説明

車両用データ通信システム及び車載端末装置並びにセンタ

【課題】燃料等のエネルギ補給後、ユーザがデータ通信完了まで待つ必要がない。
【解決手段】ナビゲーション装置110の制御部119は、記憶部117に記憶されたデータに基づいて、受信中断したデータがあるか判定し、受信中断したデータがあるときに、受信中断した残りのデータの配信要求を、データ更新部310を介してセンタ50に送信する。センタ50の記憶部55は、ナビゲーション装置110から送信された、受信中断した残りのデータの配信要求を記憶し、制御部57は、記憶部55に記憶された配信要求に基づいて、残りのデータを記憶部55から抽出し、データ更新部310を介してナビゲーション装置110に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
燃料補給装置から車両への燃料補給時に、燃料補給装置のデータ更新部を介してセンタとのデータ通信を行う車両用データ通信システム、車載端末装置、センタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガソリンスタンドなどの燃料補給装置から車両への燃料補給時に、燃料補給装置のデータ更新部を介して車両とセンタ間でデータ通信を行う車両用データ通信システムが知られている。この車両用データ通信システムによれば、ガソリンスタンドの燃料補給装置に備えられたデータ配信端末を通じて、車両側にデータの配信を行うので、無線通信を介してデータ通信を行う必要がなく、データ通信時間を短縮することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2003−34201号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この車両用データ通信システムによれば、映像データなどの大容量データを通信する場合、燃料等のエネルギ補給中に全てのデータの通信が完了できないために、エネルギ補給の完了後、データ通信が完了するまでユーザが待たなければならない可能性がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、エネルギ補給後、ユーザがデータ通信完了まで待つ必要のない車両用データ通信システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における車両用データ通信システムは、エネルギ補給装置から車両へのエネルギ補給時に、前記車両とセンタ間で前記エネルギ補給装置のデータ更新部を介してデータ通信を行う車両用データ通信システムにおいて、前記車両は、前記エネルギ補給装置のデータ更新部との通信が可能であることを検知する通信可検知部と、前記通信可検知部により通信可能であることが検知されたときに、前記エネルギ供給装置のデータ更新部を介して前記センタからデータを受信する受信部と、前記受信部が受信したデータを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータに基づいて、前記受信が中断したデータがあるか判定する中断判定部と、前記中断判定部により前記受信が中断していたデータがあると判定されたとき、かつ、前記通信可検知部により通信可能であることが検知されたときに、前記中断した残りのデータの配信要求を前記センタに送信する送信部と、を備えた車載端末装置を備え、前記センタは、前記配信要求を受信する受信部と、前記センタの受信部が受信した前記配信要求を記憶する記憶部と、前記センタの記憶部に記憶された配信要求に基づいて、前記中断した残りのデータを前記車載端末装置に送信する送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
車載端末装置のデータ受信が中断しても、次回のエネルギ補給時に、中断した残りのデータをセンタから受信できるので、エネルギ補給後、ユーザがデータ通信完了まで待つ必要がない。
【0008】
本発明における車載端末装置は、エネルギ補給装置から車両へのエネルギ補給時に、前記エネルギ補給装置のデータ更新部を介してセンタとのデータ通信を行う車載端末装置において、前記車載端末装置は、前記エネルギ補給装置のデータ更新部との通信が可能であることを検知する通信可検知部と、前記通信可検知部により通信可能であることが検知されたときに、前記エネルギ供給装置を介して前記センタからデータを受信する受信部と、前記受信部が受信したデータを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータに基づいて、前記受信が中断したデータがあるか判定する中断判定部と、前記中断判定部により前記受信が中断していたデータがあると判定されたとき、かつ、前記通信可検知部により通信可能であることが検知されたときに、前記中断した残りのデータの配信要求を前記センタに送信する送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
車載端末装置のデータ受信が中断しても、次回のエネルギ補給時に、中断した残りのデータをセンタにリクエストできるので、エネルギ補給後、ユーザがデータ通信完了まで待つ必要がない。
【0010】
本発明におけるセンタは、エネルギ補給装置から車両へのエネルギ補給時に前記車両との間で前記エネルギ補給装置のデータ更新部を介してデータ通信を行うセンタにおいて、前記センタは、前記データ通信が中断した残りのデータの配信要求を前記車両から受信する受信部と、前記受信部が受信した前記配信要求を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された配信要求に基づいて、前記中断した残りのデータを前記車載端末装置に送信する送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
