車両用タッチ式操作入力装置
【課題】 近タッチ状態を継続する形でなされる操作によりアナログ的な制御パラメータの設定値変更を可能とする車両用タッチ式操作入力装置を、車両に搭載した場合にその操作性・使い勝手の良さを活かすことができるようにする。
【解決手段】 タッチ面12aに対するタッチ継続操作を受け付けるタッチ式操作入力部12を備える車両用タッチ式操作入力装置1において、制御部10は、車速センサ15の検出結果から車両が走行中であるか否かを特定し、車両が停車中の場合には、タッチ継続操作がなされたときに、当該操作のタッチ状態が継続する間、当該操作に係る予め定められた変化量を逐次取得し、逐次取得される変化量に応じて予め定められた制御パラメータを連続的に変化させる一方、走行中の場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、上記制御パラメータに対し所定のパラメータ変化を生じさせる。
【解決手段】 タッチ面12aに対するタッチ継続操作を受け付けるタッチ式操作入力部12を備える車両用タッチ式操作入力装置1において、制御部10は、車速センサ15の検出結果から車両が走行中であるか否かを特定し、車両が停車中の場合には、タッチ継続操作がなされたときに、当該操作のタッチ状態が継続する間、当該操作に係る予め定められた変化量を逐次取得し、逐次取得される変化量に応じて予め定められた制御パラメータを連続的に変化させる一方、走行中の場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、上記制御パラメータに対し所定のパラメータ変化を生じさせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用タッチ式操作入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の操作入力装置として、タッチパッドのようなタッチ式操作入力装置がある(特許文献1等参照)。タッチパッドの場合、タッチ面に対しタッチ状態を継続する形で移動させるスライド操作による入力が可能であり、そのスライド操作の移動距離に応じてアナログ的に制御パラメータを変化させることができ、ユーザーの望む細かな制御パラメータ変化が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−319508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうしたタッチ式操作入力装置を車両に搭載した場合、車両の停車時であれば上記のようなスライド操作も問題なくできるが、車両の走行時においては、走行振動などの影響を受けるため、タッチ操作する指が意図しない動作をして望んだ変化量の操作ができないといった問題が生じ、使い勝手の良さを活かしきれないという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、タッチ状態を継続する形でなされる操作によりアナログ的な制御パラメータの設定値変更を可能とする車両用タッチ式操作入力装置を、車両に搭載した場合にその操作性・使い勝手の良さを活かすことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の車両用タッチ式操作入力装置は、
車両が走行中であるか否かを特定する走行状態特定手段と、
予め定められたタッチ面に対しタッチ状態を継続する形でなされるタッチ継続操作を受け付けるタッチ操作入力手段と、
車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされたときに、当該操作のタッチ状態が継続する間、当該操作に係る予め定められた変化量を逐次取得し、逐次取得される変化量に応じて予め定められた制御パラメータを連続的に変化させる一方、走行中であると特定された場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータに対し予め決められたパラメータ変化を生じさせる制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
上記本発明の構成によれば、車両が走行状態にない場合(停車中)おいては、タッチ状態の継続により所定の変化量を生じる操作に基づいてその変化量を算出し、その変化量に応じて、予め定められた制御状態を連続的(リアルタイムで)に切り替えるが、車両が走行状態にある場合(走行中)においては、タッチ状態の継続を伴う同じ上記と操作であっても、その1回の操作(タッチ開始からタッチ解除に至る1回のタッチ保持状態)に対し一義的に定められている一定の制御状態変化(上記変化量とは無関係に定まる制御状態変化)を実行させる構成となっている。つまり、停車中であれば、1回のタッチ継続操作によりその操作内容に応じてアナログ的にリアルタイムで制御パラメータを変化(制御状態を変化)させることができるからユーザーの望む細かな制御変化が可能で使い勝手がよい一方、走行中であれば、1回のタッチ継続操作により、タッチ状態の継続状況にかかわらず、1回のタッチがなされたことに対し所定のパラメータ変化が生じるから、走行中の振動の影響を受けにくい。つまり、走行中において、1回のタッチ継続操作は、タッチの有無だけが必要とされるから、所定の条件を満たしていればタッチが瞬間的に生じるような操作でもよい。このため、タッチ継続中に振動を受けて望まない操作になるといったことは生じない。
【0008】
なお、本発明における走行中という状態には、予め定められた車速以下となる低速度範囲(例えば3km/h以下や5km/h以下の低車速範囲等)を除くことができ、この場合、この低速度範囲を走行中にないという状態に含めることができる。
【0009】
本発明における変化量は、タッチ継続操作におけるタッチ状態の継続時間、もしくはタッチ状態の継続中に生じたタッチ位置の移動量、もしくはその移動に伴い変化するタッチ位置のいずれかに基づく値とすることができる。これにより、車両の停車中においては、タッチ状態の継続時間やタッチ状態での移動量、タッチ面に接している位置座標等に応じて、制御パラメータをリアルタイムで細かく変更することができ、使い勝手がよい。
【0010】
本発明におけるタッチ継続操作は、タッチ面上の1以上のタッチ位置においてタッチ状態を継続する形でなされるものとすることができる。この場合、そのタッチ継続操作がなされた場合にそのタッチ位置の数を特定するタッチ数特定手段を備えて構成でき、さらに制御手段は、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、当該操作において特定されるタッチ位置の数に対応する所定のパラメータ変化を生じさせるものとして構成できる。この構成によれば、タッチ位置の数が2つであればその数に対応する制御パラメータ変化を生じさせることができる。これにより、制御パラメータを大きく変化させたい場合でも、無駄な時間をかけずにすむから、使い勝手が良い。
【0011】
本発明における制御手段は、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作のタッチ面へのタッチ数が増すほど、1回のタッチ継続操作により変化する制御パラメータのパラメータ変化量が大となるように、パラメータ変化を実行するよう構成できる。具体的には、タッチ数に応じて定められるパラメータ変化量を、一定のパラメータ変化量にタッチ数を乗じたぶんだけ(タッチ数が2であれば一定値の2倍)の制御パラメータ変化を生じさせることができる。このため、制御パラメータを大きく変化させたい場合でも、タッチ数を増やすことで、時間をかけずに行うことができる。
【0012】
本発明におけるタッチ継続操作は、タッチ面に対しタッチ状態を継続する形でタッチ位置を移動させるスライド操作とすることができる。
【0013】
上記スライド操作は、例えば、スライド操作は、タッチ面に対し予め定められた移動方向に向けて、あるいは予め定められた移動軌跡に沿って、タッチ状態を継続する形でタッチ位置を移動させる操作であり、上記変化量は、スライド操作におけるタッチ位置、もしくはそのタッチ位置の移動距離とすることができる。この構成によれば、予め決められた直線方向や回転方向に向かって、あるいは予め決められた直線や円や弧状の軌跡に沿ってスライド移動した距離に応じて、様々な制御パラメータを細かく調整できる。
【0014】
なお、上記スライド操作は、タッチ面に対するタッチ位置を予め定められた形状を有した移動軌跡に沿って移動させる操作とすることができる。例えばそのスライド操作は、円形状又は円弧形状の移動軌跡を描くよう回転方向に摺動させる操作とすることができる。何かの操作に代わってタッチ継続操作を行う場合、本発明のタッチ継続操作の移動軌跡は、もととなる操作の操作軌跡と同じであると、もとの操作を直感的に連想することができる。例えばダイアルノブを回転させるような回転操作の場合、タッチ継続操作の移動軌跡を円形状又は円弧形状とすることで、もとの回転操作と同様の感覚で操作を行うことができる。
【0015】
本発明においては、タッチ面上にカーソル移動区間が定められ、その移動区間を移動可能なカーソル位置が定められ、上記スライド操作は、カーソル位置をタッチした状態でそのタッチ位置を移動区間上にて移動させることにより、そのカーソル位置を移動させる操作であり、上記変化量は、そのタッチ位置とすることができる。この構成によると、停車中においては、タッチ面上もしくはタッチ面に対応する表示面上に表示される操作画面に、メモリ及びカーソルを表示させ、そのうちのカーソルをタッチ継続操作により動かし、そのカーソルが指示する目盛に対応する制御パラメータを設定できるから、視覚的にも分かり易く使い勝手が良い。
【0016】
本発明におけるスライド操作は、タッチ面を、2つのタッチ位置を有する形でタッチし、それら両タッチ位置間の距離を変化させるピンチ操作であり、上記変化量は、両タッチ位置間の距離とすることができる。この構成によれば、タッチ面に接触した2つのタッチ位置を近づける、もしくは遠ざける操作により、そのときの接近距離、もしくは離間距離に応じて、様々な制御パラメータを細かく調整できる。また、このピンチ操作は、距離を広げる、距離を狭めるという操作であるため、例えば、表示を拡大させる、縮小させるといった表示制御を行うための操作として好適である。つまり、操作によって実行される制御を直感的に把握しやすい。例えば地図縮尺変更などに利用するとよい。
【0017】
本発明におけるタッチ継続操作は、タッチ面に対しタッチ状態を継続する長押し操作であり、上記変化量は、長押し操作におけるタッチ状態の継続時間とすることができる。走行中の長押し操作は、走行振動により押し状態が瞬間的に解除されてしまう可能性があるから、長押し操作の押し継続時間が操作者の意図からずれてしまう可能性がある。上記構成によれば、走行中は、押し時間とは無関係な単純な押し操作に変更されるため、操作しやすい。
【0018】
本発明におけるタッチ操作入力手段は、タッチ面に対するタッチが所定時間内に繰り返し複数なされるタップ操作も受け付け可能とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合に、タップ操作がなされたときに、当該操作におけるタッチがなされる毎に、車両が走行中であると特定された場合と同じように、制御パラメータに対し予め決められたパラメータ変化を生じさせるよう構成できる。つまり、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合に、タップ操作が繰り返しなされたときにその一連のタッチ操作におけるタッチ回数を取得し、そのタッチ回数に所定のパラメータ変更値を乗じた分だけ、制御パラメータを変更させることができる。タッチ操作毎に順次一定ずつ制御パラメータを可変させるのではなく、タッチ操作がなされた回数だけまとめて制御パラメータが変化するように構成されるので効率的である。
【0019】
本発明におけるタッチ継続操作は、表示手段に画面表示された表示内容に対してなされるものとすることができる。表示内容に関連してタッチ継続操作がなされるように構成されることで、操作と、操作により実行される制御内容が把握しやすくなり、操作しやすくなる。
【0020】
本発明におけるタッチ操作入力手段は、タッチ面を表示手段とは異なる位置に有した遠隔操作入力手段とすることができる。これにより、表示画面よりも操作者の手元に近い位置での操作が可能となる。操作者が無理な体勢で操作する必要が無くなるため、走行時振動などがあっても誤操作を生じ難い。
【0021】
本発明における表示手段は、スライド操作と、長押し操作との双方を受付可能な表示領域をそれぞれ有した画面を表示可能とすることができる。また、スライド操作にはピンチ操作とカーソルを移動させるスライド操作との双方があるため、上記長押し操作を含めた三種の操作を受付可能な表示領域をそれぞれ有した画面を表示してもよい。複数類のタッチ継続操作が受付可能であるため、ユーザーがやり易いタッチ継続操作を自身で選択できるから、使い勝手がよい。
【0022】
本発明における表示手段は、地図画面を表示可能であり、タッチ継続操作は、表示手段に表示される地図の縮尺を、予め定められた複数の表示縮尺のいずれかに変更する操作とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、制御パラメータの現在設定値を示す表示縮尺を逐次変化させる一方、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータの現在設定値を示す表示縮尺を、現在設定中の表示縮尺から所定縮尺だけ変化させるものとできる。この構成によれば、停車中のタッチ継続操作と、走行中の単発タッチ操作により、それぞれの状況の中で効率のいい形で縮尺変更を行うことができる。
【0023】
本発明における表示手段は、エアコン設定画面を表示可能であり、タッチ継続操作は、表示手段に表示されるエアコン制御用の設定温度(空調気流の温度又は車室内の目標温度)及び設定風量のいずれかの設定値を変更する操作とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、制御パラメータの現在設定値を逐次変化させる一方、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータの現在設定値を、現在設定している設定値を所定の値だけ変化させるものとできる。この構成によれば、停車中のタッチ継続操作と、走行中の単発タッチ操作により、それぞれの状況の中で効率のいい形でパラメータの大小変更を行うことができる。
【0024】
本発明における表示手段は、エアコン設定画面を表示可能であり、タッチ継続操作は、表示手段に表示される、空調気流の吹出し口を定めた各吹出しモードを示す設定値を変更する操作とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、制御パラメータの現在設定値が示す吹出しモードを、予め定められた順序に従い逐次変化させる一方、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータの現在設定値が示す吹出しモードを、現在設定されている吹き出しモードから順序における所定数先の吹出しモードに切り替えるものとできる。この構成によれば、停車中のタッチ継続操作と、走行中の単発タッチ操作により、それぞれの状況の中で効率のいい形でパラメータ変更を行うことができる。
【0025】
本発明における表示手段は、車室内に出力される音量を設定するための音量設定画面を表示可能であり、タッチ継続操作は、表示手段に表示される設定音量を変更する操作とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、制御パラメータの現在設定値を示す設定音量を逐次変化させる一方、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータの現在設定値を示す設定音量を、現在設定している設定音量を所定音量だけ変化させるものとできる。この構成によれば、停車中のタッチ継続操作と、走行中の単発タッチ操作により、それぞれの状況の中で効率のいい形で音量の大小変更を行うことができる。
【0026】
本発明における表示手段は、オーディオ設定画面を表示可能であり、タッチ継続操作は、表示手段に表示される出力対象トラックを切り替える操作とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、制御パラメータの現在設定値が示すトラックを、予め定められた順序に従い逐次切り替えて出力対象トラックを逐次変更する一方、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータの現在設定値が示すトラックを、現在設定されているトラックから、順序における所定数先のトラックへと切り替えるものとできる。この構成によれば、停車中のタッチ継続操作と、走行中の単発タッチ操作により、それぞれの状況の中で効率のいい形でトラックの切り替えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態である車両用タッチ式操作入力装置の構成を簡略的に示すブロック図。
【図2】図1の車両用タッチ式操作入力装置の車室内における配置の一例を示す車室内内観図。
【図3】操作入力処理の流れを示すフローチャート。
【図4】タッチ継続操作の第一例を示す図。
【図5】図4の操作による制御内容を示す図。
【図6】タッチ継続操作の第二例を示す図。
【図7】図6の操作による制御内容を示す図。
【図8】タッチ継続操作の第三例を示す図。
【図9】図8の操作による制御内容を示す図。
【図10】タッチ継続操作の第四例と、対応する制御内容を示す図。
【図11】タッチ継続操作の第五例と、対応する制御内容を示す図。
【図12】タッチ継続操作の第六例と、対応する制御内容を示す図。
【図13】タッチ継続操作の第七例と、対応する制御内容を示す図。
【図14】タッチ継続操作の第八例と、対応する制御内容を示す図。
【図15】図3とは異なる操作入力処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の車両用タッチ式操作入力装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態である車両用タッチ式操作入力装置1の構成を簡略的に示すブロック図である。図1に示す車両用タッチ式操作入力装置1は、車両に搭載可能な装置であり、制御部10と、タッチ操作用の操作面(以下、タッチ面という)12aを備えるタッチ式操作入力部12と、画面表示部(表示手段)15と、車両の走行状態(走行状態と停車状態)を検出するための車速センサ(走行状態検出手段)11と、タッチ式操作入力部12による操作対象として1以上(ここでは複数)の車載機器3,4,5とを備えて構成される。本実施形態にいては、それら車載機器3,4,5が制御部10に対し車載通信手段(車載LAN)2を介して接続されている。本実施形態においては、それら車載機器3,4,5として車両用空調装置(カーエアコン)3と、車両用オーディオ装置(カーオーディオ)4と、車両用ナビゲーション装置(カーナビ)5等の周知の車載機器を備える。
【0030】
制御部10は、周知のCPU,ROM,RAM等を備える通常のコンピュータとして構成される制御手段であり、その記憶部には、図3に示す操作入力処理を実行するためのプログラム含む各種のプログラム、及びそれらの実行に必要な各種の情報が記憶されている。本実施形態においては、その操作入力処理用のプログラムがCPUにより実行されることで、図示しないインターフェースを介して制御部10に接続されているタッチ式操作入力部12への操作入力に基づいて、操作対象である車載機器3,4,5に対する制御が実行される。
【0031】
タッチ式操作入力部12は、タッチ面12aを指や指示部材等の所定の指示体(ここでは指)により触れると、その接触位置を示す操作情報を出力するものであって、本実施形態においては、静電容量式や感圧式等の方式を採用し、四角形状のタッチ面12aを有した周知のタッチパッドである。本実施形態においては、図2に示すように、タッチ面12aがセンターコンソールC内の運転席2Dや助手席2Pの間で、運転席2Dや助手席2Pに搭乗した両者の手元に位置するよう配置される。
【0032】
画面表示部15は、図2の運転席2Dよりも車両前方側で、運転席2Dに座した運転者により視認可能に設置されたカラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機ELディスプレイ等の周知の表示装置を採用できる。他にも、ヘッドアップディスプレイ(HUD)として設けたり、メーター表示装置の表示面内に設ける構成等でもよい。
【0033】
なお、本実施形態における画面表示部15は、車両が備える機器の操作などを行うための画面表示がなされる表示面を有した表示手段であり、タッチ式操作入力部12は、その表示面に画面表示された内容に対する操作を行うものであるが、その表示面とは異なる位置に設けられている。即ち、本実施形態のタッチ式操作入力部12は、画面表示部15での表示に対する操作入力を遠隔的に行うための遠隔操作部であり、画面表示部15の表示面上やその周辺に設けられてその表示面に画面表示された内容に対する操作が可能な操作部があった場合に、それよりも操作難易度が低くなるよう、ここでは表示面よりも運転者や助手席搭乗者に近い位置に設けられている。そして、制御部10は、タッチ面12aへのタッチ操作に基づいてタッチ位置に対応した入力を受け付ける。
【0034】
