説明

車両用ブレーキ装置

【課題】電動式倍力装置のモータを制御する装置の異常時に、モータを適正に駆動してブレーキを掛けることができるバックアップ機能を低コストで実現すること。
【解決手段】荷重センサLS、液圧センサPS、ECU25及びモータドライバMDによるモータM1の駆動制御に異常が検出されると異常時切換スイッチSW1が切り替わり、これによってモータM1は、モータドライバMDとの導通が切断されるとともに、可変抵抗器VR1を介してバッテリBTに接続される。この時、可変抵抗器VR1はブレーキペダルBPの操作量と連動した抵抗値となっているので、この抵抗値に応じた電流がモータM1に流れ、モータM1はペダル操作量に応じたトルク即ちブレーキ力を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの駆動力を利用してマスタシリンダの作動液を加圧する電動式倍力装置を備える車両用ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ブレーキ装置として例えば特許文献1に記載のブレーキ制御システムがある。このシステムは、電動式倍力装置としてのマスタ圧制御機構を備え、このマスタ圧制御機構のブレーキ力を発生させるための駆動モータを、第1のブレーキ操作量検出装置を有する第1の制御装置(マスタ圧制御装置)で制御する。更に、同システムは、第2のブレーキ操作量検出装置を有する第2の制御装置(ホイール圧制御装置)を備え、第1の制御装置の故障時に第2の制御装置によってバックアップ制御を行う。これによってドライバーの要求どおりにブレーキ力を発生させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−227103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のシステムにおいては、第1の制御装置をバックアップするために高価な第2の制御装置を必要とするので、システム全体のコストが高くなるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電動式倍力装置の制御装置の異常時にも、モータを適正に駆動してブレーキを掛けることができるバックアップ機能を低コストで実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1に係る発明の構成上の特徴は、モータの駆動力を利用してマスタシリンダの作動液を加圧する電動式倍力装置と、当該電動式倍力装置により加圧された作動液の供給により車輪に制動力を付与する制動機構と、ドライバーによって操作されるペダル装置と、当該ペダル装置の操作量を検出する操作量検出装置と、前記加圧された作動液の液圧を検出する液圧検出装置と、当該液圧検出装置の検出値と前記操作量検出装置の検出値を用いて演算処理を行い、前記モータを駆動回路を介して駆動制御する制御装置とを備えた車両用ブレーキ装置において、前記操作量と連動する前記ペダル装置の可動部の変位の増大につれて抵抗値が減少する可変抵抗器を備え、当該可変抵抗器の入力側には車両の電源が接続され出力側には前記電動式倍力装置のモータが接続され、前記電源から前記可変抵抗器を介して前記モータに至る経路の途中に、前記操作量検出装置、前記液圧検出装置および前記制御装置による駆動制御が正常に機能している正常時には前記制御装置から送出される正常信号に応じて前記電源から前記可変抵抗器を介して前記モータに至る経路を切断し、前記操作量検出装置、前記液圧検出装置および前記制御装置による駆動制御に異常が発生した異常時には前記制御装置から送出される異常信号に応じて前記電源から前記可変抵抗器を介して前記モータに至る経路を導通させる切換スイッチが設けられていることにある。
【0007】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記電動式倍力装置の前記モータは1個のモータであり、前記駆動制御が正常に機能している正常時には前記モータが前記駆動回路に導通され、前記駆動制御の異常時には前記切換スイッチによって前記モータが前記可変抵抗器に導通されることにある。
【0008】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、前記電動式倍力装置の前記モータは、主モータと副モータとで構成され、前記主モータは前記駆動回路に接続され、前記駆動制御の正常時に前記駆動回路によって駆動され、前記副モータは前記可変抵抗器を介する経路に接続され、前記切換スイッチにより前記駆動制御の正常時には前記経路は切断され、前記駆動制御の異常時には前記経路が導通されて前記可変抵抗器からの出力による前記副モータの駆動が可能となることにある。
