説明

車両用ゲート施設の地下通路設備及びその施工方法

【課題】 極めて狭いスペースであっても、アイランドに通じる地下通路を、できるだけコンパクトにして、容易に、かつ、車線への影響を最小限に止めつつ構築できるようにし、アイランドへの行き来の安全を図った。
【解決手段】 車線に沿って設けられたアイランドを有した車両用ゲート施設の当該アイランドに行き来するためのもので、上から見て車線を横切って地下に構築されたコンクリート製の通路本体1と、通路本体1と連通する空間25を有するとともに側壁21に地上への出入口22が形成された出入口塔20とを備え、出入口塔20を通路本体1の真上に連設し、通路本体1の出入口塔20に対応する上壁に上開口14を形成し、出入口塔20の下壁に上開口14に連通する下開口24を形成し、通路本体1から出入口塔20に亘って上開口14及び下開口24を通る螺旋階段30を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、高速道路の料金所等に設けられた車両用ゲート施設の地下通路設備に係り、特に、車線に沿って設けられたアイランドを有した車両用ゲート施設の当該アイランドに行き来するための車両用ゲート施設の地下通路設備及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図7に示すように、例えば、高速道路の出口にある料金所に設けられた車両用ゲート施設Gでは、車両の進行する車線Lに沿ってアイランドDが設けられている。アイランドDは、例えば、全長が約20m、高さが約15〜20cmのコンクリート製の構造物であり、車両進入側の先端部Daが鋭角に尖って形成されている。アイランドD上には、屋根100が設けられ、中央には有人の料金収受用のブース101あるいは料金自動収受機(所謂ETC装置)で用いられるゲート装置(図示せず)等が設けられている(例えば、特開2003−242534号公報参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−242534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、アイランドDのブース101に行き来したり、あるいはゲート装置の機器の調整などでアイランドDに行き来する場合には、車両用ゲート施設Gの近くにある建物などから、歩行により車線Lを横断してアイランドDに渡り、あるいは、アイランドDから戻らなければならないが、この場合、車線Lを頻繁に自動車等の車両が通ると、事故の発生が懸念され、そのため、安全にアイランドDへの行き来を行いたいという要請がある。
これを解決するために、アイランドDに通ずる地下道を形成し、この地下道を通ってアイランドDへ行き来することが考えられる。
しかしながら、地下道を形成して、出入口をアイランドDあるいはその近傍に作ろうとした場合、アイランドDやその周囲のスペースは極めて狭いので、特に既存のアイランドDにおいては、車線Lの閉鎖を伴ったり、地下道を容易に作成することができにくいという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、極めて狭いスペースであっても、アイランドに通じる地下通路を、できるだけコンパクトにして、容易に、かつ、車線への影響を最小限に止めつつ構築できるようにし、アイランドへの行き来の安全を図ることのできる車両用ゲート施設の地下通路設備及びその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するための本発明の車両用ゲート施設の地下通路設備は、車線に沿って設けられたアイランドを有した車両用ゲート施設の当該アイランドに行き来するための車両用ゲート施設の地下通路設備であって、
上から見て上記車線を横切って地下に構築され筒状に形成されたコンクリート製の通路本体と、上記アイランド若しくはアイランド近傍の地上に突設され上記通路本体と連通する空間を有するとともに側壁に地上への出入口が形成された出入口塔とを備え、
上記出入口塔を上記通路本体の真上に連設し、上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁に上開口を形成し、上記出入口塔の下壁に上記上開口に連通する下開口を形成し、上記通路本体から出入口塔に亘って該上開口及び下開口を通る螺旋階段を設けた構成としている。出入口塔は、通路本体の始端,終端あるいは通路本体の中間の必要個所に設けられる。
【0006】
これにより、出入口塔を通路本体の真上に連設し、通路本体から出入口塔に亘って螺旋階段を設けた構成としたので、通路本体から出入口塔に到る水平距離(上から見た平面方向の距離)を極めて短くすることができ、そのため、設備をコンパクトに作成でき、アイランドのある極めて狭いスペースであっても、アイランドに通じる地下通路を容易に構築することができるようになる。また、施工に際しても、出入口塔を通路本体の真上に連設するので、車線を閉鎖するなどの車線への影響を最小限に抑えることができ、また、通路本体から出入口塔に到る経路を別途構築しなくても良く、それだけ、施工効率が向上させられる。
また、出入口塔が通路本体の中間に設けられた場合、螺旋階段の設置により通路本体のスペースがやや狭くなるが、螺旋階段にしたので、螺旋階段の捻りを利用して、螺旋階段下部の脇を人が通過できる通路を確保することができ、そのため、支障なく通路本体での行き来を行なうことができる。
