Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
車両用シート
説明

車両用シート

【課題】シートクッションの下側に設けられる荷物入れの利便性を向上させることができる車両用シートを得る。
【解決手段】車両用シート10は、シートクッション12の下側に格納可能なカーゴボックス18を備えている。このカーゴボックス18では、シートクッション12がチップアップされると、当該チップアップに連動してボックス本体46がシート前方側へスライドすると共に、ボックス本体46にリンク機構48を介して連結されたトレー50がボックス本体46に対して下降する。これにより、カーゴボックス18の容積が増加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に示された自動車用チップアップ式シートでは、シートクッションがシートバックに向けてチップアップされると、シートクッション下のアンダーフレームに設けられた凹状の物品収納スペースが現れるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−74051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の如き車両用シートでは、例えば、買い物袋などの荷物を物品収容スペースに置くことにより、車両走行時における荷物の転がりや散乱を防止することができる。
【0005】
しかしながら、上述の如き物品収容スペース(荷物入れ)は、チップアップ時の外観を良好にするために、容積が非常に小さく且つ深さ寸法が浅く設定されることが多いため、大きな荷物を保持するのには適しておらず、利便性を高める点で改善の余地がある。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、シートクッションの下側に設けられる荷物入れの利便性を向上させることができる車両用シートを得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明に係る車両用シートは、ベース部を介して車体床部に支持されるシートクッションと、前記シートクッションの下側に設定された格納位置と前記格納位置のシート前方側に設定された使用位置との間で前記ベース部に対して移動可能に支持された本体部、及び前記本体部の移動に連動して前記本体部に対して相対移動される相対移動部を有し、前記本体部が前記使用位置に位置する状態では前記格納位置に位置する状態よりも容積が増加する荷物入れと、を備えている。
【0008】
請求項1に記載の車両用シートでは、シートクッションを支持するベース部には、荷物入れの本体部が支持されている。この本体部が、シートクッションの下側に設定された格納位置から使用位置へと移動されると、荷物入れの相対移動部が、本体部の移動に連動して本体部に対して相対移動される。これにより、荷物入れの容積が増加するので、荷物入れの利便性を向上させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明に係る車両用シートは、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記シートクッションが、前記ベース部に連結された後端側を中心として上方側へチップアップ可能とされると共に、前記シートクッションのチップアップに連動して前記本体部を前記格納位置から前記使用位置へと移動させる連動機構を備えている。
【0010】
請求項2に記載の車両用シートでは、シートクッションがチップアップされると、当該チップアップに連動して荷物入れの本体部が格納位置から使用位置へと移動される。そして、この本体部の移動に連動して荷物入れの相対移動部が本体部に対して相対移動し、荷物入れの容積が増加する。このように、チップアップという1つの動作で荷物入れを作動させることができるので、操作性を向上させることができる。しかも、シートクッションのチップアップによって荷物入れの上方側のスペースが拡大するので、荷物入れへの荷物の出し入れを容易にすることができ、利便性を一層向上させることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明に係る車両用シートは、請求項1又は請求項2に記載の車両用シートにおいて、前記相対移動部は、前記本体部が前記使用位置に移動されることにより前記本体部に対して下方側へ移動されて車体床部に支持される。
【0012】
請求項3に記載の車両用シートでは、荷物入れの本体部が使用位置に移動されると、荷物入れの相対移動部が本体部に対して下方側へ移動されて車体床部に支持される(例えば、フロアマットに当接する)。このため、荷物入れに重い荷物を入れた場合でも、その荷物の重さを相対移動部を介して車体床部で支持することができる。これにより、荷物入れの剛性を低下させることができるので、荷物入れの軽量化や低コスト化を図ることが可能になる。