具体的に言えば、画面表示部15の表示面上に定められる二次元座標系と、タッチ面12a上に定められる二次元座標系との間には一義的な対応関係が予め定められ、一方の面内位置に対応する他方の面内位置が一義的に特定可能とされており、タッチ面12aにタッチ操作があった場合には、その対応関係に基づいて、当該タッチ操作がなされたタッチ面12a上の位置座標に対応する、画面表示部15の表示面上の位置座標に対し操作があったものとして、その操作入力が制御部10にて受け付けられる。つまり、タッチ面12aにタッチ操作があった場合、制御部10は、そのタッチ操作がなされたタッチ面12a上の位置座標を特定し、さらに、特定したタッチ面12a上の位置座標に対応する、画面表示部15の表示面上の位置座標を特定して、その上で、特定された表示面上の位置座標に対応する制御内容を実行する。例えば、タッチ面12a上に単純なタッチ操作がなされた場合に、そのタッチ位置が、表示面上の操作アイコンに対応する位置であれば、その操作アイコンに対応する制御内容が実行される。ただし、タッチ操作によって実行される制御内容は、タッチ面12aになされたタッチ操作の種別や操作内容によってさまざまであり、なされたタッチ操作に対応するものが選ばれて実行される。
【0035】
ところで、本実施形態のタッチ式操作入力部12は、予め定められたタッチ面12aに対しタッチ状態を継続する形でなされるタッチ継続操作を受け付け可能である(タッチ操作入力手段)。タッチ継続操作には、タッチ面12aに対しタッチ状態を継続する形でタッチ位置を移動させるスライド操作や、タッチ面12aに対しタッチ状態を継続する長押し操作等が含まれる。制御部10は、それらのタッチ継続操作がなされた場合に、それら操作に対応する制御内容を実行する(制御手段)。
【0036】
さらにいえば、本実施形態の制御部10は、車両が走行中であるか否かを特定し、走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされたときに、当該操作のタッチ状態が継続する間、当該操作に係る予め定められた変化量を逐次取得し、逐次取得される変化量に応じて予め定められた制御パラメータを連続的に(リアルタイムで)変化させる一方、走行中であると特定された場合には、上記と同種のタッチ継続操作(つまり、スライド操作であれば同じスライド操作、長押し操作であれば同じ長押し操作)がなされる毎に、上記制御パラメータに対し、上記変化量とは無関係な予め決められた所定のパラメータ変化を生じさせる。
【0037】
なお、本発明における変化量とは、連続的に変化する数値・物理量のことであって、タッチ継続操作におけるタッチ状態の継続時間、もしくはタッチ状態の継続中に生じたタッチ位置の移動量、もしくは移動するタッチ位置のいずれかに基づく値であって、タッチ継続操作の継続中に当該操作に伴い変動する値(変動値)とすることできる。タッチ状態の継続時間は、制御部10が、自身のタイマー機能に基づいてタッチ開始からタッチ解除までの時間を計時することにより取得し、タッチ位置や、タッチ位置の移動量は、制御部10が、タッチ式操作入力部12からタッチ面12a上の位置座標の入力を受けつけ、これに基づいて算出・取得する。
【0038】
ここで、車両に搭載された車両用ナビゲーション装置5において、予め定められた制御パラメータの現在設定値を変化させる操作の一例として、画面表示部15に表示される地図画面の表示縮尺(地図縮尺)を変化させる実施例について説明する。
【0039】
なお、以下では、画面表示部15に表示される画面にタッチ等の操作を行う、といった記載がなされるが、これらは画面表示部15の表示面を直接的にタッチ等の操作をするという意味ではなく、タッチ式操作入力部12を介して間接的に、画面表示部15の表示面に対するタッチ等の操作を行うという意味である。実際には、タッチ式操作入力部12のタッチ面12aにタッチ等の操作を行うことで、そのタッチ面12a上の操作位置に対応する、画面表示部15の表示面上の画面位置に、タッチ等の操作がなされたことを意味する。
【0040】
図4は、車両用ナビゲーション装置5によって、経路案内時等に画面表示部15に表示される地図画面101である。この地図画面101では、地図画像100M上の、操作アイコン(操作画像)101A〜101Eを除いた地図画像領域に対し、ピンチ操作がなされることにより、現在表示中の地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を変更可能に構成されている。
【0041】
なお、ピンチ操作とは、タッチ面12aを、2つのタッチ位置を有する形でタッチし(例えば親指と人差し指で別の位置をタッチした状態)、それら両タッチ位置間の距離を接近又は離間させる形で変化させる操作(タッチ継続操作)である。ここでは、両タッチ位置間の距離を広げる操作により表示縮尺が大きくなり(第一側に変化)、両タッチ位置間の距離を狭める操作により表示縮尺が小さくなるよう(第二側に変化)、表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を変更することができる。ただし、車両の走行中と停車中とにおいて、制御パラメータの設定値を変更するピンチ操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0042】
即ち、図5に示すように、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、上記ピンチ操作がなされたときに、そのピンチ操作における両タッチ位置間距離の変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を逐次可変させ、表示中の地図画像100Mを逐次(連続的)に縮尺変更する表示制御を実行する。一方、車両が走行中である場合には、上記ピンチ操作がなされる毎に、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、ピンチ操作の両タッチ位置間距離に関わらず(上記変化量とは無関係に)、所定の値だけ変化を生じさせ、変化後の設定値で地図画像100Mを表示する表示制御を実行する。このため、走行中は、表示中の地図画像100Mに対し上記ピンチ操作がなされる毎に、表示中の地図画像100Mは段階的に縮尺変更される。
【0043】
本実施形態においては、制御部10は、地図画像100Mの表示縮尺として、予め定められた複数の縮尺値を有しており、その大きさの順に従い、それら各縮尺値に対応する制御パラメータの値を記憶している。走行中に、1回の上記ピンチ操作がなされると、制御部10は、表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、現在設定中の縮尺値に最も近い縮尺値を示す設定値へと切り替え、表示縮尺を1段階変化させる。このため、上記スライド操作がなされる毎に1段階ずつ段階的に縮尺が変化する。さらに、制御部10は、地図画像100Mを、変化した制御パラメータの設定値が示す表示縮尺での表示に切り替える。一方、停車中に、1回の上記ピンチ操作がなされると、制御部10は、その1回のピンチ操作(タッチ開始からタッチ解除まで)における両タッチ位置間距離の変化量を、タッチ解除されるまでの間、逐次算出する。ただし、制御部10は、各縮尺値に対応する制御パラメータの値を、縮尺の大きさの順で記憶する一方で、現在設定中の縮尺値をこれに最も値が近い1つ隣の縮尺値に変化させるための上記変化量(ピンチ操作における両タッチ位置間距離)を縮尺切替値として記憶しているから、逐次算出される上記変化量と縮尺切替値に基づいて、縮尺値を示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させる。つまり、逐次算出される上記変化量が、上記縮尺切替値の自然数倍の値を超える毎に、縮尺値を示す制御パラメータの現在設定値を、設定中の縮尺値に最も近い1つ隣の縮尺値に対応する値へと順次変化させていく。そして、制御部10は、逐次変化する制御パラメータの設定値(縮尺値)に連動して、表示中の地図画像100Mの表示縮尺を逐次(リアルタイムで)変化させる。つまり、表示中の地図画像100Mを、制御パラメータの変化に応じて逐次縮尺変化が生じる動的な形で表示する。
【0044】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、ピンチ操作が両タッチ位置間距離を縮める操作としてなされた場合には、現在設定中の縮尺値が減少するよう制御パラメータの現在設定値を第一側に変化させる一方、両タッチ位置間距離を延ばす操作としてなされた場合には、現在設定中の縮尺値が増加するよう制御パラメータの現在設定値を第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0045】
図6は、車両用ナビゲーション装置5によって画面表示部15に表示される地図画面102であり、ここでの地図画面102は、図4の地図画面101の操作アイコン101Aにタッチ操作がなされることにより表示される画面である。この地図画面102には、地図画像100M上に新たな操作アイコン(操作画像)102A,102Bが表示される他に、カーソル画像102Cと、そのカーソル画像102Cの移動区間を示す移動区間画像102Dが表示されており、カーソル画像(カーソル位置)102Cをスライド操作により動かすことができる。
【0046】
即ち、地図画面102上には、移動区間画像102D内には所定軌跡を描く形で延びるカーソル移動区間が定められるとともに、タッチ面12a上にも、地図画面102に対応するカーソル移動区間が定められる。それら移動区間(カーソル移動区間)には、順逆双方向に移動可能なカーソル位置が定められ、画面表示部15においてはそのカーソル位置上にカーソル画像102Cが表示される。また、それら移動区間上には、その長さ方向に所定間隔おきに入力位置(入力点や入力区間)が定められ、それら入力位置には表示縮尺を示す制御パラメータの各値(縮尺値)が対応付けられている。本実施形態の移動区間画像102Dは、直線状に延びる移動区間を有するとともに、画面表示部15においてはその長さ方向に各メモリ102Mが等間隔おきに配列されている。そして、それら各メモリ102Mの位置が入力位置とされ、それら各入力位置(メモリ位置)に対し縮尺値が、その大きさの順で並ぶ形で(ここでは画面左側の入力位置ほど縮尺が小さくなる形で)対応付けられている。なお、タッチ面12a及び画面表示部15の表示面上に設定される入力位置は、メモリ102Mよりも多数あってもよい。例えば隣接するメモリ102Mの中間位置にも入力位置があってもよい。
【0047】
なお、ここでのスライド操作とは、カーソル画像(カーソル位置)102Cをタッチした状態で、そのタッチ位置を上記移動区間の長さ方向に向けて、あるいは移動区間を形成する画像(軌跡)に沿って移動させ、カーソル画像102Cを動かす操作(タッチ継続操作)である。このスライド操作に関しても、車両の走行中と停車中とで、制御パラメータの設定値を変更するスライド操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0048】
即ち、図7に示すように、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、カーソル画像102をタッチした状態での上記スライド操作がなされると、そのタッチ位置(カーソル画像102Cの指示位置)を変化量として逐次取得し、逐次取得されるそのタッチ位置(変化量)に応じて、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を逐次可変させ、表示中の地図画像100Mを逐次(連続的)に縮尺変更する表示制御を実行する。さらに、逐次取得されるそのタッチ位置(変化量)に応じて、表示されているカーソル画像102Cも逐次(連続的)、タッチ位置に対応する位置へと移動させる表示制御も同時に実行する。一方、車両が走行中である場合には、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、カーソル画像102Cへのタッチの有無に関わらず、さらには上記タッチ位置に関らず(上記変化量とは無関係に)、所定の値だけ変化を生じさせ、変化後の設定値で地図画像100Mを表示させる表示制御を実行する。さらに、変化後の設定値を指示するよう、表示されているカーソル画像102Cを移動させる表示制御も同時に実行する。このため、走行中は、表示中の地図画像100Mに対し上記スライド操作がなされる毎に、表示中の地図画像100Mは段階的に縮尺変更される。
【0049】
本実施形態においては、制御部10は、地図画像100Mの表示縮尺として、既に述べたように複数の縮尺値を有しており、その大きさの順に従い、それら各縮尺値に対応する制御パラメータの値を記憶するとともに、それら制御パラメータの値を、上記移動区間上に並ぶ各入力位置に対し、対応する縮尺値が大きさの順で並ぶよう対応付けて記憶している。走行中に、移動区間画像102D内においてその移動区間の長さ方向に移動するスライド操作(フリック操作ともいえる)が1回なされると、制御部10は、表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、現在設定中の縮尺値に対応する入力位置に最も近い入力位置に対応する縮尺値を示す値へと切り替え、表示縮尺を1段階変化させる。このため、上記スライド操作(フリック操作)がなされる毎に1段階ずつ段階的に縮尺が変化する。そして、制御部10は、カーソル画像(カーソル位置)102Cを現在位置からそのスライド操作方向側の次の入力位置(ここでは隣接する次のメモリ102M)へとジャンプさせるとともに、地図画像100Mを、変化した制御パラメータの設定値が示す表示縮尺での表示に切り替える。一方、停車中は、1回の上記スライド操作がなされると、制御部10は、その1回の上記スライド操作(タッチ開始からタッチ解除まで)における変化量としてその操作におけるタッチ位置(位置座標)を、タッチ解除されるまでの間、逐次取得する。ただし、制御部10は、既に述べたように、上記移動区間上に並ぶ各入力位置に対し、制御パラメータの値を、対応する縮尺値が大きさの順で並ぶよう対応付けて記憶しているため、逐次取得される上記タッチ位置(位置座標)に応じて、制御パラメータの現在設定値である縮尺値を逐次変化させる。つまり、逐次取得される上記タッチ位置(位置座標)の最も近接する入力位置が切り替わる毎に、縮尺値を示す制御パラメータの現在設定値を、切り替わった先の入力位置の縮尺値に対応する値へと順次変化させていく。そして、制御部10は、逐次変化する制御パラメータの設定値(縮尺値)に連動して、表示中の地図画像100Mの表示縮尺と、カーソル画像102Cの描画位置とを、逐次(リアルタイムで)変化させる。つまり、制御パラメータの変化に応じて、表示中の地図画像100Mが逐次縮尺変化するとともにカーソル画像102Cが移動するよう、それらの画像100M,102Cを動的な形で表示する。
【0050】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、上記スライド操作が上記移動区間に対し定められた順方向(ここでは図中右側)に向かう形でなされた場合には、現座設定中の縮尺値が減少するよう制御パラメータの現在設定値を第一側に変化させる一方、この順方向とは逆方向になされた場合には、現在設定中の縮尺値が増加するよう制御パラメータの現在設定値を、第一側とは逆の第二側に変化させる。また、走行中における上記スライド操作(フリック操作)については、カーソル画像102Cをタッチする形でなされる操作としてもよいが、ここではカーソル画像102Cへのタッチがなくともよい。
【0051】
図8は、図6と同じ画面102である。この地図画面102では、地図画像100M上の操作アイコン(操作画像)102A,102Bに対するタッチ操作により、現在表示中の地図画像100Mの表示縮尺(地図縮尺)を示す制御パラメータの現在設定値を変更可能に構成されている。ただし、車両の走行中と停車中とにおいて、制御パラメータの設定値を変更する操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0052】
即ち、図9に示すように、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、タッチ面12a上の所定の操作アイコン102A,102Bに対しタッチ状態を少なくとも所定時間以上継続する長押し操作(タッチ継続操作)がなされると、その長押し操作におけるタッチ状態の継続時間を変化量として逐次取得し、逐次取得されるその継続時間に応じて、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を逐次可変させ、表示中の地図画像100Mを逐次(連続的)に縮尺変更する表示制御を実行する。一方、車両が走行中である場合には、上記長押し操作がなされる毎に、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、タッチ状態の継続時間に関わらず(タッチ状態の継続時間とは無関係に)、所定の値だけ変化を生じさせ、変化後の設定値で地図画像100Mを表示させる表示制御を実行する。このため、走行中、表示中の地図画像100Mに対し上記長押し操作がなされる毎に、表示中の地図画像100Mは段階的に縮尺変更される。
【0053】
本実施形態においては、制御部10は、地図画像100Mの表示縮尺として、予め定められた複数の縮尺値を、その大きさの順に記憶しているから、走行中に、上記長押し操作が1回なされると、表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、現在設定中の縮尺値に最も近い縮尺値を示す設定値へと切り替え、表示縮尺を1段階変化させる。そして、制御部10は、表示中の地図画像100Mを、変化した制御パラメータの設定値が示す表示縮尺での表示に切り替える。一方、停車中に、1回の上記長押し操作がなされると、制御部10は、その1回の長押し操作(タッチ開始からタッチ解除まで)が続く間は、そのタッチ状態の継続時間を変化量として逐次算出する。ただし、制御部10は、既に述べたように、各縮尺値に対応する制御パラメータの値を、縮尺の大きさの順で記憶する一方で、現在設定中の縮尺値をこれに最も値が近い1つ隣の縮尺値に変化させるための上記変化量(タッチ状態の継続時間)を縮尺切替値として記憶しているから、上記変化量が(タッチ状態の継続時間)が逐次算出されると、算出された変化量と縮尺切替値とに基づいて、縮尺値を示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させる。つまり、逐次算出される上記変化量が、上記縮尺切替値の自然数倍の値を超えていく毎に、縮尺値を示す制御パラメータの現在設定値を、設定中の縮尺値に最も近い1つ隣の縮尺値に対応する値へと順次変化させていく。そして、制御部10は、逐次変化する制御パラメータの設定値(縮尺値)に連動して、表示中の地図画像100Mの表示縮尺を逐次(リアルタイムで)変化させる。つまり、表示中の地図画像100Mを、制御パラメータの変化に応じて逐次縮尺変化が生じる動的な形で表示する。
【0054】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、長押し操作の操作対象が操作アイコン102Bであれば、縮尺値が減少するよう制御パラメータを第一側に変化させる一方、操作アイコン102Aであれば、縮尺値が増加するよう制御パラメータを第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0055】
また、図4及び図8において、大きさの順に定められている各縮尺値は、図6の場合と同様、上記カーソル移動区間内の各入力位置に対応付けられた縮尺値と同様であり、制御部10は、縮尺値を示す制御パラメータの、各種操作による変化に応じて、カーソル画像102Cを移動させる表示制御を実行する。
【0056】
図6及び図8に示す画面102は、タッチ継続操作として、スライド操作(図4と図6の双方の操作を含む)と、長押し操作との双方の操作を受付可能な画面である。さらにいえば、背景画像(地図画像100M)の表示領域に対するスライド操作(図4のピンチ操作)による制御パラメータ変化(背景画像の表示変化)が可能であり、なおかつ背景画像(地図画像100M)上に重畳される、該背景画像(地図画像100M)よりも小さい操作画像102A,102Bへの長押し操作による制御パラメータ変化(背景画像の表示変化)が可能である。広く表示される背景画像上でのダイナミックなスライド操作と、小さく表示される操作画像上への簡易な長押し操作の操作により、同じ制御パラメータを変化させることができる。また、図6及び図8に示す画面102は地図画面であり、重畳画像102A〜102Dを除いた地図画像100Mの表示領域に対する図4のピンチ操作により上述した図5のような縮尺変更が可能であり、なおかつカーソル画像102Cへの図6のスライド操作でも上述した図7のような縮尺変更が可能であり、なおかつ図8の長押し操作でも上述した図9のような縮尺変更が可能に構成されているため、3種のタッチ継続操作のうちユーザーの好みに応じた操作で地図画像の表示縮尺変更が可能となっている。
【0057】
ここで、上述した車両用ナビゲーション装置5について簡単に説明する。車両用ナビゲーション装置5は、位置検出器、音声出力部(音声合成回路及びスピーカ)、操作入力部(メカニカルスイッチ、タッチスイッチ、リモコン、音声入力部等)、記憶装置(ハードディスクドライブ等)、及び車速センサ等が,制御部20と接続する周知の構成を有する。
【0058】
位置検出器は、車両の現在位置を特定する現在位置特定手段であり、周知の地磁気センサ,車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ,車両の走行距離を検出する距離センサ,及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機を有した周知のものである。