【0007】
そして、必要に応じ、上記通路本体を、予め成形された筒状の一般部と、該一般部に連続し上記出入口塔が連設される予め成形された連設部とで構成し、該連設部を、側壁に上記一般部の開放口に連通する通路開口を有し上壁に上記上開口を形成したボックス状に形成している。
これにより、一般部及び連設部を予め成形しておくので、例えば、一般部においては工場生産される汎用のボックスカルバートを用いるなどでき、それだけ安価に形成できるとともに、予め成形したものなので、クレーンなどで移動することで設置でき、施工時間も短縮され、それだけ、施工が容易かつ迅速に行なわれる。
【0008】
この場合、上記連設部を、側壁に上記一般部の開放口に連通する通路開口を有し上壁に上記上開口を形成したボックス状に形成するとともに、下分割体及び上分割体に上下方向に2分割して構成したことが有効である。これにより、下分割体及び上分割体に2分割したので、各分割体の成形が容易になり、製造効率が向上させられる。また、重量も2分できることから、車両での搬送や、クレーンでの移動が容易になり、それだけ、施工効率も向上させられる。
【0009】
また、必要に応じ、上記出入口塔を、側壁に出入口を有し下壁に下開口を有して予め成形されたコンクリート製の塔本体を備えて構成し、該塔本体の出入口に該出入口を開閉する扉を備えた構成としている。これにより、塔本体を予め成形しておくので、工場生産することができ、それだけ安価に形成できるとともに、予め成形したものなので、クレーンなどで移動することで設置でき、施工時間も短縮され、それだけ、施工が容易かつ迅速に行なわれる。
【0010】
この場合、上記出入口塔の塔本体の上壁に、外部から光を取り入れる採光窓を設けたことが有効である。採光窓から採光して、出入口塔内部及び螺旋階段を明るくすることができ、階段の上り下りを安全にすることができる。
【0011】
更に、必要に応じ、上記螺旋階段を、下端が上記通路本体の底壁に設置され上記上開口及び下開口を貫通する支柱と、該支柱の外周に沿って該支柱に螺旋状に列設されて固定される複数の踏み板と、各踏み板の外側にロッドを介して固定された螺旋状の手摺とを備えて、予め組み立て形成した構成にしている。これにより、螺旋階段を予め組み立て形成しておくので、例えば、工場生産することができ、それだけ安価に形成できるとともに、予め組み立て形成したものなので、クレーンなどで移動することで設置でき、施工時間も短縮され、それだけ、施工が容易かつ迅速に行なわれる。
【0012】
この場合、上記最上位の踏み板で構成され上記出入口の内側下部に連設されるとともに下位の踏み板よりも面積の大きいステップ板を備えて構成したことが有効である。出入口での出入りの際に、面積が比較的大きいステップ板に人が載ることができ、そのため、出入りを容易にすることができる。また、出入口塔にステップ板を設ける場合に比較して、製造が容易になる。
【0013】
更にまた、上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁と上記出入口塔の下壁との間に、上記上開口及び下開口に連通する中開口を有し上記出入口塔の突設高さを調整するコンクリート製の調整板を、必要に応じて介装する構成としている。通路本体や出入口塔に加工を施すことなく、厚さの異なる調整板を介装するだけで、地面からの出入口塔の突設高さを調整することができ、施工がきわめて容易に行なわれる。
【0014】
また、上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁と上記出入口塔の下壁との間に、上記上開口及び下開口に連通する連通開口を有し上記通路本体の上壁を補強するコンクリート製の補強板を、必要に応じて介装する構成としている。通路本体の上壁を補強板で補強できるので、強度確保が容易に行なわれる。特に、通路本体が、既設のものである場合には、極めて有効になる。
【0015】
そしてまた、上記の目的を達成するための本発明の車両用ゲート施設の地下通路設備における施工方法は、車線に沿って設けられたアイランドを有した車両用ゲート施設の当該アイランドに行き来するために構築され、上から見て上記車線を横切って地下に構築され筒状に形成されたコンクリート製の通路本体と、上記アイランド若しくはアイランド近傍の地上に突設され上記通路本体と連通する空間を有するとともに側壁に地上への出入口が形成された出入口塔とを備え、上記出入口塔を上記通路本体の真上に連設し、上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁に上開口を形成し、上記出入口塔の下壁に上記上開口に連通する下開口を形成し、上記通路本体から出入口塔に亘って該上開口及び下開口を通る螺旋階段を設けた車両用ゲート施設の地下通路設備の施工方法であって、
上記通路本体を、予め成形された筒状の一般部と、該一般部に連続し上記出入口塔が連設される予め成形された連設部とで構成し、
上記出入口塔を、側壁に出入口を有し下壁に下開口を有して予め成形されたコンクリート製の塔本体を備えて構成し、
上記螺旋階段を、予め組み立て形成し、
先ず、地面に溝を掘削し、該溝の底面に基礎を施工し、
次に、上記基礎上に上記一般部及び連設部を設置し、
該連設部においては、上記上開口から上記螺旋階段を挿入して設置し、次に、上記出入口塔を上記螺旋階段の上側を上記下開口に挿通させて上記連設部の上壁に設置し、
