説明

車両用ダウンロードシステムおよびそれに用いられる車両用端末機

【課題】ソフトウェアのダウンロード容量やダウンロード時間に関わらず、車両用端末機にソフトウェアをダウンロードすることができる車両用ダウンロードシステムおよびそれに用いられる車両用端末機を提供する。
【解決手段】ソフトウェアもしくはコンテンツのデータをオンライン販売するためのe−コマースサイトを備えた外部サーバ10と、携帯電話用IDを有する携帯電話40と、携帯電話用IDを登録すると共に端末機用IDを有する車両用端末機50と、を備え、携帯電話40を介して外部サーバ10にてデータを購入し、購入したデータを携帯電話40のメモリ部43にダウンロードして記憶し、メモリ部43に記憶したデータを車両用端末機50にダウンロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話を介してe−コマースサイトにアクセスし、ソフトウェアやコンテンツのデータを購入すると共に購入したデータをダウンロードする車両用ダウンロードシステムおよびそれに用いられる車両用端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載されたナビゲーション装置等の車両用情報端末機にソフトウェアをダウンロードする場合、携帯電話を介してインターネット接続することによりダウンロードを行う方法が実施されている。
【0003】
この方法では、搭乗者が車室内の端末機に携帯電話を接続し、携帯電話を介して端末機にてインターネット上のネットショップにアクセスする。そして、そのネットショップでダウンロードしたいソフトウェアやコンテンツの購入手続きを行った後、ネットショップで購入したソフトウェアのデータが保存されたサーバからインターネットおよび携帯電話を介してそのデータを端末機にダウンロードする。このようして、携帯電話を介してソフトウェアを端末機にダウンロードすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、ソフトウェアのダウンロードが終了するまで携帯電話を端末機に接続した状態にしておかなければならず、例えば大容量のソフトウェアをダウンロードする場合では長時間を要することとなり、搭乗者が携帯電話を携帯して車両から離れられなくなってしまうという問題が生じる。
【0005】
また、上記のように携帯電話を介して端末機にソフトウェアをダウンロードする方法では、音声認識の際に用いられる音声データや地図情報の変更修正等のソフトウェア作成に時間を要するものもあり、このようなソフトウェア購入にも好ましくない。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、ソフトウェアのダウンロード容量やダウンロード時間に関わらず、車両用端末機にソフトウェアをダウンロードすることができる車両用ダウンロードシステムおよびそれに用いられる車両用端末機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴では、ソフトウェアもしくはコンテンツのデータをオンライン販売するためのe−コマースサイトを備えた外部サーバ(10)と、携帯電話用IDを有する携帯電話(40)と、携帯電話用IDを登録すると共に端末機用IDを有する車両用端末機(50)と、を備えた車両用ダウンロードシステムにおいて、携帯電話を介して外部サーバにてデータを購入し、購入したデータを携帯電話のメモリ部(43)に記憶させ、メモリ部に記憶したデータを車両用端末機にダウンロードする。
【0008】
このように、携帯電話を介して車両用端末機から外部サーバにアクセスすると共に、外部サーバから送信されるデータを携帯電話で一時的に記憶しておく。これにより、ソフトウェアやコンテンツのデータのダウンロードが終了するまで携帯電話を車両用端末機に接続した状態にしておく必要がなくなり、携帯電話の所有者が携帯電話を携帯して車両から離れたとしても購入したデータをダウンロードし続けることができる。このような場合、大容量のソフトウェアや、音声データ、地図情報の変更修正等のソフトウェア作成に時間を要するデータであっても、外部サーバからのデータは携帯電話にダウンロードされると共に携帯電話のメモリ部に記憶されるため、車両用端末機と携帯電話との接続状態を維持していなくても、データの容量やダウンロード時間に関わらずデータをダウンロードすることができる。
【0009】
本発明の第2の特徴では、ソフトウェアもしくはコンテンツのデータをオンライン販売するためのe−コマースサイトを備えた外部サーバ(10)から、携帯電話(40)を介してデータを購入およびダウンロードする車両用ダウンロードシステムにおいて用いられる車両用端末機は、携帯電話を介して外部サーバにてデータを購入し、購入したデータを携帯電話のメモリ部(43)に記憶しておき、メモリ部に記憶したデータを携帯電話からダウンロードする。
【0010】
