説明

車両用スポイラーとその取付構造

【課題】車両のフロントバンパーへの車両用スポイラーの仮止めを容易かつ確実に行うことができ、仮止めを含む取付作業全体を容易にする。
【解決手段】車両用スポイラー10に、フロントバンパー50の取付片挿入孔59に挿入される取付片15と、中空突部21と、中空突部21の先端に形成された仮止め用係合爪部31を設け、車両用スポイラーの取付片15及び仮止め用係合爪部31が挿入されて、仮止め用係合爪部31が取付片挿入孔59の周縁に係合した仮止め状態で、フロントバンパー50のスポイラー固定用孔61と車両用スポイラーの取付片固定用孔17に固着用部品が装着されることにより、車両用スポイラー10をフロントバンパー50の下部に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のバンパーの下部に取り付けられる車両用スポイラーとその取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように車両用スポイラー81は、車両の走行時における空気抵抗を減少させるために車両のフロントバンパー91の下部に取り付けられる。
従来の車両用スポイラー81は、図7に示すように、上下方向の前面部82と、前面部82の上端から車両用スポイラーの横幅方向(車両の幅方向)に沿って裏側へ突出した取付基部84と、前記取付基部84の先端から車両用スポイラーの横幅方向に所定間隔で裏側(車両の後方側)へ突出した取付片83とを有し、前記取付片83に固定用孔85が形成されている。前記車両用スポイラー81は、成形の容易さ等の点から、前記取付片83の部分が車両用スポイラーの横幅方向に連続して形成された押出成形品を、前記取付片83間の部分で切除し、前記取付片83に固定用孔85を形成したものとされることが多い。
【0003】
フロントバンパー91の下部は、図8の(8−1)に示すように、フロントバンパー91の裏側(車両の後方側)へ突出した第1底部92の途中に下方へ垂下した垂下部94が形成され、前記垂下部94の下端が再び裏側へ突出して第2底部96が形成され、前記垂下部94にはフロントバンパー91の横幅方向に所定間隔で取付片挿入孔95が形成され、前記第2底部96には、前記取付片挿入孔95の中心線上に前記取付片挿入孔95と対応させてスポイラー固定用孔97が形成されている。
【0004】
従来の車両用スポイラーの取付構造は、前記車両用スポイラー81をフロントバンパー91の下部に添って曲げながら、図8の(8−1)及び(8−2)に示すように前記取付片83をフロントバンパー91の取付片挿入孔94に挿入し、前記フロントバンパー91のスポイラー固定用孔97と車両用スポイラー81の固定用孔85の位置を合わせて両固定用孔97、85にクリップ等の固着用部品99を装着する構成からなる。図9は前記フロントバンパー91に取り付けられた状態において、前記車両用スポイラー81の取付片83間の位置の断面図である。
【0005】
しかしながら、前記車両用スポイラー81をフロントバンパー91に取り付ける際、まず基準となる2箇所の取付片83a、83bをフロントバンパー91のスポイラー固定用孔97に固定し、その後に車両用スポイラー81を作業者が手でフロントバンパー91に添わせながら他の箇所の取付片83の固定を行なうため、作業者は取付作業の終了まで車両用スポイラー81に手を添えた状態で作業をすることになり、作業が容易ではなく、コストが嵩む問題があった。
【0006】
また、車両用スポイラーに仮止め用係合部を設け、フロントバンパーに車両用スポイラーを仮止めした状態で本固定することが提案されている。
しかし、従来の仮止めを行う車両用スポイラーは、取付片とは別の位置に仮止め用の係合片を設けた構造、あるいは取付片に固定用孔と共に係合爪を併設した構造からなり、仮止めに際して強い力を加える必要があったり、仮止め力が弱かったりするため、仮止めに手間が掛かったり、本固定時に仮止めが解除されたりするおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−118518号公報
【特許文献2】特開2004−168288号公報