その後、上記溝を埋め戻す構成としている。
【0016】
この地下通路設備の施工においては、ゲート施設が既存のものである場合は、溝は既存のアイランドの近傍に掘削し、既存のアイランドに対応した出入口塔の構築後に、既存のアイランドを延設して出入口塔がこのアイランドの延設部に立設されるようにして良い。あるいはまた、既存のアイランドの一部を壊し、それから、溝を掘削し、既存のアイランドの壊した部分に出入口塔を構築した後に、このアイランドの壊した部分を修復して出入口塔がアイランドに立設されるようにして良い。また、出入口塔は、複数設けられ、アイランドのある部位のみならず、一般的には、作業員が出入りできるように、ゲート施設の外の敷地にも設置される。
【0017】
これにより、通路本体の一般部,連設部および出入口塔を、予め成形しておくので、例えば、工場生産することができ、それだけ安価に形成できるとともに、予め成形したものなので、クレーンなどで移動することで設置でき、施工時間も短縮され、それだけ、施工が容易かつ迅速に行なわれる。また、螺旋階段においても予め組み立て形成しておくので、例えば、工場生産することができ、それだけ安価に形成できるとともに、予め組み立て形成したものなので、クレーンなどで移動することで設置でき、施工時間も短縮され、それだけ、施工が容易かつ迅速に行なわれる。
そして、出入口塔を通路本体の真上に連設し、通路本体から出入口塔に亘って螺旋階段が設けられるので、通路本体から出入口塔に到る水平距離(上から見た平面方向の距離)を極めて短くすることができ、そのため、設備をコンパクトに作成でき、アイランドのある極めて狭いスペースであっても、アイランドに通じる地下通路を容易に構築することができるようになる。また、施工に際しては、出入口塔を通路本体の真上に連設するので、車線を閉鎖するなどの車線への影響を最小限に抑えることができ、また、通路本体から出入口塔に到る経路を別途構築しなくても良く、それだけ、施工効率が向上させられる。
【0018】
この場合、必要に応じ、上記通路本体の連設部を、側壁に上記一般部の開放口に連通する通路開口を有し上壁に上記上開口を形成したボックス状に形成するとともに、下分割体及び上分割体に上下方向に2分割して構成し、該連設部の施工においては、上記基礎上に連設部の下分割体を設置し、それから、連設部の上分割体を設置して行なう構成としている。これにより、下分割体及び上分割体に2分割したので、各分割体の成形が容易になり、製造効率が向上させられる。また、重量も2分できることから、車両での搬送や、クレーンでの移動が容易になり、それだけ、施工効率も向上させられる。
【0019】
また、上記の目的を達成するための本発明の車両用ゲート施設の地下通路設備における別の施工方法は、車線に沿って設けられたアイランドを有した車両用ゲート施設の当該アイランドに行き来するために構築され、上から見て上記車線を横切って地下に構築され筒状に形成されたコンクリート製の通路本体と、上記アイランド若しくはアイランド近傍の地上に突設され上記通路本体と連通する空間を有するとともに側壁に地上への出入口が形成された出入口塔とを備え、上記出入口塔を上記通路本体の真上に連設し、上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁に上開口を形成し、上記出入口塔の下壁に上記上開口に連通する下開口を形成し、上記通路本体から出入口塔に亘って該上開口及び下開口を通る螺旋階段を設けた車両用ゲート施設の地下通路設備の施工方法であって、
上記通路本体は、予め埋設されて構築され、
上記出入口塔を、側壁に出入口を有し下壁に下開口を有して予め成形されたコンクリート製の塔本体を備えて構成し、
上記螺旋階段を、予め組み立て形成し、
先ず、地面を掘削して上記通路本体の上壁を露出させ、
次に、該通路本体の上壁に上記上開口を開設し、
それから、該上開口から上記螺旋階段を挿入して設置し、次に、上記出入口塔を上記螺旋階段の上側を上記下開口に挿通させて上記通路本体の上壁に設置し、
その後、埋め戻す構成としている。
【0020】
これにより、例えば、ゲート施設に、車線を横切るための既設のトンネルがあって、通路本体が予め埋設されているような場合でも、通路本体に上開口を開設して出入口塔を設置することができ、アイランドに通じる地下通路を容易に構築することができるようになる。この場合、出入口塔を予め成形しておくので、例えば、工場生産することができ、それだけ安価に形成できるとともに、予め成形したものなので、クレーンなどで移動することで設置でき、施工時間も短縮され、それだけ、施工が容易かつ迅速に行なわれる。また、螺旋階段においても予め組み立て形成しておくので、例えば、工場生産することができ、それだけ安価に形成できるとともに、予め組み立て形成したものなので、クレーンなどで移動することで設置でき、施工時間も短縮され、それだけ、施工が容易かつ迅速に行なわれる。
そして、出入口塔を通路本体の真上に連設し、通路本体から出入口塔に亘って螺旋階段が設けられるので、通路本体から出入口塔に到る水平距離(上から見た平面方向の距離)を極めて短くすることができ、そのため、設備をコンパクトに作成でき、アイランドのある極めて狭いスペースであっても、アイランドに通じる地下通路を容易に構築することができるようになる。また、施工に際しては、出入口塔を通路本体の真上に連設するので、車線を閉鎖するなどの車線への影響を最小限に抑えることができ、また、通路本体から出入口塔に到る経路を別途構築しなくても良く、それだけ、施工効率が向上させられる。