【0013】
請求項4に記載の発明に係る車両用シートは、請求項3に記載の車両用シートにおいて、前記相対移動部は、リンク機構を介して前記本体部に連結されており、前記リンク機構の構成部材であるリンク部材と、前記ベース部側に配置されたガイド部材とが前記本体部の移動に伴い摺接することにより前記相対移動部が前記本体部に対して相対移動する。
【0014】
請求項4に記載の車両用シートでは、荷物入れの本体部が格納位置と使用位置との間で移動されると、本体部と相対移動部とを連結したリンク機構のリンク部材が、ベース部側に配置されたガイド部材と摺接する。これにより、リンク機構が作動して相対移動部が本体部に対して相対移動されるので、本体部と相対移動部とを連動させるための機構を簡単な構成にすることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明に係る車両用シートは、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用シートにおいて、前記本体部が前記使用位置に移動されることにより前記相対移動部が前記本体部から離間すると共に、変形可能に構成されて前記本体部と前記相対移動部との間に設けられた荷物受け部材が前記本体部と前記相対移動部との間で展開する。
【0016】
請求項5に記載の車両用シートでは、荷物入れの本体部が使用位置に移動されると、荷物入れの相対移動部が本体部から離間するが、変形可能に構成されて本体部と相対移動部との間に設けられた荷物受け部材が本体部と相対移動部との間で展開する。これにより、荷物入れに入れられた荷物が、本体部と相対移動部との間の隙間から転げ出ることを、展開した荷物受け部材によって阻止することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明に係る車両用シートは、請求項2に記載の車両用シートにおいて、前記連動機構は、前記本体部を前記格納位置に拘束するロック機構と、前記本体部を前記使用位置へ付勢する付勢手段と、前記シートクッションをチップアップさせるための操作部材の操作力を前記ロック機構に伝達して前記拘束を解除させる伝達部材と、を有する。
【0018】
請求項6に記載の車両用シートでは、シートクッションをチップアップさせるための操作部材が操作されると、その操作力が伝達部材を介してロック機構に伝達される。これにより、ロック機構による本体部の拘束が解除されると共に、付勢手段によって本体部が格納位置から使用位置へと移動される。したがって、簡単な構成で連動機構を成立させることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明に係る車両用シートでは、シートクッションの下側に設けられる荷物入れの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用シートの構成を示す斜視図である。
【図2】シートクッションのチップアップ及びカーゴボックスの展開の途中の状態を示す図1に対応した斜視図である。
【図3】シートクッションのチップアップ及びカーゴボックスの展開が完了した状態を示す図1に対応した斜視図である。
【図4】カーゴボックスの展開状態を示す斜視図である。
【図5】カーゴボックスの格納状態を示す斜視図である。
【図6】展開状態におけるカーゴボックスの部分的な構成を示す側面図である。
【図7】連動機構を含む周辺部材の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1〜図7を用いて本発明の一実施形態に係る車両用シート10について説明する。なお、図中矢印FRは車両前方を示し、矢印UPは車両上方を示し、矢印OUTは車両幅方向外方を示している。
【0022】
<構成>
図1〜図3に示されるように、本実施形態に係る車両用シート10は、車両の助手席であり、シートクッション12(座部)をシートバック14(背凭れ部)に向けて跳ね上げ可能とされたチップアップ式とされている。この車両用シート10は、図示しない車体床部に支持されたベース部16と、当該ベース部16に支持されたカーゴボックス18(荷物いれ)とを備えている。ベース部16は、ロアフレーム20と、ロアフレーム20の左右両側に設けられたサイドカバー22と、ロアフレーム20の前方側に設けられたフロントカバー24とを有している。このフロントカバー24には、カーゴボックス18に対応する位置に矩形状の開口26が形成されている。
【0023】