【特許文献3】特開2006−69363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、車両用スポイラーを取り付ける際に仮止めを容易かつ確実に行うことができ、取付作業が容易な車両用スポイラー及びその取付構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、車両のフロントバンパーの下部に取り付けられる長尺の車両用スポイラーにおいて、前記フロントバンパーの下部には上下方向に形成された下部壁部からフロントバンパーの裏側へ突出した第1底部と、前記第1底部から下方へ突出した垂下部と、前記垂下部からフロントバンパーの裏側へ突出した第2底部とを備え、前記垂下部には前記第1底部と第2底部間にフロントバンパーの横幅方向へ所定間隔で形成された複数の取付片挿入孔を備え、前記第2底部には前記取付片挿入孔と対応する位置にスポイラー固定用孔を備え、前記車両用スポイラーは、上下方向にされる前面部の上端から車両用スポイラーの横幅方向に沿って裏側へ突出形成された取付基部と、前記取付基部から前記フロントバンパーの取付片挿入孔の間隔に合わせ、かつ前記取付片挿入孔に挿入可能な幅で車両用スポイラーの裏側方向へ突出形成された複数の取付片と、前記取付片に形成された固定用孔と、前記取付基部から前記取付片における前記固定用孔よりも前記取付基部側の部分に渡って上方へ突出し、かつ車両用スポイラーの横幅方向を開口して形成された中空突部とを備え、前記中空突部は取付片側の先端部分が前記取付片と共に前記フロントバンパーの取付片挿入孔に挿入された際に、前記取付片挿入孔の周縁に係合する仮止め用係合爪部を備え、前記フロントバンパーの取付片挿入孔に前記車両用スポイラーの取付片及び前記仮止め用係合爪部が挿入されて、前記仮止め用係合爪部が前記取付片挿入孔の周縁に係合した仮止め状態で、前記フロントバンパーのスポイラー固定用孔と前記車両用スポイラーの取付片の固定用孔に固着用部品を装着するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、前記車両用スポイラーの中空突部は、上面部の上面が車両用スポイラーの横幅方向に沿って凹状に窪むと共に前記仮止め用係合爪部が前記凹状の窪み部分の上方へ突出して形成され、前記仮止め用係合爪部が前記フロントバンパーの第1底部の下面と当接して屈曲変形しながら前記取付片挿入孔に挿入される際に、前記屈曲変形した仮止め用係合爪部が前記中空突部の上面の凹状の窪み部分に倒れ込み可能にしたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2において、前記中空突部は、前記仮止め用係合爪部を除いて車両用スポイラーの横幅方向に連続して形成され、前記仮止め状態時に前記仮止め用係合爪部間で、前記中空突部の上面部の自由端が前記フロントバンパーの垂下部に当接することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3において、前記車両用スポイラーは、押出成形品を前記取付片間の部分と前記仮止め用係合爪部間の部分で切除したものからなることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、車両のフロントバンパーの下部に車両用スポイラーを取り付ける構造において、前記フロントバンパーの下部には上下方向に形成された下部壁部からフロントバンパーの裏側へ突出した第1底部と、前記第1底部から下方へ突出した垂下部と、前記垂下部からフロントバンパーの裏側へ突出した第2底部とを備え、前記垂下部には前記第1底部と第2底部間に前記フロントバンパーの横幅方向へ所定間隔で形成された複数の取付片挿入孔を備え、前記第2底部には前記取付片挿入孔と対応する位置にスポイラー固定用孔を備え、前記車両用スポイラーは、上下方向にされる前面部の上端から車両用スポイラーの横幅方向に沿って裏側へ突出形成された取付基部と、前記取付基部から前記フロントバンパーの取付片挿入孔の間隔に合わせ、かつ前記取付片挿入孔に挿入可能な幅で車両用スポイラーの裏側方向へ突出形成された複数の取付片と、前記取付片に形成された固定用孔と、前記取付基部から前記取付片における前記固定用孔よりも前記取付