説明

車両用コンデンサ

【課題】複数のプレートが積層され、レシーバドライヤを一体に構成した車両用コンデンサを提供する。
【解決手段】膨張バルブ、蒸発器、圧縮器を有するエアコンシステムに用いられ、圧縮器と膨張バルブとの間に備えられて、圧縮器からの冷媒を冷却水と熱交換させて凝縮させる。そして、複数のプレートが積層され、圧縮器から供給された冷媒を、ラジエータから供給された冷却水と熱交換させて凝縮させる第1放熱部と、第1放熱部の一端に一体に形成されて、第1放熱部で凝縮された冷媒を受けて気液分離を行うと共に、水分を除去するレシーバドライヤ部と、第1放熱部の下部に一体に形成されて、レシーバドライヤ部を通過した冷媒と、蒸発器で気化した冷媒を熱交換させて、レシーバドライヤ部を通過した冷媒を過冷させる第2放熱部とを有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用コンデンサに関し、より詳細には、その内部にレシーバドライヤを一体に構成した積層式プレートタイプであり、冷却水を用いて冷媒を凝縮する水冷式車両用コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車のエアコンシステムは、外部の温度変化に関係なく、自動車室内の温度を適当な温度に維持することにより、快適な室内環境を維持できるようにするものである。このようなエアコンシステムは、冷媒を圧縮する圧縮器と、圧縮器で圧縮された冷媒を凝縮して液化させるコンデンサと、コンデンサで凝縮して液化した冷媒を急速に膨張させる膨張バルブと、膨張バルブで膨張した冷媒を蒸発させながら、冷媒の蒸発潜熱を利用して、エアコンシステムが設けられた室内に送風される空気を冷却する蒸発器とを含んで構成されている。
【0003】
ここで、コンデンサは、圧縮された高温高圧の気体冷媒を、走行中の車両の内部に流入する外部空気を通して冷却して凝縮させるようにしている。このようなコンデンサは、通常、気液分離による凝縮効率の向上および冷媒中の水分を除去するために備えられるレシーバドライヤと配管を介して連結される。車両用コンデンサとしては、外部空気によって放熱される空冷式コンデンサが主に使用される〔例えば、特許文献1参照〕。このような空冷式コンデンサは、主にピンチューブ構造を有するが、冷却性能を高めるためには、全体的な大きさを増大させなければならない。したがって、空冷式コンデンサは、狭いエンジンルームの内部に取付けにくいという欠点があった。
【0004】
このような欠点を解決するために、最近では、冷却水を冷却流体に利用する水冷式コンデンサが車両に適用されている〔例えば、特許文献2参照〕。しかし、前記水冷式コンデンサは、空冷式に比べて、冷却流体の凝縮温度が約5〜15℃低く、外部気温との温度差が少ない。したがって、サブクール効果の不足により凝縮効率が低下し、これにより、全体的な冷却効率が低下するという問題があった。
【0005】
また、水冷式車両用コンデンサの凝縮効率を向上させたり、冷却効率を向上させるためには、ラジエータを大きくするか、冷却ファンの容量を大きくせねばならず、さらに別途にレシーバドライヤとの連結配管が複雑になるなど、重量が増し、コストが増大するという問題を抱えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−074530号公報
【特許文献2】特開平06−050144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、複数のプレートが積層され、レシーバドライヤを一体に構成として、構成部品を少なく、連結配管のレイアウトの簡素化、全体の軽量化、および製作コスト低減が達成できる車両用コンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成すべく本発明の車両用コンデンサは、液体の冷媒を膨張させる膨張バルブと、膨張バルブにより膨張された冷媒を空気と熱交換して蒸発させる蒸発器と、蒸発器で気化した冷媒を圧縮させる圧縮器を有するエアコンシステムに用いられ、圧縮器と膨張バルブとの間に備えられて、圧縮器からの冷媒を、ラジエータから供給された冷却水と熱交換させて凝縮させる。
【0009】
本発明の第1実施形態に係る車両用コンデンサは、複数のプレートが積層され、圧縮器から供給された冷媒を、ラジエータから供給された冷却水と熱交換させて凝縮させる第1放熱部と、第1放熱部の一端に一体に形成されて、第1放熱部で凝縮された冷媒を受けて気液分離を行うと共に、水分を除去するレシーバドライヤ部と、第1放熱部の下部に一体に形成されて、レシーバドライヤ部を通過した冷媒と、蒸発器で気化した冷媒を互いに熱交換させ、レシーバドライヤ部を通過した冷媒を過冷させる第2放熱部と、を有している。
【0010】
第1放熱部は、その下部に、凝縮された冷媒をレシーバドライヤ部に流入させる第1連結流路が形成され、第2放熱部は、レシーバドライヤ部から気液分離および水分が除去された冷媒を流入させる第2連結流路が形成されている。
【0011】
第2放熱部は、レシーバドライヤ部から第2連結流路を経て流入した冷媒が流れる液体冷媒流路と、蒸発器からの冷媒が流れる気体冷媒流路とを有し、液体冷媒流路を通過する冷媒を、気体冷媒流路を通過する気体冷媒と熱交換させて過冷させる
【0012】