これによると、車両用端末機は携帯電話を介して外部サーバからデータをダウンロードする際、携帯電話のメモリ部にダウンロードし、携帯電話にダウンロードしたデータを車両用端末機にダウンロードする。これにより、車両用端末機と携帯電話との接続状態を維持していなくても、外部サーバからデータをダウンロードすることができる。すなわち、大容量のソフトウェアや、音声データ、地図情報の変更修正等のソフトウェア作成に時間を要するデータ等のように、データの容量やダウンロードに時間を要するデータに関わらず、車両用端末機にデータをダウンロードすることができる。
【0011】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用ダウンロードシステムのシステム構成図である。この図に示されるように、車両用ダウンロードシステム1は、外部サーバ10と、インターネット20と、基地局30と、携帯電話40と、車両用端末機50と、を有して構成されている。
【0014】
外部サーバ10は、インターネット20に接続され、ソフトウェアやコンテンツ等のデータをe−コマースにより提供するものであり、e−コマースを実現するための販売プログラム100(後述する図2(a)参照)を有している。このようなソフトウェアやコンテンツとして、例えば地図データの更新データ、音声認識データ、音楽データ等が提供される。これらソフトウェアやコンテンツ等は、この外部サーバ10によって運営されるネットショップにて購入可能になっており、購入者が購入したソフトウェアやコンテンツのデータをこの外部サーバ10もしくは上記ソフトウェアやコンテンツ等のデータが保存された他のサーバからインターネット20を介してダウンロードできるようになっている。
【0015】
基地局30は、携帯電話40と直接通信する、インターネット20に接続された携帯電話網の端末である。本実施形態では、この基地局30は、インターネット20と携帯電話40との通信を可能にする中継点となるものである。
【0016】
携帯電話40は、無線通信を利用した移動端末機であり、送受信部41と、ベースバンド部42と、メモリ部43と、携帯電話側通信部44と、携帯電話側制御部45と、を備えて構成されている。
【0017】
送受信部41は、通信信号の周波数変換を行う周波数変換器である。具体的に、送受信部41は、アンテナ41aで受信された上り通信信号をダウンコンバートして受信ベースバンド信号を出力するとともに、ベースバンド部42からの送信ベースバンド信号を周波数変換してアップコンバートして下り通信信号を出力する。
【0018】
ベースバンド部42は、通信信号を変調または復調するための変復調器として機能するものである。このようなベースバンド部42は、送受信部41からの受信ベースバンド信号に対し復調処理を施して復調信号をメモリ部43および携帯電話側通信部44に出力すると共に、携帯電話側通信部44からの送信信号に対し変調処理を施して送信ベースバンド信号を送受信部41に出力する。
【0019】
メモリ部43は、入力されたデータを格納する記憶手段である。このメモリ部43は、端末機50がe−コマースを利用してネットショップで購入したソフトウェアやコンテンツのデータをダウンロードする際、そのデータを一時格納する役割を果たすものである。このようなメモリ部43として、例えば不揮発性メモリやフラッシュメモリ等が採用される。本実施形態では、メモリ部43の記憶容量として例えば1GBのものが用いられる。
【0020】
携帯電話側通信部44は、携帯電話40と端末機50との間の通信を行うものであり、携帯情報機器向けの無線通信を行うものである。具体的に、本実施形態では、携帯電話側通信部44は、Bluetooth技術によるワイヤレス通信を行うものである。このBluetooth技術は、2.45GHz帯の電波を利用した無線式通信技術であり、指向性をもたないため、通信機器間に障害物があっても通信可能である。
【0021】
また、携帯電話側通信部44には図示しないメモリが備えられており、このメモリに携帯電話40を識別するためのキーID(携帯電話用ID、例えばm1$3)が記憶されている。すなわち、携帯電話側通信部44は、端末機50と通信する際、端末機50に送信する信号にキーIDを付与し、そのキーID付き信号を外部に送信する。
【0022】
携帯電話側制御部45は、携帯電話40が移動端末として機能する制御を行うものであり、マイクロコンピュータ等を備えたものである。また、この携帯電話側制御部45は、端末機50で購入手続きされたソフトウェアやコンテンツのデータの一時格納する機能を有し、この機能を実現するための一時格納プログラム200(後述する図2(b)参照)を備えている。すなわち、携帯電話側制御部45は、このダウンロードプログラムを実行することにより、端末機50がe−コマースを利用してネットショップで購入したソフトウェアやコンテンツのデータを一時格納すると共に、一時格納したデータを端末機50にダウンロードする機能を有している。
