説明

車両用ドアミラー装置

【課題】自車両のドライバーに対して発光ユニットの光表示部からの光による視認を損なうことなく、自車両の周囲の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に違和感を与えるようなことがない車両用ドアミラー装置を提供する。
【解決手段】ベース2と、ミラーアセンブリ3と、発光ユニットと、を備える。発光ユニットの光表示部の発光面が、車両の前後方向に対して、前方に向いている。この結果、自車両のドライバーに対して発光ユニットの光表示部からの光による視認を損なうことなく、自車両の周囲の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に違和感を与えるようなことがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のドアに装備される車両用ドアミラー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インジケータシステムの発光ユニットを備えた車両用ドアミラー装置は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。以下、従来の車両用ドアミラー装置について説明する。従来の車両用ドアミラー装置は、インジケータシステムの作用により、発光ユニットが発光すると、発光ユニットの光表示部から光が放射されてウインドウガラスを透過して車内のドライバーや同乗者の目に届く。これにより、ドライバーや同乗者が光表示部からの光を視認して自車両の周囲環境の状況、たとえば、自車両に他車両や物や人が近づくことを認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−23652号公報
【特許文献2】特開2005−346372号公報
【特許文献3】特表2007−537916号公報
【特許文献4】米国特許第7492281号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の車両用ドアミラー装置は、発光ユニットの光表示部から放射される光が自車両の周囲の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に視認されて違和感を与える場合がある。そこで、発光ユニットの光表示部からの光が他車両のドライバーや同乗者や歩行者に放射されないような手段を設けると、自車両のドライバーに対して発光ユニットの光表示部からの光による視認を損なうことがある場合がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、自車両のドライバーに対して発光ユニットの光表示部からの光による視認を損なうことなく、自車両の周囲の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に違和感を与えるようなことがない車両用ドアミラー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、車両のドアに固定されるベースと、ベースに設けられているミラーアセンブリと、ミラーアセンブリに設けられていて、光表示部を有する発光ユニットと、を備え、光表示部の発光面が、車両の前後方向に対して、前方に向いている、ことを特徴とする。
【0007】
この発明(請求項2にかかる発明)は、車両のドアに固定されるベースと、ベースに設けられているミラーアセンブリと、ミラーアセンブリに設けられていて、光表示部を有する発光ユニットと、を備え、光表示部の発光面が、ミラーアセンブリよりも、車両の左右方向の外側に位置する、ことを特徴とする。
【0008】
この発明(請求項3にかかる発明)は、ミラーアセンブリのうち、発光ユニットの近傍には、板部材が設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用ドアミラー装置は、光表示部の発光面が車両の長さ方向の番線に対して車両の前側に向いているので、光表示部の発光面からの光が車両の長さ方向の番線に対して車両の前側に放射される。この結果、自車両のドライバーに対して、光表示部の発光面からの光による視認を損なうことなく、自車両の周囲のうち特に後側の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に違和感を与えるようなことがない。
【0010】
