説明

車両用ナビゲーション装置

【課題】ユーザーに煩わしさを感じさせることなく、車両の移動経路を設定可能な車両用ナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】ECU12は、音声コントローラ10から取得した音声コマンドが「自宅へ帰る」であった場合、位置検出器1が検出した車両の現在位置と、内部メモリに記憶されたユーザーの自宅が位置する地点との距離を算出するとともに、算出した距離が予め設定された設定距離以上である場合には、確認動作を行う。これにより、ユーザーの自宅が車両の現在位置から大きく離れている場合にのみ、確認動作が行われることとなり、それ以外の場合には確認動作は行われない。その結果として、ユーザーに煩わしさを感じさせることなく、車両の移動経路を設定可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーの発話したコマンドに対応するナビゲーション動作を行う車両用ナビゲーション装置が公知である。例えば特許文献1の装置では、車両の走行に影響を与えるコマンドの実行を許可する音声パターンからなる第1音声群と、第1音声群のコマンドと反対の意味を持つコマンドの音声パターンおよび第1音声群のコマンドと類似する音声パターンからなる第2音声群が用意される。この第1音声群の音声パターンのパターン領域を狭くすることで、ユーザーの発話したコマンドが誤認識されるのを極力防止する。
【特許文献1】特開2002−41085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来装置では、車両の走行に影響を与えるコマンドとして車両の移動経路を設定するコマンドをユーザーが発話するたびに、当該コマンドの実行を許可するか否かの確認動作を毎回行うため、ユーザーが煩わしさを感じることがあった。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザーに煩わしさを感じさせることなく、車両の移動経路を設定可能な車両用ナビゲーション装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置では、ユーザーの発話した音声コマンドが、予め登録された音声コマンドのいずれに該当するかを認識する認識手段と、認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作を実行する制御手段とを備えた車両用ナビゲーション装置であって、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、地図情報を記憶する地図記憶手段と、回帰地点を記憶する記憶手段と、認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作が、記憶手段に記憶された回帰地点までの車両の移動経路を設定するものであり、かつ、位置検出手段の検出結果および地図記憶手段に記憶された地図情報から、当該回帰地点が車両の現在位置から予め設定された設定距離以上離れている場合に、当該音声コマンドと対応するナビゲーション動作を制御手段に実行させるか否かの確認動作を行う確認手段を備えることを特徴とする。
【0006】
このように、本発明の車両用ナビゲーション装置では、確認手段は、認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作が、記憶手段に記憶された回帰地点までの車両の移動経路を設定するものであり、かつ、位置検出手段の検出結果および地図記憶手段に記憶された地図情報から、当該回帰地点が車両の現在位置から予め設定された設定距離以上離れている場合に、当該音声コマンドと対応するナビゲーション動作を制御手段に実行させるか否かの確認動作を行う。
【0007】
ユーザーが車両の移動経路を設定する際の目的地となる回帰地点は、通常、車両の現在位置からそう遠くない場合が多い。逆に、車両の現在位置から大きく離れた回帰地点が目的地として設定された場合、ユーザーが誤って当該回帰地点を目的地に設定したり、装置がユーザーの発話を誤認識した可能性がある。そこで、認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作が、記憶手段に記憶された回帰地点までの車両の移動経路を設定するものであり、かつ、位置検出手段の検出結果および地図記憶手段に記憶された地図情報から、当該回帰地点が車両の現在位置から予め設定された設定距離以上離れている場合に、当該音声コマンドと対応するナビゲーション動作を制御手段に実行させるか否かの確認動作を行うこととする。これにより、車両の現在位置から大きく離れた回帰地点が目的地として設定された場合にのみ、確認動作が行われることとなり、それ以外の場合には確認動作は行われない。その結果として、ユーザーに煩わしさを感じさせることなく、車両の移動経路をユーザーの意図に従って設定することが可能となる。なお、記憶手段に記憶される回帰地点とは、例えばユーザーの自宅や東京駅、霞ヶ関等、ユーザーが頻繁に訪れる地点として予め登録されたものを示す。
【0008】
