説明

車両用ポケットティッシュ収納器

【課題】使用済みティッシュを捨てるゴミ入れを付設したコンパクトな車両用ポケットティッシュ収納器を提供する。
【解決手段】 車両のカップホルダHの保持穴H1内に挿入装着可能でゴミを収容するゴミ容器1と、当該ゴミ容器1を開閉する蓋体2とを備え、蓋体2をポケットティッシュが収納可能な中空構造とするとともに、蓋体2にティッシュ引出口221を設ける。ゴミ容器1を上方へ開放する容器状に成形して、当該ゴミ容器1の開口縁の一部に支持部材3を立設するとともに、蓋体2を上記開口縁の他の一部に垂直面内で回動可能に結合し、蓋体2を支持部材3に当接する位置へ回動させてゴミ容器1を閉鎖するとともに、蓋体2を支持部材3から離間するように回動させてゴミ容器1を開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両に容易に設置することができるゴミ入れの付いたポケットティッシュ収納器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両のコンソールボックスに、磁性材を備えたケースホルダを設ける一方、ポケットティッシュを収納できるようにした扁平ケース体を設けて、当該ケース体をこれに設けた磁石によってケースホルダに吸着支持させるようにした車両用ポケットティッシュ収納器が示されている。
【特許文献1】特開9−301079
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来のポケットティッシュ収納器では、スペースの限られた車内に、使用済みのティッシュを捨てる別個のゴミ入れを用意する必要があるという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、使用済みティッシュを捨てるゴミ入れを付設したコンパクトな車両用ポケットティッシュ収納器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本第1発明では、車室内に装着可能でゴミを収容するゴミ容器(1)と、当該ゴミ容器(1)を開閉する蓋体(2)とを備え、蓋体(2)をポケットティッシュが収納可能な中空構造とするとともに、蓋体(2)にティッシュ引出口(221)を設ける。
【0006】
本第1発明においては、ゴミ容器を車室内に装着可能とするとともに、その蓋体をポケットティッシュが収納可能な中空構造としたから、ゴミ容器を付設した、車室内に装着可能なポケットティッシュ収納器をコンパクトに実現することができる。
【0007】
本第2発明では、上記ゴミ容器(1)を上方へ開放する容器状に成形して、当該ゴミ容器(1)の開口縁の一部に支持部材(3)を立設するとともに、蓋体(2)を上記開口縁の他の一部に垂直面内で回動可能に結合し、蓋体(2)を支持部材(3)に当接する位置へ回動させてゴミ容器(1)を閉鎖するとともに、蓋体(2)を支持部材(3)から離間するように回動させてゴミ容器(1)を開放するようにする。
【0008】
本第3発明では、上記ゴミ容器(1)を車両のカップホルダ(H)の保持穴(H1)内に挿入装着可能な形状とする。本第3発明においては、ポケットティッシュ収納器を既存のカップホルダを利用して容易に車内へ装着することができる。
【0009】
なお、上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の車両用ポケットティッシュ収納器は、使用済みティッシュを捨てるゴミ入れを付設したコンパクトなものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1には車両用ポケットティッシュ収納器の全体斜視図を示し、図2にはその部分断面正面図を示す。また、図3には上記ポケットティッシュ収納器の垂直断面図を、図4にはその分解斜視図を示す。ポケットティッシュ収納器はゴミ容器1を備えており、ゴミ容器1の上方にポケットティッシュが収納可能な蓋体2が設けられている。
【0012】
ゴミ容器1は上方へ開放する有底円筒体で(図4)、その開口には支持部材3が装着されている。支持部材3は下端部31がゴミ容器1よりもやや小径の円筒状となって、ゴミ容器1の開口内に着脱可能に装着されている(図2)。上記下端部31の略半周から上方へ向けて支持板部32(図4)が突出形成されている。支持板部32は全体が矩形をなし、下方が円弧状に湾曲するとともに上方に向けて漸次平板状になっている。
【0013】
ゴミ容器1の開口部内周面には径方向の対称位置に円形突起11が設けてあり、一方、支持部材3の下端部31外周には円形突起11と対応する位置に、下端から直線状に上方へ延びた後、周方向の同方向へ湾曲するガイド溝33が形成されて、ガイド溝33の先端はより深い係止溝331となっている。ガイド溝33の開始点を円形突起11に合わせて支持部材3の下端部31をゴミ容器1内に押し込み、円形突起11をガイド溝33の直線部に沿って相対移動させた後、ガイド溝33の湾曲方向とは反対方向へ支持部材3を回転させると、円形突起11がガイド溝33先端の係止溝331内に嵌入して支持部材3がゴミ容器1と一体化される(図3)。
