説明

車両用ナビゲーション装置

【課題】案内経路が確定していなくても、自動的に方向指示器の点灯制御を行うことができる車両用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】道路間の合流地点に関する情報を含む道路地図データと車両の現在位置とに基づいて、走行中の道路の走行方向前方に存在する合流地点に、予め定められた支援開始距離まで接近したと判定された場合に、当該車両に搭載された方向指示器を、当該合流地点での進路変更方向を示す駆動状態とするための方向指示器駆動支援情報を出力することを特徴とする車両用ナビゲーション装置として提供可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を探索してモニタ上の地図に表示して経路案内を行う車両用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、出発地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、ユーザの効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
車両用ナビゲーション装置と連携してウィンカー(方向指示器)を制御する技術も開示されている。例えば、車線変更禁止区域にて誤った車線(案内ルートに沿って走行することができない車線)上を走行している場合に、運転者に新たな案内ルートを提示し、さらに、経路誤りの生じやすい交差点を考慮してより効率的な経路誘導を行うことができる車両用経路誘導装置が考案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、音声による案内が行われてからかなりの時間が経過してしまい、運転者が右左折を忘れてしまった場合に、運転者に右左折についての注意を喚起できる音声案内ナビゲーション装置が考案されている(特許文献2参照)。
【0005】
また、ウィンカーの状態を検出し、車線変更が安全か危険かを確認し、危険な場合には警報を発するなどして車線変更の安全を確認するための車線変更安全確認装置が考案されている(特許文献3参照)。
【0006】
また、自車両が走行している道路の交通規制情報を運転者に的確に知らせ、運転者が左折または右折してはいけない状況において方向指示器を操作して左折または右折しようとした場合には、警告表示を行うことによりその動作を未然に防止できるナビゲーション装置が考案されている(特許文献4参照)。
【0007】
また、ユーザのウィンカー操作が行われた地点と車両の右左折地点の差に基づく操作タイミングを検出し、その操作タイミングに基づいて経路案内の案内タイミングを決定するナビゲーション装置が考案されている(特許文献5参照)。
【0008】
【特許文献1】特開平08−110236号公報
【特許文献2】特開平10−2751号公報
【特許文献3】特開平10−250508号公報
【特許文献4】特開2001−241955号公報
【特許文献5】特開2002−188933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般に、車両用ナビゲーション装置と連携して方向指示器を制御する場合、予め目的地が設定されて案内経路が確定していないと分岐や車線変更ポイントが分からず方向指示器の操作指示を行うことができないという問題点がある。
【0010】
特許文献1では、ビーコンからのデータを受信して車線情報を取得する必要がある。よって、ビーコンを受信できる構成でない場合は、この発明の作用効果を得ることができない。
【0011】
また、特許文献3では、路車間通信システム,車車間通信システムが必須条件となるので、これらのシステムが構築されていない地域では、本発明の作用効果を得られないという問題がある。
【0012】
また、特許文献2〜5は、方向指示器の操作を忘れたり検出した後の制御であり、それ以前の操作についての処置は開示されていない。
【0013】
上記問題を背景として、本発明の課題は、案内経路が確定していなくても、自動的に方向指示器の点灯制御を行うことができる車両用ナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0014】
上記課題を解決するための車両用ナビゲーション装置は、道路地図データを、道路間の合流地点に関する情報とともに記憶する道路地図データ記憶手段と、道路地図上の車両の現在位置を検出する位置検出手段と、道路地図上において、車両が走行中の道路を走行方向とともに特定する走行中道路特定手段と、道路地図データと車両の現在位置とに基づいて、走行中の道路の走行方向前方に存在する合流地点に、予め定められた支援開始距離まで接近したか否かを判定する合流地点接近判定手段と、車両が支援開始距離まで接近したと判定された場合に、当該車両に搭載された方向指示器を、当該合流地点での進路変更方向を示す駆動状態とするための方向指示器駆動支援情報を出力する方向指示器駆動支援情報出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
上記構成によって、予め目的地が設定されて案内経路が確定していなくても、方向指示器の駆動制御を自動的に行うことができる。また、路車間通信システム,車車間通信システム,あるいは他のシステムにより、外部から車線情報等を取得する必要がなく、車両用ナビゲーション装置単独で本発明を構成することができる。
【0016】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置における方向指示器駆動支援情報出力手段は、方向指示器駆動支援情報として、方向指示器を自動駆動するための方向指示器駆動指令情報を、方向指示器の駆動制御部に対して出力するように構成することもできる。
【0017】
本発明は、例えば、高速道路等の高規格道路の合流点等のような、方向指示器を操作しなければならないポイントに進入する場合に、ユーザの方向指示器の操作を検出し、ユーザの方向指示器の操作がない場合でも、自動的に方向指示器の駆動制御を実施するものである。上記構成によって、ユーザの方向指示器の操作忘れが発生しても、方向指示器が点滅して自車の挙動を知らせることができるので、周囲に混乱を及ぼすことはない。
