車両用ナビゲーション装置
【課題】安全運転に支障を来すことがなく、運転者等が目的地までの走行経路を把握し易く、誤って理解する可能性の低い車両用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】車両の自車位置情報と、車両が走行する道路情報とに基づいて、車両を走行目的地まで案内する車両用ナビゲーション装置１において、車両の進行方向を誘導する誘導体の動画を車両のフロントガラス１５の部位に、車両のフロントガラスを通して観察される実画像に重畳するように投影する投影手段８を設けた。運転者はフロントガラスから目を離して前方不注意とならず、実画像そのものに誘導体の動画を重畳させて進行方向を誘導するため、容易に進行方向を認識することができ、目的地までの走行経路を誤って理解する可能性を低下させることができる。誘導体の動画は、人、動植物又はアニメーションキャラクタ等とすることができ、誘導する車両の進行方向に沿って複数の誘導体を投影してもよい。
【解決手段】車両の自車位置情報と、車両が走行する道路情報とに基づいて、車両を走行目的地まで案内する車両用ナビゲーション装置１において、車両の進行方向を誘導する誘導体の動画を車両のフロントガラス１５の部位に、車両のフロントガラスを通して観察される実画像に重畳するように投影する投影手段８を設けた。運転者はフロントガラスから目を離して前方不注意とならず、実画像そのものに誘導体の動画を重畳させて進行方向を誘導するため、容易に進行方向を認識することができ、目的地までの走行経路を誤って理解する可能性を低下させることができる。誘導体の動画は、人、動植物又はアニメーションキャラクタ等とすることができ、誘導する車両の進行方向に沿って複数の誘導体を投影してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、自動車等の走行の際に、現在位置から目的地への経路案内等を行なう車両用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
車両用ナビゲーション装置は、例えば特許文献１に記載のように、設定した目的地までの走行経路をディスプレイに表示したり、自動車が走行した経路を保存して適宜呼び出して表示装置に表示することで、自動車の運転者等に使い勝手のよい装置として広く普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−８１９５５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、上記特許文献１に記載の車両用ナビゲーション装置等によれば、運転者が走行経路を把握し易いという利点はあるが、ナビゲーション用のディスプレイがダッシュボード等に載置されているため、運転者がディスプレイを見る際に前方不注意となり、安全運転に支障を来す虞がある。
【０００５】
また、従来の車両用ナビゲーション装置によれば、音声やディスプレイ上の表示によって運転者等に走行経路を知らせるため、走行経路を誤って理解することがあるなど改善の余地があった。
【０００６】
そこで、本発明は、安全運転に支障を来すことがなく、運転者等が目的地までの走行経路を把握し易く、誤って理解する可能性の低い車両用ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するため、本発明は、車両の自車位置情報と、該車両が走行する道路情報とに基づいて、該車両を走行目的地まで案内する車両用ナビゲーション装置において、該車両の進行方向を誘導する誘導体の動画を該車両のフロントガラスの部位に、該車両のフロントガラスを通して観察される実画像に重畳するように投影する投影手段を設けたことを特徴とする。
【０００８】
そして、本発明によれば、フロントガラスを通して観察される実画像に進行方向を誘導する誘導体の動画を重畳させたため、運転者はフロントガラスから目を離して前方不注意となることがなく、安全運転に支障を来す虞がない。また、フロントガラスを通して観察される実画像そのものに誘導体の動画を重畳させて進行方向を誘導するため、容易に進行方向を認識することができ、目的地までの走行経路を誤って理解する可能性を低下させることができる。
【０００９】
上記車両用ナビゲーション装置において、前記誘導体の動画を、人、動植物又はアニメーションキャラクタのいずれかの動画とすることができ、進行方向を分かり易く表示することができる。
【００１０】
上記車両用ナビゲーション装置において、前記誘導する車両の進行方向に沿って複数の前記誘導体を投影することで、進行方向をより分かり易く表示することができる。
【００１１】
上記車両用ナビゲーション装置において、さらに、前記車両の進行方向を音声によって誘導する音声誘導手段を備えるように構成することで、目的地までの走行経路を誤って理解する可能性をさらに低下させることができる。
