説明

車両用ナビゲーションシステム

【課題】 本発明は車両走行中にナビゲーションシステムの入力操作が禁止されることを課題とする。
【解決手段】 ナビゲーション用ECU14は複数の人口衛星からの電波から現在位置を演算し、液晶ディスプレイ18に測定位置及びその周辺の地図を表示する。運転者用カメラ22は、運転者38の顔を正面から撮像する位置に設けられている。顔向き検知ECU36は、運転者用カメラ22からの映像信号に基づいて顔の向きを検知し、顔の向き(左右方向の角度)に応じた顔向き検知データをナビゲーション用ECU14に出力する。ナビゲーション用ECU14は、車両走行中に入力操作を禁止する入力禁止手段60と、顔向き検知ECU36から供給された顔向き検知データにより運転者38の顔が車両の正面を向いているか否かを判定する顔向き判定手段62と、運転者38の顔が車両の正面を向いている場合に入力禁止を解除し、入力操作を許可する入力許可手段64とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用ナビゲーションシステムに係り、特に車両走行時に運転者による入力操作を禁止するよう構成された車両用ナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両には、GPS(Global Positioning System)により得られた位置情報とハードディスク装置やDVD(Digital Video Disk)装置等の記憶装置に格納された地図情報とをディスプレイに表示する車両用ナビゲーションシステムが登載されている。
【0003】
この種の車両用ナビゲーションシステムでは、車両走行中の安全性を確保するため、運転操作中に行き先の変更や検索条件の入力などの操作を禁止しており、車両が停止している状態のときにだけ入力操作が可能となるように設定されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1に記載された車両用ナビゲーションシステムでは、ステアリングホイールに圧力センサを設け、運転者がステアリングホイールを把持していることが圧力センサにより検出されると、運転者以外の搭乗者による入力操作を許可するようになっている。
【特許文献1】特開2004−271488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記引用文献に記載された車両用ナビゲーションシステムでは、例えば、運転者が圧力センサ以外の箇所でステアリングホイールを把持している場合には、運転操作中であることが検出されないので、運転者がステアリングホイールを把持していても他の搭乗者が行き先変更などの入力操作を行なえない場合がある。
【0006】
また、車両用ナビゲーションシステムにおいては、助手席の搭乗者が行き先変更などの入力操作を行なっているときに運転者がステアリングホイールを持ち替えて把持する箇所をずらしてしまうと、入力途中で入力操作が禁止されてしまうため、利便性の向上が要望されている。
【0007】
また、ステアリングホイールを把持していることが検出されている状態で他の搭乗者による入力操作を行なうと、運転者が他の搭乗者による入力操作に気を取られて脇見運転してしまうおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明は運転者の顔の向きを検出することにより上記課題を解決した車両用ナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
【0010】
請求項1記載の発明は、車両の位置を測定する位置測定手段と、該位置測定手段により測定された位置情報及び当該検出位置周辺の地図情報を表示する表示手段と、任意の検索条件を手動操作により入力する入力手段と、前記車両の走行中に前記入力手段による入力操作を禁止する入力禁止手段と、を備えた車両用ナビゲーションシステムにおいて、当該車両の運転者の顔を検出する顔検出手段と、該顔検出手段により検出された前記運転者の顔が前記車両の正面を向いているか否かを判定する顔向き判定手段と、該顔向き判定手段により判定された前記運転者の顔が前記車両の正面を向いている場合に前記入力禁止手段による入力禁止を解除し、前記入力手段による入力操作を許可する入力許可手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記顔検出手段が、前記運転者の顔を正面から撮像するカメラであり、前記顔向き判定手段が、前記カメラに撮像された前記運転者の顔画像に基づいて前記運転者の顔が正面を向いているか否かを判定することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記入力許可手段が、前記車両の走行中に前記表示手段に入力操作が許可されたことを表示することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記顔向き判定手段が、前記カメラに撮像された前記運転者の顔の輪郭及び顔中心線の位置に基づいて前記運転者の顔が正面を向いているか否かを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、当該車両の運転者の顔を検出し、運転者の顔が車両の正面を向いている場合に入力禁止を解除し、入力手段による入力操作を許可するため、例えば、車両が走行中であっても運転者が車両の正面を見ている場合には、他の搭乗者による入力操作が可能になり、一旦車両を停止して行き先変更などの入力操作を行なわずに済み、利便性の向上が図られている。