【0018】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置における方向指示器駆動支援情報出力手段は、方向指示器駆動支援情報として、方向指示器を手動により駆動操作するよう運転者を誘導するための方向指示器操作誘導情報を出力するように構成することもできる。
【0019】
本発明は、上述のような方向指示を出さなければならないポイントに進入する場合には、ユーザに方向指示器の操作を促すものである。上記構成によって、ユーザの方向指示器の操作忘れを防ぐことができる。
【0020】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両が合流地点において合流を完了したか否かを判定する合流完了判定手段と、方向指示器の駆動動作中において車両が合流を完了したと判定された場合に、方向指示器の駆動を自動停止するための方向指示器停止指令情報を方向指示器の駆動制御部に対して出力する方向指示器停止指令手段と、を備えるように構成することもできる。
【0021】
合流時も車両の周囲に対してより注意を払う必要があるので、ユーザの方向指示器の戻し忘れや戻し遅れが発生しやすい。上記構成によって、ユーザの方向指示器の戻し忘れ・戻し遅れに対処することができる。
【0022】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置における合流完了判定手段は、車両が合流地点から予め定められた距離を走行した場合に、車両が合流を完了したと判定するように構成することもできる。
【0023】
上記構成によって、適確に合流の完了を判定することができる。
【0024】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置における道路地図データ記憶手段は、一方向の走行方向属性を有するリンクに一つの流入リンクが接続するノードを、方向指示器駆動支援情報の出力対象となる合流地点として記憶し、走行中道路特定手段により車両が流入リンクを走行中であると特定された場合に、方向指示器駆動支援情報出力手段が方向指示器駆動支援情報を出力するか否かの判定を行う方向指示器駆動支援情報出力判定手段を備えるように構成することもできる。
【0025】
上記構成によって、車両が流入路を走行中の場合に、適切なタイミングで方向指示器駆動支援情報を出力することが可能となる。
【0026】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置における道路地図データ記憶手段は、複数の同一方向への複数の車線を含む道路において、少なくとも一つの車線が他の車線に合流する地点を、方向指示器駆動支援情報の出力対象となる合流地点として記憶し、走行中道路特定手段により車両が地点にて他の車線に合流する車線を走行中であると特定された場合に、方向指示器駆動支援情報出力手段が方向指示器駆動支援情報を出力するか否かの判定を行う方向指示器駆動支援情報出力判定手段を備えるように構成することもできる。
【0027】
上記構成によって、例えば車線減少区間のような、車両が走行中の車線が前方で隣接する車線に合流する場合でも、適切なタイミングで方向指示器駆動支援情報を出力することが可能となる。
【0028】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置における道路地図データ記憶手段は、車線数が同一の区間を一つのリンクとして記憶し、車両の走行方向前方で、当該車両が走行中のリンクに接続する次リンクの車線数が減少し、かつ、車両が走行中の車線が次リンクに含まれない場合、方向指示器駆動支援情報出力判定手段は、方向指示器駆動支援情報出力手段が方向指示器駆動支援情報を出力するか否かの判定を行うように構成することもできる。
【0029】
上記構成によって、車両が走行中の車線が前方で隣接する車線に合流するかどうかを判断でき、合流する場合には、適切なタイミングで方向指示器駆動支援情報を出力することが可能となる。
【0030】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置における道路地図データ記憶手段は、料金所のゲートを通過後に該ゲートの前方の流出道路において合流する地点を、方向指示器駆動支援情報の出力対象となる合流地点として記憶し、また、各ゲートから合流地点への複数の流入リンクのうち、合流地点からの流出リンクとなす角度が最も小さいリンクを本線リンクとして記憶し、走行中道路特定手段により車両が本線リンクとは異なる流入リンクを走行中であると特定された場合に、方向指示器駆動支援情報出力手段が方向指示器駆動支援情報を出力するか否かの判定を行う方向指示器駆動支援情報出力判定手段を備えるように構成することもできる。
【0031】
上記構成によって、車両が料金所を通行後に、その前方の道路に合流する場合でも、適切なタイミングで方向指示器駆動支援情報を出力することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の車両用ナビゲーション装置を、図面を参照しながら説明する。図1に車両用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)100の構成を示す。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行う音声合成回路24,スピーカ15,メモリ9,表示器10,送受信機13,ハードディスク装置(HDD)21,LAN I/F(インターフェース)26,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12等を備えている。
【0033】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサ(図示せず)や各転動輪の車輪センサ例えば車速センサ23等を用いてもよい。なお、位置検出器1が本発明の位置検出手段に相当する。
