車両用グローブボックス構造
【課題】車体の軽量化を図ることを可能にするとともに、荷重伝達を円滑に車体側構造体に逃がすことを可能にする。
【解決手段】インストルメントパネル16下部に配置され物品を収納する収納部21と、インストルメントパネル16に開閉自在に取付けられ、収納部21を覆うリッド部23と、を備えた車両用グローブボックス構造において、リッド部23に、収納部21側に設けられたインナパネル31と、このインナパネル31の表面31a側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネル33と、インナパネル31に取付けられ、ハニカム構造のリブ群32に中間パネル33を挟み込むアウタパネル34と、を備えた。さらに、リッド部23の上端23aを車体前後方向に受ける衝撃伝達部材24が車体側構造体22から延出された。
【解決手段】インストルメントパネル16下部に配置され物品を収納する収納部21と、インストルメントパネル16に開閉自在に取付けられ、収納部21を覆うリッド部23と、を備えた車両用グローブボックス構造において、リッド部23に、収納部21側に設けられたインナパネル31と、このインナパネル31の表面31a側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネル33と、インナパネル31に取付けられ、ハニカム構造のリブ群32に中間パネル33を挟み込むアウタパネル34と、を備えた。さらに、リッド部23の上端23aを車体前後方向に受ける衝撃伝達部材24が車体側構造体22から延出された。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部が設けられ、車体側構造体に開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部を設けた車両用グローブボックス構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用グローブボックス構造は、物品を収納するボックス本体(収納部)と、ボックス本体に一体的に設けられた樹脂製のインナパネルと、このインナパネルの外側に取付けられた樹脂製のアウタパネルと、でグローブボックスが構成され、このグローブボックスを、インストルメントパネルの開口部に開閉可能に取付けたものである。
インナパネルには、アウタパネル側に突出され、インナパネル及びアウタパネルを補強する補強用リブが一体的に設けられている。
【0003】
この車両用グローブボックス構造によれば、コストの低減及び組立性の向上を図ることが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−119040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1の車両用グローブボックス構造は、インナパネルには、アウタパネル側に突出され、インナパネル及びアウタパネルを補強する補強用リブが一体的に設けされている。しかし、インナパネルに補強用リブを一体的に形成しただけでは、所望の荷重伝達能力が満足できないこともあり、補強用リブの代わりに、鉄板で形成されたニーボルスタ(伝達部材)をインナパネルとアウタパネルとの間に介在させることもある。これでは、車体の軽量化を図ることができない。
【0006】
また、特許文献1の車両用グローブボックス構造では、インナパネル及びアウタパネルの上部からインナパネル及びアウタパネルに作用する荷重を車体側構造体に伝達するような配慮はされてない。すなわち、このような車両用グローブボックス構造において、荷重の伝達効率を向上することで、インナパネル及びアウタパネルの強度及び剛性の不足を補うことができると考えられる。
【0007】
本発明は、車体の軽量化を図ることができるとともに、荷重の伝達効率を向上を図ることができる車両用グローブボックス構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部と、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部と、を備えた車両用グローブボックス構造において、リッド部に、収納部側に設けられたインナパネルと、このインナパネルの表面側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群と、このハニカム構造のリブ群にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネルと、インナパネルに取付けられ、ハニカム構造のリブ群に中間パネルを挟み込むアウタパネルと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部と、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部と、を備えた車両用グローブボックス構造において、リッド部の上端を、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材が車体側構造体から延出され、衝撃伝達部材が、平面視で略T字型に形成され、略T字型の垂直部分に相当する垂直部の端部が車体側構造体に支持され、略T字型の水平部分に相当する水平部でリッド部の上端を受けることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、収納部が、インナパネルの裏面に設けられ、インナパネルとともにインストルメントパネルからせり出す突出式の収納部であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、中間パネルが、ハニカム構造のリブ群に嵌め込まれるとともに、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルの数より少ない略六角形の中間パネル側セルが形成され、略六角形の中間パネル側セルが、インナパネル側セルに選択的に嵌め込まれることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルが、複数種の形状の略六角形で構成されたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、衝撃伝達部材を、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、リッド部に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、車体側構造体が、車幅方向に延出され、ステアリングを支持するステアリングハンガであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、車両用グローブボックス構造に、インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部と、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部と、を備える。
リッド部に、インナパネルの表面側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群と、このハニカム構造のリブ群にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネルとを、インナパネルとアウタパネルとの間に介在させたので、例えば、乗員の膝からの衝撃を伝達する鉄板で形成されたニーボルスタ(緩衝部)を介在させなくとも、十分な衝撃伝達能力をリッド部に付与することができる。この結果、鉄板のニーボルスタ(緩衝部)を介在させる場合に比べて車体の軽量化を図ることができる。
【0016】
請求項2に係る発明では、リッド部の上端を、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材が車体側構造体から延出される。衝撃伝達部材が、平面視で略T字型に形成され、略T字型の垂直部分に相当する垂直部の端部が車体側構造体に支持され、略T字型の水平部分に相当する水平部でリッド部の上端を受けるので、水平部でリッド部から伝達される荷重を均等に受け、垂直部で車体側構造体に荷重を効率よく伝達することができる。例えば、垂直部と水平部が繋がれる外形を曲線にすることで、リッド部から車体側構造体への荷重伝達をさらに円滑におこなうことができる。すなわち、リッド部の荷重の伝達効率を向上を図ることができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、収納部が、インナパネルの裏面に設けられ、インナパネルとともにインストルメントパネルからせり出す突出式の収納部であるので、リッド部の奥には衝撃を伝達する部材がなく、リッド部に衝撃伝達能力を持たす必要がある。