【0059】
ナビゲーション装置5の制御部は、周知のCPU,ROM,RAMを備えて構成される通常のコンピュータで有り、そのCPUは、記憶装置に記憶されたナビプログラムおよびデータに基づく制御を行うことで、例えば目的地までの経路案内を、表示装置である画面表示部15においてユーザーにより設定された縮尺の地図画像上に現在位置及び案内経路を表示しつつ、音声出力部からの音声出力を行う形で実行できる。記憶装置には、上記経路案内などを実行する周知のナビプログラムの他に、道路地図データが記憶される。道路地図データは、画面表示用に上記地図画像100Mのような所定の地図画像データを記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網データを記憶する。また、記憶装置25は、ナビゲーション装置2の動作に必要なデータや各種情報をデータベースとして記憶している。
【0060】
なお、画面表示部15は、各種車載機器の操作に兼用される遠隔操作用の表示装置ではなく、ナビゲーション装置5に付属する表示装置であってもよく、他の機器3,4の操作が、ナビゲーション装置5の表示装置15により可能とされるという構成でもよい。
【0061】
以下、上記のように制御パラメータを変更するために、制御部10が実行する、タッチ式操作入力部12から入力される入力情報に基づく操作入力処理を、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0062】
この操作入力処理は、別途なされる所定のユーザー操作、あるいは画面表示部15での所定画面への遷移、あるいは外部からの所定の信号入力に伴い制御部10が実行するものである。
【0063】
まずS10では、制御部10が、タッチ式操作入力部12からの入力の受け付けを開始する。S11では、制御部10が、タッチ面12aへのタッチ操作の有無を検出する。これはタッチ面12aにタッチ操作がなされるに伴いタッチ式操作入力部12から出力される操作信号の有無に基づいて判定する。この判定はタッチ操作があると判定されるまで繰り返し実施され、タッチ操作があったと判定されるとS12に進む。
【0064】
S12では、制御部10が、受け付けたタッチ操作に関して、タッチ面12a上でのタッチ位置を特定する。タッチ操作がなされるに伴いタッチ式操作入力部12から出力される操作信号には、タッチ面12a上におけるタッチされた位置の位置座標情報(X座標とY座標)が含まれているので、当該操作信号に基づいて、タッチ面12a上でのタッチ位置座標を算出・取得する。
【0065】
続くS13では、制御部14が、受け付けたタッチ操作が、予め定められたタッチ継続操作のうちのどの種別のものであるかを特定する(タッチ継続操作種別特定手段)。ここでは、画面表示部15に表示されている画面に応じて受け付け可能なタッチ継続操作が定められており、さらにいえば、その画面内の各種表示領域ごとに受け付け可能なタッチ継続操作が定められているから、そのタッチ位置に基づいて、制御部14が、受け付け中のタッチ継続操作の種別を特定する。タッチ継続操作の種別としては、上記のピンチ操作やスライド操作、長押し操作があり、タッチ位置が上記の地図画像100Mであればピンチ操作、上記カーソル画像102Cであればスライド操作、上記操作アイコン102A,102Bであれば長押し操作と特定できる。なお、タッチ操作においてタッチ状態が継続する中での変化内容を特定し、特定された変化内容から直接、タッチ継続操作の種別を特定してもよい。
【0066】
続くS14では、制御部10が、車速センサ11の検出状態に基づいて車両の走行状態を特定し、車両が走行中であるか停車中であるかを判定する(走行状態判定手段)。S14にて走行中と判定された場合にはS15に進み、走行中と判定されなかった場合にはS18に進む。なお、停車中という走行状態は、車速が0km/hの状態に限らず、予め定められた低速度範囲(例えば5km/h以下等の低車速範囲)を含むよう定義されていてもよい。
【0067】
S15では、制御部が、S13で特定された種別のタッチ継続操作に関して、その変化量を算出する。制御部10は、各種のタッチ継続操作に対し予め定められた変化量を対応付けているので、S13で特定された種別のタッチ継続操作に対応する変化量を算出する。例えば、受け付けたタッチ継続操作がピンチ操作の場合は、この段階で制御部10が再びタッチ面12a上での2つのタッチ位置を算出し、その2つのタッチ位置と、その直前において算出された2つのタッチ位置とに基づいて、それら2つのタッチ位置間の距離の変化量を算出する。受け付けたタッチ継続操作が、カーソル画像102Cを移動させるスライド操作の場合は、この段階で制御部10が再びタッチ面12a上でのタッチ位置を算出し、そのタッチ位置を変化量として取得する。受け付けたタッチ継続操作が長押し操作の場合は、制御部10がタッチ開始時から計時する経過時間を取得し、その経過時間を変化量として取得する。
【0068】
S16では、制御部10が、算出された変化量に応じて、対応する制御パラメータを変更する。ここでは、画面表示部15に表示されている地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、既に述べたように、算出された変化量に応じて変更する。同時に、その制御パラメータ変化に応じて、表示中の地図画像100Mの表示縮尺を変化させる表示制御を実行し、場合によってはカーソル画像102Cを移動させる表示制御も実行する。ただし、タッチ継続操作の操作内容に応じて、制御パラメータの設定値である縮尺値を、増すのか減じるのか判断され、その判断結果に基づいて、制御パラメータ変化を行う。そして、続くS17では、制御部10が、タッチ面12aへのタッチ状態が解除されたか否かを判定する。解除されていればS20に進み、解除されていなければS15に戻って再び変化量を算出し、S16にて、算出された変化量に応じて、対応する制御パラメータを変更する。これにより、制御パラメータを逐次変更し、それに応じた表示制御を逐次実行する。
【0069】
他方、S18では、制御部が、S11で受け付けたと判定されたタッチ操作に基づいて、その操作におけるタッチ開始からタッチ解除に至る1回のタッチ保持状態に対し一義的に定められている所定の制御パラメータ変化を生じさせる。つまり、上述の変化量の有無に関わらず、1回のタッチ状態に対し、所定の制御パラメータ変化を生じさせる。同時に、その制御パラメータ変化に応じて、表示中の地図画像100Mの表示縮尺を変化させる表示制御を実行し、場合によってはカーソル画像102Cを移動させる表示制御も実行する。ただし、タッチ継続操作の操作内容に応じて、制御パラメータの設定値である縮尺値を、増すのか減じるのか判断され、その判断結果に基づいて、制御パラメータ変化を行う。S19では、制御部10が、タッチ面12aへのタッチ操作/タッチ状態が解除されたか否かを判定する。解除されていればS20に進み、解除されていなければ解除されるまでS19を繰り返す。
【0070】
S20では、制御部10が、S10で開始された、タッチ式操作入力部12からの入力の受け付けを終了するタイミングであるか否かを判定する。このタイミングは、別途なされる所定のユーザー操作、あるいは画面表示部15での所定画面への遷移、あるいは外部からの所定の信号入力に伴い到来するものであり、制御部10は、これらの到来の有無を判定し、到来と判定されれば本処理を終了し、到来と判定されなければS11に戻る。
【0071】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0072】
上記実施形態においては、上記の車両用ナビゲーション装置5における制御パラメータの現在設定値を変化させる実施例について説明したが、以下では、他の車載機器の制御パラメータの現在設定値を変化させる操作の一例について説明する。なお、制御パラメータの現在設定値を変化させるために実行される操作入力処理の内容は、既に説明した図3の処理と同様である。
【0073】
まずは、車両に搭載された車両用空調装置3において、予め定められた制御パラメータの現在設定値を変化させる操作の一例について説明する。
【0074】
図10〜図12は、車両用空調装置3によって画面表示部15に表示される温度設定画面201と風量設定画面202と吹出しモード設定画面203である。これら温度設定画面201と風量設定画面202と吹出しモード設定画面203には、回転軸周りに等間隔おきにメモリ画像201M,202M,203Mが描画されるとともに、その回転軸周りを回転動作してそれらメモリ画像201M,202M,203Mを指示する指針画像201P,202P,203Pが描画されており、それら指針画像201P,202P,203Pは、タッチ面12a上でのスライド操作によって動かすことができる。
【0075】
即ち、画面201,202,203には、予め定められた円弧状軌跡に沿ってメモリ画像201M,202M,203Mが等間隔おきに描画された区間が定められており、指針画像201P,202P,203Pは、その円弧状の区間の内周側に設けられた自身の回転軸を中心に回転可能であり、指針先端部にてその円弧状区間を指示する。円弧状区間上には、その長さ方向(周方向)に所定間隔おきに入力位置(入力点や入力区間)が定められ、それら入力位置には、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの各値が対応付けられている。なお、図10及び図11における入力位置はメモリ画像201M,202Mよりも多数存在している。他方、図12における入力位置はメモリ画像203Mと同数存在している。
【0076】
なお、指針画像201P,202P,203Pの指示位置を変更する上記スライド操作は、タッチ面12a上において、タッチ状態を継続する形でそのタッチ位置を、上記指針画像201P,202P,203Pの回転移動方向に対応する方向に向けて、あるいは上記指針画像201P,202P,203Pの回転移動軌跡(円弧状軌跡)と同形状の軌跡を描くよう移動させる操作(タッチ継続操作)であり、この操作により上記指針画像201P,202P,203Pの指示位置を変化させることで、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を変更できる。ただし、車両の走行中と停車中とにおいて、制御パラメータの設定値を変更する操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0077】
即ち、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、タッチ面12a上において、指針画像201P,202P,203Pの回転移動方向に対応する方向に向けてタッチ位置を円弧状に移動させるスライド操作がなされると、その移動距離(タッチ開始位置から現タッチ位置までの距離)を変化量として逐次取得し(S15)、逐次取得されるその変化量に応じて、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させるとともに(S16)、その変化に応じて、表示されている指針画像201P,202P,203Pを、変化後の設定値に対応する位置を指示するよう回転移動させる表示制御を実行する(S16)。一方、車両が走行中である場合には、上記スライド操作(ただし円弧状でなく直線状でもよい)がなされると、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を、上記変化量とは無関係に、所定の値だけ変化させるとともに(S18)、変化後の設定値を指示するよう、表示されている指針画像201P,202P,203Pを回転移動させる表示制御を実行する(S18)。このため、走行中、上記スライド操作がなされる毎に、空調出力内容と、表示中の指針画像201P,202P,203Pの表示位置とが段階的に変更される。
【0078】
本実施形態において、制御部10は、図10及び図11にて、車両用空調装置3の設定温度・設定風量を示す予め定められた複数の温度値・風量値を有しており、その大きさの順に従い、それらの値に対応する制御パラメータの値を記憶するとともに、それら制御パラメータの値を、各メモリ201M,202Mが定められている円弧状の指針移動区間上に並ぶ各入力位置に対し、対応する温度値・風量値が大きさの順で並ぶよう対応付けて記憶し、図12にて、車両用空調装置3の各吹き出しモードを示す制御パラメータの値を記憶するとともに、それら制御パラメータの値を、各メモリ201M,202Mが定められている円弧状の指針移動区間上に並ぶ各入力位置に対し、予め定められた順で記憶しているから、走行中は、指針画像201P,202P,203Pの回転移動方向に対応する方向に向けてタッチ位置が移動するスライド操作(フリック操作ともいえる)が1回なされると、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を、現在設定中の設定温度・設定風量・吹出しモードの値に対応する入力位置に最も近い入力位置に対応する値へと切り替え、設定温度・設定風量・吹出しモードを1段階変化させる。このため、上記スライド操作がなされる毎に1段階ずつ段階的に設定温度・設定風量・吹出しモードが変化する。そして、制御部10は、指針画像(指針指示位置)201P,202P,203Pも同様に、現在の入力位置に対応する指示位置からそのスライド操作方向側の次の入力位置に対応する指示位置へと移動させるとともに、新たに設定された設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータに基づく空調制御を開始する。
【0079】
一方、停車中は、1回の上記スライド操作がなされると、制御部10は、その1回の上記スライド操作(タッチ開始からタッチ解除まで)における変化量としてその操作におけるタッチ位置の移動距離(タッチ開始位置から現タッチ位置までの距離)を、タッチ解除されるまでの間、逐次取得する。ただし、制御部10は、既に述べたように、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの各値が各入力位置に対応付けて記憶されているため、逐次取得される上記タッチ位置の移動距離に応じて、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させる。つまり、逐次取得される上記タッチ位置(位置座標)の最も近接する入力位置が切り替わる毎に、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を、切り替わった入力位置に対応する値へと順次変化させていく。そして、制御部10は、逐次変化する制御パラメータの設定値(設定温度・設定風量・吹出しモード)に連動して、空調装置3の空調出力温度・空調出力風量・空調出力がなされる吹出し口と、表示中の指針画像201P,202P,203Pの表示位置とを、逐次(リアルタイムで)変化させる。つまり、制御パラメータの変化に応じて、空調装置3の空調出力状態と、指針画像201P,202P,203Pの移動表示とを、動的に変化させる。
【0080】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、上記スライド操作の操作方向が上記指針移動区間における温度減少側・風量減少側に対応する方向であれば、設定温度・設定風量が減少するよう制御パラメータを第一側に変化させる一方、温度増加側・風量増加側に対応する方向であれば、設定温度・設定風量が増加するよう制御パラメータを第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0081】
また、制御部10は、各種吹出しモードとして、吹き出し口を、デフロスタのみ、デフロスタ+上部吹出し口、足下吹出し口のみ、足下吹出し口+上部吹出し口、上部吹出し口のみに設定するモードを有するとともに、これらモードに対し予め定められた配列順序を定めており、画面表示部15においても上記指針移動区間内に並ぶ各入力位置に対しその順序に従って対応付けられている。車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、上記スライド操作の操作方向がその順序の順方向側に対応する方向であれば、吹出しモードがその順方向側のモードへと切り替わるよう制御パラメータを第一側に変化させる一方、順方向とは逆側に対応する方向であれば、吹出しモードがその逆方向側のモードへと切り替わるよう制御パラメータを第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0082】
なお、図10〜図12の実施例において、指針画像201P,202P,203Pの移動速度は、車両が走行中でない場合(停車中)には、上記移動距離に連動して、上記スライド移動の速度に合わせて移動させることができる。他方、車両が走行中である場合の指針画像201P,202P,203Pは、上記スライド操作がなされると、一定の移動速度で移動するものとする。
【0083】
また、図10〜図12の実施例に関しては、図7の実施例と同様に、指針画像201P,202P,203Pをカーソル画像とし、これを指等の指示体でタッチした状態で、そのタッチ位置を上記指針移動区間内にて移動させるスライド操作により、当該カーソル画像102Cを動かし、動いた先の入力位置に対応する値を、制御パラメータである設定温度として設定するようにしてもよい。
【0084】
また、図10〜図12の実施例に関しては、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの設定値を変更させる操作は、タッチ面12a上において、指針画像201P,202P,203Pの回転操作方向に対応する方向に向けてタッチ位置を移動させるスライド操作であるが、ここではさらに、そのタッチ位置の移動軌跡が、指針画像201P,202P,203Pの回転軸側に中心を有する円弧状に湾曲した軌跡を描く操作として定められている。つまり、本実施形態の車両用空調装置3は、円筒状ダイアルノブの回転操作により上記設定風量及び設定温度を変更するように構成されているため、それと同じ回転操作と同様の操作となるように、タッチ面12a上でタッチする指示体を回転させるような操作とされている。ただし、上記した円弧状に湾曲した軌跡を描く操作は、上記指針移動区間にずれることなく沿ってとか、あるいは完全なる円弧形状であるというような高精度の操作である必要はなく、タッチ面12a上のタッチ位置の移動軌跡の中間位置が、タッチ開始位置とタッチ解除位置との点を結ぶ直線よりも、指針画像201P,202P,203Pの回転軸に対し遠い位置にあればよいものとする。
【0085】
ここで、上述した車両用空調装置3について簡単に説明する。車両用空調装置3は、周知の構成を有するものであり、車外又は車内のいずれかに設定された吸込口から、ブロワによってダクト内に吸い込んだ空気を、エバポレータにより冷却して冷気を発生させ、これを設定された温度となるようヒータにより温度調整した上で、下流側(吹出口側)の各種吹出口のうちの設定された吹出口から、空調気流として吹き出すよう構成されている。
【0086】
また、車両用空調装置3の電気的構成は、車内温度、車外温度、エバポレータを通過した直後の空気の温度、日射量等を検出する各種センサと、上記のブロワ、上記の吸込口や吹出口の切替用ダンパー、温度調整用のエアミックスダンパーの駆動モータ、ヒータ、冷凍サイクル等の各種駆動部と、設定温度や設定風量、吹出しモード等といった各種の空調設定をユーザーが行うための空調用操作部とが、空調用の制御部に対し接続する形となっている。
【0087】
空調用の制御部は、周知のCPU,ROM,RAMを備えて構成される通常のコンピュータで有り、そのCPUは、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、温度設定操作部、風量設定操作部、吹出しモード設定操作部、さらには上述のようなタッチ式操作入力部12等の各種空調用操作部の操作状態や各種空調用センサの検出結果に基づいて各種空調用駆動部を駆動制御することにより、上記設定温度を示す制御パラメータに基づく吹出温度制御、上記設定風量を示す制御パラメータに基づく風量制御、上記吹出しモードを示す制御パラメータに基づく吹出口切替制御、及び内気吸気・外気吸気切替制御等の周知の空調制御を実行する。なお、上述した設定温度は、自動空調による車室内の目標温度でもよいし、吹出す空調気流の温度そのものであってもよい。
【0088】
そして、画面表示部15には、車両用空調装置2そのものが備える各種空調用操作部に代わって、空調操作用の表示が可能であり、これに対し上述のようなタッチ操作をすることによって、上述のような空調制御用の制御パラメータの設定が可能とされている。
【0089】
次に、車両に搭載された車両用オーディオ装置4において、予め定められた制御パラメータの現在設定値を変化させる操作の一例について説明する。
【0090】
図13は、画面表示部15に表示される出力音量の設定画面(ボリューム設定画面)301である。この出力音量設定画面301では、出力音量アップ用の操作アイコン(操作画像)301A、もしくは出力音量ダウン用の操作アイコン(操作画像)301Bに対するタッチ操作により、現在設定されている出力音量を示す制御パラメータの現在設定値を変更可能に構成されている。ただし、車両の走行中と停車中とにおいて、制御パラメータの設定値を変更する操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0091】