【0034】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になったタッチパネル22もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。タッチパネル22は、表示器10の画面上にガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してX軸方向、Y軸方向に電気回路が配線され、フィルム上をユーザがタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを2次元座標値(X,Y)として検出する、いわゆる抵抗膜方式が広く用いられる。その他に、周知のいわゆる静電容量方式を用いてもよい。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0035】
また、マイク31および音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイク31から入力された音声信号を、音声認識ユニット30において周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行い、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。これら操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22,およびマイク31により、種々の指示を入力することが可能である。
【0036】
制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84,A/D変換部86,描画部87,時計IC88,およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、HDD21に記憶されたナビプログラム21pおよびデータにより制御を行う。また、HDD21へのデータの読み書きの制御はCPU81によって行われる。また、CPU81からHDD21に対してデータの読み書きの制御ができなくなった場合のために、ROM82にナビゲーション装置100として必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。
【0037】
なお、制御回路8が本発明の走行中道路特定手段,方向指示器駆動支援情報出力手段,合流地点接近判定手段,合流完了判定手段,方向指示器停止指令手段,方向指示器駆動支援情報出力判定手段に相当する。
【0038】
A/D変換部86は周知のA/D(アナログ/デジタル)変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0039】
描画部87は、HDD21等に記憶された道路地図データ21m(後述),表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0040】
時計IC88はリアルタイムクロックICとも呼ばれ、CPU81からの要求に応じて時計・カレンダーのデータを送出あるいは設定するものである。CPU81は時計IC88から日時情報を取得する。また、GPS受信機5で受信したGPS信号に含まれる日時情報を用いてもよい。また、CPU81に含まれるリアルタイムカウンタを基にして日時情報を生成してもよい。
【0041】
メモリ9はEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能なデバイスによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、メモリ9は、ナビゲーション装置100がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。また、メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDD21に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをメモリ9とHDD21に分けて記憶してもよい。
【0042】
表示器10は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8(描画部87)から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。なお、表示器10が本発明の方向指示器駆動支援情報出力手段に相当する。
【0043】
送受信機13は、例えば道路に沿って設けられた送信機(図示せず)から出力される光ビーコン、または電波ビーコンによってVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム,登録商標)センタ14から道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信するための装置である。また、送受信機13を用いてインターネット等の外部ネットワークに接続可能な構成としてもよい。
【0044】
スピーカ15は周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム21pの指令によってメモリ9あるいはHDD21に記憶されるデジタル音声データが音声合成回路24においてアナログ音声に変換されたものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。
【0045】
また、ETC車載器17と通信することにより、ETC車載器17が路側器(図示せず)から受信した料金情報などをナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器17によって外部ネットワークと接続し、VICSセンタ14等との通信を行う構成をとってもよい。
【0046】
HDD21には、ナビプログラム21pの他に位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データベースである道路地図データ21mが記憶される。道路地図データ21mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標,距離,所要時間,道幅,車線数,制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標,右左折車線数,接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。さらに、道路地図データ21mには、道路間の合流地点に関する情報も記憶されている。なお、道路地図データ21mが本発明の道路地図データ記憶手段に相当する。
