説明

車両用シート

【課題】アッパーフレームの強度を向上させるために、側板部の上下方向の幅を広くすることができる車両用シートを提供する。
【解決手段】ロアフレームの一側部を構成するスライドレール11のアッパーレール13にブラケット61を固定する。ブラケット61には、シートベルト接続具71のプレートアンカ72の下端部を連結する。アッパーフレーム21の側板部22の下板部22aを、プレートアンカ72のブラケット61への取付箇所より外側に配置する。側板部22の中間板部22bに貫通孔22dを形成する。この貫通孔22dにプレートアンカ72を挿通する。これにより、プレートアンカ72の上部及びその上端部に設けられたバックル73を側板部22の外部に位置させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、左右いずれかの一側部にシートベルト接続具が設けられた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用シートは、下記特許文献1に記載されているように、車両の床部に固定されたロアフレームと、このロアフレームの上方に配置され、ロアフレームに連結機構を介して上下方向へ移動可能に連結されたアッパーフレームとを備えている。アッパーフレームには、乗員が腰掛けるシート部が設けられ、さらにシート部の後端部にはシートバック部が設けられている。
【0003】
このように構成された車両シートにおいては、通常、ロアフレームの左右いずれかの一側部にシートベルト接続具が取り付けられている。シートベルト接続具は、下端部がロアフレームの一側部に取り付けられたプレートアンカと、このプレートアンカの上端部に取り付けられたバックルとを有しており、バックルにシートベルトが着脱可能に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−208328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アッパーフレームの左右方向の両側部には、幅方向を上下方向に向けた側板部がそれぞれ設けられている。側板部は、アッパーフレームの強度を向上させるために、上下方向の幅をできる限り広くすることが望まれる。ところが、従来の車両用シートでは側板部の幅を広くすることが困難であるという問題があった。
【0006】
この問題点を図4に基づいて説明すると、図4は従来の車両用シートの一側部の概略構成を示すものであり、符号1はスライドレールである。スライドレール1は、左右方向へ互いに離間して配置された二つのスライドレールの一方であり、ロアフレームの一側部を構成している。スライドレール1は、車両の床部に固定されたロアレール2と、このロアレール2に前後方向へ移動可能に設けられたアッパーレール3とを有している。スライドレール1の上方には、アッパーフレーム4が配置されている。アッパーフレーム4は、左右方向へ互いに離間して配置された二つの側板部4a(一方の側板部4aのみ図示)と、両側板部4aを互いに連結する連結部材4bとを有している。
【0007】
アッパーレール3には、ブラケット5の内側(図3において右側)の端部が取り付けられている。ブラケット5の外側の端部には、シートベルト接続具6が取り付けられている。シートベルト接続具6は、下端部がブラケット5に取り付けられたプレートアンカ6aと、このプレートアンカ6aの上端部に取り付けられたバックルとを有している。バックルには、シートベルト(図示せず)が接続される。そのため、シートベルト接続具6がアッパーフレーム4の側板部4aより外側に配置されていた。ところが、そのように配置すると、側板部4aがブラケット5の上方に位置することになる。このため、側板部4aの上下方向の幅を広くすると、アッパーフレーム4が下方へ移動したときに側板部4aがブラケット5に突き当たってしまう。このような理由により、側板部4aの幅を広くすることが困難であったのである。
【0008】
