車両用メータユニット
【課題】 画像メータを含む複数の画像機能部品を平面的なディスプレイに表示しているにもかかわらず、個々の画像機能部品の空間的な隔絶感を効果的に創出でき、また、重要なメータ情報の識別性にも優れた車両用メータユニットを提供する。
【解決手段】 2つの回転指針式アナログメータ501,504Aの、円弧状の目盛盤213,213の隣接対向する各内側上部と、画面上縁との間に形成されるくさび状のメータ間スペースに収まるように非メータ画像機能部品を、メータ間情報出力部530,531としてレイアウトする。そして、アナログメータ501,504Aとともに該メータ間情報出力部530,531を含む部品グループを、他の部品グループよりも奥行き方向にて手前に存在するものとして視認されるよう立体画像処理を施す。
【解決手段】 2つの回転指針式アナログメータ501,504Aの、円弧状の目盛盤213,213の隣接対向する各内側上部と、画面上縁との間に形成されるくさび状のメータ間スペースに収まるように非メータ画像機能部品を、メータ間情報出力部530,531としてレイアウトする。そして、アナログメータ501,504Aとともに該メータ間情報出力部530,531を含む部品グループを、他の部品グループよりも奥行き方向にて手前に存在するものとして視認されるよう立体画像処理を施す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用メータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−157434号公報
【0003】
車両用(特に自動車用)のコックピットには、車速やエンジン回転数等を表示するメータが配置される。このようなメータは、アナログ機械指針式のメータが古典的なものであるが、特許文献1に開示されているごとく、液晶パネル等のディスプレイにてメータユニットを構成し、ここに従来のアナログ機械式のメータに代えて、メータのカラー画像(いわゆるソフトメータ)を画像表示するようにしたものが提案されている。このようなメータユニットは、指針式の速度計やタコメータのほか、水温計や燃料残量計など、各々指示値種別の異なる複数のメータ画像群をディスプレイ上に一括表示でき、メータ部品点数の削減や意匠自由度の向上など、さまざまな利点を享受できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ディスプレイへの画面表示により多数のメータ群を一括表示しようとした場合、本来平面的なディスプレイを用いて複数のメータをレイアウトするので、個々のメータの空間的な隔絶感がどうしても不足しやすくなる。このことは、メータ群の見易さという点にとどまらず、重要な表示情報と、比較的重要度の低い表示情報との識別性の低下にもつながる点で、注意を要する。特許文献1に開示されたメータユニットでは、各々指針式メータとして表示形成された速度計、タコメータ、水温計及び燃料残量計に加え、カーナビゲーション用の画面等も密集してレイアウトされている。そして、個々の指針式メータの文字盤周囲を立体金属調のリング画像で縁取りすることで、互いの識別性を高める試みがなされている。しかし、各メータのレイアウトは、あたかも背景をなす一枚のパネルにはめ込まれたかのごとく二次元的なものにとどまっており、空間的な隔絶感がメータ間に十分創出されているとはいい難く、重要なメータ情報とそうでない情報との識別性にも欠ける問題がある。
【0005】
本発明の課題は、画像メータを含む複数の画像機能部品を平面的なディスプレイに表示しているにもかかわらず、個々の画像機能部品の空間的な隔絶感を効果的に創出でき、また、重要なメータ情報の識別性にも優れた車両用メータユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明の車両用メータユニットは、車両の運転席に対向配置される車両用メータユニットであって、
ディスプレイと、
該ディスプレイの画面上に、該画面の奥行き方向に三次元的な広がりをもって視認されるメータ表示領域を形成するメータ表示領域形成手段と、
メータ指示値を表示する画像メータとしての画像機能部品である回転指針式アナログメータを含んで構成され、奥行き方向において最も手前に位置する強調対象部品グループである第一部品グループと、第一部品グループを構成する画像機能部品以外の画像機能部品を含む第二部品グループとに区分し、各々の部品グループが、メータ表示領域において奥行き方向の互いに異なる位置に存在するものとして視認されるよう、部品グループ毎に相違する立体画像処理を施してメータ表示領域に表示出力する画像機能部品表示手段と、を備え、
該画像機能部品表示手段は、画像メータとして円弧状の指示軌跡に沿って移動可能な指針と、該指示軌跡に沿って形成される目盛盤とを有し、かつ、一方が速度計とされる2つの回転指針式アナログメータの画像を左右に互いに隣接して表示するとともに、画像メータ以外の画像機能部品である非メータ画像機能部品の少なくとも1つをメータ間情報出力部として、2つの回転指針式アナログメータの円弧状の目盛盤の隣接対向する各内側上部と、画面上縁との間に形成されるくさび状のメータ間スペースに表示して、回転指針式アナログメータ及びメータ間情報出力部を含む第一部品グループが、第二部品グループよりも奥行き方向にて手前に存在するものとして視認されるよう立体画像処理を施し、
画像機能部品表示手段は立体画像処理を、画面視認方向手前にて画像機能部品を画面法線に対し傾斜する方向から照らす仮想光源を想定したときの該仮想光源による画像機能部品表面への陰影付与処理として、第一部品グループよりも、第二部品グループにおいて陰影が濃くなるように実施し、
画像機能部品表示手段は、強調対象部品グループに属する画像機能部品のうち画面に沿う平面形態を有したものを強調対象画像部品として、該強調対象画像部品に陰影の付与処理を行なわず、
画像機能部品表示手段は、2つの回転指針式アナログメータの一方の指示値を数字によりデジタル表示するデジタルメータを、第二部品グループの画像機能部品として表示するとともに、該デジタルメータの表示値を示す数字に陰影の付与処理行ない、
画像機能部品表示手段は、メータ表示領域に画面の奥行き方向に延びる水平装飾面を表示するとともに、立体画像処理として、画面視認方向手前にて画像機能部品を斜め上方から照らす仮想光源を想定したとき、画像機能部品をなすデジタルメータの数字の水平装飾面への反射投影像を模した装飾用倒立影画像を、該数字の奥行き方向における存在位置を反映させた形で該水平装飾面上に付加表示する処理を行なうことを特徴とする。
【0007】
上記本発明の車両用メータユニットの構成によると、ディスプレイの画面上に一括表示する複数の画像機能部品を複数の部品グループに区分し、個々の部品グループが、メータ表示領域において画面奥行き方向の互いに異なる位置に存在するものとして視認されるよう、部品グループ間で互いに相違する立体画像処理を施して表示出力する。すなわち、複数の画像機能部品は平面的なディスプレイに表示しているにもかかわらず、上記立体画像処理により、異なるグループに属する画像機能部品に対し、画面奥行き方向にも仮想的な空間隔絶感を効果的に創出できる。その結果、多くの画像機能部品を同一画面上に配置しているにもかかわらず、個々の画像機能部品の識別性に優れたレイアウトが実現できる。また、重要なメータは、画面奥行き方向の手前側(つまり、ドライバーに近い側)に位置するものとして視認させることで、該画像機能部の表示内容を効果的に強調でき、重要なメータ情報とそうでない情報との識別性にも優れる。
【0008】
この発明では各々円弧状の目盛盤と、目盛盤に沿って配列する指針の指標となる複数の指標数字と、目盛盤上の値を指示する指針とを有し、かつ、一方が速度計とされる2つの指針式アナログメータの画像を、互いに隣接させた形で表示する。他方の指針式アナログメータは例えばタコメータであるが、ハイブリッド車の場合はパワーメータとすることもできる。これら2つのアナログメータは、コックピットにレイアウトされるメータ類のうち最も視認頻度の高い、いわばメインメータともいえるものであり、上記の立体画像処理により、他の画像メータよりも画面奥行き方向の手前側に位置するものとして視認させることで、その識別性を大幅に向上できる。
【0009】
当然、上記立体画像処理により視覚的に強調された2つのアナログメータは、それらの間に形成されるスペースに他の画像機能部品を配置した場合、両アナログメータの視認頻度が高くなることとも相俟って、視覚に目立ちやすくすることができる。そこで、それら2つの回転指針式アナログメータの、円弧状の目盛盤の隣接対向する各内側上部と、画面上縁との間に形成されるくさび状のメータ間スペースに収まるように非メータ画像機能部品をレイアウトすれば、逆三角形状のスペースの上部を利用する形で横長の非メータ画像機能部品であっても、メータ間情報出力部として無理なく収めることができ、アナログメータの視認を妨げる事がない。そして、アナログメータとともに該メータ間情報出力部を含む部品グループを、他の部品グループよりも奥行き方向にて手前に存在するものとして視認されるよう立体画像処理を施すことにより、該メータ間情報出力部の識別性を高めることができる。
【0010】
なお「部品グループ毎に相違する立体画像処理を施す」という概念は、複数の部品グループのうち、画面奥行き方向にて最も手前側に位置するものとして視認させるべきものについて、特に立体画像処理を施さない態様を包含するものとする。
【0011】
画像機能部品表示手段は、上記の立体画像処理を、画面視認方向手前にて画像機能部品を画面法線に対し傾斜する方向から照らす仮想光源を想定したときの該仮想光源による画像機能部品表面への陰影付与処理として、第一部品グループよりも、第二部品グループにおいて陰影が濃くなるように実施するものとすることができる。
【0012】
画像機能部品に陰影を付与することで、画面手前側に、個々の画像機能部品を照らす仮想的な光源の存在をドライバーに意識させることができ、かつ、付与する陰影の濃さを部品グループ毎に異ならせることで、陰影が濃く表れている部品グループほど奥行き方向に遠くに位置するものとして認識させることができる。すなわち、第一部品グループに付与する陰影を他の第二部品グループよりも薄くすれば、これらアナログメータ及びメータ間情報出力部を奥行き方向の最も手前に存在するものとして認識させることができ、その識別性を高めることができる。
【0013】
陰影付与処理は、画像機能部品を斜め上方から照らす仮想光源を想定することにより、同じ画像機能部品に対し表面下側に向かうほど濃くなるように陰影を付与するものとすれば、自然光や天井照明等による自然な陰影感を漂わせることができ、画像機能部品の奥行き方向の隔絶感も表現しやすくなる。
【0014】
また、物体表面に生ずる陰影は、光源までの距離が近くなるほど薄くなる。特に、アナログメータの目盛盤や指標数字など、平面形態を有した強調対象画像部品については、光源までの距離が十分に近くなれば陰影はほとんど生じなくなる。このような状況を想定して、画像機能部品表示手段は、該強調対象部品グループに属する画像機能部品のうち画面に沿う平面形態を有したものを強調対象画像部品として、該強調対象画像部品に陰影の付与処理(前述の立体画像処理の一下位概念である)を行なわないように構成することができる。つまり、強調対象部品を、陰影の付与処理を敢えて行なわない画像機能部品とすることで、該強調対象部品を陰影付与される他の画像機能部品のどれよりも画面奥行き方向手前側に位置するものとして認識させることができ、ひいては当該強調対象部品の出力情報を、他の画像機能部品の出力情報に対し優位なものとして識別させることができる。
【0015】
次に、画像機能部品は、同一のメータ指示値を複数の画像メータにより互いに異なる表示形態にて冗長表示するための冗長表示用画像メータ群を含むものとして構成できる。画像機能部品表示手段は、該冗長表示用画像メータ群に含まれる複数の画像メータを、奥行き方向における視認位置が互いに異なる複数の部品グループに振り分けた形で表示するものとできる。1つのメータ指示値を複数の画像メータ(冗長表示用画像メータ群)により冗長化表示することで、重要なメータ指示値を効果的に強調できる。そして、それらの冗長表示用画像メータ群を、仮想的な画面奥行き方向において互いに異なる位置に視認させることで、同一のメータ指示値を表示する複数の画像メータに対し、視認優先度序列を遠近的に付与することができる。
【0016】