【0009】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、前記制御装置は、停車中に前記電動式倍力装置を作動している状態で前記駆動制御の正常状態と異常状態の切り替えを行い、前記正常状態での前記液圧検出装置の検出値と、前記異常状態での前記液圧検出装置の検出値とが所定値以上異なる場合に、前記車両の電源に接続された前記可変抵抗器を介する異常時電圧供給系統に異常があると判断することにある。
【0010】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、前記切換スイッチが、前記1個のモータに接続されたモータ側接点を、前記正常時には前記制御装置からの正常信号で励磁されるソレノイドによって、前記可変抵抗器に接続された抵抗器側接点から切離して前記駆動回路に接続された回路側接点に接続し、前記異常時には前記ソレノイドの非励磁によって機械的に、前記回路側接点から切離して前記抵抗器側接点に接続することにある。
【0011】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、前記切換スイッチが、前記可変抵抗器に接続された抵抗器側接点を、前記正常時には前記制御装置からの正常信号で励磁されるソレノイドによって、前記副モータに接続された副モータ側接点から切離し、前記異常時には前記ソレノイドの非励磁によって機械的に、前記副モータ側接点に接続することにある。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、ドライバーのペダル装置の操作量に連動してペダル装置の可動部が変位し、この変位の増大(又は減少)につれて可変抵抗器の抵抗値が減少(又は増大)する。つまり、電源から可変抵抗器を介してモータに流れる電流は、操作量が大きくなるほど大きくなり、よってマスタシリンダの作動液圧が高くなり、強いブレーキ力が発生する。このようにモータ駆動によるブレーキ力の調整がドライバーのペダル操作量に連動して行われるので、操作量検出装置、液圧検出装置及び制御装置によるモータ駆動制御に異常が起きた場合でも、切換スイッチによって、可変抵抗器を介してモータと電源が接続され、ドライバーのベダル操作量に応じたブレーキ力を発生させるといったバックアップを行うことが出来る。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、電動式倍力装置がモータを1つのみ備えている場合に、切換スイッチによって異常時のモータ入力切換を行い、可変抵抗器によりドライバーの操作量に応じたブレーキ力を発生させるバックアップを行う。このバックアップ機構は、可変抵抗器と切換スイッチを用いた安価で簡単な構成なので、低コストで実現することができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、電動式倍力装置のモータが、主モータと副モータとで構成され、正常時には駆動回路を介して主モータが駆動され、異常時には可変抵抗器を介して副モータが駆動されるので、主モータ本体の故障時にも副モータを使用してブレーキを掛けることが出来る。従って、バックアップ機構の信頼性を向上させることが出来る。なお、副モータは異常時に使用するので、主モータに対して耐久性や静粛性、安定性などの要求値を低く設定でき、極めて安価なモータを使用すれば副モータを追加することによるコスト増加は大きな問題とならない。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、可変抵抗器を介した異常時のバックアップ機能に故障が発生した場合、制御装置によって事前に検知することができると共に、この異常の判定は停車中に行われるので、ドライバーが安全な状態で異常を認識することができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、電動式倍力装置のモータが1つの場合、正常時には制御装置による切換スイッチのソレノイドの励磁によりモータが駆動回路に接続され、異常時には、その励磁が解除されて機械的にモータが可変抵抗器に接続される。この接続は機械的に保持されるので、断線などの電気的故障に対してもブレーキの操作量に応じた制動力を保証することが出来る。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、電動式倍力装置のモータが主モータと副モータを備えている場合、正常時には制御装置による切換スイッチのソレノイドの励磁により可変抵抗器が副モータから切離されている。この場合、主モータは制御装置による駆動回路の駆動制御により作動されている。異常時には、制御装置により駆動回路による主モータの駆動制御がオフされると共に、切換スイッチのソレノイドの励磁が解除されて機械的に副モータが可変抵抗器を介して電源に接続される。この接続は機械的に保持されるので、断線などの電気的故障に対してもブレーキの操作量に応じた制動力を保証することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態の車両用ブレーキ装置の構成を示す図である。