また、従来の車両用シートにおいては、ブラケット5のアッパーレール3への取付部とシートベルト接続具6の取付部との間に側板部4aが位置しているため、両取付部間の距離が長くなってしまい、ブラケット5の強度低下を招くという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記の問題を解決するために、ロアフレームと、このロアフレームの上方に配置され、上記ロアフレームに連結機構を介して上下方向へ移動可能に連結されたアッパーフレームと、上記ロアフレームの左右いずれか一方の側部に取り付けられたシートベルト接続具とを備え、上記アッパーフレームが左右両側部に幅方向を上下方向に向けた側板部を有し、上記シートベルト接続具が、下端部が上記ロアフレームの上記一方の側部に取り付けられたプレートアンカ、及びこのプレートアンカの上端部に取り付けられたバックルを有し、上記バックルにシートベルトが接続される車両用シートにおいて、上記ロアフレームの上記一方の側部側に配置された一方の側板部の少なくとも下端部が、上記プレートアンカの上記ロアフレームに対する取付部より外側に位置するように配置されるとともに、当該一方の側板部に貫通孔が形成され、上記バックルが取り付けられた上記プレートアンカの上端部が上記一方の側板部に対してその外部に位置するように、上記プレートアンカが上記貫通孔に挿通されていることを特徴としている。
この場合、上記一方の側板部が、下側から上方へ向かって順次形成された下板部、中間板部及び上板部を有し、上記下板部が上記プレートアンカの上記ロアフレームに対する取付箇所より外側に配置され、上記中間板部が上方へ向かうにしたがって内側へ向かうように傾斜させられ、上記上板部が上記下板部より内側に配置され、上記貫通孔が上記中間板部に形成されていることが望ましい。
上記上板部が上記プレートアンカの上記ロアフレームに対する取付箇所より内側に配置されていることが望ましい。
上記ロアフレームが、左右方向へ互いに離間して配置された一対のスライドレールを有し、上記スライドレールが、長手方向を前後方向に向けて配置されたロアレール、及びこのロアレールに前後方向へ移動可能に設けられたアッパーレールを有し、上記プレートアンカの下端部が上記ロアフレームの上記一方の側部側に配置された一方のスライドレールのアッパーレールに取り付けられていることが望ましい。
上記連結機構が、左右のアッパーレールと左右の側板部との各間にそれぞれ配置された二対のリンクを有し、各リンクの下端部が上記アッパーレールにそれぞれ回転可能に連結され、各リンクの上端部が上記側板部にそれぞれ回転可能に連結されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
上記構成を有するこの発明によれば、プレートアンカが貫通孔に内側から外側に向かって挿通され、バックルが側板部より外側に位置しているから、バックルにはシートベルトを問題なく接続することができる。しかも、側板部の下端部がプレートアンカのロアフレームへの取付箇所より外側に配置されているから、アッパーフレームを下方へ移動させたとき、側板部がロアフレームやプレートアンカのロアフレームへの取付部あるいはプレートアンカをロアフレームにブラケットを介して取り付ける場合においてはブラケットに突き当たることがない。したがって、アッパーフレームの側板部の上下方向の幅を広くすることができ、その強度を向上させることができる。また、プレートアンカをロアフレームにブラケットを介して取り付ける場合においてはブラケットのロアフレームに対する取付箇所とプレートアンカの取付箇所との間の左右方向の距離を短くすることができ、強度的に非常に有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1はこの発明の第1実施の形態を示す側面図である。
【図2】図2は図1のX−X線に沿う一部省略拡大断面図である。
【図3】図3はこの発明の第2の実施の形態を示す図2と同様の断面図である。
【図4】図4は従来の車両用シートの一部を示す図2と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、この発明の第1実施の形態を示す。この実施の形態の車両用シート10は、スライドレール11を有している。図1及び図2には一つのスライドレール11しか図示されていないが、スライドレール11は、左右方向へ互いに離れて二つ設けられている。スライドレール11は、長手方向を前後方向に向けた状態で車両の床に固定されたロアレール12と、長手方向を前後方向に向けて配置され、ロアレール12に前後方向へ移動可能に支持されたアッパーレール13とを有している。二つのスライドレール11,11の各アッパーレール13,13は、前後方向へ一体に移動するよう、1又は複数の連結部材(図示せず)によって互いに連結されている。左右一対のスライドレール11,11及び連結部材によってロアフレームが構成されている。したがって、図示されたスライドレール11は、ロアフレームの一側部を構成している。ロアフレームは、必ずしもこのような構成のものでなくてもよく、例えば四角形の板状のものを採用し、それを車両の床に前後方向へ移動可能に設けてもよく、あるいは固定してもよい。
