説明

車両用ナビゲーション装置

【課題】 自分の嗜好の入力を必要とせずに、ユーザの嗜好に合う目的地候補を表示する車両用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 車両用ナビゲーション装置が、施設への訪問履歴情報、施設への訪問履歴に基づくユーザの嗜好の統計情報、および訪問した施設と登録された自宅との距離に基づく距離の統計情報を外部記憶媒体に記憶させ、この記憶させた情報に基づいて、自宅から平均最大直線距離内にあり、過去に訪問したことがなく、かつユーザの嗜好に合う施設を案内目的地候補として表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの嗜好に合う目的地候補を表示する車両用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的地までの案内経路を検索し、検索した案内経路を地図と共に車内のユーザに表示する車両用ナビゲーション装置が広く用いられている。また、このような車両用ナビゲーション装置において、ユーザの訪問したい場所が曖昧な場合に、目的地を選び出してユーザに提示する技術が特許文献1に開示されている。
【0003】
この特許文献1に開示された車両用ナビゲーション装置は、ユーザによる食事、遊び、観光等の訪問目的の入力に基づいて、その目的に該当する施設をランダムに選び出してユーザに表示するようになっている。
【特許文献1】特開2003−75164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような技術では、ユーザは、訪問目的等、自分の嗜好を反映する情報を入力する必要があるという問題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、自分の嗜好の入力を必要とせずに、ユーザの嗜好に合う目的地候補を表示する車両用ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、記憶媒体と、施設への訪問履歴に基づくユーザの嗜好の統計情報を前記記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、記憶された前記嗜好の統計情報に基づいて、ユーザの嗜好に合う施設を案内目的地候補として表示する候補表示手段と、を備えた車両用ナビゲーション装置である。
【0007】
このように、車両用ナビゲーション装置が、ユーザの嗜好に会う施設を、施設への訪問履歴に基づくユーザの嗜好の統計情報に基づいて選び出し表示するようになっているので、目的地選択の際にユーザが自分の嗜好の入力を行う必要なく、ユーザの嗜好に合う目的地候補を表示することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置において、前記記憶制御手段は更に、訪問した施設と登録された自宅との距離に基づく距離の統計情報を前記記憶媒体に記憶させ、前記候補表示手段は、前記嗜好の統計情報に基づいて、自宅から前記距離の統計情報に基づく代表的な距離内にあり、かつユーザの嗜好に合う施設を、案内目的地候補として表示することを特徴とする。
【0009】
このように、案内目的地候補の施設を、訪問施設−自宅間の距離の統計情報に基づく代表的な距離内のものに絞り込むことで、さらにユーザのニーズに合った案内目的地候補を表示することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置において、前記記憶制御手段は更に、施設への訪問履歴情報を前記記憶媒体に記憶させ、前記候補表示手段は、記憶された前記訪問履歴情報および前記嗜好の統計情報に基づいて、過去に訪問したことのないユーザの嗜好に合う施設を案内目的地候補として表示することを特徴とする。
【0011】
このように、車両用ナビゲーション装置が、ユーザの嗜好に会う施設を、施設への訪問履歴に基づくユーザの嗜好の統計情報に基づいて選び出し表示するようになっているので、ユーザが自分の嗜好の入力を行う必要なく、ユーザの嗜好に合う目的地候補を表示することができる。また、過去に行ったことのある施設については経路案内する必要性が低いので、過去に訪問したことのない施設を案内目的地候補とすることで、さらにユーザのニーズに合った案内目的地候補を表示することができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、記憶媒体と、施設への訪問履歴情報、施設への訪問履歴に基づくユーザの嗜好の統計情報、および訪問した施設と登録された自宅との距離に基づく距離の統計情報を前記記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、記憶された前記訪問履歴情報および前記嗜好の統計情報に基づいて、自宅から前記距離の統計情報に基づく代表的な距離内にあり、過去に訪問したことがなく、かつユーザの嗜好に合う施設を案内目的地候補として表示する候補表示手段と、を備えた車両用ナビゲーション装置である。
【0013】