【発明の効果】
【００１２】
以上のように、本発明によれば、安全運転に支障を来すことがなく、運転者等が目的地までの走行経路を把握し易く、誤って理解する可能性の低い車両用ナビゲーション装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明にかかる車両用ナビゲーション装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図２】図１の投影部の設置例を示す概略図である。
【図３】案内アニメーションの一例を示す概略図である。
【図４】案内アニメーションの他の例を示す概略図である。
【図５】本発明にかかる車両用ナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１５】
図１は、本発明にかかる車両用ナビゲーション装置の一実施の形態を示し、この車両用ナビゲーション装置１は、大別して、ＧＰＳ（Global Positioning System）アンテナ２と、ＧＰＳ受信部３と、加速度センサ４と、ジャイロセンサ５と、時計６と、操作部７と、表示部８と、投影部９と、制御部１０、記録部１５等で構成される。
【００１６】
ＧＰＳ受信部３は、ＧＰＳ衛星からのＧＰＳ信号をＧＰＳアンテナ２を介して受信する。
【００１７】
加速度センサ４は、自車両の走行中の加速度を検出するために備えられ、機械式、光学式、半導体式等種々のセンサを使用することができる。
【００１８】
ジャイロセンサ５は、自車両のヨー角速度（回転角速度）等を測位、演算するために備えられ、機械式、光学式のセンサを使用することができる。
【００１９】
時計６は、例えば、水晶振動子の発振周波数に基づき、車両用ナビゲーション装置１の現在の時刻情報を生成することができ、バッテリー（不図示）により常時駆動されている。
【００２０】
操作部７は、この車両用ナビゲーション装置１を運転者等が操作するための操作子が設けられ、操作子に対する操作に応じた制御信号を出力する。操作子としては、例えば、車両用ナビゲーション装置１の電源をＯＮ／ＯＦＦするための電源キーや、現在地から目的地までの案内を設定するためのキー等が設けられる。これらの各種キーは、例えば、車両用ナビゲーション装置１の筐体にハードウェアキーとして設けるようにしてもよいし、表示部８がタッチパネルディスプレイの場合には、各種キーがソフトウェアキーとして表示部８に表示されるようにしてもよい。また、記録部１５は、例えば、ＨＤＤ（Hard Disc Drive）やフラッシュメモリであり、地図データ等を記録する。
【００２１】
表示部８は、例えばＬＣＤ（Liquid Crystal Display）からなり、地図画面やメニュー画面等を表示する。表示部８としては、例えば、ＬＣＤ上にタッチセンサを有するタッチパネルが積層されたタッチパネルディスプレイを用いることができる。
【００２２】
投影部９は、図２に示すにように、車両のダッシュボード１７上に載置され、車両のフロントガラス部分に、後述の案内用アニメーション等の誘導体を投影するために設けられる。このような投影部９を構成するにあたり、例えば、虚像表示を投影するヘッドアップディスプレイ(Head Up Display：HUD)技術を利用することができる。車両用ナビゲーション装置１の投影部９以外の部分は、一般的な車両用ナビゲーション装置と同様、ダッシュボード１７の上やその付近に設置する。
【００２３】
制御部１０は、この車両用ナビゲーション装置１の全体を制御し、入力制御部１１と、ナビゲーション処理部１２と、表示制御部１３と、投影制御部１４とで構成される。
【００２４】
入力制御部１１は、操作部７から供給される運転者等の操作に応じた制御信号に基づき入力内容や選択内容を判別し、操作信号をナビゲーション処理部１２へ出力する。
【００２５】
ナビゲーション処理部１２は、ＧＰＳ受信部３で受信したＧＰＳ信号、加速度センサ４及びジャイロセンサ５からの信号に基づき、車両の位置（緯度、経度）、運転情報（角度、加速度等）を示す位置・運転情報を取得する。また、運転者等が操作部７を操作することによって目的地が設定された場合には、入力制御部１１からその操作信号を受け取り、記録部１５に記録される地図データに基づいて、現在地から目的地までの走行経路を算出する。
【００２６】
表示制御部１３は、記録部１５から地図データを読み出して地図画像を生成したり、操作部７に対する運転者等の操作に応じて表示部８の表示画面を切り替える処理等を行う。
【００２７】
投影制御部１４は、ナビゲーション処理部１２によって算出された走行経路及びナビゲーション処理部１２で取得した位置・運転情報に基づいて、案内用アニメーションを生成するために備えられる。また、操作部７に対する運転者等の操作に応じて投影するアニメーション又は画像を切り換える処理等も行う。