【0013】
ロアフレーム(一対のスライドレール11,11及び連結部材)の上方には、アッパーフレーム21が上下方向へ移動可能に配置されている。アッパーフレーム21は、左右方向に互いに離れて配置された一対の側板部22,22(一方の側板部22のみ図示)と、一対の側板部22,22を一体に連結する1又は複数の連結部材23とを有している。側板部22は、その長手方向を前後方向に向け、かつ幅方向を上下方向に向けた状態で配置されている。連結部材23は、この実施の形態では棒状又はパイプ状のもが採用されているが、板状のものが採用されることもある。棒状又はパイプ状の連結部材23が採用される場合には、複数の連結部材23が用いられる。各連結部材23は、その長手方向を左右方向に向けて配置され、両端部に側板部22,22がそれぞれ固定されている。勿論、各連結部材23は、前後方向へ互いに離れて配置されている。板状の連結部材23が用いられる場合には、連結部材23がほぼ水平に配置され、その左右両側部に側板部22,22がそれぞれ固定される。連結部材23としていた状のものを用いる場合には、連結部材23と側板部22,22とを一体に形成してもよい。
【0014】
側板部22,22は、それぞれアッパーレール11,11に連結機構31によって上下方向へ移動可能に連結されている。連結機構31は、左側の一対のリンク32,33と右側の一対のリンク32,33とを有している。一対のリンク32,33は、左右方向において同一側に位置するアッパーレール13と側板部22との間に配置されており、各リンク31,32の下端部は、アッパーレール13に左右方向に延びる水平な軸線を中心として回転可能に連結されている。各リンク31,32の上端部は、側板部22に左右方向に延びる水平な軸線を中心として回転可能に連結されている。これにより、側板部22がアッパーレール11に上下方向へ移動可能に連結され、ひいてはアッパーフレーム21がロアフレームに上下方向へ移動可能に連結されている。なお、アッパーフレーム21の上下方向への移動範囲は、所定の上限位置と下限位置との間に制限されている。
【0015】
一対のリンク32,33は、互いに同一長さ(同一の中心間距離)を有している。したがって、アッパーレール11、一対のリンク32,33及び側板部22によって構成される四節リンク機構が平行リンク機構になっている。勿論、一対のリンク32,32の長さは、異なる長さにしてもよい。また、一対のリンク32,33は、周知の車両シートにおいて採用されているように、左右方向から見たとき互いに交差するように配置してもよい。
【0016】
ロアフレームとアッパーフレーム21との間には、アッパーフレーム21を上方へ付勢する付勢機構が設けられている。この実施の形態では、付勢機構が一つのサスペンションばね41だけで構成されている。サスペンションばね41は、引っ張りコイルばねからなるのであり、リンク32,33と逆向きに傾斜した状態で配置されている。そして、サスペンションばね41の一端部がロアフレームたるアッパーレール13に連結され、他端部がアッパーフレーム21に連結されている。したがって、サスペンションばね41は、アッパーフレーム21を常時上方へ付勢している。付勢機構としては、例えば上記特許文献1に記載されたもの、その他周知の各種のものを採用することができる。
【0017】
アッパーフレーム21には、乗員が腰掛けるためのシート部51が設けられている。シート部51は、シートフレーム及びシートクッション(いずれも図示せず)を有している。シートフレームは、アッパーフレーム21に固定されている。したがって、シートフレームは、アッパーフレーム21と一体に設けてもよい。シート部51の後端部には、シートバック部52の下端部がリクライニングヒンジ53を介して回転可能に支持されている。シートバック部52の上端部には、ヘッドレスト部54が設けられている。
【0018】
二つのアッパーレール13,13のうちの一方のアッパーレール13(この実施の形態では、前方から見て右側に配置されたアッパーレール13)の後端部には、ブラケット61が取り付けられている。ブラケット61は、アッパーレール13の上面に取り付けられているが、アッパーレール13の外側(図2において左側)を向く側面に取り付けてもよい。なお、この発明において「内側」とは、車両用シート1の中央側を意味し、「外側」とは、車両用シート1の中央から離間する側を意味するものとする。
【0019】
