説明

車両用ベンチレーショングリル

【課題】 車内が暗い夜間等においてもノブの位置を容易に確認することができる車両用ベンチレーショントグリルを提供する。
【解決手段】グリル本体2の側壁外面には、光源62を設ける。ノブ5が設けられたノブ設置ルーバー3Aには、右端面に光源62の光が入射する光伝達部材63を設ける。光伝達部材63の左端部には、その内部を右端面から左端部まで伝播した光を前方へ反射させる反射部63a,63bを設ける。ノブ5の内部には、光出射部材64を設ける。光出射部材64には、反射部63a,63bで反射されて窓孔3bを通過した光が入射する。この光は、光出射部材64の前面から出射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の空気吹き出し口に設けられる車両用ベンチレーショングリルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用ベンチレーショングリルは、下記特許文献1に記載されているように、前面が開口した箱状のグリル本体と、このグリル本体の内部に設けられた複数の横ルーバー及び縦ルーバーとを備えている。各横ルーバーは、左右方向に延びる回転軸線を中心としてそれぞれ上下方向へ回転可能に設けられている。一方、縦ルーバーは、上下方向に延びる回転軸線を中心としてそれぞれ左右方向へ回転可能に設けられている。
【0003】
複数の横ルーバーのうちのいずれかの横ルーバーには、ノブが設けられている。このノブを上下方向へ移動させると、各横ルーバーが上下方向へ回転する。また、ノブは、横ルーバーに左右方向へ移動可能に設けられており、ノブを左右方向へ移動させると、各縦ルーバーが左右方向へ回転する。そして、ノブを操作して横ルーバー及び縦ルーバーを適宜の位置に回転させることにより、空気の吹き出し方向を所望の方向に向けることができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開昭60−104409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の車両用ベンチレーショングリルにおいては、ノブの位置を乗員に知らせる手段が全く設けられていない。このため、夜間走行時のように車内が暗いときには、ノブの位置を確認することが難しいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の問題を解決するために、前面が開口したグリル本体と、このグリル本体の内部に互いに平行な回転軸線を中心として同期回転するようにそれぞれ回転可能に設けられた複数のルーバーと、いずれかのルーバーの前端部に設けられたノブとを備え、上記ノブの操作によって上記ルーバーが回転させられる車両用ベンチレーショングリルにおいて、上記ノブの前面から光を出射する光出射機構が設けられていることを特徴としている。
この場合、上記ルーバーが、互いに平行に配置され、回転軸線を中心として回転可能である複数の第1のルーバーと、この第1のルーバーと直交するようにして互いに平行に配置され、上記第1のルーバーの回転軸線とのなす角度が直角である回転軸線を中心として回転可能である複数の第2のルーバーとを有し、上記ノブが上記複数の第1のルーバーのうちのいずれかの第1のルーバー(以下、ノブ設置ルーバーと称する。)にその回転軸線方向へ移動可能に設けられ、上記ノブによって上記第1ルーバーが回転させられるとともに、上記ノブを上記ノブ設置ルーバーの回転軸線方向へ移動させることによって上記第2ルーバーが回転させられ、上記光出射機構が、上記グリル本体の外部に設けられた光源、上記ノブ設置ルーバーの内部に設けられ、一端部に上記光源から出射される光が入射する光伝達部材、及び上記ノブの内部に設けられ、上記光伝達部材の他端部から前方に出射される光が背面に入射される光出射部材を有し、光出射部材に入射された光が上記ノブの前面から前方に向かって出射されることが望ましい。
上記光伝達部材が上記ノブ設置ルーバーの回転軸線上に設けられるとともに、上記光伝達部材の他端部が上記光出射部材の背面と前後方向に対向するように配置され、上記光伝達部材の他端部には、上記光伝達部材の内部をその一端部から他端部まで進んだ上記光源の光を前方へ反射させて上記光出射部材の背面に入射させる反射部が設けられていることが望ましい。
上記光伝達部材の他端部と対向する上記光伝達部材の背面の中央部には、前後方向に対してほぼ直交する採光平面が形成され、この採光平面の両側には傾斜面が形成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