【0015】
また、車両走行中に運転者の顔が正面以外に向いている場合には、入力操作が禁止されるため、他の搭乗者が入力操作するのに気を取られて運転者の顔の向きが変わると、その時点で入力操作が禁止され、運転者の脇見運転を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明になる車両用ナビゲーションシステムの一実施例を示す構成図である。図2は車両を上から見た平面図である。図1及び図2に示されるように、車両用ナビゲーションシステム10は、自動車等の車両12に搭載されたナビゲーション用ECU(electronic control unit)14により制御されており、ナビゲーション用ECU14はGPSアンテナ(位置測定手段)16により複数の人口衛星(図示せず)からの電波を受信すると、受信した信号に基づいて現在位置を演算し、液晶ディスプレイ(表示手段)18に測定位置及びその周辺の地図を表示する。
【0018】
また、車両用ナビゲーションシステム10は、GPS位置情報や地図情報及びその他の検索情報などが格納された記憶装置20と、車両走行時に運転者38の顔を撮像する運転者用カメラ(顔検出手段)22とを有する。運転者用カメラ22は、運転者38の顔を正面から撮像する位置に設けられている。
【0019】
運転者用カメラ22は、例えば、CCD撮像素子やC-MOS撮像素子を用いた車載用カメラからなり、例えば、運転者38の顔を正面下方から撮像できるステアリングホイール24のコラムカバー26の上部やメータハウジング内、あるいはインナミラー内やフロントガラスの上部などの正面上方に取り付けられている。尚、運転者用カメラ22の取付位置は、運転操作の妨げにならない位置であれば良いが、カメラ位置によって運転者の顔画像が変わるため、顔向き検知の演算処理はカメラ位置に応じた演算方法を用いることになる。また、上記記憶装置20としては、例えば、ハードディスク装置やDVD装置等が用いられる。
【0020】
液晶ディスプレイ18は、運転席28と助手席30との両方からみることができるようにダッシュボード32上のほぼ中間位置に設けられている。そのため、液晶ディスプレイ18の周辺に設けられた各種スイッチ(入力手段)34は、運転席28と助手席29との両方から操作できるように設けられている。また、液晶ディスプレイ18の画面は、タッチパネル式になっており、運転者または搭乗者が触れることにより各種入力操作(例えば、目的地の設定操作等)が行なえる。
【0021】
また、運転者用カメラ22により撮像された運転者の顔画像は、顔向き検知ECU36に供給される。顔向き検知ECU36では、後述するように顔の輪郭形状及び顔中心線の位置に基づいて顔向き検知データを生成し、車両走行中の顔の向きに応じた顔輪郭データをナビゲーション用ECU14に供給する。
【0022】
また、ナビゲーション用ECU14は、車速センサ40により検出された速度検出信号から車両速度を演算する車速演算部42から車両速度情報が入力されており、車速が所定以上になると入力禁止モードになる。また、運転席28には、運転者38が着席していることを検出する運転席センサ50が設けられ、助手席30には搭乗者54が着席していることを検出する助手席センサ52が設けられている。ナビゲーション用ECU14は、車両走行中でも運転席センサ50及び助手席センサ52からの検出信号が入力されると、後述するように運転者38が正面を向いていることを条件に目的地などの入力操作を許可する入力許可モードに切り替わる。尚、運転席センサ50及び助手席センサ52としては、例えば、圧力センサにより体重を検出しても良いし、あるいはシートベルトの金具がバックルに結合されたことをスイッチにより検出するようにしても良い。
【0023】
ナビゲーション用ECU14は、車両走行中に入力操作を禁止する入力禁止手段60と、顔向き検知ECU36から供給された顔向き検知データにより運転者38の顔が車両の正面を向いているか否かを判定する顔向き判定手段62と、運転者38の顔が車両の正面を向いている場合に入力禁止を解除し、入力操作を許可する入力許可手段64とを有する。
【0024】
図3は車両用ナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。図3に示されるように、ナビゲーション用ECU14には、上記GPSアンテナ16、液晶ディスプレイ18、記憶装置20、車速演算部42、運転席センサ50、助手席センサ52の他にタッチパネル(入力手段)18a、TVチューナ56が接続されている。