ロアフレーム20の下端部は、前後スライド機構を構成する左右一対のスライドレールを介して車体床部(何れも図示省略)に連結されており、ロアフレーム20は、車体床部に対して前後にスライド可能とされている。このロアフレーム20には、シートバック14の下端部が周知のリクライニング機構28を介して連結されている。また、このロアフレーム20には、シートクッション12の後端部が周知のチップアップ機構30を介して連結されており、シートクッション12は、図1に示される通常位置と図3に示されるチップアップ位置との間で回転可能とされている。なお、図2には、シートクッション12が通常位置からチップアップ位置へと回転する途中の状態が図示されている。
【0024】
上述のチップアップ機構30は、図7に示されるラッチ32を備えている。このラッチ32は、チップアップ用ロック機構の構成部材であり、シート幅方向に沿った軸回りに所定範囲回転可能にロアフレーム20に支持されている。このラッチ32は、通常は図示しない付勢部材によって図7に実線で示されるロック位置へ付勢されており、シートクッション12が図1に示される通常位置へと回転されると、ラッチ32がシートクッション12と係合する。これにより、シートクッション12が通常位置に拘束されるようになっている。
【0025】
上述のラッチ32には、チップアップ用ケーブル34の一端部が係止されており、チップアップ用ケーブル34の他端部は、分配器36において共用ケーブル38の一端部に連結されている。共用ケーブル38の他端部は、操作部材としてのチップアップレバー40(図1〜図3及び図7参照)に係止されている。このチップアップレバー40は、シートクッション12を介してラッチ32とは反対側でロアフレーム20に回転可能に支持されている。このチップアップレバー40が回転操作されると、その操作力が共用ケーブル38及びチップアップ用ケーブル34を介してラッチ32に伝達され、ラッチ32が図7に二点鎖線で示されるロック位置から図7に実線で示されるアンロック位置へと回転される。これにより、ラッチ32によるシートクッション12の拘束が解除され、シートクッション12が図示しないスプリングの付勢力によって、図3に示されるチップアップ位置へと跳ね上げられる構成になっている。なお、上述の共用ケーブル38及び分配器36は、後述する連動機構68の伝達部材を構成している。
【0026】
一方、カーゴボックス18は、フロントカバー24の内側に格納される格納状態(図1図示状態)とフロントカバー24の前方に展開する展開状態(図3図示状態)とをとり得る構成になっている。このカーゴボックス18は、図4〜図6に示されるように、フレーム42と、フレーム42に対してスライド可能に取り付けられたボックス本体46(本体部)と、ボックス本体46に対してリンク機構を介して連結されたトレイ50(相対移動部)と、を備えている。フレーム42は、板金材料が曲げ加工されることにより形成されたものであり、シート幅方向に対向した左右の側壁52と、左右の側壁52の下端部間をシート幅方向に連結した底壁54とによって構成されている。このフレーム42は、シートクッション12の下方においてフロントカバー24の開口26と対向する位置(開口26のシート後方)に配置されており、図示しないブラケットを介してロアフレーム20に固定されている。また、左右の側壁52の上端部には、それぞれ長尺なスライドレール56がビス等の固定手段によって固定されている。これらのスライドレール56は、長手方向がシート前後方向に沿う状態で配置されている。
【0027】
ボックス本体46は、樹脂材料によって枠状に成形されたものであり、シート幅方向に対向した左右の側壁部58と、左右の側壁部58の前端部間をシート幅方向に連結した前壁部60と、左右の側壁部58の後端部間をシート幅方向に連結した後壁部62とを備えている。また、後壁部62のシート前方側で左右の側壁部58における後端側間には、補強部64が設けられている。この補強部64は、格子状に並んだ複数のリブによって構成されており、この補強部64によってボックス本体46の後端側の剛性が向上している。
【0028】
左右の側壁部58におけるシート幅方向外側面には、上下一対の突条66がシート前後方向に沿って延設されており、これらの突条66がフレーム42の左右のスライドレール56と係合している。これにより、ボックス本体46は、フレーム42を介してロアフレーム20(ベース部16)に支持されており、シートクッション12の下側に格納される格納位置(図1及び図5参照)と、格納位置のシート前方側に設定された使用位置(図3及び図4参照)との間でスライド可能とされている。また、このボックス本体46は、連動機構68を構成する図示しない付勢手段(ここではスプリング)によって使用位置へと付勢されている。
【0029】