【0047】
また、HDD21には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータ21uとして記憶される。また、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報はデータベース21dとしても記憶される。
【0048】
ナビプログラム21p,道路地図データ21m,ユーザデータ21u,およびデータベース21dは、地図データ入力器6を介して記憶媒体20からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。記憶媒体20は、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0049】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出する。
【0050】
LAN I/F26は車内LAN27を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F26を介して車速センサ23からのデータ取り込み、あるいはETC車載器17との接続を行ってもよい。
【0051】
ブルートゥース(Bluetooth,登録商標)通信装置35は、周知のハンズフリーユニット36との間の通信を行うためのものである。ハンズフリーユニット36は、例えば、マイク31の代わりに音声によりナビゲーション装置100の各種操作を行ったり、ナビゲーション装置100と図示しない携帯電話端末とが連携することで、携帯電話端末の操作・通話を可能とするものである。
【0052】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム21pが起動されると、ユーザが操作スイッチ群7,タッチパネル22,リモコン端末12の操作、あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニューから目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0053】
すなわち、まず、ユーザは目的地を探索する。目的地の探索方法は、例えば、地図上の任意の地点を指定する方法,目的地の所在する地域から探索する方法,目的地の電話番号から探索する方法,五十音表から目的地の名称を入力して探索する方法,あるいはユーザがよく利用する施設としてメモリ9に記憶されているものから探索する方法などがある。目的地が設定されると、位置検出器1により車両の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示器10上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示器10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行う。
【0054】
図2にウィンカー制御装置200の構成を示す。ウィンカー制御装置200は、ターンシグナル作動スイッチ213,LAN I/F226,フラッシャ制御回路227,右折用のターンシグナル(R)228,左折用のターンシグナル(L)229,およびこれらの接続された制御回路280等を備えている。なお、ウィンカー制御装置200が本発明の方向指示器に相当する。
【0055】
右折用のターンシグナル(R)228あるいは左折用のターンシグナル(L)229の点滅駆動操作を行うターンシグナル作動スイッチ213は、例えばレバースイッチとして構成され、ウィンカーレバー210,右折のための右ターンシグナル用スイッチ211,左折のための左ターンシグナル用スイッチ212,右車線への車線変更を行うための右レーンチェンジ用スイッチ214,左車線への車線変更を行うための左レーンチェンジ用スイッチ215を含んで構成される。右レーンチェンジ用スイッチ214あるいは左レーンチェンジ用スイッチ215を、ターンシグナル作動スイッチ213に含まない構成としてもよい。
【0056】
ウィンカーレバー210を軽く上或いは下に押すと半押し状態となり、右レーンチェンジ用スイッチ214あるいは左レーンチェンジ用スイッチ215の接点と接触する。また、ウィンカーレバー210をさらに押すと全押し状態となり、右ターンシグナル用スイッチ211あるいは左ターンシグナル用スイッチ212の接点と接触し、その接触状態が固定保持される。
【0057】
ターンシグナル作動スイッチ213の状態はフラッシャ制御回路227に入力され、その状態に基づいて、右折用のターンシグナル(R)228あるいは左折用のターンシグナル(L)229の点滅駆動が制御される。
【0058】
ウィンカーレバー210が半押し状態である場合には、オートレーンチェンジ指示状態となり、レーンチェンジ用スイッチ(214および215)の状態が制御回路280に入力され、その状態に基づいて、点滅制御指令がフラッシャ制御回路227に送られ、ターンシグナル(R)228あるいはターンシグナル(L)229は、予め定められたパターンで点滅動作後に自動終了する。
【0059】
ウィンカーレバー210が全押し状態である場合には、ターンシグナル用スイッチ(211および212)の状態がフラッシャ制御回路227に入力され、その状態に基づいて、ターンシグナル(R)228あるいはターンシグナル(L)229を連続点滅させる。そして、ウィンカーレバー210を反対方向に押すか、操舵ハンドル(図示せず)をウィンカーが点滅している側に所定の角度以上回してから戻す点滅停止操作を行うと、ターンシグナル(R)228あるいはターンシグナル(L)229は消灯する。
【0060】
制御回路280には、周知のCPU281,ROM282,RAM283,入出力回路であるI/O284,フラッシュメモリ290,およびこれらの構成を接続するバスライン285が備えられている。CPU281は、ROM282に記憶された制御プログラム282pおよびデータにより制御を行う。なお、制御回路280が本発明の方向指示器の駆動制御部に相当する。