上記特徴構成を有するこの発明によれば、ノブの前面から光が出射されるので、夜間においてもノブの位置を容易に視認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図3は、この発明の一実施の形態を示す。この実施の形態の車両用ベンチレーショングリル1は、グリル本体2、複数の横ルーバー(第1のルーバー)3及び複数の縦ルーバー(第2のルーバー)4を備えている。
【0009】
グリル本体2は、前面が開口した四角形の箱状ないしは枠状に形成されており、その前面開口部を車内に向けた状態で車両の内部に、例えばインストルメントパネルに設けられている。グリル本体2は、四角形以外の形状に形成してもよい。グリル本体の背面部には、送風用のダクト(図示せず)の下流側端部が接続されている。そして、ダクトから送られた空調空気がグリル本体2の内部を通り、その前面開口部から前方へ向かって吹き出すようになっている。
【0010】
横ルーバー3は、略平板状ないしは翼状をなしており、その長手方向を左右方向に向け、かつその幅方向を前後方向に向けた状態でグリル本体2の内部に配置されている。横ルーバー3の左右両端部のそれぞれの前端部には、左右方向に突出する断面円形の軸部3aがそれぞれ設けられている。左右の軸部3a,3aは、グリル本体2の左右の両側壁部に形成された貫通孔2a,2aにそれぞれ回転可能に挿通されている。これにより、横ルーバー3がグリル本体2に左右方向に延びる回転軸線(=軸部3a及び貫通孔2aの軸線)を中心として上下方向へ回転可能に設けられている。
【0011】
複数の横ルーバー3は、互いに平行に配置されている。つまり、同一姿勢で配置されている。しかも、各横ルーバー3は、同期して回転するように、連動機構(図示せず)を介して互いに連結されている。連動機構としては、リンク機構等の周知の各種の連動機構を採用することができる。連動機構の構造自体は、この発明との関連性が低いので、その説明を省略する。
【0012】
縦ルーバー4は、略平板状ないしは翼状をなしており、その長手方向を上下方向に向け、かつその幅方向を前後方向に向けた状態でグリル本体2の内部に配置されている。縦ルーバー4の上下方向の両端部には、上下方向に突出する断面円形の軸部(図示せず)がそれぞれ設けられている。そして、各軸部がグリル本体2の上下の両側壁部に形成された貫通孔2b(上側の側壁部に形成された貫通孔2bのみ図示)に回転可能に挿入されている。これにより、縦ルーバー4がグリル本体2に上方方向に延びる回転軸線(=貫通孔2bの軸線)を中心として左右方向へ回転可能に設けられている。
【0013】
複数の縦ルーバー4は、互いに平行に配置されている。つまり、同一姿勢で配置されている。しかも、各縦ルーバー4は、横ルーバー3と同様に、周知の連動機構を介して互いに連結され、同期して回転するようになっている。勿論、横ルーバー3と縦ルーバー4とは、互いの回転を阻害することがないように構成されている。
【0014】
複数の横ルーバー3のうちの上下方向において中央に配置された横ルーバー(以下、ノブ設置ルーバー3Aと称する。)には、ノブ5が設けられている。ノブ5は、ノブ設置ルーバー3Aの左右方向の中央部に配置されており、前側の大部分がノブ設置ルーバー3Aの前面から前方に突出した状態で設けられている。ノブ5は、ノブ設置ルーバー3Aに前後方向及び上下方向へ移動不能に設けられている。したがって、ノブ5を上下方向へ移動させると、各横ルーバー3がそれぞれの回転軸線を中心として上下方向へ回転する。ノブ5は、ノブ設置ルーバー3Aにその回転軸線方向(左右方向)へ所定範囲移動可能に設けられている。ノブ5は、複数の縦ルーバー5のうちのいずれかの縦ルーバー5にリンク機構等の周知の連結機構を介して連結されている。したがって、ノブ5を左右方向へ移動させると、各縦ルーバー4がそれぞれの回転軸線を中心として左右方向へ回転する。なお、ノブ5は、中央の横ルーバー3以外の横ルーバー3に設けてもよい。
【0015】
上記グリル1には、ノブ5の位置を容易に視認することができるようにするために、ノブ5の前面から光を前方に出射する光出射機構6が設けられている。光出射機構6は、図2に示すように構成されている。すなわち、グリル本体2の右側の側壁部には、ケーシング61が設けられている。ケーシング61は、前部が開口した断面四角形又は円形の有底筒状をなしており、開口部が貫通孔2aを囲むように配置されている。そして、ケーシング61の前面がグリル本体2の側壁部に固定されている。ケーシング61の前面とグリル本体2の側壁面との間は、光が漏れないように密閉されている。
【0016】