第1放熱部と第2放熱部との間には、第1放熱部と第2放熱部の間の熱伝達を遮断する熱遮断部が形成されている。この熱遮断部は、第1放熱部と第2放熱部との間に長さ方向に沿って形成された複数のロウ付け連通ホールを介して溶接時の窒素注入を容易にできる。
【0013】
コンデンサは、第1放熱部、レシーバドライヤ部、そして第2放熱部を含む全体の上面および下面にそれぞれ取付けられた上部カバーおよび下部カバーをさらに有し、上部カバーの一側にはラジエータからの冷却水が流入する冷却水流入口、および他側にはコンデンサからの冷却水が排出される冷却水排出口がそれぞれ形成され、上部カバーの冷却水排出口のある側には、圧縮器からの冷媒が流入する冷媒流入口が形成される。
【0014】
下部カバーにおける上部カバーに冷却水排出口がある側には、膨張バルブに液体の冷媒を送る液体冷媒排出口と、蒸発器からの気体の冷媒を受ける気体冷媒流入口が形成され、下部カバーにおける上部カバーに冷却水流入口がある側には、圧縮器に気体冷媒を送る気体冷媒排出口が形成される。
【0015】
レシーバドライヤ部には、冷媒中に残存する水分を除去する乾燥剤が、取替え可能に取付けることができる。
【0016】
本発明の第2実施形態にかかるコンデンサは、複数のプレートが積層され、圧縮器から供給された冷媒を、ラジエータから供給された冷却水と熱交換して凝縮させる放熱部と、放熱部の一端に一体に形成されて、放熱部で凝縮された冷媒を受けて冷媒の気液分離を行うと共に、水分を除去するレシーバドライヤ部と、を有している。
【0017】
放熱部は、レシーバドライヤ部で凝縮された冷媒が流入するように、その下部に連結流路が形成されている。
【0018】
コンデンサは、放熱部とレシーバドライヤ部全体の上面と下面それぞれに取付けられた上部カバーと下部カバーをさらに有し、上部カバーの一側には、ラジエータに連結された冷却水流入口が、他側には、冷却水排出口が形成され、上部カバーの冷却水排出口が形成された側には、圧縮器に連結された冷媒流入口が形成されている。下部カバーにおける、上部カバーに冷却水流入口が形成された側には、膨張バルブに連結された液体冷媒排出口が形成される。
【0019】
そして、レシーバドライヤ部の内部には、冷媒中に残存する水分を乾燥する乾燥剤が取替え可能に取付けられている。
【0020】
本発明の第3実施形態にかかるコンデンサは、圧縮器からの冷媒を、ラジエータから供給された冷却水と熱交換させて凝縮させる車両用コンデンサにおいて、複数のプレートが積層され、圧縮器から供給される冷媒を、ラジエータから供給された冷却水と熱交換させて凝縮させる第1放熱部と、第1放熱部の下部に一体に形成され、第1放熱部を通過した冷媒を、冷却水と熱交換させてさらに温度を下げる第2放熱部と、第1放熱部と第2放熱部の一端に一体に形成されて、第1放熱部と第2放熱部のそれぞれと連通して、第1放熱部で凝縮した冷媒を受けて、冷媒中の気液分離を行うと共に、水分を除去し、これを第2放熱部に出すレシーバドライヤ部と、を有している。
【0021】
コンデンサは、第1放熱部、第2放熱部およびレシーバドライヤ部全体の上面と下面それぞれに取付けられた上部カバーと下部カバーをさらに有し、上部カバーの一側には、圧縮器に連結されて第1放熱部に冷媒を流入させる冷媒流入口が形成されている。下部カバーの一側には、膨張バルブに連結した液体冷媒排出口、およびラジエータに連結された冷却水流入口が形成され、他側には、冷却水排出口が形成されている。
【0022】
レシーバドライヤ部の内部には、冷媒中に残存する水分を除去する乾燥剤が取替え可能に取付けられている。
【0023】
第1放熱部は、圧縮器からの冷媒を、冷却水と熱交換して凝縮させ、その下部に形成された第1連結流路を経てレシーバドライヤ部に出す。第2放熱部は、レシーバドライヤ部において気液分離され、水分が除去された冷媒を、第2連結流路を経て流入させ、冷却水と熱交換させる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の第1実施形態によれば、車両用コンデンサには、複数のプレートが積層され、レシーバドライヤが一体に構成されている。この車両用コンデンサは、冷媒を冷却水で凝縮させ、さらに凝縮した冷媒を蒸発器からの低温低圧の気体の冷媒と熱交換させて過冷させている。従って、凝縮した冷媒を追加で過冷するために別途の装置を必要とせず、構成部品を少なくし、連結配管のレイアウトを簡素化でき、全体重量を軽くすることができ、さらに製作コスト低減することができる。また、この車両用コンデンサは、レシーバドライヤのスペースを小さくして放熱面積を増大させることにより、冷却効率を向上させることができる。
【0025】
本発明の第2実施形態によれば、水冷式コンデンサにレシーバドライヤを一体に構成することにより、構成部品を少なくし、連結配管のレイアウトを簡素化でき、全体重量を軽くすることができ、さらに製作コスト低減することができ、これにより、全体重量を軽くすることができ、さらに製作コスト低減することができる。
【0026】
本発明の第3実施形態もレシーバドライヤを一体に構成しており、これにより、構成部品を少なくし、連結配管のレイアウトを簡素化でき、全体重量を軽くすることができ、さらに製作コスト低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係るコンデンサが適用された車両のエアコンシステムの構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両用コンデンサの斜視図である。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図である。