この発明(請求項2にかかる発明)の車両用ドアミラー装置は、光表示部の発光面がミラーアセンブリよりも車両の左右方向の外側に位置するので、光表示部の発光面からの光が発光面より車両の後側のミラーアセンブリで遮蔽される。この結果、自車両のドライバーに対して、光表示部の発光面からの光による視認を損なうことなく、自車両の周囲のうち特に後側の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に違和感を与えるようなことがない。
【0011】
この発明(請求項3にかかる発明)の車両用ドアミラー装置は、発光ユニットの近傍に設けられている板部材により、発光ユニットからの光が光表示部以外から漏れるのを防ぐことができる。この結果、自車両のドライバーに対して、光表示部の発光面からの光による視認をさらに確実に損なうことなく、自車両の周囲のうち特に後側の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に違和感をさらに確実に与えるようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態1を示した正面図である。
【図2】図2は、車両の左側のドアに装備される車両用ドアミラー装置を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】図4は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態2を示した要部の断面図(図2におけるIII−III線断面図に対応する断面図)である。
【図5】図5は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態3を示した要部の断面図(図2におけるIII−III線断面図に対応する断面図)である。
【図6】図6は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態4を示した要部の分解斜視図である。
【図7】図7は、組み立てた状態の要部の一部断面図(図1におけるVII−VII線断面図に対応する断面図)である。
【図8】図8は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態5を示したミラー面のセット角の平面説明図である。
【図9】図9は、右側ハンドルにおける、運転席側の光表示部の輝度中心角度、助手席側の光表示部の輝度中心角度、運転席から運転席側の光表示部を見た角度、運転席から助手席側の光表示部を見た角度をそれぞれ示す説明平面図である。
【図10】図10は、右側ハンドルにおける、運転席側の光表示部の輝度中心角度、助手席側の光表示部の輝度中心角度、運転席から運転席側の光表示部を見た角度、運転席から助手席側の光表示部を見た角度をそれぞれ示す説明断面図(図2におけるIII−III線断面図に対応する説明断面図)である。
【図11】図11は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態6を示した左側ハンドルにおける各角度の平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この明細書および特許請求の範囲において、「上、下、前、後、左、右」とは、この発明にかかる車両用前照灯を車両(自動車)に取り付けた際の車両の「上、下、前、後、左、右」である。さらに、図中の符号「V−V」は、車両Cの長さ方向(前後方向)の番線である。「H−H」は、車両Cの幅方向(左右方向)の番線である。
【0014】
(実施形態1の構成の説明)
図1〜図3は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態1を示す。以下、この実施形態1における車両用ドアミラー装置の構成について説明する。図において、符号1Lは、この実施例1における車両用ドアミラー装置である。前記車両用ドアミラー装置1Lは、車両(自動車)Cの左側のドアDLに装備される(図8参照)。以下、左側の車両用ドアミラー装置1Lについて説明する。なお、右側の車両用ドアミラー装置の構成は、左側の車両用ドアミラー装置1Lの構成とほぼ左右が逆となるので、説明を省略する。
【0015】
前記車両用ドアミラー装置1Lは、ベース2と、ミラーアセンブリ3と、発光ユニット4と、を備えるものである。前記ベース2は、前記ドアDLに固定されている。前記ベース2には、前記ミラーアセンブリ3がステー5を介して設けられている。前記ミラーアセンブリ3は、一面(正面であって、車両Cに対して後側の面)が開口したミラーハウジング6とカバー7とを備える。
【0016】