冗長表示用画像メータ群は、具体的には、目盛盤と該目盛盤上の値を指針にて指示する指針式アナログメータの画像と、指針式アナログメータの指示値を数字によりデジタル表示するデジタルメータの画像とを含むものとして構成でき、画像機能部品表示手段は、それら指針式アナログメータの画像とデジタルメータの画像とを、奥行き方向において異なる位置に存在するものとして視認されるよう、互いに異なる立体画像処理を施して表示出力するものとして構成できる。上記の構成によると、同一のディスプレイの画面上において指針式アナログメータの内側にデジタルメータを一括表示するので、現在指示値の直読性(アナログメータ)と読み取り精度向上(デジタルメータ)とを両立することができる。
【0017】
この場合、画像機能部品表示手段は、現在指示値の直読性の優れた指針式アナログメータの画像を、デジタルメータの画像よりも奥行き方向において手前側に視認されるように表示するとよい。これにより、ドライバーを、近くにある(と見える)指針式アナログメータで概略指示値を瞬時的に読み取り、次いでデジタルメータで詳細指示値を補うという合理的な読み取り順序にスムーズに導くことができる。この場合、画像機能部品表示手段は、デジタルメータの表示値を示す数字画像に陰影を施す処理を行ない、他方、指針式アナログメータの目盛盤の画像を、強調対象画像部品として陰影を施さない形で表示することができる。
【0018】
画像機能部品表示手段は、メータ表示領域に画面の奥行き方向に延びる水平装飾面を表示するとともに、立体画像処理として、画面視認方向手前にて画像機能部品を斜め上方から照らす仮想光源を想定したとき、画像機能部品をなすデジタルメータの数字の水平装飾面への反射投影像を模した装飾用倒立影画像を、該数字の奥行き方向における存在位置を反映させた形で該水平装飾面上に付加表示する処理を行なうものとすることができる。画面の奥行き方向に延びる水平装飾面を表示し、ここに画像機能部品の水平装飾面への反射投影像を模した装飾用倒立影画像を付加表示することで、装飾用倒立影画像の水平装飾面上の出現位置から対応する画像機能部品の画面奥行き方向の想定位置を画面上より顕在化させることができる。
【0019】
画像機能部品表示手段は、上記の水平装飾面を、画面上の消失点に向けて遠近法に従い明度を漸減させつつ該水平装飾面の暗背景に消失する形で表示するものであり、かつ、該水平装飾面上には、画面水平方向と平行な水平装飾ストライプを、奥行き方向遠方に向かうほど遠近法に従い視認配列間隔が漸次縮小する形で表示するものとできる。上記のような水平装飾面を暗背景に消失する形で遠近法表示すれば、画像機能部品に付与する陰影により立体的な奥行き感を表出するコンセプトをより顕在化させることができる。そして、その水平装飾面に形成された水平装飾ストライプにより、装飾用倒立影画像の水平装飾面上の出現位置をより明確に把握させることができる。
【0020】
画像機能部品表示手段は、画像メータ以外の情報出力部として、車両のシフトレバーの現在選択中のポジションであるカレントポジションを表示するために、シフトレバーによるポジション選択順位系列に従い、それら複数のポジションに一対一に対応付けた形で表示用シンボルが定められ、カレントポジションに対応した表示用シンボルであるカレントシンボルを、第二部品グループの画像機能部品として選択的に表示するシフトポジション表示部を出力するものとすることができる。速度計等に比較すれば、シフトポジション表示部は、車両の発進・停止時か、坂道走行時などにおいて強制ギアチェンジを行なった場合など、視認するべき頻度は限られたものとなる。従って、該シフトポジション表示部は、カレントシンボルに対して陰影を付与することで、該シフトポジション表示部を画面奥行き方向にて後方に位置するものとして視認させることができる。
【0021】
メータ間情報出力部は、接近中の道路分岐点における各レーンの指定進行方向を示す複数個の指定方向指示画像を、レーン配列を反映させた形で左右に隣接表示するレーン案内表示部とすることができる。交差点等の道路分岐点におけるレーン割は、分岐点に相当接近しないと道路標識等による案内情報を見ることができず、レーン変更が必要な場合、交通の激しい道路等においては、ドライバーが相当の苦労を強いられることになり、また、交通の妨げにもなりやすい。従って、車両の運転席に対向配置され、速度チェック等のために頻繁に視認するメータユニットにレーン案内表示部を設けることは、上記の不具合を解消する観点にて技術上の意義は極めて大きい。
【0022】
そして、このレーン案内表示部をメータ間情報出力部として、メインメータとなる2つのアナログメータの間に表示し、アナログメータとともに画面奥行き方向の最も手前に存在するものとして認識させることで、レーン変更等に注意を要する道路分岐点に接近したとき、そのレーン割をいち早くドライバーに気付かせることができる。
【0023】
レーン案内表示部に表示するレーン数が増加した場合、レーン案内表示部の横方向の表示寸法も必然的に増加する形となる。そして、2つの回転指針式アナログメータの目盛盤が、水平直径位置が画面高さ方向に互いに一致する関係にて表示される場合、各目盛盤の水平直径位置よりも上側ではメータ間スペースの幅が逆三角形状に急増するから、横方向に長いレーン案内表示部であっても必要な表示スペースを容易に確保でき、アナログメータとの表示上の重なりも回避できる。
【0024】
レーン案内表示部の下縁は、メータ間スペースにて、各目盛盤の上縁位置よりも下側に位置するように表示すれば、回転指針式アナログメータの目盛盤の上方に十分なスペースがない場合でも、横長のレーン案内表示部のためのスペースを問題なく確保できる。この場合、逆三角形状のメータ間スペースにおいてレーン案内表示部の下側には、幾分細幅ではあるが空きスペースが生じるので、ここに前述のシフトポジション表示部を配置することも可能であり、メータ表示領域の有効活用を図ることができる(すなわち、シフトポジション表示部がメータ間スペースにてレーン案内表示部の下側に表示される)。
【0025】
また、メータ間情報出力部は、接近中の道路分岐点における案内誘導方向を示す案内誘導表示部とすることができる。すなわち、カーナビゲーション装置等による道路分岐点での案内誘導方向を、メータ間情報出力部をなす案内誘導表示部により、メインメータとなる2つのアナログメータの間に表示し、アナログメータとともに画面奥行き方向の最も手前に存在するものとして認識させることで、レーン変更等に注意を要する道路分岐点に接近したとき、その案内誘導方向をいち早くドライバーに気付かせることができる。特に、上記のレーン案内表示部と案内誘導表示部とを並列に表示すると、レーン変更等も含めた道路分岐点における運転誘導をよりスムーズに行なうことができる。この場合、逆三角形状のメータ間スペースにおいて、横長のレーン案内表示部を上側に、案内誘導表示部を下側にそれぞれ表示することが、スペース配分上も合理的である。
【0026】
一方、メータ間情報出力部は、1又は複数の警告シンボルを表示する警告シンボル表示部とすることもできる。警告シンボルは、表示された際にはドライバーに直ちに認識させなければならないから、これをメータ間情報出力部として、メインメータとなる2つのアナログメータの間に表示し、アナログメータとともに画面奥行き方向の最も手前に存在するものとして認識させることは極めて効果的である。
【0027】
次に、画像機能部品表示手段は、指針式アナログメータに係る円弧状の目盛盤の内周縁に沿う帯状形態の目盛盤装飾部を、目盛盤の内周縁から画面奥側へ延出する立体視認形状にて、画面奥側に向かうほど明度が減少する陰影を付与しつつ表示するものとすることができる。目盛盤の内周縁から画面奥側へ延出する立体視認形状の目盛盤装飾部を、上記のような陰影を付与しつつ表示することで、目盛盤背後への空間的な広がり感を顕在化させることができ、目盛盤が空間的に手前側に存在していることをより強調することができる。
【0028】
画像機能部品表示手段は、目盛盤装飾部を、画面奥側へ向かうほど内周半径が縮小する傾斜面状の立体視認形状を有するものとして表示することができる。また、目盛盤上にて、各々該目盛盤の半径方向に沿う複数の目盛線図形を目盛盤の周方向に所定の間隔にて表示形成するとともに、目盛盤装飾部上には、個々の目盛線図形の半径方向における内端側に接続する形態で、陰影がそれぞれ付与された装飾目盛線図形を表示することができる。このような装飾目盛線図形を表示することで、指針指示値の直読性を一層高めることができる。
【0029】
ここで、立体空間の画像表現手法として遠近法を採用すれば、上記の目盛盤装飾部は、画面と平行な目盛盤から背後へ直円筒状に延出する想定であっても、帯状形態の画像領域として表現することができる。他方、前述の陰影付与による目盛盤装飾部の内面立体形状の創出感を損なわないようにするためには、装飾目盛線図形を目盛盤装飾部の内面母線方向に描くのが妥当である。しかし、円弧状の目盛盤の半径方向に描かれる目盛線中心位置が遠近法の消失点位置からずれていると、装飾目盛線図形は、目盛盤の中心に向かう対応する目盛線から消失点方向へずれて描かれる形となり、指示値直読性を高める効果が損なわれる問題がある。しかし、目盛盤装飾部を、画面奥側へ向かうほど内周半径が縮小する傾斜面状の立体視認形状を有するものとして表示すれば、目盛盤装飾部の内面母線の焦点を目盛盤の中心に近づけることができ、これに沿って描かれる装飾目盛線図形を、目盛線の延長形態にて表示できるので、指示値直読性を高める効果が顕著に発揮される。
【0030】
画像機能部品表示手段は、指針の先端部が目盛盤装飾部と重なる位置関係を有するとともに、該指針が画面奥行き方向にて目盛盤装飾部よりも手前側に位置するものとして、当該目盛盤装飾部の指針の背後に位置する部分を隠蔽する形態で表示することができる。目盛盤を直接指示する指針が目盛盤装飾部を隠蔽する形態で表示することで、目盛盤装飾部が目盛盤の背後へ延出する形状を有した仮想体であることを、ドライバーにより明確に意識させることができる。
【0031】
この場合、画像機能部品表示手段は、指針の画像を、画面奥行き方向にて指標数字よりも奥側に位置するものとして、それら指標数字と指針とが重なったとき、該指標数字の背後に位置する指針部分を隠蔽する形態で表示することができる。画像上指針が指標数字と重なっても指標数字の輪郭線は指針により隠蔽されず、指示値の直読性が大幅に向上する。また、目盛盤及び指標数字と目盛盤装飾部との間に指針が存在する立体的な位置関係を意識させることで、画面奥行き方向への空間的な広がりをより顕在化させることができる。なお、画像機能部品表示手段は、指針の先端が目盛盤の内周縁に臨む位置関係となるように該指針の表示を行なうことで、目盛盤自体との指針の半径方向の重なり寸法を減ずることができる。これにより、指針が近傍に存在する場合においても目盛線を常に明瞭に視認でき、かつ、指針による隠蔽対象を装飾目盛線図形に担わせることで、指示値の直読性も損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1A】本発明の車両用メータユニットの一実施形態に係る画面表示例を示す正面図。
【図1B】図1Aを模式化して示す正面図。
【図2】図1Bの車両用メータユニットの電気的構成を示すブロック図。
【図3A】図1Bのアナログ速度計部分を、指針と指標数字の重なり状態にて抜き出して示す図。
【図3B】同じく、指針と指標数字の非重なり状態にて示す図。
【図4】図1Aのメータユニットの画面上にレイアウトされた各画像機能部品の、画面奥行き方向の仮想的な位置関係を示す模式図。
【図5】目盛線図形と装飾目盛線図形とを拡大して示す図。
【図6】指針近傍の表示形態を抜き出して示す説明図。
【図7】目盛盤装飾部の第一例を示す仮想断面図。
【図8】目盛盤装飾部の第二例を示す仮想断面図。
【図9】目盛盤装飾部の第三例を示す仮想断面図。
【図10】本発明の車両用メータユニットの変形実施形態に係る画面表示例を示す正面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1Aは、本発明の車両用メータユニットの画面表示例をビットマップ画像にて示すものであり、図1Bはこれを模式化して示すものである。該車両用メータユニット1は自動車(車両)の運転席に対向配置されるものであり、画像メータ又は画像メータ以外の情報出力部からなる複数の画像機能部品を所定のレイアウトにて集合させた形でディスプレイ210に一括表示するものとして構成されている。ディスプレイ210は、図2に示すように、TFT型カラー液晶パネル108とバックライトモジュール309とを有する周知のものである(ただし、プラズマディスプレイやELディスプレイ等の自発光ディスプレイで構成されていてもよい)。ディスプレイ210は、その画面全体がメータ表示領域として使用される(ただし、一部のみをメータ表示領域として使用することも可能である)。