【0021】
また、上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁と上記出入口塔の下壁との間に、上記上開口及び下開口に連通する中開口を有し上記出入口塔の突設高さを調整するコンクリート製の調整板を、必要に応じて介装する構成としている。通路本体や出入口塔に加工を施すことなく、厚さの異なる調整板を介装するだけで、地面からの出入口塔の突設高さを調整することができ、施工がきわめて容易に行なわれる。
【0022】
更に、上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁と上記出入口塔の下壁との間に、上記上開口及び下開口に連通する連通開口を有し上記通路本体の上壁を補強するコンクリート製の補強板を、必要に応じて介装する構成としている。通路本体の上壁を補強板で補強できるので、強度確保が容易に行なわれる。特に、通路本体が、既設のものである場合には、極めて有効になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、出入口塔を通路本体の真上に連設し、通路本体から出入口塔に亘って螺旋階段を設けた構成としたので、通路本体から出入口塔に到る水平距離(上から見た平面方向の距離)を極めて短くすることができ、そのため、設備をコンパクトに作成でき、アイランドのある極めて狭いスペースであっても、アイランドに通じる地下通路を容易に構築することができるようになる。また、施工に際しても、出入口塔を通路本体の真上に連設するので、車線を閉鎖するなどの車線への影響を最小限に抑えることができ、また、通路本体から出入口塔に到る経路を別途構築しなくても良く、それだけ、施工効率を向上させることができる。
また、出入口塔が通路本体の中間に設けられた場合、螺旋階段の設置により通路本体のスペースがやや狭くなるが、螺旋階段にしたので、螺旋階段の捻りを利用して、螺旋階段下部の脇を人が通過できる通路を確保することができ、そのため、支障なく通路本体での行き来を行なうことができる等種々の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る車両用ゲート施設の地下通路設備及びその施工方法について詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る地下通路設備Sが設けられる車両用ゲート施設Gは、高速道路の出口にある料金所に設けられ、近くにある建物などの敷地に隣接して設けられた施設であり、車両の進行する車線Lに沿ってアイランドDが設けられている。アイランドDは、例えば、全長が約20m、高さが約15〜20cmのコンクリート製の構造物であり、車両進入側の先端部Daが鋭角に尖って形成され、複数列(図では5列)設けられている。アイランドD上には、屋根(図示せず)が設けられ、中央には有人の料金収受用のブース(図示せず)あるいは料金自動収受機(所謂ETC装置)のゲート装置Ga等が設けられている。
【0025】
図1乃至図4に示すように、実施の形態に係る地下通路設備Sは、上から見て車線Lを横切って地下に構築され筒状に形成されたコンクリート製の通路本体1と、アイランドD若しくはアイランドD近傍の地上に突設され通路本体1と連通する空間25を有するとともに側壁21に地上への出入口22が形成された出入口塔20とを備えている。通路本体1は、5列のアイランドDを横切って設けられるとともに、建物などのあるゲート施設Gの外の敷地の一部2に延びて設けられている。出入口塔20は、通路本体1の始端,終端あるいは通路本体1の中間の必要個所に複数設けられ、実施の形態では、5列あるアイランドDのうち2つに対応して設けられ、また、作業員が出入りできるように、ゲート施設Gの外の敷地の一部2にも設置される。各出入口塔20は通路本体1の真上に連設されている。
実施の形態に係る地下通路設備Sは、既存のゲート施設Gに新設したものであり、先ず、既存のアイランドDの先端より車両の進入側において、通路本体1を施工し、それから、出入口塔20を設け、最後に、アイランドDに対応した2つの出入口塔20においては、既存のアイランドDの先端を延設して出入口塔20がこのアイランドDの延設部Dbに立設されるようにしている。
【0026】
詳しくは、通路本体1は、予め成形された筒状の一般部3と、一般部3に連続し出入口塔が連設される連設部10とで構成されている。一般部3は、図2及び図4に示すように、コンクリート製ボックスカルバート4を連設して構成されている。ボックスカルバート4は、外形が略矩形状で且つ略矩形の開放口5を有した筒状のもので、人が歩行できる空間6を形成し、予め、工場等で型により成形されている。一般部3は、予め成形しておくので、それだけ安価に形成される。
【0027】
また、連設部10は、図2及び図3に示すように、コンクリート製であり、側壁11に一般部3の開放口5に連通する略矩形の通路開口12を有し、上壁13に円形の上開口14を有した直方体状で内部に人が起立して収容可能な空間15を形成するボックス状に形成されているとともに、下分割体10A及び上分割体10Bに上下方向に2分割して構成されている。下分割体10Aと上分割体10Bとは、下分割体10Aの接続端に形成した凹条16と、上分割体10Bの接続端に形成した凸条17とを互いに嵌合させて接続され、連結金具18及びコーキング剤(図示せず)で止着される。下分割体10Aと上分割体10Bとは、ボックスカルバート4と同様に、予め、工場等で型により成形される。連設部10を予め成形しておくので、それだけ安価に形成できる。特に、下分割体10A及び上分割体10Bに2分割したので、各分割体10A,10Bの成形が容易になり、製造効率が向上させられる。また、重量も2分できることから、車両での搬送や、クレーンでの移動が容易になる。