前記カバー7は、意匠カバー(スカルキャップ)であって、前記ミラーハウジング6より一回り大きい形状をなす。前記カバー7は、前記ミラーハウジング6の他面を覆うように取り付けられている。すなわち、前記カバー7は、前記ミラーハウジング6に嵌合密着している。前記ミラーハウジング6の開口部には、ミラー8が上下左右に傾動可能に設けられている。前記ミラーハウジング6の開口部のうち車両Cの外側の縁部には、長方形の窓部9が設けられている。
【0017】
前記発光ユニット4は、導光板14と、光源(図示せず)と、を備える。前記導光板14の一端部には、光表示部10が設けられている。前記光源は、前記導光板14の他端に設けられている。前記発光ユニット4は、前記ミラーアセンブリ3のうち車両Cの外側の箇所に設けられている。前記光表示部10は、前記窓部9に配置されている。
【0018】
前記発光ユニット4は、インジケータシステム(図示せず)の発光ユニットである。前記インジケータシステムは、自車両の周囲の環境を検出する検出部(たとえば、カメラやレーダーなど)と、前記検出部からの検出信号に基づいて前記発光ユニット4を発光させるか否かを判断する判断部(たとえば、マイクロコンピュータやカーナビのコンピュータやECUなど)と、前記判断部からの発光信号により発光する前記発光ユニット4と、を備えるものである。
【0019】
前記検出部は、自車両Cの周囲の他車両や物や人を検出してその検出信号を前記判断部に出力する。前記判断部は、前記検出部からの検出信号に基づいて、他車両や物や人が自車両Cに近づいているか否かを判断して、近づいていると判断したときには発光信号を前記発光ユニット4に出力する。前記発光ユニット4は、前記判断部からの発光信号によって発光する。
【0020】
前記ミラーハウジング6の前記窓部9に配置されている前記光表示部10の発光面13は、車両Cの長さ方向(前後方向)の番線V−Vに対して、角度Aをもって、車両Cの前側に向いている。なお、前記番線V−Vは、前記ミラーハウジング6のうち、前記発光面13から車両Cの後側であって、かつ、前記発光面13から車両Cの内側(右側)の端部を通る番線である。
【0021】
(実施形態1の作用の説明)
以下、この実施形態1における車両用ドアミラー装置1Lは、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0022】
インジケータシステムの作用により、発光ユニット4の光源が発光すると、光源からの光が導光板14の他端から導光板14中に入射して導光板14の一端の光表示部10に導かれる。その光が光表示部10のマークを透過して、そのマークの光がドアDLのウインドウガラスを透過して車内に放射される。ドライバーは、車内に放射される発光ユニット4の光表示部10からの光をマークの光として視認して、自車両Cの周囲環境の状況、たとえば、自車両Cに他車両や物や人が近づくことを認識することができる。
【0023】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1における車両用ドアミラー装置1Lは、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0024】
この実施形態1における車両用ドアミラー装置1Lは、光表示部10の発光面13が車両Cの長さ方向の番線V−Vに対して車両Cの前側に向いているので、光表示部10の発光面13からの光が車両Cの長さ方向の番線V−Vに対して車両Cの前側に放射される。この結果、自車両Cのドライバーに対して、光表示部10の発光面13からの光による視認を損なうことなく、自車両Cの周囲のうち特に後側の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に違和感を与えるようなことがない。
【0025】
(実施形態2の説明)
図4は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態2を示す。以下、この実施形態2における車両用ドアミラー装置について説明する。図中、図1〜図3と同符号は、同一のものを示す。なお、この実施例2の車両用ドアミラー装置101は、車両Cの左側のドアDLに装備されるものである。以下、車両Cの左側のドアDLに装備されるこの実施例2の車両用ドアミラー装置101について説明する。なお、車両Cの右側のドアDRに装備される車両用ドアミラー装置の構成は、この実施例2の車両用ドアミラー装置101の構成とほぼ左右が逆となるので、説明を省略する。
【0026】