即ち、図13に示すように、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、タッチ面12a上の所定の操作アイコン301A,301Bに対しタッチ状態を継続する長押し操作(タッチ継続操作)がなされると、その長押し操作におけるタッチ状態の継続時間を変化量として逐次取得し(S15)、逐次取得されるその変化量に応じて、出力音量を示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させるとともに(S16)、その変化に応じて出力される音の音量を逐次変化させる音量出力制御を実行する(S16)。一方、車両が走行中である場合には、上記長押し操作がなされる毎に、出力音量を示す制御パラメータの現在設定値を、タッチ状態の継続時間とは無関係に、所定の値だけ変化させるとともに(S18)、変化後の設定値で音量を出力する音量出力制御を実行する(S18)。このため、走行中、上記長押し操作がなされる毎に、出力音量を段階的に縮尺変更できる。
【0092】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、長押し操作の操作対象が操作アイコン301Bであれば、出力音量が減少するよう制御パラメータの値を第一側に変化させる一方、操作アイコン301Aであれば、出力音量が増加するよう制御パラメータの値を第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0093】
図14は、画面表示部15に表示される再生出力されるオーディオトラックの設定画面302である。このトラック設定画面302では、読み込み可能な形で装置4内に配置されたメディア、ないしは装置4そのものの記憶部や外部記憶装置に記憶されたオーディオトラックの識別情報(トラック番号、もしくはトラック番号に対応するトラック名)が、予め定められた順(序列)で弧状に配列表示されるとともに、配列表示内において固定的に定められた強調表示位置にて強調表示される識別情報に対応するオーディオトラックが再生出力対象とされ、強調表示される。そして、それらトラック識別情報の配列表示方向に対応する方向に向けて、図10〜図12と同様の、タッチ面12a上のタッチ位置を移動させるスライド操作により、現在設定されている再生出力対象のオーディオトラックを示す制御パラメータの現在設定値を上記配列の順に従い順次切り替え、これに応じて、再生出力対象のオーディオトラックと、画面表示部15の表示内容を変更するように構成されている。ただし、車両の走行中と停車中とにおいて、制御パラメータの設定値を変更する操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0094】
即ち、制御部10は、オーディオトラックの識別情報を予め定められた順で記憶し、その順で画面表示部15に配列表示させるとともに、さらにその値を1つ切り替えるためのスライド操作の移動距離(タッチ開始位置から現タッチ位置までの距離)をトラック切替距離として記憶している。制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、図14に示すように、上記スライド操作がなされたときに当該操作におけるタッチ位置の移動距離を変化量として逐次取得し(S15)、その変化量に応じて、再生出力対象のオーディオトラックを示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させるとともに(S16)、その変化に応じて、再生出力対象として現在設定されているオーディオトラックを逐次切り替え、かつ配列表示されているオーディオトラックの識別情報を、再生出力対象として現在設定されているオーディオトラックが上記強調表示位置に位置するよう、配列表示されるトラックの識別情報の表示を上記配列の順に従い逐次変更させる。つまり、逐次算出される移動距離が上記トラック切替距離の自然数倍の値を超えていく毎に、オーディオトラックを示す制御パラメータの現在設定値を上記順に従って1つずつ切り替えるとともに、これに応じて、再生対象のオーディオトラックも逐次切り替えていく。
【0095】
一方、車両が走行中である場合には、上記スライド操作がなされる毎に、再生出力対象のオーディオトラックを示す制御パラメータの現在設定値を、上記移動距離とは無関係に、所定の値だけ変化させるとともに(S18)、変化した制御パラメータの設定値に対応するオーディオトラックを再生出力対象に切り替える。つまり、上記スライド操作が1回なされる毎に、制御パラメータの現在設定値を1ずつ切り替えて、再生対象のトラックを上記順に従い1トラックずつ切り替えていく。
【0096】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、上記スライド操作が画面表示部15に表示されたトラック番号の番号が増す方向に(図中下側)に向かう形でなされた場合には、トラック番号が増加するよう制御パラメータを第一側に変化させる一方、トラック番号を減じる方向になされた場合には、トラック番号が減少するよう制御パラメータを第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0097】
ここで、上述した車両用オーディオ装置4について簡単に説明する。車両用オーディオ装置4は、周知の構成を有するものであり、制御部と、操作部と、CD(Compact Disk)又はDVD(Digital Versatile Disk)等を再生するメディア再生部や、ラジオチューナ等を備えており、これらによって音源(ソース)となる音声信号を得て、この音声信号を処理して音声出力部(スピーカ)によって出力を行なうよう構成されている。
【0098】
オーディオ装置4の制御部は、周知のCPU,ROM,RAMを備えて構成される通常のコンピュータで有り、そのCPUは、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、ユーザー操作に基づいて、出力対象となる音源(トラック)を指定して、再生出力したり、その時の出力音量を設定したりする制御を行う。
【0099】
そして、画面表示部15には、車両用オーディオ装置4そのものが備える各種操作部に代わって、オーディオ操作用の表示が可能であり、これに対し上述のようなタッチ操作をすることによって、上述の出力音量や、出力対象となるトラックを示すオーディオ制御用の制御パラメータの設定が可能とされている。
【0100】
ところで、図6及び図7のカーソル位置を動かすスライド操作の実施例や、図8及び図9の長押し操作の実施例、図10〜図12のスライド操作の実施例において、制御部10は、タッチ継続操作を、タッチ面12a上の1以上のタッチ位置においてタッチ状態を継続する形でなされるものとし、該タッチ継続操作がなされた場合にそのタッチ位置の数を特定するように構成できる(タッチ数特定手段)。そして、制御部10は、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、当該操作において特定されるタッチ位置の数に対応する所定のパラメータ変化を生じさせるように構成できる。例えば、制御部10は、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作のタッチ面12aへのタッチ数が増すほど、1回のタッチ継続操作により変化する制御パラメータのパラメータ変化量が大となるように、制御パラメータのパラメータ変化を実行するようにしてもよい。具体的に言えば、1回のタッチ継続操作で制御パラメータが所定の変化量だけ変化するのであれば、そのタッチ継続操作におけるタッチ数をその所定の変化量に乗じた値だけ、その制御パラメータを変更するようにしてもよい。例えば、走行中の1回のタッチ継続操作により、制御パラメータが、現在の入力位置に隣接する次の入力位置に対応する値に設定される場合には、その1回のタッチ継続操作におけるタッチ数の数だけ先の入力位置に対応する値を設定するようにしてもよい。
【0101】
また、タッチ操作入力部12は、タッチ面12aに対するタッチ状態が所定時間内で解除されるタップ操作を受け付け可能なものとし、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)に、タップ操作がなされたときには、車両が走行中の場合と同じように、当該操作におけるタッチがなされる毎に、制御パラメータに対し予め決められたパラメータ変化を生じさせるように構成できる(例えば図9参照)。
【0102】
このように、車両の走行中、タッチ継続操作のタッチ数に応じて制御パラメータを変化させたり、車両の停車中も、走行中のような段階的なパラメータ変化ができるようにする操作入力処理の一例を、図15のフローチャートを用いて説明する。なお、図15の操作入力処理は、基本的には図3の操作入力処理と同様であるから、ここではその相違部分のみを説明する。
【0103】
図15のS100〜S104は、図3のS10〜S14と同様である。
【0104】
S104において走行中でない、停車中であると判定された場合には、S112にて、制御部10は、受け付けたタッチ操作(タッチ継続操作)におけるタッチ面12aへのタッチ数を特定する(タッチ数特定手段)。そして、続くS113にて、特定されるタッチ位置の数に対応する所定のパラメータ変化を生じさせる。ここでは、受け付けたタッチ操作のタッチ数が1であれば、所定量のパラメータ変化を生じさせるが、受け付けたタッチ操作のタッチ数が複数であれば、上記所定量にタッチ数を乗じた分だけパラメータ変化を生じさせる。例えば、現在の入力位置の1つ隣の入力位置に対応する値を設定する場合は、現在の入力位置からタッチ数の数だけ隣の入力位置に対応する値を設定する。続くS114はS19と、S115はS20と同様である。
【0105】
他方、S104において走行中と判定された場合には、S105及びS106にて、制御部10は、受け付けたタッチ操作がタップ操作であるか否かを判定する(タップ操作判定手段)。ここでは、S105及びS106にて、タッチ面12aがタッチされた後、予め決められた短時間内にタッチが解除されたか否かを判定する。解除された場合は(S106:Yes)、S110,S111に進み、S112.S113と同様の処理を実施する。続くS115はS20と同様である。
【0106】
また、S105及びS106において、受け付けたタッチ操作がタップ操作でないと判定された場合には、S107〜S109,S115に進む。S107〜S109,S115は、S15〜S17,S20と同様である。
【0107】
以下、本発明の変形例について説明する。
【0108】
上記実施形態における画面表示部15には、表示面上にタッチパネルを設けてもよく、このタッチパネルを上記のようなタッチ継続操作が可能なタッチ式操作入力部12としてもよい。また、この構成の場合、上記実施形態と同様の遠隔操作部としてのタッチ式操作入力部12を、画面表示部15の表示面上に配置されたタッチパネルよりも操作難易度が低くなるように車内設けることができる。
【0109】
また、上記実施形態において、設定可能な制御パラメータの値の上下限値は共通のまま、設定可能な値の数を、停車中のほうが走行中よりも多くなるようにしてもよい。つまり、停車中に設定可能な制御パラメータの各値を所定順で定めておき、停車中には、タッチ継続操作における上記変化量に応じて、制御パラメータの値を、上記所定順において当該値に隣接する次の値へと順次変更できるが、走行中には、1回のタッチ継続操作で、上記順における2以上先の値にしか変更できないようにしてもよい。これにより、停車中により細かい制御パラメータの変更が可能となる。
【符号の説明】
【0110】
1 車両用タッチ式操作入力装置
10 制御部(制御手段)
11 車速センサ(走行状態特定手段)
12 タッチ式操作入力部(タッチ式操作入力手段)
15 画面表示部(表示手段)
3 車両用空調装置
4 車両用オーディオ装置
5 車両用ナビゲーション装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用タッチ式操作入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の操作入力装置として、タッチパッドのようなタッチ式操作入力装置がある(特許文献1等参照)。タッチパッドの場合、タッチ面に対しタッチ状態を継続する形で移動させるスライド操作による入力が可能であり、そのスライド操作の移動距離に応じてアナログ的に制御パラメータを変化させることができ、ユーザーの望む細かな制御パラメータ変化が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−319508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうしたタッチ式操作入力装置を車両に搭載した場合、車両の停車時であれば上記のようなスライド操作も問題なくできるが、車両の走行時においては、走行振動などの影響を受けるため、タッチ操作する指が意図しない動作をして望んだ変化量の操作ができないといった問題が生じ、使い勝手の良さを活かしきれないという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、タッチ状態を継続する形でなされる操作によりアナログ的な制御パラメータの設定値変更を可能とする車両用タッチ式操作入力装置を、車両に搭載した場合にその操作性・使い勝手の良さを活かすことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の車両用タッチ式操作入力装置は、
車両が走行中であるか否かを特定する走行状態特定手段と、
予め定められたタッチ面に対しタッチ状態を継続する形でなされるタッチ継続操作を受け付けるタッチ操作入力手段と、
車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされたときに、当該操作のタッチ状態が継続する間、当該操作に係る予め定められた変化量を逐次取得し、逐次取得される変化量に応じて予め定められた制御パラメータを連続的に変化させる一方、走行中であると特定された場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータに対し予め決められたパラメータ変化を生じさせる制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
上記本発明の構成によれば、車両が走行状態にない場合(停車中)おいては、タッチ状態の継続により所定の変化量を生じる操作に基づいてその変化量を算出し、その変化量に応じて、予め定められた制御状態を連続的(リアルタイムで)に切り替えるが、車両が走行状態にある場合(走行中)においては、タッチ状態の継続を伴う同じ上記と操作であっても、その1回の操作(タッチ開始からタッチ解除に至る1回のタッチ保持状態)に対し一義的に定められている一定の制御状態変化(上記変化量とは無関係に定まる制御状態変化)を実行させる構成となっている。つまり、停車中であれば、1回のタッチ継続操作によりその操作内容に応じてアナログ的にリアルタイムで制御パラメータを変化(制御状態を変化)させることができるからユーザーの望む細かな制御変化が可能で使い勝手がよい一方、走行中であれば、1回のタッチ継続操作により、タッチ状態の継続状況にかかわらず、1回のタッチがなされたことに対し所定のパラメータ変化が生じるから、走行中の振動の影響を受けにくい。つまり、走行中において、1回のタッチ継続操作は、タッチの有無だけが必要とされるから、所定の条件を満たしていればタッチが瞬間的に生じるような操作でもよい。このため、タッチ継続中に振動を受けて望まない操作になるといったことは生じない。
【0008】
なお、本発明における走行中という状態には、予め定められた車速以下となる低速度範囲(例えば3km/h以下や5km/h以下の低車速範囲等)を除くことができ、この場合、この低速度範囲を走行中にないという状態に含めることができる。
【0009】
本発明における変化量は、タッチ継続操作におけるタッチ状態の継続時間、もしくはタッチ状態の継続中に生じたタッチ位置の移動量、もしくはその移動に伴い変化するタッチ位置のいずれかに基づく値とすることができる。これにより、車両の停車中においては、タッチ状態の継続時間やタッチ状態での移動量、タッチ面に接している位置座標等に応じて、制御パラメータをリアルタイムで細かく変更することができ、使い勝手がよい。
【0010】
本発明におけるタッチ継続操作は、タッチ面上の1以上のタッチ位置においてタッチ状態を継続する形でなされるものとすることができる。この場合、そのタッチ継続操作がなされた場合にそのタッチ位置の数を特定するタッチ数特定手段を備えて構成でき、さらに制御手段は、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、当該操作において特定されるタッチ位置の数に対応する所定のパラメータ変化を生じさせるものとして構成できる。この構成によれば、タッチ位置の数が2つであればその数に対応する制御パラメータ変化を生じさせることができる。これにより、制御パラメータを大きく変化させたい場合でも、無駄な時間をかけずにすむから、使い勝手が良い。
【0011】
本発明における制御手段は、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作のタッチ面へのタッチ数が増すほど、1回のタッチ継続操作により変化する制御パラメータのパラメータ変化量が大となるように、パラメータ変化を実行するよう構成できる。具体的には、タッチ数に応じて定められるパラメータ変化量を、一定のパラメータ変化量にタッチ数を乗じたぶんだけ(タッチ数が2であれば一定値の2倍)の制御パラメータ変化を生じさせることができる。このため、制御パラメータを大きく変化させたい場合でも、タッチ数を増やすことで、時間をかけずに行うことができる。
【0012】
本発明におけるタッチ継続操作は、タッチ面に対しタッチ状態を継続する形でタッチ位置を移動させるスライド操作とすることができる。
【0013】
上記スライド操作は、例えば、スライド操作は、タッチ面に対し予め定められた移動方向に向けて、あるいは予め定められた移動軌跡に沿って、タッチ状態を継続する形でタッチ位置を移動させる操作であり、上記変化量は、スライド操作におけるタッチ位置、もしくはそのタッチ位置の移動距離とすることができる。この構成によれば、予め決められた直線方向や回転方向に向かって、あるいは予め決められた直線や円や弧状の軌跡に沿ってスライド移動した距離に応じて、様々な制御パラメータを細かく調整できる。
【0014】
なお、上記スライド操作は、タッチ面に対するタッチ位置を予め定められた形状を有した移動軌跡に沿って移動させる操作とすることができる。例えばそのスライド操作は、円形状又は円弧形状の移動軌跡を描くよう回転方向に摺動させる操作とすることができる。何かの操作に代わってタッチ継続操作を行う場合、本発明のタッチ継続操作の移動軌跡は、もととなる操作の操作軌跡と同じであると、もとの操作を直感的に連想することができる。例えばダイアルノブを回転させるような回転操作の場合、タッチ継続操作の移動軌跡を円形状又は円弧形状とすることで、もとの回転操作と同様の感覚で操作を行うことができる。
【0015】
本発明においては、タッチ面上にカーソル移動区間が定められ、その移動区間を移動可能なカーソル位置が定められ、上記スライド操作は、カーソル位置をタッチした状態でそのタッチ位置を移動区間上にて移動させることにより、そのカーソル位置を移動させる操作であり、上記変化量は、そのタッチ位置とすることができる。この構成によると、停車中においては、タッチ面上もしくはタッチ面に対応する表示面上に表示される操作画面に、メモリ及びカーソルを表示させ、そのうちのカーソルをタッチ継続操作により動かし、そのカーソルが指示する目盛に対応する制御パラメータを設定できるから、視覚的にも分かり易く使い勝手が良い。
【0016】
本発明におけるスライド操作は、タッチ面を、2つのタッチ位置を有する形でタッチし、それら両タッチ位置間の距離を変化させるピンチ操作であり、上記変化量は、両タッチ位置間の距離とすることができる。この構成によれば、タッチ面に接触した2つのタッチ位置を近づける、もしくは遠ざける操作により、そのときの接近距離、もしくは離間距離に応じて、様々な制御パラメータを細かく調整できる。また、このピンチ操作は、距離を広げる、距離を狭めるという操作であるため、例えば、表示を拡大させる、縮小させるといった表示制御を行うための操作として好適である。つまり、操作によって実行される制御を直感的に把握しやすい。例えば地図縮尺変更などに利用するとよい。
【0017】
本発明におけるタッチ継続操作は、タッチ面に対しタッチ状態を継続する長押し操作であり、上記変化量は、長押し操作におけるタッチ状態の継続時間とすることができる。走行中の長押し操作は、走行振動により押し状態が瞬間的に解除されてしまう可能性があるから、長押し操作の押し継続時間が操作者の意図からずれてしまう可能性がある。上記構成によれば、走行中は、押し時間とは無関係な単純な押し操作に変更されるため、操作しやすい。
【0018】
本発明におけるタッチ操作入力手段は、タッチ面に対するタッチが所定時間内に繰り返し複数なされるタップ操作も受け付け可能とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合に、タップ操作がなされたときに、当該操作におけるタッチがなされる毎に、車両が走行中であると特定された場合と同じように、制御パラメータに対し予め決められたパラメータ変化を生じさせるよう構成できる。つまり、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合に、タップ操作が繰り返しなされたときにその一連のタッチ操作におけるタッチ回数を取得し、そのタッチ回数に所定のパラメータ変更値を乗じた分だけ、制御パラメータを変更させることができる。タッチ操作毎に順次一定ずつ制御パラメータを可変させるのではなく、タッチ操作がなされた回数だけまとめて制御パラメータが変化するように構成されるので効率的である。