ボックス本体46が格納位置に配置された状態では、フレーム42の左右の側壁52の間にボックス本体46が格納され、ボックス本体46の前壁部60によってフロントカバー24の開口26が塞がれる。また、ボックス本体46が使用位置に配置された状態では、ボックス本体46の前壁部60及び左右の側壁部58がフロントカバー24よりもシート前方側に配置される。
【0030】
上述のボックス本体46に対応してフレーム42の底壁54には、カーゴボックス用ロック機構70(図7参照)が取り付けられている。このカーゴボックス用ロック機構70は、シートクッション12のチップアップに連動してボックス本体46を格納位置から使用位置へと移動させる連動機構68の構成部材であり、底壁54の上面の後端側に取り付けられたラッチ72を備えている。このラッチ72は、シート上下方向に沿った軸回りに所定範囲回転可能に回転可能にフレーム42に支持されている。このラッチ72は、スプリング74によって図7に二点鎖線で示されるロック位置へ付勢されており、ボックス本体46が格納位置へとスライドされると、ラッチ72がボックス本体46の後端部と係合する。これにより、ボックス本体46が格納位置に拘束されるようになっている。
【0031】
上述のラッチ72には、前述した共用ケーブル38及び分配器36と共に連動機構68の伝達部材の一部を構成するカーゴボックス用ケーブル76の一端部が係止されている。カーゴボックス用ケーブル76の他端部は、前述した分配器36において共用ケーブル38に連結されている。このため、チップアップレバー40が操作されると、その操作力が共用ケーブル38及びカーゴボックス用ケーブル76を介してラッチ72に伝達され、ラッチ72が図7に二点鎖線で示されるロック位置から図7に実線で示されるアンロック位置へと回転される。これにより、ラッチ72によるボックス本体46の上記拘束が解除され、ボックス本体46が図示しないスプリングの付勢力によって使用位置へと移動される構成になっている。
【0032】
一方、トレー50は、図4〜図6に示されるように、上部が開口した浅底な箱状に形成されており、底壁部78、前壁部80、後壁部82、及び左右の側壁部84と、によって構成されている。このトレー50は、例えばA4サイズ程度の大きさに形成されており、シート幅方向に沿った長さ寸法がボックス本体46のシート幅方向に沿った長さ寸法と同等に設定されている。また、このトレー50は、シート前後方向に沿った長さ寸法がボックス本体46のシート前後方向に沿った長さ寸法よりも短く設定されている。このトレー50は、リンク機構48を介してボックス本体46に連結されている。
【0033】
リンク機構48は、前側リンク部材86及び後側リンク部材88を備えた左右一対の4節リンク(平行リンク)によって構成されている。前側リンク部材86及び後側リンク部材88は、シート前後方向に並んで配置されている。これらの前側リンク部材86及び後側リンク部材88は、各上端部(各後端部)がボックス本体46の側壁部58に連結軸90を介して連結されており、各下端部(各前端部)がトレー50の側壁部58に連結軸92を介して連結されている。これらの連結軸90、92は、軸線方向がシート幅方向に沿って配置されており、前側リンク部材86及び後側リンク部材88は、ボックス本体46及びトレー50に対してシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能とされている。これにより、トレー50は、ボックス本体46に対して水平な姿勢を維持したまま上下に相対移動可能とされており、ボックス本体46の下端に当接又は近接する上昇位置(図2参照)とボックス本体46に対して下方側に離間する下降位置(図3参照)との間で移動可能とされている。
【0034】
トレー50が上昇位置に配置された状態では、トレー50がボックス本体46の下側に重なり合い、前側リンク部材86及び後側リンク部材88がトレー50の側方で略シート前後方向に沿って配置される(図6の二点鎖線参照)。この状態では、トレー50がフレーム42の底壁54よりも若干上方側に配置されるようになっており、ボックス本体46及びトレー50をフレーム42に対して格納位置へとスライドさせる(格納する)ことが可能になる。図5に示されるように、ボックス本体46及びトレー50が格納位置に位置する状態(格納状態)では、トレー50がボックス本体46とフレーム42の底壁54との間に収容され、カーゴボックス18の容積がフレーム42の容積と略同等になる。
【0035】
一方、ボックス本体46が使用位置にスライドされると、トレー50がベース部16のフロントカバー24よりもシート前方側に移動され、下降位置へのトレー50の移動(下降)が許容される。これにより、トレー50が自重により下降位置へと下降し、カーゴボックス18が展開状態になる(図3及び図4図示状態)。この展開状態では、トレー50の下面(底壁部78)が車体床部上に敷かれた図示しないフロアマットに当接することにより、トレー50がフロアマットを介して車体床部に支持される。また、この展開状態では、前側リンク部材86及び後側リンク部材88が前下がりの状態に傾斜して配置される。