この実施形態2における車両用ドアミラー装置101は、ミラーハウジング6の窓部9に配置されている光表示部10の発光面13がミラーハウジング6の端部よりも車両Cの外側(左側)に位置する。なお、前記ミラーハウジング6の端部は、前記ミラーハウジング6のうち、前記発光面13から車両Cの後側であって、かつ、前記発光面13から車両Cの内側(右側)の端部である。前記発光面13は、前記ミラーハウジング6の端部を通る車両Cの長さ方向(前後方向)の番線V−Vに対して、車両Cの外側(左側)に位置する。
【0027】
この実施形態2における車両用ドアミラー装置101は、光表示部10の発光面13がミラーハウジング6の端部よりも車両Cの外側(左側)に位置するので、光表示部10の発光面13からの光が発光面13より車両Cの後側のミラーハウジング6の端部で遮蔽される。この結果、自車両Cのドライバーに対して、光表示部10の発光面13からの光による視認を損なうことなく、自車両Cの周囲のうち特に後側の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に違和感を与えるようなことがない。
【0028】
(実施形態3の説明)
図5は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態3を示す。以下、この実施形態3における車両用ドアミラー装置について説明する。図中、図1〜図4と同符号は、同一のものを示す。なお、この実施例3の車両用ドアミラー装置102は、車両Cの左側のドアDLに装備されるものである。以下、車両Cの左側のドアDLに装備されるこの実施例6の車両用ドアミラー装置102について説明する。なお、車両Cの右側のドアDRに装備される車両用ドアミラー装置の構成は、この実施例3の車両用ドアミラー装置102の構成とほぼ左右が逆となるので、説明を省略する。
【0029】
この実施形態3における車両用ドアミラー装置102に使用される発光ユニット4は、光表示部としての光透過板15と、光源16と、を備える。前記光透過板15は、ミラーハウジング6の窓部9に配置されている。前記光透過板15には、光が透過するマーク(図示せず)が設けられている。前記光源16は、この例では、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源からなる。前記光源16は、前記光透過板15に対向するように設けられている。インジケータシステムの作用により、前記発光ユニット4の前記光源16が発光すると、前記光源16からの光が前記光透過板15のマークを透過して、そのマークの光がドアDLのウインドウガラスを透過して車内に放射される。
【0030】
この実施形態3における車両用ドアミラー装置102は、光透過板15の発光面13が車両Cの長さ方向(前後方向)の番線V−Vに対して、角度Aをもって、車両Cの前側に向いている。なお、前記番線V−Vは、ミラーハウジング6のうち、前記発光面13から車両Cの後側であって、かつ、前記発光面13から車両Cの内側(右側)の端部を通る番線である。
【0031】
この実施形態3における車両用ドアミラー装置102は、光透過板15の発光面13がミラーハウジング6の端部よりも車両Cの外側(左側)に位置する。なお、前記ミラーハウジング6の端部は、前記ミラーハウジング6のうち、前記発光面13から車両Cの後側であって、かつ、前記発光面13から車両Cの内側(右側)の端部である。前記発光面13は、前記ミラーハウジング6の端部を通る車両Cの長さ方向(前後方向)の番線V−Vに対して、車両Cの外側(左側)に位置する。
【0032】
この実施形態3における車両用ドアミラー装置102は、光透過板15の発光面13が車両Cの長さ方向の番線V−Vに対して車両Cの前側に向いているので、光透過板15の発光面13からの光が車両Cの長さ方向の番線V−Vに対して車両Cの前側に放射される。この結果、自車両Cのドライバーに対して、光透過板15の発光面13からの光による視認を損なうことなく、自車両Cの周囲のうち特に後側の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に違和感を与えるようなことがない。
【0033】
この実施形態3における車両用ドアミラー装置102は、光透過板15の発光面13がミラーハウジング6の端部よりも車両Cの外側(左側)に位置するので、光透過板15の発光面13からの光が発光面13より車両Cの後側のミラーハウジング6の端部で遮蔽される。この結果、自車両Cのドライバーに対して、光透過板15の発光面13からの光による視認を損なうことなく、自車両Cの周囲のうち特に後側の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に違和感を与えるようなことがない。
【0034】