【0019】
本発明におけるタッチ継続操作は、表示手段に画面表示された表示内容に対してなされるものとすることができる。表示内容に関連してタッチ継続操作がなされるように構成されることで、操作と、操作により実行される制御内容が把握しやすくなり、操作しやすくなる。
【0020】
本発明におけるタッチ操作入力手段は、タッチ面を表示手段とは異なる位置に有した遠隔操作入力手段とすることができる。これにより、表示画面よりも操作者の手元に近い位置での操作が可能となる。操作者が無理な体勢で操作する必要が無くなるため、走行時振動などがあっても誤操作を生じ難い。
【0021】
本発明における表示手段は、スライド操作と、長押し操作との双方を受付可能な表示領域をそれぞれ有した画面を表示可能とすることができる。また、スライド操作にはピンチ操作とカーソルを移動させるスライド操作との双方があるため、上記長押し操作を含めた三種の操作を受付可能な表示領域をそれぞれ有した画面を表示してもよい。複数類のタッチ継続操作が受付可能であるため、ユーザーがやり易いタッチ継続操作を自身で選択できるから、使い勝手がよい。
【0022】
本発明における表示手段は、地図画面を表示可能であり、タッチ継続操作は、表示手段に表示される地図の縮尺を、予め定められた複数の表示縮尺のいずれかに変更する操作とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、制御パラメータの現在設定値を示す表示縮尺を逐次変化させる一方、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータの現在設定値を示す表示縮尺を、現在設定中の表示縮尺から所定縮尺だけ変化させるものとできる。この構成によれば、停車中のタッチ継続操作と、走行中の単発タッチ操作により、それぞれの状況の中で効率のいい形で縮尺変更を行うことができる。
【0023】
本発明における表示手段は、エアコン設定画面を表示可能であり、タッチ継続操作は、表示手段に表示されるエアコン制御用の設定温度(空調気流の温度又は車室内の目標温度)及び設定風量のいずれかの設定値を変更する操作とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、制御パラメータの現在設定値を逐次変化させる一方、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータの現在設定値を、現在設定している設定値を所定の値だけ変化させるものとできる。この構成によれば、停車中のタッチ継続操作と、走行中の単発タッチ操作により、それぞれの状況の中で効率のいい形でパラメータの大小変更を行うことができる。
【0024】
本発明における表示手段は、エアコン設定画面を表示可能であり、タッチ継続操作は、表示手段に表示される、空調気流の吹出し口を定めた各吹出しモードを示す設定値を変更する操作とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、制御パラメータの現在設定値が示す吹出しモードを、予め定められた順序に従い逐次変化させる一方、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータの現在設定値が示す吹出しモードを、現在設定されている吹き出しモードから順序における所定数先の吹出しモードに切り替えるものとできる。この構成によれば、停車中のタッチ継続操作と、走行中の単発タッチ操作により、それぞれの状況の中で効率のいい形でパラメータ変更を行うことができる。
【0025】
本発明における表示手段は、車室内に出力される音量を設定するための音量設定画面を表示可能であり、タッチ継続操作は、表示手段に表示される設定音量を変更する操作とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、制御パラメータの現在設定値を示す設定音量を逐次変化させる一方、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータの現在設定値を示す設定音量を、現在設定している設定音量を所定音量だけ変化させるものとできる。この構成によれば、停車中のタッチ継続操作と、走行中の単発タッチ操作により、それぞれの状況の中で効率のいい形で音量の大小変更を行うことができる。
【0026】
本発明における表示手段は、オーディオ設定画面を表示可能であり、タッチ継続操作は、表示手段に表示される出力対象トラックを切り替える操作とすることができる。この場合、制御手段は、車両が走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、制御パラメータの現在設定値が示すトラックを、予め定められた順序に従い逐次切り替えて出力対象トラックを逐次変更する一方、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、制御パラメータの現在設定値が示すトラックを、現在設定されているトラックから、順序における所定数先のトラックへと切り替えるものとできる。この構成によれば、停車中のタッチ継続操作と、走行中の単発タッチ操作により、それぞれの状況の中で効率のいい形でトラックの切り替えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態である車両用タッチ式操作入力装置の構成を簡略的に示すブロック図。
【図2】図1の車両用タッチ式操作入力装置の車室内における配置の一例を示す車室内内観図。
【図3】操作入力処理の流れを示すフローチャート。
【図4】タッチ継続操作の第一例を示す図。
【図5】図4の操作による制御内容を示す図。
【図6】タッチ継続操作の第二例を示す図。
【図7】図6の操作による制御内容を示す図。
【図8】タッチ継続操作の第三例を示す図。
【図9】図8の操作による制御内容を示す図。
【図10】タッチ継続操作の第四例と、対応する制御内容を示す図。
【図11】タッチ継続操作の第五例と、対応する制御内容を示す図。
【図12】タッチ継続操作の第六例と、対応する制御内容を示す図。
【図13】タッチ継続操作の第七例と、対応する制御内容を示す図。
【図14】タッチ継続操作の第八例と、対応する制御内容を示す図。
【図15】図3とは異なる操作入力処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の車両用タッチ式操作入力装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態である車両用タッチ式操作入力装置1の構成を簡略的に示すブロック図である。図1に示す車両用タッチ式操作入力装置1は、車両に搭載可能な装置であり、制御部10と、タッチ操作用の操作面(以下、タッチ面という)12aを備えるタッチ式操作入力部12と、画面表示部(表示手段)15と、車両の走行状態(走行状態と停車状態)を検出するための車速センサ(走行状態検出手段)11と、タッチ式操作入力部12による操作対象として1以上(ここでは複数)の車載機器3,4,5とを備えて構成される。本実施形態にいては、それら車載機器3,4,5が制御部10に対し車載通信手段(車載LAN)2を介して接続されている。本実施形態においては、それら車載機器3,4,5として車両用空調装置(カーエアコン)3と、車両用オーディオ装置(カーオーディオ)4と、車両用ナビゲーション装置(カーナビ)5等の周知の車載機器を備える。
【0030】
制御部10は、周知のCPU,ROM,RAM等を備える通常のコンピュータとして構成される制御手段であり、その記憶部には、図3に示す操作入力処理を実行するためのプログラム含む各種のプログラム、及びそれらの実行に必要な各種の情報が記憶されている。本実施形態においては、その操作入力処理用のプログラムがCPUにより実行されることで、図示しないインターフェースを介して制御部10に接続されているタッチ式操作入力部12への操作入力に基づいて、操作対象である車載機器3,4,5に対する制御が実行される。
【0031】
タッチ式操作入力部12は、タッチ面12aを指や指示部材等の所定の指示体(ここでは指)により触れると、その接触位置を示す操作情報を出力するものであって、本実施形態においては、静電容量式や感圧式等の方式を採用し、四角形状のタッチ面12aを有した周知のタッチパッドである。本実施形態においては、図2に示すように、タッチ面12aがセンターコンソールC内の運転席2Dや助手席2Pの間で、運転席2Dや助手席2Pに搭乗した両者の手元に位置するよう配置される。
【0032】
画面表示部15は、図2の運転席2Dよりも車両前方側で、運転席2Dに座した運転者により視認可能に設置されたカラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機ELディスプレイ等の周知の表示装置を採用できる。他にも、ヘッドアップディスプレイ(HUD)として設けたり、メーター表示装置の表示面内に設ける構成等でもよい。
【0033】
なお、本実施形態における画面表示部15は、車両が備える機器の操作などを行うための画面表示がなされる表示面を有した表示手段であり、タッチ式操作入力部12は、その表示面に画面表示された内容に対する操作を行うものであるが、その表示面とは異なる位置に設けられている。即ち、本実施形態のタッチ式操作入力部12は、画面表示部15での表示に対する操作入力を遠隔的に行うための遠隔操作部であり、画面表示部15の表示面上やその周辺に設けられてその表示面に画面表示された内容に対する操作が可能な操作部があった場合に、それよりも操作難易度が低くなるよう、ここでは表示面よりも運転者や助手席搭乗者に近い位置に設けられている。そして、制御部10は、タッチ面12aへのタッチ操作に基づいてタッチ位置に対応した入力を受け付ける。
【0034】
具体的に言えば、画面表示部15の表示面上に定められる二次元座標系と、タッチ面12a上に定められる二次元座標系との間には一義的な対応関係が予め定められ、一方の面内位置に対応する他方の面内位置が一義的に特定可能とされており、タッチ面12aにタッチ操作があった場合には、その対応関係に基づいて、当該タッチ操作がなされたタッチ面12a上の位置座標に対応する、画面表示部15の表示面上の位置座標に対し操作があったものとして、その操作入力が制御部10にて受け付けられる。つまり、タッチ面12aにタッチ操作があった場合、制御部10は、そのタッチ操作がなされたタッチ面12a上の位置座標を特定し、さらに、特定したタッチ面12a上の位置座標に対応する、画面表示部15の表示面上の位置座標を特定して、その上で、特定された表示面上の位置座標に対応する制御内容を実行する。例えば、タッチ面12a上に単純なタッチ操作がなされた場合に、そのタッチ位置が、表示面上の操作アイコンに対応する位置であれば、その操作アイコンに対応する制御内容が実行される。ただし、タッチ操作によって実行される制御内容は、タッチ面12aになされたタッチ操作の種別や操作内容によってさまざまであり、なされたタッチ操作に対応するものが選ばれて実行される。
【0035】
ところで、本実施形態のタッチ式操作入力部12は、予め定められたタッチ面12aに対しタッチ状態を継続する形でなされるタッチ継続操作を受け付け可能である(タッチ操作入力手段)。タッチ継続操作には、タッチ面12aに対しタッチ状態を継続する形でタッチ位置を移動させるスライド操作や、タッチ面12aに対しタッチ状態を継続する長押し操作等が含まれる。制御部10は、それらのタッチ継続操作がなされた場合に、それら操作に対応する制御内容を実行する(制御手段)。
【0036】
さらにいえば、本実施形態の制御部10は、車両が走行中であるか否かを特定し、走行中であると特定されていない場合には、タッチ継続操作がなされたときに、当該操作のタッチ状態が継続する間、当該操作に係る予め定められた変化量を逐次取得し、逐次取得される変化量に応じて予め定められた制御パラメータを連続的に(リアルタイムで)変化させる一方、走行中であると特定された場合には、上記と同種のタッチ継続操作(つまり、スライド操作であれば同じスライド操作、長押し操作であれば同じ長押し操作)がなされる毎に、上記制御パラメータに対し、上記変化量とは無関係な予め決められた所定のパラメータ変化を生じさせる。
【0037】
なお、本発明における変化量とは、連続的に変化する数値・物理量のことであって、タッチ継続操作におけるタッチ状態の継続時間、もしくはタッチ状態の継続中に生じたタッチ位置の移動量、もしくは移動するタッチ位置のいずれかに基づく値であって、タッチ継続操作の継続中に当該操作に伴い変動する値(変動値)とすることできる。タッチ状態の継続時間は、制御部10が、自身のタイマー機能に基づいてタッチ開始からタッチ解除までの時間を計時することにより取得し、タッチ位置や、タッチ位置の移動量は、制御部10が、タッチ式操作入力部12からタッチ面12a上の位置座標の入力を受けつけ、これに基づいて算出・取得する。
【0038】
ここで、車両に搭載された車両用ナビゲーション装置5において、予め定められた制御パラメータの現在設定値を変化させる操作の一例として、画面表示部15に表示される地図画面の表示縮尺(地図縮尺)を変化させる実施例について説明する。
【0039】
なお、以下では、画面表示部15に表示される画面にタッチ等の操作を行う、といった記載がなされるが、これらは画面表示部15の表示面を直接的にタッチ等の操作をするという意味ではなく、タッチ式操作入力部12を介して間接的に、画面表示部15の表示面に対するタッチ等の操作を行うという意味である。実際には、タッチ式操作入力部12のタッチ面12aにタッチ等の操作を行うことで、そのタッチ面12a上の操作位置に対応する、画面表示部15の表示面上の画面位置に、タッチ等の操作がなされたことを意味する。
【0040】
図4は、車両用ナビゲーション装置5によって、経路案内時等に画面表示部15に表示される地図画面101である。この地図画面101では、地図画像100M上の、操作アイコン(操作画像)101A〜101Eを除いた地図画像領域に対し、ピンチ操作がなされることにより、現在表示中の地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を変更可能に構成されている。
【0041】
なお、ピンチ操作とは、タッチ面12aを、2つのタッチ位置を有する形でタッチし(例えば親指と人差し指で別の位置をタッチした状態)、それら両タッチ位置間の距離を接近又は離間させる形で変化させる操作(タッチ継続操作)である。ここでは、両タッチ位置間の距離を広げる操作により表示縮尺が大きくなり(第一側に変化)、両タッチ位置間の距離を狭める操作により表示縮尺が小さくなるよう(第二側に変化)、表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を変更することができる。ただし、車両の走行中と停車中とにおいて、制御パラメータの設定値を変更するピンチ操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0042】
即ち、図5に示すように、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、上記ピンチ操作がなされたときに、そのピンチ操作における両タッチ位置間距離の変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を逐次可変させ、表示中の地図画像100Mを逐次(連続的)に縮尺変更する表示制御を実行する。一方、車両が走行中である場合には、上記ピンチ操作がなされる毎に、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、ピンチ操作の両タッチ位置間距離に関わらず(上記変化量とは無関係に)、所定の値だけ変化を生じさせ、変化後の設定値で地図画像100Mを表示する表示制御を実行する。このため、走行中は、表示中の地図画像100Mに対し上記ピンチ操作がなされる毎に、表示中の地図画像100Mは段階的に縮尺変更される。
【0043】
本実施形態においては、制御部10は、地図画像100Mの表示縮尺として、予め定められた複数の縮尺値を有しており、その大きさの順に従い、それら各縮尺値に対応する制御パラメータの値を記憶している。走行中に、1回の上記ピンチ操作がなされると、制御部10は、表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、現在設定中の縮尺値に最も近い縮尺値を示す設定値へと切り替え、表示縮尺を1段階変化させる。このため、上記スライド操作がなされる毎に1段階ずつ段階的に縮尺が変化する。さらに、制御部10は、地図画像100Mを、変化した制御パラメータの設定値が示す表示縮尺での表示に切り替える。一方、停車中に、1回の上記ピンチ操作がなされると、制御部10は、その1回のピンチ操作(タッチ開始からタッチ解除まで)における両タッチ位置間距離の変化量を、タッチ解除されるまでの間、逐次算出する。ただし、制御部10は、各縮尺値に対応する制御パラメータの値を、縮尺の大きさの順で記憶する一方で、現在設定中の縮尺値をこれに最も値が近い1つ隣の縮尺値に変化させるための上記変化量(ピンチ操作における両タッチ位置間距離)を縮尺切替値として記憶しているから、逐次算出される上記変化量と縮尺切替値に基づいて、縮尺値を示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させる。つまり、逐次算出される上記変化量が、上記縮尺切替値の自然数倍の値を超える毎に、縮尺値を示す制御パラメータの現在設定値を、設定中の縮尺値に最も近い1つ隣の縮尺値に対応する値へと順次変化させていく。そして、制御部10は、逐次変化する制御パラメータの設定値(縮尺値)に連動して、表示中の地図画像100Mの表示縮尺を逐次(リアルタイムで)変化させる。つまり、表示中の地図画像100Mを、制御パラメータの変化に応じて逐次縮尺変化が生じる動的な形で表示する。
【0044】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、ピンチ操作が両タッチ位置間距離を縮める操作としてなされた場合には、現在設定中の縮尺値が減少するよう制御パラメータの現在設定値を第一側に変化させる一方、両タッチ位置間距離を延ばす操作としてなされた場合には、現在設定中の縮尺値が増加するよう制御パラメータの現在設定値を第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0045】
図6は、車両用ナビゲーション装置5によって画面表示部15に表示される地図画面102であり、ここでの地図画面102は、図4の地図画面101の操作アイコン101Aにタッチ操作がなされることにより表示される画面である。この地図画面102には、地図画像100M上に新たな操作アイコン(操作画像)102A,102Bが表示される他に、カーソル画像102Cと、そのカーソル画像102Cの移動区間を示す移動区間画像102Dが表示されており、カーソル画像(カーソル位置)102Cをスライド操作により動かすことができる。
【0046】
即ち、地図画面102上には、移動区間画像102D内には所定軌跡を描く形で延びるカーソル移動区間が定められるとともに、タッチ面12a上にも、地図画面102に対応するカーソル移動区間が定められる。それら移動区間(カーソル移動区間)には、順逆双方向に移動可能なカーソル位置が定められ、画面表示部15においてはそのカーソル位置上にカーソル画像102Cが表示される。また、それら移動区間上には、その長さ方向に所定間隔おきに入力位置(入力点や入力区間)が定められ、それら入力位置には表示縮尺を示す制御パラメータの各値(縮尺値)が対応付けられている。本実施形態の移動区間画像102Dは、直線状に延びる移動区間を有するとともに、画面表示部15においてはその長さ方向に各メモリ102Mが等間隔おきに配列されている。そして、それら各メモリ102Mの位置が入力位置とされ、それら各入力位置(メモリ位置)に対し縮尺値が、その大きさの順で並ぶ形で(ここでは画面左側の入力位置ほど縮尺が小さくなる形で)対応付けられている。なお、タッチ面12a及び画面表示部15の表示面上に設定される入力位置は、メモリ102Mよりも多数あってもよい。例えば隣接するメモリ102Mの中間位置にも入力位置があってもよい。
【0047】
なお、ここでのスライド操作とは、カーソル画像(カーソル位置)102Cをタッチした状態で、そのタッチ位置を上記移動区間の長さ方向に向けて、あるいは移動区間を形成する画像(軌跡)に沿って移動させ、カーソル画像102Cを動かす操作(タッチ継続操作)である。このスライド操作に関しても、車両の走行中と停車中とで、制御パラメータの設定値を変更するスライド操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0048】