【0061】
フラッシュメモリ290は電気的に書き換え可能な半導体記憶媒体で、ウィンカー制御装置200の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、フラッシュメモリ290は、ウィンカー制御装置200がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。
【0062】
図3を用いて、方向指示器駆動制御処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、ナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、位置検出器1から車両101(図10,図11参照)の現在位置情報を取得する(S11)。次いで、道路地図データ21mを参照して、車両101の進行方向のリンクに合流地点、すなわち現在走行中のリンクに接続する他のリンクが存在するか否かを調べる。
【0063】
合流地点が存在する場合(S12:Yes)、2つのリンクの交点であるノードにおける退出方向の数を調べる(S13)。そして、退出方向が一つの場合(S14:Yes)、退出道路が本線か否かを調べる。本線か否かは、2つのリンク(すなわち道路)の種別の位置付けの高いもの(例:国道>県道>市道),幅員の広いもの,優先道路であるもの、等により判別する。
【0064】
退出道路が本線、すなわち車両101が本線に合流する道路を走行中の場合(S15:Yes)、位置検出器1から車両101の現在位置情報を取得する(S16)。次いで、車速センサ23から車両101の車速情報を取得する(S17)。そして、車両101の現在位置と合流地点との距離と、車両101の車速とから、車両101が現在位置から合流地点へ到達するまでの時間を推定演算する。その結果、車両101の合流地点への到達時間が、例えば5秒のような予め定められた値を下回る場合(S18:Yes)、方向指示器を、当該合流地点での進路変更方向を示す駆動状態とするための方向指示器駆動支援情報を出力する方向指示器駆動支援情報出力処理を実行する(S19,後述)。
【0065】
また、方向指示器駆動支援情報出力処理を実行する条件を、上述のような車両101の現在位置から合流地点までの時間を用いる他に、車両101の現在位置と合流地点との距離が、例えば100mのような予め定められた支援開始距離を下回る場合としてもよい。
【0066】
最後に、方向指示器の駆動を自動停止するための方向指示器停止指令情報をウィンカー装置200に対して出力する方向指示器停止指令情報出力処理を実行する(S20,後述)。
【0067】
図4を用いて、図3のステップS19に相当する、方向指示器駆動支援情報出力処理について説明する。まず、ターンシグナル作動スイッチ213の状態を含む方向指示器状態情報を取得する(S31)。方向指示器状態情報は、車内LAN27を経由してウィンカー装置200から取得する。ターンシグナル作動スイッチ213の状態を直接取得してもよい。
【0068】
ターンシグナル作動スイッチ213において、ウィンカーレバー210が上述の半押し状態あるいは全押し状態のいずれでもない場合、すなわちウィンカー装置200が手動で駆動されていないオフ状態である場合(S32:No)、メモリ9あるいはHDD21のデータベース21dに記憶されている方向指示器モード情報を取得する(S33)。
【0069】
方向指示器モードは、車両101が合流地点に、予め定められた支援開始距離に接近した時に出力される方向指示器駆動支援情報の内容を決定するために用いられる。方向指示器モード情報は、操作スイッチ群7等からの操作入力で、ユーザによって設定内容を変更することも可能である。
【0070】
方向指示器モードが、方向指示器駆動支援情報にウィンカー装置200を自動駆動するための方向指示器駆動指令情報を含む「自動モード」である場合(S34:Yes)、車内LAN27を介し、ウィンカー装置200に対しターンシグナル(R)28あるいはターンシグナル(L)29を自動点滅駆動するための方向指示器駆動指令信号を出力する(S35)。このとき、表示器10に、図5のようなメッセージを出力してもよい。また、同様の音声メッセージをスピーカ15から送出してもよい。
【0071】
ウィンカー装置200では、方向指示器駆動支援情報を受信した場合、その内容に基づいて、制御回路280からフラッシャ制御回路27に指令が送られ、その指令に基づいて、右折用のターンシグナル(R)28あるいは左折用のターンシグナル(L)29の点滅駆動が行われる。
【0072】
図4に戻り、方向指示器モードが、ウィンカー装置200を手動により駆動操作するよう運転者を誘導するための方向指示器操作誘導情報を含む「手動モード」である場合(S34:No)、表示器10あるいはスピーカ15から、図6のような、運転者にウィンカー装置の駆動を促すメッセージを出力する(S36)。次いで、タイマをスタートさせる(S37)。
【0073】
次に、車内LAN27を介して、ウィンカー装置200からターンシグナル作動スイッチ213の状態を含む方向指示器状態情報を取得する(S38)。ターンシグナル作動スイッチ213において、ウィンカーレバー210が上述の半押し状態あるいは全押し状態のいずれかの状態である場合、すなわちウィンカー装置200が手動で駆動されている場合(S39:Yes)、本処理を終了する。
【0074】
一方、ウィンカー装置200が手動で駆動されていない場合(S39:No)で、タイマの値が予め定められた値を超えて、例えば2秒のような所定の時間が経過した場合(S40:Yes)、「自動モード」として(S41)、車内LAN27を介し、ウィンカー装置200に対しターンシグナル(R)28あるいはターンシグナル(L)29を点滅駆動するための方向指示器駆動指令信号を出力する(S35)ようにしてもよい。
【0075】
また、図4において、「自動モード」でない場合の処理(ステップS36〜S41)を実行しない構成としてもよい。この場合、ステップS35において「自動モード」であることを設定する。
【0076】