車載端末装置のデータ受信が中断しても、次回のエネルギ補給時に、中断した残りのデータをセンタが車載端末装置に送信するので、エネルギ補給後、ユーザがデータ通信完了まで待つ必要がない。
【発明の効果】
【0012】
エネルギ補給後、ユーザがデータ通信完了まで待つ必要がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明における車両用データ通信システムの構成について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本実施形態における車両用データ通信システム1の構成を示すブロック図である。車両用データ通信システム1は、車両10、エネルギ補給装置としてガソリン等の燃料補給装置30、センタ50を有する。
【0015】
車両10は、燃料補給装置30から補給される燃料を用いて走行することができる。また、車両10は、燃料補給装置30を介して、センタ50と各種データの通信を行う。
【0016】
燃料補給装置30は、ガソリンスタンドなどの所定の場所に設置されており、車両10への燃料の補給を行う。また、燃料補給装置30を経由することで、車両10とセンタ50が各種データの通信を行うことができる。
【0017】
センタ50は、車両10との間で、各種データの通信を行う。
【0018】
次に、本実施形態における車両用データ通信システムについて、図1を参照して、より詳細に説明する。
【0019】
まず、車両10の構成について説明する。車両10は、ナビゲーション装置110、及び燃料タンク130を有する。
【0020】
燃料タンク130は、車両10が走行するための燃料を貯留する。燃料は、車両側面に取り付けられた注入口から燃料タンク130に注入される。
【0021】
ナビゲーション装置110は、検知部111、送信部113、受信部115、記憶部117、及び制御部119を有する。ナビゲーション装置110は、図示しないディスプレイ及び図示しないスピーカの制御を行うことによって、ユーザに対し経路案内を行う。また、ナビゲーション装置は、燃料補給装置30を介して、センタ50との間で各種データの通信を行う。
【0022】
検知部111は、燃料補給装置30の燃料注入部330から燃料タンク130に燃料が補給されているか検知する。燃料注入部330から燃料タンク130に燃料が補給されていると検知すると、検知部111は、燃料補給中であることを示す検知情報をナビゲーション装置120に送信する。検知部111は、例えば、注入口の近傍に設置された押しボタンなどのスイッチが、燃料注入部330を燃料タンク130に挿入したときにオンされることで、燃料補給中であると検知することが好適である。
【0023】
送信部113は、燃料補給装置30を介して、センタ50に各種データを送信する。送信部113は、注入口の近傍に設置されたコネクタを介して、燃料補給装置30の有するデータ更新部310の受信部313に接続され、受信部313にデータを送信する。
【0024】
なお、検知部111は、燃料補給装置30と通信が可能であることを検知できれば(通信可検知手段として機能すれば)、どのような手段であってもよい。すなわち、後述するように、コネクタを介し、燃料補給装置30のデータ更新部310と接続されたことを検出してもよい。
【0025】
受信部115は、燃料補給装置30を介して、センタ50から各種データを受信する。受信部115は、注入口の近傍に設置されたコネクタを介して、燃料補給装置30の有するデータ更新部310の送信部315に接続され、送信部315からデータを受信する。
【0026】
記憶部117は、受信部115が受信した各種データを記憶する。
【0027】
受信部115が受信し、記憶部117に記憶される各種データは、地図データ、音楽データ、施設データなどである。
【0028】
受信部115が受信し、記憶部117に記憶される各種データは、データ情報及びインデックス情報を含む。データ情報は、地図データにおける画像、音楽データにおける音声など、ディスプレイまたはスピーカから実際に表示または報知される情報である。データ情報は、N分割された単位データの群からなる。各単位データにはそれぞれ番号が付与されている。受信部115は各単位データを個別に受信し、記憶部117は各単位データを個別に記憶することができる。
【0029】
ここで、インデックス情報には、データの先頭部分に配置され、そのデータに含まれる単位データ数Nについての情報を含む、データの構成情報が含まれており、インデックス情報も記憶部117に記憶される。そこで、制御部119は、受信部115においてN個の単位データを受信したことで、データ受信終了を認識する。また、単位データごとに開始・終了の識別子を付与したり、固定長としたり、インデックス情報に各単位データの大きさを記載しておいたりすることで、制御部115は各単位データの受信終了を認識できる。
【0030】
そして、記憶部117は、単位データの受信完了毎に、先のデータに連続してデータを記憶していく。従って、記憶部117が全データを記憶したときには、記憶されたデータは単位データに分割される前の状態に戻る。なお、制御部119は、全てのデータ受信終了を認識したときに、データ情報について、1つの連続したデータとして記憶し直してもよい。なお、制御部119は、データの受信中においては、記憶したデータについてどこまで記憶したかを、受信完了情報として記憶部117に記憶させておく。