従って、リッド部に、インナパネルの表面側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群と、このハニカム構造のリブ群にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネルとを、インナパネルとアウタパネルとの間に介在させたので、十分な衝撃伝達能力をリッド部に付与することができた。
また、リッド部の上端を、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材が車体側構造体から延出され、衝撃伝達部材が、平面視で略T字型に形成され、垂直部の端部が車体側構造体に支持され、水平部でリッド部の上端を受けるので、リッド部にかかる荷重を車体側構造体に伝達できる。
すなわち、十分な衝撃伝達能力をリッド部に付与するとともに、リッド部にかかる荷重を車体側構造体に伝達することで、収納部が、インナパネルの裏面に設けられ、インナパネルとともにインストルメントパネルからせり出す突出式の収納部であっても、乗員の膝を十分に保護することができる。
【0018】
請求項4に係る発明では、中間パネルが、ハニカム構造のリブ群に嵌め込まれたので、中間パネル及びハニカム構造のリブ群のそれぞれの耐力の向上を図ることができる。また、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルの数より少ない、略六角形の中間パネル側セルが中間パネルに形成され、略六角形の中間パネル側セルが、インナパネル側セルに選択的に嵌め込まれるので、伝達荷重の分散を図ることができる。
【0019】
請求項5に係る発明では、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルが、複数種の形状の略六角形で構成されたので、インナパネルの破断荷重を部分的に異ならせることができる。これにより、応力集中する部分の強度を意図的に高めることができる。
【0020】
請求項6に係る発明では、衝撃伝達部材を、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、リッド部に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせたので、乗員の膝からの荷重の伝達効率の向上を図ることができる。
【0021】
請求項7に係る発明では、車体側構造体が、車幅方向に延出され、ステアリングを支持するステアリングハンガである。ステアリングハンガは剛性の高い部品であり、衝撃伝達部材から伝達される荷重を確実に受け止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る車両用グローブボックス構造が採用された車両を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車両用グローブボックス構造の正面図である。
【図3】図2に示された車両用グローブボックス構造のアウタパネルを外した状態の正面図である。
【図4】図2に示された車両用グローブボックス構造の内部構造が示される正面図である。
【図5】図2の5−5線断面図である。
【図6】図2に示された車両用グローブボックス構造のインストルメントパネルを外した状態を示す平面図である。
【図7】図2に示された車両用グローブボックス構造の分解斜視図である。
【図8】図2に示された車両用グローブボックス構造の中間パネルの正面図である。
【図9】図2に示された車両用グローブボックス構造の中間パネルの背面図である。
【図10】図2に示された車両用グローブボックス構造の別実施例の中間パネルの正面図である。
【図11】本発明に係る車両用グローブボックス構造の比較検討図である。
【図12】図2に示された車両用グローブボックス構造のニーボルスタ(緩衝部)の比較検討図である。
【図13】図2に示された車両用グローブボックス構造の変形を示す説明図である。
【図14】図2に示された車両用グローブボックス構造のロードパス構想を示す説明図である。
【図15】図2に示された車両用グローブボックス構造の衝撃伝達部材の取付の方向を示す作用説明図である。
【図16】図2に示された車両用グローブボックス構造の衝撃伝達部材の荷重の流れを示す作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0024】
図1に示されたように、車両10は、車室12に、運転者が着座する運転席14と、乗員が着座する助手席15と、これらの運転席14及び助手席15の前方に設けられるインストルメントパネル16と、運転席14の前方に設けられるステアリング17と、助手席15の前方に設けられ、物品を収納するグローブボックス(車両用グローブボックス)20と、が配置される。なお、車両10は、ステアリング17が左に設けられた左ハンドルの車両である。
【0025】
図2〜図6に示されたように、車両用グローブボックス構造は、インストルメントパネル16の下部に配置され物品を収納する収納部21と、インストルメントパネル16に開閉自在に取付けられ、収納部21を覆うリッド部23と、車体側構造体22から延出され、リッド部23の上端23aを、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材24と、から構成される。なお、車両用グローブボックス構造は、乗員の膝からグローブボックス20のリッド部23に入力される荷重を、左右のアブソーバ48,49で吸収するとともに、リッド部23の上端23aから衝撃伝達部材24で車体側構造体22に伝達する構造である。
【0026】
インストルメントパネル16には、リッド部23を臨ます開口部26が形成される。さらに、インストルメントパネル16側には、ロック機構35が噛み合うストライカ28が設けられている。
【0027】
リッド部23は、収納部21側に設けられた樹脂製のインナパネル31と、このインナパネル31の表面31a側に一体的に形成された樹脂製のハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32にはめ込まれ、衝撃の伝達をする樹脂製のインナパネル31の衝撃伝達能力を増す中間パネル33と、インナパネル31に取付けられ、ハニカム構造のリブ群32に中間パネル33を挟み込む樹脂製のアウタパネル34と、インナパネル31に設けられ、インストルメントパネル16にロックするロック機構35と、アウタパネル34に設けられ、インストルメントパネル16の支持部27,27(一方不図示)に嵌合する左右の軸部36,36(一方不図示)と、を備える。
【0028】
アウタパネル34には、ロック機構35のロックノブ37を突出させるノブ開口38が形成されている。ハニカム構造のリブ群32と中間パネル(蓋部材)33とで、衝撃を伝達するニーボルスタ(荷重伝達部)41が構成される。
【0029】
車体側構造体22は、車幅方向に延出され、ステアリング17(図1参照)を支持するステアリングハンガである。ステアリングハンガ22には、インナパネル31を支持する左右のステー部材42,43と、衝撃伝達部材24を支持するブラケット44と、収納部21及びリッド部23に入力される荷重を緩衝する左右のアブソーバ48,49(図7参照)と、が設けられる。詳細には、図7に示されたように、左右のアブソーバ48,49は、インナパネル31の裏面31bを受けている(支持している)。
【0030】
衝撃伝達部材24は、平面視で略T字型に形成される。詳細には、端部24aが車体側構造体(ステアリングハンガ)22に支持される略T字型の垂直部分に相当する垂直部45と、リッド部23の上端23aを、車体前後方向に受ける略T字型の水平部分に相当する水平部46と、からなる。水平部46は、インストルメントパネル16側に支持される支持片47a〜47fが形成される。
【0031】
また、水平部46は、リッド部23の閉状態でリッド部23の上端23aを支持している(受けている)。衝撃伝達部材24は、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、リッド部23に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせた。
【0032】
収納部21は、インナパネル31の裏面31bに一体的に設けられ、インナパネル31とともにインストルメントパネル16からせり出す突出式(カンガルー式)の収納部である。なお、収納部21は、インナパネル31と別に形成し、別途インナパネル31に取付けるものも含む。