【0028】
更に、出入口塔20は、予め側壁21に出入口22を有し下壁23に上記上開口14と同形状の円形の下開口24を有し内部に人が起立して収容可能な空間25を形成するボックス状の塔本体26を備えている。塔本体26は、コンクリート製であり、ボックスカルバート4と同様に、予め、工場等で型により成形されている。塔本体26の出入口22には、出入口22を開閉する扉27が付設されている。また、塔本体26の上壁29には、外部から光を取り入れるためのガラス製あるいは樹脂製の採光窓28が設けられている。これにより、塔本体26を予め成形しておくので、工場生産することができ、それだけ安価に形成できるとともに、予め成形したものなので、クレーンなどで移動することで設置できる。そして、出入口塔20は、通路本体1の真上に連設され、通路本体1の上開口14と出入口塔20の下開口24は連通させられる。
【0029】
そして、実施の形態では、通路本体1の連設部10から出入口塔20に亘って、上開口14及び下開口24を通る螺旋階段30が設けられている。螺旋階段30は、鉄などの金属製であり、下端が通路本体1の底壁1a(下分割体10Aの底壁)に設置され上開口14及び下開口24を貫通する支柱31と、支柱31の外周に沿って支柱31に螺旋状に列設されて固定される複数の踏み板32と、各踏み板32の外側にロッド33を介して固定された螺旋状の手摺34と、最上位の踏み板32で構成され出入口22の内側下部に連設されるとともに下位の踏み板32よりも面積の大きいステップ板35とを備えて構成されている。支柱31の下端には接地板36が溶接固定され、この接地板36がボルト37で連設部10の底壁1aに固定される。この螺旋階段30も、予め、工場等で製造される。そのため、安価に形成できる。この場合、ステップ板35が設けられているので、出入口塔20にステップ板35を設ける場合に比較して、製造が容易になる。
【0030】
更にまた、実施の形態では、図2及び図3に示すように、必要に応じ用いられ、出入口塔20の突設高さを調整するコンクリート製の調整板40が備えられている。この調整板40は、通路本体1の連設部10の出入口塔20に対応する上壁13と出入口塔20の下壁23との間に介装されるもので、上開口14及び下開口24に連通する中開口41を有し、出入口塔20の突設高さを調整するために、種々の厚さに形成される。この調整板40は、通路本体1の連設部10及び出入口塔20に対して、連結金具42及びコーキング剤(図示せず)で止着される。
【0031】
従って、本実施の形態に係る地下通路設備Sの施工方法は、以下のようになる。先ず、図1及び図4に示すように、既存のアイランドDの先端部Daより車両の進入側において、所要幅と深さの溝50を掘削し、矢板51で土止めする。溝50の底面52には、基礎53を施工する。この場合、図2に示すように、基礎53には連設部10の底壁1aに貫通する排水口部54を設ける。
そして、図2及び図3に示すように、連設部10に対応する基礎53上には、先ず、クレーンなどを用いて下分割体10Aを設置する。それから、上分割体10Bを設置する。この場合、下分割体10A及び上分割体10Bは、予め工場等で成形され、別々にクレーンで移動できるので、連設部10の重量を2分できることから、移動が容易になり、それだけ、施工効率が向上させられる。下分割体10Aと上分割体10Bとは、連結金具18及びコーキング剤で止着する。
【0032】
次に、必要に応じ、クレーンなどを用いて調整板40を上分割体10Bの上壁13上面に載置し、コーキング剤で止着する。それから、螺旋階段30をクレーンなどで移動し、調整板40の中開口41,上分割体10Bの上開口14を通して、下分割体10Aの底壁1aに固定する。この場合、螺旋階段30は、予め組み立て形成しておくので、容易に移動して設置でき、それだけ、施工が容易に行なわれる。また、螺旋階段30は、適宜、他の金具で、連設部10に固定してよい。最後に、図2に示すように、出入口塔20をクレーンなどを用いて移動し、螺旋階段30の上側を下開口24に挿通させて連設部10の上壁13上面に設置する。この場合も、塔本体26を予め成形しておくので、容易に移動して設置でき、それだけ、施工が容易に行なわれる。出入口塔20は、図示外の連結金具及びコーキング剤で止着する。
【0033】
また、図2及び図4に示すように、一般部3に対応する基礎53上には、上記の連設部10の設置に先立ち、あるいは、連設部10の設置後において、クレーンなどを用いてボックスカルバート4を連設して設置し、図示外の連結金具やコーキング剤で止着し、通路本体1の一般部3を施工する。この場合も、一般部3は予め成形しておくので、容易に移動して設置でき、それだけ、施工が容易に行なわれる。その後、矢板51を取り外し、溝50を埋め戻す。また、図1に示すように、実施の形態では、既存のアイランドDに対応した出入口塔20においては、その構築後に、既存のアイランドDの先端部Daを延設して出入口塔20がこのアイランドDの延設部Dbに立設されるようにしている。