請求項2に記載の車両用ナビゲーション装置では、ユーザーの発話した音声コマンドが、予め登録された音声コマンドのいずれに該当するかを認識する認識手段と、認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作を実行する制御手段とを備えた車両用ナビゲーション装置であって、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、地図情報を記憶する地図記憶手段と、回帰地点を記憶する記憶手段と、認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作が、記憶手段に記憶された回帰地点までの車両の移動経路を設定するものであり、かつ、位置検出手段の検出結果および地図記憶手段に記憶された地図情報から、当該回帰地点の属する都道府県が車両の現在位置の属する都道府県とは異なる場合に、当該音声コマンドと対応するナビゲーション動作を制御手段に実行させるか否かの確認動作を行う確認手段を備えることを特徴とする。
【0009】
このように、本発明の車両用ナビゲーション装置では、確認手段は、認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作が、記憶手段に記憶された回帰地点までの車両の移動経路を設定するものであり、かつ、位置検出手段の検出結果および地図記憶手段に記憶された地図情報から、当該回帰地点の属する都道府県が車両の現在位置の属する都道府県とは異なる場合に、当該音声コマンドと対応するナビゲーション動作を制御手段に実行させるか否かの確認動作を行う。
【0010】
ユーザーが車両の移動経路を設定する際の目的地となる回帰地点は、通常、車両の現在位置の属する都道府県と同じ都道府県である場合が多い。逆に、車両の現在位置の属する都道府県と異なる都道府県に属する回帰地点が目的地として設定された場合、ユーザーが誤って当該回帰地点を目的地に設定したり、装置がユーザーの発話を誤認識した可能性がある。そこで、認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作が、記憶手段に記憶された回帰地点までの車両の移動経路を設定するものであり、かつ、位置検出手段の検出結果および地図記憶手段に記憶された地図情報から、当該回帰地点の属する都道府県が車両の現在位置の属する都道府県とは異なる場合に、当該音声コマンドと対応するナビゲーション動作を制御手段に実行させるか否かの確認動作を行うこととする。これにより、車両の現在位置の属する都道府県と異なる都道府県に属する回帰地点が目的地として設定された場合にのみ、確認動作が行われることとなり、それ以外の場合には確認動作は行われない。その結果として、ユーザーに煩わしさを感じさせることなく、車両の移動経路をユーザーの意図に従って設定することが可能となる。
【0011】
請求項3に記載のように、記憶手段は、回帰地点としてユーザーの自宅を記憶することが望ましい。ユーザーの自宅は、回帰地点として設定されることが多いためである。
【0012】
請求項4に記載のように、画像を表示する表示手段を設け、確認手段は、確認動作として、認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作を制御手段に実行させるか否かを問い合わせる確認画像を、表示手段に表示させることが望ましい。これにより、ユーザーは表示手段に表示された確認画像から、制御手段に実行させるか否かの判断対象となるナビゲーション動作について把握することができる。
【0013】
請求項5に記載のように、確認手段が確認動作を行った後、認識手段が認識した音声コマンドと対応するナビゲーション動作を制御手段に実行させるか否かを、ユーザーの操作に基づいて指示する指示手段を設けることが望ましい。これにより、ユーザーは確認動作を受けた後に、認識手段が認識した音声コマンドと対応するナビゲーション動作を制御手段に実行させるか否かを指示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施形態における車両用ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【0015】
図1において、位置検出器1は、地磁気センサ1A、ジャイロスコープ1B、距離センサ1C、GPS受信機1Dから構成され、車両の現在位置および進行方向の検出を行う。
【0016】
地磁気センサ1Aは、例えばパーマロイ等の環状の強磁性体に、これを励磁するための励磁巻線と、方向検出用の直交する2つの検出巻線とが巻かれた構成を持つ。そして、励磁巻線に交流電圧を印加することによって2つの検出巻線に発生する電圧を計測し、これに基づいて車両の進行方向を絶対方位として検出する。
【0017】
ジャイロスコープ1Bは、例えば水晶振動子を備え、当該振動子を振動させた際に発生する、コリオリ力に基づく振動から、車両のヨー角速度(ヨーレート)を検出する。
【0018】
距離センサ1Cは、例えば車両に搭載された図示しない車輪や車軸の回転信号に基づいて、車両の移動距離を検出する。
【0019】
GPS受信機1Dは、人工衛星である図示しないGPS衛星から送信される位置測定用のGPS信号を受信し、車両が現在走行している地点の緯度や経度、高度を検出する。
【0020】