【0025】
顔向き検知ECU36は、ナビゲーション用ECU14と別体に設けられており、運転者用カメラ22からの映像信号に基づいて顔の向きを検知し、顔の向き(左右方向の角度)に応じた顔向き検知データをナビゲーション用ECU14に出力する。尚、ナビゲーション用ECU14が顔向き検知ECU36を兼ねるように一体な構成とすることも可能である。
【0026】
図4は運転者38の顔画像の表示例を示す図であり、(A)は運転者が正面をみている状態の顔画像を示す図、(B)は運転者が液晶ディスプレイ18をみている状態の顔画像を示す図である。
【0027】
図4(A)に示されるように、運転者38が正面を向いた状態で運転者用カメラ22により撮像された運転者38の顔画像は、縦寸法に対する横寸法の比が大きくなる。また、図4(B)に示されるように、運転者38が側方(斜め横方向)を向いた状態で運転者用カメラ22により撮像された運転者38の顔画像は、縦寸法に対する横寸法の比が小さくなる。
【0028】
そのため、顔向き検知ECU36では、運転者用カメラ22により撮像された運転者38の顔画像から顔向きを検知することができる。本実施例の顔向きを検知方法としては、例えば、(1)顔輪郭を求め、顔輪郭に基づき顔横幅の変化を検出して顔向きを検知する方法、(2)運転者の顔を構成する顔パーツ(耳、目、鼻など)の左右対称性から顔中心の位置を検出して顔向きを求める方法、(3)顔輪郭と顔中心線の移動位置との横方向の比率から顔向き角度を演算する方法などがある。また、これ以外の顔向きを検知方法としては、顔輪郭及び顔パーツ(目、耳、鼻など)のパターンマッチングで顔向きを検知することも可能である。
【0029】
以下、顔輪郭と顔中心線の移動位置との横方向の比率から顔向き角度を演算する方法により顔向き検知方法について具体例を挙げて説明する。
【0030】
図5は運転者38の顔画像の輪郭を画像処理した表示例を示す図であり、(A)は運転者が正面をみている状態の顔輪郭画像を示す図、(B)は運転者が液晶ディスプレイ18をみている状態の顔輪郭画像を示す図である。
【0031】
図5(A)に示されるように、運転者38が車両12の正面を向いた状態の顔輪郭38Aをエッジ処理により抽出し、顔輪郭38Aから顔の仮想中心線Oを求め、この仮想中心線Oの左右領域となる左顔半分の横幅aと右顔半分の横幅bとの顔向き比率a/bを求める。例えば、運転者が正面を向いている場合は、左右対称であるので顔向き比率がa/b≒1となる。
【0032】
また、図5(B)に示されるように、運転者38が側方(斜め横方向)を向いた状態の顔輪郭38Bをエッジ処理により抽出し、顔輪郭38Aから顔の仮想中心線O’を求め、この仮想中心線Oの左右領域となる左顔半分の横幅a’と右顔半分の横幅b’との顔向き比率a/bを求める。例えば、運転者が側方を向いている場合は、左顔半分の横幅a’が大きくなり、右顔半分の横幅b’が小さくなるので顔向き比率がa’/b’≒0.3〜0.5となる。
【0033】
従って、顔向き比率がa/bを演算することにより運転者の顔向き方向を検知することが可能になる。
【0034】
ここで、ナビゲーション用ECU14が実行する制御処理について図6及び図7を参照して説明する。
【0035】
ナビゲーション用ECU14は、図6に示すS11において、当該車両12のアクセサリスイッチがオンに操作された場合、S12に進み、顔向き検知ECU36から供給された顔向きデータ(例えば、顔輪郭データ及び顔向き比率などを含む)を運転者38が正面を向いたときの判定基準データとして記憶装置20に登録する。通常、運転者38が車両12に乗車してアクセサリスイッチがオンに操作してエンジン始動操作する際、運転席28の正面に配置されたメータを見て車両状態を確認している。このとき、運転者用カメラ22により撮像された運転者38の顔画像は、正面を向いた状態であるので、当該運転者の判定基準データとして登録される。
【0036】
続いて、S13では、GPSアンテナ16から得られた位置情報に基づいて現在位置を求め、地図情報と共に、現在位置を液晶ディスプレイ18に表示する。次のS14では、目的地が入力されたか否かをチェックする。S14において、各スイッチ34またはタッチパネル18aの入力操作により目的地が入力された場合には、S15に進み、入力された目的地が確定されたか否かをチェックする。
【0037】
S15において、目的地が確定されると、S16に進み、現在位置から確定された目的地までのルート(経路)を探索し、優先条件(例えば、最短距離、高速道路、一般道など)に基づく複数のルートを液晶ディスプレイ18に表示する。そして、S17では、各スイッチ34またはタッチパネル18aの入力操作により複数のルートの中から1ルートが選択されたか否かをチェックする。
【0038】