ブラケット61の外側の側面には、シートベルト接続具71が取り付けられている。シートベルト接続具71は、プレートアンカ72及びバックル73を有している。プレートアンカ72は、周知のように、金属板又は硬質の樹脂繊維を編んで帯状に形成してなるものであり、この実施の形態では二段階に屈曲された屈曲部を除き、上下方向に延びている。プレートアンカ72の下端部は、ブラケット61の外側を向く側面に左右方向に延びる水平な軸線を中心とし回転可能に連結されている。したがって、プレートアンカ72の上端部は、下端部を中心として回転することにより、前後方向へ移動可能である。なお、プレートアンカ72の下端部は、アッパーレール13に直接取り付けてもよい。バックル73は、金属からなるものであり、プレートアンカ72の上端部に取り付けられている。バックル73には、シートベルト(図示せず)が着脱可能に接続される。
【0020】
図2に示すように、側板部22は、下側から上側へ向かって順次形成された下板部22a、中間板部22b及び上板部22cを有している。下板部22aは、その長手方向を前後方向に向け、かつその幅方向を上下方向に向けて配置されている。しかも、下板部22aは、ブラケット61はもとより、プレートアンカ72のブラケット61への取付箇所より外側に配置されている。したがって、下板部22aは、アッパーフレーム21が下方へ移動したときにブラケット61やプレートアンカ72及びそれらの取付箇所に突き当たることがない。そこで、この実施の形態では、アッパーフレーム21が下限位置に移動したときには、下板部22aの下端部がブラケット61より若干下側に位置するように配置されている。
【0021】
中間板部22bは、下板部22aの上端部に一体に連設されており、上方へ向かうにしたがって内側へ向かうように傾斜させられている。中間板部22bは、略水平に形成してもよい。
【0022】
上板部22cは、その長手方向を前後方向に向け、かつその幅方向を上下方向に向けて配置されており、中間板部22bの上端部に一体に連設されている。したがって、上板部22cは、下板部22aより内側に位置している。特に、この実施の形態では、プレートアンカ72のブラケット61への取付箇所、つまりブラケット61の外側の側面より内側に位置するように配置されている。なお、上板部22cには、上記連結部材23の一端部が連結固定されている。
【0023】
中間板部22bには、これを上下に貫通する貫通孔22dが形成されている。この貫通孔22dは、図1に示すように、前後方向へ所定の長さを有する長孔として形成されている。貫通孔22dは、外側へ向かうにしたがって上方へ向かうように傾斜させてもよい。
【0024】
貫通孔22dには、プレートアンカ72のうちの屈曲部より上側の部分が挿通されている。プレートアンカ72は、貫通孔22dに対しプレートアンカ72の長手方向へ移動可能である。したがって、プレートアンカ72は、アッパーフレーム21の上下方向への移動を阻害することがない。また、プレートアンカ72は、貫通孔22dにその長手方向へ移動可能に挿通されている。したがって、プレートアンカ72は、その幅と貫通孔22dの前後方向の長さの差の分だけ前後方向へ回転することができ、それによってバックル73が前後方向へ移動可能になっている。
【0025】
プレートアンカ72が貫通孔22dに挿通されているので、プレートアンカ72のうちの貫通孔22dより下側の部分は、側板部22の下板部22aより内側に位置している。しかし、プレートアンカ72のうちの貫通孔22dより上側の部分及びバックル73は、側板部22の上板部22cより外側に位置しており、側板部22から外部に露出している。したがtって、バックル73には、側板部22等が邪魔になることなく、シートベルトを問題なく接続することができる。
【0026】
上記構成の車両用シート1においては、プレートアンカ72が貫通孔22dに挿通されることにより、バックル73が側板部22に対して外部に配置されているので、バックル73にはシートベルトを問題なく、つまり側板部22等のシート10を構成する部材が接続の邪魔になることなく、容易に接続することができる。
【0027】
また、側板部22の下板部22aが、ブラケット61はもとよりプレートアンカ72のブラケット61への取付箇所より外側に配置されているので、アッパーフレーム21が下限位置にまで移動したときにブラケット61やプレートアンカ72の取付箇所に突き当たることがない。したがって、側板部22の上下方向の幅を、アッパーフレーム21が下限位置まで移動したときに側板部22の下端部(下板部22aの下端部)が車両の床部に接触するまでを最大限度として、下方へ広げることができる。これにより、側板部22の強度を向上させることができる。