【図2】第1実施形態の車両用ブレーキ装置における可変抵抗器の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態の車両用ブレーキ装置における異常時切換スイッチの構成を示す図である。
【図4】第2実施形態の車両用ブレーキ装置の構成を示す図である。
【図5】第2実施形態の車両用ブレーキ装置における異常時切換スイッチの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の車両用ブレーキ装置は、図1に示すように、ドライバーが加えたブレーキペダルBPへの荷重を検出する荷重センサLSと、液圧により作動し車輪Wに制動力を加える制動機構Cと、制動機構Cに伝達する液圧を制御するアンチロック回路10と、制動機構Cに作動液としてのブレーキオイルを供給して液圧を生じさせるマスタシリンダ30と、マスタシリンダ30からアンチロック回路10を介して制動機構Cに伝達される液圧を検出する液圧センサPSと、マスタシリンダ30にブレーキオイルを供給するマスタリザーバ32と、ブレーキペダルBPの操作に応じてマスタシリンダ30に液圧を生じさせる電動式倍力装置Aと、荷重センサLS及び液圧センサPSの検出結果に応じた電流を電動式倍力装置Aに供給する制御装置Bと、本発明の特徴要素であり後述で詳細に説明する可変抵抗器VR1及び異常時切換スイッチSW1とを備えて構成されている。
【0020】
まず、制動機構Cは、各々の車輪W(右前車輪WFR,左前車輪WFL,右後車輪WRR,左後車輪WRL)に備えられたホイールシリンダWC(WCFR,WCFL,WCRR,WCRL)と、各々のホイールシリンダWCの作動力により各々の車輪に摩擦力による制動力を生じさせるブレーキパッド(図示せず)から構成されている。
【0021】
マスタシリンダ30の内部には、第1及び第2マスタピストン31が前後移動可能に備えられており、その前後移動によりアンチロック回路10のブレーキオイルに液圧を発生させている。本例では、マスタシリンダ30はいわゆるタンデム型に構成されており、第1マスタピストン31の前進によって液圧が発生する第1液圧室30a及び第2マスタピストン31の前進によって液圧が発生する第2液圧室30bを有している。マスタリザーバ32は2つの流路を有しており、それぞれの流路は第1液圧室30a及び第2液圧室30bと連通されている。
【0022】
アンチロック回路10は、各車輪WがブレーキをかけたときロックしないようホイールシリンダWCへ供給するブレーキ液圧を自動的にコントロールして、車輪Wと路面間の摩擦力と車輪Wの回転を確保するアンチロックブレーキ制御を行うものであり、マスタシリンダ30と接続される第1アンチロック経路10a及び第2アンチロック経路10bにより構成されている。第1アンチロック経路10aは、第1液圧室30aと、右後ホイールシリンダWCRR及び左後ホイールシリンダWCRLとを連通している。第2アンチロック経路10bは、第2液圧室30bと、右前ホイールシリンダWCFR及び左前ホイールシリンダWCFLとを連通している。
【0023】
第1アンチロック経路10aはさらに第1分岐路11aと第2分岐路15aとに分岐し、それぞれが右後ホイールシリンダWCRRと左後ホイールシリンダWCRLに接続されている。第1分岐路11aには、連通位置と遮断位置との2位置に切換可能で常開の第1常開制御弁12aを設けている。また、第1常開制御弁12aに対して並列する位置に、右後ホイールシリンダWCRRから電動式倍力装置A側へのブレーキ液の流れを許容し、逆方向の流れを禁止する第1逆止弁14aを設けている。一方、第2分岐路15aにも第1分岐路11aと同様に、連通位置と遮断位置との2位置に切換可能で常開の第2常開制御弁16a、第2常開制御弁16aに対して並列する位置に、左後ホイールシリンダWCRLから電動式倍力装置A側へのブレーキ液の流れを許容し、逆方向の流れを禁止する第2逆止弁18aを設けている。
【0024】
第1分岐路11aの第1常開制御弁12aよりも右後ホイールシリンダWCRR側から分岐された流路部分と、第2分岐路15aの第2常開制御弁16aよりも左後ホイールシリンダWCRL側から分岐された流路部分とが合流し、第1分岐路11aと第2分岐路15aとの分岐点に接続する分岐合流路19aを設けている。また、分岐合流路19aの第1分岐路11aから分岐された部分には、連通位置と遮断位置とが切換可能で常閉の第1常閉制御弁13aを設けている。同様に、分岐合流路19aの第2分岐路15aから分岐された部分には、連通位置と遮断位置とが切換可能で常閉の第2常閉制御弁17aを設けている。分岐合流路19aにおける、第1常閉制御弁13aからの流路と、第2常閉制御弁17aからの流路との合流点から、第1分岐路11aと第2分岐路15aとの分岐点までの流路には、第3逆止弁20a、液圧ポンプ21a、第4逆止弁22aを順に設けている。液圧ポンプ21aは、モータCMにより駆動され、ブレーキ液を吐出するように構成されている。また、分岐合流路19aにおける、第1常閉制御弁13a及び第2常閉制御弁17aと第3逆止弁20aとの間にリザーバ23aを設けている。