【0036】
上述の後側リンク部材88に対応してフレーム42の底壁54には、左右一対のスライダー94(ガイド部材)が固定されている。左右のスライダー94は、板金材料等によって長尺状に形成されたものであり、底壁54のシート幅方向両端部の上面にシート前後方向に沿って固定されている。左右のスライダー94の前端側は、フレーム42の前端よりもシート前方側に突出しており、左右のスライダー94の前端部には、下側へ向けて湾曲した湾曲部94Aが形成されている。左右のスライダー94は、左右の後側リンク部材88とシート幅方向における配置が重複しており、ボックス本体46がフレーム42に対して前後にスライドする際に後側リンク部材88と摺接する。これにより、ボックス本体46のスライドに連動して、トレー50がボックス本体46に対して上下動するようになっている。
【0037】
具体的には、ボックス本体46が使用位置に位置する状態では、左右のスライダー94の湾曲部94A(前端部)が左右の後側リンク部材88の上端側に対してシート後方側から対向して配置される。この状態からボックス本体46の前壁部60がシート後方側へ押されることによりボックス本体46が格納位置へとスライドされると、後側リンク部材88がスライダー94の湾曲部94Aと摺接し、後側リンク部材88にはシート前方側かつシート上方側への反力が作用する。これにより、後側リンク部材88が連結軸90回りに上方側(図6では時計方向)へ回転されると共に、後側リンク部材88と共に平行リンクを構成する前側リンク部材86が連結軸90回りに上方側へ回転される。その結果、トレー50がボックス本体46に対して上昇位置へと移動され、ボックス本体46と共に格納位置へとスライドされる構成になっている。
【0038】
一方、ボックス本体46が格納位置から使用位置へとスライドされる際には、後側リンク部材88がスライダー94の上面と摺接しながらシート前方側へスライドすると共に、湾曲部94Aとの摺接に案内されながら連結軸90回りに下方側へ回転される。これにより、後側リンク部材88と共に平行リンクを構成する前側リンク部材86が連結軸90回りに下方側へ回転され、トレー50が自重により下降位置へと下降するようになっている。そして、このようにトレー50が下降位置へと下降された状態(すなわちボックス本体46が使用位置に位置する状態)では、トレー50が上昇位置に位置する状態(すなわちボックス本体46が格納位置に位置する状態)よりも、カーゴボックス18の高さ寸法(深さ寸法)が増加し、カーゴボックス18の容積が増加(ここでは2倍以上に増加)するようになっている。
【0039】
さらに、このカーゴボックス18には、荷物受け部材としての前後一対の折り畳み壁98と左右一対のネット100とが設けられている。前後の折り畳み壁98は、樹脂材料等によって長尺な板状に形成された上側プレート102及び下側プレート104を備えている。これらの上側プレート102及び下側プレート104は、長手方向がシート幅方向に沿う状態で配置されており、上側プレート102の幅方向一端部と下側プレート104の幅方向一端部とがシート幅方向に延びるヒンジ部106を介して回転可能に連結されている。これにより、前後の折り畳み壁98は、折り畳み可能(変形可能)とされている。
【0040】
前側の折り畳み壁98は、上側プレート102の幅方向他端部が、ボックス本体46の左右の側壁部58における前端部に連結軸108を介して連結されており、下側プレート104の幅方向他端部がトレー50の左右の側壁部84における前端部に連結軸108を介して連結されている。後側の折り畳み壁98は、上側プレート102の幅方向他端部が、ボックス本体46の左右の側壁部58における後端側に連結軸108を介して回転可能に連結されており、下側プレート104の幅方向他端部がトレー50の左右の側壁部84における後端部に連結軸108を介して連結されている。各連結軸108は、軸線方向がシート幅方向に沿う状態で配置されており、上側プレート102及び下側プレート104は各連結軸108回りに回転可能とされている。
【0041】
図6に示されるように、前側の折り畳み壁98は、トレー50が下降位置に位置する状態では、下側プレート104が略垂直に起立する一方、上側プレート102の上端部がヒンジ部106よりもシート前方側に位置するように上側プレート102が傾斜する。同様に、後側の折り畳み壁98は、トレー50が下降位置に位置する状態では、下側プレート104が略垂直に起立する一方、上側プレート102の上端部がヒンジ部106よりもシート後方側に位置するように上側プレート102が傾斜する。このため、トレー50が上昇位置へと上昇すると、前後の折り畳み壁98がトレー50の内側へ向けて折り畳まれると共に、トレー50が下降位置へ下降すると、前後の折り畳み壁98がボックス本体46とトレー50との間に展開するようになっている。この展開状態では、ボックス本体46の前壁部60とトレー50の前壁部80との間の隙間が前側の折り畳み壁98によって塞がれると共に、ボックス本体46の後壁部62とトレー50の後壁部82との間の隙間が後側の折り畳み壁98によって塞がれるようになっている(図4及び図6参照)。