【００２８】
ここで、投影制御部１４によって生成される案内用アニメーションについて説明する。図３は、生成された案内用アニメーション（以下、適宜「案内アニメ」と略称する）を車両のフロントガラス１５に投影した状態を示し、この案内アニメは、人型キャラクタ２０を利用するものである。尚、上記キャラクタは、人型に限らず、図４に示すように、テントウムシなどの虫型キャラクタ３０や、その他動植物キャラクタとすることもできる。
【００２９】
次に、上記構成を有する車両用ナビゲーション装置１の動作について、図５を中心に参照しながら説明する。
【００３０】
ステップＳ１において、車両用ナビゲーション装置１の電源ＯＮ、又はこの車両用ナビゲーション装置１が搭載された車両のエンジンのスタートを検出したか否かが判断される。これらのいずれかが検出された場合には、処理がステップＳ２に移行する。一方、これらのいずれも検出されなかった場合には、ステップＳ１に戻る。
【００３１】
次に、ステップＳ２において、運転者等が車両用ナビゲーション装置１の操作部７を操作することにより、目的地の設定や、投影するアニメの選定等を行うと、ナビゲーション処理部１２は、ステップＳ３において、ＧＰＳ受信部３からのＧＰＳ信号に基づいて位置・運転情報を取得し、ステップＳ４において記録部１５に記録される地図データに基づき現在地から目的地までの走行経路を算出する。
【００３２】
運転者が車両の運転を開始すると、ステップＳ５において、投影制御部１４は、ナビゲーション処理部１２により算出された走行経路に基づいて、車両を目的地まで案内するための誘導体としての案内アニメ（人型キャラクタ２０）を生成する。案内アニメの生成は、記録部１５に記録される立体地図データと、上記位置・運転情報に基づいてフロントガラス１５を通して観察される実画像を投影制御部１４において演算により推定し、推定した実画像データに誘導体を関係づける。
【００３３】
そして、例えば、図３（ａ）に示すように、交差点を左折するように誘導する場合に、人型キャラクタ２０が実際に道路を左折していくようにフロントガラス１５に投影する（ステップＳ６）。すなわち、フロントガラス１５を通して観察される実画像に進行方向を誘導する人型キャラクタ２０の動画を重畳させる。
【００３４】
また、車両を直進するように誘導する場合には、図３（ｂ）に示すように、人型キャラクタ２０が実際の道路を直進するように投影することができる。尚、図４に示した虫型キャラクタ３０を用いる場合でも、同様の要領で投影することができる。そして、ステップＳ７において、運転者は、投影された人型キャラクタ２０の誘導指示に従って走行する。
【００３５】
以上のように、本実施の形態によれば、フロントガラス１５を通して観察される実画像に進行方向を誘導する人型キャラクタ２０の動画を重畳させたため、運転者はフロントガラス１５から目を離して前方不注意となることがなく、安全運転に支障を来す虞がない。また、フロントガラス１５を通して観察される実画像そのものに人型キャラクタ２０の動画を重畳させて進行方向を誘導するため、容易に進行方向を認識することができ、目的地までの走行経路を誤って理解する可能性が低下する。
【００３６】
尚、人型キャラクタ２０による進行方向の誘導に合わせて、従来と同様音声を進行方向の誘導に用いることで、目的地までの走行経路を誤って理解する可能性をさらに低下させることができる。
【符号の説明】
【００３７】
１ 車両用ナビゲーション装置
２ ＧＰＳアンテナ
３ ＧＰＳ受信部
４ 加速度センサ
５ ジャイロセンサ
６ 時計
７ 操作部
８ 表示部
９ 投影部
１０ 制御部
１１ 入力制御部
１２ ナビゲーション処理部
１３ 表示制御部
１４ 投影制御部
１５ 記録部
１７ ダッシュボード
１８ フロントガラス
２０ 人型キャラクタ
３０ 虫型キャラクタ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、自動車等の走行の際に、現在位置から目的地への経路案内等を行なう車両用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
車両用ナビゲーション装置は、例えば特許文献１に記載のように、設定した目的地までの走行経路をディスプレイに表示したり、自動車が走行した経路を保存して適宜呼び出して表示装置に表示することで、自動車の運転者等に使い勝手のよい装置として広く普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−８１９５５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、上記特許文献１に記載の車両用ナビゲーション装置等によれば、運転者が走行経路を把握し易いという利点はあるが、ナビゲーション用のディスプレイがダッシュボード等に載置されているため、運転者がディスプレイを見る際に前方不注意となり、安全運転に支障を来す虞がある。