【0034】
画像メータとして具体的には、速度計504A,504D、ハイブリッド車の総出力及び回生状態を示すパワーメータ501、平均燃費メータ506、燃料残量計507、水温計509、外気温計511及び積算距離計510が表示されている。また、画像メータ以外の情報出力部として、シフトポジション表示部503及び警告シンボル(ここでは、給油インジケータ及び水温インジケータ)512の表示部が形成されている。
【0035】
速度計504A,504Dは、円弧状の指示軌跡に沿って移動可能な指針502と、該指示軌跡に沿って形成される文字盤40とを有した回転指針式アナログメータかならるアナログ速度計504Aと、画面上にて指示軌跡の内側にて指針502の回転中心Oを包含する領域に、指針502の指示値を数字によりデジタル指示するデジタル速度計504Dとからなる。
【0036】
また、ディスプレイ210の画面上にはレーン案内表示部530が形成され、接近中の道路分岐点(例えば交差点)における各レーンの指定進行方向を示す複数個の指定方向指示画像510iが、レーン配列を反映させた形で左右に隣接表示されるようになっている。レーン案内表示部530は、2つの回転指針式アナログメータ504A,501の間に形成されるスペースに収まるメータ間情報出力部として形成されており、より具体的には、2つの回転指針式アナログメータ504A,501の円弧状の目盛盤213,213の隣接対向する各内側上部と、画面上縁との間に形成されるくさび状のメータ間スペースの上部に収まるように配置されている。
【0037】
2つの回転指針式アナログメータ504A,501の目盛盤213,213は、水平直径位置が画面高さ方向に互いに一致する関係にて表示されている。レーン案内表示部530は、上記メータ間スペースにて各目盛盤213の水平直径位置よりも上側に表示されている。レーン案内表示部530は、その下縁が上記メータ間スペースにて、各目盛盤213,213の上縁位置よりも下側に位置するように配置されている。なお、レーン案内表示部530の上縁は目盛盤213,213の上縁位置よりも上側に位置している。
【0038】
他方、くさび状のメータ間スペース内にてレーン案内表示部530の直下には、別のメータ間情報出力部として、接近中の道路分岐点における案内誘導方向を示す案内誘導表示部531が接近中の道路分岐点までの距離情報(300m)とともに表示形成されている。また、くさび状のメータ間スペースの下部にて、案内誘導表示部531のさらに下側には、前述のシフトポジション表示部503が表示されている。
【0039】
図2は、車両用メータユニット1の電気的構成の一例を示すブロック図である。
該構成の要部をなすのはメータ表示の主要制御を司るメータECU200である。メータECU200の要部は、CPU281、ROM282、RAM283、描画LSI及び入出力部280が内部バスにて接続されたマイコンからなる。ROM282にはメータ描画ソフトウェアと、各画像メータ504A,504D,501,506,507,509の描画に必要な図形データ、及びデジタル速度計504Dに速度表示するための数字のフォントデータが格納されている。
【0040】
メータECU200は、ボデー系ECU300等の他のECUとシリアル通信バス127により、各々通信インターフェース126を介してネットワーク接続されて、動作状態パラメータ取得手段としての機能も果たす。すなわち、ボデー系ECU300には、メータに表示させるべき基本動作状態情報を取得するためのセンサ群が接続されている。具体的には車速センサ301、車両出力検出ユニット302、冷却水の水温センサ303、燃料残量センサ304、平均燃費演算部305及びギアポジション検出部306などである。
【0041】
メータECU200は、上記のセンサ群301〜307からの検出情報を、通信バス127を介して取得し、各々対応するメータのマスター画像(例えばROM282に記憶されているものである)上にその指示値を反映させ、各メータの描画データ(以下、メータ描画データ)を作成する。具体的には、図2において、ギアポジション検出部306の検出値がシフトポジション表示部503に、車速センサ301の検出値が速度計504A,504Dに、車両出力検出ユニット302の検出値がパワーメータ501に、平均燃費演算部305の燃費演算値が平均燃費メータ506に、燃料残量センサ304の検出値が燃料残量計507に、水温センサ303の検出値が水温計509にそれぞれ反映される。描画LSI106は、上記の描画データを受け取り、グラフィックメモリ107上で画像合成して液晶パネル108に出力する(メータ描画ソフトウェアを実行するメータECU200と連携し、メータ表示領域形成手段及び画像機能部品表示手段を機能実現する)。
【0042】
メータ描画ソフトウェアによる、例えば速度計504A,504Dに係るメータ動作処理の流れの概略は以下の通りである(他のメータについても、基本的な動作流れは同じである)。まず、エンジンが始動すればボデー系ECU300から取得した車速の検出値を取得し、その取得した車速に応じたメータ動作処理となる。この処理ルーチンはエンジンが停止するまで繰り返し実行される。具体的には、図1Bに示すように、アナログ速度計504Aの指針502を、取得した車速に対応する目盛位置へ移動するように描画するとともに、車速を示す数値を、前述のフォントデータを用いてデジタル速度計504Dに表示する。上記処理ルーチンの繰り返しに伴い、取得するエンジン回転数の変動に伴い、指針502の描画位置と、デジタル速度計504Dの表示値がこれに追随して変化する。
【0043】
上記の車両用メータユニット1においては、画像機能部品504A,504D,501,506,507,509,511,510,503,512,530,531が、2つの部品グループ、すなわちアナログ速度計504A、パワーメータ501、平均燃費メータ506、燃料残量計507、水温計509、外気温計511、レーン案内表示部530、案内誘導表示部531及び警告シンボル512からなる第一部品グループと、デジタル速度計504D及びシフトポジション表示部503からなる第二部品グループとに区分されている。そして、これら部品グループがそれぞれ、メータ表示領域において奥行き方向の互いに異なる位置に存在するものとして視認されるよう、部品グループ毎に相違する立体画像処理を施してメータ表示領域に表示出力されている(画像機能部品表示手段)。
【0044】
第二部品グループにおいては、図1Bに示すデジタル速度計504Dの表示値を示す数字50や、図7に示すシフトポジション表示部503のカレントシンボル401CSのように、図4に示すごとく立体画像処理を、仮想光源LS(画面視認方向手前にて数字50(画像機能部品であるデジタル速度計504D)を画面法線に対し傾斜する方向から照らすものとして想定されている)による陰影GLの付与処理として実施されている。なお、図4は、立体画像処理により、平面的な画面の奥行き方向に視認させるべき各部の仮想的な位置関係を説明するものである。そして、陰影付与処理は、奥行き方向にて遠方に位置する部品グループの画像機能部品ほど陰影GLが濃くなるように実施されているともいえる。具体的には、画像機能部品50を斜め上方から照らす仮想光源LSを想定することにより、図1B及び図7に示すように、当該画像機能部品(50,401CS)に対し表面下側に向かうほど濃くなるように陰影GLが付与される。
【0045】
他方、図1A、図1Bに示すごとく、第一部品グループ、すなわち、アナログ速度計504A及びパワーメータ501、平均燃費メータ506、燃料残量計507、水温計509、外気温計511、積算距離計510、レーン案内表示部530、案内誘導表示部531及び警告シンボル512からなる第一部品グループは、いずれも画面奥行き方向において第二部品グループよりも手前(つまり、最も手前)に位置する部品グループとなっており、強調対象部品グループとして取り扱われている。そして、この強調対象部品グループに属する画像機能部品のうち画面に沿う平面形態を有したもの、具体的にはアナログ速度計504A及びパワーメータ501の目盛盤213及び指標数字215(以下、これらを合わせて文字盤40ともいう)、平均燃費メータ506、外気温計511の温度表示値、積算距離計510の距離表示値、レーン案内表示部530、案内誘導表示部531及び警告シンボル512がそれぞれ強調対象画像部品として定められ、陰影が付与されていない。ただし、燃料残量計507及び水温計509については、背景画像600の画面左右縁側のフェードアウトに対応した陰影は付与されている。
【0046】
物体表面に生ずる陰影GLは、光源までの距離が近くなるほど薄くなる。特に、上記のごとく、アナログメータの目盛盤213や指標数字215、デジタルメータ504Dの表示値を示す数字50、レーン案内表示部530、あるいは案内誘導表示部531など、平面形態を有した画像部品については、光源までの距離が十分に近くなれば陰影はほとんど生じなくなり、逆に光源から遠ざかるほど陰影は濃くなる。そして、同じ平面形態を有した画像部品であっても、第一部品グループをなすアナログメータ501,504Aの目盛盤213や指標数字215、レーン案内表示部530、案内誘導表示部531、あるいは外気温計511や積算距離計510には陰影が付与されず、第二部品グループをなすデジタルメータ504Dの数字50やシフトポジション表示部503のカレントシンボル401CSには陰影GLが付与されていることで、第一部品グループは第二部品グループよりも画面奥行き方向にて手前側に存在しているように視認されるのである。
【0047】
次に、図1A、図1Bに示すように、各画像部品の背後には三次元的な背景画像600が表示されている。該背景画像600には、各メータの画像よりも平均的な明度が低く設定されている。デジタル速度計504Dに表示される数字50の下側には、該数字50を倒立反転した装飾用倒立影画像504Sが表示されている。図4に示すように、ディスプレイ210の画面上にて図1A,図1Bの数字50の表示領域下縁に沿う水平基準線HKに対しては、画面奥行き方向に該水平基準線HKを含む水平装飾面DP(仮想投影面HP)が設定され、かつ、図4に示すように、該数字50に対しユーザー視点が存在する画面手前上方側から仮想照明光VLを投射したと考えた場合に、数字50の仮想照明光VLによる水平装飾面DPへの反射投影像を模した形態にて装飾用倒立影画像504Sが表示されている。
【0048】
該デジタル速度計504Dの数字50に対する水平装飾面DPへの反射投影像を装飾用倒立影画像504Sとして表示することで、水平装飾面DPがあたかも数字50の下に存在する水面(あるいは鏡面)として認識され、限られた表示画面上に爽快で広々とした空間演出を行なうことできる。なお、装飾用倒立影画像504Sは数字50の下縁から画面奥行き方向手前に向かうほど明度が漸減するグラデーション画像として表示されている。これにより、投影反射光量が減少する画面の手前側ほど装飾用倒立影画像504Sの明度が減少し、反射投影像としてのリアリティが高められている。
【0049】
また、水平装飾面DPは、遠近法により画面の奥行き方向に消失点FOPを生ずる形で表示されている。このような水平装飾面DPを積極表示することで、該水平装飾面DPに対応した位置への仮想投影面の存在をより顕在化させることができ、ユーザーに対し装飾用倒立影画像504Sを反射投影像としてより直感的に意識させることができる。なお、水平装飾面DPを含む背景画像600は、仮想的な奥行き方向に遠ざかるほど、また、水平方向にて画面中央から左右に遠ざかるほど明度が漸減するように表示されており、画面の手前上方に仮想照明光の光源の存在を仮定したときの遠近感がよりリアルに演出されている。図1Bにおいて、水平装飾面DP上には、画面奥行き方向遠方の消失点FOPを目指して収束する多数の装飾用ストライプSP1が形成されており、水平装飾面DPは明度減少により該消失点FOPの手前でフェードアウトする形にデザインされ、三次元的な奥行き感が高められている。
【0050】