位置検出器1は、前述した4つの機器の検出結果を相互に補間することによって、車両の現在位置および進行方向を高い精度で検出する。もちろん、要求される検出精度によっては、前述の4つの機器を全て備える必要はない。なお、車両の現在位置および進行方向に関しては、例えば三次元ジャイロによって、車両の左右方向および高さ方向における加速度を検出し、当該検出結果にも基づいて検出することとしても良い。また、ステアリングセンサ等、他のセンサによる検出信号にも基づいて行うこととしてもよい。この位置検出器1は、位置検出手段を構成するものである。
【0021】
地図データ記憶器2は、例えば記憶媒体としてハードディスクを有し、道路情報、建造物情報、各地域の住所情報や郵便番号情報等を含む地図データと、地図画像を表示するための地図画像データとを記憶する。前述の地図データおよび地図画像データに関しては、CD−ROMやDVD−ROM等に記憶することとしても良い。この地図データ記憶器2は、地図記憶手段を構成するものである。
【0022】
ディスプレイ3は、車載用の小型ディスプレイであり、地図画像の表示を含む各種ナビゲーション表示を行う。また、車両の移動経路をユーザーの自宅へと設定して良いか否かをユーザーに問い合わせる確認画像を、地図画像に重畳して表示することも行う(図2参照)。前述した各種表示に関しては、車載用のヘッドアップディスプレイ等を用いることとしても良い。このディスプレイ3は、表示手段を構成するものである。
【0023】
操作スイッチ4は、複数のメカニカルなスイッチから構成され、各種ナビゲーション動作の開始や終了を指示する。また、車両の移動経路をユーザーの自宅へと設定する移動経路設定動作の実行を許可・不許可とする指示も行う。前述の各種指示に関しては、操作キーを表示する表示パネルと、当該表示パネルに表示された操作キーを押したことを検出するタッチパネルを備えたタッチスイッチによって構成しても良い。
【0024】
リモコン5は、例えば各種機能スイッチを備えた多機能リモコンであり、リモコンセンサ6を介して、前述した操作スイッチ4とほぼ同様の操作を行うことができる。
【0025】
なお、操作スイッチ4およびリモコン5は指示手段の一部分を構成するものである。
【0026】
通信機7は、車載用の小型通信機であり、図示しないVICS情報センターから送信される渋滞情報や交通規制情報等の道路交通情報を受信する。前述した道路交通情報に関しては、ラジオ放送等から受信することとしても良い。
【0027】
マイク8は、車載用の小型マイクであり、ユーザーが発話した各種ナビゲーション動作に対応する音声コマンドを音声信号に変換して出力する。
【0028】
音声認識機器9は、公知のコンピュータから構成され、各種ナビゲーション動作と対応する音声コマンドの各々における標準的な音声特徴量を記憶する。マイク8から音声信号が出力されると、音声認識機器9は、当該音声信号の音声特徴量を公知のLPC分析法等を用いて抽出する。そして、抽出した音声特徴量と記憶されている各音声コマンドの標準的な音声特徴量とをそれぞれ比較し、抽出した音声特徴量との一致度が最も高い標準的な音声特徴量に対応する音声コマンドを、ユーザーが発話した音声コマンドとして認識する。この音声認識機器9は、認識手段を構成するものである。
【0029】
音声コントローラ10は、公知のコンピュータから構成され、音声認識機器9が認識した音声コマンドの名称を音声出力するための音声信号を合成し、スピーカ11へ出力してトークバックさせる。また、音声認識機器9が認識した音声コマンドを後述するECU12へ出力する。
【0030】
なお、マイク8、音声認識機器9、音声コントローラ10は、指示手段の残りの部分を構成するものである。
【0031】
ECU12は、公知のコンピュータから構成され、操作スイッチ4またはリモコン5からの指示や、音声コントローラ10から出力される音声コマンドに従って、地図画像表示を含む各種ナビゲーション動作を実行する。具体的には、ECU12は、位置検出器1が検出した車両の現在位置および進行方向と、通信機7が受信した道路交通情報とに基づいて、地図データ記憶器2から車両の現在位置周辺の地図画像データを読み出し、車両の現在位置を示すマーク、渋滞情報、交通規制情報を重畳した地図画像をディスプレイ3に表示させる。また、スピーカ11から各種音声案内を行わせる。
【0032】
さらに、ECU12は、車両の移動経路をユーザーの自宅へと設定する音声コマンド「自宅へ帰る」を音声コントローラ10から取得した際、車両の現在位置とユーザーの自宅との距離が予め設定された設定距離以上である場合には、ユーザーに対して確認動作を行う。
【0033】
具体的には、ECU12は、車両の移動経路をユーザーの自宅へと設定する音声コマンド「自宅へ帰る」と、ユーザーの自宅が位置する地点(回帰地点)とを図示しない内部メモリに記憶しており、音声コントローラ10から音声コマンドを取得すると、取得した音声コマンドが内部メモリに記憶されている音声コマンド「自宅へ帰る」であるか否かを調べる。取得した音声コマンドが「自宅へ帰る」であった場合、ECU12は、位置検出器1が検出した車両の現在位置と、内部メモリに記憶されたユーザーの自宅が位置する地点との距離を算出する。算出した距離が予め設定された設定距離以上である場合、ECU12は、ディスプレイ3に表示された地図画像に確認画像を重畳表示させ、車両の移動経路をユーザーの自宅へと設定して良いか否かをユーザーに問い合わせる確認動作を行う(図2参照)。その後、操作スイッチ4やリモコン5、音声コントローラ10から出力される音声コマンドによって、移動経路設定動作の実行が許可されると、ECU12は車両の移動経路をユーザーの自宅へと設定する。算出した距離が設定距離以下である場合には、ECU12は前述の確認動作を行わず、車両の移動経路をユーザーの自宅へと即座に設定する。なお、ECU12は、制御手段、確認手段を構成するものであり、内部メモリは記憶手段を構成するものである。