【０００５】
また、従来の車両用ナビゲーション装置によれば、音声やディスプレイ上の表示によって運転者等に走行経路を知らせるため、走行経路を誤って理解することがあるなど改善の余地があった。
【０００６】
そこで、本発明は、安全運転に支障を来すことがなく、運転者等が目的地までの走行経路を把握し易く、誤って理解する可能性の低い車両用ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するため、本発明は、車両の自車位置情報と、該車両が走行する道路情報とに基づいて、該車両を走行目的地まで案内する車両用ナビゲーション装置において、該車両の進行方向を誘導する誘導体の動画を該車両のフロントガラスの部位に、該車両のフロントガラスを通して観察される実画像に重畳するように投影する投影手段を設けたことを特徴とする。
【０００８】
そして、本発明によれば、フロントガラスを通して観察される実画像に進行方向を誘導する誘導体の動画を重畳させたため、運転者はフロントガラスから目を離して前方不注意となることがなく、安全運転に支障を来す虞がない。また、フロントガラスを通して観察される実画像そのものに誘導体の動画を重畳させて進行方向を誘導するため、容易に進行方向を認識することができ、目的地までの走行経路を誤って理解する可能性を低下させることができる。
【０００９】
上記車両用ナビゲーション装置において、前記誘導体の動画を、人、動植物又はアニメーションキャラクタのいずれかの動画とすることができ、進行方向を分かり易く表示することができる。
【００１０】
上記車両用ナビゲーション装置において、前記誘導する車両の進行方向に沿って複数の前記誘導体を投影することで、進行方向をより分かり易く表示することができる。
【００１１】
上記車両用ナビゲーション装置において、さらに、前記車両の進行方向を音声によって誘導する音声誘導手段を備えるように構成することで、目的地までの走行経路を誤って理解する可能性をさらに低下させることができる。
【発明の効果】
【００１２】
以上のように、本発明によれば、安全運転に支障を来すことがなく、運転者等が目的地までの走行経路を把握し易く、誤って理解する可能性の低い車両用ナビゲーション装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明にかかる車両用ナビゲーション装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図２】図１の投影部の設置例を示す概略図である。
【図３】案内アニメーションの一例を示す概略図である。
【図４】案内アニメーションの他の例を示す概略図である。
【図５】本発明にかかる車両用ナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１５】
図１は、本発明にかかる車両用ナビゲーション装置の一実施の形態を示し、この車両用ナビゲーション装置１は、大別して、ＧＰＳ（Global Positioning System）アンテナ２と、ＧＰＳ受信部３と、加速度センサ４と、ジャイロセンサ５と、時計６と、操作部７と、表示部８と、投影部９と、制御部１０、記録部１５等で構成される。
【００１６】
ＧＰＳ受信部３は、ＧＰＳ衛星からのＧＰＳ信号をＧＰＳアンテナ２を介して受信する。
【００１７】
加速度センサ４は、自車両の走行中の加速度を検出するために備えられ、機械式、光学式、半導体式等種々のセンサを使用することができる。
【００１８】
ジャイロセンサ５は、自車両のヨー角速度（回転角速度）等を測位、演算するために備えられ、機械式、光学式のセンサを使用することができる。
【００１９】
時計６は、例えば、水晶振動子の発振周波数に基づき、車両用ナビゲーション装置１の現在の時刻情報を生成することができ、バッテリー（不図示）により常時駆動されている。
【００２０】
操作部７は、この車両用ナビゲーション装置１を運転者等が操作するための操作子が設けられ、操作子に対する操作に応じた制御信号を出力する。操作子としては、例えば、車両用ナビゲーション装置１の電源をＯＮ／ＯＦＦするための電源キーや、現在地から目的地までの案内を設定するためのキー等が設けられる。これらの各種キーは、例えば、車両用ナビゲーション装置１の筐体にハードウェアキーとして設けるようにしてもよいし、表示部８がタッチパネルディスプレイの場合には、各種キーがソフトウェアキーとして表示部８に表示されるようにしてもよい。また、記録部１５は、例えば、ＨＤＤ（Hard Disc Drive）やフラッシュメモリであり、地図データ等を記録する。