【0023】
また、携帯電話側制御部45は、端末機40に携帯電話40用を識別するIDを送信し、端末機50にて、端末機50にあらかじめ登録された携帯電話40を識別するIDと携帯電話40から送信された携帯電話40を識別するIDとが照合され、一致することを示す信号を端末機50から受け取り、携帯電話40を介して端末機50から外部サーバ10へのアクセスを可能にする機能も有する。
【0024】
車両用端末機50は、車両に搭載された情報端末機器であり、例えばカーナビゲーション装置やオーディオ機器等として機能するものである。このような端末機50は、端末機側通信部51と、端末機側制御部52と、記憶部53と、操作キー部54と、モニタ部55と、を備えて構成されている。
【0025】
端末機側通信部51は、上記携帯電話側通信部44と同じ機能を有するものである。
【0026】
端末機側制御部52は、ナビゲーション処理等の各種処理を行うものであり、携帯電話40を介してソフトウェアやコンテンツをネットショップで購入する機能や、携帯電話40に一時格納された購入したソフトウェアやコンテンツのデータを携帯電話40からダウンロードする機能を有している。すなわち、端末機側制御部52は、例えばブラウザでネットショップのサイトにアクセスし、ソフトウェアやコンテンツを購入依頼する購入プログラム300(後述する図2(c)参照)と、携帯電話40に一時格納されたデータを端末機50にダウンロードするダウンロードプログラム400(後述する図2(d)参照)と、を有している。このような端末機側制御部52は、マイクロコンピュータ等を備えたものとして構成される。
【0027】
また、端末機側制御部52には図示しないメモリが備えられており、このメモリに端末機50を識別するためのキーID(端末機用ID、例えばc2%%2)が記憶されている。すなわち、端末機側制御部52は、携帯電話40を介してインターネット20に接続する際、携帯電話40に送信する信号にキーIDを付与して端末機側通信部51にそのキーID付き信号を出力する。
【0028】
さらに、端末機側制御部52は、携帯電話40から送信される携帯電話40を識別するIDを受け、端末機50にあらかじめ登録された携帯電話40を識別するIDと携帯電話40から送信された携帯電話40を識別するIDとを照合し、一致することを示す信号を携帯電話40に送信し、携帯電話40を介して端末機50から外部サーバ10へのアクセスを可能にする機能も有する。
【0029】
記憶部53は、地図データや音楽データ等のデータを記憶しておくための記憶媒体である。このような記憶部53として例えばハードディスク、不揮発性メモリ等が用いられる。すなわち、端末機50が外部サーバ10にアクセスし、ネットショップで購入したデータは、この記憶部53に格納され、端末機側制御部52が実行するプログラム等に応じて必要なデータが読み出される。
【0030】
モニタ部55は、端末機側制御部52によって制御され、地図やブラウザ等を表示するものである。また、操作キー部54は、表示キーや選択キー等の各操作キーを有するものである。
【0031】
以上が、本実施形態に係る車両用ダウンロードシステム1およびそれを構成する外部サーバ10、携帯電話40、端末機50の具体的な構成である。
【0032】
次に、上記車両用ダウンロードシステム1におけるソフトウェアやコンテンツのデータの具体的なダウンロード処理について、図2を参照して説明する。図2は、図1の外部サーバ10、携帯電話40、端末機50における各処理の内容を示したフローチャートである。
【0033】
図2(a)は販売プログラム100の内容を示すフローチャートであり、外部サーバ10は電源が入力されると、フローがスタートする。図2(b)は一時格納プログラム200であり、携帯電話40の電源が入力されると、フローがスタートする。図2(c)は購入プログラム300、図2(d)はダウンロードプログラム400であり、それぞれ端末機50の電源が入力されると、フローがスタートする。
【0034】
図2に従った作動を説明する前に、上記携帯電話40および端末機50に用いられているBluetooth技術を用いる各機器においては、初回に限り、接続相手を特定するためのペアリングと呼ばれる操作を行うため、まずこのことについて説明する。
【0035】
具体的には、携帯電話40を探索可能状態にする。続いて、端末機50から探索操作を行う。そして、端末機50のモニタ部55に探索可能状態にある周囲のBluetooth機器の一覧が表示されるので、その中から携帯電話40を指定する。この後、携帯電話40のキーIDを端末機50に登録することにより、接続処理が完了する。このように、端末機50に携帯電話40のキーIDの登録が行われれば、ペアリングは終了する。一度ペアリングを行った機器間では、次回から自動的に接続が行われるため、携帯電話40が端末機50の通信可能エリアに進入すると、端末機50は自動的に携帯電話40との無線通信を可能にする。なお、上記ペアリングの機能は、携帯電話40および端末機50それぞれにあらかじめ備えられている。