【0025】
以上、アンチロック回路10における第1アンチロック経路10aの構成を説明したが、第1アンチロック経路10aと第2アンチロック経路10bとは同様の構成となっている。したがって、第2アンチロック経路10bにも第1アンチロック経路10aと同様の部材を設けている。そのため、図面において第1液圧回路に設けた部材と同様の部材には、第1アンチロック経路10aにおける符号のうち「a」を「b」に置き換えたものを付しており、第2液圧回路の詳細な説明は省略する。以下、特に区別する必要があるときを除き、符号中の「a」または「b」を省略するものとする。
【0026】
モータCMは、第1アンチロック経路10aの液圧ポンプ21aと第2アンチロック経路10bの液圧ポンプ21bとを回転駆動するように構成している。
【0027】
次に、制御装置Bは、マイクロコンピュータを中核部材とするECU(electronic control unit)25と、電動式倍力装置Aに電流を供給する駆動回路としてのモータドライバMDを備えて構成されている。また、ECU25及びモータドライバMDには電力を供給するバッテリBTが接続されている。制御装置Bは、後述するように車輪Wに加える制動力を制御する際に、電動式倍力装置AのモータM1、アンチロック回路10の各種制御弁の制御等を行っている。また、本実施形態の車両用ブレーキ装置では、制御装置BはブレーキペダルBPの操作量を計測する荷重センサLSの検出値と液圧センサPSの検出値とを受け、ブレーキペダルBPの操作量に対応する電流を電動式倍力装置Aへ供給する。
【0028】
制御装置Bは、その電流供給に応じて回転する電動式倍力装置AのモータMの回転トルクに応じてマスタシリンダ30で加圧されるブレーキオイルの圧力を、次のようにアンチロック回路10で制御し、各々の車輪Wに加わる制動力の制御を行う。車輪Wに制動力を加える場合、すなわち、ホイールシリンダWCの圧力を増圧する場合には、第1常開制御弁12a等を連通位置とし、第1常閉制御弁13a等を遮断位置に切り替える。一方、車輪Wの制動力を弱める場合、すなわち、ホイールシリンダWCの圧力を減圧する場合には、第1常開制御弁12a等を遮断位置とし、第1常閉制御弁13a等を連通位置に切り替える。他方、車輪Wの制動力を保持する場合、すなわち、ホイールシリンダWCの圧力を保持する場合には、第1常開制御弁12a等と第1常閉制御弁13a等とを遮断位置に切り替える。
【0029】
電動式倍力装置Aは、ハウジング100に固定され、制御装置Bからの供給電流に応じて回転するモータM1と、モータM1の回転軸と一体回転するよう構成されている小平歯車40と、小平歯車40の歯数よりも多い歯数を有して小平歯車40と噛合され、ハウジング100に回転可能に支障されている大平歯車41と、大平歯車41と同一軸線上に設けられ、大平歯車41の回転をマスタピストン31の前後方向の直動に変換する直動変換機構50と、直動変換機構50の内部に挿入され、荷重センサLS及びシャフト27を介してブレーキペダルBPと接続され、ブレーキペダルBPの操作量に応じてマスタピストン31の前後方向に移動可能な入力ロッド44と、直動変換機構50のボールネジ軸52をマスタピストン31の後退方向に付勢する弾性部材46とを備えている。後述の説明では、ブレーキオイルを加圧する際のマスタピストン31の移動方向を前方、減圧する方向を後方とする。
【0030】
直動変換機構50は、大平歯車41に同軸線上に設けられて、ハウジング100に軸線方向の移動を規制され、回転可能に支承されたボールネジナット51と、ボールネジナット51の内側に同一軸線方向に移動可能に挿通され、ハウジング100に回転を規制され支承されたボールネジ軸52とを備えている。ボールネジナット51の内壁とボールネジ軸52の外壁とには、循環する多数のボールを介して互いに螺合するボール螺子溝が形成されており、ボールネジナット51の回転に伴い、ハウジング100との係合で回転を規制されたボールネジ軸52が前後方向に移動するようになっている。
【0031】
ボールネジ軸52の内側には入力ロッド44が挿通され、この入力ロッド44の先端には大径部43が形成され、この大径部43の前端面と第2マスタピストン31の後端面が同軸線上で対向している。この第2マスタピストン31は、ハウジング100の開口を介してハウジング100内に挿入されている。
【0032】
通常のブレーキ操作時には、ブレーキペダルBPの踏み込み操作量に応じて入力ロッド44がマスタシリンダ30側に前進し、入力ロッド44の先端の大径部43が第2マスタピストン31の後端部を押動することにより、第1及び第2マスタピストン31によってマスタシリンダ30内のブレーキオイルが加圧され、その液圧がアンチロック回路10を介してホイールシリンダWCに伝達される。
【0033】