また、水平装飾面DP上には、画面水平方向と平行な水平装飾ストライプSP2が、奥行き方向遠方に向かうほど遠近法に従い視認配列間隔が漸次縮小する形で表示されている。水平装飾ストライプSP2により、装飾用倒立影画像504Sひいてはデジタルメータ504Dの数字50が、水平装飾面DP上にて画面奥行き方向のどの位置に存在するかが、より明確になっていることがわかる。
【0051】
次に、2つのアナログメータ501,504Aは、その指示値を読み取る上で最も重要な目盛盤213及び指標数字215(文字盤40)の画像が強調対象画像部品とされ、それぞれ陰影GLが施されないことで他の画像機能部品よりも強調され、指針式アナログメータ501,504Aの視認優先度が高められている。また、図1A及び図1Bに示すように、各指針式アナログメータ501,504Aにおいては、円弧状の目盛盤213の内周縁に沿う形で、帯状形態の目盛盤装飾部220が、目盛盤213の内周縁から画面奥側へ延出する立体視認形状にて、画面奥側に向かうほど明度が減少する陰影を付与しつつ表示されている。目盛盤213の内周縁から画面奥側へ延出する立体視認形状の目盛盤装飾部220を、陰影を付与しつつ表示することで、目盛盤213背後への空間的な広がり感を顕在化させることができ、目盛盤213が空間的に手前側に存在していることが強調されている。
【0052】
立体画像処理による、平面的な画面の奥行き方向に視認させるべき各部の仮想的な位置関係を示す図4の目盛盤装飾部220は、図7に仮想的に示すように、目盛盤装飾部220は、画面奥側へ向かうほど内周半径が縮小する傾斜面状の立体視認形状を有するものとして表示される。なお、図7においては、目盛盤装飾部220はテーパ面状の立体視認形状としての表示を想定しているが、図8に示すように、湾曲面状の立体視認形状を想定したものであってもよい。
【0053】
また、目盛盤213上には、各々該目盛盤213の半径方向に沿う複数の目盛線図形211が、目盛盤213の周方向に所定の間隔にて表示形成されている。他方、目盛盤装飾部220上には、個々の目盛線図形211の半径方向における内端側に接続する形態で、陰影がそれぞれ付与された装飾目盛線図形211Sが表示されている本実施形態においては、立体空間の画像表現手法として遠近法が採用されているので、図9に示すごとく、上記の目盛盤装飾部220は、画面と平行な目盛盤213から背後へ直円筒状に延出する想定であっても、帯状形態の画像領域として表現することができる。他方、前述の陰影GL付与による目盛盤装飾部220の内面立体形状の創出感を損なわないようにするためには、装飾目盛線図形211Sを目盛盤装飾部220の内面母線方向に描くのが妥当である。しかし、円弧状の目盛盤213の半径方向に描かれる目盛線中心位置が遠近法の消失点FOPの位置からずれていると、装飾目盛線図形211Sは、目盛盤213の中心に向かう対応する目盛線から消失点方向へずれて描かれる形となり、指示値直読性を高める効果が損なわれる問題がある。しかし、図7及び図8に示すように、目盛盤装飾部220を、画面奥側へ向かうほど内周半径が縮小する傾斜面状の立体視認形状を有するものとして表示すれば、図1A及び図1Bに示すように、目盛盤装飾部220の内面母線の焦点を目盛盤213の中心に近づけることができ、これに沿って描かれる装飾目盛線図形211Sは、図5に示すように、目盛線図形211の延長形態にて表示できるので、図6に示すように、指針502による指示値の直読性を高めることができる。
【0054】
ここで、図3Aおよび図3Bに示すように、指針502の先端部は目盛盤装飾部220と重なる位置関係を有している。そして、図6に拡大して示すように、指針502は、画面奥行き方向にて目盛盤装飾部220よりも手前側に位置するものとして、当該目盛盤装飾部220の指針502の背後に位置する部分を隠蔽する形態で表示される。また、指針502の画像は、画面奥行き方向にて指標数字215よりも奥側に位置するものとして想定されている。そして、指標数字215と指針502とが重なったとき、指針502は、該指標数字215の背後に位置する指針502部分を隠蔽する形態で表示される。画像上指針502が指標数字215と重なっても指標数字215の輪郭線は指針502により隠蔽されず、指示値の直読性が大幅に向上する。また、目盛盤213及び指標数字215と目盛盤装飾部220との間に指針502が存在する立体的な位置関係が明確となり、画面奥行き方向への空間的な広がりをより顕在化させる効果も生じている。
【0055】
また、指針502の先端は、目盛盤213の内周縁に臨む位置関係となっており、目盛盤213と指針502との半径方向の重なり寸法が減じられているので、指針502が近傍に存在する場合においても目盛線を常に明瞭に視認できる。他方、指針502による隠蔽対象は装飾目盛線図形211Sが担うこととなり、指示値の直読性も確保されている。
【0056】
なお、図3A,図3Bに示すように、指針502の画像は、該指針502の回転動径Rの方向に指針長手方向を一致させた状態にて、指示すべき速度値に応じて回転中心Oの周りに回転移動しつつ表示される(指針表示手段)。前述の文字盤40は、目盛線211が刻まれた円弧状の目盛部213と、その目盛部213に沿って配列する、代表的な各目盛位置での指示値(この場合、速度値)を各々示す複数の指標数字215とからなる。複数の指標数字215の画像は、指針502の回転周方向に沿って、該指標数字215の各々天地方向が回転動径方向と一致し、かつ、指針502が各指標数字215位置に回転到来したとき、当該指標数字215が指針502に対し該指針502の長手方向の一部区間に重なるように配列表示される。目盛部213は、動径Rの方向にて指標数字215の列の外側に表示されている。
【0057】
また、指針502と指標数字215とは色相の異なる表示色にて表示されている。指標数字215の表示色は白色であり、立体的な陰影等は特に付与されていない。他方、指針502の表示色は薄緑色であり、立体的な陰影が付与されている。具体的には、指針502は、幅方向途中位置に高さピークを有する指針長手方向に沿う凸条表面形態を有し、メータ前面側から仮想的な照明光を受けている想定にて、凸条稜線(R方向)に沿う形で高輝度の反射光沢部が形成され、該凸条稜線から幅方向両側に離れるに従い、また指針基端部に近づくに従い、各々輝度が漸減するグラデーションが施されている。なお、指針501の基端側は暗背景をなす背景画像600中にフェードアウトする形になっている。
【0058】
また、アナログ速度計504Aとデジタル速度計504Dとは、同一のメータ指示値(車速)を複数の画像メータにより互いに異なる表示形態にて冗長表示する冗長表示用画像メータ群を形成している。そして、デジタル速度計504Dについてのみ前述の陰影GLや装飾用倒立影画像504Sを付加することで、現在指示値の直読性の優れた指針式アナログメータによるアナログ速度計504Aが、デジタル速度計504Dよりも奥行き方向において手前側に視認される画像表現形態となっている。これにより、ドライバーは、近くに存在する(と視認される)指針式アナログメータ504Aで概略指示値を瞬時的に読み取り、次いでデジタルメータ504Dで詳細指示値を補うという合理的な読み取り順序にスムーズに導かれる。
【0059】
図10は、メータ間情報出力部の表示形態に係る別実施例を示すものである(図1Aとの共通部分には同一の符号を付与して詳細な説明は略する)。この実施形態では、案内誘導表示部531が省略されており、レーン案内表示部530は、その上縁が2つのアナログメータ501,504Aの目盛盤213,213の上縁よりも下側に位置するように、図1Aよりも表示位置が下げられている。そして、メータ間スペースにて、画面上縁と目盛盤213,213の上縁との間に挟まれた領域に、水温インジケータ及び給油インジケータ512とは別の複数の警告シンボル1512を表示するようになっている。これら警告シンボル1512は強調対象画像部品として定められ、陰影は付与されていない。
【符号の説明】
【0060】
1 車両用メータユニット
106 描画LSI(メータ表示領域形成手段及び画像機能部品表示手段)
200 メータECU(メータ表示領域形成手段及び画像機能部品表示手段)
210 ディスプレイ
211 目盛線図形
211S 装飾目盛線図形
213 目盛盤
215 指標数字
220 目盛盤装飾部
501 パワーメータ(回転指針式アナログメータ)
502 指針
503 シフトポジション表示部(画像機能部品)
504A アナログ速度計(回転指針式アナログメータ:画像機能部品)
504D デジタル速度計(デジタルメータ:画像機能部品)
506 平均燃費メータ(画像機能部品)
507 燃料残量計(画像機能部品)
509 水温計(画像機能部品)
510 積算距離計(画像機能部品)
511 外気温計(画像機能部品)
512,1512 警告シンボル(画像機能部品)
530 レーン案内表示部(メータ間情報出力部)
531 案内誘導表示部(メータ間情報出力部)
GL 陰影
DP 水平装飾面
SP2 水平装飾ストライプ
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用メータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−157434号公報
【0003】
車両用(特に自動車用)のコックピットには、車速やエンジン回転数等を表示するメータが配置される。このようなメータは、アナログ機械指針式のメータが古典的なものであるが、特許文献1に開示されているごとく、液晶パネル等のディスプレイにてメータユニットを構成し、ここに従来のアナログ機械式のメータに代えて、メータのカラー画像(いわゆるソフトメータ)を画像表示するようにしたものが提案されている。このようなメータユニットは、指針式の速度計やタコメータのほか、水温計や燃料残量計など、各々指示値種別の異なる複数のメータ画像群をディスプレイ上に一括表示でき、メータ部品点数の削減や意匠自由度の向上など、さまざまな利点を享受できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ディスプレイへの画面表示により多数のメータ群を一括表示しようとした場合、本来平面的なディスプレイを用いて複数のメータをレイアウトするので、個々のメータの空間的な隔絶感がどうしても不足しやすくなる。このことは、メータ群の見易さという点にとどまらず、重要な表示情報と、比較的重要度の低い表示情報との識別性の低下にもつながる点で、注意を要する。特許文献1に開示されたメータユニットでは、各々指針式メータとして表示形成された速度計、タコメータ、水温計及び燃料残量計に加え、カーナビゲーション用の画面等も密集してレイアウトされている。そして、個々の指針式メータの文字盤周囲を立体金属調のリング画像で縁取りすることで、互いの識別性を高める試みがなされている。しかし、各メータのレイアウトは、あたかも背景をなす一枚のパネルにはめ込まれたかのごとく二次元的なものにとどまっており、空間的な隔絶感がメータ間に十分創出されているとはいい難く、重要なメータ情報とそうでない情報との識別性にも欠ける問題がある。
【0005】
本発明の課題は、画像メータを含む複数の画像機能部品を平面的なディスプレイに表示しているにもかかわらず、個々の画像機能部品の空間的な隔絶感を効果的に創出でき、また、重要なメータ情報の識別性にも優れた車両用メータユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明の車両用メータユニットは、車両の運転席に対向配置される車両用メータユニットであって、
ディスプレイと、
該ディスプレイの画面上に、該画面の奥行き方向に三次元的な広がりをもって視認されるメータ表示領域を形成するメータ表示領域形成手段と、
メータ指示値を表示する画像メータとしての画像機能部品である回転指針式アナログメータを含んで構成され、奥行き方向において最も手前に位置する強調対象部品グループである第一部品グループと、第一部品グループを構成する画像機能部品以外の画像機能部品を含む第二部品グループとに区分し、各々の部品グループが、メータ表示領域において奥行き方向の互いに異なる位置に存在するものとして視認されるよう、部品グループ毎に相違する立体画像処理を施してメータ表示領域に表示出力する画像機能部品表示手段と、を備え、