(実施形態4の説明)
図6、図7は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態4を示す。以下、この実施形態4における車両用ドアミラー装置について説明する。図中、図1〜図5と同符号は、同一のものを示す。なお、この実施例4の車両用ドアミラー装置1は、車両Cの左側のドアDLに装備されるものである。以下、車両Cの左側のドアDLに装備されるこの実施例4の車両用ドアミラー装置1について説明する。なお、車両Cの右側のドアDRに装備される車両用ドアミラー装置の構成は、この実施例4の車両用ドアミラー装置1の構成とほぼ左右が逆となるので、説明を省略する。
【0035】
この実施形態4における車両用ドアミラー装置1は、前記の実施形態1、2、3における車両用ドアミラー装置1L、101、102と同様に、発光ユニット4がミラーアセンブリ3に設けられている。前記ミラーアセンブリ3のミラーハウジング6およびカバー7のうち、前記ミラーハウジング6と前記カバー7との嵌合密着箇所の近傍であって、かつ、前記発光ユニット4の近傍には、板部材としてのリブ受部材11およびリブ部材12がそれぞれ左右方向(水平方向)に設けられている。
【0036】
前記ミラーハウジング6側の前記リブ受部材11は、上下2枚の板部材からなる。前記リブ受部材11は、前記ミラーハウジング6の他面すなわち前記カバー7に対向する面であって、窓部9の上下両縁部にそれぞれ一体に設けられている。前記カバー7側の前記リブ部材12は、1枚の板部材からなる。前記リブ部材12は、前記カバー7の内面すなわち前記ミラーハウジング6に対向する面であって、前記リブ受部材11の上下2枚の板部材の間に対応してそれぞれ一体に設けられている。
【0037】
前記リブ受部材11の間、すなわち、上側の前記リブ受部材11の下板部材と下側の前記リブ受部材11の上板部材との間には、前記発光ユニット4が位置決めされた状態で取り付けられている。すなわち、前記リブ受部材11は、前記発光ユニット4を前記ミラーハウジング6に取り付ける際の位置決め手段となる。
【0038】
前記ミラーハウジング6と前記カバー7とは、前記リブ部材12が前記リブ受部材11の上下2枚の板部材の間にそれぞれ挟み込まれた状態、すなわち、位置決めされた状態で相互に取り付けられている。すなわち、前記リブ受部材11および前記リブ部材12は、前記ミラーハウジング6と前記カバー7とを相互に取り付ける際の位置決め手段となる。
【0039】
この実施形態4における車両用ドアミラー装置1は、以上のごとき構成からなるので、板部材としてのリブ受部材11およびリブ部材12により、発光ユニット4からの光がミラーハウジング6の窓部9に配置されている光表示部10以外から漏れるのを防ぐことができる。この結果、自車両Cのドライバーに対して、光表示部10の発光面からの光による視認をさらに確実に損なうことなく、自車両Cの周囲のうち特に後側の他車両のドライバーや同乗者や歩行者に違和感をさらに確実に与えるようなことがない。
【0040】
この実施形態4における車両用ドアミラー装置1は、板部材としてのリブ受部材11により、発光ユニット4をミラーハウジング6に取り付ける際の位置決め手段となる。また、この実施形態4における車両用ドアミラー装置1は、板部材としてのリブ受部材11およびリブ部材12により、ミラーハウジング6とカバー7とを相互に取り付ける際の位置決め手段となる。このように、この実施形態4における車両用ドアミラー装置1は、発光ユニット4とミラーハウジング6との取付、および、ミラーハウジング6とカバー7との取付を確実にかつ容易に行うことができる。
【0041】
この実施形態4における車両用ドアミラー装置1は、板部材としてのリブ受部材11により、ミラーハウジング6とカバー7との嵌合密着箇所における風切音を確実に低減させることができる。
【0042】
(実施形態5の構成の説明)
図8〜図10は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態5を示す。以下、この実施形態5における車両用ドアミラー装置について説明する。図中、図1〜図7と同符号は、同一のものを示す。
【0043】
この実施例5における車両用ドアミラー装置1L、1Rは、車両(自動車)Cの左側のドアDL、右側のドアDRにそれぞれ装備される。前記車両用ドアミラー装置1L、1Rの前記発光ユニット4の前記光表示部10は、下記の条件に基づいて設けられている。以下、前記光表示部10の設ける条件について説明する。なお、この実施形態1は、右側ハンドルである。このために、右側が運転席側(ドライバー側)となり、左が助手席側(パッセンジャー側)となる。