ケーシング61の内部には、発光ダイオード(LED)等からなる光源62が設けられている。この光源62は、リード線Wを介して車載のバッテリー(図示せず)に接続されている。光源62は、常時点灯させておいてもよく、スイッチによって点灯状態と消灯状態とに切り換えることができるようにしてもよい。光源62は、ノブ設置ルーバー3Aの軸部3aの端面と対向するように配置されている。したがって、軸部3aの先端面には、光源62から出射された光が照射される。
【0017】
ノブ設置ルーバー3Aの内部には、光伝達部材63が設けられている。光伝達部材63は、光を伝達することができるよう、透明な材質によって構成されている。特に、この実施の形態では、光伝達部材63を二色成形法によってノブ設置ルーバー3Aと同時に成形することができるよう、アクリル樹脂等の透明な樹脂によって構成されている。一方、ノブ設置ルーバー3Aは、光の伝達を阻止することができるよう、不透明な樹脂、例えば黒色のABS樹脂等によって構成されている。なお、この実施の形態では、総ての横ルーバー3及び縦ルーバー4が黒色のABS樹脂で構成されているが、ノブ設置ルーバー3A以外の横ルーバー3及び縦ルーバー4は、黒色のABS樹脂以外の樹脂によって構成してもよい。
【0018】
光伝達部材63は、断面四角形又は円形の棒状をなしており、その外径は軸部3aの外径より小径に設定されている。光伝達部材63は、ノブ設置ルーバー3Aの回転軸線(軸部3aの軸線)上に配置されている。特に、この実施の形態では、光伝達部材63がその軸線を回転軸線と一致させた状態で配置されている。光伝達部材63の一端面(図2において右端面)は、軸部3aの先端面から外部に露出している。したがって、光伝達部材63の一端面には、光源62から出射された光が入射される。光伝達部材63の一端面に入射した光は、光伝達部材63の内部を伝播して他端部まで至る。
【0019】
光伝達部材63の他端縁は、ノブ設置ルーバー3Aの左右方向の中央部を若干越えた位置まで延びている。この結果、光伝達部材63の他端部が、左右方向においてノブ5とほぼ同一位置に位置しており、光伝達部座63の他端部外周面のうち、前方側を向く側部(図2において上側を向く側部)は、ノブ5の背面と前後方向に対向している。
【0020】
ノブ設置ルーバー3Aには、窓孔3bが形成されている。窓孔3bは、ノブ設置ルーバー3Aのうちの、ノブ5と光伝達部材63の他端部との間に位置する部分に配置されている。この結果、光伝達部材63の他端部の前方側を向く側部が窓孔3bを介して前方に露出させられている。
【0021】
光伝達部材63の他端部には、反射部63a,63bが形成されている。一方の反射部63aは、光伝達部材63の他端面に配置されている。他方の反射部63bは、光伝達部材63の他端部外周面のうちの窓孔3bと逆側に位置する側部に配置されている。反射部63a,63bは、それぞれ光伝達部材63の他端面及び外周面に微小な多数の凹凸を形成してそれらの面を梨地状にすることによって構成されている。したがって、反射部63a,63bに入射した光は、反射部63a,63bにおいて乱反射される。すなわち、光源62から光伝達部材63の一端面に入射して他端部まで進んだ光の一部は、反射部63aに入射して乱反射される。乱反射した光の一部は、反射部63bに向かう。また、光伝達部材63の外周面を反射しながらその内部を一端部から他端部まで進んだ光の一部は、反射部63bに入射して乱反射される。反射部63bにおいて乱反射した光の一部は、窓孔3bを通って前方へ出射され、ノブ5の内部に入り込む。なお、ノブ設置ルーバー3Aが黒色のABS樹脂等の不透明な材質によって構成されているので、反射部63a,63bにおいて乱反射された光のうち、窓孔3bを通過して前方へ進む光以外は、外部に出射されることがない。
【0022】
ノブ5は、図1及び図2から明らかなように、扁平な筒状をなしており、その軸線方向を前後方向に向けるとともに、その長手方向を左右方向に向けた状態で配置されている。勿論、ノブ5は、他の形状に、例えば断面円形、長方形等に形成してもよい。ノブ5の背面部には、ガイド溝5aが形成されている。このガイド溝5aには、ノブ設置ルーバー3Aの前端部が左右方向へ摺動可能に挿入されている。これにより、ノブ5がノブ設置ルーバー3Aに左右方向へ移動可能に、かつ上下方向へ移動不能に設けられている。しかも、ノブ5は、ノブ設置ルーバー3Aに前後方向へ移動不能に設けられている。ノブ5のうちのガイド溝5aより前側に位置する部分が、ノブ設置ルーバー3Aから前方へ突出させられている。なお、ガイド溝5aを区画する内面とこれに接するノブ設置ルーバー3Aの外面との間は、光の漏れを防止することができるように密閉されている。
【0023】