また、荷重センサLSでブレーキ操作量に応じた荷重が検出され、その検出値に応じてECU25の制御によりモータドライバMDがモータM1を制御し、これによってモータM1が回転する。この回転に応じて小平歯車40及び大平歯車41を介してボールネジナット51が回転し、この回転がボールネジ機構で直進動作に変換される。これによりボールネジ軸52がマスタピストン31側へ前進するので、大径部43が第2マスタピストン31を押動してマスタシリンダ30内のブレーキオイルが加圧される。
【0034】
次に、可変抵抗器VR1は、ブレーキペダルBPの先端に図2に示すように取り付けられている。即ち、ブレーキペダルBPの先端の可動部61に、可変抵抗器VR1の可変接点62が取り付けられ、この可変接点62が抵抗部63に対して移動可能な状態となっている。抵抗部63は所定長の抵抗体の一端が、バッテリBTの接続されたバッテリ側端子T1に接続され、他端が、抵抗部63を車体から絶縁するための絶縁部T2に接続されている。
【0035】
可動部61は、ブレーキペダルBPのブレーキ操作量に連動して矢印Y1又はY2方向に変位し、この変位の大きさに応じて可変接点62が抵抗部63のバッテリ側端子T1側又は絶縁部T2側に移動するようになっている。ブレーキ操作量が大きい場合は、大きいほどに可動部61が矢印Y1方向に変位し、この変位に応じて可変接点62がバッテリ側端子T1側に移動して抵抗値が小さくなる。この抵抗値が小さくなると、バッテリBTから可変抵抗器VR1及び異常時切換スイッチSW1を介してモータM1に供給される電流値が大きくなる。この電流値が大きい分、モータM1のトルクが大きくなってマスタシリンダ30のブレーキオイルの加圧が強くなり、この液圧がアンチロック回路10を介してホイールシリンダWCに伝達されて、強いブレーキ力が発生する。
【0036】
この逆に、ブレーキ操作量が小さい場合、小さいほどに可動部61が矢印Y2方向に変位し、この変位に応じて可変接点62が絶縁部T2側に移動して抵抗値が大きくなる。この抵抗値が大きくなると、モータM1に流れる電流値が小さくなるので、モータM1のトルクが小さくなってブレーキオイルの加圧が弱くなり、この場合、弱いブレーキ力が発生する。
【0037】
次に、異常時切換スイッチSW1は、図3に示すように、モータM1が接続されたモータ側端子T11と、モータドライバMDに接続されたドライバ側端子T12と、可変抵抗器VR1に接続された抵抗器側端子T13と、モータ側端子T11に一端が接続され、他端がドライバ側端子T12と抵抗器側端子T13との間を自在に可動する長尺形状の可動接点65とを有する。更に、一端が異常時切換スイッチSW1の内壁に固定され、他端が可動接点65に固定された張力バネ66と、ECU25からの正常信号で励磁され、ECU25の異常検出状態によって非励磁となるソレノイド67とを備えて構成されている。
【0038】
この異常時切換スイッチSW1は、荷重センサLS、液圧センサPS及びECU25等が正常時には、ECU25からの正常信号でソレノイド67が励磁され、この励磁により可動接点65がソレノイド67の側に引き付けられてドライバ側端子T12に当接状態となる。これによりモータM1がモータドライバMDに接続される。一方、荷重センサLS、液圧センサPS及びECU25によるモータM1の駆動制御の異常時には、ソレノイド67が非励磁となり、これによって可動接点65が張力バネ66の張力で引っ張られて抵抗器側端子T13に当接状態となる。この場合、モータM1が可変抵抗器VR1に接続される。従って、モータM1が可変抵抗器VR1を介してバッテリBTに接続される。
【0039】
このバッテリBTに接続された場合、可変抵抗器VR1は、上述した通り、その抵抗値がブレーキ操作量に連動した値となっているので、この抵抗値に応じた電流がモータM1に流れ、モータM1はその電流に応じたトルクを発生する。更に、そのトルクに応じた圧力で第1及び第2マスタピストン31がマスタシリンダ30内のブレーキオイルを加圧するので、液圧に応じたブレーキ力が発生する。
【0040】
このような構成の車両用ブレーキ装置において、荷重センサLS、液圧センサPS及びECU25が正常時には、ドライバーによりブレーキペダルBPが踏み込み操作されると、入力ロッド44がその踏力に応じて前進し、荷重センサLSでその踏力に応じた荷重が検出され、また、液圧センサPSでマスタシリンダ30の液圧が検出され、これら検出値がECU25へ送信される。
【0041】
ECU25は、荷重センサLSの検出値に応じた制動力を生じさせるために、モータドライバMDに対して荷重センサLSの検出値及び液圧センサPSからフィードバックされた検出値に応じた電流を電動式倍力装置AのモータM1に供給する制御を行う。この制御によりモータM1が所定方向に回転する。これによって小平歯車40がモータM1の回転量と同じだけ回転する。このとき、小平歯車40と噛合する大平歯車41も、小平歯車40の回転に伴い回転し、この回転に応じてボールネジナット51が回転し、ボールネジ軸52がマスタピストン31側に前進する。これによって、大径部43が第2マスタピストン31を押動してマスタシリンダ30に生じた液圧がアンチロック回路10を介してホイールシリンダWCに供給され、その液圧により車輪Wに制動力が付与される。
