第1の最大速度より小さな第2の最大速度と、
前記第1および前記第2の期間より長い第3の期間の第3の電力移送機会の間に、前記第1および前記第2の最大速度より小さな第3の最大速度と、
により動作するステップを含み、
前記エネルギー貯蔵装置は、前記複数のエネルギー貯蔵バンクを備えたエネルギー貯蔵システムである、
方法。
【請求項2】
前記エネルギー貯蔵装置の温度および経年数に応じて、前記所望の充電状態に関する高閾値および低閾値を調節するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電力移送機会中に車両用エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの電力移送速度を制御する方法であって、
所定の電力移送機会の期間に基づいて、前記電力移送の期間を前記機会の期間に適合させ、指定の充電状態を実現するように、前記車両用エネルギー貯蔵装置の前記電力移送速度を調節するステップと、
前記エネルギー貯蔵装置の温度および経年数に応じて所望の充電状態に関する高閾値および低閾値を調節するステップと、
を含み、
前記電力移送速度を調節するステップが、前記電力移送機会の期間が長くなるにつれて、前記所定の電力移送機会の期間を実質的に満たすように、前記電力移送の期間を延ばしながら、前記電力移送速度を低下させるステップを含み、
高閾値および低閾値を調節するステップが、装置の温度または経年数が上昇するにつれて、前記指定の充電状態に関する前記高閾値を低下させ、前記低閾値を上昇させるステップを含む、
方法。
【請求項4】
エネルギー貯蔵装置と制御システムとを備える車両用システムであって、
前記エネルギー貯蔵装置が第1の経年数および第1の温度である、第1の所定の電力移送機会の期間を有する第1の電力移送機会中に、前記制御システムが、第1の電力移送の期間の第1の最大電力移送速度で前記エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの電力を移送するように構成され、前記第1の最大電力移送速度が、前記第1の所定の電力移送機会の期間全体を満たすように所望の充電状態に対する第1の高閾値および第1の低閾値を有し、
前記エネルギー貯蔵装置が前記第1の経年数および前記第1の温度である前記第1の所定の期間より長い第2の所定の電力移送機会の期間を有する第2の電力移送機会中に、前記制御システムが、第2の電力移送の期間の第2の最大電力移送速度で前記エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの電力を伝達するように構成され、前記第2の所定の電力移送機会の期間全体を満たすように、前記第2の最大電力移送速度が前記第1の最大電力移送速度より小さく、前記第2の電力移送の期間が前記第1の電力移送の期間より長く、
前記エネルギー貯蔵装置が前記第1の経年数より大きな第2の経年数および前記第1の温度より高い第2の温度である、前記第1の所定の電力移送機会の期間を有する第3の電力移送機会中に、前記制御システムが、前記第1の電力移送期間の第3の最大電力移送速度で前記エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの電力を伝達するように構成され、前記第1の所定の電力移送機会の期間全体をに満たすように、前記第3の最大電力移送期間が前記第1の最大電力移送期間より小さい、
車両用システム。
【請求項5】
エネルギー貯蔵装置と制御システムとを備える車両用システムであって、
前記エネルギー貯蔵装置が第1の経年数および第1の温度である、第1の所定の電力移送機会の期間を有する第1の電力移送機会中に、前記制御システムが、第1の電力移送の期間の第1の電力移送速度で前記エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの電力を伝達するように構成され、前記第1の電力移送速度が、前記第1の所定の電力移送機会の期間を実質的に満たすように所望の充電状態に関する第1の高閾値および第1の低閾値を有し、
前記エネルギー貯蔵装置が前記第1の経年数および前記第1の温度である、前記第1の所定の期間より長い第2の所定の電力移送機会の期間を有する第2の電力移送機会中に、前記制御システムが、第2の電力移送の期間の第2の電力移送速度で前記エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの電力を伝達するように構成され、前記第2の所定の電力移送機会の期間を実質的に満たすように、前記第2の電力移送速度が前記第1の電力移送速度より遅く、前記第2の電力移送の期間が前記第1の電力移送の期間より長く、
前記エネルギー貯蔵装置が前記第1の経年数より大きな第2の経年数および前記第1の温度より高い第2の温度である、前記第1の所定の電力移送機会の期間を有する第3の電力移送機会中に、前記制御システムが、前記第1の電力移送期間の第3の電力移送速度で前記エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの電力を伝達するように構成され、前記第1の所定の電力移送機会の期間を実質的に満たすように、前記第3の電力移送期間が前記第1の電力移送期間より短く、
前記制御システムが、前記第3の電力移送機会中に、前記第3の電力移送速度の第2の高閾値および第2の低閾値を調整し、該調整は、前記第2の高閾値を前記第1の高閾値よりも小さく設定し、前記第2の低閾値を前記第1の低閾値よりも大きく設定する、
車両用システム。
【請求項6】
エネルギー貯蔵装置とディーゼル電気推進システムをと含む車両の動作方法であって、
電力移送機会の間に、前記電力移送機会の情報に基づいて、各電力移送機会の期間を予め決定するステップと、
指定の充電状態を達成するための電力移送の実期間を調整するために、予め決定された前記期間に基づいて、前記エネルギー貯蔵装置の最大電力移送速度を調整するステップと、
を含み、
前記実期間は、前記各電力移送機会の予め決定された前記期間を適合させるように調整され、
第1の電力移送機会の間に、前記ディーゼル電気推進システムから前記エネルギー貯蔵装置に電力が移送され、
第2の電力移送機会の間に、前記車両の前記ディーゼル電気推進システム以外の代替のエネルギー源から前記エネルギー貯蔵装置に電力が移送される、
動作方法。
【請求項7】
前記ディーゼル電気推進システムから移送される前記電力が、発電制動電力および過剰な原動機電力を含む、請求項6に記載の動作方法。
【請求項8】
前記車両用エネルギー貯蔵装置がディーゼル電気推進システム上に含まれ、
車両用エネルギー貯蔵装置へのおよび/またはそこからの最大電力移送速度が、前記ディーゼル電気推進システムから前記車両用エネルギー貯蔵装置へ移送される発電制動電力および過剰な原動機電力の最大電力移送速度を含む、
請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−102686(P2013−102686A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−10706(P2013−10706)
【出願日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【分割の表示】特願2011−520074(P2011−520074)の分割
【原出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】