【0044】
まず、図8に示すように、前記車両用ドアミラー装置1L、1Rの前記ミラー8面のセット角、すなわち、車両Cの幅方向(左右方向)の番線H−Hと前記ミラー8面とのなす角度は、一般的に、運転席側θDと助手席側θPとにおいては相違している。
【0045】
つぎに、図9、図10に示すように、左右のうち運転席側(右側の前記車両用ドアミラー装置1R)の前記ミラー8面に対して、運転席のドライバーのアイポイントEPから左右のうち運転席側の前記光表示部10を見た角度を運転席側の見た角度φDとする。
【0046】
左右のうち助手席側(左側の前記車両用ドアミラー装置1L)の前記ミラー8面に対して、運転席のドライバーのアイポイントEPから左右のうち助手席側の前記光表示部10を見た角度を助手席側の見た角度φPとする。
【0047】
左右のうち運転席側の前記ミラー8面に対して左右のうち運転席側の前記光表示部10の輝度中心角度、左右のうち助手席側の前記ミラー面8に対して左右のうち助手席側の前記光表示部10の輝度中心角度、をそれぞれ輝度中心角度δとする。
【0048】
このときに、前記輝度中心角度δは、前記運転席側の見た角度φDより小さく、かつ、前記助手席側の見た角度φPより大きいという条件である。
すなわち、φD>δ>φPとなる条件である。
特に、前記輝度中心角度δは、前記運転席側の見た角度φDと前記助手席側の見た角度φPとの和を2で割った角度であるという条件が好ましい。
すなわち、δ=(φD+φP)÷2という条件が好ましい。
【0049】
(実施形態5の作用の説明)
インジケータシステムの作用により、発光ユニット4が発光すると、その光が光表示部10のマークを透過して、そのマークの光がドアDL、DRのウインドウガラスを透過して車内に放射される。ドライバーは、車内に放射される発光ユニット4の光表示部10からの光をマークの光として視認して、自車両Cの周囲環境の状況、たとえば、自車両Cに他車両や物や人が近づくことを認識することができる。
【0050】
(実施形態5の効果の説明)
この実施形態5における車両用ドアミラー装置1L、1Rは、発光ユニット4の光表示部10を上記の条件に基づいて設けることにより、左側のドアDLに装備される発光ユニット4の光表示部10の見え方と、右側のドアDRに装備される発光ユニット4の光表示部10の見え方と、が均一となる。すなわち、車両用ドアミラー装置1L、1Rのミラー8面のセット角は、一般的に、運転席側θDと助手席側θPとにおいては相違している。このために、発光ユニット4の光表示部10をただ単に設けただけでは、左側のドアDLに装備される発光ユニット4の光表示部10の見え方と、右側のドアDRに装備される発光ユニット4の光表示部10の見え方と、が異なる。ところが、この実施形態1における車両用ドアミラー装置1L、1Rは、運転席側の光表示部10の輝度中心角度δおよび助手席側の光表示部10の輝度中心角度δが、運転席のドライバーのアイポイントEPから運転席側の光表示部10を見た角度φDより小さく、かつ、運転席のドライバーのアイポイントEPから助手席側の光表示部10を見た角度φPより大きくなるように、左右の光表示部10をそれぞれ設けるので、左側の光表示部10の見え方と右側の光表示部10の見え方とが均一となる。
【0051】
特に、この実施形態5における車両用ドアミラー装置1L、1Rは、運転席側の光表示部10の輝度中心角度δおよび助手席側の光表示部10の輝度中心角度δが、運転席のドライバーのアイポイントEPから運転席側の光表示部10を見た角度φDと運転席のドライバーのアイポイントEPから助手席側の光表示部10を見た角度φPとの和を2で割った角度となるように、左右の光表示部10をそれぞれ設けるので、左側の光表示部10の見え方と右側の光表示部10の見え方とがさらに均一となる。
【0052】
(実施形態6の説明)
図11は、この発明にかかる車両用ドアミラー装置の実施形態6を示す。以下、この実施形態6における車両用ドアミラー装置について説明する。図中、図1〜図10と同符号は、同一のものを示す。
【0053】
前記の実施形態5における車両用ドアミラー装置1L、1Rは、右側ハンドルの場合の光表示部10の設ける条件について説明するものである。この実施形態6における車両用ドアミラー装置12L、12Rは、左側ハンドルの場合の光表示部10の設ける条件について説明するものである。
【0054】
すなわち、図11に示すように、左右のうち運転席側(左側の前記車両用ドアミラー装置12L)の前記ミラー8面に対して、運転席のドライバーのアイポイントEPから左右のうち運転席側の前記光表示部10を見た角度を運転席側の見た角度φDとする。