【0042】
一方、左右のネット100は、変形自在な布材等によって長尺状に形成されており、長手方向がシート前後方向に沿う状態で配置されている。ネット100の前端部は、前側の折り畳み壁98における下側プレート104のシート幅方向端部に係止されており、ネット100の後端部は、後側の折り畳み壁98における下側プレート104のシート幅方向端部に係止されている。また、ネット100の下端部は、トレー50の側壁部84に係止されている。これらのネット100は、トレー50が上昇位置へと上昇すると、トレー50の内側へ向けて折り畳まれる一方、トレー50が下降位置へ下降すると、前後の下側プレート104間で伸張されて展開する。この展開状態では、トレー50における左右の側壁部58とボックス本体46における左右の側壁部58との間の隙間の下部側が、左右のネット100によって塞がれるようになっている。
【0043】
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0044】
上記構成の車両用シート10では、図1に示される状態でチップアップレバー40が操作されると、チップアップレバー40の操作力が共用ケーブル38及びチップアップ用ケーブル34を介してチップアップ用ロック機構のラッチ32に伝達され、ラッチ32がアンロック位置へと回転される。ラッチ32がアンロック位置へと回転されると、ラッチ32によるシートクッション12の拘束が解除され、シートクッション12がスプリングの付勢力によってチップアップ位置へと跳ね上げられる(図2及び図3参照)。
【0045】
またこのとき、チップアップレバー40の操作力が共用ケーブル38及びカーゴボックス用ケーブル76を介してカーゴボックス用ロック機構70のラッチ72に伝達され、ラッチ72がアンロック位置へと回転される。ラッチ72がアンロック位置へと回転されると、ラッチ72によるボックス本体46の拘束が解除され、ボックス本体46がスプリングの付勢力によって使用位置へとスライドされる。これにより、カーゴボックス18がフロントカバー24の外側に出現する(図2参照)。
【0046】
ボックス本体46が使用位置へとスライドされると、リンク機構48を介してボックス本体46に連結されたトレー50が、ボックス本体46に対して下方側に離間する下降位置へと移動される(図3参照)。これにより、カーゴボックス18の容積が増加するので、より大きな荷物をカーゴボックス18内に置くことが可能になる。したがって、本実施形態によれば、従来はシートクッション12上や車体床部上にしか置くことができなかった大きな荷物であっても、カーゴボックス18によって保持することができ、車両走行時における荷物の転がりや散乱を防止することができる。したがって、カーゴボックス18の利便性を大幅に向上させることができる。
【0047】
しかも、本実施形態では、シートクッション12のチップアップに連動してカーゴボックス18が作動するので、チップアップという1つの動作(チップアップレバー40の操作)によって荷物入れを作動させることができる。したがって、チップアップとカーゴボックス18の作動とを別々に操作しなければならない場合と比較して、操作性を向上させることができる。また、チップアップ及びカーゴボックス18の作動を両手で行わなければいけない場合には、荷物を一旦車体床部上等に置く必要があるが、本実施形態では、乗員はチップアップレバー40を片手で操作することができるので、荷物を置く手間を省くことができる。さらに、シートクッション12のチップアップによってカーゴボックス18の上方側のスペースが拡大するので、カーゴボックス18への荷物の出し入れを容易にすることができ、利便性を一層向上させることができる。
【0048】
また、本実施形態では、シートクッション12のチップアップとカーゴボックス18の作動を連動させるための連動機構68は、シートクッション12をチップアップさせるためのチップアップレバー40の操作力を、共用ケーブル38及びカーゴボックス用ケーブル76を介してカーゴボックス用ロック機構70に伝達する。これにより、格納位置におけるボックス本体46の拘束が解除し、スプリングの付勢力によってボックス本体46を格納位置から使用位置へと移動させる。したがって、共用ケーブル38やチップアップレバー40を、チップアップ機構30と部品共用することができ、簡単な構成で連動機構を成立させることができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、カーゴボックス18が展開した状態では、トレー50の底壁部78がフロアマットに当接することにより、トレー50が車体のフロアに支持される。このため、カーゴボックス18内に重い荷物を入れた場合でも、その荷物の重さをトレー50を介して車体床部で支持することができる。これにより、カーゴボックス18の剛性を低下させることができるので、カーゴボックス18の軽量化や低コスト化を図ることができる。