【0034】
これにより、出入口塔20を通路本体1の真上に連設し、通路本体1から出入口塔20に亘って螺旋階段30を設けた構成としたので、通路本体1から出入口塔20に到る水平距離(上から見た平面方向の距離)を極めて短くすることができ、そのため、設備をコンパクトに作成でき、アイランドDのある極めて狭いスペースであっても、アイランドDに通じる地下通路を容易に構築することができるようになる。また、施工に際しても、出入口塔20を通路本体1の真上に連設するので、車線Lを閉鎖するなどの車線Lへの影響を最小限に抑えることができ、また、通路本体1から出入口塔20に到る経路を別途構築しなくても良く、それだけ、施工効率が向上させられる。
【0035】
このようにして施工された車両用ゲート施設Gの地下通路設備Sを使用するときは、図1に示すように、ゲート施設G外の敷地の一部2に設けた出入口塔20(c)において、その扉27を開閉して内部に入り、螺旋階段30を降り、通路本体1を歩行して、目的の出入口塔20(aまたはb)の所に至ったならば、螺旋階段30を昇り、ステップ板35に立ち、扉27を開閉してアイランドD上に出る。この場合、出入口22での出入りの際に、面積が比較的大きいステップ板35に人が載ることができ、そのため、出入りを容易にすることができる。また、出入口塔20の塔本体26の上壁29に外部から光を取り入れる採光窓28が設けられているので、採光窓28から採光して、出入口塔20内部及び螺旋階段30を明るくすることができ、階段の上り下りを安全にすることができる。
また、出入口塔20(b)のある通路本体1の中間においては、螺旋階段30の設置により通路本体1(連設部10)のスペースがやや狭くなるが、螺旋階段30にしたので、螺旋階段30の捻りを利用して、螺旋階段30下部の脇を人が通過できる通路を確保することができ、そのため、支障なく通路本体1での行き来を行なうことができる。
【0036】
図5及び図6には、本発明の別の実施の形態に係る施工方法により施工された車両用ゲート施設Gの地下通路設備Sを示してある。この別の実施の形態に係る施工方法は、上記と異なって、例えば、ゲート施設Gに、車線Lを横切るための既設のトンネルがあって、このトンネルを構成する通路本体1が予め埋設されているような場合に適用される。出入口塔20及び螺旋階段30としては、上記と同様のものを用いる。
【0037】
また、この実施の形態では、必要に応じ用いられ、通路本体1の上壁13を補強するコンクリート製の補強板60が備えられている。この補強板60は、上開口14及び下開口24に連通する連通開口61が形成され、幅が通路本体1と同じ幅に形成されており、出入口塔20に対応する上壁13と出入口塔20の下壁23との間に介装される。
更に、必要に応じ用いられ、出入口塔20の突設高さを調整する上記と同様のコンクリート製の調整板40も用いられる。調整板40は出入口塔20の突設高さを調整するために、種々の厚さに形成され、特に、通路本体1の上壁13面が傾斜している場合には、その傾斜に沿って加工されている。
【0038】
詳しくは、先ず、地面を掘削して通路本体1の上壁13を露出させ、次に、通路本体1の上壁13の所要部位に上開口14を開設する。それから、クレーンなどで、通路本体1の上壁13に補強板60を設置する。次に、必要に応じ、クレーンなどを用いて調整板40を補強板60の上面に載置し、コーキング剤で止着する。それから、螺旋階段30をクレーンなどで移動し、調整板40の中開口41,補強板60の連通開口61,通路本体1の上開口14を通して、通路本体1の底壁1aに固定する。この場合、螺旋階段30は、予め組み立て形成しておくので、容易に移動して設置でき、それだけ、施工が容易に行なわれる。また、螺旋階段30は、適宜、他の金具で、連設部10に固定してよい。最後に、出入口塔20をクレーンなどを用いて移動し通路本体1に設置する。この場合も、塔本体26を予め成形しておくので、容易に移動して設置でき、それだけ、施工が容易に行なわれる。出入口塔20は、図示外の連結金具及びコーキング剤で止着する。その後、通路本体1を埋め戻す。そして、上記と同様に、既存のアイランドDに対応した出入口塔20においては、その構築後に、既存のアイランドDを延設して出入口塔20がこのアイランドDの延設部Dbに立設されるようにしている。
【0039】
このように構築された地下通路設備Sにおいても、出入口塔20を通路本体1の真上に連設し、通路本体1から出入口塔20に亘って螺旋階段30を設けた構成となり、通路本体1から出入口塔20に到る水平距離(上から見た平面方向の距離)を極めて短くすることができ、そのため、設備をコンパクトに作成でき、アイランドDのある極めて狭いスペースであっても、アイランドDに通じる地下通路を容易に構築することができるようになる。また、施工に際しても、出入口塔20を通路本体1の真上に連設するので、車線を閉鎖するなどの車線への影響を最小限に抑えることができ、また、通路本体1から出入口塔20に到る経路を別途構築しなくても良く、それだけ、施工効率が向上させられる。
【0040】