このように、車両用ナビゲーション装置が、ユーザの嗜好に会う施設を、施設への訪問履歴に基づくユーザの嗜好の統計情報に基づいて選び出し表示するようになっているので、ユーザが自分の嗜好の入力を行う必要なく、ユーザの嗜好に合う目的地候補を表示することができる。また、過去に行ったことのある施設については経路案内する必要性が低いので、過去に訪問したことのない施設を案内目的地候補とすることで、さらにユーザのニーズに合った案内目的地候補を表示することができる。また、案内目的地候補の施設を、訪問施設−自宅間の距離の統計情報に基づく代表的な距離内のものに絞り込むことで、さらにユーザのニーズに合った案内目的地候補を表示することができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のナビゲーション装置において、記憶される前記嗜好の統計情報とは、訪問した施設についての施設種類毎の訪問回数であることを特徴とする。
【0015】
このように、嗜好の統計情報として、例えば、訪問した施設についての施設種類毎の訪問回数を用いて、案内目的地候補を表示することができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用ナビゲーション装置において、前記候補表示手段は、ユーザの嗜好に合う施設を、前記訪問回数に基づいて選択した施設種類に属する施設とすることを特徴とする。
【0017】
このようにすることで、ユーザにとっての視認性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置10のハードウェア構成を示す。車両用ナビゲーション装置10は、位置検出器11、入力装置12、表示装置13、外部記憶媒体14、制御回路15およびイグニッション線16を有している。
【0019】
位置検出器11は、いずれも周知の地磁気センサ、ジャイロスコープ、車輪の回転に基づいてパルス信号を出力する車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基いた現在位置を特定するための情報を制御回路15に出力する。
【0020】
入力装置12は、車両用ナビゲーション装置10に設けられた複数のメカニカルスイッチ、表示装置13の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基いた信号を制御回路15に出力する。
【0021】
表示装置13は、制御回路15から出力された地図等の画像信号に基いた映像をユーザ
に表示する画像表示装置である。
【0022】
外部記憶媒体14は、HDD等の不揮発性の記憶媒体であり、制御回路15が読み出して実行するプログラム、地図データ、訪問データベース等を記憶している。地図データは、複数の道路およびその道路の配置、接続関係等を示す道路データ、および地図上にあるレストラン、遊園地、デパート、駐車場等の施設についての、所在位置、種類(中華料理店、洋食店、遊園地、ゲームセンター、名所旧跡、温泉等の施設区分)、名称等を示す施設データを含んでいる。
【0023】
訪問データは、履歴リスト、最大直線距離データ、嗜好順位リストを有している。この訪問データベースについては後述する。
【0024】
制御回路15は、図示しないRAM、ROM、CPUを有している。このCPUは、ROMおよび外部記憶媒体14から読み出した車両用ナビゲーション装置10の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際には上記ROM、RAM、外部記憶媒体14から情報を読み出し、RAM、外部記憶媒体14に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、入力装置12、表示装置13および無線モジュール14と信号の授受を行い、イグニッション線16から車両のエンジンスイッチのオン、ACC、オフ位置を示す信号を受ける。
【0025】
制御回路15のCPUがプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、位置検出器11からの信号に基いて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置を特定する現在位置特定処理、入力装置12からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な案内経路を算出する案内経路検索処理、外部記憶媒体14から地図データを読み出し、算出された走行経路やメモリ地点等を地図データと共に表示装置13に画像表示させ、また交差点における曲折方向の指示を表示装置13に音声出力させることで、ユーザの案内経路に沿った運転を促す経路案内処理等がある。
【0026】
なお、本実施形態の経路案内処理は、ユーザによる訪問目的(食事、遊び、買い物、観光等)の入力を入力装置12から受けると、その訪問目的に基づいて、地図データから、その訪問目的に対応した種類の施設を複数選び出し、それらのうちの1つに対する案内経路を検索して案内する場合と、ユーザによる訪問目的の入力を受けずに自動的に目的地候補を選択可能な形式で表示し、それらのうちの1つに対する案内経路を検索して案内する場合とがある。複数の施設から1つを選び出す方法としては、ランダムに選んでもよいし、ユーザから選択を受け付けてもよい。
【0027】