【図4】図2のB−B線に沿った断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るコンデンサが適用された車両のエアコンシステムの構成図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両用コンデンサの斜視図である。
【図7】図6のC−C線に沿った断面図である。
【図8】図6のD−D線に沿った断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態にかかるコンデンサが適用された車両のエアコンシステムの構成図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る車両用コンデンサの斜視図である。
【図11】図10のE−E線に沿った断面図である。
【図12】図10のF−F線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付した図面に基づいて詳細に説明する。本明細書に記載した実施形態と図面は、あくまで本発明を説明するためのものであり、これらの実施形態が本発明の技術的思想の全てではないことはいうまでもない。従って、本出願時点においてこれらに代替可能な均等物と変形例が、多様にあり得ることを理解してほしい。
【0029】
図1は、本発明の第1実施形態に係るコンデンサが適用された車両のエアコンシステムの構成図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係る車両用コンデンサの斜視図であり、図3は、図2のA−A線に沿った断面図であり、図4は、図2のB−B線に沿った断面図である。
【0030】
図1〜4を参照すると、本発明の第1実施形態の車両用コンデンサ100は、液体の冷媒を膨張させる膨張バルブ101と、膨張バルブ101により膨張した冷媒を空気との熱交換により蒸発させる蒸発器103と、蒸発器103から冷媒を気体状態で受けてこれを圧縮させる圧縮器105を有するエアコンシステムに用いられる。つまり、コンデンサ100は、圧縮器105と膨張バルブ101との間に備えられて、圧縮器105から流入する冷媒を、ラジエータ107から供給された冷却水と熱交換させて凝縮させている。ラジエータ107は、リザーバタンク108に連結され、ラジエータ107の後方には冷却ファン109が備えられる。
【0031】
本発明の第1実施形態の車両用コンデンサ100には、複数のプレートが積層されていて、レシーバドライヤ部130が一体に構成されている。車両用コンデンサ100は、冷却水により凝縮された冷媒を、さらに蒸発器103からの低温低圧の気体の冷媒と熱交換して過冷させている。これにより、凝縮した冷媒を追加で過冷するための別途の装置をなくすことができ、構成部品を少なくし、連結配管のレイアウトを簡素化し、全体の重量を軽くし、製作コストの節減ができる。また、車両用コンデンサ100は、レシーバドライヤのスペースを小さくすることで放熱面積を増大させ、冷却効率を向上させるようになっている。
【0032】
図1および図2に示したように、車両用コンデンサ100は、第1放熱部110と、レシーバドライヤ部130と、第2放熱部140を主要構成部分としている。以下にこれらの各部分を説明する。
【0033】
第1放熱部110は、上部カバー111と下部カバー113に挟まれて、複数のプレート115が積層されている。第1放熱部110は、圧縮器105からの冷媒を流し、他方、ラジエータ107に連結されて冷却水が流され、冷媒と冷却水とを互いに熱交換して冷媒を凝縮させている。このような形態である第1放熱部110は、冷媒の流れと冷却水の流れを互いに反対にする対向流(counterflow)として熱交換させるのが一般的である。
【0034】
つまり、第1放熱部110は、図3、4に示すように複数のプレート115が離隔して積層され、それぞれのプレート115の間に冷媒流路117と冷却水流路119とが交互に形成されている。すなわち、冷媒は冷媒流路117を通り、冷却水は冷却水流路119を通って、冷媒と冷却水は互いに混合することなく互いに反対方向に流れ、この過程で冷媒と冷却水との間で熱交換が行われる。
【0035】
図4に示すように、上部カバー111は、第1放熱部110に対応して、その一側にラジエータ107からの冷却水が流入する冷却水流入口121が、他側に冷却水が出る冷却水排出口123がそれぞれ形成される。一方、図3に示すように、上部カバー111の冷却水排出口123のある側で、冷却水流入口121とは反対側となる位置に、圧縮器105からの高温高圧の冷媒が流入する冷媒流入口125が形成され、冷媒と冷却水とが互いに対向した流れとなる。
【0036】
レシーバドライヤ部130は、第1放熱部110で凝縮した冷媒を受け、気液分離すると共に、冷媒中の水分を除去するようになっている。レシーバドライヤ部130は、第1放熱部110の一端に一体に形成されて、第1放熱部110の下部に設けられた第1連結流路127を経て凝縮した冷媒を流入させている。
【0037】
このようなレシーバドライヤ部130は、コンデンサ100と同じ形状で、一体に形成されるため、従来の円筒状のレシーバドライヤと比較してスペースを小さくし、別途の配管をなくすことができる。