尚、上記実施の形態においては、地下通路設備Sの施工において、ゲート施設Gが既存のものであって、既存のアイランドDに対応した出入口塔20の構築後に、既存のアイランドDを延設して出入口塔20がこのアイランドDの延設部Dbに立設されるようにしたが、必ずしもこのような施工に限定されるものではなく、既存のアイランドDの一部を壊し、それから、既存のアイランドDの壊した部分に出入口塔20を構築した後に、このアイランドDの壊した部分を修復して出入口塔20がアイランドDに立設されるようにして良い。また、出入口塔20の数も、上述した場合(図1に示したa,b,cの3つ)に限定されるものではなく、全てのアイランドDに対応して設けるなど、適宜変更して差支えない。更に、上記実施の形態では、本発明の地下通路設備Sを、車両用ゲート施設Gとして高速道路の出口にある料金所に適用したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、駐車場や建物の入口などに設けられる各種の車両用ゲート施設に適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用ゲート施設の地下通路設備を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両用ゲート施設の地下通路設備を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両用ゲート施設の地下通路設備を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用ゲート施設の地下通路設備を施工する際の状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両用ゲート施設の地下通路設備において、別の施工方法によって構築された例を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る車両用ゲート施設の地下通路設備において、別の施工方法によって構築された例を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る地下通路設備が適用される車両用ゲート施設の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
G 車両用ゲート施設
Ga ゲート装置
S 地下通路設備
L 車線
D アイランド
Da 先端部
Db 延設部
1 通路本体
2 敷地の一部
3 一般部
4 ボックスカルバート
5 開放口
6 空間
10 連設部
10A 下分割体
10B 上分割体
11 側壁
12 通路開口
13 上壁
14 上開口
15 空間
20 出入口塔
21 側壁
22 出入口
23 下壁
24 下開口
25 空間
26 塔本体
27 扉
30 螺旋階段
31 支柱
32 踏み板
33 ロッド
34 手摺
35 ステップ板
40 調整板
41 中開口
50 溝
51 矢板
52 底面
53 基礎
60 補強板
61 連通開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線に沿って設けられたアイランドを有した車両用ゲート施設の当該アイランドに行き来するための車両用ゲート施設の地下通路設備であって、
上から見て上記車線を横切って地下に構築され筒状に形成されたコンクリート製の通路本体と、上記アイランド若しくはアイランド近傍の地上に突設され上記通路本体と連通する空間を有するとともに側壁に地上への出入口が形成された出入口塔とを備え、
上記出入口塔を上記通路本体の真上に連設し、上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁に上開口を形成し、上記出入口塔の下壁に上記上開口に連通する下開口を形成し、上記通路本体から出入口塔に亘って該上開口及び下開口を通る螺旋階段を設けたことを特徴とする車両用ゲート施設の地下通路設備。
【請求項2】
上記通路本体を、予め成形された筒状の一般部と、該一般部に連続し上記出入口塔が連設される予め成形された連設部とで構成したことを特徴とする請求項1記載の車両用ゲート施設の地下通路設備。
【請求項3】
上記連設部を、側壁に上記一般部の開放口に連通する通路開口を有し上壁に上記上開口を形成したボックス状に形成するとともに、下分割体及び上分割体に上下方向に2分割して構成したことを特徴とする請求項2記載の車両用ゲート施設の地下通路設備。
【請求項4】
上記出入口塔を、側壁に出入口を有し下壁に下開口を有して予め成形されたコンクリート製の塔本体を備えて構成し、該塔本体の出入口に該出入口を開閉する扉を備えたことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の車両用ゲート施設の地下通路設備。
【請求項5】
上記出入口塔の塔本体の上壁に、外部から光を取り入れる採光窓を設けたことを特徴とする請求項4記載の車両用ゲート施設の地下通路設備。
【請求項6】
上記螺旋階段を、下端が上記通路本体の底壁に設置され上記上開口及び下開口を貫通する支柱と、該支柱の外周に沿って該支柱に螺旋状に列設されて固定される複数の踏み板と、各踏み板の外側にロッドを介して固定された螺旋状の手摺とを備えて、予め組み立て形成したことを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の車両用ゲート施設の地下通路設備。
【請求項7】
上記最上位の踏み板で構成され上記出入口の内側下部に連設されるとともに下位の踏み板よりも面積の大きいステップ板を備えて構成したことを特徴とする請求項6記載の車両用ゲート施設の地下通路設備。
【請求項8】