【００２１】
表示部８は、例えばＬＣＤ（Liquid Crystal Display）からなり、地図画面やメニュー画面等を表示する。表示部８としては、例えば、ＬＣＤ上にタッチセンサを有するタッチパネルが積層されたタッチパネルディスプレイを用いることができる。
【００２２】
投影部９は、図２に示すにように、車両のダッシュボード１７上に載置され、車両のフロントガラス部分に、後述の案内用アニメーション等の誘導体を投影するために設けられる。このような投影部９を構成するにあたり、例えば、虚像表示を投影するヘッドアップディスプレイ(Head Up Display：HUD)技術を利用することができる。車両用ナビゲーション装置１の投影部９以外の部分は、一般的な車両用ナビゲーション装置と同様、ダッシュボード１７の上やその付近に設置する。
【００２３】
制御部１０は、この車両用ナビゲーション装置１の全体を制御し、入力制御部１１と、ナビゲーション処理部１２と、表示制御部１３と、投影制御部１４とで構成される。
【００２４】
入力制御部１１は、操作部７から供給される運転者等の操作に応じた制御信号に基づき入力内容や選択内容を判別し、操作信号をナビゲーション処理部１２へ出力する。
【００２５】
ナビゲーション処理部１２は、ＧＰＳ受信部３で受信したＧＰＳ信号、加速度センサ４及びジャイロセンサ５からの信号に基づき、車両の位置（緯度、経度）、運転情報（角度、加速度等）を示す位置・運転情報を取得する。また、運転者等が操作部７を操作することによって目的地が設定された場合には、入力制御部１１からその操作信号を受け取り、記録部１５に記録される地図データに基づいて、現在地から目的地までの走行経路を算出する。
【００２６】
表示制御部１３は、記録部１５から地図データを読み出して地図画像を生成したり、操作部７に対する運転者等の操作に応じて表示部８の表示画面を切り替える処理等を行う。
【００２７】
投影制御部１４は、ナビゲーション処理部１２によって算出された走行経路及びナビゲーション処理部１２で取得した位置・運転情報に基づいて、案内用アニメーションを生成するために備えられる。また、操作部７に対する運転者等の操作に応じて投影するアニメーション又は画像を切り換える処理等も行う。
【００２８】
ここで、投影制御部１４によって生成される案内用アニメーションについて説明する。図３は、生成された案内用アニメーション（以下、適宜「案内アニメ」と略称する）を車両のフロントガラス１５に投影した状態を示し、この案内アニメは、人型キャラクタ２０を利用するものである。尚、上記キャラクタは、人型に限らず、図４に示すように、テントウムシなどの虫型キャラクタ３０や、その他動植物キャラクタとすることもできる。
【００２９】
次に、上記構成を有する車両用ナビゲーション装置１の動作について、図５を中心に参照しながら説明する。
【００３０】
ステップＳ１において、車両用ナビゲーション装置１の電源ＯＮ、又はこの車両用ナビゲーション装置１が搭載された車両のエンジンのスタートを検出したか否かが判断される。これらのいずれかが検出された場合には、処理がステップＳ２に移行する。一方、これらのいずれも検出されなかった場合には、ステップＳ１に戻る。
【００３１】
次に、ステップＳ２において、運転者等が車両用ナビゲーション装置１の操作部７を操作することにより、目的地の設定や、投影するアニメの選定等を行うと、ナビゲーション処理部１２は、ステップＳ３において、ＧＰＳ受信部３からのＧＰＳ信号に基づいて位置・運転情報を取得し、ステップＳ４において記録部１５に記録される地図データに基づき現在地から目的地までの走行経路を算出する。
【００３２】
運転者が車両の運転を開始すると、ステップＳ５において、投影制御部１４は、ナビゲーション処理部１２により算出された走行経路に基づいて、車両を目的地まで案内するための誘導体としての案内アニメ（人型キャラクタ２０）を生成する。案内アニメの生成は、記録部１５に記録される立体地図データと、上記位置・運転情報に基づいてフロントガラス１５を通して観察される実画像を投影制御部１４において演算により推定し、推定した実画像データに誘導体を関係づける。
【００３３】
そして、例えば、図３（ａ）に示すように、交差点を左折するように誘導する場合に、人型キャラクタ２０が実際に道路を左折していくようにフロントガラス１５に投影する（ステップＳ６）。すなわち、フロントガラス１５を通して観察される実画像に進行方向を誘導する人型キャラクタ２０の動画を重畳させる。
【００３４】
また、車両を直進するように誘導する場合には、図３（ｂ）に示すように、人型キャラクタ２０が実際の道路を直進するように投影することができる。尚、図４に示した虫型キャラクタ３０を用いる場合でも、同様の要領で投影することができる。そして、ステップＳ７において、運転者は、投影された人型キャラクタ２０の誘導指示に従って走行する。