【0036】
上記のようにして、携帯電話40と端末機50とが通信可能になった状態において、ソフトウェアやコンテンツのデータをダウンロードする作動について説明する。
【0037】
まず、ユーザが携帯電話40を携帯して車両に近づくと、Bluetooth通信による接続相手を探索する処理がなされる(ステップ210)。また、端末機50では、携帯電話40が通信可能エリアに進入したか否かが判定される(ステップ310)。携帯電話40が端末機50の通信可能エリアに進入していないと判定されると、引き続き携帯電話40の接続応答があったか否かが判定される。
【0038】
そして、携帯電話40から端末機50にアクセスがあると、端末機50では、携帯電話40を識別するキーID(m1$3)によって携帯電話40が通信可能な機器であるか否かが判定される。こうしてキーIDが照合されることで、携帯電話40と端末機50との間でBluetoothによる通信が可能になると、携帯電話40および端末機50にて接続完了処理がなされ(ステップ320、ステップ220)、携帯電話40と端末機50との通信が可能になる。
【0039】
これにより、端末機50にて携帯電話40(および基地局30、インターネット20)を介して外部サーバ10にアクセスすることにより、外部サーバ10が提供するe−コマースによるネットショップのサイトをブラウザ等により閲覧することができるようになる(ステップ230)。
【0040】
また、外部サーバ10では、携帯電話40からアクセスがあったか否かが判定され、携帯電話40からのアクセスがなければ、引き続きアクセスがあったか否かが判定される。一方、端末機50が携帯電話40を介してe−コマースのサイトにアクセスすることにより、外部サーバ10では携帯電話40からのアクセスがあったと判定される(ステップ110)。
【0041】
このような状態で、端末機50にてネットショップに対してソフトウェアやコンテンツの購入依頼が行われる(ステップ330)。このとき、端末機50を識別するキーID(c2%%2)が付与された購入依頼が携帯電話40に送信される。これを受けた携帯電話40では、この携帯電話40を識別するキーID(m1$3)が含まれた購入依頼が外部サーバ10に送信される(ステップ240)。
【0042】
なお、端末機50にて携帯電話40に対する購入依頼送信処理がなされると、図2(c)に示される購入プログラム300は終了する。また、このようにして端末機50の購入プログラムが終了したとしても、端末機50がナビゲーション装置として機能し続ける場合もある。
【0043】
このようにして購入依頼送信処理がなされた携帯電話40は、ユーザによって車外に持ち出されると、端末機50との間の通信が切断される。そして、携帯電話40では待ち受け処理がなされ(ステップ250)、外部サーバ10からのアクセスがあったか否かが判定される(ステップ260)。すなわち、携帯電話40に外部サーバ10からのアクセスがなければ、携帯電話40では待ち受け処理が繰り返し実行される。
【0044】
一方、上記のようにして携帯電話40を介して端末機50からソフトウェアやコンテンツの購入依頼があると、ネットショップを運営する外部サーバ10でその購入依頼が受付される(ステップ120)。そして、購入依頼があったソフトウェアやコンテンツのデータの送信処理、支払い手続き等の作成処理がなされ(ステップ130)、データの納入処理がなされる(ステップ140)。この納入処理とは、具体的に、携帯電話40を識別するキーID(m1$3)が含まれたデータが外部サーバ10から携帯電話40に送信される。
【0045】
なお、データの納入のための送信処理が終了すると、販売プログラム100はスタートに戻り、外部からの外部サーバ10へのアクセスを待つ状態となる。
【0046】
上記のようにして外部サーバ10からデータが送信されると、上述のように、携帯電話40にてその旨が受信されることとなる。これにより、携帯電話40では、外部サーバ10からアクセスがあったと判定される(ステップ260)。そして、外部サーバ10から送信されるデータが携帯電話40にて受信され、受信されたデータがメモリ部43に記憶される(一時的に格納される)(ステップ270)。なお、このとき、携帯電話40は車両から離れた状態にあり、端末機50と通信不可能な状態になっている。
【0047】
一方、端末機50では、上記購入プログラムが終了した後、ダウンロードプログラムが実行される。すなわち、端末機50では、携帯電話40が通信可能エリアに進入したか否かが判定される(ステップ410)。
【0048】