即ち、図7に示すように、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、カーソル画像102をタッチした状態での上記スライド操作がなされると、そのタッチ位置(カーソル画像102Cの指示位置)を変化量として逐次取得し、逐次取得されるそのタッチ位置(変化量)に応じて、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を逐次可変させ、表示中の地図画像100Mを逐次(連続的)に縮尺変更する表示制御を実行する。さらに、逐次取得されるそのタッチ位置(変化量)に応じて、表示されているカーソル画像102Cも逐次(連続的)、タッチ位置に対応する位置へと移動させる表示制御も同時に実行する。一方、車両が走行中である場合には、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、カーソル画像102Cへのタッチの有無に関わらず、さらには上記タッチ位置に関らず(上記変化量とは無関係に)、所定の値だけ変化を生じさせ、変化後の設定値で地図画像100Mを表示させる表示制御を実行する。さらに、変化後の設定値を指示するよう、表示されているカーソル画像102Cを移動させる表示制御も同時に実行する。このため、走行中は、表示中の地図画像100Mに対し上記スライド操作がなされる毎に、表示中の地図画像100Mは段階的に縮尺変更される。
【0049】
本実施形態においては、制御部10は、地図画像100Mの表示縮尺として、既に述べたように複数の縮尺値を有しており、その大きさの順に従い、それら各縮尺値に対応する制御パラメータの値を記憶するとともに、それら制御パラメータの値を、上記移動区間上に並ぶ各入力位置に対し、対応する縮尺値が大きさの順で並ぶよう対応付けて記憶している。走行中に、移動区間画像102D内においてその移動区間の長さ方向に移動するスライド操作(フリック操作ともいえる)が1回なされると、制御部10は、表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、現在設定中の縮尺値に対応する入力位置に最も近い入力位置に対応する縮尺値を示す値へと切り替え、表示縮尺を1段階変化させる。このため、上記スライド操作(フリック操作)がなされる毎に1段階ずつ段階的に縮尺が変化する。そして、制御部10は、カーソル画像(カーソル位置)102Cを現在位置からそのスライド操作方向側の次の入力位置(ここでは隣接する次のメモリ102M)へとジャンプさせるとともに、地図画像100Mを、変化した制御パラメータの設定値が示す表示縮尺での表示に切り替える。一方、停車中は、1回の上記スライド操作がなされると、制御部10は、その1回の上記スライド操作(タッチ開始からタッチ解除まで)における変化量としてその操作におけるタッチ位置(位置座標)を、タッチ解除されるまでの間、逐次取得する。ただし、制御部10は、既に述べたように、上記移動区間上に並ぶ各入力位置に対し、制御パラメータの値を、対応する縮尺値が大きさの順で並ぶよう対応付けて記憶しているため、逐次取得される上記タッチ位置(位置座標)に応じて、制御パラメータの現在設定値である縮尺値を逐次変化させる。つまり、逐次取得される上記タッチ位置(位置座標)の最も近接する入力位置が切り替わる毎に、縮尺値を示す制御パラメータの現在設定値を、切り替わった先の入力位置の縮尺値に対応する値へと順次変化させていく。そして、制御部10は、逐次変化する制御パラメータの設定値(縮尺値)に連動して、表示中の地図画像100Mの表示縮尺と、カーソル画像102Cの描画位置とを、逐次(リアルタイムで)変化させる。つまり、制御パラメータの変化に応じて、表示中の地図画像100Mが逐次縮尺変化するとともにカーソル画像102Cが移動するよう、それらの画像100M,102Cを動的な形で表示する。
【0050】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、上記スライド操作が上記移動区間に対し定められた順方向(ここでは図中右側)に向かう形でなされた場合には、現座設定中の縮尺値が減少するよう制御パラメータの現在設定値を第一側に変化させる一方、この順方向とは逆方向になされた場合には、現在設定中の縮尺値が増加するよう制御パラメータの現在設定値を、第一側とは逆の第二側に変化させる。また、走行中における上記スライド操作(フリック操作)については、カーソル画像102Cをタッチする形でなされる操作としてもよいが、ここではカーソル画像102Cへのタッチがなくともよい。
【0051】
図8は、図6と同じ画面102である。この地図画面102では、地図画像100M上の操作アイコン(操作画像)102A,102Bに対するタッチ操作により、現在表示中の地図画像100Mの表示縮尺(地図縮尺)を示す制御パラメータの現在設定値を変更可能に構成されている。ただし、車両の走行中と停車中とにおいて、制御パラメータの設定値を変更する操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0052】
即ち、図9に示すように、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、タッチ面12a上の所定の操作アイコン102A,102Bに対しタッチ状態を少なくとも所定時間以上継続する長押し操作(タッチ継続操作)がなされると、その長押し操作におけるタッチ状態の継続時間を変化量として逐次取得し、逐次取得されるその継続時間に応じて、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を逐次可変させ、表示中の地図画像100Mを逐次(連続的)に縮尺変更する表示制御を実行する。一方、車両が走行中である場合には、上記長押し操作がなされる毎に、地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、タッチ状態の継続時間に関わらず(タッチ状態の継続時間とは無関係に)、所定の値だけ変化を生じさせ、変化後の設定値で地図画像100Mを表示させる表示制御を実行する。このため、走行中、表示中の地図画像100Mに対し上記長押し操作がなされる毎に、表示中の地図画像100Mは段階的に縮尺変更される。
【0053】
本実施形態においては、制御部10は、地図画像100Mの表示縮尺として、予め定められた複数の縮尺値を、その大きさの順に記憶しているから、走行中に、上記長押し操作が1回なされると、表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、現在設定中の縮尺値に最も近い縮尺値を示す設定値へと切り替え、表示縮尺を1段階変化させる。そして、制御部10は、表示中の地図画像100Mを、変化した制御パラメータの設定値が示す表示縮尺での表示に切り替える。一方、停車中に、1回の上記長押し操作がなされると、制御部10は、その1回の長押し操作(タッチ開始からタッチ解除まで)が続く間は、そのタッチ状態の継続時間を変化量として逐次算出する。ただし、制御部10は、既に述べたように、各縮尺値に対応する制御パラメータの値を、縮尺の大きさの順で記憶する一方で、現在設定中の縮尺値をこれに最も値が近い1つ隣の縮尺値に変化させるための上記変化量(タッチ状態の継続時間)を縮尺切替値として記憶しているから、上記変化量が(タッチ状態の継続時間)が逐次算出されると、算出された変化量と縮尺切替値とに基づいて、縮尺値を示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させる。つまり、逐次算出される上記変化量が、上記縮尺切替値の自然数倍の値を超えていく毎に、縮尺値を示す制御パラメータの現在設定値を、設定中の縮尺値に最も近い1つ隣の縮尺値に対応する値へと順次変化させていく。そして、制御部10は、逐次変化する制御パラメータの設定値(縮尺値)に連動して、表示中の地図画像100Mの表示縮尺を逐次(リアルタイムで)変化させる。つまり、表示中の地図画像100Mを、制御パラメータの変化に応じて逐次縮尺変化が生じる動的な形で表示する。
【0054】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、長押し操作の操作対象が操作アイコン102Bであれば、縮尺値が減少するよう制御パラメータを第一側に変化させる一方、操作アイコン102Aであれば、縮尺値が増加するよう制御パラメータを第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0055】
また、図4及び図8において、大きさの順に定められている各縮尺値は、図6の場合と同様、上記カーソル移動区間内の各入力位置に対応付けられた縮尺値と同様であり、制御部10は、縮尺値を示す制御パラメータの、各種操作による変化に応じて、カーソル画像102Cを移動させる表示制御を実行する。
【0056】
図6及び図8に示す画面102は、タッチ継続操作として、スライド操作(図4と図6の双方の操作を含む)と、長押し操作との双方の操作を受付可能な画面である。さらにいえば、背景画像(地図画像100M)の表示領域に対するスライド操作(図4のピンチ操作)による制御パラメータ変化(背景画像の表示変化)が可能であり、なおかつ背景画像(地図画像100M)上に重畳される、該背景画像(地図画像100M)よりも小さい操作画像102A,102Bへの長押し操作による制御パラメータ変化(背景画像の表示変化)が可能である。広く表示される背景画像上でのダイナミックなスライド操作と、小さく表示される操作画像上への簡易な長押し操作の操作により、同じ制御パラメータを変化させることができる。また、図6及び図8に示す画面102は地図画面であり、重畳画像102A〜102Dを除いた地図画像100Mの表示領域に対する図4のピンチ操作により上述した図5のような縮尺変更が可能であり、なおかつカーソル画像102Cへの図6のスライド操作でも上述した図7のような縮尺変更が可能であり、なおかつ図8の長押し操作でも上述した図9のような縮尺変更が可能に構成されているため、3種のタッチ継続操作のうちユーザーの好みに応じた操作で地図画像の表示縮尺変更が可能となっている。
【0057】
ここで、上述した車両用ナビゲーション装置5について簡単に説明する。車両用ナビゲーション装置5は、位置検出器、音声出力部(音声合成回路及びスピーカ)、操作入力部(メカニカルスイッチ、タッチスイッチ、リモコン、音声入力部等)、記憶装置(ハードディスクドライブ等)、及び車速センサ等が,制御部20と接続する周知の構成を有する。
【0058】
位置検出器は、車両の現在位置を特定する現在位置特定手段であり、周知の地磁気センサ,車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ,車両の走行距離を検出する距離センサ,及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機を有した周知のものである。
【0059】
ナビゲーション装置5の制御部は、周知のCPU,ROM,RAMを備えて構成される通常のコンピュータで有り、そのCPUは、記憶装置に記憶されたナビプログラムおよびデータに基づく制御を行うことで、例えば目的地までの経路案内を、表示装置である画面表示部15においてユーザーにより設定された縮尺の地図画像上に現在位置及び案内経路を表示しつつ、音声出力部からの音声出力を行う形で実行できる。記憶装置には、上記経路案内などを実行する周知のナビプログラムの他に、道路地図データが記憶される。道路地図データは、画面表示用に上記地図画像100Mのような所定の地図画像データを記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網データを記憶する。また、記憶装置25は、ナビゲーション装置2の動作に必要なデータや各種情報をデータベースとして記憶している。
【0060】
なお、画面表示部15は、各種車載機器の操作に兼用される遠隔操作用の表示装置ではなく、ナビゲーション装置5に付属する表示装置であってもよく、他の機器3,4の操作が、ナビゲーション装置5の表示装置15により可能とされるという構成でもよい。
【0061】
以下、上記のように制御パラメータを変更するために、制御部10が実行する、タッチ式操作入力部12から入力される入力情報に基づく操作入力処理を、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0062】
この操作入力処理は、別途なされる所定のユーザー操作、あるいは画面表示部15での所定画面への遷移、あるいは外部からの所定の信号入力に伴い制御部10が実行するものである。
【0063】
まずS10では、制御部10が、タッチ式操作入力部12からの入力の受け付けを開始する。S11では、制御部10が、タッチ面12aへのタッチ操作の有無を検出する。これはタッチ面12aにタッチ操作がなされるに伴いタッチ式操作入力部12から出力される操作信号の有無に基づいて判定する。この判定はタッチ操作があると判定されるまで繰り返し実施され、タッチ操作があったと判定されるとS12に進む。
【0064】
S12では、制御部10が、受け付けたタッチ操作に関して、タッチ面12a上でのタッチ位置を特定する。タッチ操作がなされるに伴いタッチ式操作入力部12から出力される操作信号には、タッチ面12a上におけるタッチされた位置の位置座標情報(X座標とY座標)が含まれているので、当該操作信号に基づいて、タッチ面12a上でのタッチ位置座標を算出・取得する。
【0065】
続くS13では、制御部14が、受け付けたタッチ操作が、予め定められたタッチ継続操作のうちのどの種別のものであるかを特定する(タッチ継続操作種別特定手段)。ここでは、画面表示部15に表示されている画面に応じて受け付け可能なタッチ継続操作が定められており、さらにいえば、その画面内の各種表示領域ごとに受け付け可能なタッチ継続操作が定められているから、そのタッチ位置に基づいて、制御部14が、受け付け中のタッチ継続操作の種別を特定する。タッチ継続操作の種別としては、上記のピンチ操作やスライド操作、長押し操作があり、タッチ位置が上記の地図画像100Mであればピンチ操作、上記カーソル画像102Cであればスライド操作、上記操作アイコン102A,102Bであれば長押し操作と特定できる。なお、タッチ操作においてタッチ状態が継続する中での変化内容を特定し、特定された変化内容から直接、タッチ継続操作の種別を特定してもよい。
【0066】
続くS14では、制御部10が、車速センサ11の検出状態に基づいて車両の走行状態を特定し、車両が走行中であるか停車中であるかを判定する(走行状態判定手段)。S14にて走行中と判定された場合にはS15に進み、走行中と判定されなかった場合にはS18に進む。なお、停車中という走行状態は、車速が0km/hの状態に限らず、予め定められた低速度範囲(例えば5km/h以下等の低車速範囲)を含むよう定義されていてもよい。
【0067】
S15では、制御部が、S13で特定された種別のタッチ継続操作に関して、その変化量を算出する。制御部10は、各種のタッチ継続操作に対し予め定められた変化量を対応付けているので、S13で特定された種別のタッチ継続操作に対応する変化量を算出する。例えば、受け付けたタッチ継続操作がピンチ操作の場合は、この段階で制御部10が再びタッチ面12a上での2つのタッチ位置を算出し、その2つのタッチ位置と、その直前において算出された2つのタッチ位置とに基づいて、それら2つのタッチ位置間の距離の変化量を算出する。受け付けたタッチ継続操作が、カーソル画像102Cを移動させるスライド操作の場合は、この段階で制御部10が再びタッチ面12a上でのタッチ位置を算出し、そのタッチ位置を変化量として取得する。受け付けたタッチ継続操作が長押し操作の場合は、制御部10がタッチ開始時から計時する経過時間を取得し、その経過時間を変化量として取得する。
【0068】
S16では、制御部10が、算出された変化量に応じて、対応する制御パラメータを変更する。ここでは、画面表示部15に表示されている地図画像100Mの表示縮尺を示す制御パラメータの現在設定値を、既に述べたように、算出された変化量に応じて変更する。同時に、その制御パラメータ変化に応じて、表示中の地図画像100Mの表示縮尺を変化させる表示制御を実行し、場合によってはカーソル画像102Cを移動させる表示制御も実行する。ただし、タッチ継続操作の操作内容に応じて、制御パラメータの設定値である縮尺値を、増すのか減じるのか判断され、その判断結果に基づいて、制御パラメータ変化を行う。そして、続くS17では、制御部10が、タッチ面12aへのタッチ状態が解除されたか否かを判定する。解除されていればS20に進み、解除されていなければS15に戻って再び変化量を算出し、S16にて、算出された変化量に応じて、対応する制御パラメータを変更する。これにより、制御パラメータを逐次変更し、それに応じた表示制御を逐次実行する。
【0069】
他方、S18では、制御部が、S11で受け付けたと判定されたタッチ操作に基づいて、その操作におけるタッチ開始からタッチ解除に至る1回のタッチ保持状態に対し一義的に定められている所定の制御パラメータ変化を生じさせる。つまり、上述の変化量の有無に関わらず、1回のタッチ状態に対し、所定の制御パラメータ変化を生じさせる。同時に、その制御パラメータ変化に応じて、表示中の地図画像100Mの表示縮尺を変化させる表示制御を実行し、場合によってはカーソル画像102Cを移動させる表示制御も実行する。ただし、タッチ継続操作の操作内容に応じて、制御パラメータの設定値である縮尺値を、増すのか減じるのか判断され、その判断結果に基づいて、制御パラメータ変化を行う。S19では、制御部10が、タッチ面12aへのタッチ操作/タッチ状態が解除されたか否かを判定する。解除されていればS20に進み、解除されていなければ解除されるまでS19を繰り返す。
【0070】
S20では、制御部10が、S10で開始された、タッチ式操作入力部12からの入力の受け付けを終了するタイミングであるか否かを判定する。このタイミングは、別途なされる所定のユーザー操作、あるいは画面表示部15での所定画面への遷移、あるいは外部からの所定の信号入力に伴い到来するものであり、制御部10は、これらの到来の有無を判定し、到来と判定されれば本処理を終了し、到来と判定されなければS11に戻る。
【0071】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0072】
上記実施形態においては、上記の車両用ナビゲーション装置5における制御パラメータの現在設定値を変化させる実施例について説明したが、以下では、他の車載機器の制御パラメータの現在設定値を変化させる操作の一例について説明する。なお、制御パラメータの現在設定値を変化させるために実行される操作入力処理の内容は、既に説明した図3の処理と同様である。
【0073】
まずは、車両に搭載された車両用空調装置3において、予め定められた制御パラメータの現在設定値を変化させる操作の一例について説明する。
【0074】
図10〜図12は、車両用空調装置3によって画面表示部15に表示される温度設定画面201と風量設定画面202と吹出しモード設定画面203である。これら温度設定画面201と風量設定画面202と吹出しモード設定画面203には、回転軸周りに等間隔おきにメモリ画像201M,202M,203Mが描画されるとともに、その回転軸周りを回転動作してそれらメモリ画像201M,202M,203Mを指示する指針画像201P,202P,203Pが描画されており、それら指針画像201P,202P,203Pは、タッチ面12a上でのスライド操作によって動かすことができる。
【0075】
即ち、画面201,202,203には、予め定められた円弧状軌跡に沿ってメモリ画像201M,202M,203Mが等間隔おきに描画された区間が定められており、指針画像201P,202P,203Pは、その円弧状の区間の内周側に設けられた自身の回転軸を中心に回転可能であり、指針先端部にてその円弧状区間を指示する。円弧状区間上には、その長さ方向(周方向)に所定間隔おきに入力位置(入力点や入力区間)が定められ、それら入力位置には、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの各値が対応付けられている。なお、図10及び図11における入力位置はメモリ画像201M,202Mよりも多数存在している。他方、図12における入力位置はメモリ画像203Mと同数存在している。
【0076】
なお、指針画像201P,202P,203Pの指示位置を変更する上記スライド操作は、タッチ面12a上において、タッチ状態を継続する形でそのタッチ位置を、上記指針画像201P,202P,203Pの回転移動方向に対応する方向に向けて、あるいは上記指針画像201P,202P,203Pの回転移動軌跡(円弧状軌跡)と同形状の軌跡を描くよう移動させる操作(タッチ継続操作)であり、この操作により上記指針画像201P,202P,203Pの指示位置を変化させることで、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を変更できる。ただし、車両の走行中と停車中とにおいて、制御パラメータの設定値を変更する操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0077】
即ち、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、タッチ面12a上において、指針画像201P,202P,203Pの回転移動方向に対応する方向に向けてタッチ位置を円弧状に移動させるスライド操作がなされると、その移動距離(タッチ開始位置から現タッチ位置までの距離)を変化量として逐次取得し(S15)、逐次取得されるその変化量に応じて、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させるとともに(S16)、その変化に応じて、表示されている指針画像201P,202P,203Pを、変化後の設定値に対応する位置を指示するよう回転移動させる表示制御を実行する(S16)。一方、車両が走行中である場合には、上記スライド操作(ただし円弧状でなく直線状でもよい)がなされると、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を、上記変化量とは無関係に、所定の値だけ変化させるとともに(S18)、変化後の設定値を指示するよう、表示されている指針画像201P,202P,203Pを回転移動させる表示制御を実行する(S18)。このため、走行中、上記スライド操作がなされる毎に、空調出力内容と、表示中の指針画像201P,202P,203Pの表示位置とが段階的に変更される。