基部側の部分に渡って上方へ突出し、かつ車両用スポイラーの横幅方向に開口して形成された中空突部とを備え、前記中空突部は取付片側の先端部分が前記取付片と共に前記フロントバンパーの取付片挿入孔に挿入された際に、前記取付片挿入孔の周縁に係合する仮止め用係合爪部を備え、前記フロントバンパーの取付片挿入孔に前記車両用スポイラーの取付片及び前記仮止め用係合爪部を挿入して、前記仮止め用係合爪部を前記取付片挿入孔の周縁に係合した仮止め状態で、前記フロントバンパーのスポイラー固定用孔と前記車両用スポイラーの取付片固定用孔に固着用部品を装着して前記車両用スポイラーを固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の車両用スポイラー及び車両用スポイラーの取付構造によれば、フロントバンパーの取付片挿入孔に車両用スポイラーの取付片及び仮止め用係合爪部を挿入し、中空突部の仮止め用係合爪部をフロントバンパーの取付片挿入孔に係合させた仮止め状態で本固定することができるため、作業者が車両用スポイラーをフロントバンパーに添わせて保持しながら固定を行なう必要がなく、車両用スポイラーを容易に取り付けることができる。しかも、中空突部は中空構造で変形し易いため、仮止め用係合爪部が取付片挿入孔に挿入される際にフロントバンパーの第1底部の下面と当接して抵抗力が発生しても、仮止め用係合爪部が中空突部と共に変形して抵抗力を弱めることができ、作業が容易となる。また、仮止め用係合爪部は、取付片挿入孔を通過することにより復元して取付片挿入孔の周縁に確実に係合するため、仮止めを確実に行うことができ、本固定作業中に仮止めが解除されるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用スポイラーとフロントバンパーの部分斜視図である。
【図2】車両用スポイラー用押出成形品の一実施形態の部分斜視図である。
【図3】車両用スポイラーの取付片をフロントバンパーの取付片挿入孔に挿入する際を示す斜視図である。
【図4】固定用部品の装着を示す斜視図である。
【図5】車両用スポイラーの取付片をフロントバンパーの取付片挿入孔に挿入する際を段階的に示す断面図である。
【図6】従来の車両用スポイラーが取り付けられた車両の部分斜視図である。
【図7】従来の車両用スポイラーの斜視図である。
【図8】従来の車両用スポイラーの取付時を示す断面図である。
【図9】従来の車両用スポイラーの取付状態において非固定部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示す本発明の一実施形態に係る車両用スポイラー10は、車両のフロントバンパー50の下部51に取り付けられる。
前記フロントバンパー50は車両に応じた形状からなる。前記フロントバンパー50の下部51には、上下方向にされた下部壁部52からフロントバンパーの裏側へ略水平に突出した第1底部53と、前記第1底部53の端から下方へ突出した垂下部55と、前記垂下部55からフロントバンパーの裏側へ略水平に突出した第2底部57とを備え、前記垂下部55には前記第1底部53と第2底部57の間にフロントバンパーの横幅方向W(車両の横幅方向と等しい)へ所定間隔で形成された複数の取付片挿入孔59を備え、前記第2底部57には前記取付片挿入孔59と対応する位置にスポイラー固定用孔61を備えている。前記第1底部53は前記車両用スポイラー10とのシール面を構成している。また、本実施例では前記取付片挿入孔59は、フロントバンパーの横幅方向Wに長い長方形からなり、前記取付片挿入孔59よりフロントバンパー後方位置の第2底部57に円形のスポイラー固定用孔61が上下方向に貫通形成されている。
【0017】
前記車両用スポイラー10は、前記フロントバンパー50の横幅に応じた樹脂製の長尺品からなり、前記フロントバンパー50の下部に取り付けられた際に上下方向(傾斜した略上下方向を含む)にされる前面部11と、前記前面部11の上端から車両用スポイラーの横幅方向W1(フロントバンパーの横幅方向Wと同方向)に沿って裏側へ突出形成された取付基部13と、前記取付基部13から前記フロントバンパー50の取付片挿入孔59の間隔に合わせ、かつ前記取付片挿入孔59に挿入可能な幅aで車両用スポイラーの裏側方向Xへ突出形成された複数の取付片15と、前記取付片15に上下方向に貫通形成された固定用孔17と、前記取付基部13から前記取付片15における前記固定用孔17よりも前記取付基部13側の部分に渡って上方へ突出形成された中空突部21とを備える。前記固定用孔17は、後述の仮止め状態で前記フロントバンパー50のスポイラー固定用孔61に重なる位置に形成されている。