【0038】
また、レシーバドライヤ部130は、内部に取付空間131が形成され、取付空間131に対応して下部カバー113には挿入ホール133が形成される。そして、取付空間131には、挿入ホール133を介して乾燥剤135が挿入される。乾燥剤135は、第1放熱部110からの冷媒中に残る水分を除去する機能を果たす。乾燥剤135は、取替周期に応じて挿入ホール133を通して取替えができるように着脱可能にレシーバドライヤ部130の内部に取付けられるのがよい。また、乾燥剤135には、フィルタが一体に構成されて、レシーバドライヤ部130に流入した冷媒中に含まれている固体の異物をフィルタリングする。
【0039】
従って、挿入ホール133には、固定キャップ137を取付けて、取付空間131に挿入された乾燥剤135の離脱を防止し、さらにレシーバドライヤ部130に流入した冷媒が外部に漏れるのを防止するようにする。
【0040】
つまり、レシーバドライヤ部130は、乾燥剤135によって冷媒中に残存する水分を除去し、フィルタにより冷媒中に含まれている固形の異物をフィルタリングすることができ、これにより、膨張バルブ101が詰まる現象を防止することができる。
【0041】
第2放熱部140は、第1放熱部110の下部に一体に形成されて、レシーバドライヤ部130からの液体の冷媒が流れる液体冷媒流路117と、蒸発器103からの気体の冷媒が流れる気体冷媒流路143を有している。つまり、図3に示したように第2放熱部140は、複数のプレート115が離隔して積層されており、複数のプレート115の間には、液体冷媒流路117と気体冷媒流路143とが交互に形成されている。また、第2放熱部140は、その上部にレシーバドライヤ部130からの冷媒を流入させる第2連結流路141が形成されている。
【0042】
すなわち、第2放熱部140では、レシーバドライヤ部130から第2連結流路141を経て流入した冷媒が液体冷媒流路117を通過し、蒸発器103からの低温低圧の気体冷媒が気体冷媒流路143を通過して、両者が互いに混合することなくそれぞれ流れて熱交換させ、液体冷媒流路117中の冷媒を過冷させている。このとき、第2放熱部140は、液体冷媒流路117中の冷媒と気体冷媒流路143中の冷媒を互いに対向するように流して熱交換させるのがよい。
【0043】
下部カバー113は、レシーバドライヤ部130の反対側で、かつ上部カバー111における冷媒流入口125と対応した位置に液体冷媒排出口129が形成され、この液体冷媒排出口129は膨張バルブ101に連結している。さらに、下部カバー113には、第2放熱部140の両側に位置して、気体冷媒流入口145と気体冷媒排出口147が形成されている。気体冷媒流入口145は、液体冷媒排出口129のある側に形成されて、蒸発器103に連結され、一方、気体冷媒排出口147は、液体冷媒排出口129から遠い側に形成され、圧縮器105に連結される。
【0044】
レシーバドライヤ部130は、第1放熱部110と第2放熱部140の一側に一体に形成されており、第1連結流路127により第1放熱部110と、第2連結流路141により第2放熱部140と連通している。
【0045】
第1放熱部110と第2放熱部140との間には、互いの熱伝達を遮断するための熱遮断部150が形成される。熱遮断部150は、第1放熱部110と第2放熱部140との間に長さ方向に沿って形成され、それぞれで行われる熱交換に影響を及ぼさないようにするものである。熱遮断部150は、複数のプレート115の積層作製時に窒素の注入を容易にして、溶接によって発生するガスを外部に排出することで溶接不良率を低下させる複数のロウ付け連通ホールを、窒素の注入作業終了後に閉鎖して形成できる。
【0046】
上記したように、本発明の実施形態に係るコンデンサ100は、複数のプレート115が積層された熱交換器を有している。つまり、この車両用コンデンサ100は、ラジエータ107により冷却された冷却水が、冷却水流入口121を通って第1放熱部110に入り、第1放熱部110の内部で複数のプレート115の間に形成された冷却水流路119を流れ、冷却水排出口123を通ってコンデンサ100から出て、再びラジエータ107に供給される循環をする。
【0047】
一方、冷媒は、圧縮器105から冷媒流入口125を経て第1放熱部110に入り、冷媒流路117を流れる。冷媒流路117と冷却水流路119は交互に形成され、第1放熱部110内で冷媒と冷却水とが互いに対向した流れとなって熱交換が行われる。冷媒は、熱交換により凝縮され、第1連結流路127からレシーバドライヤ部130に入る。
【0048】
冷媒は、レシーバドライヤ部130では、内部で気液分離が行われ、同時に乾燥剤135によって冷媒中の水分が除去される。その後、凝縮した冷媒は、第2連結流路141を通って第2放熱部140に入る。第2放熱部140に入った冷媒は、第2放熱部140で液体冷媒流路117を流れ、一方、蒸発器103から供給された低温低圧の気体の冷媒が、気体冷媒流入口145を通って第2放熱部140に入り、気体冷媒流路143を流れる。ここで、液体冷媒流路117を流れるレシーバドライヤ部130からの冷媒と、気体冷媒流路143を流れる低温の気体の冷媒は、互いに反対方向に流れて熱交換し、液体冷媒流路117を流れる冷媒が過冷される。そして、過冷された冷媒は、液体冷媒排出口129から出て、膨張バルブ101に供給される。一方、気体冷媒流入口145を経て第2放熱部140に入った気体の冷媒は、レシーバドライヤ部130からの冷媒と熱交換した後、気体冷媒排出口147を出て、圧縮器105に供給される。