【0078】
本実施形態において、制御部10は、図10及び図11にて、車両用空調装置3の設定温度・設定風量を示す予め定められた複数の温度値・風量値を有しており、その大きさの順に従い、それらの値に対応する制御パラメータの値を記憶するとともに、それら制御パラメータの値を、各メモリ201M,202Mが定められている円弧状の指針移動区間上に並ぶ各入力位置に対し、対応する温度値・風量値が大きさの順で並ぶよう対応付けて記憶し、図12にて、車両用空調装置3の各吹き出しモードを示す制御パラメータの値を記憶するとともに、それら制御パラメータの値を、各メモリ201M,202Mが定められている円弧状の指針移動区間上に並ぶ各入力位置に対し、予め定められた順で記憶しているから、走行中は、指針画像201P,202P,203Pの回転移動方向に対応する方向に向けてタッチ位置が移動するスライド操作(フリック操作ともいえる)が1回なされると、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を、現在設定中の設定温度・設定風量・吹出しモードの値に対応する入力位置に最も近い入力位置に対応する値へと切り替え、設定温度・設定風量・吹出しモードを1段階変化させる。このため、上記スライド操作がなされる毎に1段階ずつ段階的に設定温度・設定風量・吹出しモードが変化する。そして、制御部10は、指針画像(指針指示位置)201P,202P,203Pも同様に、現在の入力位置に対応する指示位置からそのスライド操作方向側の次の入力位置に対応する指示位置へと移動させるとともに、新たに設定された設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータに基づく空調制御を開始する。
【0079】
一方、停車中は、1回の上記スライド操作がなされると、制御部10は、その1回の上記スライド操作(タッチ開始からタッチ解除まで)における変化量としてその操作におけるタッチ位置の移動距離(タッチ開始位置から現タッチ位置までの距離)を、タッチ解除されるまでの間、逐次取得する。ただし、制御部10は、既に述べたように、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの各値が各入力位置に対応付けて記憶されているため、逐次取得される上記タッチ位置の移動距離に応じて、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させる。つまり、逐次取得される上記タッチ位置(位置座標)の最も近接する入力位置が切り替わる毎に、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの現在設定値を、切り替わった入力位置に対応する値へと順次変化させていく。そして、制御部10は、逐次変化する制御パラメータの設定値(設定温度・設定風量・吹出しモード)に連動して、空調装置3の空調出力温度・空調出力風量・空調出力がなされる吹出し口と、表示中の指針画像201P,202P,203Pの表示位置とを、逐次(リアルタイムで)変化させる。つまり、制御パラメータの変化に応じて、空調装置3の空調出力状態と、指針画像201P,202P,203Pの移動表示とを、動的に変化させる。
【0080】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、上記スライド操作の操作方向が上記指針移動区間における温度減少側・風量減少側に対応する方向であれば、設定温度・設定風量が減少するよう制御パラメータを第一側に変化させる一方、温度増加側・風量増加側に対応する方向であれば、設定温度・設定風量が増加するよう制御パラメータを第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0081】
また、制御部10は、各種吹出しモードとして、吹き出し口を、デフロスタのみ、デフロスタ+上部吹出し口、足下吹出し口のみ、足下吹出し口+上部吹出し口、上部吹出し口のみに設定するモードを有するとともに、これらモードに対し予め定められた配列順序を定めており、画面表示部15においても上記指針移動区間内に並ぶ各入力位置に対しその順序に従って対応付けられている。車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、上記スライド操作の操作方向がその順序の順方向側に対応する方向であれば、吹出しモードがその順方向側のモードへと切り替わるよう制御パラメータを第一側に変化させる一方、順方向とは逆側に対応する方向であれば、吹出しモードがその逆方向側のモードへと切り替わるよう制御パラメータを第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0082】
なお、図10〜図12の実施例において、指針画像201P,202P,203Pの移動速度は、車両が走行中でない場合(停車中)には、上記移動距離に連動して、上記スライド移動の速度に合わせて移動させることができる。他方、車両が走行中である場合の指針画像201P,202P,203Pは、上記スライド操作がなされると、一定の移動速度で移動するものとする。
【0083】
また、図10〜図12の実施例に関しては、図7の実施例と同様に、指針画像201P,202P,203Pをカーソル画像とし、これを指等の指示体でタッチした状態で、そのタッチ位置を上記指針移動区間内にて移動させるスライド操作により、当該カーソル画像102Cを動かし、動いた先の入力位置に対応する値を、制御パラメータである設定温度として設定するようにしてもよい。
【0084】
また、図10〜図12の実施例に関しては、設定温度・設定風量・吹出しモードを示す制御パラメータの設定値を変更させる操作は、タッチ面12a上において、指針画像201P,202P,203Pの回転操作方向に対応する方向に向けてタッチ位置を移動させるスライド操作であるが、ここではさらに、そのタッチ位置の移動軌跡が、指針画像201P,202P,203Pの回転軸側に中心を有する円弧状に湾曲した軌跡を描く操作として定められている。つまり、本実施形態の車両用空調装置3は、円筒状ダイアルノブの回転操作により上記設定風量及び設定温度を変更するように構成されているため、それと同じ回転操作と同様の操作となるように、タッチ面12a上でタッチする指示体を回転させるような操作とされている。ただし、上記した円弧状に湾曲した軌跡を描く操作は、上記指針移動区間にずれることなく沿ってとか、あるいは完全なる円弧形状であるというような高精度の操作である必要はなく、タッチ面12a上のタッチ位置の移動軌跡の中間位置が、タッチ開始位置とタッチ解除位置との点を結ぶ直線よりも、指針画像201P,202P,203Pの回転軸に対し遠い位置にあればよいものとする。
【0085】
ここで、上述した車両用空調装置3について簡単に説明する。車両用空調装置3は、周知の構成を有するものであり、車外又は車内のいずれかに設定された吸込口から、ブロワによってダクト内に吸い込んだ空気を、エバポレータにより冷却して冷気を発生させ、これを設定された温度となるようヒータにより温度調整した上で、下流側(吹出口側)の各種吹出口のうちの設定された吹出口から、空調気流として吹き出すよう構成されている。
【0086】
また、車両用空調装置3の電気的構成は、車内温度、車外温度、エバポレータを通過した直後の空気の温度、日射量等を検出する各種センサと、上記のブロワ、上記の吸込口や吹出口の切替用ダンパー、温度調整用のエアミックスダンパーの駆動モータ、ヒータ、冷凍サイクル等の各種駆動部と、設定温度や設定風量、吹出しモード等といった各種の空調設定をユーザーが行うための空調用操作部とが、空調用の制御部に対し接続する形となっている。
【0087】
空調用の制御部は、周知のCPU,ROM,RAMを備えて構成される通常のコンピュータで有り、そのCPUは、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、温度設定操作部、風量設定操作部、吹出しモード設定操作部、さらには上述のようなタッチ式操作入力部12等の各種空調用操作部の操作状態や各種空調用センサの検出結果に基づいて各種空調用駆動部を駆動制御することにより、上記設定温度を示す制御パラメータに基づく吹出温度制御、上記設定風量を示す制御パラメータに基づく風量制御、上記吹出しモードを示す制御パラメータに基づく吹出口切替制御、及び内気吸気・外気吸気切替制御等の周知の空調制御を実行する。なお、上述した設定温度は、自動空調による車室内の目標温度でもよいし、吹出す空調気流の温度そのものであってもよい。
【0088】
そして、画面表示部15には、車両用空調装置2そのものが備える各種空調用操作部に代わって、空調操作用の表示が可能であり、これに対し上述のようなタッチ操作をすることによって、上述のような空調制御用の制御パラメータの設定が可能とされている。
【0089】
次に、車両に搭載された車両用オーディオ装置4において、予め定められた制御パラメータの現在設定値を変化させる操作の一例について説明する。
【0090】
図13は、画面表示部15に表示される出力音量の設定画面(ボリューム設定画面)301である。この出力音量設定画面301では、出力音量アップ用の操作アイコン(操作画像)301A、もしくは出力音量ダウン用の操作アイコン(操作画像)301Bに対するタッチ操作により、現在設定されている出力音量を示す制御パラメータの現在設定値を変更可能に構成されている。ただし、車両の走行中と停車中とにおいて、制御パラメータの設定値を変更する操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0091】
即ち、図13に示すように、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、タッチ面12a上の所定の操作アイコン301A,301Bに対しタッチ状態を継続する長押し操作(タッチ継続操作)がなされると、その長押し操作におけるタッチ状態の継続時間を変化量として逐次取得し(S15)、逐次取得されるその変化量に応じて、出力音量を示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させるとともに(S16)、その変化に応じて出力される音の音量を逐次変化させる音量出力制御を実行する(S16)。一方、車両が走行中である場合には、上記長押し操作がなされる毎に、出力音量を示す制御パラメータの現在設定値を、タッチ状態の継続時間とは無関係に、所定の値だけ変化させるとともに(S18)、変化後の設定値で音量を出力する音量出力制御を実行する(S18)。このため、走行中、上記長押し操作がなされる毎に、出力音量を段階的に縮尺変更できる。
【0092】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、長押し操作の操作対象が操作アイコン301Bであれば、出力音量が減少するよう制御パラメータの値を第一側に変化させる一方、操作アイコン301Aであれば、出力音量が増加するよう制御パラメータの値を第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0093】
図14は、画面表示部15に表示される再生出力されるオーディオトラックの設定画面302である。このトラック設定画面302では、読み込み可能な形で装置4内に配置されたメディア、ないしは装置4そのものの記憶部や外部記憶装置に記憶されたオーディオトラックの識別情報(トラック番号、もしくはトラック番号に対応するトラック名)が、予め定められた順(序列)で弧状に配列表示されるとともに、配列表示内において固定的に定められた強調表示位置にて強調表示される識別情報に対応するオーディオトラックが再生出力対象とされ、強調表示される。そして、それらトラック識別情報の配列表示方向に対応する方向に向けて、図10〜図12と同様の、タッチ面12a上のタッチ位置を移動させるスライド操作により、現在設定されている再生出力対象のオーディオトラックを示す制御パラメータの現在設定値を上記配列の順に従い順次切り替え、これに応じて、再生出力対象のオーディオトラックと、画面表示部15の表示内容を変更するように構成されている。ただし、車両の走行中と停車中とにおいて、制御パラメータの設定値を変更する操作の内容は同じでも、変更される内容が異なる。
【0094】
即ち、制御部10は、オーディオトラックの識別情報を予め定められた順で記憶し、その順で画面表示部15に配列表示させるとともに、さらにその値を1つ切り替えるためのスライド操作の移動距離(タッチ開始位置から現タッチ位置までの距離)をトラック切替距離として記憶している。制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)には、図14に示すように、上記スライド操作がなされたときに当該操作におけるタッチ位置の移動距離を変化量として逐次取得し(S15)、その変化量に応じて、再生出力対象のオーディオトラックを示す制御パラメータの現在設定値を逐次変化させるとともに(S16)、その変化に応じて、再生出力対象として現在設定されているオーディオトラックを逐次切り替え、かつ配列表示されているオーディオトラックの識別情報を、再生出力対象として現在設定されているオーディオトラックが上記強調表示位置に位置するよう、配列表示されるトラックの識別情報の表示を上記配列の順に従い逐次変更させる。つまり、逐次算出される移動距離が上記トラック切替距離の自然数倍の値を超えていく毎に、オーディオトラックを示す制御パラメータの現在設定値を上記順に従って1つずつ切り替えるとともに、これに応じて、再生対象のオーディオトラックも逐次切り替えていく。
【0095】
一方、車両が走行中である場合には、上記スライド操作がなされる毎に、再生出力対象のオーディオトラックを示す制御パラメータの現在設定値を、上記移動距離とは無関係に、所定の値だけ変化させるとともに(S18)、変化した制御パラメータの設定値に対応するオーディオトラックを再生出力対象に切り替える。つまり、上記スライド操作が1回なされる毎に、制御パラメータの現在設定値を1ずつ切り替えて、再生対象のトラックを上記順に従い1トラックずつ切り替えていく。
【0096】
なお、制御部10は、車両が走行中でない場合と走行中である場合との双方において、上記スライド操作が画面表示部15に表示されたトラック番号の番号が増す方向に(図中下側)に向かう形でなされた場合には、トラック番号が増加するよう制御パラメータを第一側に変化させる一方、トラック番号を減じる方向になされた場合には、トラック番号が減少するよう制御パラメータを第一側とは逆の第二側に変化させる。
【0097】
ここで、上述した車両用オーディオ装置4について簡単に説明する。車両用オーディオ装置4は、周知の構成を有するものであり、制御部と、操作部と、CD(Compact Disk)又はDVD(Digital Versatile Disk)等を再生するメディア再生部や、ラジオチューナ等を備えており、これらによって音源(ソース)となる音声信号を得て、この音声信号を処理して音声出力部(スピーカ)によって出力を行なうよう構成されている。
【0098】
オーディオ装置4の制御部は、周知のCPU,ROM,RAMを備えて構成される通常のコンピュータで有り、そのCPUは、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、ユーザー操作に基づいて、出力対象となる音源(トラック)を指定して、再生出力したり、その時の出力音量を設定したりする制御を行う。
【0099】
そして、画面表示部15には、車両用オーディオ装置4そのものが備える各種操作部に代わって、オーディオ操作用の表示が可能であり、これに対し上述のようなタッチ操作をすることによって、上述の出力音量や、出力対象となるトラックを示すオーディオ制御用の制御パラメータの設定が可能とされている。
【0100】
ところで、図6及び図7のカーソル位置を動かすスライド操作の実施例や、図8及び図9の長押し操作の実施例、図10〜図12のスライド操作の実施例において、制御部10は、タッチ継続操作を、タッチ面12a上の1以上のタッチ位置においてタッチ状態を継続する形でなされるものとし、該タッチ継続操作がなされた場合にそのタッチ位置の数を特定するように構成できる(タッチ数特定手段)。そして、制御部10は、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作がなされる毎に、当該操作において特定されるタッチ位置の数に対応する所定のパラメータ変化を生じさせるように構成できる。例えば、制御部10は、車両が走行中であると特定されている場合には、タッチ継続操作のタッチ面12aへのタッチ数が増すほど、1回のタッチ継続操作により変化する制御パラメータのパラメータ変化量が大となるように、制御パラメータのパラメータ変化を実行するようにしてもよい。具体的に言えば、1回のタッチ継続操作で制御パラメータが所定の変化量だけ変化するのであれば、そのタッチ継続操作におけるタッチ数をその所定の変化量に乗じた値だけ、その制御パラメータを変更するようにしてもよい。例えば、走行中の1回のタッチ継続操作により、制御パラメータが、現在の入力位置に隣接する次の入力位置に対応する値に設定される場合には、その1回のタッチ継続操作におけるタッチ数の数だけ先の入力位置に対応する値を設定するようにしてもよい。
【0101】
また、タッチ操作入力部12は、タッチ面12aに対するタッチ状態が所定時間内で解除されるタップ操作を受け付け可能なものとし、制御部10は、車両が走行中でない場合(停車中)に、タップ操作がなされたときには、車両が走行中の場合と同じように、当該操作におけるタッチがなされる毎に、制御パラメータに対し予め決められたパラメータ変化を生じさせるように構成できる(例えば図9参照)。
【0102】
このように、車両の走行中、タッチ継続操作のタッチ数に応じて制御パラメータを変化させたり、車両の停車中も、走行中のような段階的なパラメータ変化ができるようにする操作入力処理の一例を、図15のフローチャートを用いて説明する。なお、図15の操作入力処理は、基本的には図3の操作入力処理と同様であるから、ここではその相違部分のみを説明する。
【0103】
図15のS100〜S104は、図3のS10〜S14と同様である。
【0104】
S104において走行中でない、停車中であると判定された場合には、S112にて、制御部10は、受け付けたタッチ操作(タッチ継続操作)におけるタッチ面12aへのタッチ数を特定する(タッチ数特定手段)。そして、続くS113にて、特定されるタッチ位置の数に対応する所定のパラメータ変化を生じさせる。ここでは、受け付けたタッチ操作のタッチ数が1であれば、所定量のパラメータ変化を生じさせるが、受け付けたタッチ操作のタッチ数が複数であれば、上記所定量にタッチ数を乗じた分だけパラメータ変化を生じさせる。例えば、現在の入力位置の1つ隣の入力位置に対応する値を設定する場合は、現在の入力位置からタッチ数の数だけ隣の入力位置に対応する値を設定する。続くS114はS19と、S115はS20と同様である。
【0105】
他方、S104において走行中と判定された場合には、S105及びS106にて、制御部10は、受け付けたタッチ操作がタップ操作であるか否かを判定する(タップ操作判定手段)。ここでは、S105及びS106にて、タッチ面12aがタッチされた後、予め決められた短時間内にタッチが解除されたか否かを判定する。解除された場合は(S106:Yes)、S110,S111に進み、S112.S113と同様の処理を実施する。続くS115はS20と同様である。
【0106】
また、S105及びS106において、受け付けたタッチ操作がタップ操作でないと判定された場合には、S107〜S109,S115に進む。S107〜S109,S115は、S15〜S17,S20と同様である。
【0107】
以下、本発明の変形例について説明する。
【0108】
上記実施形態における画面表示部15には、表示面上にタッチパネルを設けてもよく、このタッチパネルを上記のようなタッチ継続操作が可能なタッチ式操作入力部12としてもよい。また、この構成の場合、上記実施形態と同様の遠隔操作部としてのタッチ式操作入力部12を、画面表示部15の表示面上に配置されたタッチパネルよりも操作難易度が低くなるように車内設けることができる。
【0109】
また、上記実施形態において、設定可能な制御パラメータの値の上下限値は共通のまま、設定可能な値の数を、停車中のほうが走行中よりも多くなるようにしてもよい。つまり、停車中に設定可能な制御パラメータの各値を所定順で定めておき、停車中には、タッチ継続操作における上記変化量に応じて、制御パラメータの値を、上記所定順において当該値に隣接する次の値へと順次変更できるが、走行中には、1回のタッチ継続操作で、上記順における2以上先の値にしか変更できないようにしてもよい。これにより、停車中により細かい制御パラメータの変更が可能となる。
【符号の説明】
【0110】
1 車両用タッチ式操作入力装置
10 制御部(制御手段)
11 車速センサ(走行状態特定手段)
12 タッチ式操作入力部(タッチ式操作入力手段)
15 画面表示部(表示手段)
3 車両用空調装置
4 車両用オーディオ装置