該画像機能部品表示手段は、画像メータとして円弧状の指示軌跡に沿って移動可能な指針と、該指示軌跡に沿って形成される目盛盤とを有し、かつ、一方が速度計とされる2つの回転指針式アナログメータの画像を左右に互いに隣接して表示するとともに、画像メータ以外の画像機能部品である非メータ画像機能部品の少なくとも1つをメータ間情報出力部として、2つの回転指針式アナログメータの円弧状の目盛盤の隣接対向する各内側上部と、画面上縁との間に形成されるくさび状のメータ間スペースに表示して、回転指針式アナログメータ及びメータ間情報出力部を含む第一部品グループが、第二部品グループよりも奥行き方向にて手前に存在するものとして視認されるよう立体画像処理を施し、
画像機能部品表示手段は立体画像処理を、画面視認方向手前にて画像機能部品を画面法線に対し傾斜する方向から照らす仮想光源を想定したときの該仮想光源による画像機能部品表面への陰影付与処理として、第一部品グループよりも、第二部品グループにおいて陰影が濃くなるように実施し、
画像機能部品表示手段は、強調対象部品グループに属する画像機能部品のうち画面に沿う平面形態を有したものを強調対象画像部品として、該強調対象画像部品に陰影の付与処理を行なわず、
画像機能部品表示手段は、2つの回転指針式アナログメータの一方の指示値を数字によりデジタル表示するデジタルメータを、第二部品グループの画像機能部品として表示するとともに、該デジタルメータの表示値を示す数字に陰影の付与処理行ない、
画像機能部品表示手段は、メータ表示領域に画面の奥行き方向に延びる水平装飾面を表示するとともに、立体画像処理として、画面視認方向手前にて画像機能部品を斜め上方から照らす仮想光源を想定したとき、画像機能部品をなすデジタルメータの数字の水平装飾面への反射投影像を模した装飾用倒立影画像を、該数字の奥行き方向における存在位置を反映させた形で該水平装飾面上に付加表示する処理を行なうことを特徴とする。
【0007】
上記本発明の車両用メータユニットの構成によると、ディスプレイの画面上に一括表示する複数の画像機能部品を複数の部品グループに区分し、個々の部品グループが、メータ表示領域において画面奥行き方向の互いに異なる位置に存在するものとして視認されるよう、部品グループ間で互いに相違する立体画像処理を施して表示出力する。すなわち、複数の画像機能部品は平面的なディスプレイに表示しているにもかかわらず、上記立体画像処理により、異なるグループに属する画像機能部品に対し、画面奥行き方向にも仮想的な空間隔絶感を効果的に創出できる。その結果、多くの画像機能部品を同一画面上に配置しているにもかかわらず、個々の画像機能部品の識別性に優れたレイアウトが実現できる。また、重要なメータは、画面奥行き方向の手前側(つまり、ドライバーに近い側)に位置するものとして視認させることで、該画像機能部の表示内容を効果的に強調でき、重要なメータ情報とそうでない情報との識別性にも優れる。
【0008】
この発明では各々円弧状の目盛盤と、目盛盤に沿って配列する指針の指標となる複数の指標数字と、目盛盤上の値を指示する指針とを有し、かつ、一方が速度計とされる2つの指針式アナログメータの画像を、互いに隣接させた形で表示する。他方の指針式アナログメータは例えばタコメータであるが、ハイブリッド車の場合はパワーメータとすることもできる。これら2つのアナログメータは、コックピットにレイアウトされるメータ類のうち最も視認頻度の高い、いわばメインメータともいえるものであり、上記の立体画像処理により、他の画像メータよりも画面奥行き方向の手前側に位置するものとして視認させることで、その識別性を大幅に向上できる。
【0009】
当然、上記立体画像処理により視覚的に強調された2つのアナログメータは、それらの間に形成されるスペースに他の画像機能部品を配置した場合、両アナログメータの視認頻度が高くなることとも相俟って、視覚に目立ちやすくすることができる。そこで、それら2つの回転指針式アナログメータの、円弧状の目盛盤の隣接対向する各内側上部と、画面上縁との間に形成されるくさび状のメータ間スペースに収まるように非メータ画像機能部品をレイアウトすれば、逆三角形状のスペースの上部を利用する形で横長の非メータ画像機能部品であっても、メータ間情報出力部として無理なく収めることができ、アナログメータの視認を妨げる事がない。そして、アナログメータとともに該メータ間情報出力部を含む部品グループを、他の部品グループよりも奥行き方向にて手前に存在するものとして視認されるよう立体画像処理を施すことにより、該メータ間情報出力部の識別性を高めることができる。
【0010】
なお「部品グループ毎に相違する立体画像処理を施す」という概念は、複数の部品グループのうち、画面奥行き方向にて最も手前側に位置するものとして視認させるべきものについて、特に立体画像処理を施さない態様を包含するものとする。
【0011】
画像機能部品表示手段は、上記の立体画像処理を、画面視認方向手前にて画像機能部品を画面法線に対し傾斜する方向から照らす仮想光源を想定したときの該仮想光源による画像機能部品表面への陰影付与処理として、第一部品グループよりも、第二部品グループにおいて陰影が濃くなるように実施するものとすることができる。
【0012】
画像機能部品に陰影を付与することで、画面手前側に、個々の画像機能部品を照らす仮想的な光源の存在をドライバーに意識させることができ、かつ、付与する陰影の濃さを部品グループ毎に異ならせることで、陰影が濃く表れている部品グループほど奥行き方向に遠くに位置するものとして認識させることができる。すなわち、第一部品グループに付与する陰影を他の第二部品グループよりも薄くすれば、これらアナログメータ及びメータ間情報出力部を奥行き方向の最も手前に存在するものとして認識させることができ、その識別性を高めることができる。
【0013】
陰影付与処理は、画像機能部品を斜め上方から照らす仮想光源を想定することにより、同じ画像機能部品に対し表面下側に向かうほど濃くなるように陰影を付与するものとすれば、自然光や天井照明等による自然な陰影感を漂わせることができ、画像機能部品の奥行き方向の隔絶感も表現しやすくなる。
【0014】
また、物体表面に生ずる陰影は、光源までの距離が近くなるほど薄くなる。特に、アナログメータの目盛盤や指標数字など、平面形態を有した強調対象画像部品については、光源までの距離が十分に近くなれば陰影はほとんど生じなくなる。このような状況を想定して、画像機能部品表示手段は、該強調対象部品グループに属する画像機能部品のうち画面に沿う平面形態を有したものを強調対象画像部品として、該強調対象画像部品に陰影の付与処理(前述の立体画像処理の一下位概念である)を行なわないように構成することができる。つまり、強調対象部品を、陰影の付与処理を敢えて行なわない画像機能部品とすることで、該強調対象部品を陰影付与される他の画像機能部品のどれよりも画面奥行き方向手前側に位置するものとして認識させることができ、ひいては当該強調対象部品の出力情報を、他の画像機能部品の出力情報に対し優位なものとして識別させることができる。
【0015】
次に、画像機能部品は、同一のメータ指示値を複数の画像メータにより互いに異なる表示形態にて冗長表示するための冗長表示用画像メータ群を含むものとして構成できる。画像機能部品表示手段は、該冗長表示用画像メータ群に含まれる複数の画像メータを、奥行き方向における視認位置が互いに異なる複数の部品グループに振り分けた形で表示するものとできる。1つのメータ指示値を複数の画像メータ(冗長表示用画像メータ群)により冗長化表示することで、重要なメータ指示値を効果的に強調できる。そして、それらの冗長表示用画像メータ群を、仮想的な画面奥行き方向において互いに異なる位置に視認させることで、同一のメータ指示値を表示する複数の画像メータに対し、視認優先度序列を遠近的に付与することができる。
【0016】
冗長表示用画像メータ群は、具体的には、目盛盤と該目盛盤上の値を指針にて指示する指針式アナログメータの画像と、指針式アナログメータの指示値を数字によりデジタル表示するデジタルメータの画像とを含むものとして構成でき、画像機能部品表示手段は、それら指針式アナログメータの画像とデジタルメータの画像とを、奥行き方向において異なる位置に存在するものとして視認されるよう、互いに異なる立体画像処理を施して表示出力するものとして構成できる。上記の構成によると、同一のディスプレイの画面上において指針式アナログメータの内側にデジタルメータを一括表示するので、現在指示値の直読性(アナログメータ)と読み取り精度向上(デジタルメータ)とを両立することができる。
【0017】
この場合、画像機能部品表示手段は、現在指示値の直読性の優れた指針式アナログメータの画像を、デジタルメータの画像よりも奥行き方向において手前側に視認されるように表示するとよい。これにより、ドライバーを、近くにある(と見える)指針式アナログメータで概略指示値を瞬時的に読み取り、次いでデジタルメータで詳細指示値を補うという合理的な読み取り順序にスムーズに導くことができる。この場合、画像機能部品表示手段は、デジタルメータの表示値を示す数字画像に陰影を施す処理を行ない、他方、指針式アナログメータの目盛盤の画像を、強調対象画像部品として陰影を施さない形で表示することができる。
【0018】
画像機能部品表示手段は、メータ表示領域に画面の奥行き方向に延びる水平装飾面を表示するとともに、立体画像処理として、画面視認方向手前にて画像機能部品を斜め上方から照らす仮想光源を想定したとき、画像機能部品をなすデジタルメータの数字の水平装飾面への反射投影像を模した装飾用倒立影画像を、該数字の奥行き方向における存在位置を反映させた形で該水平装飾面上に付加表示する処理を行なうものとすることができる。画面の奥行き方向に延びる水平装飾面を表示し、ここに画像機能部品の水平装飾面への反射投影像を模した装飾用倒立影画像を付加表示することで、装飾用倒立影画像の水平装飾面上の出現位置から対応する画像機能部品の画面奥行き方向の想定位置を画面上より顕在化させることができる。
【0019】
画像機能部品表示手段は、上記の水平装飾面を、画面上の消失点に向けて遠近法に従い明度を漸減させつつ該水平装飾面の暗背景に消失する形で表示するものであり、かつ、該水平装飾面上には、画面水平方向と平行な水平装飾ストライプを、奥行き方向遠方に向かうほど遠近法に従い視認配列間隔が漸次縮小する形で表示するものとできる。上記のような水平装飾面を暗背景に消失する形で遠近法表示すれば、画像機能部品に付与する陰影により立体的な奥行き感を表出するコンセプトをより顕在化させることができる。そして、その水平装飾面に形成された水平装飾ストライプにより、装飾用倒立影画像の水平装飾面上の出現位置をより明確に把握させることができる。
【0020】
画像機能部品表示手段は、画像メータ以外の情報出力部として、車両のシフトレバーの現在選択中のポジションであるカレントポジションを表示するために、シフトレバーによるポジション選択順位系列に従い、それら複数のポジションに一対一に対応付けた形で表示用シンボルが定められ、カレントポジションに対応した表示用シンボルであるカレントシンボルを、第二部品グループの画像機能部品として選択的に表示するシフトポジション表示部を出力するものとすることができる。速度計等に比較すれば、シフトポジション表示部は、車両の発進・停止時か、坂道走行時などにおいて強制ギアチェンジを行なった場合など、視認するべき頻度は限られたものとなる。従って、該シフトポジション表示部は、カレントシンボルに対して陰影を付与することで、該シフトポジション表示部を画面奥行き方向にて後方に位置するものとして視認させることができる。
【0021】
メータ間情報出力部は、接近中の道路分岐点における各レーンの指定進行方向を示す複数個の指定方向指示画像を、レーン配列を反映させた形で左右に隣接表示するレーン案内表示部とすることができる。交差点等の道路分岐点におけるレーン割は、分岐点に相当接近しないと道路標識等による案内情報を見ることができず、レーン変更が必要な場合、交通の激しい道路等においては、ドライバーが相当の苦労を強いられることになり、また、交通の妨げにもなりやすい。従って、車両の運転席に対向配置され、速度チェック等のために頻繁に視認するメータユニットにレーン案内表示部を設けることは、上記の不具合を解消する観点にて技術上の意義は極めて大きい。
【0022】
そして、このレーン案内表示部をメータ間情報出力部として、メインメータとなる2つのアナログメータの間に表示し、アナログメータとともに画面奥行き方向の最も手前に存在するものとして認識させることで、レーン変更等に注意を要する道路分岐点に接近したとき、そのレーン割をいち早くドライバーに気付かせることができる。
【0023】