【0050】
また、本実施形態では、カーゴボックス18のボックス本体46が格納位置と使用位置との間で移動されると、ボックス本体46とトレー50とを連結したリンク機構48の後側リンク部材88が、フレーム42に設けられたスライダー94と摺接することにより、リンク機構48が作動してトレー50がボックス本体46に相対移動される。したがって、ボックス本体46とトレー50とを連動させるための機構を簡単な構成にすることができる。
【0051】
しかも、このカーゴボックス18は、リンク機構48によってトレー50がボックス本体46に対し上下動される展開式であるため、格納時にはカーゴボックス18をコンパクトに格納することができると共に、展開時には、深さ寸法(容積)を大幅に増加させることができる。また、格納式の利点として、トレー50(底面)の大きさを大きく設定することができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、カーゴボックス18のボックス本体46が使用位置にスライドされると、トレー50がボックス本体46から下方側に離間するが、ボックス本体46とトレー50との間に設けられた前後一対の折り畳み壁98及び左右一対のネット100がボックス本体46とトレー50との間で展開する。これにより、カーゴボックス18に入れられた荷物が、ボックス本体46とトレー50との間の隙間から転げ出ることを、展開した折り畳み壁98及びネット100によって阻止することができる。
【0053】
<実施形態の補足説明>
上記実施形態では、連動機構68が備えるスプリングによってボックス本体46が使用位置へと付勢された構成にしたが、これに限らず、左右のスライドレール56が前下がりに傾斜して配置された構成にすれば、ボックス本体をその自重によって格納位置から使用位置へとスライドさせることができる。この場合、傾斜したスライドレール56が付勢手段となる。
【0054】
また、上記実施形態では、連動機構68が、カーゴボックス用ロック機構70と、共用ケーブル38及びカーゴボックス用ケーブル76と、図示しないスプリング(付勢手段)とによって構成された場合について説明したが、請求項1〜請求項5に係る発明はこれに限らず、連動機構の構成は適宜変更することができる。例えば、上記実施形態において、シートクッション12とボックス本体46との間にリンク機構を掛け渡すことにより、シートクッションのチップアップと本体部の移動とを連動させる構成にしてもよいし、ラックアンドピニオン機構を用いて連動機構を構成してもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、前後一対の折り畳み壁98と左右一対のネット100とが荷物受け部材とされた場合について説明したが、請求項1〜請求項5に係る発明はこれに限らず、荷物受け部材の構成は適宜変更することができる。例えば、上記実施形態において、前後一対の折り畳み壁98の代わりにネットや蛇腹状の部材が適用された構成にしてもよい。また、請求項1〜請求項4に係る発明では、荷物受け部材が省略された構成にしてもよい。
【0056】
さらに、上記実施形態では、トレー50(相対移動部)がリンク機構48を介してボックス本体46(本体部)に連結された構成にしたが、請求項1〜請求項3に係る発明はこれに限らず、相対移動部がスライド機構を介して本体部に連結された構成にしてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、リンク機構48の構成部材である後側リンク部材88がスライダー94(ガイド部材)と摺接することにより、トレー50(相対移動部)がボックス本体46(本体部)に対して相対移動する構成にしたが、請求項1〜請求項3に係る発明はこれに限らず、ベース部側に配置されたガイド部材に対して相対移動部が直接又は間接的に摺接することにより、相対移動部が本体部に対して相対移動する構成にしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、ボックス本体46(本体部)が使用位置に移動されることにより、トレー50(相対移動部)が下方側へ移動されて車体床部に支持される構成にしたが、請求項1及び請求項2に係る発明はこれに限らず、本体部が使用位置に位置する状態で、相対移動部と車体床部との間に隙間が設けられる構成にしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、シートクッション12がシートバック14側へチップアップ可能とされると共に、シートクッション12のチップアップとカーゴボックス18(荷物入れ)の作動とを連動させる連動機構68を備えた構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、連動機構68が省略された構成にしてもよいし、シートクッションがチップアップ不能とされた構成にしてもよい。