なお、ある訪問目的にどの種類が対応するかの情報は、あらかじめ外部記憶媒体14に対応表として記憶されていてもよい。訪問目的と種類との対応関係としては、例えば食事には、中華料理店、洋食店、和食店、フルーツパーラー等の食事店の特定の種類が対応し、観光には、名所旧跡、温泉、博物館等が対応し、買い物には、デパート、コンビニエンスストア、ショッピングモール等が対応する。
【0028】
また、制御回路15は、ユーザ入力装置12を用いた地点の指定および自宅登録の旨の操作に基づいて、その指定の地点の座標を自宅登録データとして外部記憶媒体14に記憶させる。
【0029】
また、本実施形態の制御回路15は、訪問データベース管理プログラムおよび目的地候補表示プログラムを実行するようになっている。
【0030】
以下、これら2つのプログラムについて説明する。図2に、この訪問データベース管理プログラム200のフローチャートを示す。
【0031】
この制御回路15は、車両用ナビゲーション装置10が搭載される車両のユーザが、自宅以外のある施設で停車した時間が所定時間(例えば30分)を超えたことを検知すると、訪問データベース管理プログラム200の実行を開始するようになっている。なお、制御回路15による車両の停止の検出は、イグニッション線16からの信号により車両のイグニッションキー位置がACCまたはオフになったことの検知に基づくものであってもよいし、位置検出器11の車速センサからの信号が示す車両の速度が実質的にゼロ(例えば時速0.1km以下)となったことに基づくものであってもよい。
【0032】
制御回路15は、この訪問データベース管理プログラム200の実行を開始すると、まずステップ210で、現在位置に関する情報を訪問データベース中の履歴リストに記憶させる。現在位置の情報とは、具体的には、現在時刻、現在位置にある施設名、現在位置の施設の訪問目的、現在位置から登録された自宅までの直線距離からなるデータである。このステップ210では、このデータを1エントリとして、訪問データベース中の履歴リストに追記する。
【0033】
したがって、訪問データベース管理プログラム200が実行される度に、このステップ210の処理により、履歴リスト中のエントリが1つ追加される。この履歴リストが、訪問履歴情報に相当する。
【0034】
なお、自車両が現在位置の施設への案内によってその施設に到着しており、当該施設を目的地とされる際に、ユーザから訪問目的の入力があった場合、その訪問目的が、現在位置の施設の訪問目的となる。また、ユーザから訪問目的の入力がなく、この施設に到着している場合は、上記した対応情報から、この施設の種類に対応する訪問目的が、現在位置の施設の訪問目的となってもよい。
【0035】
また、現在位置から登録された自宅までの直線距離は、現在位置特定処理によって特定した現在位置座標と、自宅登録データ中の自宅の座標とに基づいて特定する。
【0036】
なお、現在位置が地図データに登録されたどの施設にも該当しない場合は、このプログラムを終了してもよい。
【0037】
次にステップ220で、直前のステップ210で訪問データベースに追記した直線距離(以下今回の直線距離と記す)が、その日の最大直線距離より長いか否かを、訪問データベース中の最大直線距離データ(距離の統計情報に相当する)に基づいて判定する。最大直線データは、日付と、その日付における最大直線距離の組からなるエントリを複数日分有し、さらに、過去所定の期間(例えば6ヶ月)の平均直線距離データを有するデータである。
【0038】
より具体的には、ステップ220では、訪問データベース中の最大直線距離データから、現在の日付を有するエントリを読み出し、そのエントリに記載された最大直線距離より今回の直線距離の方が長いか否かを判定する。長い場合、続いてステップ230の処理を実行し、長くない場合、続いてステップ240の処理を実行する。
【0039】
ステップ230では、今回の直線距離、および現在の日付から成るエントリを、最大直線距離データに書き込む、その際、同じ日付を有する他のエントリは最大直線距離データから消去する。このようにすることで、その日の最大直線距離の記録が新規追加または更新されることになる。
【0040】
更にステップ230では、この最大直線距離データに基づいて、過去所定の期間(例えば6ヶ月)内の平均最大直線距離を算出し、その値を最大直線距離データに書き込む。具体的には、最大直線距離データから、現在から所定期間前までの日付のエントリを読み出し、これらのエントリに含まれる最大直線距離の値の平均値を算出する。そして、この算出した平均値を、現在最大直線距離データ中に平均値の値が記載されていれば、その値を更新する形で、書き込む。
【0041】
このようにすることで、ステップ230の処理によって、各日付における施設と自宅との最大直線距離、およびこれら各最大直線距離についての、過去所定の期間内における平均値が、最大直線距離データに保存される。ステップ230の後には、続いてステップ240の処理を実行する。
【0042】