ノブ5には、収容孔5bが形成されている。この収容孔5bは、ノブ5を前後方向に貫通している。収容孔5bの内部には、光出射部材64が設けられている。光出射部材64は、後側に配置された第1部材65と、前側に配置された第2部材66とを有している。
【0024】
第1部材65は、透明なシリコンラバー等の透明な材質からなるものであり、その背面が窓孔3bと対向するように配置されている。したがって、第1部材65の背面には、光伝達部材63の他端部から前方へ出射されて窓孔3bを通過した光が入射する。この場合、第1部材65に入射する光の量が、ノブ5の左右方向の位置に拘わらずできる限り一定にするために、第1部材65の背面には、採光平面65a及び傾斜面65bが形成されている。
【0025】
採光平面65aは、前後方向を向く平面(前後方向に対して直交する平面)として形成されており、第1部材65の背面のうちの窓孔3bと対向する部分の中央部に配置されている。この結果、ノブ5がその移動範囲のうちの中央に位置しているとき(このときには、縦ルーバー4の幅方向が前後方向と一致している。)には、採光平面65aが反射部63bのうちの左右方向のほぼ中央部と対向する。図2において想像線で示すように、ノブ5が移動範囲の一端部(図2において右端部)に位置しているときには、採光平面65aが反射部63bの一端部と対向し、ノブ5が他端部に位置しているときには、採光平面65aが反射部63bの他端部と対向する。しかも、採光平面65aは、ノブ5の位置に拘わらず光伝達部材63の他端部と同一の面積をもって対向する。したがって、採光平面65aには、常時ほぼ一定量の光が入射する。
【0026】
傾斜面65bは、前後方向に対して傾斜した面として形成されている。特に、この実施の形態では、窓孔3bを通って前方へ直進した光が傾斜面65bに入射したとき、その入射光が傾斜面65bで全反射されて第1部材65内に入り込むことがないように、傾斜面65bの傾斜角度が定められている。したがって、伝達部材63から第1部材65の内部にその背面から入射する光は、大部分が採光平面65aから入射する光であり、背面のうちの他の部分から入射することはほとんどない。この結果、第1部材65内に入射する光の量が、ノブ5の位置に拘わらずほぼ一定になっている。
【0027】
第2部材66は、その背面が第1部材65の前面に接するように配置されており、第1部材65を通過した光が第2部材66内に入射する。第2部材66内に入射した光は、第2部材66の前面、つまりノブ5の前面から前方へ出射される。第2部材66から前方へ出射される光を刺激の弱い光にするとともに、第2部材66の前面から出射する光を真っ直ぐ前方だけでなく、斜め前方へも進むようにし、それによって第2部材66をその前方の広範囲から目視することができるようにするために、第2部材66は、光を乱反射させる性質を有する材質、例えば乳白色のアクリル樹脂によって構成されている。第2部材66は、必ずしもそのような材質で構成する必要がなく、透明な材質で構成してもよい。ただし、そのようにする場合には、第2部材66から前方へ出射される光を刺激の弱い光にするとともに、第2部材66の前面から出射する光を斜め前方からも目視することができるようにするために、第2部材66の前面を梨地状にすることが望ましい。第2部材66を透明な材質で構成する場合には、第1部材65と第2部材66とを一体に形成してもよい。つまり、光出射部材64全体を一体に形成してもよい。また、第2部材66の前面から出射される光の量が過度に少なくすることがないという条件を満たす限り、第1及び第2部材65,66(光出射部材)を乳白色のアクリル樹脂によって一体に形成してもよい。
【0028】
上記構成の車両用ベントグリル1によれば、光源62の光が第2部材66から前方に向かって出射されるので、その光を目視することによってノブ5の位置を確認することができる。よって、夜間においても、ノブ5を直ちに手で操作することができ、ベントグリル1から吹き出される空気の吹き出し方向を所望の方向に容易に調節することができる。
【0029】
また、ノブ5を移動させたとき、光出射機構6を構成する各部に力が作用することがないので、光出射機構6の寿命を長くすることができる。すなわち、ノブ5の前面から光を出射するだけであれば、ノブ5の収容孔5bの内部に光源62を設けてもよい。しかし、そのようにした場合には、ノブ5を左右へ移動させると、光源62に接続されたリード線Wのうち光源62近傍部分がノブ5の移動に伴って繰り返し曲げられる。この結果、リード線Wが早期に切断するおそれがある。その点、この実施の形態の光出射機構6においては、ノブ5の移動によって力を受ける部材がない。したがって、光出射機構6の寿命を長くすることができる。
【0030】