【0031】
制御部119は、記憶部117に記憶されたデータに基づいて、ディスプレイ及びスピーカを制御し、ユーザに対し経路案内を行う。また、制御部119は、記憶部117に記憶されたデータの中に受信が中断したものがあるか判定し、中断したものがあると判定したときに、中断した残りのデータの配信要求を、送信部113から燃料補給装置30を介してセンタ50に送信する。
【0032】
すなわち、制御部119は、記憶部117に記憶された各データのインデックス情報に含まれる、構成情報と受信完了情報を比較し、受信完了情報に含まれない番号が構成情報に含まれる場合に、この番号に対応するデータの配信要求をセンタ50に送信する。例えば、制御部119は、全単位データ1〜Nのうち、番号1〜iまでが記憶部117に記憶された受信完了情報に含まれるときは、番号i+1〜Nまでの単位データの配信要求をセンタ50に送信する。なお、データについての識別は、そのインデックス情報にある識別番号、名称、配信データ番号等で特定される。
【0033】
次に、燃料補給装置30について、図1を参照して説明する。
【0034】
燃料補給装置30は、データ更新部310、及び燃料注入部330を有する。
【0035】
燃料注入部330は、車両10の燃料タンク130に燃料を注入するためのノズルである。ユーザまたはガソリンスタンドの店員などが燃料注入部330のノズルを車両10の注入口に挿入し、所定の操作を行うことによって、燃料注入部330から燃料タンク130に燃料が補給される。
【0036】
データ更新部310は、ナビゲーション装置110と各種データの通信を行う。データ更新部310は、受信部313、送信部315、受信部317、送信部319、及び記憶部321を有する。受信部313及び送信部315は、燃料注入部330の近傍に設置されており、燃料注入部330から燃料タンク130への燃料補給時に、車両10のコネクタに接続される。
【0037】
受信部313は、車両10の注入口の近傍に設置されたコネクタを介して、ナビゲーション装置110の送信部113に接続される。受信部313は、送信部113と接続されているときに、送信部113からデータの配信要求を受信する。
【0038】
送信部315は、車両10の注入口の近傍に設置されたコネクタを介して、ナビゲーション装置110の受信部115に接続される。送信部315は、受信部115と接続されているときに、記憶部321に記憶された各種データを受信部115に送信する。
【0039】
受信部317は、センタ50から送信された各種データを受信する。
【0040】
送信部319は、記憶部321に記憶された配信要求をセンタ50に送信する。
【0041】
記憶部321は、受信部313がナビゲーション装置110から受信した配信要求、及び受信部317がセンタ50から受信した各種データを記憶する。記憶部321は、送信部315からナビゲーション装置110に送信済みの各種データ、及び送信部319からセンタ50に送信済みの配信要求を消去し、送信していない各種データ及び配信要求のみ記憶する。
【0042】
制御部311は、受信部313、送信部315、受信部317、送信部319、及び記憶部321を制御する。すなわち、制御部311は、受信部313がナビゲーション装置110から受信した配信要求、及び受信部317がセンタ50から受信した各種データを記憶部321に記憶させる。また、制御部311は、記憶部321に記憶された各種データを、送信部315からナビゲーション装置110に送信させ、記憶部321に記憶された配信要求を、送信部319からセンタ50に送信させる。制御部311は、ナビゲーション装置110に送信するデータのうち、まず構成情報を送信させ、その後、分割された単位データと、各単位データに対応する受信完了情報を順次送信させる。
【0043】
次に、センタ50について、図1を参照して説明する。センタ50は、車両10のナビゲーション装置110から燃料補給装置30を介して受信した配信要求に基づいて、ナビゲーション装置110に燃料補給装置30を介して各種データを送信する。また、センタ50は、ナビゲーション装置110から、受信中断した残りのデータの配信要求を受信したときには、残りのデータをナビゲーション装置に送信する。
【0044】
センタ50は、受信部51、送信部53、記憶部55、及び制御部57を有する。
【0045】
受信部51は、データ更新部310の送信部319から送信された配信要求を受信する。
【0046】
送信部53は、記憶部55に記憶された各種データを、データ更新部310の受信部317に送信する。
【0047】
記憶部55は、燃料補給装置30を介してナビゲーション装置110に送信される各種データを記憶する。また、記憶部は、受信部51がデータ更新部310から受信した配信要求を記憶する。
【0048】
制御部57は、記憶部55に記憶された配信要求を読み出し、読み出した配信要求に応じて、送信部53からデータ更新部310に各種データを送信させる。制御部57は、データ更新部310に送信するデータのうち、まず構成情報を送信させ、その後、分割された単位データと、各単位データに対応する受信完了情報を順次送信させる。
【0049】
制御部57が記憶部55から読み出した配信要求が、ナビゲーション装置110が受信中断した残りのデータの配信要求であるときには、この配信要求に応じて、ナビゲーション装置110が受信中断した残りのデータを記憶部55に記憶された各種データから読み出し、送信部53からデータ更新部310に送信させる。例えば、制御部57は、記憶部55に記憶された番号i+1〜Nまでの単位データの配信要求を読み出したときには、番号i+1〜Nに対応する単位データと、各単位データに対応する受信完了情報を記憶部55から読み出し、送信部53から送信させる。