【0018】
前記中空突部21は、前記前面部11の上端から上方へ車両用スポイラーの横幅方向W1に沿って延設された中空突部の前面部23と、前記中空突部の前面部23から車両用スポイラーの横幅方向W1に沿って裏側(後方側と等しい)へ突出形成された中空突部21の上面部25と、前記取付片15側の中空突部21の先端部分に、前記上面部25の端と前記取付片15とを連結して形成された仮止め用係合爪部31を有し、車両用スポイラーの横幅方向W1が開口している。前記中空突部21は、前記仮止め用係合爪部31を除く上面部25が車両用スポイラーの横幅方向W1に連続して形成されている。
【0019】
前記仮止め用係合爪部31は、前記フロントバンパーの取付片挿入孔59へ挿入可能な横幅を有し、前記フロントバンパーの取付片挿入孔59に挿入された際に、前記取付片挿入孔59の周縁に係合するように形成されている。図示の例では、前記仮止め用係合爪部31は前記上面部25から上方へ突出して形成され、前記仮止め用係合爪部31が前記フロントバンパーの取付片挿入孔59へ挿入されることにより、前記取付片挿入孔59の上側縁に前記仮止め用係合爪部31の上部が係合する。また、前記上面部25の上面には、車両用スポイラー10の横幅方向W1に沿って凹状に窪んだ窪み部分25aが形成され、前記仮止め用係合爪部31の上端が前記凹状の窪み部分25aの上方へ突出している。前記凹状の窪み部分25aは、前記仮止め用係合爪部31が、前記フロントバンパーの第1底部53の下面と当接して屈曲変形しながら前記取付片挿入孔59に挿入される際に、前記屈曲変形した仮止め用係合爪部31が前記凹状の窪み部分25aに倒れ込み、前記取付片挿入孔59への仮止め用係合爪部31の挿入係合を容易にする。
【0020】
前記車両用スポイラー10は、前記前面部11が他部よりも弾性変形し易い軟質の樹脂で形成されている。例えば、前記前面部11を軟質の熱可塑性エラストマー(TPE)樹脂とし、前記取付基部13、前記取付片15、前記中空突部21、前記仮止め用係合爪部31をポリプロピレンや硬質の熱可塑性エラストマー樹脂で構成する。
【0021】
前記車両用スポイラー10は、図2に示す押出成形品10Aを図1の前記取付片15間の部分と前記仮止め用係合爪部31間の部分で切除したものからなる。
前記押出成形品10Aは、前記取付基部13と、図1の取付片15が押出成形品10Aの長さ方向L(車両用スポイラー10の横幅方向W1と等しい)に連続した取付片構成部15Aと、図1の中空突部21が押出成形品10Aの長さ方向Lに連続した中空突部構成部21Aとを一体に有する。符号31Aは、図1の仮止め用係合爪部31が押出成形品10Aの長さ方向Lに連続した仮止め用係合爪部構成部31Aである。なお、前記押出成形品10Aは、前記前面部11が、前記取付片構成部15A及び前記中空突部構成部21Aよりも弾性変形し易い軟質の樹脂で形成されている。

【0022】
前記押出成形品10Aの前記取付片構成部15Aと前記中空突部構成部21Aの仮止め用係合爪部31Aにおける不要部分、すなわち前記フロントバンパー50の前記取付片挿入孔59間と対応する部分で切除し、図1の取付片15と仮止め用係合爪部31を形成することにより、前記車両用スポイラー10が得られる。なお、前記不要部の切除時にあるいはその後に前記固定用孔17を取付片15に形成する。
【0023】
前記車両用スポイラー10の前記フロントバンパー50への取付けは次のようにして行われる。まず、図3に示すように、前記フロントバンパー50の下部の前記垂下部55に所定間隔で形成されている複数の取付片挿入孔59に、前記取付片挿入孔59の間隔に合わせて形成されている前記車両用スポイラー10の複数の取付片15及び中空突部21の仮止め用係合爪部31を挿入し、図4に示すように前記仮止め用係合爪部31を前記取付片挿入孔59の上縁に係合させて仮止めし、これにより前記車両用スポイラー10を前記フロントバンパー50の下部に添わせた仮止め状態とする。
