説明

車両用ドアシャーシのテープ付着装置

【課題】車両用ドアシャーシにテープを付着するためのテープ付着装置を提供すること。
【解決手段】ベース体1の上部には、ガイドバー11及び加圧ローラー支持台12によって長方形の加圧ローラー設置キャップ4が一体に形成され、ベース体1及び加圧ローラー設置キャップ4の内側には、外周に加圧ローラー5の設置された加圧ローラー支持軸51を位置させて、加圧ローラー支持軸51の一側に弾性部材14を付勢させて形成する車両用ドアシャーシのテープ付着装置において、長方形の加圧ローラー設置キャップ4の一側の両側部を面取りして切開面41を形成した後、その外周面に軟質のクッション材42を被覆し、加圧ローラー5の後方に位置した加圧ローラー支持台12に静電気防止用のプラスチックパンネル43を付着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアシャーシにテープを付着するためのテープ付着装置に係り、さらに詳細には、前記テープ付着装置の構成を改善して、作業時にドアに発生し得る傷を予防すると共に、静電気による作業性の低下を防止するためのテープ付着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両のドアシャーシの内面を無光沢の黒色コーティングで塗装するが、塗装作業に必要な設備、作業環境などを考慮して塗装作業をせず、車両用ドアシャーシのテープ付着装置を利用してドアシャーシの内面にテープを付着する手法がある。
【0003】
従来、特許文献1に開示されているように、車両用ドアシャーシのテープ付着装置が開発され、テープを付着させるための加圧ローラーをゴムのような弾性材質から形成して、加圧部材そのものの弾性力及び前記加圧ローラーを可変させる弾性部材によって迅速かつ容易にテープを付着させている。
【0004】
すなわち、特許文献1によると、第1支持ローラー設置台及びベース体が第1調整ネジによって設置されて、前記第1支持ローラー設置台の上部に複数の第1支持ローラーがボルト結合されると共に、その一側に第2支持ローラーが回転自在に結合された第2支持ローラー設置台が一体に形成され、前記ベース体の上部には、ガイドバーによって加圧ローラー設置キャップが設置される。
【0005】
前記ベース体及び加圧ローラー設置キャップの内側には、外周に加圧ローラーが設置された加圧ローラー支持軸の上端及び下端をベース体の設置部及び加圧ローラー設置キャップの設置部とそれぞれ一致させて、その一側を第1弾性部材で弾発させて形成する車両用ドアシャーシのテープ付着装置において、前記加圧ローラー支持軸の両端部が設置されるベース体の設置部及び加圧ローラー設置キャップの設置部のそれぞれを格子状に形成して、前記設置部内に加圧ローラー支持軸の上端及び下端を載置させると共に、第1弾性部材を弾発させ、前記設置部の一端に弾性部材調整ボルトを螺合させて、前記弾性部材調整ボルトのネジの移動によって第1弾性部材の弾性力が調節されて、加圧ローラー支持軸の弾性の流動を制御する。
【0006】
前記第1支持ローラー設置台及び第2支持ローラー設置台は、所定の位置の同一線上に弾性部材設置穴をそれぞれ形成した後、前記弾性部材設置穴の内側に第2弾性部材を挿入して、前記第2弾性部材の両側部を弾性部材固定体及び弾性部材固定ボルトで固定して、第2支持ローラー設置台が第1支持ローラー設置台に弾性支持される構造を有する。
【0007】
【特許文献1】大韓民国特許出願第10−2005−0029295号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記のような従来のテープ付着装置は、加圧ローラーの上部に加圧ローラー設置キャップが長方形に形成されているため、ドアシャーシをテープと共に、加圧ローラーと複数の第2支持ローラーを有する第2支持ローラー設置台との間に経由させるとき、前記ドアシャーシのドアの一側面が長方形の加圧ローラー設置キャップの両側のエッジ部と摩擦して損傷したり、それと同時に、加圧ローラー設置キャップの一側面と摩擦して移動することによって傷が発生するという問題があった。
【0009】
そして、前記テープの付着時、加圧ローラーの連続的な回転及び摩擦によって多量の静電気がドアシャーシ及び加圧ローラーに発生するが、このとき、前記静電気は、テープがドアシャーシに容易に付着することを妨害する要因となった。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、特に、ドアシャーシによるテープの付着時、ドアシャーシの上部に形成されたドアがテープ付着装置の加圧ローラー設置キャップと摩擦して損傷することを防止し、さらに、加圧ローラーから発生する静電気を最小化することによって、テープを安定的にドアシャーシに付着させることが可能な、新規かつ改良された車両用ドアシャーシのテープ付着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1支持ローラー設置台2及びベース体1が第1調整ネジ21によって結合され、前記第1支持ローラー設置台2の上部に複数の第1支持ローラー22がボルト結合されると共に、その一側に第2支持ローラー31が回転自在に結合された第2支持ローラー設置台3が弾性部材32によって一体に形成され、前記ベース体1の上部には、ガイドバー11及び加圧ローラー支持台12によって長方形の加圧ローラー設置キャップ4が一体に形成され、前記ベース体1及び加圧ローラー設置キャップ4の内側には、外周に加圧ローラー5の設置された加圧ローラー支持軸51を位置させて、その上端及び下端をベース体1の設置部13及び加圧ローラー設置キャップ4の設置部13にそれぞれ設置させると共に、加圧ローラー支持軸51の一側に弾性部材14を付勢させて形成する車両用ドアシャーシのテープ付着装置において、前記長方形の加圧ローラー設置キャップ4の一側の両側部を面取りして切開面41を形成した後、その外周面に軟質のクッション材42を被覆し、前記加圧ローラー5の後方に位置した加圧ローラー支持台12に静電気防止用のプラスチックパンネル43を付着してなる車両用ドアシャーシのテープ付着装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車両用ドアシャーシのテープ付着装置に形成された加圧ローラー設置キャップの一側の両端部を面取りして切開面を形成した後、その外周面にクッション材を被覆することによって、ドアシャーシのテープ付着時、ドアシャーシの上部に形成されているドアが前記加圧ローラー設置キャップと摩擦して移動しても、それによる傷が発生しないため、ドアの損傷を防止し、不良率を最小化することができる。
【0013】
さらに、本発明によれば、前記加圧ローラー支持台にプラスチックパネルを設置して、加圧ローラーから発生する静電気を除去することによって、テープが静電気によってドアシャーシに不安定に付着することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
以下、図1〜図3に基づいて、本発明の一実施形態にかかる車両用ドアシャーシのテープ付着装置について説明する。図1は、テープ付着装置を示す斜視図である。また、図2は、テープ付着装置の使用状態を示す断面図である。また、図3は、テープ付着装置を示す組み立て図である。
【0016】
図2に示すように、通常、加圧ローラー5と第2支持ローラー設置台3との間にドアシャーシaを位置させた後、前記加圧ローラー5とドアシャーシaとの間にテープbを位置させて、前記テープbの接着面をドアシャーシaの一側に接着させると共に、前記付着装置をドアシャーシaに沿って移動させつつ、加圧ローラー5でテープbを連続的にドアシャーシaの一側面に加圧して付着させる。
【0017】
このとき、本発明は、前記加圧ローラー5の上部に位置した加圧ローラー設置キャップ4の一側の両端部に切開面41を形成した後、その外周面に軟質のクッション材42を被覆することによって、ドアシャーシaのドアcが前記加圧ローラー設置キャップ4と摩擦して損傷することを防止した。
【0018】
すなわち、図2では、ドアシャーシa及びドアcを概略的に示しているが、実質的に、ドアシャーシaの上部に車両用ドアcが一体に形成されているので、前記付着装置を利用してテープbを付着するとき、加圧ローラー5の上部の加圧ローラー設置キャップ4の一側面がドアシャーシaのドアcと密着しつつ、作業が行われる。
【0019】
したがって、従来には、ドアシャーシaに沿って付着装置を移動させるとき、加圧ローラー設置キャップ4の両端部のエッジ部がドアシャーシaのドアcの表面と摩擦することによってドアシャーシaのドアcを損傷させたが、本実施形態では、前記加圧ローラー設置キャップ4の一側の両端部に切開面41を形成した後、その外周面にシリコンまたはゴム材のような軟質のクッション材42を被覆することによって、ドアcが加圧ローラー設置キャップ4と摩擦しても、前記クッション材42によって損傷することを防止した。
【0020】
また、本実施形態では、前記加圧ローラー支持台12の一側面にプラスチックパネル43が一体に形成される。したがって、前記加圧ローラー5がテープを加圧しつつ長期間回転するときに、テープとの摩擦による静電気が発生するが、前記プラスチックパネル43は、その静電気を吸収して分散させる役割を行う。
【0021】
すなわち、前記加圧ローラーが長期間テープと摩擦しつつ回転するとき、多量の静電気を発生するが、このような静電気は、以後に発生し得るテープの浮き現象を誘発して、テープ付着作業時に不良を引き起こす。
【0022】
したがって、本実施形態は、前記加圧ローラーから発生する静電気を最小化するために、加圧ローラーの後方に位置した加圧ローラー支持台の一側面にプラスチックパネルを形成して、加圧ローラーから発生する静電気をプラスチックパネルに誘導して吸収することによって前記問題を防止するようにした。
【0023】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】テープ付着装置を示す斜視図である。
【図2】本発明のテープ付着装置の使用状態を示す断面図である。
【図3】本発明のテープ付着装置を示す組み立て図である。
【符号の説明】
【0025】
1 ベース体
2 第1支持ローラー設置台
3 第2支持ローラー設置台
4 加圧ローラー設置キャップ
11 ガイドバー
12 加圧ローラー支持台
13 設置部
14 弾性部材
21 第1調整ネジ
22 第1支持ローラー
31 第2支持ローラー
32 弾性部材
41 切開面
42 クッション材
43 プラスチックパネル
A ドアシャーシ
B テープ
C ドア