上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁と上記出入口塔の下壁との間に、上記上開口及び下開口に連通する中開口を有し上記出入口塔の突設高さを調整するコンクリート製の調整板を、必要に応じて介装することを特徴とする請求項1乃至7何れかに記載の車両用ゲート施設の地下通路設備。
【請求項9】
上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁と上記出入口塔の下壁との間に、上記上開口及び下開口に連通する連通開口を有し上記通路本体の上壁を補強するコンクリート製の補強板を、必要に応じて介装することを特徴とする請求項1乃至8何れかに記載の車両用ゲート施設の地下通路設備。
【請求項10】
車線に沿って設けられたアイランドを有した車両用ゲート施設の当該アイランドに行き来するために構築され、上から見て上記車線を横切って地下に構築され筒状に形成されたコンクリート製の通路本体と、上記アイランド若しくはアイランド近傍の地上に突設され上記通路本体と連通する空間を有するとともに側壁に地上への出入口が形成された出入口塔とを備え、上記出入口塔を上記通路本体の真上に連設し、上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁に上開口を形成し、上記出入口塔の下壁に上記上開口に連通する下開口を形成し、上記通路本体から出入口塔に亘って該上開口及び下開口を通る螺旋階段を設けた車両用ゲート施設の地下通路設備の施工方法であって、
上記通路本体を、予め成形された筒状の一般部と、該一般部に連続し上記出入口塔が連設される予め成形された連設部とで構成し、
上記出入口塔を、側壁に出入口を有し下壁に下開口を有して予め成形されたコンクリート製の塔本体を備えて構成し、
上記螺旋階段を、予め組み立て形成し、
先ず、地面に溝を掘削し、該溝の底面に基礎を施工し、
次に、上記基礎上に上記一般部及び連設部を設置し、
該連設部においては、上記上開口から上記螺旋階段を挿入して設置し、次に、上記出入口塔を上記螺旋階段の上側を上記下開口に挿通させて上記連設部の上壁に設置し、
その後、上記溝を埋め戻すことを特徴とする車両用ゲート施設の地下通路設備の施工方法。
【請求項11】
上記通路本体の連設部を、側壁に上記一般部の開放口に連通する通路開口を有し上壁に上記上開口を形成したボックス状に形成するとともに、下分割体及び上分割体に上下方向に2分割して構成し、該連設部の施工においては、上記基礎上に連設部の下分割体を設置し、それから、連設部の上分割体を設置して行なうことを特徴とする請求項10記載の車両用ゲート施設の地下通路設備の施工方法。
【請求項12】
車線に沿って設けられたアイランドを有した車両用ゲート施設の当該アイランドに行き来するために構築され、上から見て上記車線を横切って地下に構築され筒状に形成されたコンクリート製の通路本体と、上記アイランド若しくはアイランド近傍の地上に突設され上記通路本体と連通する空間を有するとともに側壁に地上への出入口が形成された出入口塔とを備え、上記出入口塔を上記通路本体の真上に連設し、上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁に上開口を形成し、上記出入口塔の下壁に上記上開口に連通する下開口を形成し、上記通路本体から出入口塔に亘って該上開口及び下開口を通る螺旋階段を設けた車両用ゲート施設の地下通路設備の施工方法であって、
上記通路本体は、予め埋設されて構築され、
上記出入口塔を、側壁に出入口を有し下壁に下開口を有して予め成形されたコンクリート製の塔本体を備えて構成し、
上記螺旋階段を、予め組み立て形成し、
先ず、地面を掘削して上記通路本体の上壁を露出させ、
次に、該通路本体の上壁に上記上開口を開設し、
それから、該上開口から上記螺旋階段を挿入して設置し、次に、上記出入口塔を上記螺旋階段の上側を上記下開口に挿通させて上記通路本体の上壁に設置し、
その後、埋め戻すことを特徴とする車両用ゲート施設の地下通路設備の施工方法。
【請求項13】
上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁と上記出入口塔の下壁との間に、上記上開口及び下開口に連通する中開口を有し上記出入口塔の突設高さを調整するコンクリート製の調整板を、必要に応じて介装することを特徴とする請求項10乃至12何れかに記載の車両用ゲート施設の地下通路設備の施工方法。
【請求項14】
上記通路本体の上記出入口塔に対応する上壁と上記出入口塔の下壁との間に、上記上開口及び下開口に連通する連通開口を有し上記通路本体の上壁を補強するコンクリート製の補強板を、必要に応じて介装することを特徴とする請求項10乃至13何れかに記載の車両用ゲート施設の地下通路設備の施工方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−70945(P2010−70945A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237932(P2008−237932)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(505398941)東日本高速道路株式会社 (66)
【出願人】(598005030)横江コンクリート株式会社 (1)
【Fターム(参考)】