図7〜図9を用いて、図3のステップS20に相当する、方向指示器停止指令情報出力処理について説明する。まず、まず、位置検出器1から車両101(図10,図11参照)の現在位置情報を取得する(S51)。次いで、道路地図データ21mを参照して、車両101が本線に合流できたか否か、すなわち合流地点に到達したか否かを調べる。
【0077】
車両101が本線に合流できた場合(S52:Yes)、車内LAN27を介して、ウィンカー装置200からターンシグナル作動スイッチ213の状態を含む方向指示器状態情報を取得する(S53)。
【0078】
そして、ウィンカー装置200が駆動されているか否かを調べる。ウィンカー装置200では、制御回路280からフラッシャ制御回路227へは点滅駆動指令が送られ、ターンシグナル(R)28あるいはターンシグナル(L)29が点滅している。そこで、方向指示器状態情報に、フラッシャ制御回路227への制御指令の内容を含むことで、ウィンカー装置200が駆動されているか否かを判定することができる。
【0079】
ウィンカー装置200が駆動されている場合(S54:Yes)、タイマをスタートさせる(S55)そして、タイマの値が予め定められた値を超えて、例えば2秒のような所定の時間が経過した場合(S56:Yes)、メモリ9あるいはHDD21のデータベース21dに記憶されている方向指示器モード情報を取得する(S57)。方向指示器モードが、上述のような「自動モード」である場合(S58:Yes)、車内LAN27を介し、ウィンカー装置200に対し方向指示器の駆動を自動停止するための方向指示器停止指令情報を出力する(S59)。このとき、表示器10に図8のようなメッセージを表示してもよい。また、同様の音声メッセージをスピーカ15から送出してもよい。
【0080】
ウィンカー装置200では、方向指示器停止指令情報を受信した場合、制御回路280からフラッシャ制御回路27に指令が送られ、その指令に基づいて、右折用のターンシグナル(R)28あるいは左折用のターンシグナル(L)29の点滅を停止する。
【0081】
図7に戻り、方向指示器モードが、上述のような「手動モード」である場合(S58:No)、表示器10に図9のようなメッセージを表示して、運転者にウィンカー装置200の駆動を停止するよう促す(S60)。
【0082】
また、車両101が合流地点から、例えば30mのような予め定められた距離を走行した場合に、車両101が合流を完了したと判定して、方向指示器停止指令情報を出力したり、運転者にウィンカー装置200の駆動の停止を促すメッセージを表示してもよい。
【0083】
図10および図11に、図3〜図9の処理が実行される合流地点の例を示す。図10では、高速道路のインターチェンジで流入路R12(道路地図データ21m上の流入リンクL12)から本線R11(道路地図データ21m上の本線リンクL11)に合流する例が示されている。この場合、中央分離帯B11が設置されていて対向車線には流入できないので、車両101の進行方向は一意に決められる。車両101が流入路R12を走行時に、前方の本線R11との合流地点P11(道路地図データ21m上のノード)の手前の予め定められた距離にある、あるいは合流地点P11までの所要時間が予め定められた値となる地点P12に到達すると、方向指示器モードに応じた方向指示器駆動支援情報が出力され、「自動モード」の場合はウィンカー装置200が自動駆動される。また、車両101が合流地点P11を通過してから、予め定められた距離を走行したとき、あるいは予め定められた時間が経過したときに走行中の地点P13において、方向指示器モードに応じた方向指示器駆動支援情報が出力され、「自動モード」の場合はウィンカー装置200の駆動が自動停止される。
【0084】
図11では、流入路R22から幹線道路等の本線R21に合流する例が示されている。この場合、本線R21には中央分離帯が設置されていないが、道路地図データ21mのリンク情報あるいはノード情報には、合流地点P21(ノード)では、流入路R22(流入リンクL22)から本線R21(本線リンクL21)へは左折のみしかできない規制(S21)があるので、車両101の進行方向は一意に決められる。車両101が流入路R22を走行時に、前方の本線R21との合流地点P21の手前の予め定められた距離にある、あるいは合流地点P21までの所要時間が予め定められた値となる地点P22に到達すると、方向指示器モードに応じた方向指示器駆動支援情報が出力され、「自動モード」の場合はウィンカー装置200が自動駆動される。また、車両101が合流地点P21を通過してから、予め定められた距離を走行したとき、あるいは予め定められた時間が経過したときに走行中の地点P23において、方向指示器モードに応じた方向指示器駆動支援情報が出力され、「自動モード」の場合はウィンカー装置200の駆動が自動停止される。
【0085】
図12を用いて、図3の方向指示器駆動制御処理の別例について説明する。まず、位置検出器1から車両101の現在位置情報を取得する(S71)。次いで、道路地図データ21mを参照して、車両101が現在走行中のリンクとその進行方向の次のリンクに含まれる車線数を比較してその差を求める(S72)。
【0086】
車両101の進行方向において車線数が減少する場合(S73:Yes)、車両101が現在走行中の車線が、次のリンクに含まれているか否かを調べる。そして、その車線が、次のリンクに含まれていない場合(S74:Yes)、位置検出器1から車両101の現在位置情報を取得する(S75)。次いで、車速センサ23から車両101の車速情報を取得する(S76)。また、道路地図データ21mからは、次のリンクとの接続地点(ノード)を合流地点として、その位置データを取得する。
【0087】
そして、車両101の現在位置と合流地点との距離と、車両101の車速とから、車両101が現在位置から合流地点へ到達するまでの時間を推定演算する。その結果、車両101の合流地点への到達時間が、例えば5秒のような予め定められた値を下回る場合(S77:Yes)、方向指示器を、当該合流地点での進路変更方向を示す駆動状態とするための方向指示器駆動支援情報を出力する方向指示器駆動支援情報出力処理を実行する(S78,図4参照)。
【0088】
また、方向指示器駆動支援情報出力処理を実行する条件を、上述のような車両101の現在位置から合流地点までの時間を用いる他に、車両101の現在位置と合流地点との距離が、予め定められた支援開始距離を下回る場合としてもよい。