S17において、1ルートが選択されると、S18に進み、案内開始の入力操作が行なわれたか否かをチェックする。S18において、案内開始が入力されると、S19に進み、選択されたルートに沿って当該車両12が走行するように道順を案内表示する案内表示モードに移行する。また、S18において、案内開始が入力されない場合は、S14に戻り、目的地の再設定を行なう。
【0039】
また、上記S14において、目的地が入力されない場合には、S20に進み、現在位置のみを表示する現在位置表示モード(案内無し)に移行する。そして、S21で、当該車両12のアクセサリスイッチがオフに操作されたか否かをチェックする。このS21において、アクセサリスイッチがオンのままである場合は、上記S20に戻り、現在位置表示モードを継続する。また、S21において、アクセサリスイッチがオフに操作された場合は、今回の処理を終了する。
【0040】
上記S19で案内表示モードに移行すると、図7に示すS22に進み、車速演算部42で演算された車両速度データを読み込み、現在の車両12が停止(V=0km/h)か否かをチェックする。このS22において、現在の走行速度がゼロ以上で停止していない場合は、S23に進み、入力操作を禁止する入力禁止モードに移行し(入力禁止手段60)、各スイッチ34またはタッチパネル18aによる入力操作が行なえないことを液晶ディスプレイ18に表示する。
【0041】
次のS24では、運転席センサ50により運転席28に運転者38が着席していることを検出しているか否かをチェックする。そして、S24において、運転席センサ50が運転者38の存在を検出した場合には、S25に進み、顔向き検知ECU36から顔向きデータを取得する。
【0042】
続いて、S26では、現在の顔向き検知ECU36から取得した顔向きデータと前述したS12で取得した顔向きデータとを比較し、現在の運転者38が正面を向いているか否かを判定する(顔向き判定手段62)。例えば、現在の顔向きデータと判定基準データとしての顔向きデータがほぼ一致した場合(顔向き比率がa/b≒1)は、運転者38の顔が正面をみているものと判定し、現在の顔向きデータと判定基準データとしての顔向きデータが一致しない場合(顔向き比率がa/b≒0.3〜0.5)は、運転者38の顔が側方(液晶ディスプレイ18方向)を向いていると判定する。
【0043】
次のS27では、上記S26の顔向き判定処理の結果が正面向きか否かをチェックする。S27において、例えば、S26の顔向き判定結果が正面を向いているものと判定した場合には、S28に進む。次のS28では、助手席センサ52により助手席30に搭乗者54が着席していることを検出しているか否かをチェックする。そして、S28において、助手席センサ52が搭乗者54の存在を検出した場合には、S29に進み、入力禁止モードを解除して当該車両12が入力操作を許可し(入力許可手段64)、各スイッチ34またはタッチパネル18aによる入力操作が可能であることを液晶ディスプレイ18に表示する。
【0044】
次のS30では、目的地変更あるいはルート変更などの入力操作が有るか否かをチェックする。S30において、助手席30の搭乗者54が目的地変更あるいはルート変更などの入力操作が有った場合は、S31に進み、入力された目的地変更あるいはルート変更を設定する。また、S30において、入力操作が無い場合は、上記S31の処理を省略する。尚、運転者38が入力操作しようとした場合には、顔の向きが正面でなくなるため、その時点で入力許可モードが解除されて入力禁止モードが設定される。
【0045】
次のS32では、GPSアンテナ16から得られた位置情報に基づいて現在位置を求め、目的地に到着したか否かをチェックする。S32において、目的地に到着していない場合は、上記S22に戻り、S22以降の処理を再度実行する。
【0046】
また、上記S22において、車両12が停止している場合は、前述したS13に戻り、入力操作を可能とする。また、上記S24において、運転席センサ50がオフの場合、或いはS27において、S26の顔向き判定結果が正面を向いていないと判定された場合、あるいはS28において、助手席センサ52がオフの場合には、通常走行の入力禁止モードが継続されており、S33において、当該車両12が停止しているか否かをチェックする。また、S33において、車両12が停止している場合は、前述したS13に戻り、入力操作を可能とする。
【0047】
また、上記S32において、目的地に到着した場合は、S34に進み、目的地への案内を終了し、S35で現在位置のみを表示する現在位置表示モード(案内無し)に移行する。そして、S36では、当該車両12のアクセサリスイッチがオフか否かをチェックし、アクセサリスイッチがオンの場合には、前述したS13に戻り、S13以降の処理を繰り返す。また、アクセサリスイッチがオフに操作された場合は、今回の処理を終了する。
【0048】
このように、車両用ナビゲーションシステム10では、車両12が走行中でも運転者38の顔が正面を向いた状態で、且つ助手席30に搭乗者54が着席していることを条件に入力操作を可能にして目的地の変更操作が行なえるので、車両12を停止させなくても安全に入力操作が行なえるため、利便性が高められている。
【産業上の利用可能性】