【0049】
このように、レシーバドライヤ部130は、第1放熱部110と第2放熱部120の一端部に一体に構成されることで、互いに連結する別途の連結配管の必要をなくすことができ、同時に、スペースを小さくすることができる。第1放熱部110と第2放熱部140は、熱遮断部150によって互いの熱伝達を遮断でき、コンデンサ100の全体的な凝縮効率および冷却効率を上げることができる。
【0050】
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用コンデンサ200を説明する。第2実施形態の車両用コンデンサ200は、第1実施形態と類似しているので、2つの実施形態間の相違点を中心に説明する。
【0051】
図5は、第2実施形態に係るコンデンサが適用された車両のエアコンシステムの構成図であり、図6は、その斜視図、図7は、図6のC−C線に沿った断面図、図8は、図6のD−D線に沿った断面図である。
【0052】
図5〜8を参照すると、第2実施形態の車両用コンデンサ200は、液体の冷媒を膨張させる膨張バルブ201と、膨張バルブ201により膨張した冷媒を空気と熱交換して蒸発させる蒸発器203と、蒸発器203からの冷媒を気体状態で受けて、これを圧縮させる圧縮器205とを有するエアコンシステムに用いられる。
【0053】
コンデンサ200は、圧縮器205と膨張バルブ201との間に備えられ、圧縮器205からの冷媒を、ラジエータ207から供給された冷却水と熱交換して凝縮させるようになっている。また、ラジエータ207には、リザーバタンク208が連結され、ラジエータ207の後方には冷却ファン209が備えられている。
【0054】
車両用コンデンサ200は、図5、図6に示したように、放熱部210と、レシーバドライヤ部230を主要構成部とした構成である。
【0055】
放熱部210は、図7、8に示したように、上部カバー211と下部カバー213とを有し、上部カバー211と下部カバー213との間に複数のプレート215が積層されている。このような放熱部210は、圧縮器205からの冷媒、およびラジエータ207からの冷却水をそれぞれ流して冷媒と冷却水とで熱交換し、冷媒を凝縮させている。このとき、放熱部210では、冷媒の流れと冷却水の流れを対向するようにして熱交換させるのがよい。
【0056】
つまり、放熱部210は、複数のプレート215が離隔して積層されており、複数のプレート215のぞれぞれの間には、冷媒流路217と冷却水流路219とが交互に形成されている。従って、冷媒と冷却水が互いに混合することなく、互いに反対方向に流れ、この過程で互いに熱交換が行われる。
【0057】
上部カバー211は、放熱部210に対応してその一側に冷却水流入口221、他側に冷却水排出口223を設け、さらに、冷却水排出口223のある側には、冷媒流入口225が形成される。
【0058】
レシーバドライヤ部230は、放熱部210で凝縮した冷媒を受けて、冷媒の気液分離と、水分除去を行うようになっている。レシーバドライヤ部230は、放熱部210の一端に一体に形成されており、放熱部210に連結されている。この場合、放熱部210の下部に連結流路227が形成されていて、放熱部210で凝縮した冷媒をレシーバドライヤ部230に入るようにしている。
【0059】
下部カバー213には、膨張バルブ201に連結した液体冷媒排出口229と、液体冷媒排出口229から離れた位置に挿入ホール232が形成される。
【0060】
レシーバドライヤ部230は、挿入ホール232に連結した内部に取付空間231が形成され、乾燥剤233が挿入される。乾燥剤233は、凝縮した冷媒中に残存する水分を除去する機能を果たしている。また、乾燥剤233には、フィルタが一体に構成され、冷媒中の固形異物をフィルタリングする。そして、挿入ホール232には、乾燥剤233が離脱するのを防止するための固定キャップ235が取付けられる。
【0061】
放熱部210で凝縮し、レシーバドライヤ部230で気液分離され、水分が除去された冷媒は、液体冷媒排出口229から膨張バルブ201に流れていく。
【0062】
上記したように、圧縮器205からの冷媒は、冷媒流入口225から放熱部210に入り冷媒流路217を流れ、一方、ラジエータ207で冷却された冷却水は、冷却水流入口221から放熱部210に入り、プレート215の間に形成された冷却水流路219を流れていく。冷媒流路217と冷却水流路219は交互に形成され、特に、冷媒と冷却水が互いに対向した流れとして熱交換が行われるようにする。冷却されて凝縮した冷媒は、連結流路227を経てレシーバドライヤ部230に入る。
【0063】
レシーバドライヤ部230では、冷媒は気液分離され、同時に凝縮した冷媒中の水分を乾燥剤233で除去している。その後、冷媒は、液体冷媒排出口229から出て膨張バルブ201に供給される。
【0064】
第2実施形態によれば、レシーバドライヤ部230は、放熱部210の一端部に一体に構成されることにより構成部品を少なくすることができ、レシーバドライヤ部230と放熱部210とを連結するための別途の連結配管が必要でなくなり、同時に、コンデンサ200と同じ形状からなるレシーバドライヤによって小さいスペースで冷媒を循環させることができる。