【0042】
また、可変抵抗器VR1においては、ブレーキペダルBPの先端に取り付けられた可動部61が、上記のブレーキペダルBPが踏み込み操作された際のブレーキ操作量に連動して矢印Y1方向に変位し、この変位の大きさに応じて可変接点62が抵抗部63のバッテリ側端子T1側に移動し、抵抗値が小さい状態となっている。
【0043】
この抵抗値の状態は、当該抵抗値の可変抵抗器VR1を介してバッテリBTから電流がモータM1に供給された際に、現在正常時にモータドライバMDによるモータM1の制御で得られているブレーキ力と、同等のブレーキ力を発生するためのモータM1のトルクを生成可能な状態である。
【0044】
従って、ここで荷重センサLS、液圧センサPS及びECU25の何れか1つが異常となった場合、ECU25からの正常信号がオフとなってソレノイド67が非励磁となり、これにより可動接点65が張力バネ66の張力で引っ張られて抵抗器側端子T13に当接状態となり、モータM1が可変抵抗器VR1を介してバッテリBTに接続される。この時、可変抵抗器VR1は、上記のようなブレーキ操作量に連動した抵抗値となっているので、この抵抗値に応じた電流がモータM1に流れ、モータM1はその電流に応じたトルクを発生する。このトルクに応じた液圧がマスタシリンダ30から供給され、この液圧に応じたブレーキ力が発生する。
【0045】
従って、上記の異常時に、異常時切換スイッチSW1を切り替えるだけで、即時ブレーキ操作量に応じたブレーキ力を発生させるといったバックアップを行うことが出来る。また、異常時切換スイッチSW1の切り替えは、張力バネ66によって機械的に行われるので、ブレーキ操作量に応じたブレーキ力を確実に掛けることが出来る。
【0046】
また、電動式倍力装置Aの1つのモータM1をそのまま使用して、上記の異常時に可変抵抗器VR1の抵抗値に応じたブレーキ力を発生させるバックアップを行うので、このバックアップ機構は、可変抵抗器VR1と異常時切換スイッチSW1を追加するだけの安価で簡単な構成となり、低コストで実現することができる。
【0047】
(第2実施形態)
図4に示す本発明の第2実施形態の車両用ブレーキ装置が、第1実施形態の車両用ブレーキ装置と異なる点は、電動式倍力装置Aに主モータとしてのモータM1の他に非常用モータM2を備え、また、異常時切換スイッチSW2を図5に示す構成とし、この異常時切換スイッチSW2の異常時の切り替えと同時に、ECU25の制御に応じたモータドライバMDのモータ制御が停止するようにした点にある。
【0048】
非常用モータM2は、モータM1と同様に、非常用モータM2の回転軸と一体回転する小平歯車40を備え、この小平歯車40が大平歯車41と噛合している。従って、非常用モータM2の回転に応じて小平歯車40を介して大平歯車41が回転し、この回転が直動変換機構50においてマスタピストン31の前後方向の直動に変換される。そして、マスタピストン31によってマスタシリンダ30内のブレーキオイルが加圧され、その液圧がアンチロック回路10を介してホイールシリンダWCに伝達される。
【0049】
異常時切換スイッチSW2は、図5に示すように、可変抵抗器VR1に接続された抵抗器側端子T13と、何も接続されていない固定端子T14と、非常用モータM2に接続された非常用モータ側端子T15と、抵抗器側端子T13に一端が接続され、他端が固定端子T14と非常用モータ側端子T15との間を自在に可動する可動接点65とを有する。更に、一端が異常時切換スイッチSW2の内壁に固定され、他端が可動接点65に固定された張力バネ66と、ECU25からの正常信号で励磁され、ECU25の異常検出状態によって非励磁となるソレノイド67とを備えて構成されている。
【0050】
この異常時切換スイッチSW2は、荷重センサLS、液圧センサPS及びECU25が正常時には、ECU25からの正常信号でソレノイド67が励磁され、この励磁により可動接点65が引き付けられて固定端子T14に当接状態となる。これにより非常用モータM2がバッテリBTから切離された状態となる。一方、荷重センサLS、液圧センサPS及びECU25によるモータM1の駆動制御の異常時には、ECU25の異常検出でソレノイド67が非励磁となり、これによって可動接点65が張力バネ66の張力で引っ張られて非常用モータ側端子T15に当接状態となる。この場合、非常用モータM2が可変抵抗器VR1に接続される。従って、非常用モータM2が可変抵抗器VR1を介してバッテリBTに接続される。
【0051】
但し、ECU25が荷重センサLS又は液圧センサPSの異常を検出又はECU25自体が異常時の場合、ソレノイド67を非励磁とすると共に、モータドライバMDのモータ制御をオフとする。従って、モータM1は停止する。
【0052】