また、ユーザが、データをメモリ部43に記憶させた携帯電話40を携帯して車両に近づくと、上述のようにBluetooth通信による接続相手を探索する処理がなされる(ステップ280)。これにより、端末機50にて携帯電話40からのアクセスがあったと判定されると(ステップ410)、端末機50では、携帯電話40を識別するキーID(m1$3)によって携帯電話40が通信可能な機器であるかが判定される。こうしてキーIDが確認されることで、携帯電話40および端末機50にて接続完了処理がなされ(ステップ420、ステップ290)、携帯電話40と端末機50との間の通信が再構築されてBluetoothによる通信が可能になる。
【0049】
この後、外部サーバ10から携帯電話40のメモリ部43に一時格納しておいたデータが端末機50にダウンロードされるダウンロード処理がなされる(ステップ295、ステップ430)。このようにして携帯電話40から端末機50にデータが送信される際、データには端末機50を識別するキーID(c2%%2)が含まれており、購入依頼がなされた端末機50であることが照合されてデータがダウンロードされる。すなわち、キーIDが異なる携帯電話が端末機50との通信を可能にしたとしても、その携帯電話に格納されたデータは端末機50にはダウンロードされない。
【0050】
以上のようにして携帯電話40に一時格納されたデータが端末機50にダウンロードされることにより、携帯電話40における一時格納プログラム200が終了し、端末機50におけるダウンロードプログラム400が終了する。
【0051】
以上説明したように、本実施形態では、携帯電話40を介して端末機50から外部サーバ10にアクセスすると共に、外部サーバ10から送信されるデータを携帯電話40にダウンロードして記憶しておくことを特徴としている。これにより、大容量のソフトウェアや、音声データ、地図情報の変更修正等のソフトウェア作成に時間を要するデータのダウンロードが終了するまで携帯電話40を端末機50に接続した状態にしておく必要がなくなり、携帯電話40の所有者が携帯電話40を携帯して車両から離れられたとしても購入したデータをダウンロードし続けることができる。すなわち、端末機50と携帯電話40との接続状態を維持していなくても、データの容量やダウンロード時間に関わらずデータをダウンロードすることができる。
【0052】
以上のように、携帯電話網、無線LAN(Bluetooth)網等に携帯電話40を一時的な格納庫(記憶装置)とすることができる仕組みを設けることにより、端末機50が常にネットワークに接続していなくても、携帯電話40を一時的格納庫として使用することにより、作成までに時間のかかるカスタムデータや端末機50にライセンスを発行したいデータ等や通常のデータを含め、購入およびダウンロードしたものが、携帯電話40に何時でもダウンロードすることができる。
【0053】
(他の実施形態)
上記実施形態では、携帯電話40のメモリ部43にデータをダウンロードしているが、携帯電話40で使用可能な外部メモリにデータを保存するようにしても構わない。このような場合、データと共にキーIDも外部メモリに記憶することにより、外部メモリに記憶されたデータがどの端末機によって要求されたものであるかを判定することができる。
【0054】
上記実施形態では、携帯電話40と端末機50との間を無線通信としているが、有線通信であっても構わない。すなわち、ユーザが携帯電話40を車外に持ち出したとしても、ネットショップで購入したデータは携帯電話40のメモリ部43に一時格納するため、再び携帯電話40を有線で端末機50に接続し、携帯電話40に一時格納したデータを端末機50にダウンロードさせれば良い。
【0055】
また、上記実施形態に示されたダウンロードシステムを用いることにより、例えばMP3等のライセンス付きのデータを購入することができ、携帯電話40内では再生できないが、データが端末機50にダウンロードされて再生可能になるような仕組みも可能となる。つまり、インターネット回線が空いている夜のうちにライセンス付きデータを携帯電話40にダウンロードさせておいても携帯電話40では再生できず、端末機50にダウンロードされて初めて再生可能になるようなライセンス保護の仕組みも可能となる。
【0056】
なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用ダウンロードシステムのシステム構成図である。
【図2】図1の外部サーバ、携帯電話、端末機における各処理の内容を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1…車両用ダウンロードシステム、10…外部サーバ、20…インターネット、30…基地局、40…携帯電話、43…メモリ部、50…車両用端末機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアもしくはコンテンツのデータをオンライン販売するためのe−コマースサイトを備えた外部サーバ(10)と、携帯電話用IDを有する携帯電話(40)と、前記携帯電話用IDを登録すると共に端末機用IDを有する車両用端末機(50)と、を備え、前記携帯電話を介して前記外部サーバにて前記データを購入し、購入したデータを前記車両用端末機にダウンロードする車両用ダウンロードシステムであって、