ステップ240では、直前のステップ210で履歴リストに記憶させた訪問目的、施設種類(以下今回の訪問目的および施設種類と記す)に基づく統計処理を行うことで、目的別に種類を順位付けし、その結果を嗜好順位リスト(嗜好の統計情報に相当する)に記憶させる。嗜好順位リストは、施設の種類毎のエントリを複数有し、各エントリは、施設の種類、その種類に対応した訪問目的、その種類の施設への訪問回数、その種類のその訪問目的中の順位の情報を有するようになっている。
【0043】
具体的なステップ240の処理としては、今回の訪問目的および施設種類を有するエントリを嗜好順位リストから選び出し、その選び出したエントリ中の訪問回数の情報を1回分増加させる。そして更に、嗜好順位リストから今回の訪問目的を有するエントリを全て読み出し、それらエントリを各エントリ中の訪問回数の多い順に順位付けし、それら順位をそれぞれのエントリの順位の情報の部分に書き込む。
【0044】
このようにすることで、訪問データベース管理プログラム200の処理が実行されるたびに、嗜好順位リスト、今回の訪問目的および種類の施設の訪問回数の情報および、今回の訪問目的における各施設種類の訪問頻度の順位が更新される。ステップ240の後、この訪問データベース管理プログラム200の実行は終了する。
【0045】
このような訪問データベース管理プログラム200を制御回路15が実行することで、車両用ナビゲーション装置10は、履歴リスト、最大直線距離データ、嗜好順位リストを外部記憶媒体14に記憶させる。
【0046】
次に、目的地候補表示プログラム300について説明する。この目的地候補表示プログラム300のフローチャートを図3に示す。制御回路15は、例えば、タッチパネルに表示させた「おまかせ目的地検索」という文字列が付されたボタンをユーザがタッチすることを検出する等、ユーザによる嗜好を特定しない入力装置12の操作を検出することに基づいて、この目的地候補表示プログラム300の実行を開始する。
【0047】
制御回路15は、この目的地候補表示プログラム300の実行を開始すると、まずステップ310で、登録された自宅から直線距離が平均最大直線距離以内の施設を検索して抽出する。この検索は、地図データ中の施設データについて行う。また、ここで用いる平均最大直線距離は、訪問データベース管理プログラム200のステップ230で訪問データベース中の最大直線距離データに記憶されたものである。また、自宅から当該施設までの直線距離は、自宅登録データおよび施設データ中の位置座標に基づいて特定する。
【0048】
続いてステップ320で、嗜好に合致する施設を絞り込む。すなわち、ステップ310で抽出した複数の施設から、ユーザの嗜好に合致する施設のみを選び出す。ある施設がユーザの嗜好に合致しているか否かは、上述した嗜好順位リストに基づいて判定する。
【0049】
具体的には、その施設の種類に対応する嗜好順位リスト中のエントリの順位の情報を読み出し、その順位が所定の基準順位(例えば3位)より上位ならば、その施設がユーザの嗜好に合致していると判定する。また、その順位が基準順位と同じまたは下位ならば、その施設がユーザの嗜好に合致していないと判定する。なお、この所定の基準順位は、訪問目的毎に異なっていてもよい。
【0050】
続いてステップ330で、過去に訪れていない施設を絞り込む。すなわち、ステップ320で絞り込んだ複数の施設から、過去に訪れていない施設のみを選び出す。ある施設が過去に訪れているものか否かは、上述した履歴リストに基づいて判定する。
【0051】
具体的には、その履歴リストから、その施設を含むエントリを検索し、検索の結果見つかれば、その施設に過去に訪れたことがあると判定し、見つからなければ、その施設に過去に訪れたことはないと判定する。
【0052】
続いてステップ340で、ステップ330で絞り込んだ施設を、目的地候補の提案用施設として、表示装置13に順位表示させる。なお、この順位表示は、訪問目的毎のリスト表示となっている。すなわち、その順位表示は、表示する施設の種類に対応する訪問目的毎に分けられ、それら訪問目的毎に施設が順位づけされたリストが表示されるようになっている。
【0053】
なお、各リスト中における施設の順位づけは、その施設の種類の順位に基づいていてもよいし。その施設の自宅からの直線距離が長い順、または短い順となっていてもよい。また、各施設の表示内容は、施設名、訪問目的、施設の種類、自宅から施設までの直線距離等である。
【0054】
ステップ340の後、目的地候補表示プログラム300の実行は終了する。
【0055】
目的地候補表示プログラム300の実行後、ユーザが、表示されたリスト中のいずれかの施設を入力装置12を用いて選択操作すると、制御回路15は、この選択された施設についての経路案内を開始する。
【0056】
制御回路15が以上のようなプログラムを実行することで、制御回路15は、訪問データベース中の履歴リスト、最大直線距離データ、嗜好順位リストに基づいて、自宅から平均最大直線距離内にあり、過去に訪問したことがなく、かつユーザの嗜好に合う施設を案内目的地候補として表示する。
【0057】
このように、車両用ナビゲーション装置10が、ユーザの嗜好に会う施設を、施設への訪問履歴に基づくユーザの嗜好の統計情報に基づいて選び出し表示するようになっているので、ユーザが自分の嗜好の入力を行う必要なく、ユーザの嗜好に合う目的地候補を表示することができる。また、過去に行ったことのある施設については経路案内する必要性が低いので、過去に訪問したことのない施設を案内目的地候補とすることで、さらにユーザのニーズに合った案内目的地候補を表示することができる。また、案内目的地候補の施設を、訪問施設−自宅間の距離の統計情報に基づく代表的な距離内のものに絞り込むことで、さらにユーザのニーズに合った案内目的地候補を表示することができる。