【0033】
なお、ハニカム構造のリブ群32は、複数種の形状且つ変形された略六角形で構成されている。その中には五角形や矩形に形成されたものも含まれる。
【0034】
中間パネル33の表面33a(アウタパネル34側)には、矩形のリブ群53が形成される。中間パネル33の裏面33b(収納部21側)には、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セル51の数より少ない、略六角形の中間パネル側セル52が中間パネル33に形成される。
略六角形の中間パネル側セル52が、インナパネル側セル51に選択的(飛び飛びに)に嵌め込まれる。
【0035】
図10に、別実施例の中間パネル55が示される。中間パネル55は、ロック機構35の下方まで、衝撃伝達部分を延出したものである。車種の違いにより中間パネル33と別実施例の中間パネル55とを使い分けることができる。なお、中間パネル55は、中間パネル33と略同一構造のパネル(蓋部材)である。
【0036】
図11(a)に比較例の車両用グローブボックス構造が示される。比較例の車両用グローブボックス構造では、グローブボックス120が、物品を収納する樹脂製の収納部121と、収納部121に一体的に設けられた樹脂製のインナパネル124と、このインナパネル124に被せる樹脂製のアウタパネル125と、これらのインナパネル124とアウタパネル125との間に介在した鉄板の波板パネル(ニーボルスタ)126と、からなる。なお、鉄板の波板パネル126は、インナパネル124及びアウタパネル125の衝撃伝達能力を増すパネルである。
【0037】
なお、インナパネル124、アウタパネル125及び波板パネル(ニーボルスタ)126でリッド部123が形成される。
比較例の車両用グローブボックス構造では、波板パネル126に波板状の鉄板が用いられた。これでは、重量が嵩み、車体の軽量化を図ることはできない。
【0038】
図11(b)に実施例の車両用グローブボックス構造が示される。車両用グローブボックス構造では、リッド部23に、インナパネル31の表面31a側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32にはめ込まれ、衝撃の伝達をする中間パネル33とを、インナパネル31とアウタパネル34との間に介在させたので、例えば、乗員の膝からの衝撃を伝達する鉄板で形成されたニーボルスタ(荷重伝達部)126を介在させなくとも、十分な衝撃伝達能力をリッド部23に付与することができる。この結果、鉄板のニーボルスタ(荷重伝達部)126を介在させる場合に比べて車体の軽量化を図ることができる。
【0039】
図12(a)に比較例のニーボルスタ(荷重伝達部)131が示される。ニーボルスタ131は、インナパネル132にハニカム構造のリブ群133だけを設けたものである。矢印a1の如く部分的に集中荷重が作用する場合には、ハニカム構造のリブ群133の局所的な倒れや座屈が発生する。従って、荷重を広い面積に分散させることはできない。
【0040】
図12(b),(c)に実施例のニーボルスタ(荷重伝達部)41が示される。ニーボルスタ41は、インナパネル31に一体形成されたハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32に嵌合させた中間パネル(蓋部材)33と、から構成されている。従って、ハニカム構造のリブ群32の局所的な倒れや座屈の発生を防ぐことができる。
【0041】
図12(b)に示されたように、矢印a2の如く部分的に集中荷重が作用する場合にも、矢印a3,a3の如く荷重分散をすることができる。図12(c)に示されたように、荷重は、矢印a4,a4の如く広い範囲に広がってハニカム構造のリブ群32に伝達される。
【0042】
また、ニーボルスタ(荷重伝達部)41では、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セル51の数より少ない、略六角形の中間パネル側セル52が中間パネル(蓋部材)33形成され、略六角形の中間パネル側セル52が、インナパネル側セル51に選択的に嵌め込まれるので、伝達荷重の分散を促進することができる。
【0043】
図13(a)に車両用グローブボックス構造の側面が示され、リッド部23に矢印b1の如く乗員の膝からの入力(荷重)が作用すると、リッド部23は車体前方に移動する。リッド部23の上端23aが衝撃伝達部材24で車体前後方向に支持されているので、リッド部23の上端23aから衝撃伝達部材24の垂直部45に荷重が伝達され、垂直部45は矢印b2の如く曲げ変形を受ける。垂直部45は矢印b2の如く曲げ変形されると、元の状態に戻ろうとするので、リッド部23の上端23aに矢印b3の如く反力を与えることができる。この結果、リッド部23の支持剛性の向上を図ることができる。
【0044】
また、図13(b)に車両用グローブボックス構造の平面が示され、リッド部23に矢印c1の如く乗員の膝からの入力(荷重)が作用すると、インストルメントパネル16の開口部26に矢印c2,c2の如く開く方向の力が作用する。開口部26に矢印c2,c2の如く開く方向の力が作用すると、衝撃伝達部材24の水平部46に、矢印c3,c3の如く反力が生まれる。水平部46は、リッド部23の閉状態でリッド部23の上端23aを開口部26の車幅方向に長く支持しているので、開口部26の開きも防止される。
【0045】
図14に示される実施例の車両用グローブボックス構造では、矢印d1の如く作用する乗員の膝からの荷重をアウタパネル34(図2参照)、中間パネル33、ハニカム構造のリブ群32及びインナパネル31で車幅方向に矢印d2,d2の如く分散させ、左右のステー部材42,43(図4参照)を介して矢印d3,d3の如くステアリングハンガ22に伝達(ロードパス)するとともに、左右のアブソーバ48,49(図7参照)で衝撃を吸収する。さらに、矢印d1の如く作用する膝からの荷重を、衝撃伝達部材24を介して矢印d4の如くステアリングハンガ22に伝達する。
【0046】
すなわち、ハニカム構造のリブ群32に中間パネル33を被せる(サンドイッチする)ことで矢印d2,d2で示される荷重の流れを円滑に伝達することができ、左右のステー部材42,43(図4参照)を介してステアリングハンガ22に伝達する矢印d3,d3で示される荷重の流れを増強することができる。
【0047】
一方、衝撃伝達部材24を設けることで、矢印d4の如く、リッド部23の上端23aからもステアリングハンガ22に伝達する流れを増設することができる。特に、収納部21が、インナパネル31の裏面31b(図5参照)に一体的に設けられ、インナパネル31とともにインストルメントパネル16からせり出す突出式(カンガルー式)の収納部21の場合には、構造上、収納部21の上方が開口しているため強度及び剛性が低い。従って、リッド部23の上端23aを、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材24が車体側構造体22から延出することで、新たな荷重伝達経路を増設することができるとともに、車両用グローブボックス構造の強度及び剛性の向上を図ることができる。
【0048】
図15に示されるように、矢印e1の如く乗員の膝からの荷重が作用すると、この荷重が衝撃伝達部材24に矢印e2の如く伝達する。すなわち、衝撃伝達部材24を、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、リッド部23に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせた。これにより、衝撃伝達部材24の曲がりを防止して、乗員の膝からの荷重の伝達効率の向上を図ることができる。
【0049】
図16に示されたように、衝撃伝達部材24は、平面視で略T字型に形成され、略T字型の垂直部分に相当する垂直部45と、略T字型の水平部分に相当する水平部46と、から構成された。従って、矢印f1の如く膝から作用する荷重を、矢印f2〜f6の如く水平部46で荷重を全体的に受けることができ、リッド部23の上端23aの局部的な変形を回避できる。
【0050】
さらに、車両用グローブボックス構造では、衝撃伝達部材24の水平部46にストライカ28を介在させ、ロック機構35にストライカ28がロックしたときに、衝撃伝達部材24とロック機構35がストライカ28を介して結合するようにした。これにより、膝からの荷重の衝撃伝達部材24への荷重伝達効率を向上することができる。
【0051】
図2〜図6に示されたように、車両用グローブボックス構造では、インストルメントパネル16下部に配置され物品を収納する収納部21と、インストルメントパネル16に開閉自在に取付けられ、収納部21を覆うリッド部23と、を備える。