前記外部サーバは、前記携帯電話から前記携帯電話用IDが含まれた購入依頼を受け付ける手段(120)と、前記携帯電話用IDを含んだ前記購入依頼に応じたデータを前記携帯電話に送信する手段(140)と、を備え、
前記携帯電話は、前記車両用端末機に前記携帯電話用IDを送信し、前記車両用端末機にて、前記車両用端末機にあらかじめ登録された前記携帯電話用IDと前記携帯電話から送信された前記携帯電話用IDとが照合され、一致することを示す信号を受け取った場合、前記携帯電話を介して前記車両用端末機から前記外部サーバへのアクセスを可能にする手段(210、220)と、基地局(30)およびインターネット(20)を介して前記外部サーバにアクセスする手段(230)と、前記車両用端末機から前記端末機用IDが含まれた購入依頼を受け、この購入依頼に前記携帯電話用IDが含まれた購入依頼を前記外部サーバに送信する手段(240)と、前記外部サーバから前記携帯電話用IDが含まれたデータをダウンロードし、ダウンロードしたデータをメモリ部(43)に記憶する手段(270)と、前記データをダウンロードした後、前記車両用端末機に前記携帯電話用IDを送信し、前記車両用端末機にて、前記車両用端末機にあらかじめ登録された前記携帯電話用IDと前記携帯電話から送信された前記携帯電話用IDとが照合され、一致することを示す信号を受け取った場合、再び前記車両用端末機との通信を可能にする手段(280、290)と、前記メモリ部に記憶した前記データのうち前記端末機用IDが含まれたデータを前記車両用端末機に送信する手段(295)と、を備え、
前記車両用端末機は、前記携帯電話から送信される前記携帯電話用IDを受け、前記車両用端末機にあらかじめ登録された前記携帯電話用IDと前記携帯電話から送信された前記携帯電話用IDとを照合し、一致することを示す信号を出力すると共に、前記携帯電話を介して前記車両用端末機から前記外部サーバへのアクセスを可能にする手段(320)と、前記携帯電話を介して前記外部サーバに対して希望するデータを購入する際、前記端末機用IDが含まれた購入依頼を前記携帯電話に送信する手段(330)と、前記購入依頼を行った後に、前記携帯電話との通信が切断されると、その後、再び前記携帯電話から送信される前記携帯電話用IDを受け、前記車両用端末機にあらかじめ登録された前記携帯電話用IDと前記携帯電話から送信された前記携帯電話用IDとを照合し、一致することを示す信号を出力すると共に、前記車両用端末機と前記携帯電話との通信を再構築する手段(420)と、前記携帯電話との通信が再構築された後、前記携帯電話の前記メモリ部に記憶された前記データのうち前記端末機用IDが含まれたデータをダウンロードする手段(430)と、を備えていることを特徴とする車両用ダウンロードシステム。
【請求項2】
ソフトウェアもしくはコンテンツのデータをオンライン販売するためのe−コマースサイトを備えた外部サーバ(10)から、携帯電話用IDが備えられた携帯電話(40)を介してデータを購入およびダウンロードする車両用ダウンロードシステムにおいて用いられ、あらかじめ前記携帯電話用IDを登録すると共に端末機用IDが備えられた車両用端末機であって、
前記車両用端末機は、
前記携帯電話から送信される前記携帯電話用IDを受け、前記車両用端末機にあらかじめ登録された前記携帯電話用IDと前記携帯電話から送信された前記携帯電話用IDとを照合し、一致することを示す信号を出力すると共に、前記携帯電話を介して前記車両用端末機から前記外部サーバへのアクセスを可能にする手段(320)と、
前記携帯電話を介して前記外部サーバに対して希望するデータを購入する際、前記端末機用IDが含まれた購入依頼を前記携帯電話に送信する手段(330)と、
前記購入依頼を行った後に、前記外部サーバから前記携帯電話のメモリ部(43)に前記データがダウンロードされ、前記携帯電話との通信が切断されると、その後、再び前記携帯電話から送信される前記携帯電話用IDを受け、前記車両用端末機にあらかじめ登録された前記携帯電話用IDと前記携帯電話から送信された前記携帯電話用IDとを照合し、一致することを示す信号を出力すると共に、前記車両用端末機と前記携帯電話との通信を再構築する手段(420)と、
前記携帯電話との通信が再構築された後、前記携帯電話の前記メモリ部に記憶された前記データのうち前記端末機用IDが含まれたデータをダウンロードする手段(430)と、を備えていることを特徴とする車両用端末機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−199972(P2007−199972A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17110(P2006−17110)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】