【0055】
左右のうち助手席側(右側の前記車両用ドアミラー装置12R)の前記ミラー8面に対して、運転席のドライバーのアイポイントEPから左右のうち助手席側の前記光表示部10を見た角度を助手席側の見た角度φPとする。
【0056】
左右のうち運転席側の前記ミラー8面に対して左右のうち運転席側の前記光表示部10の輝度中心角度、左右のうち助手席側の前記ミラー面8に対して左右のうち助手席側の前記光表示部10の輝度中心角度、をそれぞれ輝度中心角度δとする。
【0057】
このときに、前記輝度中心角度δは、前記運転席側の見た角度φDより小さく、かつ、前記助手席側の見た角度φPより大きいという条件である。
すなわち、φD>δ>φPとなる条件である。
特に、前記輝度中心角度δは、前記運転席側の見た角度φDと前記助手席側の見た角度φPとの和を2で割った角度であるという条件が好ましい。
すなわち、δ=(φD+φP)÷2という条件が好ましい。
【0058】
この実施形態6における車両用ドアミラー装置12L、12Rは、以上のごとき構成からなるので、前記の実施形態5における車両用ドアミラー装置1L、1Rとほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0059】
(実施形態1、2、3、4、5、6以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1−6においては、発光ユニット4をミラーアセンブリ3に設けるものである。ところが、この発明においては、発光ユニット4をベース2に設けても良い。
【0060】
また、前記の実施形態1−6においては、発光ユニット4の光表示部10、15をミラーアセンブリ3のミラーハウジング6のうち車両Cの外側の箇所に設けられているものである。ところが、この発明においては、発光ユニット4を、ミラーアセンブリ3のミラーハウジング6のうち車両Cの外側の箇所以外の箇所、たとえば、図4中の二点鎖線にて示す箇所に設けても良い。
【0061】
さらに、前記の実施形態3においては、発光ユニット4を設けたミラーアセンブリ3に板部材としてのリブ受部材11およびリブ部材12を設けるものである。ところが、この発明においては、発光ユニット4をベース2に設け、そのベース2に板部材を設けても良い。
【符号の説明】
【0062】
1L、1R、12L、12R、1、101、102 車両用ドアミラー装置
2 ベース
3 ミラーアセンブリ
4 発光ユニット
5 ステー
6 ミラーハウジング
7 カバー
8 ミラー
9 窓部
10 光表示部
11 リブ受部材(板部材)
12 リブ部材(板部材)
13 発光面
14 導光板
15 光透過板(光表示部)
16 光源
A 発光面の番線に対する角度
C 車両
DL 左側のドア
DR 右側のドア
EP 運転席のドライバーのアイポイント
H−H 車両の幅方向(左右方向)の番線
V−V 車両の長さ方向(前後方向)の番線
δ 輝度中心角度
ΦD 運転席側の見た角度
ΦP 助手席側の見た角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の左右のドアに装備される車両用ドアミラー装置において、
車両のドアに固定されるベースと、
前記ベースに設けられているミラーアセンブリと、
前記ミラーアセンブリに設けられていて、光表示部を有する発光ユニットと、
を備え、
前記光表示部の発光面は、車両の前後方向に対して、前方に向いている、
ことを特徴とする車両用ドアミラー装置。
【請求項2】
車両の左右のドアに装備される車両用ドアミラー装置において、
車両のドアに固定されるベースと、
前記ベースに設けられているミラーアセンブリと、
前記ミラーアセンブリに設けられていて、光表示部を有する発光ユニットと、
を備え、
前記光表示部の発光面は、前記ミラーアセンブリよりも、車両の左右方向の外側に位置する、
ことを特徴とする車両用ドアミラー装置。
【請求項3】
前記ミラーアセンブリのうち、前記発光ユニットの近傍には、板部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ドアミラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−63681(P2013−63681A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202260(P2011−202260)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】