【0034】
メモリ13は、ECU12が各種動作を行う際の一時的な記憶領域として利用される。メモリ13としては、例えばメモリカード等を利用する。
【0035】
図3は、本実施形態の車両用ナビゲーション装置において、ECU12がユーザーに対して確認動作を行う処理に関するフローチャートである。本フローチャートの処理は、音声認識機器9が音声コマンドの認識を行うたびに実行される。
【0036】
ステップ301では、ECU12は、音声コントローラ10から音声コマンドを取得する。ステップ302では、ステップ301で取得した音声コマンドが、内部メモリに記憶された音声コマンド「自宅へ帰る」であるか否かを判定する。音声コマンド「自宅へ帰る」である場合は、ステップ303へ進む。そうでない場合は、ステップ310へ進む。
【0037】
ステップ303では、位置検出器1から車両の現在位置を取得する。ステップ304では、内部メモリに記憶されたユーザーの自宅の位置する地点を取得する。ステップ305では、ステップ303で取得した車両の現在位置と、ステップ304で取得したユーザーの自宅が位置する地点との距離を算出する。
【0038】
ステップ306では、ステップ305で算出された距離が予め設定された設定距離以上であるか否かを判定する。設定距離以上である場合は、ステップ307へ進む。設定距離以下である場合は、ステップ309へ進む。
【0039】
ステップ307では、ディスプレイ3に表示された地図画像に確認画像を重畳表示させ、移動経路設定動作の実行の許可・不許可について指示されるまで待機する。これにより、ユーザーは車両の移動経路がユーザーの自宅へと設定されようとしていることを、確認画像から把握できる。そして、確認画像で確認を行った後、移動経路設定動作を実行させるか否かを指示できる。
【0040】
ステップ308では、操作スイッチ4やリモコン5、音声コントローラ10から出力される音声コマンドによって、移動経路設定動作の実行が許可されたか否かを判定する。許可された場合は、ステップ309へ進む。不許可であった場合は、処理を終了する。
【0041】
ステップ309では、車両の移動経路をユーザーの自宅へと設定する等、音声コントローラ10から取得した音声コマンドに対応するナビゲーション動作を実行する。
【0042】
このように、本実施形態の車両用ナビゲーション装置では、ECU12は、音声コントローラ10から取得した音声コマンドが「自宅へ帰る」であった場合、位置検出器1が検出した車両の現在位置と、内部メモリに記憶されたユーザーの自宅が位置する地点との距離を算出するとともに、算出した距離が予め設定された設定距離以上である場合には、確認動作を行う。これにより、ユーザーの自宅が車両の現在位置から大きく離れている場合にのみ、確認動作が行われることとなり、それ以外の場合には確認動作は行われない。その結果として、ユーザーに煩わしさを感じさせることなく、車両の移動経路を設定可能となる。
【0043】
次に、本実施形態の変形例について説明する。本変形例の車両用ナビゲーション装置では、車両の移動経路をユーザーの自宅へと設定する際、車両の現在位置が属する都道府県と、ユーザーの自宅が属する都道府県とが異なる場合に、確認動作を行う。上述した点が、本変形例のポイントである。
【0044】
図4は、本変形例の車両用ナビゲーション装置において、ECU12がユーザーに対して確認動作を行う処理に関するフローチャートである。本フローチャートの処理は、前述した図3のフローチャートにおける、車両の現在位置とユーザーの自宅が位置する地点との距離を算出するステップ305に代えて、車両の現在位置が属する都道府県と、ユーザーの自宅が位置する地点が属する都道府県とを確認するステップ405を設ける。また、算出された距離が予め設定された設定距離以上であるか否かを判定するステップ306に代えて、車両の現在位置が属する都道府県と、ユーザーの自宅が位置する地点が属する都道府県とが異なるか否かを判定するステップ406を設ける。ステップ405とステップ406以外の全ての処理は、前述した図3のフローチャートの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0045】
ステップ405では、ECU12は、地図データ記憶器2に記憶された地図データから、ステップ404で取得した車両の現在位置が属する都道府県と、ステップ405で取得したユーザーの自宅が位置する地点が属する都道府県とを確認する。
【0046】
ステップ406では、ステップ405で確認した、車両の現在位置が属する都道府県と、ユーザーの自宅が位置する地点が属する都道府県とが、異なるか否かを判定する。異なる場合には、ステップ407へ進む。同一である場合は、ステップ409へ進む。
【0047】