【0065】
第3実施形態に係る車両用コンデンサ300を説明する。第3実施形態の車両用コンデンサ300は、第1実施形態と類似しているので、2つの実施形態間の相違点を中心に説明する。
【0066】
図9は、第3実施形態のコンデンサが適用された車両のエアコンシステムの構成図であり、図10は、その斜視図、図11は、図10のE−E線に沿った断面図、図12は、図10のF−F線に沿った断面図である。
【0067】
第3実施形態の車両用コンデンサ300は、図9に示したように、液体の冷媒を膨張させる膨張バルブ301と、膨張バルブ301で膨張された冷媒を空気と熱交換して蒸発させる蒸発器303と、蒸発器303から冷媒を気体状態で受けて、これを圧縮させる圧縮器305とを有するエアコンシステムに用いられる。
【0068】
コンデンサ300は、圧縮器305と膨張バルブ301との間に備えられ、圧縮器305から流入する冷媒を、ラジエータ307からの冷却水と熱交換させて凝縮させるようになっている。ラジエータ307は、リザーバタンク308に連結され、ラジエータ307の後方には冷却ファン309が備えられている。
【0069】
車両用コンデンサ300には、図10〜図12に示したように、第1放熱部310と第2放熱部320、さらにレシーバドライヤ部330が一体に取付けられている。
【0070】
第1放熱部310と第2放熱部320は、上部カバー311と下部カバー313に挟まれ、それぞれ複数のプレート315が離隔して積層され、それぞれのプレート315の間には、冷媒流路317と冷却水流路319が交互に形成されている。冷媒流路317には、圧縮器305からの冷媒が流れ、冷却水流路319には、ラジエータ307からの冷却水が流れ、冷媒と冷却水が互いに混合することなく、互いに反対方向に流れて熱交換が行われる。第2放熱部320は、第1放熱部310の下部に形成され、第1放熱部310で冷却されて凝縮した冷媒を、さらに冷却させる2次冷却の機能を果たしている。
【0071】
上部カバー311には、冷媒流入口321が形成され、圧縮器305からの冷媒を第1放熱部310に流入させている。下部カバー313には、液体冷媒排出口323が形成され、第2放熱部320からの冷媒を膨張バルブ301に送っている。また、下部カバー313には、ラジエータ307の両側にそれぞれ冷却水流入口325と冷却水排出口327が形成されている。
【0072】
第1放熱部310は、圧縮器305からの冷媒を受けて、冷却水と熱交換して凝縮させ、凝縮した冷媒を、その下部に形成された第1連結流路328を経てレシーバドライヤ部330に流している。
【0073】
レシーバドライヤ部330は、第1放熱部310と第2放熱部320の一端に一体に形成され、第1放熱部310と第2放熱部320のそれぞれに連通して、第1放熱部310で凝縮した冷媒を流入させて気液分離し、さらに水分を除去し、これを第2放熱部320に送り出している。
【0074】
第2放熱部320では、レシーバドライヤ部330からの冷媒を、その上部に形成された第2連結流路329を経て流入させ、低温状態で流入する冷却水と2次的に熱交換させて冷媒を追加で冷却する。
【0075】
このとき、ラジエータ307からの低い温度の冷却水を、冷却水流入口325を経て先ず第2放熱部320に流し、これと第1放熱部310を通過した冷媒を冷却させることで、冷媒の冷却効率を上げることができる。
【0076】
レシーバドライヤ部330は、第1放熱部310と第2放熱部320の一側に一体に形成され、第1連結流路328を介して第1放熱部310と、第2連結流路329を介して第2放熱部320とそれぞれ連結されている。これにより、レシーバドライヤ部330は、コンデンサ300と同じ形状に形成され、従来の円筒状のレシーバドライヤと比較してスペースを小さくすることができ、さらに別途の配管をなくすることができる。
【0077】
レシーバドライヤ部330の内部には取付空間331が形成され、取付空間331に対応する下部カバー313には挿入ホール333が形成される。取付空間331には、挿入ホール333を通して乾燥剤335が挿入され、乾燥剤335は、冷媒中に残存する水分を除去する機能を果たしている。また、乾燥剤335には、フィルタが一体に構成され、冷媒中の固形異物をフィルタリングする。異物が濾過された冷媒は、第2放熱部320で2次的に冷却され、液体冷媒排出口323から膨張バルブ301に流れていく。
【0078】
挿入ホール333には、取付空間331に挿入された乾燥剤335の離脱を防止し、レシーバドライヤ部330に流入した冷媒が外部に漏れるのを防止するように、固定キャップ337が取付けられる。
【0079】
第3実施形態の車両用コンデンサ300では、ラジエータ307で冷却された冷却水は、冷却水流入口325から第2放熱部320に入り、冷却水流路319を流れて第1放熱部310に移動し、その後に冷却水排出口327から出ていく。
【0080】
一方、圧縮器305からの冷媒は、冷媒流入口321から第1放熱部310に入って冷媒流路317を流れ、第1連結流路328を経てレシーバドライヤ部330に入り、気液分離され、水分除去がされて、第2連結流路329を経て第2放熱部320に入り、第2放熱部320を流れ、液体冷媒排出口323を経て排出され、膨張バルブ301に供給される。
【0081】