【0052】
リッド部23に、インナパネル31の表面31a側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネルとを、インナパネル31とアウタパネル34との間に介在させたので、例えば、乗員の膝からの衝撃を伝達する鉄板で形成されたニーボルスタ(荷重伝達部)41を介在させなくとも、十分な衝撃伝達能力をリッド部23に付与することができる。この結果、鉄板のニーボルスタ(荷重伝達部)41を介在させる場合に比べて車体の軽量化を図ることができる。
【0053】
図5に示されたように、車両用グローブボックス構造では、リッド部23の上端23aを、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材24が車体側構造体22から延出される。衝撃伝達部材24が、平面視で略T字型に形成され、略T字型の垂直部分に相当する垂直部45の端部24aが車体側構造体22に支持され、略T字型の水平部分に相当する水平部46でリッド部23の上端23aを受けるので、水平部46でリッド部23から伝達される荷重を均等に受け、垂直部45で車体側構造体22に荷重を効率よく伝達することができる。例えば、垂直部45と水平部46が繋がれる外形を曲線にすることで、リッド部23から車体側構造体22への荷重伝達をさらに円滑におこなうことができる。すなわち、リッド部23の荷重の伝達効率を向上を図ることができる。
【0054】
図5に示されたように、車両用グローブボックス構造では、収納部21が、インナパネル31の裏面31bに設けられ、インナパネル31とともにインストルメントパネル16からせり出す突出式の収納部であるので、リッド部23の奥には衝撃を伝達する部材がなく、リッド部23に衝撃伝達能力を持たす必要がある。
【0055】
従って、リッド部23に、インナパネル31の表面31a側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネル33とを、インナパネル31とアウタパネル34との間に介在させたので、十分な衝撃伝達能力をリッド部23に付与することができた。
【0056】
また、リッド部23の上端23aを、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材24が車体側構造体22から延出され、衝撃伝達部材24が、平面視で略T字型に形成され、垂直部45の端部24aが車体側構造体22に支持され、水平部46でリッド部23の上端23aを受けるので、リッド部23にかかる荷重を車体側構造体22に伝達できる。
【0057】
すなわち、十分な衝撃伝達能力をリッド部23に付与するとともに、リッド部23にかかる荷重を車体側構造体22に伝達することで、収納部21が、インナパネル31の裏面31bに設けられ、インナパネル31とともにインストルメントパネル16からせり出す突出式の収納部であっても、乗員の膝を十分に保護することができる。
【0058】
図5、図7〜図9に示されたように、車両用グローブボックス構造では、中間パネル33が、ハニカム構造のリブ群32に嵌め込まれたので、中間パネル33及びハニカム構造のリブ群32のそれぞれの耐力の向上を図ることができる。また、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セル51の数より少ない、略六角形の中間パネル側セル52が中間パネル33に形成され、略六角形の中間パネル側セル52が、インナパネル側セル51に選択的に嵌め込まれるので、伝達荷重の分散を図ることができる。
【0059】
図7に示されたように、車両用グローブボックス構造では、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セル51が、複数種の形状の略六角形で構成されたので、インナパネル31の破断荷重を部分的に異ならせることができる。これにより、応力集中する部分の強度を意図的に高めることができる。
【0060】
図15に示されたように、車両用グローブボックス構造では、衝撃伝達部材24を、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、リッド部23に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせたので、乗員の膝からの荷重の伝達効率の向上を図ることができる。
【0061】
図6に示されたように、車両用グローブボックス構造では、車体側構造体22が、車幅方向に延出され、ステアリング17を支持するステアリングハンガである。ステアリングハンガ22は剛性の高い部品であり、衝撃伝達部材24から伝達される荷重を確実に受け止めることができる。
【0062】
尚、本発明に係る車両用グローブボックス構造は、図5に示すように、収納部21は、インナパネル31の裏面31bに一体的に設けられ、インナパネル31とともにインストルメントパネル16からせり出す突出式(カンガルー式)の収納部21であったが、これに限るものではなく、収納部21がインストルメントパネル16の下に形成され、リッドのみを開閉するものであってもよい。
【0063】
本発明に係る車両用グローブボックス構造は、図7に示すように、インナパネルの表面31a側に一体的ハニカム構造のリブ群32を形成したが、これに限るものではなく、ハニカム構造のリブ群32は、縦長、横長、正六角形(あるいは格子、三角形、丸形、楕円形状も含む)のリブ群であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部が設けられ、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部が設けられた車両用グローブボックス構造を有する自動車への適用に好適である。
【符号の説明】
【0065】
16…インストルメントパネル、17…ステアリング、20…グローブボックス、21…収納部、22…車体側構造体(ステアリングハンガ)、23…リッド部、23a…上端、24…衝撃伝達部材、24a…端部、31…インナパネル、31b…裏面、32…ハニカム構造のリブ群、33…中間パネル、34…アウタパネル、45…垂直部、46…水平部、51…インナパネル側セル、52…略六角形の中間パネル側セル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部が設けられ、車体側構造体に開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部を設けた車両用グローブボックス構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用グローブボックス構造は、物品を収納するボックス本体(収納部)と、ボックス本体に一体的に設けられた樹脂製のインナパネルと、このインナパネルの外側に取付けられた樹脂製のアウタパネルと、でグローブボックスが構成され、このグローブボックスを、インストルメントパネルの開口部に開閉可能に取付けたものである。
インナパネルには、アウタパネル側に突出され、インナパネル及びアウタパネルを補強する補強用リブが一体的に設けられている。
【0003】
この車両用グローブボックス構造によれば、コストの低減及び組立性の向上を図ることが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−119040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1の車両用グローブボックス構造は、インナパネルには、アウタパネル側に突出され、インナパネル及びアウタパネルを補強する補強用リブが一体的に設けされている。しかし、インナパネルに補強用リブを一体的に形成しただけでは、所望の荷重伝達能力が満足できないこともあり、補強用リブの代わりに、鉄板で形成されたニーボルスタ(伝達部材)をインナパネルとアウタパネルとの間に介在させることもある。これでは、車体の軽量化を図ることができない。
【0006】
また、特許文献1の車両用グローブボックス構造では、インナパネル及びアウタパネルの上部からインナパネル及びアウタパネルに作用する荷重を車体側構造体に伝達するような配慮はされてない。すなわち、このような車両用グローブボックス構造において、荷重の伝達効率を向上することで、インナパネル及びアウタパネルの強度及び剛性の不足を補うことができると考えられる。
【0007】