このように、本変形例の車両用ナビゲーション装置では、ECU12は、音声コントローラ10から取得した音声コマンドが「自宅へ帰る」である場合、車両の現在位置が属する都道府県とユーザーの自宅が属する都道府県とを調べる。そして、車両の現在位置が属する都道府県とユーザーの自宅が属する都道府県とが異なる場合に、確認動作を行う。これにより、車両の現在位置の属する都道府県とユーザーの自宅が属する都道府県とが異なる場合にのみ、確認動作が行われることとなり、それ以外の場合には確認動作は行われない。その結果として、ユーザーに煩わしさを感じさせることなく、車両の移動経路を設定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態における車両用ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】ディスプレイに表示された地図画像に確認画像を重畳表示した場合の一例を示す図である。
【図3】本実施形態の車両用ナビゲーション装置において、ECUがユーザーに対して確認動作を行う処理に関するフローチャートである。
【図4】本変形例の車両用ナビゲーション装置において、ECUがユーザーに対して確認動作を行う処理に関するフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
1…位置検出器、 1A…地磁気センサ、 1B…ジャイロスコープ、 1C…距離センサ、 1D…GPS受信機、 2…地図データ記憶器、 3…ディスプレイ、 4…操作スイッチ、 5…リモコン 6…リモコンセンサ、 7…通信機、 8…マイク、 9…音声認識機器、 10…音声コントローラ、 11…スピーカ、 12…ECU、 13…メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの発話した音声コマンドが、予め登録された音声コマンドのいずれに該当するかを認識する認識手段と、
認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作を実行する制御手段とを備えた車両用ナビゲーション装置であって、
車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
地図情報を記憶する地図記憶手段と、
回帰地点を記憶する記憶手段と、
前記認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作が、前記記憶手段に記憶された回帰地点までの前記車両の移動経路を設定するものであり、かつ、前記位置検出手段の検出結果および前記地図記憶手段に記憶された地図情報から、当該回帰地点が前記車両の現在位置から予め設定された設定距離以上離れている場合に、当該音声コマンドと対応するナビゲーション動作を前記制御手段に実行させるか否かの確認動作を行う確認手段を備えることを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項2】
ユーザーの発話した音声コマンドが、予め登録された音声コマンドのいずれに該当するかを認識する認識手段と、
認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作を実行する制御手段とを備えた車両用ナビゲーション装置であって、
車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
地図情報を記憶する地図記憶手段と、
回帰地点を記憶する記憶手段と、
前記認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作が、前記記憶手段に記憶された回帰地点までの前記車両の移動経路を設定するものであり、かつ、前記位置検出手段の検出結果および前記地図記憶手段に記憶された地図情報から、当該回帰地点の属する都道府県が前記車両の現在位置の属する都道府県とは異なる場合に、当該音声コマンドと対応するナビゲーション動作を前記制御手段に実行させるか否かの確認動作を行う確認手段を備えることを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記回帰地点として前記ユーザーの自宅を記憶することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項4】
画像を表示する表示手段を設け、
前記確認手段は、前記確認動作として、前記認識手段が認識した音声コマンドに対応するナビゲーション動作を前記制御手段に実行させるか否かを問い合わせる確認画像を、前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記確認手段が前記確認動作を行った後、前記認識手段が認識した音声コマンドと対応するナビゲーション動作を前記制御手段に実行させるか否かを、前記ユーザーの操作に基づいて指示する指示手段を設けることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−26031(P2008−26031A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−196128(P2006−196128)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】