【0050】
次に、本実施形態における車両用データ通信システム1の動作について、図2〜図4のフローチャートを参照して説明する。
【0051】
まず、図2を参照して、ナビゲーション装置110が受信中断した残りのデータの配信要求を送信する際の動作について説明する。
【0052】
まず、S11において、検知部111は、検知スイッチがオンか検知することにより、ナビゲーション装置110がデータ更新部310と通信可能か検知する。通信可能と検知されなかったときには、ナビゲーション装置110は今回の動作を終了する。通信可能と検知されたときには、S12に進む。
【0053】
S12では、制御部119は、記憶部117に記憶されたデータを読み出し、各データの構成情報と受信完了情報を比較して、受信が中断したデータがあるか判定する。受信が中断したデータがないと判定されたときは、ナビゲーション装置110は今回の処理を終了する。受信が中断したデータがあると判定されたときは、S13に進む。
【0054】
S13では、制御部119は、受信が中断したデータの構成情報及び受信完了情報に基づいて、受信中断した残りのデータの配信要求を作成する。そして、制御部119は、作成した残りのデータの配信要求を、送信部113を介してデータ更新部310に送信する。
【0055】
次に、S14では、受信部115が、センタ50からデータ更新部310を経由して送信された、受信中断した残りのデータを受信する。そして、制御部119は、受信部115が受信したデータを記憶部119に記憶させる。以上で、ナビゲーション装置110は今回の配信要求送信のための動作を終了する。
【0056】
次に、図3を参照して、データ更新部310が配信要求及び各種データを送信する際の動作について説明する。
【0057】
まず、S31において、制御部311は、記憶部321に、ナビゲーション装置110から送信された配信要求が記憶されているか判定する。記憶部321に配信要求が記憶されているときには、S32に進む。記憶部321に配信要求が記憶されていないときには、S33に進む。
【0058】
S32では、制御部311は、記憶部321に記憶された配信要求を、送信部319を介してセンタ50に送信する。そして、制御部311は、センタ50に送信した配信要求を記憶部321から消去する。
【0059】
次に、S33において、制御部311は、記憶部321に、センタ50から送信されたデータが記憶されているか判定する。記憶部321にセンタ50から送信されたデータが記憶されていないときは、今回の動作を終了する。記憶部321にセンタ50から送信されたデータが記憶されているときには、S34に進む。
【0060】
S34では、制御部311は、記憶部321に記憶されたデータを、送信部315を介してナビゲーション装置110に送信する。そして、制御部311は、ナビゲーション装置110に送信したデータを記憶部321から消去する。以上で、データ更新部310は、今回の配信要求及び各種データの送信のための動作を終了する。
【0061】
次に、図4を参照して、ナビゲーション装置110が受信中断した残りのデータを、センタ50が送信する際の動作について説明する。
【0062】
まず、S51において、制御部57は、記憶部55に受信中断した残りのデータの配信要求が記憶されているか判定する。配信要求が記憶部55に記憶されていないときは、今回の動作を終了する。配信要求が記憶部55に記憶されているときには、S52に進む。
【0063】
次に、S52では、制御部57は、記憶部55に記憶された配信要求に基づいて、ナビゲーション装置110が受信中断した残りのデータを、記憶部55から抽出する。
【0064】
次に、S53において、制御部57は、記憶部55から抽出された、ナビゲーション装置が受信中断した残りのデータを、送信部53を介してデータ更新部310に送信する。以上で、センタ50は、今回のデータ送信のための動作を終了する。
【0065】
なお、上記実施形態では、検知部111が、検知スイッチがオンか検知することによって、ナビゲーション装置110がデータ更新部310と通信可能か検知する構成としたが、データ更新部310とナビゲーション装置110がコネクタを介して接続されたときに、データ更新部310の制御部311が送信部315を介してナビゲーション装置110に所定の信号を送信し、受信部115が所定の信号を受信したときに、ナビゲーション装置110の制御部119が通信可能と検知してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、ナビゲーション装置110とデータ更新部310がコネクタを介して接続されたときに通信を行う構成としたが、ナビゲーション装置110とデータ更新部310が、車両の注入口近傍に設置されたコイルアンテナと、燃料注入部330のノズル近傍に設置されたコイルアンテナを介して、無線通信を行ってもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、車両に搭載される車載端末装置をナビゲーション装置としたが、センタからデータを受信して動作するものであれば、ナビゲーション装置に限らなくてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、燃料補給装置30が注入口の近傍に設置されたコネクタ、またはコイルアンテナを介して車両と通信可能になったときにデータ通信を行うので、ホットスポット等での無線通信と比べて少ない電力で通信可能であることを検知できる。