本発明は、車体の軽量化を図ることができるとともに、荷重の伝達効率を向上を図ることができる車両用グローブボックス構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部と、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部と、を備えた車両用グローブボックス構造において、リッド部に、収納部側に設けられたインナパネルと、このインナパネルの表面側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群と、このハニカム構造のリブ群にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネルと、インナパネルに取付けられ、ハニカム構造のリブ群に中間パネルを挟み込むアウタパネルと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部と、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部と、を備えた車両用グローブボックス構造において、リッド部の上端を、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材が車体側構造体から延出され、衝撃伝達部材が、平面視で略T字型に形成され、略T字型の垂直部分に相当する垂直部の端部が車体側構造体に支持され、略T字型の水平部分に相当する水平部でリッド部の上端を受けることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、収納部が、インナパネルの裏面に設けられ、インナパネルとともにインストルメントパネルからせり出す突出式の収納部であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、中間パネルが、ハニカム構造のリブ群に嵌め込まれるとともに、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルの数より少ない略六角形の中間パネル側セルが形成され、略六角形の中間パネル側セルが、インナパネル側セルに選択的に嵌め込まれることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルが、複数種の形状の略六角形で構成されたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、衝撃伝達部材を、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、リッド部に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、車体側構造体が、車幅方向に延出され、ステアリングを支持するステアリングハンガであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、車両用グローブボックス構造に、インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部と、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部と、を備える。
リッド部に、インナパネルの表面側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群と、このハニカム構造のリブ群にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネルとを、インナパネルとアウタパネルとの間に介在させたので、例えば、乗員の膝からの衝撃を伝達する鉄板で形成されたニーボルスタ(緩衝部)を介在させなくとも、十分な衝撃伝達能力をリッド部に付与することができる。この結果、鉄板のニーボルスタ(緩衝部)を介在させる場合に比べて車体の軽量化を図ることができる。
【0016】
請求項2に係る発明では、リッド部の上端を、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材が車体側構造体から延出される。衝撃伝達部材が、平面視で略T字型に形成され、略T字型の垂直部分に相当する垂直部の端部が車体側構造体に支持され、略T字型の水平部分に相当する水平部でリッド部の上端を受けるので、水平部でリッド部から伝達される荷重を均等に受け、垂直部で車体側構造体に荷重を効率よく伝達することができる。例えば、垂直部と水平部が繋がれる外形を曲線にすることで、リッド部から車体側構造体への荷重伝達をさらに円滑におこなうことができる。すなわち、リッド部の荷重の伝達効率を向上を図ることができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、収納部が、インナパネルの裏面に設けられ、インナパネルとともにインストルメントパネルからせり出す突出式の収納部であるので、リッド部の奥には衝撃を伝達する部材がなく、リッド部に衝撃伝達能力を持たす必要がある。
従って、リッド部に、インナパネルの表面側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群と、このハニカム構造のリブ群にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネルとを、インナパネルとアウタパネルとの間に介在させたので、十分な衝撃伝達能力をリッド部に付与することができた。
また、リッド部の上端を、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材が車体側構造体から延出され、衝撃伝達部材が、平面視で略T字型に形成され、垂直部の端部が車体側構造体に支持され、水平部でリッド部の上端を受けるので、リッド部にかかる荷重を車体側構造体に伝達できる。
すなわち、十分な衝撃伝達能力をリッド部に付与するとともに、リッド部にかかる荷重を車体側構造体に伝達することで、収納部が、インナパネルの裏面に設けられ、インナパネルとともにインストルメントパネルからせり出す突出式の収納部であっても、乗員の膝を十分に保護することができる。
【0018】
請求項4に係る発明では、中間パネルが、ハニカム構造のリブ群に嵌め込まれたので、中間パネル及びハニカム構造のリブ群のそれぞれの耐力の向上を図ることができる。また、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルの数より少ない、略六角形の中間パネル側セルが中間パネルに形成され、略六角形の中間パネル側セルが、インナパネル側セルに選択的に嵌め込まれるので、伝達荷重の分散を図ることができる。
【0019】
請求項5に係る発明では、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルが、複数種の形状の略六角形で構成されたので、インナパネルの破断荷重を部分的に異ならせることができる。これにより、応力集中する部分の強度を意図的に高めることができる。
【0020】
請求項6に係る発明では、衝撃伝達部材を、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、リッド部に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせたので、乗員の膝からの荷重の伝達効率の向上を図ることができる。
【0021】
請求項7に係る発明では、車体側構造体が、車幅方向に延出され、ステアリングを支持するステアリングハンガである。ステアリングハンガは剛性の高い部品であり、衝撃伝達部材から伝達される荷重を確実に受け止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る車両用グローブボックス構造が採用された車両を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車両用グローブボックス構造の正面図である。
【図3】図2に示された車両用グローブボックス構造のアウタパネルを外した状態の正面図である。
【図4】図2に示された車両用グローブボックス構造の内部構造が示される正面図である。
【図5】図2の5−5線断面図である。
【図6】図2に示された車両用グローブボックス構造のインストルメントパネルを外した状態を示す平面図である。
【図7】図2に示された車両用グローブボックス構造の分解斜視図である。
【図8】図2に示された車両用グローブボックス構造の中間パネルの正面図である。
【図9】図2に示された車両用グローブボックス構造の中間パネルの背面図である。
【図10】図2に示された車両用グローブボックス構造の別実施例の中間パネルの正面図である。
【図11】本発明に係る車両用グローブボックス構造の比較検討図である。
【図12】図2に示された車両用グローブボックス構造のニーボルスタ(緩衝部)の比較検討図である。