【0028】
さらに、プレートアンカ72のブラケット61への取付箇所が側板部22の下板部22aより内側に配置されているから、当該取付箇所を、ブラケット61のアッパーレール13に対する取付箇所に接近させることができる。したがって、ブラケット61の強度低下を防止することができる。
【0029】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の実施の形態を採用することができる。
例えば、上記の実施の形態においては、プレートアンカ72をその長手方向の中間部において2段階にわたって屈曲させているが、図3に示すように、ブラケット61への取付箇所を除くプレートアンカ72全体をストレートに形成してもよい。
また、上記の実施の形態においては、側板部22の上板部22cをプレートアンカ72のブラケットへ61への取付箇所より内側に位置するように配置しているが、当該取付箇所より外側に配置してもよい。また、側板部22全体を、幅方向を上下方向に向けた平坦な板状に形成し、側板部22全体をプレートアンカ72のブラケット61への取付箇所より外側に配置してもよい。
【符号の説明】
【0030】
10 車両用シート
11 スライドレール(ロアフレーム)
12 ロアレール
13 アッパーレール
21 アッパーフレーム
22 側板部
22a 下板部
22b 中間板部
22c 上板部
22d 貫通孔
31 連結機構
32 リンク
33 リンク
61 ブラケット
71 シートベルト接続具
72 プレートアンカ
73 バックル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロアフレームと、このロアフレームの上方に配置され、上記ロアフレームに連結機構を介して上下方向へ移動可能に連結されたアッパーフレームと、上記ロアフレームの左右いずれか一方の側部に取り付けられたシートベルト接続具とを備え、上記アッパーフレームが左右両側部に幅方向を上下方向に向けた側板部を有し、上記シートベルト接続具が、下端部が上記ロアフレームの上記一方の側部に取り付けられたプレートアンカ、及びこのプレートアンカの上端部に取り付けられたバックルを有し、上記バックルにシートベルトが接続される車両用シートにおいて、
上記ロアフレームの上記一方の側部側に配置された一方の側板部の少なくとも下端部が、上記プレートアンカの上記ロアフレームに対する取付部より外側に位置するように配置されるとともに、当該一方の側板部に貫通孔が形成され、上記バックルが取り付けられた上記プレートアンカの上端部が上記一方の側板部に対してその外部に位置するように、上記プレートアンカが上記貫通孔に挿通されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
上記一方の側板部が、下側から上方へ向かって順次形成された下板部、中間板部及び上板部を有し、上記下板部が上記プレートアンカの上記ロアフレームに対する取付箇所より外側に配置され、上記中間板部が上方へ向かうにしたがって内側へ向かうように傾斜させられ、上記上板部が上記下板部より内側に配置され、上記貫通孔が上記中間板部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
上記上板部が上記プレートアンカの上記ロアフレームに対する取付箇所より内側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
上記ロアフレームが、左右方向へ互いに離間して配置された一対のスライドレールを有し、上記スライドレールが、長手方向を前後方向に向けて配置されたロアレール、及びこのロアレールに前後方向へ移動可能に設けられたアッパーレールを有し、上記プレートアンカの下端部が上記ロアフレームの上記一方の側部側に配置された一方のスライドレールのアッパーレールに取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用シート。
【請求項5】
上記連結機構が、左右のアッパーレールと左右の側板部との各間にそれぞれ配置された二対のリンクを有し、各リンクの下端部が上記アッパーレールにそれぞれ回転可能に連結され、各リンクの上端部が上記側板部にそれぞれ回転可能に連結されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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