【0069】
上記実施形態では、車両への燃料補給時にデータ通信を行う構成としたが、エネルギ補給時にデータ通信を行うものであれば、燃料補給時に限らなくてもよい。例えば、充電スタンド等に設置された電気エネルギ補給装置から車両への電力エネルギ補給時にデータ通信を行う構成としてもよい。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、車載端末装置のデータ受信が中断しても、次回のエネルギ補給時に、受信中断した残りのデータの配信要求を車載端末装置がセンタに送信し、センタが配信要求に応じて残りのデータを送信し、車載端末装置がセンタから残りのデータを受信できるので、エネルギ補給後、ユーザがデータ通信完了まで待つ必要がない。
【0071】
また、データを受信する車載端末装置が、受信を中断した残りのデータを判別するので、車載端末装置は受信中断した残りのデータを確実に受信できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】車両用データ通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】燃料補給装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】センタの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1 車両用データ通信システム、10 車両、30 燃料補給装置、50 センタ、55 記憶部、57 制御部、110ナビゲーション装置、111 検知部、117 記憶部、119 制御部、120 ナビゲーション装置、130 燃料タンク、310 データ更新部、311 制御部、321 記憶部、330燃料注入部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギ補給装置から車両へのエネルギ補給時に、前記車両とセンタ間で前記エネルギ補給装置のデータ更新部を介してデータ通信を行う車両用データ通信システムにおいて、
前記車両は、
前記エネルギ補給装置のデータ更新部との通信が可能であることを検知する通信可検知部と、
前記通信可検知部により通信可能であることが検知されたときに、前記エネルギ供給装置のデータ更新部を介して前記センタからデータを受信する受信部と、
前記受信部が受信したデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたデータに基づいて、前記受信が中断したデータがあるか判定する中断判定部と、
前記中断判定部により前記受信が中断していたデータがあると判定されたとき、かつ、前記通信可検知部により通信可能であることが検知されたときに、前記中断した残りのデータの配信要求を前記センタに送信する送信部と、
を備えた車載端末装置を備え、
前記センタは、
前記配信要求を受信する受信部と、
前記センタの受信部が受信した前記配信要求を記憶する記憶部と、
前記センタの記憶部に記憶された配信要求に基づいて、前記中断した残りのデータを前記車載端末装置に送信する送信部と、
を備えた、
車両用データ通信システム。
【請求項2】
エネルギ補給装置から車両へのエネルギ補給時に、前記エネルギ補給装置のデータ更新部を介してセンタとのデータ通信を行う車載端末装置において、
前記車載端末装置は、
前記エネルギ補給装置のデータ更新部との通信が可能であることを検知する通信可検知部と、
前記通信可検知部により通信可能であることが検知されたときに、前記エネルギ供給装置を介して前記センタからデータを受信する受信部と、
前記受信部が受信したデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたデータに基づいて、前記受信が中断したデータがあるか判定する中断判定部と、
前記中断判定部により前記受信が中断していたデータがあると判定されたとき、かつ、前記通信可検知部により通信可能であることが検知されたときに、前記中断した残りのデータの配信要求を前記センタに送信する送信部と、
を備えた、
車載端末装置。
【請求項3】
エネルギ補給装置から車両へのエネルギ補給時に前記車両との間で前記エネルギ補給装置のデータ更新部を介してデータ通信を行うセンタにおいて、
前記センタは、
前記データ通信が中断した残りのデータの配信要求を前記車両から受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記配信要求を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された配信要求に基づいて、前記中断した残りのデータを前記車載端末装置に送信する送信部と、
を備えた、
センタ。
【請求項4】
請求項1記載の車両用データ通信システムにおいて、
前記エネルギ補給装置は、燃料補給装置であることを特徴とする車両用データ通信システム。
【請求項5】
請求項2記載の車載端末装置において、
前記エネルギ補給装置は、燃料補給装置であることを特徴とする車載端末装置。
【請求項6】
請求項3記載のセンタにおいて、
前記エネルギ補給装置は、燃料補給装置であることを特徴とするセンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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