また、上記のように、非常用モータM2が可変抵抗器VR1を介してバッテリBTに接続された場合、可変抵抗器VR1は、前述の通り、その抵抗値がブレーキ操作量に連動した値となっているので、この抵抗値に応じた電流が非常用モータM2に流れ、それに応じたトルクを発生する。この場合、そのトルクに応じた圧力でマスタシリンダ30のブレーキオイルが加圧されるので、それに応じたブレーキ力が発生する。
【0053】
このような第2実施形態の車両用ブレーキ装置において、荷重センサLS、液圧センサPS及びECU25が正常時には、異常時切換スイッチSW2により非常用モータM2が未接続状態となっており、この際、ブレーキ操作量に応じたECU25の制御によるモータドライバMDのモータ制御によってモータM1が制御される。この制御によりモータM1が所定方向に回転し、マスタシリンダ30でブレーキオイルが加圧されて発生した液圧がアンチロック回路10を介してホイールシリンダWCに供給され車輪Wにブレーキ力が付与される。
【0054】
また、可変抵抗器VR1においては、ブレーキペダルBPの先端に取り付けられた可動部61が、上記のブレーキペダルBPが踏み込み操作された際のブレーキ操作量に連動して矢印Y1方向に変位し、この変位の大きさに応じて可変接点62が抵抗部63のバッテリ側端子T1側に移動し、抵抗値が小さい状態となっている。
【0055】
この抵抗値の状態は、当該抵抗値の可変抵抗器VR1を介してバッテリBTから電流が非常用モータM2に供給された際に、現在正常時にモータドライバMDによるモータM1の制御で得られているブレーキ力と、同等のブレーキ力を発生するための非常用モータM2のトルクを生成可能な状態である。
【0056】
従って、ここで荷重センサLS、液圧センサPS及びECU25の何れか1つが異常となった場合、ECU25の異常検出によりソレノイド67が非励磁となり、これにより可動接点65が張力バネ66の張力で引っ張られて非常用モータ側端子T15に当接状態となり、非常用モータM2が可変抵抗器VR1を介してバッテリBTに接続される。この際、ECU25によりモータドライバMDによるモータ制御はオフとされ、モータM1は停止状態となる。
【0057】
また、可動接点65が非常用モータ側端子T15に当接状態となった場合、可変抵抗器VR1は、上記のようなブレーキ操作量に連動した抵抗値となっているので、この抵抗値に応じた電流が非常用モータM2に流れ、非常用モータM2はその電流に応じたトルクを発生する。このトルクに応じた圧力でマスタシリンダ30内のブレーキオイルが加圧され、それに応じたブレーキ力が発生する。
【0058】
従って、上記の異常時に、異常時切換スイッチSW2を切り替えるだけで、即時ブレーキ操作量に応じたブレーキ力を発生させるといったバックアップを行うことが出来る。また、異常時切換スイッチSW2の切り替えは、張力バネ66によって機械的に行われるので、ブレーキ操作量に応じたブレーキ力を確実に掛けることが出来る。
【0059】
なお、非常用モータM2は、後述のように異常時にのみ使用するので、主モータM1のように耐久性や静粛性、安定性などの機能が必要なく、極めて安価なモータが使用できるので、この非常用モータM2を追加することによるコストアップはさほど大きな問題とならない。従って、電動式倍力装置Aに主モータM1の他に、バックアップ用の非常用モータM2を設けても、本実施形態に係る車両用ブレーキ装置を低コストで実現することができる。
【0060】
第1又は第2の実施形態において、ECU25は、車両の停車中に電動式倍力装置Aを作動している際に正常状態と異常状態とを切り換え、正常状態にてモータM1の作動でブレーキオイルが加圧された際の液圧センサPSの検出値と、異常状態にてモータM1又は非常用モータM2の作動でブレーキオイルが加圧された際の液圧センサPSの検出値とが所定値以上異なる場合に、可変抵抗器VR1を介した異常時のバックアップ用の経路に異常があると判断するようにしてもよい。このチェックは停車中に行われるので、バックアップ機能(第2実施形態では非常用モータM2を含む。)の正常、異常を容易かつ安全にチェックすることができる。
【0061】
以上説明した本実施形態の車両用ブレーキ装置は、例えば、本特許出願人の特許出願である特願2009−224325の明細書に記載された所謂ブレーキバイワイヤ方式のブレーキ装置にも適用可能である。
【0062】
なお、異常時切換スイッチSW1,SW2は前述のものに限定されない。例えば、前述の異常時切換スイッチSW1に代えて、バッテリBTとモータドライバMDとの間を導通させる第1スイッチと、バッテリBTと可変抵抗器VR1との間を導通させる第2スイッチとを用いてもよい。また、前述の異常時切換スイッチSW2に代えて、バッテリBTと可変抵抗器VR1との間を導通させるスイッチを用いてもよい。異常時切換スイッチSW1,SW2は、モータM1の駆動制御の異常時にバッテリBTから可変抵抗器VR1を介して各々モータM1,M2に至る経路を導通させるものであればよい。その他、バッテリBTからの電源ラインにコンバータ等を設けてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0063】