【００３５】
以上のように、本実施の形態によれば、フロントガラス１５を通して観察される実画像に進行方向を誘導する人型キャラクタ２０の動画を重畳させたため、運転者はフロントガラス１５から目を離して前方不注意となることがなく、安全運転に支障を来す虞がない。また、フロントガラス１５を通して観察される実画像そのものに人型キャラクタ２０の動画を重畳させて進行方向を誘導するため、容易に進行方向を認識することができ、目的地までの走行経路を誤って理解する可能性が低下する。
【００３６】
尚、人型キャラクタ２０による進行方向の誘導に合わせて、従来と同様音声を進行方向の誘導に用いることで、目的地までの走行経路を誤って理解する可能性をさらに低下させることができる。
【符号の説明】
【００３７】
１ 車両用ナビゲーション装置
２ ＧＰＳアンテナ
３ ＧＰＳ受信部
４ 加速度センサ
５ ジャイロセンサ
６ 時計
７ 操作部
８ 表示部
９ 投影部
１０ 制御部
１１ 入力制御部
１２ ナビゲーション処理部
１３ 表示制御部
１４ 投影制御部
１５ 記録部
１７ ダッシュボード
１８ フロントガラス
２０ 人型キャラクタ
３０ 虫型キャラクタ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
車両の自車位置情報と、該車両が走行する道路情報とに基づいて、該車両を走行目的地まで案内する車両用ナビゲーション装置において、
該車両の進行方向を誘導する誘導体の動画を該車両のフロントガラスの部位に、該車両のフロントガラスを通して観察される実画像に重畳するように投影する投影手段を設けたことを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項２】
前記誘導体の動画は、人、動植物又はアニメーションキャラクタのいずれかの動画であることを特徴とする請求項１に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項３】
前記誘導する車両の進行方向に沿って複数の前記誘導体が投影されることを特徴とする請求項１又は２に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項４】
さらに、前記車両の進行方向を音声によって誘導する音声誘導手段を備えることを特徴とする請求項１、２又は３に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項１】
車両の自車位置情報と、該車両が走行する道路情報とに基づいて、該車両を走行目的地まで案内する車両用ナビゲーション装置において、
該車両の進行方向を誘導する誘導体の動画を該車両のフロントガラスの部位に、該車両のフロントガラスを通して観察される実画像に重畳するように投影する投影手段を設けたことを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項２】
前記誘導体の動画は、人、動植物又はアニメーションキャラクタのいずれかの動画であることを特徴とする請求項１に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項３】
前記誘導する車両の進行方向に沿って複数の前記誘導体が投影されることを特徴とする請求項１又は２に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項４】
さらに、前記車両の進行方向を音声によって誘導する音声誘導手段を備えることを特徴とする請求項１、２又は３に記載の車両用ナビゲーション装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１２−１３２７８９（Ｐ２０１２−１３２７８９Ａ）
【公開日】平成２４年７月１２日（２０１２．７．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２８５２６６（Ｐ２０１０−２８５２６６）
【出願日】平成２２年１２月２２日（２０１０．１２．２２）
【出願人】（５０００１７６７８）株式会社ソフトウェア・ファクトリー (8)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年７月１２日（２０１２．７．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１２月２２日（２０１０．１２．２２）
【出願人】（５０００１７６７８）株式会社ソフトウェア・ファクトリー (8)
【Ｆターム（参考）】
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