【0024】
前記フロントバンパーの取付片挿入孔59に車両用スポイラー10の取付片15及び中空突部21の仮止め用係合爪部31を挿入する際、図5の(5−1)及び(5−2)に示すように、前記仮止め用係合爪部31がフロントバンパー50の第2底部57の下面と圧接しながら進み、取付片挿入孔59の周縁と当たるため、挿入に対する抵抗力が発生する。しかし、前記仮止め用係合爪部31が形成されている中空突部21は中空構造によって変形し易いため、前記仮止め用係合爪部31が中空突部21と共に変形して中空突部21の上面部の凹状の窪み部分25aに倒れ込むことにより、前記取付片挿入孔59への仮止め用係合爪部31の挿入係合が容易になる。前記仮止め用係合爪部31は、前記取付片挿入孔59を通過することにより復元し、前記取付片挿入孔59に確実に係合する。
【0025】
前記仮止め状態では、前記フロントバンパー50の取付片挿入孔59に挿入された車両用スポイラー10の取付片15が、前記フロントバンパー50の第2底部57上に位置し、前記第2底部57に形成されているスポイラー固定用孔61に車両用スポイラー10の取付片15の固定用孔17が重なって位置している。また、前記取付片15間及び前記仮止め用係合爪部31間では、前記取付基部13の自由端14(図3に示す)及び前記中空突部21の上面部25の自由端26が前記フロントバンパー50の垂下部55と当接し、前記車両用スポイラー10を正しい位置に、かつ確実に仮止めすることができる。
【0026】
次に、前記フロントバンパー50の下方からクリップ等の固着用部品41を前記フロントバンパーのスポイラー固定用孔61と車両用スポイラー10の固定用孔17に装着することにより、図5の(5−3)のように前記車両用スポイラー10を本固定し、前記フロントバンパー50に取り付ける。
【0027】
このように、本発明の車両用スポイラー及びその取付構造によれば、車両用スポイラーの仮止めを容易かつ確実に行うことができ、仮止め状態で行う車両用スポイラーの本固定作業も容易に行うことができ、取付作業作業全体を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0028】
10 車両用スポイラー
10A 押出成形品
11 前面部
13 取付基部
15 取付片
17 固定用孔
21 中空突部
25 上面部
25a 凹状の窪み部分
31 仮止め用係合爪部
41 固着用部品
50 フロントバンパー
51 下部
52 下部壁部
53 第1底部
55 垂下部
57 第2底部
59 取付片挿入孔
61 スポイラー固定用孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロントバンパーの下部に取り付けられる長尺の車両用スポイラーにおいて、
前記フロントバンパー(50)の下部には上下方向に形成された下部壁部(52)からフロントバンパーの裏側へ突出した第1底部(53)と、前記第1底部から下方へ突出した垂下部(55)と、前記垂下部からフロントバンパーの裏側へ突出した第2底部(57)とを備え、前記垂下部(55)には前記第1底部と第2底部間にフロントバンパーの横幅方向へ所定間隔で形成された複数の取付片挿入孔(59)を備え、前記第2底部(57)には前記取付片挿入孔(59)と対応する位置にスポイラー固定用孔(61)を備え、
前記車両用スポイラー(10)は、上下方向にされる前面部(11)の上端から車両用スポイラーの横幅方向に沿って裏側へ突出形成された取付基部(13)と、前記取付基部(13)から前記フロントバンパーの取付片挿入孔(59)の間隔に合わせ、かつ前記取付片挿入孔(59)に挿入可能な幅で車両用スポイラーの裏側方向へ突出形成された複数の取付片(15)と、前記取付片(15)に形成された固定用孔(17)と、前記取付基部(13)から前記取付片(13)における前記固定用孔(17)よりも前記取付基部側の部分に渡って上方へ突出し、かつ車両用スポイラーの横幅方向を開口して形成された中空突部(21)とを備え、前記中空突部(21)は取付片側の先端部分が前記取付片(15)と共に前記フロントバンパーの取付片挿入孔(59)に挿入された際に、前記取付片挿入孔(59)の周縁に係合する仮止め用係合爪部(31)を備え、