レーン案内表示部に表示するレーン数が増加した場合、レーン案内表示部の横方向の表示寸法も必然的に増加する形となる。そして、2つの回転指針式アナログメータの目盛盤が、水平直径位置が画面高さ方向に互いに一致する関係にて表示される場合、各目盛盤の水平直径位置よりも上側ではメータ間スペースの幅が逆三角形状に急増するから、横方向に長いレーン案内表示部であっても必要な表示スペースを容易に確保でき、アナログメータとの表示上の重なりも回避できる。
【0024】
レーン案内表示部の下縁は、メータ間スペースにて、各目盛盤の上縁位置よりも下側に位置するように表示すれば、回転指針式アナログメータの目盛盤の上方に十分なスペースがない場合でも、横長のレーン案内表示部のためのスペースを問題なく確保できる。この場合、逆三角形状のメータ間スペースにおいてレーン案内表示部の下側には、幾分細幅ではあるが空きスペースが生じるので、ここに前述のシフトポジション表示部を配置することも可能であり、メータ表示領域の有効活用を図ることができる(すなわち、シフトポジション表示部がメータ間スペースにてレーン案内表示部の下側に表示される)。
【0025】
また、メータ間情報出力部は、接近中の道路分岐点における案内誘導方向を示す案内誘導表示部とすることができる。すなわち、カーナビゲーション装置等による道路分岐点での案内誘導方向を、メータ間情報出力部をなす案内誘導表示部により、メインメータとなる2つのアナログメータの間に表示し、アナログメータとともに画面奥行き方向の最も手前に存在するものとして認識させることで、レーン変更等に注意を要する道路分岐点に接近したとき、その案内誘導方向をいち早くドライバーに気付かせることができる。特に、上記のレーン案内表示部と案内誘導表示部とを並列に表示すると、レーン変更等も含めた道路分岐点における運転誘導をよりスムーズに行なうことができる。この場合、逆三角形状のメータ間スペースにおいて、横長のレーン案内表示部を上側に、案内誘導表示部を下側にそれぞれ表示することが、スペース配分上も合理的である。
【0026】
一方、メータ間情報出力部は、1又は複数の警告シンボルを表示する警告シンボル表示部とすることもできる。警告シンボルは、表示された際にはドライバーに直ちに認識させなければならないから、これをメータ間情報出力部として、メインメータとなる2つのアナログメータの間に表示し、アナログメータとともに画面奥行き方向の最も手前に存在するものとして認識させることは極めて効果的である。
【0027】
次に、画像機能部品表示手段は、指針式アナログメータに係る円弧状の目盛盤の内周縁に沿う帯状形態の目盛盤装飾部を、目盛盤の内周縁から画面奥側へ延出する立体視認形状にて、画面奥側に向かうほど明度が減少する陰影を付与しつつ表示するものとすることができる。目盛盤の内周縁から画面奥側へ延出する立体視認形状の目盛盤装飾部を、上記のような陰影を付与しつつ表示することで、目盛盤背後への空間的な広がり感を顕在化させることができ、目盛盤が空間的に手前側に存在していることをより強調することができる。
【0028】
画像機能部品表示手段は、目盛盤装飾部を、画面奥側へ向かうほど内周半径が縮小する傾斜面状の立体視認形状を有するものとして表示することができる。また、目盛盤上にて、各々該目盛盤の半径方向に沿う複数の目盛線図形を目盛盤の周方向に所定の間隔にて表示形成するとともに、目盛盤装飾部上には、個々の目盛線図形の半径方向における内端側に接続する形態で、陰影がそれぞれ付与された装飾目盛線図形を表示することができる。このような装飾目盛線図形を表示することで、指針指示値の直読性を一層高めることができる。
【0029】
ここで、立体空間の画像表現手法として遠近法を採用すれば、上記の目盛盤装飾部は、画面と平行な目盛盤から背後へ直円筒状に延出する想定であっても、帯状形態の画像領域として表現することができる。他方、前述の陰影付与による目盛盤装飾部の内面立体形状の創出感を損なわないようにするためには、装飾目盛線図形を目盛盤装飾部の内面母線方向に描くのが妥当である。しかし、円弧状の目盛盤の半径方向に描かれる目盛線中心位置が遠近法の消失点位置からずれていると、装飾目盛線図形は、目盛盤の中心に向かう対応する目盛線から消失点方向へずれて描かれる形となり、指示値直読性を高める効果が損なわれる問題がある。しかし、目盛盤装飾部を、画面奥側へ向かうほど内周半径が縮小する傾斜面状の立体視認形状を有するものとして表示すれば、目盛盤装飾部の内面母線の焦点を目盛盤の中心に近づけることができ、これに沿って描かれる装飾目盛線図形を、目盛線の延長形態にて表示できるので、指示値直読性を高める効果が顕著に発揮される。
【0030】
画像機能部品表示手段は、指針の先端部が目盛盤装飾部と重なる位置関係を有するとともに、該指針が画面奥行き方向にて目盛盤装飾部よりも手前側に位置するものとして、当該目盛盤装飾部の指針の背後に位置する部分を隠蔽する形態で表示することができる。目盛盤を直接指示する指針が目盛盤装飾部を隠蔽する形態で表示することで、目盛盤装飾部が目盛盤の背後へ延出する形状を有した仮想体であることを、ドライバーにより明確に意識させることができる。
【0031】
この場合、画像機能部品表示手段は、指針の画像を、画面奥行き方向にて指標数字よりも奥側に位置するものとして、それら指標数字と指針とが重なったとき、該指標数字の背後に位置する指針部分を隠蔽する形態で表示することができる。画像上指針が指標数字と重なっても指標数字の輪郭線は指針により隠蔽されず、指示値の直読性が大幅に向上する。また、目盛盤及び指標数字と目盛盤装飾部との間に指針が存在する立体的な位置関係を意識させることで、画面奥行き方向への空間的な広がりをより顕在化させることができる。なお、画像機能部品表示手段は、指針の先端が目盛盤の内周縁に臨む位置関係となるように該指針の表示を行なうことで、目盛盤自体との指針の半径方向の重なり寸法を減ずることができる。これにより、指針が近傍に存在する場合においても目盛線を常に明瞭に視認でき、かつ、指針による隠蔽対象を装飾目盛線図形に担わせることで、指示値の直読性も損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1A】本発明の車両用メータユニットの一実施形態に係る画面表示例を示す正面図。
【図1B】図1Aを模式化して示す正面図。
【図2】図1Bの車両用メータユニットの電気的構成を示すブロック図。
【図3A】図1Bのアナログ速度計部分を、指針と指標数字の重なり状態にて抜き出して示す図。
【図3B】同じく、指針と指標数字の非重なり状態にて示す図。
【図4】図1Aのメータユニットの画面上にレイアウトされた各画像機能部品の、画面奥行き方向の仮想的な位置関係を示す模式図。
【図5】目盛線図形と装飾目盛線図形とを拡大して示す図。
【図6】指針近傍の表示形態を抜き出して示す説明図。
【図7】目盛盤装飾部の第一例を示す仮想断面図。
【図8】目盛盤装飾部の第二例を示す仮想断面図。
【図9】目盛盤装飾部の第三例を示す仮想断面図。
【図10】本発明の車両用メータユニットの変形実施形態に係る画面表示例を示す正面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1Aは、本発明の車両用メータユニットの画面表示例をビットマップ画像にて示すものであり、図1Bはこれを模式化して示すものである。該車両用メータユニット1は自動車(車両)の運転席に対向配置されるものであり、画像メータ又は画像メータ以外の情報出力部からなる複数の画像機能部品を所定のレイアウトにて集合させた形でディスプレイ210に一括表示するものとして構成されている。ディスプレイ210は、図2に示すように、TFT型カラー液晶パネル108とバックライトモジュール309とを有する周知のものである(ただし、プラズマディスプレイやELディスプレイ等の自発光ディスプレイで構成されていてもよい)。ディスプレイ210は、その画面全体がメータ表示領域として使用される(ただし、一部のみをメータ表示領域として使用することも可能である)。
【0034】
画像メータとして具体的には、速度計504A,504D、ハイブリッド車の総出力及び回生状態を示すパワーメータ501、平均燃費メータ506、燃料残量計507、水温計509、外気温計511及び積算距離計510が表示されている。また、画像メータ以外の情報出力部として、シフトポジション表示部503及び警告シンボル(ここでは、給油インジケータ及び水温インジケータ)512の表示部が形成されている。
【0035】
速度計504A,504Dは、円弧状の指示軌跡に沿って移動可能な指針502と、該指示軌跡に沿って形成される文字盤40とを有した回転指針式アナログメータかならるアナログ速度計504Aと、画面上にて指示軌跡の内側にて指針502の回転中心Oを包含する領域に、指針502の指示値を数字によりデジタル指示するデジタル速度計504Dとからなる。
【0036】
また、ディスプレイ210の画面上にはレーン案内表示部530が形成され、接近中の道路分岐点(例えば交差点)における各レーンの指定進行方向を示す複数個の指定方向指示画像510iが、レーン配列を反映させた形で左右に隣接表示されるようになっている。レーン案内表示部530は、2つの回転指針式アナログメータ504A,501の間に形成されるスペースに収まるメータ間情報出力部として形成されており、より具体的には、2つの回転指針式アナログメータ504A,501の円弧状の目盛盤213,213の隣接対向する各内側上部と、画面上縁との間に形成されるくさび状のメータ間スペースの上部に収まるように配置されている。
【0037】
2つの回転指針式アナログメータ504A,501の目盛盤213,213は、水平直径位置が画面高さ方向に互いに一致する関係にて表示されている。レーン案内表示部530は、上記メータ間スペースにて各目盛盤213の水平直径位置よりも上側に表示されている。レーン案内表示部530は、その下縁が上記メータ間スペースにて、各目盛盤213,213の上縁位置よりも下側に位置するように配置されている。なお、レーン案内表示部530の上縁は目盛盤213,213の上縁位置よりも上側に位置している。
【0038】
他方、くさび状のメータ間スペース内にてレーン案内表示部530の直下には、別のメータ間情報出力部として、接近中の道路分岐点における案内誘導方向を示す案内誘導表示部531が接近中の道路分岐点までの距離情報(300m)とともに表示形成されている。また、くさび状のメータ間スペースの下部にて、案内誘導表示部531のさらに下側には、前述のシフトポジション表示部503が表示されている。
【0039】
図2は、車両用メータユニット1の電気的構成の一例を示すブロック図である。
該構成の要部をなすのはメータ表示の主要制御を司るメータECU200である。メータECU200の要部は、CPU281、ROM282、RAM283、描画LSI及び入出力部280が内部バスにて接続されたマイコンからなる。ROM282にはメータ描画ソフトウェアと、各画像メータ504A,504D,501,506,507,509の描画に必要な図形データ、及びデジタル速度計504Dに速度表示するための数字のフォントデータが格納されている。
【0040】
メータECU200は、ボデー系ECU300等の他のECUとシリアル通信バス127により、各々通信インターフェース126を介してネットワーク接続されて、動作状態パラメータ取得手段としての機能も果たす。すなわち、ボデー系ECU300には、メータに表示させるべき基本動作状態情報を取得するためのセンサ群が接続されている。具体的には車速センサ301、車両出力検出ユニット302、冷却水の水温センサ303、燃料残量センサ304、平均燃費演算部305及びギアポジション検出部306などである。
【0041】
メータECU200は、上記のセンサ群301〜307からの検出情報を、通信バス127を介して取得し、各々対応するメータのマスター画像(例えばROM282に記憶されているものである)上にその指示値を反映させ、各メータの描画データ(以下、メータ描画データ)を作成する。具体的には、図2において、ギアポジション検出部306の検出値がシフトポジション表示部503に、車速センサ301の検出値が速度計504A,504Dに、車両出力検出ユニット302の検出値がパワーメータ501に、平均燃費演算部305の燃費演算値が平均燃費メータ506に、燃料残量センサ304の検出値が燃料残量計507に、水温センサ303の検出値が水温計509にそれぞれ反映される。描画LSI106は、上記の描画データを受け取り、グラフィックメモリ107上で画像合成して液晶パネル108に出力する(メータ描画ソフトウェアを実行するメータECU200と連携し、メータ表示領域形成手段及び画像機能部品表示手段を機能実現する)。