図4は、この発明に係る車両用ベンチレーショングリル1の光伝達機構6において用いられる光伝達部材の他の例を示す。この光伝達部材63′においては、上記実施の形態の反射部63a,63bに代えて反射部63cが形成されている。反射部63cは、光伝達部材63の一端側から他端側へ向かうにしたがって前方へ向かうように傾斜させられている。
【0031】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、横ルーバー3と縦ルーバー4とが設けられているが、いずれか一方だけを設けてもよい。勿論、その場合には、当該一方にノブ5が設けられる。
また、上記の実施の形態においては、ノブ5が横ルーバー3に設けられているが、縦ルーバー4に上下方向へ移動可能に、他の方向へは移動不能に設けてもよい。その場合には、横ルーバー3が第2のルーバーとなり、縦ルーバー4が第1のルーバーになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X線に沿う一部省略拡大断面図である。
【図3】図1に示す実施の形態において用いられている光伝達部材の他端部を示す拡大図である。
【図4】光伝達部材の他の例を示す図3と同様の図である。
【符号の説明】
【0033】
1 車両用ベンチレーショングリル
2 グリル本体
3 横ルーバー(第1のルーバー)
3A ノブ設置ルーバー
4 縦ルーバー(第2のルーバー)
5 ノブ
6 光出射機構
62 光源
63 光伝達部材
63′ 光伝達部材
63a 反射部
63b 反射部
63c 反射部
64 光出射部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開口したグリル本体と、このグリル本体の内部に互いに平行な回転軸線を中心として同期回転するようにそれぞれ回転可能に設けられた複数のルーバーと、いずれかのルーバーの前端部に設けられたノブとを備え、上記ノブの操作によって上記ルーバーが回転させられる車両用ベンチレーショングリルにおいて、
上記ノブの前面から光を出射する光出射機構が設けられていることを特徴とする車両用ベンチレーショングリル。
【請求項2】
上記ルーバーが、互いに平行に配置され、回転軸線を中心として回転可能である複数の第1のルーバーと、この第1のルーバーと直交するようにして互いに平行に配置され、上記第1のルーバーの回転軸線とのなす角度が直角である回転軸線を中心として回転可能である複数の第2のルーバーとを有し、
上記ノブが上記複数の第1のルーバーのうちのいずれかの第1のルーバー(以下、ノブ設置ルーバーと称する。)にその回転軸線方向へ移動可能に設けられ、
上記ノブによって上記第1ルーバーが回転させられるとともに、上記ノブを上記ノブ設置ルーバーの回転軸線方向へ移動させることによって上記第2ルーバーが回転させられ、
上記光出射機構が、上記グリル本体の外部に設けられた光源、上記ノブ設置ルーバーの内部に設けられ、一端部に上記光源から出射される光が入射する光伝達部材、及び上記ノブの内部に設けられ、上記光伝達部材の他端部から前方に出射される光が背面に入射される光出射部材を有し、光出射部材に入射された光が上記ノブの前面から前方に向かって出射されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ベンチレーショングリル。
【請求項3】
上記光伝達部材が上記ノブ設置ルーバーの回転軸線上に設けられるとともに、上記光伝達部材の他端部が上記光出射部材の背面と前後方向に対向するように配置され、上記光伝達部材の他端部には、上記光伝達部材の内部をその一端部から他端部まで進んだ上記光源の光を前方へ反射させて上記光出射部材の背面に入射させる反射部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ベンチレーショングリル。
【請求項4】
上記光伝達部材の他端部と対向する上記光伝達部材の背面の中央部には、前後方向に対してほぼ直交する採光平面が形成され、この採光平面の両側には傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用ベンチレーショングリル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−137816(P2010−137816A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318521(P2008−318521)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000100366)しげる工業株式会社 (95)
【Fターム(参考)】