第3実施形態によれば、レシーバドライヤを一体に構成することにより、構成部品を少なくすることができ、連結配管のレイアウトを簡素化することができる。これにより、コンデンサの全体重量を軽くし、製作コストを低減できる。
【0082】
本発明を、限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、これによって限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と下記に記載される特許請求の範囲の均等な範囲内で多様な修正および変形が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0083】
100、200、300:車両用コンデンサ
101、201、301:膨張バルブ
103、203、303:蒸発器
105、205、305:圧縮器
107、207、307:ラジエータ
108、208、308:リザーバタンク
109、209、309:冷却ファン
110,310:第1放熱部
111、211、311:上部カバー
113、213、313:下部カバー
115、215、315:(複数の)プレート
117:(液体)冷媒流路
119、219、319:冷却水流路
120、140:第2放熱部
121、221、325:冷却水流入口
123、223、327:冷却水排出口
125、225,321:冷媒流入口
127、328:第1連結流路
129、229、323:液体冷媒排出口
130、230、330:レシーバドライヤ部
131、231、331:取付空間
133、232、333:挿入ホール
135、233、335:乾燥剤
137、235、337:固定キャップ
141、329:第2連結流路
143:気体冷媒流路
145:気体冷媒流入口
147:気体冷媒排出口
150:熱遮断部
210:放熱部
217、317:冷媒流路
227:連結流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の冷媒を膨張させる膨張バルブと、前記膨張バルブにより膨張された冷媒を空気と熱交換して蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器で気化した冷媒を圧縮させる圧縮器を有するエアコンシステムに用いられ、前記圧縮器と前記膨張バルブとの間に備えられて、前記圧縮器からの冷媒を、ラジエータから供給された冷却水と熱交換させて凝縮させる車両用コンデンサにおいて、
複数のプレートが積層され、前記圧縮器から供給された冷媒を、前記ラジエータから供給された冷却水と熱交換させて凝縮させる第1放熱部と、
前記第1放熱部の一端に一体に形成されて、前記第1放熱部で凝縮された冷媒を受けて気液分離を行うと共に、水分を除去するレシーバドライヤ部と、
前記第1放熱部の下部に一体に形成されて、前記レシーバドライヤ部を通過した冷媒と、前記蒸発器で気化した冷媒を互いに熱交換させ、前記レシーバドライヤ部を通過した冷媒を過冷させる第2放熱部と、を有することを特徴とする車両用コンデンサ。
【請求項2】
前記第1放熱部は、その下部に、凝縮された冷媒を前記レシーバドライヤ部に流入させる第1連結流路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用コンデンサ。
【請求項3】
前記第2放熱部は、前記レシーバドライヤ部からの冷媒を流入させる第2連結流路が形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用コンデンサ。
【請求項4】
前記第2放熱部は、前記レシーバドライヤ部から前記第2連結流路を経て流入した冷媒が流れる液体冷媒流路と、前記蒸発器からの冷媒が流れる気体冷媒流路とを有し、
前記液体冷媒流路を通過する冷媒を、前記気体冷媒流路を通過する冷媒と熱交換させて過冷させることを特徴とする請求項3に記載の車両用コンデンサ。
【請求項5】
前記第1放熱部と前記第2放熱部との間には、前記第1放熱部と前記第2放熱部の間の熱伝達を遮断する熱遮断部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用コンデンサ。
【請求項6】
前記熱遮断部は、前記第1放熱部と前記第2放熱部との間に長さ方向に沿って形成された複数のロウ付け連通ホールを介して溶接時の窒素注入を容易にできるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の車両用コンデンサ。
【請求項7】
前記コンデンサは、前記第1放熱部、前記レシーバドライヤ部、そして前記第2放熱部を含む全体の上面および下面にそれぞれ取付けられた上部カバーおよび下部カバーをさらに含み、
前記上部カバーの一側には前記ラジエータからの冷却水が流入する冷却水流入口、および他側には前記コンデンサからの冷却水が排出される冷却水排出口がそれぞれ形成され、
前記上部カバーの前記冷却水排出口のある側には、前記圧縮器からの冷媒が流入する冷媒流入口が形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用コンデンサ。
【請求項8】
前記下部カバーにおける前記上部カバーに前記冷却水排出口がある側には、前記膨張バルブに液体の冷媒を送る液体冷媒排出口と、前記蒸発器からの気体冷媒を受ける気体冷媒流入口が形成され、