5 車両用ナビゲーション装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行中であるか否かを特定する走行状態特定手段と、
予め定められたタッチ面に対しタッチ状態を継続する形でなされるタッチ継続操作を受け付けるタッチ操作入力手段と、
前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされたときに、当該操作のタッチ状態が継続する間、当該操作に係る予め定められた変化量を逐次取得し、逐次取得される変化量に応じて予め定められた制御パラメータを連続的に変化させる一方、走行中であると特定された場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータに対し予め決められたパラメータ変化を生じさせる制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項2】
前記変化量は、前記タッチ継続操作におけるタッチ状態の継続時間、もしくはタッチ状態の継続中に生じたタッチ位置の移動量、もしくはタッチ状態の継続中に変化するタッチ位置のいずれかに基づく値である請求項1に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項3】
前記タッチ継続操作は、前記タッチ面上の1以上のタッチ位置において前記タッチ状態を継続する形でなされるものであり、該タッチ継続操作がなされた場合にそのタッチ位置の数を特定するタッチ数特定手段を備え、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、当該操作において特定されるタッチ位置の数に対応する所定のパラメータ変化を生じさせるものである請求項1又は請求項2に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作の前記タッチ面へのタッチ数が増すほど、1回のタッチ継続操作により変化する前記制御パラメータのパラメータ変化量が大となるように、前記パラメータ変化を実行するものである請求項3に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項5】
前記タッチ継続操作は、前記タッチ面に対しタッチ状態を継続する形でタッチ位置を移動させるスライド操作である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項6】
前記スライド操作は、前記タッチ面に対し予め定められた移動方向に向けて、あるいは予め定められた移動軌跡に沿って、タッチ状態を継続する形でタッチ位置を移動させる操作であり、前記変化量は、前記スライド操作におけるタッチ位置、もしくはそのタッチ位置の移動距離である請求項5に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項7】
前記スライド操作は、前記タッチ位置を前記タッチ面上にて円弧状の移動軌跡を描くよう回転方向に摺動させる操作である請求項6に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項8】
前記タッチ面上にカーソル移動区間が定められ、その移動区間を移動可能なカーソル位置が定められ、前記スライド操作は、前記カーソル位置をタッチした状態でそのタッチ位置を前記移動区間上にて移動させることにより、そのカーソル位置を移動させる操作であり、前記変化量は、そのタッチ位置である請求項6に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項9】
前記スライド操作は、前記タッチ面を、2つのタッチ位置を有する形でタッチし、それら両タッチ位置間の距離を変化させるピンチ操作であり、前記変化量は、前記両タッチ位置間の距離である請求項5に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項10】
前記タッチ継続操作は、前記タッチ面に対しタッチ状態を継続する長押し操作であり、前記変化量は、前記長押し操作におけるタッチ状態の継続時間である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項11】
前記タッチ操作入力手段は、前記タッチ面に対するタッチが所定時間内に繰り返し複数なされるタップ操作を受け付け可能であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合に、前記タップ操作がなされたときに、当該操作におけるタッチがなされる毎に、前記車両が走行中であると特定された場合と同じように、前記制御パラメータに対し予め決められたパラメータ変化を生じさせるものである請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項12】
前記タッチ継続操作は、表示手段に画面表示された表示内容に対してなされるものである請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項13】
前記タッチ操作入力手段は、前記タッチ面を前記表示手段とは異なる位置に有した遠隔操作入力手段である請求項12に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項14】
前記表示手段は、請求項5に記載のタッチ継続操作と、請求項12に記載のタッチ継続操作を受付可能な表示領域をそれぞれ有した画面を表示可能である請求項13に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項15】
前記表示手段は、請求項8に記載のタッチ継続操作と、請求項9に記載のタッチ継続操作と、請求項10に記載のタッチ継続操作を受付可能な表示領域をそれぞれ有した画面を表示可能である請求項13に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項16】
前記表示手段は地図画面を表示可能であり、前記タッチ継続操作は、前記表示手段に表示される地図の表示縮尺を、予め定められた複数の縮尺のいずれかに変更する操作であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る前記変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、前記制御パラメータの現在設定値が示す前記表示縮尺を逐次変化させる一方、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータの現在設定値が示す前記表示縮尺を、現在設定中の表示縮尺から所定縮尺だけ変化させるものである請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項17】
前記表示手段はエアコン設定画面を表示可能であり、前記タッチ継続操作は、前記表示手段に表示されるエアコン制御用の設定温度及び設定風量のいずれかを示す前記制御パラメータの設定値を変更する操作であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る前記変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、前記制御パラメータの現在設定値を逐次変化させる一方、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータの現在設定値を、現在設定している設定値を所定の値だけ変化させるものである請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項18】
前記表示手段はエアコン設定画面を表示可能であり、前記タッチ継続操作は、前記表示手段に表示される、空調気流の吹出し口を定めた各吹出しモードを示す前記制御パラメータの設定値を変更する操作であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る前記変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、前記制御パラメータの現在設定値が示す吹出しモードを、予め定められた順序に従い逐次変化させる一方、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータの現在設定値が示す吹出しモードを、現在設定されている吹き出しモードから前記順序における所定数先の吹出しモードに切り替えるものである請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項19】
前記表示手段は車室内に出力される音量を設定するための音量設定画面を表示可能であり、前記タッチ継続操作は、前記音量を示す前記制御パラメータを変更する操作であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る前記変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、前記制御パラメータの現在設定値が示す前記音量を逐次変化させる一方、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータの現在設定値が示す前記音量を、現在設定している音量から所定音量だけ変化させるものである請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項20】
前記表示手段はオーディオ設定画面を表示可能であり、前記タッチ継続操作は、前記表示手段に表示される出力対象トラックを別のトラックに切り替える操作であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る前記変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、前記制御パラメータの現在設定値が示すトラックを、予め定められた順序に従い逐次切り替えて前記出力対象トラックを逐次変更する一方、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータの現在設定値が示すトラックを、現在設定されているトラックから、前記順序における所定数先のトラックへと切り替えるものである請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項1】
車両が走行中であるか否かを特定する走行状態特定手段と、
予め定められたタッチ面に対しタッチ状態を継続する形でなされるタッチ継続操作を受け付けるタッチ操作入力手段と、
前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされたときに、当該操作のタッチ状態が継続する間、当該操作に係る予め定められた変化量を逐次取得し、逐次取得される変化量に応じて予め定められた制御パラメータを連続的に変化させる一方、走行中であると特定された場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータに対し予め決められたパラメータ変化を生じさせる制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項2】
前記変化量は、前記タッチ継続操作におけるタッチ状態の継続時間、もしくはタッチ状態の継続中に生じたタッチ位置の移動量、もしくはタッチ状態の継続中に変化するタッチ位置のいずれかに基づく値である請求項1に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項3】
前記タッチ継続操作は、前記タッチ面上の1以上のタッチ位置において前記タッチ状態を継続する形でなされるものであり、該タッチ継続操作がなされた場合にそのタッチ位置の数を特定するタッチ数特定手段を備え、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、当該操作において特定されるタッチ位置の数に対応する所定のパラメータ変化を生じさせるものである請求項1又は請求項2に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作の前記タッチ面へのタッチ数が増すほど、1回のタッチ継続操作により変化する前記制御パラメータのパラメータ変化量が大となるように、前記パラメータ変化を実行するものである請求項3に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項5】
前記タッチ継続操作は、前記タッチ面に対しタッチ状態を継続する形でタッチ位置を移動させるスライド操作である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項6】
前記スライド操作は、前記タッチ面に対し予め定められた移動方向に向けて、あるいは予め定められた移動軌跡に沿って、タッチ状態を継続する形でタッチ位置を移動させる操作であり、前記変化量は、前記スライド操作におけるタッチ位置、もしくはそのタッチ位置の移動距離である請求項5に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項7】
前記スライド操作は、前記タッチ位置を前記タッチ面上にて円弧状の移動軌跡を描くよう回転方向に摺動させる操作である請求項6に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項8】
前記タッチ面上にカーソル移動区間が定められ、その移動区間を移動可能なカーソル位置が定められ、前記スライド操作は、前記カーソル位置をタッチした状態でそのタッチ位置を前記移動区間上にて移動させることにより、そのカーソル位置を移動させる操作であり、前記変化量は、そのタッチ位置である請求項6に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項9】
前記スライド操作は、前記タッチ面を、2つのタッチ位置を有する形でタッチし、それら両タッチ位置間の距離を変化させるピンチ操作であり、前記変化量は、前記両タッチ位置間の距離である請求項5に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項10】
前記タッチ継続操作は、前記タッチ面に対しタッチ状態を継続する長押し操作であり、前記変化量は、前記長押し操作におけるタッチ状態の継続時間である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項11】
前記タッチ操作入力手段は、前記タッチ面に対するタッチが所定時間内に繰り返し複数なされるタップ操作を受け付け可能であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合に、前記タップ操作がなされたときに、当該操作におけるタッチがなされる毎に、前記車両が走行中であると特定された場合と同じように、前記制御パラメータに対し予め決められたパラメータ変化を生じさせるものである請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項12】
前記タッチ継続操作は、表示手段に画面表示された表示内容に対してなされるものである請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項13】
前記タッチ操作入力手段は、前記タッチ面を前記表示手段とは異なる位置に有した遠隔操作入力手段である請求項12に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項14】
前記表示手段は、請求項5に記載のタッチ継続操作と、請求項12に記載のタッチ継続操作を受付可能な表示領域をそれぞれ有した画面を表示可能である請求項13に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項15】
前記表示手段は、請求項8に記載のタッチ継続操作と、請求項9に記載のタッチ継続操作と、請求項10に記載のタッチ継続操作を受付可能な表示領域をそれぞれ有した画面を表示可能である請求項13に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項16】
前記表示手段は地図画面を表示可能であり、前記タッチ継続操作は、前記表示手段に表示される地図の表示縮尺を、予め定められた複数の縮尺のいずれかに変更する操作であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る前記変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、前記制御パラメータの現在設定値が示す前記表示縮尺を逐次変化させる一方、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータの現在設定値が示す前記表示縮尺を、現在設定中の表示縮尺から所定縮尺だけ変化させるものである請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項17】
前記表示手段はエアコン設定画面を表示可能であり、前記タッチ継続操作は、前記表示手段に表示されるエアコン制御用の設定温度及び設定風量のいずれかを示す前記制御パラメータの設定値を変更する操作であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る前記変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、前記制御パラメータの現在設定値を逐次変化させる一方、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータの現在設定値を、現在設定している設定値を所定の値だけ変化させるものである請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項18】
前記表示手段はエアコン設定画面を表示可能であり、前記タッチ継続操作は、前記表示手段に表示される、空調気流の吹出し口を定めた各吹出しモードを示す前記制御パラメータの設定値を変更する操作であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る前記変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、前記制御パラメータの現在設定値が示す吹出しモードを、予め定められた順序に従い逐次変化させる一方、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータの現在設定値が示す吹出しモードを、現在設定されている吹き出しモードから前記順序における所定数先の吹出しモードに切り替えるものである請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項19】
前記表示手段は車室内に出力される音量を設定するための音量設定画面を表示可能であり、前記タッチ継続操作は、前記音量を示す前記制御パラメータを変更する操作であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る前記変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、前記制御パラメータの現在設定値が示す前記音量を逐次変化させる一方、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータの現在設定値が示す前記音量を、現在設定している音量から所定音量だけ変化させるものである請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【請求項20】
前記表示手段はオーディオ設定画面を表示可能であり、前記タッチ継続操作は、前記表示手段に表示される出力対象トラックを別のトラックに切り替える操作であり、
前記制御手段は、前記車両が走行中であると特定されていない場合には、前記タッチ継続操作がなされると、そのタッチ状態が継続する間、当該操作に係る前記変化量を逐次取得し、逐次取得されるその変化量に応じて、前記制御パラメータの現在設定値が示すトラックを、予め定められた順序に従い逐次切り替えて前記出力対象トラックを逐次変更する一方、前記車両が走行中であると特定されている場合には、前記タッチ継続操作がなされる毎に、前記制御パラメータの現在設定値が示すトラックを、現在設定されているトラックから、前記順序における所定数先のトラックへと切り替えるものである請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用タッチ式操作入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【図15】
【図4】
【図6】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【図15】
【図4】
【図6】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−97519(P2013−97519A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238827(P2011−238827)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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