前記フロントバンパーの取付片挿入孔(59)に前記車両用スポイラーの取付片(15)及び前記仮止め用係合爪部(31)が挿入されて、前記仮止め用係合爪部(31)が前記取付片挿入孔(59)の周縁に係合した仮止め状態で、前記フロントバンパーのスポイラー固定用孔(61)と前記車両用スポイラーの取付片の固定用孔(17)に固着用部品を装着するようにしたことを特徴とする車両用スポイラー。
【請求項2】
前記車両用スポイラーの中空突部(21)は、上面部(25)の上面が車両用スポイラーの横幅方向に沿って凹状に窪むと共に前記仮止め用係合爪部(31)が前記凹状の窪み部分(25a)の上方へ突出して形成され、前記仮止め用係合爪部(31)が前記フロントバンパーの第1底部(53)の下面と当接して屈曲変形しながら前記取付片挿入孔(59)に挿入される際に、前記屈曲変形した仮止め用係合爪部(31)が前記中空突部の上面の凹状の窪み部分(25a)に倒れ込み可能にしたことを特徴とする
【請求項3】
前記中空突部(21)は、前記仮止め用係合爪部(31)を除いて車両用スポイラーの横幅方向に連続して形成され、
前記仮止め状態時に前記仮止め用係合爪部(31)間で、前記中空突部(21)の上面部(25)の自由端(26)が前記フロントバンパーの垂下部(55)に当接することを特徴とする請求項2に記載の車両用スポイラー。
【請求項4】
前記車両用スポイラー(10)は、押出成形品を前記取付片(15)間の部分と前記仮止め用係合爪部(31)間の部分で切除したものからなることを特徴とする請求項3に記載の車両用スポイラー。
【請求項5】
車両のフロントバンパーの下部に長尺の車両用スポイラーを取り付ける構造において、
前記フロントバンパー(50)の下部には上下方向に形成された下部壁部(52)からフロントバンパーの裏側へ突出した第1底部(53)と、前記第1底部から下方へ突出した垂下部(55)と、前記垂下部からフロントバンパーの裏側へ突出した第2底部(57)とを備え、前記垂下部(55)には前記第1底部と第2底部間に前記フロントバンパーの横幅方向へ所定間隔で形成された複数の取付片挿入孔(59)を備え、前記第2底部(57)には前記取付片挿入孔(59)と対応する位置にスポイラー固定用孔(61)を備え、
前記車両用スポイラー(10)は、上下方向にされる前面部(11)の上端から車両用スポイラーの横幅方向に沿って裏側へ突出形成された取付基部(13)と、前記取付基部(13)から前記フロントバンパーの取付片挿入孔(59)の間隔に合わせ、かつ前記取付片挿入孔(59)に挿入可能な幅で車両用スポイラーの裏側方向へ突出形成された複数の取付片(15)と、前記取付片(15)に形成された固定用孔(17)と、前記取付基部(13)から前記取付片(15)における前記固定用孔(17)よりも前記取付基部側の部分に渡って上方へ突出し、かつ車両用スポイラーの横幅方向に開口して形成された中空突部(21)とを備え、前記中空突部(21)は取付片側の先端部分が前記取付片(15)と共に前記フロントバンパーの取付片挿入孔(59)に挿入された際に、前記取付片挿入孔(59)の周縁に係合する仮止め用係合爪部(31)を備え、
前記フロントバンパーの取付片挿入孔(59)に前記車両用スポイラーの取付片(15)及び前記仮止め用係合爪部(31)を挿入して、前記仮止め用係合爪部(31)を前記取付片挿入孔(59)の周縁に係合した仮止め状態で、前記フロントバンパーのスポイラー固定用孔(61)と前記車両用スポイラーの取付片の固定用孔(17)に固着用部品(41)を装着して前記車両用スポイラーを固定することを特徴とする車両用スポイラーの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−67319(P2013−67319A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208519(P2011−208519)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)