【0042】
メータ描画ソフトウェアによる、例えば速度計504A,504Dに係るメータ動作処理の流れの概略は以下の通りである(他のメータについても、基本的な動作流れは同じである)。まず、エンジンが始動すればボデー系ECU300から取得した車速の検出値を取得し、その取得した車速に応じたメータ動作処理となる。この処理ルーチンはエンジンが停止するまで繰り返し実行される。具体的には、図1Bに示すように、アナログ速度計504Aの指針502を、取得した車速に対応する目盛位置へ移動するように描画するとともに、車速を示す数値を、前述のフォントデータを用いてデジタル速度計504Dに表示する。上記処理ルーチンの繰り返しに伴い、取得するエンジン回転数の変動に伴い、指針502の描画位置と、デジタル速度計504Dの表示値がこれに追随して変化する。
【0043】
上記の車両用メータユニット1においては、画像機能部品504A,504D,501,506,507,509,511,510,503,512,530,531が、2つの部品グループ、すなわちアナログ速度計504A、パワーメータ501、平均燃費メータ506、燃料残量計507、水温計509、外気温計511、レーン案内表示部530、案内誘導表示部531及び警告シンボル512からなる第一部品グループと、デジタル速度計504D及びシフトポジション表示部503からなる第二部品グループとに区分されている。そして、これら部品グループがそれぞれ、メータ表示領域において奥行き方向の互いに異なる位置に存在するものとして視認されるよう、部品グループ毎に相違する立体画像処理を施してメータ表示領域に表示出力されている(画像機能部品表示手段)。
【0044】
第二部品グループにおいては、図1Bに示すデジタル速度計504Dの表示値を示す数字50や、図7に示すシフトポジション表示部503のカレントシンボル401CSのように、図4に示すごとく立体画像処理を、仮想光源LS(画面視認方向手前にて数字50(画像機能部品であるデジタル速度計504D)を画面法線に対し傾斜する方向から照らすものとして想定されている)による陰影GLの付与処理として実施されている。なお、図4は、立体画像処理により、平面的な画面の奥行き方向に視認させるべき各部の仮想的な位置関係を説明するものである。そして、陰影付与処理は、奥行き方向にて遠方に位置する部品グループの画像機能部品ほど陰影GLが濃くなるように実施されているともいえる。具体的には、画像機能部品50を斜め上方から照らす仮想光源LSを想定することにより、図1B及び図7に示すように、当該画像機能部品(50,401CS)に対し表面下側に向かうほど濃くなるように陰影GLが付与される。
【0045】
他方、図1A、図1Bに示すごとく、第一部品グループ、すなわち、アナログ速度計504A及びパワーメータ501、平均燃費メータ506、燃料残量計507、水温計509、外気温計511、積算距離計510、レーン案内表示部530、案内誘導表示部531及び警告シンボル512からなる第一部品グループは、いずれも画面奥行き方向において第二部品グループよりも手前(つまり、最も手前)に位置する部品グループとなっており、強調対象部品グループとして取り扱われている。そして、この強調対象部品グループに属する画像機能部品のうち画面に沿う平面形態を有したもの、具体的にはアナログ速度計504A及びパワーメータ501の目盛盤213及び指標数字215(以下、これらを合わせて文字盤40ともいう)、平均燃費メータ506、外気温計511の温度表示値、積算距離計510の距離表示値、レーン案内表示部530、案内誘導表示部531及び警告シンボル512がそれぞれ強調対象画像部品として定められ、陰影が付与されていない。ただし、燃料残量計507及び水温計509については、背景画像600の画面左右縁側のフェードアウトに対応した陰影は付与されている。
【0046】
物体表面に生ずる陰影GLは、光源までの距離が近くなるほど薄くなる。特に、上記のごとく、アナログメータの目盛盤213や指標数字215、デジタルメータ504Dの表示値を示す数字50、レーン案内表示部530、あるいは案内誘導表示部531など、平面形態を有した画像部品については、光源までの距離が十分に近くなれば陰影はほとんど生じなくなり、逆に光源から遠ざかるほど陰影は濃くなる。そして、同じ平面形態を有した画像部品であっても、第一部品グループをなすアナログメータ501,504Aの目盛盤213や指標数字215、レーン案内表示部530、案内誘導表示部531、あるいは外気温計511や積算距離計510には陰影が付与されず、第二部品グループをなすデジタルメータ504Dの数字50やシフトポジション表示部503のカレントシンボル401CSには陰影GLが付与されていることで、第一部品グループは第二部品グループよりも画面奥行き方向にて手前側に存在しているように視認されるのである。
【0047】
次に、図1A、図1Bに示すように、各画像部品の背後には三次元的な背景画像600が表示されている。該背景画像600には、各メータの画像よりも平均的な明度が低く設定されている。デジタル速度計504Dに表示される数字50の下側には、該数字50を倒立反転した装飾用倒立影画像504Sが表示されている。図4に示すように、ディスプレイ210の画面上にて図1A,図1Bの数字50の表示領域下縁に沿う水平基準線HKに対しては、画面奥行き方向に該水平基準線HKを含む水平装飾面DP(仮想投影面HP)が設定され、かつ、図4に示すように、該数字50に対しユーザー視点が存在する画面手前上方側から仮想照明光VLを投射したと考えた場合に、数字50の仮想照明光VLによる水平装飾面DPへの反射投影像を模した形態にて装飾用倒立影画像504Sが表示されている。
【0048】
該デジタル速度計504Dの数字50に対する水平装飾面DPへの反射投影像を装飾用倒立影画像504Sとして表示することで、水平装飾面DPがあたかも数字50の下に存在する水面(あるいは鏡面)として認識され、限られた表示画面上に爽快で広々とした空間演出を行なうことできる。なお、装飾用倒立影画像504Sは数字50の下縁から画面奥行き方向手前に向かうほど明度が漸減するグラデーション画像として表示されている。これにより、投影反射光量が減少する画面の手前側ほど装飾用倒立影画像504Sの明度が減少し、反射投影像としてのリアリティが高められている。
【0049】
また、水平装飾面DPは、遠近法により画面の奥行き方向に消失点FOPを生ずる形で表示されている。このような水平装飾面DPを積極表示することで、該水平装飾面DPに対応した位置への仮想投影面の存在をより顕在化させることができ、ユーザーに対し装飾用倒立影画像504Sを反射投影像としてより直感的に意識させることができる。なお、水平装飾面DPを含む背景画像600は、仮想的な奥行き方向に遠ざかるほど、また、水平方向にて画面中央から左右に遠ざかるほど明度が漸減するように表示されており、画面の手前上方に仮想照明光の光源の存在を仮定したときの遠近感がよりリアルに演出されている。図1Bにおいて、水平装飾面DP上には、画面奥行き方向遠方の消失点FOPを目指して収束する多数の装飾用ストライプSP1が形成されており、水平装飾面DPは明度減少により該消失点FOPの手前でフェードアウトする形にデザインされ、三次元的な奥行き感が高められている。
【0050】
また、水平装飾面DP上には、画面水平方向と平行な水平装飾ストライプSP2が、奥行き方向遠方に向かうほど遠近法に従い視認配列間隔が漸次縮小する形で表示されている。水平装飾ストライプSP2により、装飾用倒立影画像504Sひいてはデジタルメータ504Dの数字50が、水平装飾面DP上にて画面奥行き方向のどの位置に存在するかが、より明確になっていることがわかる。
【0051】
次に、2つのアナログメータ501,504Aは、その指示値を読み取る上で最も重要な目盛盤213及び指標数字215(文字盤40)の画像が強調対象画像部品とされ、それぞれ陰影GLが施されないことで他の画像機能部品よりも強調され、指針式アナログメータ501,504Aの視認優先度が高められている。また、図1A及び図1Bに示すように、各指針式アナログメータ501,504Aにおいては、円弧状の目盛盤213の内周縁に沿う形で、帯状形態の目盛盤装飾部220が、目盛盤213の内周縁から画面奥側へ延出する立体視認形状にて、画面奥側に向かうほど明度が減少する陰影を付与しつつ表示されている。目盛盤213の内周縁から画面奥側へ延出する立体視認形状の目盛盤装飾部220を、陰影を付与しつつ表示することで、目盛盤213背後への空間的な広がり感を顕在化させることができ、目盛盤213が空間的に手前側に存在していることが強調されている。
【0052】
立体画像処理による、平面的な画面の奥行き方向に視認させるべき各部の仮想的な位置関係を示す図4の目盛盤装飾部220は、図7に仮想的に示すように、目盛盤装飾部220は、画面奥側へ向かうほど内周半径が縮小する傾斜面状の立体視認形状を有するものとして表示される。なお、図7においては、目盛盤装飾部220はテーパ面状の立体視認形状としての表示を想定しているが、図8に示すように、湾曲面状の立体視認形状を想定したものであってもよい。
【0053】
また、目盛盤213上には、各々該目盛盤213の半径方向に沿う複数の目盛線図形211が、目盛盤213の周方向に所定の間隔にて表示形成されている。他方、目盛盤装飾部220上には、個々の目盛線図形211の半径方向における内端側に接続する形態で、陰影がそれぞれ付与された装飾目盛線図形211Sが表示されている本実施形態においては、立体空間の画像表現手法として遠近法が採用されているので、図9に示すごとく、上記の目盛盤装飾部220は、画面と平行な目盛盤213から背後へ直円筒状に延出する想定であっても、帯状形態の画像領域として表現することができる。他方、前述の陰影GL付与による目盛盤装飾部220の内面立体形状の創出感を損なわないようにするためには、装飾目盛線図形211Sを目盛盤装飾部220の内面母線方向に描くのが妥当である。しかし、円弧状の目盛盤213の半径方向に描かれる目盛線中心位置が遠近法の消失点FOPの位置からずれていると、装飾目盛線図形211Sは、目盛盤213の中心に向かう対応する目盛線から消失点方向へずれて描かれる形となり、指示値直読性を高める効果が損なわれる問題がある。しかし、図7及び図8に示すように、目盛盤装飾部220を、画面奥側へ向かうほど内周半径が縮小する傾斜面状の立体視認形状を有するものとして表示すれば、図1A及び図1Bに示すように、目盛盤装飾部220の内面母線の焦点を目盛盤213の中心に近づけることができ、これに沿って描かれる装飾目盛線図形211Sは、図5に示すように、目盛線図形211の延長形態にて表示できるので、図6に示すように、指針502による指示値の直読性を高めることができる。
【0054】
ここで、図3Aおよび図3Bに示すように、指針502の先端部は目盛盤装飾部220と重なる位置関係を有している。そして、図6に拡大して示すように、指針502は、画面奥行き方向にて目盛盤装飾部220よりも手前側に位置するものとして、当該目盛盤装飾部220の指針502の背後に位置する部分を隠蔽する形態で表示される。また、指針502の画像は、画面奥行き方向にて指標数字215よりも奥側に位置するものとして想定されている。そして、指標数字215と指針502とが重なったとき、指針502は、該指標数字215の背後に位置する指針502部分を隠蔽する形態で表示される。画像上指針502が指標数字215と重なっても指標数字215の輪郭線は指針502により隠蔽されず、指示値の直読性が大幅に向上する。また、目盛盤213及び指標数字215と目盛盤装飾部220との間に指針502が存在する立体的な位置関係が明確となり、画面奥行き方向への空間的な広がりをより顕在化させる効果も生じている。
【0055】
また、指針502の先端は、目盛盤213の内周縁に臨む位置関係となっており、目盛盤213と指針502との半径方向の重なり寸法が減じられているので、指針502が近傍に存在する場合においても目盛線を常に明瞭に視認できる。他方、指針502による隠蔽対象は装飾目盛線図形211Sが担うこととなり、指示値の直読性も確保されている。
【0056】