【0058】
なお、上記した実施形態において、制御回路15が訪問データベース管理プログラム200を実行することで、記憶制御手段として機能する。
【0059】
また、表示装置13が表示手段として機能する。
【0060】
また、上記した実施形態においては、制御回路15は、訪問データベース管理プログラム200のステップ240で、訪問目的別に施設種類の訪問回数を順位付けして、嗜好順位リストに記憶させるようになっているが、必ずしも訪問目的別に分類する必要はない。全ての施設種類をまとめて順位付けしてもよい。そしてその場合、目的地候補表示プログラム300の実行においては、訪問目的に関わらず、絞り込み、表示を行えばよい。
【0061】
また、上記した実施形態においては、登録された自宅から施設までの距離は、必ずしも直線距離でなくともよく、例えば自宅からその施設まで案内された経路に沿った距離であってもよい。
【0062】
また、本実施形態は、目的地候補表示プログラム300のステップ310で用いる基準距離としては、訪問履歴に基づいた平均最大直線距離を用いているが、かならずしもこのようになっておらずともよい。例えば、基準距離として、訪問履歴に基づいた、自乗平均距離の平方根、履歴リストに記憶された直線距離のうちの60パーセントがその距離以下となるような距離等、記憶された距離の特徴を表す代表的距離であれば、どのようなものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置10の構成を示す図である。
【図2】訪問データベース管理プログラム200のフローチャートである。
【図3】目的地候補表示プログラム300のフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
10…車両用ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…入力装置、
13…表示装置、14…外部記憶媒体、15…制御回路、16…イグニッション線、
200…訪問データベース管理プログラム、300…目的地候補表示プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体と、
施設への訪問履歴に基づくユーザの嗜好の統計情報を前記記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、
記憶された前記嗜好の統計情報に基づいて、ユーザの嗜好に合う施設を案内目的地候補として表示する候補表示手段と、を備えた車両用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記記憶制御手段は更に、訪問した施設と登録された自宅との距離に基づく距離の統計情報を前記記憶媒体に記憶させ、
前記候補表示手段は、前記嗜好の統計情報に基づいて、自宅から前記距離の統計情報に基づく代表的な距離内にあり、かつユーザの嗜好に合う施設を、案内目的地候補として表示することを特徴とする請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記記憶制御手段は更に、施設への訪問履歴情報を前記記憶媒体に記憶させ、
前記候補表示手段は、記憶された前記訪問履歴情報および前記嗜好の統計情報に基づいて、過去に訪問したことのないユーザの嗜好に合う施設を案内目的地候補として表示することを特徴とする請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項4】
記憶媒体と、
施設への訪問履歴情報、施設への訪問履歴に基づくユーザの嗜好の統計情報、および訪問した施設と登録された自宅との距離に基づく距離の統計情報を前記記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、
記憶された前記訪問履歴情報および前記嗜好の統計情報に基づいて、自宅から前記距離の統計情報に基づく代表的な距離内にあり、過去に訪問したことがなく、かつユーザの嗜好に合う施設を案内目的地候補として表示する候補表示手段と、を備えた車両用ナビゲーション装置。
【請求項5】
記憶される前記嗜好の統計情報とは、訪問した施設についての施設種類毎の訪問回数であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記候補表示手段は、ユーザの嗜好に合う施設を、前記訪問回数に基づいて選択した施設種類に属する施設とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−10326(P2006−10326A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183560(P2004−183560)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】