【0060】
さらに、上記実施形態では、ボックス本体46(本体部)の下側に設けられたトレー50(相対移動部)がボックス本体46(本体部)に対して上下に移動されることによりカーゴボックス18(荷物入れ)の高さ寸法が変更される構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、本体部に対する相対移動部の移動方向は適宜変更することができる。例えば、本体部の移動に連動して荷物入れの幅寸法が変更される構成にしてもよい。また、本体部及び相対移動部の構成も適宜変更することができる。例えば、本体部と相対移動部とが蛇腹状の変形可能部を介して一体に連結された構成にしてもよい。
【0061】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0062】
10 車両用シート
12 シートクッション
16 ベース部
18 カーゴボックス(荷物入れ)
36 分配器(伝達部材)
38 共用ケーブル(伝達部材)
40 チップアップレバー(操作部材)
46 ボックス本体(本体部)
48 リンク機構
50 トレー(相対移動部)
68 連動機構
70 カーゴボックス用ロック機構(ロック機構)
76 カーゴボックス用ケーブル(伝達部材)
88 後側リンク部材(リンク部材)
94 スライダー(ガイド部材)
98 折り畳み壁(荷物受け部材)
100 ネット(荷物受け部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部を介して車体床部に支持されるシートクッションと、
前記シートクッションの下側に設定された格納位置と前記格納位置のシート前方側に設定された使用位置との間で前記ベース部に対して移動可能に支持された本体部、及び前記本体部の移動に連動して前記本体部に対して相対移動される相対移動部を有し、前記本体部が前記使用位置に位置する状態では前記格納位置に位置する状態よりも容積が増加する荷物入れと、
を備えた車両用シート。
【請求項2】
前記シートクッションが、前記ベース部に連結された後端側を中心として上方側へチップアップ可能とされると共に、前記シートクッションのチップアップに連動して前記本体部を前記格納位置から前記使用位置へと移動させる連動機構を備えた請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記相対移動部は、前記本体部が前記使用位置に移動されることにより前記本体部に対して下方側へ移動されて車体床部に支持される請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記相対移動部は、リンク機構を介して前記本体部に連結されており、前記リンク機構の構成部材であるリンク部材と、前記ベース部側に配置されたガイド部材とが前記本体部の移動に伴い摺接することにより前記相対移動部が前記本体部に対して相対移動する請求項3に記載の車両用シート。
【請求項5】
前記本体部が前記使用位置に移動されることにより前記相対移動部が前記本体部から離間すると共に、変形可能に構成されて前記本体部と前記相対移動部との間に設けられた荷物受け部材が前記本体部と前記相対移動部との間で展開する請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用シート。
【請求項6】
前記連動機構は、前記本体部を前記格納位置に拘束するロック機構と、前記本体部を前記使用位置へ付勢する付勢手段と、前記シートクッションをチップアップさせるための操作部材の操作力を前記ロック機構に伝達して前記拘束を解除させる伝達部材と、を有する請求項2に記載の車両用シート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−112127(P2013−112127A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259308(P2011−259308)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】