【0049】
上記実施例では、車両12が走行中でも運転者38の顔が正面を向いた状態で、且つ助手席30に搭乗者54が着席していることを条件に車両用ナビゲーションシステム10の入力操作を可能にしたが、例えば、目的地やルート変更以外の入力操作を可能としても良いのは勿論である。
【0050】
また、上記実施例では、液晶ディスプレイ18にルート案内を表示する場合を一例として挙げたが、これに限らず、例えば、運転者38の顔が正面を向いた状態で、且つ助手席30に搭乗者54が着席していることを条件にTVチューナ56のスイッチの入力操作が許可されてTVチューナ56からのTV画像を液晶ディスプレイ18に表示することも可能である。
【0051】
また、上記実施例では、運転者38の顔が正面を向いた状態で、且つ助手席センサ52がオンであることを条件に入力操作を可能にしたが、これに限らず、助手席センサ52以外のスイッチ(例えば、運転席から操作できないような助手席側に設けられたスイッチ等)を用いても良いのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明になる車両用ナビゲーションシステムの一実施例を示す構成図である。
【図2】車両を上から見た平面図である。
【図3】車両用ナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。
【図4】運転者38の顔画像の表示例を示す図であり、(A)は運転者が正面をみている状態の顔画像を示す図、(B)は運転者が液晶ディスプレイ18をみている状態の顔画像を示す図である。
【図5】運転者38の顔画像の輪郭を画像処理した表示例を示す図であり、(A)は運転者が正面をみている状態の顔輪郭画像を示す図、(B)は運転者が液晶ディスプレイ18をみている状態の顔輪郭画像を示す図である。
【図6】ナビゲーション用ECU14が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6に示す処理に続いてナビゲーション用ECU14が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
10 車両用ナビゲーションシステム
12 車両
14 ナビゲーション用ECU
16 GPSアンテナ
18 液晶ディスプレイ
20 記憶装置
22 運転者用カメラ
28 運転席
30 助手席
36 顔向き検知ECU
42 車速演算部
50 運転席センサ
52 助手席センサ
60 入力禁止手段
64 入力許可手段
62 顔向き判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置を測定する位置測定手段と、
該位置測定手段により測定された位置情報及び当該検出位置周辺の地図情報を表示する表示手段と、
任意の検索条件を手動操作により入力する入力手段と、
前記車両の走行中に前記入力手段による入力操作を禁止する入力禁止手段と、を備えた車両用ナビゲーションシステムにおいて、
当該車両の運転者の顔を検出する顔検出手段と、
該顔検出手段により検出された前記運転者の顔が前記車両の正面を向いているか否かを判定する顔向き判定手段と、
該顔向き判定手段により判定された前記運転者の顔が前記車両の正面を向いている場合に前記入力禁止手段による入力禁止を解除し、前記入力手段による入力操作を許可する入力許可手段を有することを特徴とする車両用ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記顔検出手段は、前記運転者の顔を正面から撮像する撮像カメラであり、
前記顔向き判定手段は、前記カメラに撮像された前記運転者の顔画像に基づいて前記運転者の顔が正面を向いているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用ナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記入力許可手段は、
前記車両の助手席に搭乗者が着席していることが検出され、且つ前記運転者の顔が前記車両の正面を向いている場合に前記入力操作を許可することを特徴とする請求項1に記載の車両用ナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記顔向き判定手段は、前記撮像カメラに撮像された前記運転者の顔の輪郭及び顔中心線の位置に基づいて前記運転者の顔が正面を向いているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用ナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−17409(P2007−17409A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−202112(P2005−202112)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】