前記下部カバーにおける前記上部カバーに前記冷却水流入口がある側には、前記圧縮器に気体冷媒を送る気体冷媒排出口が形成されることを特徴とする請求項7に記載の車両用コンデンサ。
【請求項9】
前記レシーバドライヤ部には、冷媒中に残存する水分を除去する乾燥剤が、取替え可能に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用コンデンサ。
【請求項10】
液体の冷媒を膨張させる膨張バルブと、前記膨張バルブにより膨張された冷媒を空気と熱交換して蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器で気化した冷媒を圧縮させる圧縮器を有するエアコンシステムに用いられ、前記圧縮器と前記膨張バルブとの間に備えられて、前記圧縮器からの冷媒を、ラジエータから供給された冷却水と熱交換させて凝縮させる車両用コンデンサにおいて、
複数のプレートが積層され、前記圧縮器から供給された冷媒を、前記ラジエータから供給された冷却水と熱交換させて凝縮させる放熱部と、
前記放熱部の一端に一体に形成されて、前記放熱部で凝縮された冷媒を受けて冷媒の気液分離を行うと共に、水分を除去するレシーバドライヤ部と、を有することを特徴とする車両用コンデンサ。
【請求項11】
前記放熱部は、前記レシーバドライヤ部で凝縮された冷媒が流入するように、その下部に連結流路が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の車両用コンデンサ。
【請求項12】
前記コンデンサは、前記放熱部と前記レシーバドライヤ部全体の上面と下面それぞれに取付けられた上部カバーと下部カバーをさらに有し、
前記上部カバーの一側には、前記ラジエータに連結された冷却水流入口が、他側には、冷却水排出口が形成され、
前記上部カバーの前記冷却水排出口が形成された側には、前記圧縮器に連結された冷媒流入口が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の車両用コンデンサ。
【請求項13】
前記下部カバーにおける前記上部カバーに冷却水流入口が形成された側には、前記膨張バルブに連結された液体冷媒排出口が形成されることを特徴とする請求項12に記載の車両用コンデンサ。
【請求項14】
前記レシーバドライヤ部の内部には、冷媒中に残存する水分を乾燥する乾燥剤が取替え可能に取付けられていることを特徴とする請求項10に記載の車両用コンデンサ。
【請求項15】
液体の冷媒を膨張させる膨張バルブと、前記膨張バルブにより膨張された冷媒を空気と熱交換して蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器で気化した冷媒を圧縮させる圧縮器を有するエアコンシステムに用いられ、前記圧縮器と前記膨張バルブとの間に備えられて、前記圧縮器からの冷媒を、ラジエータから供給された冷却水と熱交換させて凝縮させる車両用コンデンサにおいて、
複数のプレートが積層され、前記圧縮器から供給される冷媒を、前記ラジエータから供給された冷却水と熱交換させて凝縮させる第1放熱部と、
前記第1放熱部の下部に一体に形成され、前記第1放熱部を通過した冷媒を、前記冷却水と熱交換させてさらに温度を下げる第2放熱部と、
前記第1放熱部と前記第2放熱部の一端に一体に形成されて、前記第1放熱部と前記第2放熱部のそれぞれと連通して、前記第1放熱部で凝縮した冷媒を受けて、冷媒中の気液分離を行うと共に、水分を除去し、これを前記第2放熱部に出すレシーバドライヤ部と、を含むことを特徴とする車両用コンデンサ。
【請求項16】
前記コンデンサは、前記第1放熱部、前記第2放熱部および前記レシーバドライヤ部全体の上面と下面それぞれに取付けられた上部カバーと下部カバーをさらに有し、
前記上部カバーの一側には、前記圧縮器に連結されて前記第1放熱部に冷媒を流入させる冷媒流入口が形成されていることを特徴とする請求項15に記載の車両用コンデンサ。
【請求項17】
前記下部カバーの、一側には、前記膨張バルブに連結された液体冷媒排出口、および前記ラジエータに連結された冷却水流入口が形成され、他側には、前記ラジエータに連結される冷却水排出口が形成されていることを特徴とする請求項16に記載の車両用コンデンサ。
【請求項18】
前記レシーバドライヤ部の内部には、冷媒中に残存する水分を除去する乾燥剤が取替え可能に取付けられていることを特徴とする請求項15に記載の車両用コンデンサ。
【請求項19】
前記第1放熱部は、圧縮器からの冷媒を、冷却水と熱交換して凝縮させ、その下部に形成された第1連結流路を経て前記レシーバドライヤ部に出すことを特徴とする請求項15に記載の車両用コンデンサ。
【請求項20】
前記第2放熱部は、前記レシーバドライヤ部において気液分離され、水分が除去された冷媒を、第2連結流路を経て流入させ、冷却水と熱交換させることを特徴とする請求項15に記載の車両用コンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−116462(P2012−116462A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141684(P2011−141684)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(511156450)株式会社斗源空調 (2)
【Fターム(参考)】