【図13】図2に示された車両用グローブボックス構造の変形を示す説明図である。
【図14】図2に示された車両用グローブボックス構造のロードパス構想を示す説明図である。
【図15】図2に示された車両用グローブボックス構造の衝撃伝達部材の取付の方向を示す作用説明図である。
【図16】図2に示された車両用グローブボックス構造の衝撃伝達部材の荷重の流れを示す作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0024】
図1に示されたように、車両10は、車室12に、運転者が着座する運転席14と、乗員が着座する助手席15と、これらの運転席14及び助手席15の前方に設けられるインストルメントパネル16と、運転席14の前方に設けられるステアリング17と、助手席15の前方に設けられ、物品を収納するグローブボックス(車両用グローブボックス)20と、が配置される。なお、車両10は、ステアリング17が左に設けられた左ハンドルの車両である。
【0025】
図2〜図6に示されたように、車両用グローブボックス構造は、インストルメントパネル16の下部に配置され物品を収納する収納部21と、インストルメントパネル16に開閉自在に取付けられ、収納部21を覆うリッド部23と、車体側構造体22から延出され、リッド部23の上端23aを、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材24と、から構成される。なお、車両用グローブボックス構造は、乗員の膝からグローブボックス20のリッド部23に入力される荷重を、左右のアブソーバ48,49で吸収するとともに、リッド部23の上端23aから衝撃伝達部材24で車体側構造体22に伝達する構造である。
【0026】
インストルメントパネル16には、リッド部23を臨ます開口部26が形成される。さらに、インストルメントパネル16側には、ロック機構35が噛み合うストライカ28が設けられている。
【0027】
リッド部23は、収納部21側に設けられた樹脂製のインナパネル31と、このインナパネル31の表面31a側に一体的に形成された樹脂製のハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32にはめ込まれ、衝撃の伝達をする樹脂製のインナパネル31の衝撃伝達能力を増す中間パネル33と、インナパネル31に取付けられ、ハニカム構造のリブ群32に中間パネル33を挟み込む樹脂製のアウタパネル34と、インナパネル31に設けられ、インストルメントパネル16にロックするロック機構35と、アウタパネル34に設けられ、インストルメントパネル16の支持部27,27(一方不図示)に嵌合する左右の軸部36,36(一方不図示)と、を備える。
【0028】
アウタパネル34には、ロック機構35のロックノブ37を突出させるノブ開口38が形成されている。ハニカム構造のリブ群32と中間パネル(蓋部材)33とで、衝撃を伝達するニーボルスタ(荷重伝達部)41が構成される。
【0029】
車体側構造体22は、車幅方向に延出され、ステアリング17(図1参照)を支持するステアリングハンガである。ステアリングハンガ22には、インナパネル31を支持する左右のステー部材42,43と、衝撃伝達部材24を支持するブラケット44と、収納部21及びリッド部23に入力される荷重を緩衝する左右のアブソーバ48,49(図7参照)と、が設けられる。詳細には、図7に示されたように、左右のアブソーバ48,49は、インナパネル31の裏面31bを受けている(支持している)。
【0030】
衝撃伝達部材24は、平面視で略T字型に形成される。詳細には、端部24aが車体側構造体(ステアリングハンガ)22に支持される略T字型の垂直部分に相当する垂直部45と、リッド部23の上端23aを、車体前後方向に受ける略T字型の水平部分に相当する水平部46と、からなる。水平部46は、インストルメントパネル16側に支持される支持片47a〜47fが形成される。
【0031】
また、水平部46は、リッド部23の閉状態でリッド部23の上端23aを支持している(受けている)。衝撃伝達部材24は、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、リッド部23に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせた。
【0032】
収納部21は、インナパネル31の裏面31bに一体的に設けられ、インナパネル31とともにインストルメントパネル16からせり出す突出式(カンガルー式)の収納部である。なお、収納部21は、インナパネル31と別に形成し、別途インナパネル31に取付けるものも含む。
【0033】
なお、ハニカム構造のリブ群32は、複数種の形状且つ変形された略六角形で構成されている。その中には五角形や矩形に形成されたものも含まれる。
【0034】
中間パネル33の表面33a(アウタパネル34側)には、矩形のリブ群53が形成される。中間パネル33の裏面33b(収納部21側)には、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セル51の数より少ない、略六角形の中間パネル側セル52が中間パネル33に形成される。
略六角形の中間パネル側セル52が、インナパネル側セル51に選択的(飛び飛びに)に嵌め込まれる。
【0035】
図10に、別実施例の中間パネル55が示される。中間パネル55は、ロック機構35の下方まで、衝撃伝達部分を延出したものである。車種の違いにより中間パネル33と別実施例の中間パネル55とを使い分けることができる。なお、中間パネル55は、中間パネル33と略同一構造のパネル(蓋部材)である。
【0036】
図11(a)に比較例の車両用グローブボックス構造が示される。比較例の車両用グローブボックス構造では、グローブボックス120が、物品を収納する樹脂製の収納部121と、収納部121に一体的に設けられた樹脂製のインナパネル124と、このインナパネル124に被せる樹脂製のアウタパネル125と、これらのインナパネル124とアウタパネル125との間に介在した鉄板の波板パネル(ニーボルスタ)126と、からなる。なお、鉄板の波板パネル126は、インナパネル124及びアウタパネル125の衝撃伝達能力を増すパネルである。
【0037】
なお、インナパネル124、アウタパネル125及び波板パネル(ニーボルスタ)126でリッド部123が形成される。
比較例の車両用グローブボックス構造では、波板パネル126に波板状の鉄板が用いられた。これでは、重量が嵩み、車体の軽量化を図ることはできない。
【0038】
図11(b)に実施例の車両用グローブボックス構造が示される。車両用グローブボックス構造では、リッド部23に、インナパネル31の表面31a側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32にはめ込まれ、衝撃の伝達をする中間パネル33とを、インナパネル31とアウタパネル34との間に介在させたので、例えば、乗員の膝からの衝撃を伝達する鉄板で形成されたニーボルスタ(荷重伝達部)126を介在させなくとも、十分な衝撃伝達能力をリッド部23に付与することができる。この結果、鉄板のニーボルスタ(荷重伝達部)126を介在させる場合に比べて車体の軽量化を図ることができる。
【0039】
図12(a)に比較例のニーボルスタ(荷重伝達部)131が示される。ニーボルスタ131は、インナパネル132にハニカム構造のリブ群133だけを設けたものである。矢印a1の如く部分的に集中荷重が作用する場合には、ハニカム構造のリブ群133の局所的な倒れや座屈が発生する。従って、荷重を広い面積に分散させることはできない。
【0040】
図12(b),(c)に実施例のニーボルスタ(荷重伝達部)41が示される。ニーボルスタ41は、インナパネル31に一体形成されたハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32に嵌合させた中間パネル(蓋部材)33と、から構成されている。従って、ハニカム構造のリブ群32の局所的な倒れや座屈の発生を防ぐことができる。
【0041】
図12(b)に示されたように、矢印a2の如く部分的に集中荷重が作用する場合にも、矢印a3,a3の如く荷重分散をすることができる。図12(c)に示されたように、荷重は、矢印a4,a4の如く広い範囲に広がってハニカム構造のリブ群32に伝達される。
【0042】
また、ニーボルスタ(荷重伝達部)41では、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セル51の数より少ない、略六角形の中間パネル側セル52が中間パネル(蓋部材)33形成され、略六角形の中間パネル側セル52が、インナパネル側セル51に選択的に嵌め込まれるので、伝達荷重の分散を促進することができる。