【0014】
支持部材3の下端部31上面には、支持板部32が形成されていない半部に凹所34(図2)が形成されて、当該凹所34内に節度付与具4が装着されている。節度付与具4はU型に成形されたヒンジ部材41と、その左右の側壁411間に配設されたT字形の押圧部材42を備えており、押圧部材42はその軸周りに設けたバネ部材43によって上方へ付勢されている。なお、ヒンジ部材41は凹所34の底壁を貫通させたタッピングネジ412によって凹所34内に固定されている。
【0015】
蓋体2は支持部材3の支持板部32とほぼ同形の矩形の厚肉板状となっており、ポケットティッシュを収納する開放容器部21と、これの開口縁に着脱可能に係止されて開放容器部21を閉鎖する蓋部22とで構成されている(図3)。蓋部22の板面中央には上下方向へ延びる一定幅のティッシュ引出口221が形成されている。容器部21の下端中央には水平方向へ延びる筒状のヒンジ部211が形成されており、当該ヒンジ部211を、上記節度付与具4のヒンジ部材41の両側壁411間に位置させて、これら側壁411とヒンジ部211を貫通させた軸部材44によって、容器部21が垂直面内で回動可能に支持部材3に結合されている。
【0016】
ヒンジ部211の外周面には、節度付与具4の押圧部材42の頭部がバネ部材43のバネ力によって押し付けられており、上記外周面はその周方向適宜位置が面取りされて略三角形状となっている。これにより、容器部21すなわち蓋体2は、支持部材3の支持板部32に向けて倒れてこれの外周縁に当接する閉鎖位置(図3の実線位置)と、支持板部32から離間して反対方向へ傾動する開放位置(図3の鎖線位置)とに節度感をもって反転付勢されて位置決めされる。
【0017】
このようなポケットティッシュ収納器はその円筒形のゴミ容器1を図3に示すように車両のインストルメントパネルPに設けたカップホルダHの保持穴H1内に挿入することによって車両に容易に装着される。この状態で蓋体2のティッシュ引出口221からティッシュを引き出して使用した後、蓋体2を図5に示すように支持部材3から離間した開放位置へ回動させるとゴミ容器1の開口12が開放されるから、使用後のティッシュをゴミ容器1内に捨てることができる。ポケットティッシュを新しいものに交換する場合には図6に示すように蓋体2の蓋部22を容器部21から離脱開放させて行う。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態を示す、車両用ポケットティッシュ収納器のゴミ容器閉鎖状態での全体斜視図である。
【図2】車両用ポケットティッシュ収納器の部分断面正面図である。
【図3】車両用ポケットティッシュ収納器の垂直断面図である。
【図4】車両用ポケットティッシュ収納器の分解斜視図である。
【図5】車両用ポケットティッシュ収納器のゴミ容器開放状態での全体斜視図である。
【図6】車両用ポケットティッシュ収納器の蓋体分離状態での全体斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1…ゴミ容器、2…蓋体、221…ティッシュ引出口、3…支持部材、H…カップホルダ、H1…保持穴。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に装着可能でゴミを収容するゴミ容器と、当該ゴミ容器を開閉する蓋体とを備え、蓋体をポケットティッシュが収納可能な中空構造とするとともに、蓋体にティッシュ引出口を設けたことを特徴とする車両用ポケットティッシュ収納器。
【請求項2】
前記ゴミ容器を上方へ開放する容器状に成形して、当該ゴミ容器の開口縁の一部に支持部材を立設するとともに、前記蓋体を前記開口縁の他の一部に垂直面内で回動可能に結合し、前記蓋体を前記支持部材に当接する位置へ回動させて前記ゴミ容器を閉鎖するとともに、前記蓋体を前記支持部材から離間するように回動させて前記ゴミ容器を開放するようになした請求項1に記載の車両用ポケットティッシュ収納器。
【請求項3】
前記ゴミ容器を車両のカップホルダの保持穴内に挿入装着可能な形状となした請求項1又は2に記載の車両用ポケットティッシュ収納器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−127025(P2008−127025A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311197(P2006−311197)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(596002767)トヨタ自動車九州株式会社 (20)
【Fターム(参考)】