【0089】
最後に、方向指示器の駆動を自動停止するための方向指示器停止指令情報をウィンカー装置200に対して出力する方向指示器停止指令情報出力処理を実行する(S79,図7参照)。
【0090】
図14に、図12の処理が適用される道路の例を示す。車両101が車線R32を走行中で、車線R32は前方で減少して右隣の車線R31に合流するようになっている。道路地図データ21m上では、リンクL31とリンクL32とがノードでもある合流地点P31で接続し、同一走行方向におけるリンクL31の車線数が2、リンクL32の車線数が1と記憶されている。
【0091】
ここで、車両101が、合流地点P31の手前の予め定められた距離にある、あるいは合流地点P31までの所要時間が予め定められた値となる地点P32に到達すると、方向指示器モードに応じた方向指示器駆動支援情報が出力され、「自動モード」の場合はウィンカー装置200が自動駆動される。また、車両101が合流地点P31を通過してから、予め定められた距離を走行したとき、あるいは予め定められた時間が経過したときに走行中の地点P33において、方向指示器モードに応じた方向指示器駆動支援情報が出力され、「自動モード」の場合はウィンカー装置200の駆動が自動停止される。
【0092】
図13を用いて、図3の方向指示器駆動制御処理の別例について説明する。まず、位置検出器1から車両101の現在位置情報を取得する(S91)。次いで、道路地図データ21mを参照して、車両101の現在位置が料金所の手前の予め定められた距離の地点であるか否かを調べる。
【0093】
車両101の現在位置が料金所の手前の予め定められた距離の地点である場合(S92:Yes)、走行軌跡のトレースを開始する(S93)。すなわち、予め定められたサンプリングタイミングで車両101の現在位置をサンプリングする。そして、車両101が料金所のゲートを通過した場合(S94:Yes)、料金所の各ゲートと料金所前方の道路(流出路)における合流地点とを結ぶ仮想走行路(流入リンク)を作成する(S95)。
【0094】
合流地点は、道路地図データ21mに予め記憶されている。
【0095】
そして、合流地点より先のリンクとなす角度が最も小さい流入リンクを本線リンクとし、RAM83あるいはメモリ9に記憶する。
【0096】
車両101の走行軌跡が本線リンク上にはないが、本線リンクに接近する動きを示している場合(S96:Yes)、位置検出器1から車両101の現在位置情報を取得する(S97)。次いで、車速センサ23から車両101の車速情報を取得する(S98)。
【0097】
そして、車両101の現在位置と合流地点との距離と、車両101の車速とから、車両101が現在位置から合流地点へ到達するまでの時間を推定演算する。その結果、車両101の合流地点への到達時間が、例えば5秒のような予め定められた値を下回る場合(S99:Yes)、走行軌跡のトレースを終了する(S100)。そして、方向指示器を、当該合流地点での進路変更方向を示す駆動状態とするための方向指示器駆動支援情報を出力する方向指示器駆動支援情報出力処理を実行する(S101,図4参照)。
【0098】
また、方向指示器駆動支援情報出力処理を実行する条件を、上述のような車両101の現在位置から合流地点までの時間を用いる他に、車両101の現在位置と合流地点との距離が、予め定められた支援開始距離を下回る場合としてもよい。
【0099】
最後に、方向指示器の駆動を自動停止するための方向指示器停止指令情報をウィンカー装置200に対して出力する方向指示器停止指令情報出力処理を実行する(S102,図7参照)。
【0100】
図15に、図13の処理が適用される道路の例を示す。車両101は料金所のゲートG3を通過して合流地点P41へ向かおうとしている。道路地図データ21mには、料金所の各ゲート(G1〜G7)の位置座標データが記憶されている。また、合流地点P41から先の道路についても、リンクL42(流出リンク)のデータとして道路地図データ21mに記憶される。
【0101】
さらに、各ゲートからリンクL42に向かって仮想走行路L411〜L417(流入リンク)が設定され、これら仮想走行路とリンクL42との交点を合流地点P41とし、合流地点P41において、仮想走行路(L411〜L417)とリンクL42を料金所方向へ延長した線とのなす角度θが最も小さい仮想走行路(図15の例ではL416)を本線リンクとする。道路地図データ21mには、これら、合流地点P41,仮想走行路L411〜L417,および本線リンク(L416)の情報も記憶されている。無論、図13の処理が実行される毎に仮想走行路,本線リンクを計算してもよい。
【0102】
ここで、車両101が、ゲートG3を通過して合流地点P41に向かう場合、仮想走行路L413に沿って走行するものと見なす。そして、仮想走行路L413は本線リンクL416とは異なるので、車両101の現在位置から合流地点P41までの所要時間が予め定められた値となる地点P42に到達すると、方向指示器モードに応じた方向指示器駆動支援情報が出力され、「自動モード」の場合はウィンカー装置200が自動駆動される。また、車両101が合流地点P41を通過してから、予め定められた距離を走行したとき、あるいは予め定められた時間が経過したときに走行中の地点P43において、方向指示器モードに応じた方向指示器駆動支援情報が出力され、「自動モード」の場合はウィンカー装置200の駆動が自動停止される。
【0103】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】車両用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】ウィンカー装置の構成を示すブロック図。
【図3】方向指示器駆動制御処理を説明するフロー図。
【図4】方向指示器駆動支援情報出力処理を説明するフロー図。
【図5】方向指示器駆動指令情報の出力例を示す図。
【図6】方向指示器操作誘導情報の出力例を示す図。
【図7】方向指示器停止指令情報出力処理を説明するフロー図。
【図8】方向指示器停止指令情報の出力例を示す図。
【図9】方向指示器停止指令情報の出力の別例を示す図。
【図10】図4の方向指示器駆動支援情報出力処理の適用例を示す図。