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1支持ローラー設置台(2)及びベース体(1)が第1調整ネジ(21)によって結合され、前記第1支持ローラー設置台(2)の上部に複数の第1支持ローラー(22)がボルト結合されると共に、その一側に第2支持ローラー(31)が回転自在に結合された第2支持ローラー設置台(3)が弾性部材(32)によって一体に形成され、前記ベース体(1)の上部には、ガイドバー(11)及び加圧ローラー支持台(12)によって長方形の加圧ローラー設置キャップ(4)が一体に形成され、
前記ベース体(1)及び加圧ローラー設置キャップ(4)の内側には、外周に加圧ローラー(5)の設置された加圧ローラー支持軸(51)を位置させて、その上端及び下端をベース体(1)の設置部(13)及び加圧ローラー設置キャップ(4)の設置部(13)にそれぞれ設置させると共に、加圧ローラー支持軸(51)の一側に弾性部材(14)を付勢させて形成する車両用ドアシャーシのテープ付着装置において、
前記長方形の加圧ローラー設置キャップ(4)の一側の両側部を面取りして切開面(41)を形成した後、その外周面に軟質のクッション材(42)を被覆し、
前記加圧ローラー(5)の後方に位置した加圧ローラー支持台(12)に静電気防止用のプラスチックパンネル(43)を付着してなることを特徴とする車両用ドアシャーシのテープ付着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−248821(P2009−248821A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100664(P2008−100664)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(508107951)光成企業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】