A…電動式倍力装置、B…制御装置、BP…ブレーキペダル、C…制動機構、M1…モータ、M2…非常用モータ、VR1…可変抵抗器、SW1,SW2…異常時切換スイッチ、MD…モータドライバ、LS…荷重センサ、PS…液圧センサ、W…車輪、WC…ホイールシリンダ、10…液圧回路、25…ECU、27…シャフト、30…マスタシリンダ、31…マスタピストン、40…小平歯車、41…大平歯車、43…出力ピストン、44…入力ロッド、50…直動変換機構、51…ボールネジナット、52…ボールネジ軸、100…ハウジング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの駆動力を利用してマスタシリンダの作動液を加圧する電動式倍力装置と、当該電動式倍力装置により加圧された作動液の供給により車輪に制動力を付与する制動機構と、ドライバーによって操作されるペダル装置と、当該ペダル装置の操作量を検出する操作量検出装置と、前記加圧された作動液の液圧を検出する液圧検出装置と、当該液圧検出装置の検出値と前記操作量検出装置の検出値を用いて演算処理を行い、前記モータを駆動回路を介して駆動制御する制御装置とを備えた車両用ブレーキ装置において、
前記操作量と連動する前記ペダル装置の可動部の変位の増大につれて抵抗値が減少する可変抵抗器を備え、
当該可変抵抗器の入力側には車両の電源が接続され出力側には前記電動式倍力装置のモータが接続され、
前記電源から前記可変抵抗器を介して前記モータに至る経路の途中に、前記操作量検出装置、前記液圧検出装置および前記制御装置による駆動制御が正常に機能している正常時には前記制御装置から送出される正常信号に応じて前記電源から前記可変抵抗器を介して前記モータに至る経路を切断し、前記操作量検出装置、前記液圧検出装置および前記制御装置による駆動制御に異常が発生した異常時には前記制御装置から送出される異常信号に応じて前記電源から前記可変抵抗器を介して前記モータに至る経路を導通させる切換スイッチが設けられている車両用ブレーキ装置。
【請求項2】
前記電動式倍力装置の前記モータは1個のモータであり、前記駆動制御が正常に機能している正常時には前記モータが前記駆動回路に導通され、前記駆動制御の異常時には前記切換スイッチによって前記モータが前記可変抵抗器に導通される請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
【請求項3】
前記電動式倍力装置の前記モータは、主モータと副モータとで構成され、前記主モータは前記駆動回路に接続され、前記駆動制御の正常時に前記駆動回路によって駆動され、前記副モータは前記可変抵抗器を介する経路に接続され、前記切換スイッチにより前記駆動制御の正常時には前記経路は切断され、前記駆動制御の異常時には前記経路が導通されて前記可変抵抗器からの出力による前記副モータの駆動が可能となる請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
【請求項4】
前記制御装置は、停車中に前記電動式倍力装置を作動している状態で前記駆動制御の正常状態と異常状態の切り替えを行い、前記正常状態での前記液圧検出装置の検出値と、前記異常状態での前記液圧検出装置の検出値とが所定値以上異なる場合に、前記車両の電源に接続された前記可変抵抗器を介する異常時電圧供給系統に異常があると判断する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用ブレーキ装置。
【請求項5】
前記切換スイッチが、前記1個のモータに接続されたモータ側接点を、前記正常時には前記制御装置からの正常信号で励磁されるソレノイドによって、前記可変抵抗器に接続された抵抗器側接点から切離して前記駆動回路に接続された回路側接点に接続し、前記異常時には前記ソレノイドの非励磁によって機械的に、前記回路側接点から切離して前記抵抗器側接点に接続する請求項2又は4に記載の車両用ブレーキ装置。
【請求項6】
前記切換スイッチが、前記可変抵抗器に接続された抵抗器側接点を、前記正常時には前記制御装置からの正常信号で励磁されるソレノイドによって、前記副モータに接続された副モータ側接点から切離し、前記異常時には前記ソレノイドの非励磁によって機械的に、前記副モータ側接点に接続する請求項3又は4に記載の車両用ブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−240648(P2012−240648A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115849(P2011−115849)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】