【0043】
図13(a)に車両用グローブボックス構造の側面が示され、リッド部23に矢印b1の如く乗員の膝からの入力(荷重)が作用すると、リッド部23は車体前方に移動する。リッド部23の上端23aが衝撃伝達部材24で車体前後方向に支持されているので、リッド部23の上端23aから衝撃伝達部材24の垂直部45に荷重が伝達され、垂直部45は矢印b2の如く曲げ変形を受ける。垂直部45は矢印b2の如く曲げ変形されると、元の状態に戻ろうとするので、リッド部23の上端23aに矢印b3の如く反力を与えることができる。この結果、リッド部23の支持剛性の向上を図ることができる。
【0044】
また、図13(b)に車両用グローブボックス構造の平面が示され、リッド部23に矢印c1の如く乗員の膝からの入力(荷重)が作用すると、インストルメントパネル16の開口部26に矢印c2,c2の如く開く方向の力が作用する。開口部26に矢印c2,c2の如く開く方向の力が作用すると、衝撃伝達部材24の水平部46に、矢印c3,c3の如く反力が生まれる。水平部46は、リッド部23の閉状態でリッド部23の上端23aを開口部26の車幅方向に長く支持しているので、開口部26の開きも防止される。
【0045】
図14に示される実施例の車両用グローブボックス構造では、矢印d1の如く作用する乗員の膝からの荷重をアウタパネル34(図2参照)、中間パネル33、ハニカム構造のリブ群32及びインナパネル31で車幅方向に矢印d2,d2の如く分散させ、左右のステー部材42,43(図4参照)を介して矢印d3,d3の如くステアリングハンガ22に伝達(ロードパス)するとともに、左右のアブソーバ48,49(図7参照)で衝撃を吸収する。さらに、矢印d1の如く作用する膝からの荷重を、衝撃伝達部材24を介して矢印d4の如くステアリングハンガ22に伝達する。
【0046】
すなわち、ハニカム構造のリブ群32に中間パネル33を被せる(サンドイッチする)ことで矢印d2,d2で示される荷重の流れを円滑に伝達することができ、左右のステー部材42,43(図4参照)を介してステアリングハンガ22に伝達する矢印d3,d3で示される荷重の流れを増強することができる。
【0047】
一方、衝撃伝達部材24を設けることで、矢印d4の如く、リッド部23の上端23aからもステアリングハンガ22に伝達する流れを増設することができる。特に、収納部21が、インナパネル31の裏面31b(図5参照)に一体的に設けられ、インナパネル31とともにインストルメントパネル16からせり出す突出式(カンガルー式)の収納部21の場合には、構造上、収納部21の上方が開口しているため強度及び剛性が低い。従って、リッド部23の上端23aを、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材24が車体側構造体22から延出することで、新たな荷重伝達経路を増設することができるとともに、車両用グローブボックス構造の強度及び剛性の向上を図ることができる。
【0048】
図15に示されるように、矢印e1の如く乗員の膝からの荷重が作用すると、この荷重が衝撃伝達部材24に矢印e2の如く伝達する。すなわち、衝撃伝達部材24を、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、リッド部23に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせた。これにより、衝撃伝達部材24の曲がりを防止して、乗員の膝からの荷重の伝達効率の向上を図ることができる。
【0049】
図16に示されたように、衝撃伝達部材24は、平面視で略T字型に形成され、略T字型の垂直部分に相当する垂直部45と、略T字型の水平部分に相当する水平部46と、から構成された。従って、矢印f1の如く膝から作用する荷重を、矢印f2〜f6の如く水平部46で荷重を全体的に受けることができ、リッド部23の上端23aの局部的な変形を回避できる。
【0050】
さらに、車両用グローブボックス構造では、衝撃伝達部材24の水平部46にストライカ28を介在させ、ロック機構35にストライカ28がロックしたときに、衝撃伝達部材24とロック機構35がストライカ28を介して結合するようにした。これにより、膝からの荷重の衝撃伝達部材24への荷重伝達効率を向上することができる。
【0051】
図2〜図6に示されたように、車両用グローブボックス構造では、インストルメントパネル16下部に配置され物品を収納する収納部21と、インストルメントパネル16に開閉自在に取付けられ、収納部21を覆うリッド部23と、を備える。
【0052】
リッド部23に、インナパネル31の表面31a側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネルとを、インナパネル31とアウタパネル34との間に介在させたので、例えば、乗員の膝からの衝撃を伝達する鉄板で形成されたニーボルスタ(荷重伝達部)41を介在させなくとも、十分な衝撃伝達能力をリッド部23に付与することができる。この結果、鉄板のニーボルスタ(荷重伝達部)41を介在させる場合に比べて車体の軽量化を図ることができる。
【0053】
図5に示されたように、車両用グローブボックス構造では、リッド部23の上端23aを、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材24が車体側構造体22から延出される。衝撃伝達部材24が、平面視で略T字型に形成され、略T字型の垂直部分に相当する垂直部45の端部24aが車体側構造体22に支持され、略T字型の水平部分に相当する水平部46でリッド部23の上端23aを受けるので、水平部46でリッド部23から伝達される荷重を均等に受け、垂直部45で車体側構造体22に荷重を効率よく伝達することができる。例えば、垂直部45と水平部46が繋がれる外形を曲線にすることで、リッド部23から車体側構造体22への荷重伝達をさらに円滑におこなうことができる。すなわち、リッド部23の荷重の伝達効率を向上を図ることができる。
【0054】
図5に示されたように、車両用グローブボックス構造では、収納部21が、インナパネル31の裏面31bに設けられ、インナパネル31とともにインストルメントパネル16からせり出す突出式の収納部であるので、リッド部23の奥には衝撃を伝達する部材がなく、リッド部23に衝撃伝達能力を持たす必要がある。
【0055】
従って、リッド部23に、インナパネル31の表面31a側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群32と、このハニカム構造のリブ群32にはめ込まれ、インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネル33とを、インナパネル31とアウタパネル34との間に介在させたので、十分な衝撃伝達能力をリッド部23に付与することができた。
【0056】
また、リッド部23の上端23aを、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材24が車体側構造体22から延出され、衝撃伝達部材24が、平面視で略T字型に形成され、垂直部45の端部24aが車体側構造体22に支持され、水平部46でリッド部23の上端23aを受けるので、リッド部23にかかる荷重を車体側構造体22に伝達できる。
【0057】
すなわち、十分な衝撃伝達能力をリッド部23に付与するとともに、リッド部23にかかる荷重を車体側構造体22に伝達することで、収納部21が、インナパネル31の裏面31bに設けられ、インナパネル31とともにインストルメントパネル16からせり出す突出式の収納部であっても、乗員の膝を十分に保護することができる。
【0058】
図5、図7〜図9に示されたように、車両用グローブボックス構造では、中間パネル33が、ハニカム構造のリブ群32に嵌め込まれたので、中間パネル33及びハニカム構造のリブ群32のそれぞれの耐力の向上を図ることができる。また、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セル51の数より少ない、略六角形の中間パネル側セル52が中間パネル33に形成され、略六角形の中間パネル側セル52が、インナパネル側セル51に選択的に嵌め込まれるので、伝達荷重の分散を図ることができる。
【0059】
図7に示されたように、車両用グローブボックス構造では、ハニカム構造で形成されるインナパネル側セル51が、複数種の形状の略六角形で構成されたので、インナパネル31の破断荷重を部分的に異ならせることができる。これにより、応力集中する部分の強度を意図的に高めることができる。