【図11】図4の方向指示器駆動支援情報出力処理が適用される別例を示す図。
【図12】方向指示器駆動制御処理の別例を説明するフロー図。
【図13】方向指示器駆動制御処理の別例を説明するフロー図。
【図14】図12の方向指示器駆動制御処理の適用例を示す図。
【図15】図13の方向指示器駆動制御処理の適用例を示す図。
【符号の説明】
【0105】
1 位置検出器(位置検出手段)
7 操作スイッチ群
8 制御回路(走行中道路特定手段,方向指示器駆動支援情報出力手段,合流地点接近判定手段,合流完了判定手段,方向指示器停止指令手段,方向指示器駆動支援情報出力判定手段)
10 表示器(方向指示器駆動支援情報出力手段)
12 リモコン端末
15 スピーカ
21 ハードディスク装置(HDD)
21m 道路地図データ(道路地図データ記憶手段)
22 タッチパネル
26 LAN I/F
100 車両用ナビゲーション装置
200 ウィンカー制御装置(方向指示器)
280 制御回路(方向指示器の駆動制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図データを、道路間の合流地点に関する情報とともに記憶する道路地図データ記憶手段と、
前記道路地図上の車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
前記道路地図上において、前記車両が走行中の道路を走行方向とともに特定する走行中道路特定手段と、
前記道路地図データと前記車両の現在位置とに基づいて、前記走行中の道路の走行方向前方に存在する前記合流地点に、予め定められた支援開始距離まで接近したか否かを判定する合流地点接近判定手段と、
前記車両が前記支援開始距離まで接近したと判定された場合に、当該車両に搭載された方向指示器を、当該合流地点での進路変更方向を示す駆動状態とするための方向指示器駆動支援情報を出力する方向指示器駆動支援情報出力手段と、
を備えることを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記方向指示器駆動支援情報出力手段は、前記方向指示器駆動支援情報として、前記方向指示器を自動駆動するための前記方向指示器駆動指令情報を、前記方向指示器の駆動制御部に対して出力する請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記方向指示器駆動支援情報出力手段は、前記方向指示器駆動支援情報として、前記方向指示器を手動により駆動操作するよう運転者を誘導するための方向指示器操作誘導情報を出力する請求項1または請求項2に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記車両が前記合流地点において合流を完了したか否かを判定する合流完了判定手段と、
前記方向指示器の駆動動作中において前記車両が合流を完了したと判定された場合に、前記方向指示器の駆動を自動停止するための方向指示器停止指令情報を前記方向指示器の駆動制御部に対して出力する方向指示器停止指令手段と、
を備える請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記合流完了判定手段は、前記車両が前記合流地点から予め定められた距離を走行した場合に、前記車両が合流を完了したと判定する請求項4に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記道路地図データ記憶手段は、一方向の走行方向属性を有するリンクに一つの流入リンクが接続するノードを、方向指示器駆動支援情報の出力対象となる前記合流地点として記憶し、
前記走行中道路特定手段により前記車両が前記流入リンクを走行中であると特定された場合に、前記方向指示器駆動支援情報出力手段が前記方向指示器駆動支援情報を出力するか否かの判定を行う方向指示器駆動支援情報出力判定手段を備える請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記道路地図データ記憶手段は、複数の同一方向への複数の車線を含む道路において、少なくとも一つの車線が他の車線に合流する地点を、方向指示器駆動支援情報の出力対象となる前記合流地点として記憶し、
前記走行中道路特定手段により前記車両が前記地点にて他の車線に合流する車線を走行中であると特定された場合に、前記方向指示器駆動支援情報出力手段が前記方向指示器駆動支援情報を出力するか否かの判定を行う方向指示器駆動支援情報出力判定手段を備える請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記道路地図データ記憶手段は、車線数が同一の区間を一つのリンクとして記憶し、
前記車両の走行方向前方で、当該車両が走行中のリンクに接続する次リンクの車線数が減少し、かつ、前記車両が走行中の車線が次リンクに含まれない場合、前記方向指示器駆動支援情報出力判定手段は、前記方向指示器駆動支援情報出力手段が前記方向指示器駆動支援情報を出力するか否かの判定を行う請求項7に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記道路地図データ記憶手段は、料金所のゲートを通過後に該ゲートの前方の流出道路において合流する地点を、方向指示器駆動支援情報の出力対象となる合流地点として記憶し、
また、各ゲートから前記合流地点への複数の流入リンクのうち、前記合流地点からの流出リンクとなす角度が最も小さいリンクを本線リンクとして記憶し、
前記走行中道路特定手段により前記車両が前記本線リンクとは異なる流入リンクを走行中であると特定された場合に、前記方向指示器駆動支援情報出力手段が前記方向指示器駆動支援情報を出力するか否かの判定を行う方向指示器駆動支援情報出力判定手段を備える請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−232821(P2008−232821A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−72761(P2007−72761)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】