【0060】
図15に示されたように、車両用グローブボックス構造では、衝撃伝達部材24を、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、リッド部23に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせたので、乗員の膝からの荷重の伝達効率の向上を図ることができる。
【0061】
図6に示されたように、車両用グローブボックス構造では、車体側構造体22が、車幅方向に延出され、ステアリング17を支持するステアリングハンガである。ステアリングハンガ22は剛性の高い部品であり、衝撃伝達部材24から伝達される荷重を確実に受け止めることができる。
【0062】
尚、本発明に係る車両用グローブボックス構造は、図5に示すように、収納部21は、インナパネル31の裏面31bに一体的に設けられ、インナパネル31とともにインストルメントパネル16からせり出す突出式(カンガルー式)の収納部21であったが、これに限るものではなく、収納部21がインストルメントパネル16の下に形成され、リッドのみを開閉するものであってもよい。
【0063】
本発明に係る車両用グローブボックス構造は、図7に示すように、インナパネルの表面31a側に一体的ハニカム構造のリブ群32を形成したが、これに限るものではなく、ハニカム構造のリブ群32は、縦長、横長、正六角形(あるいは格子、三角形、丸形、楕円形状も含む)のリブ群であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部が設けられ、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部が設けられた車両用グローブボックス構造を有する自動車への適用に好適である。
【符号の説明】
【0065】
16…インストルメントパネル、17…ステアリング、20…グローブボックス、21…収納部、22…車体側構造体(ステアリングハンガ)、23…リッド部、23a…上端、24…衝撃伝達部材、24a…端部、31…インナパネル、31b…裏面、32…ハニカム構造のリブ群、33…中間パネル、34…アウタパネル、45…垂直部、46…水平部、51…インナパネル側セル、52…略六角形の中間パネル側セル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部と、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部と、を備えた車両用グローブボックス構造において、
前記リッド部は、前記収納部側に設けられたインナパネルと、このインナパネルの表面側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群と、このハニカム構造のリブ群にはめ込まれ、前記インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネルと、前記インナパネルに取付けられ、前記ハニカム構造のリブ群に前記中間パネルを挟み込むアウタパネルと、を備えたことを特徴とする車両用グローブボックス構造。
【請求項2】
インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部と、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部と、を備えた車両用グローブボックス構造において、
前記リッド部の上端を、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材が車体側構造体から延出され、
前記衝撃伝達部材は、平面視で略T字型に形成され、略T字型の垂直部分に相当する垂直部の端部が前記車体側構造体に支持され、略T字型の水平部分に相当する水平部で前記リッド部の上端を受けることを特徴とする車両用グローブボックス構造。
【請求項3】
前記収納部は、前記インナパネルの裏面に設けられ、該インナパネルとともに前記インストルメントパネルからせり出す突出式の収納部であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用グローブボックス構造。
【請求項4】
前記中間パネルは、前記ハニカム構造のリブ群に嵌め込まれるとともに、前記ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルの数より少ない略六角形の中間パネル側セルが形成され、
前記略六角形の中間パネル側セルは、前記インナパネル側セルに選択的に嵌め込まれることを特徴とする請求項1記載の車両用グローブボックス構造。
【請求項5】
前記ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルは、複数種の形状の略六角形で構成されたことを特徴とする請求項1記載の車両用グローブボックス構造。
【請求項6】
前記衝撃伝達部材は、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、前記リッド部に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせたことを特徴とする請求項2記載の車両用グローブボックス構造。
【請求項7】
前記車体側構造体は、車幅方向に延出され、ステアリングを支持するステアリングハンガであることを特徴とする請求項2記載の車両用グローブボックス構造。
【請求項1】
インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部と、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部と、を備えた車両用グローブボックス構造において、
前記リッド部は、前記収納部側に設けられたインナパネルと、このインナパネルの表面側に一体的に形成されたハニカム構造のリブ群と、このハニカム構造のリブ群にはめ込まれ、前記インナパネルの衝撃伝達能力を増す中間パネルと、前記インナパネルに取付けられ、前記ハニカム構造のリブ群に前記中間パネルを挟み込むアウタパネルと、を備えたことを特徴とする車両用グローブボックス構造。
【請求項2】
インストルメントパネル下部に配置され物品を収納する収納部と、インストルメントパネルに開閉自在に取付けられ、収納部を覆うリッド部と、を備えた車両用グローブボックス構造において、
前記リッド部の上端を、車体前後方向に受ける衝撃伝達部材が車体側構造体から延出され、
前記衝撃伝達部材は、平面視で略T字型に形成され、略T字型の垂直部分に相当する垂直部の端部が前記車体側構造体に支持され、略T字型の水平部分に相当する水平部で前記リッド部の上端を受けることを特徴とする車両用グローブボックス構造。
【請求項3】
前記収納部は、前記インナパネルの裏面に設けられ、該インナパネルとともに前記インストルメントパネルからせり出す突出式の収納部であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用グローブボックス構造。
【請求項4】
前記中間パネルは、前記ハニカム構造のリブ群に嵌め込まれるとともに、前記ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルの数より少ない略六角形の中間パネル側セルが形成され、
前記略六角形の中間パネル側セルは、前記インナパネル側セルに選択的に嵌め込まれることを特徴とする請求項1記載の車両用グローブボックス構造。
【請求項5】
前記ハニカム構造で形成されるインナパネル側セルは、複数種の形状の略六角形で構成されたことを特徴とする請求項1記載の車両用グローブボックス構造。
【請求項6】
前記衝撃伝達部材は、車体前方に向かうに連れて上方に指向させ、前記リッド部に乗員の膝が当たったときの荷重伝達方向に沿わせたことを特徴とする請求項2記載の車両用グローブボックス構造。
【請求項7】
前記車体側構造体は、車幅方向に延出され、ステアリングを支持するステアリングハンガであることを特徴とする請求項2記載の車両用グローブボックス構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−111295(P2012−111295A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260475(P2010−260475)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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