なお、図3A,図3Bに示すように、指針502の画像は、該指針502の回転動径Rの方向に指針長手方向を一致させた状態にて、指示すべき速度値に応じて回転中心Oの周りに回転移動しつつ表示される(指針表示手段)。前述の文字盤40は、目盛線211が刻まれた円弧状の目盛部213と、その目盛部213に沿って配列する、代表的な各目盛位置での指示値(この場合、速度値)を各々示す複数の指標数字215とからなる。複数の指標数字215の画像は、指針502の回転周方向に沿って、該指標数字215の各々天地方向が回転動径方向と一致し、かつ、指針502が各指標数字215位置に回転到来したとき、当該指標数字215が指針502に対し該指針502の長手方向の一部区間に重なるように配列表示される。目盛部213は、動径Rの方向にて指標数字215の列の外側に表示されている。
【0057】
また、指針502と指標数字215とは色相の異なる表示色にて表示されている。指標数字215の表示色は白色であり、立体的な陰影等は特に付与されていない。他方、指針502の表示色は薄緑色であり、立体的な陰影が付与されている。具体的には、指針502は、幅方向途中位置に高さピークを有する指針長手方向に沿う凸条表面形態を有し、メータ前面側から仮想的な照明光を受けている想定にて、凸条稜線(R方向)に沿う形で高輝度の反射光沢部が形成され、該凸条稜線から幅方向両側に離れるに従い、また指針基端部に近づくに従い、各々輝度が漸減するグラデーションが施されている。なお、指針501の基端側は暗背景をなす背景画像600中にフェードアウトする形になっている。
【0058】
また、アナログ速度計504Aとデジタル速度計504Dとは、同一のメータ指示値(車速)を複数の画像メータにより互いに異なる表示形態にて冗長表示する冗長表示用画像メータ群を形成している。そして、デジタル速度計504Dについてのみ前述の陰影GLや装飾用倒立影画像504Sを付加することで、現在指示値の直読性の優れた指針式アナログメータによるアナログ速度計504Aが、デジタル速度計504Dよりも奥行き方向において手前側に視認される画像表現形態となっている。これにより、ドライバーは、近くに存在する(と視認される)指針式アナログメータ504Aで概略指示値を瞬時的に読み取り、次いでデジタルメータ504Dで詳細指示値を補うという合理的な読み取り順序にスムーズに導かれる。
【0059】
図10は、メータ間情報出力部の表示形態に係る別実施例を示すものである(図1Aとの共通部分には同一の符号を付与して詳細な説明は略する)。この実施形態では、案内誘導表示部531が省略されており、レーン案内表示部530は、その上縁が2つのアナログメータ501,504Aの目盛盤213,213の上縁よりも下側に位置するように、図1Aよりも表示位置が下げられている。そして、メータ間スペースにて、画面上縁と目盛盤213,213の上縁との間に挟まれた領域に、水温インジケータ及び給油インジケータ512とは別の複数の警告シンボル1512を表示するようになっている。これら警告シンボル1512は強調対象画像部品として定められ、陰影は付与されていない。
【符号の説明】
【0060】
1 車両用メータユニット
106 描画LSI(メータ表示領域形成手段及び画像機能部品表示手段)
200 メータECU(メータ表示領域形成手段及び画像機能部品表示手段)
210 ディスプレイ
211 目盛線図形
211S 装飾目盛線図形
213 目盛盤
215 指標数字
220 目盛盤装飾部
501 パワーメータ(回転指針式アナログメータ)
502 指針
503 シフトポジション表示部(画像機能部品)
504A アナログ速度計(回転指針式アナログメータ:画像機能部品)
504D デジタル速度計(デジタルメータ:画像機能部品)
506 平均燃費メータ(画像機能部品)
507 燃料残量計(画像機能部品)
509 水温計(画像機能部品)
510 積算距離計(画像機能部品)
511 外気温計(画像機能部品)
512,1512 警告シンボル(画像機能部品)
530 レーン案内表示部(メータ間情報出力部)
531 案内誘導表示部(メータ間情報出力部)
GL 陰影
DP 水平装飾面
SP2 水平装飾ストライプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転席に対向配置される車両用メータユニットであって、
ディスプレイと、
該ディスプレイの画面上に、該画面の奥行き方向に三次元的な広がりをもって視認されるメータ表示領域を形成するメータ表示領域形成手段と、
メータ指示値を表示する画像メータとしての画像機能部品である回転指針式アナログメータを含んで構成され、前記奥行き方向において最も手前に位置する強調対象部品グループである第一部品グループと、前記第一部品グループを構成する画像機能部品以外の画像機能部品を含む第二部品グループとに区分し、各々の部品グループが、前記メータ表示領域において前記奥行き方向の互いに異なる位置に存在するものとして視認されるよう、前記部品グループ毎に相違する立体画像処理を施して前記メータ表示領域に表示出力する画像機能部品表示手段と、を備え、
該画像機能部品表示手段は、前記画像メータとして円弧状の指示軌跡に沿って移動可能な指針と、該指示軌跡に沿って形成される目盛盤とを有し、かつ、一方が速度計とされる2つの回転指針式アナログメータの画像を左右に互いに隣接して表示するとともに、前記画像メータ以外の画像機能部品である非メータ画像機能部品の少なくとも1つをメータ間情報出力部として、2つの前記回転指針式アナログメータの円弧状の目盛盤の隣接対向する各内側上部と、前記画面上縁との間に形成されるくさび状のメータ間スペースに表示して、前記回転指針式アナログメータ及び前記メータ間情報出力部を含む前記第一部品グループが、前記第二部品グループよりも前記奥行き方向にて手前に存在するものとして視認されるよう前記立体画像処理を施し、
前記画像機能部品表示手段は前記立体画像処理を、前記画面視認方向手前にて前記画像機能部品を画面法線に対し傾斜する方向から照らす仮想光源を想定したときの該仮想光源による前記画像機能部品表面への陰影付与処理として、前記第一部品グループよりも、前記第二部品グループにおいて陰影が濃くなるように実施し、
前記画像機能部品表示手段は、前記強調対象部品グループに属する前記画像機能部品のうち前記画面に沿う平面形態を有したものを強調対象画像部品として、該強調対象画像部品に前記陰影の付与処理を行なわず、
前記画像機能部品表示手段は、2つの前記回転指針式アナログメータの一方の指示値を数字によりデジタル表示するデジタルメータを、前記第二部品グループの前記画像機能部品として表示するとともに、該デジタルメータの表示値を示す数字に前記陰影の付与処理行ない、
前記画像機能部品表示手段は、前記メータ表示領域に前記画面の奥行き方向に延びる水平装飾面を表示するとともに、前記立体画像処理として、前記画面視認方向手前にて前記画像機能部品を斜め上方から照らす仮想光源を想定したとき、前記画像機能部品をなす前記デジタルメータの前記数字の前記水平装飾面への反射投影像を模した装飾用倒立影画像を、該数字の前記奥行き方向における存在位置を反映させた形で該水平装飾面上に付加表示する処理を行なうことを特徴とする車両用メータユニット。
【請求項2】
前記画像機能部品表示手段は、前記水平装飾面を前記画面上の消失点に向けて遠近法に従い明度を漸減させつつ前記水平装飾面の暗背景に消失する形で表示するものであり、かつ、前記水平装飾面上には、画面水平方向と平行な水平装飾ストライプを、奥行き方向に向かうほど遠近法に従い視認配列間隔が漸次縮小する形で表示することを特徴とする請求項1に記載の車両用メータユニット。
【請求項3】
前記陰影付与処理は、前記画像機能部品を斜め上方から照らす前記仮想光源を想定することにより、同じ前記画像機能部品に対し表面下側に向かうほど濃くなるように前記陰影を付与するものである請求項1又は2記載の車両用メータユニット。
【請求項4】
前記画像機能部品表示手段は、前記画像メータ以外の情報出力部として、車両のシフトレバーの現在選択中のポジションであるカレントポジションを表示するために、前記シフトレバーによるポジション選択順位系列に従い、それら複数のポジションに一対一に対応付けた形で表示用シンボルが定められ、前記カレントポジションに対応した表示用シンボルであるカレントシンボルを、前記第二部品グループの前記画像機能部品として選択的に表示するシフトポジション表示部を出力するものであり、かつ、前記カレントシンボルに対して前記陰影を付与するものである請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用メータユニット。
【請求項5】
前記メータ間情報出力部は、接近中の道路分岐点における各レーンの指定進行方向を示す複数個の指定方向指示画像を、レーン配列を反映させた形で左右に隣接表示するレーン案内表示部である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用メータユニット。
【請求項6】
2つの前記回転指針式アナログメータの前記目盛盤は、水平直径位置が画面高さ方向に互いに一致する関係にて表示されるとともに、前記レーン案内表示部は、前記メータ間スペースにて各前記目盛盤の前記水平直径位置よりも上側に表示される請求項5記載の車両用メータユニット。
【請求項7】
前記レーン案内表示部は、その下縁が前記メータ間スペースにて、各前記目盛盤の上縁位置よりも下側に位置するように表示される請求項6記載の車両用メータユニット。
【請求項8】
請求項4記載の要件を備え、
前記シフトポジション表示部が前記メータ間スペースにて前記レーン案内表示部の下側に表示される請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用メータユニット。
【請求項9】
前記メータ間情報出力部は、接近中の道路分岐点における案内誘導方向を示す案内誘導表示部である請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両用メータユニット。
【請求項10】
前記メータ間情報出力部は、1又は複数の警告シンボルを表示する警告シンボル表示部である請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の車両用メータユニット。
【請求項1】
車両の運転席に対向配置される車両用メータユニットであって、
ディスプレイと、
該ディスプレイの画面上に、該画面の奥行き方向に三次元的な広がりをもって視認されるメータ表示領域を形成するメータ表示領域形成手段と、
メータ指示値を表示する画像メータとしての画像機能部品である回転指針式アナログメータを含んで構成され、前記奥行き方向において最も手前に位置する強調対象部品グループである第一部品グループと、前記第一部品グループを構成する画像機能部品以外の画像機能部品を含む第二部品グループとに区分し、各々の部品グループが、前記メータ表示領域において前記奥行き方向の互いに異なる位置に存在するものとして視認されるよう、前記部品グループ毎に相違する立体画像処理を施して前記メータ表示領域に表示出力する画像機能部品表示手段と、を備え、
該画像機能部品表示手段は、前記画像メータとして円弧状の指示軌跡に沿って移動可能な指針と、該指示軌跡に沿って形成される目盛盤とを有し、かつ、一方が速度計とされる2つの回転指針式アナログメータの画像を左右に互いに隣接して表示するとともに、前記画像メータ以外の画像機能部品である非メータ画像機能部品の少なくとも1つをメータ間情報出力部として、2つの前記回転指針式アナログメータの円弧状の目盛盤の隣接対向する各内側上部と、前記画面上縁との間に形成されるくさび状のメータ間スペースに表示して、前記回転指針式アナログメータ及び前記メータ間情報出力部を含む前記第一部品グループが、前記第二部品グループよりも前記奥行き方向にて手前に存在するものとして視認されるよう前記立体画像処理を施し、
前記画像機能部品表示手段は前記立体画像処理を、前記画面視認方向手前にて前記画像機能部品を画面法線に対し傾斜する方向から照らす仮想光源を想定したときの該仮想光源による前記画像機能部品表面への陰影付与処理として、前記第一部品グループよりも、前記第二部品グループにおいて陰影が濃くなるように実施し、
前記画像機能部品表示手段は、前記強調対象部品グループに属する前記画像機能部品のうち前記画面に沿う平面形態を有したものを強調対象画像部品として、該強調対象画像部品に前記陰影の付与処理を行なわず、
前記画像機能部品表示手段は、2つの前記回転指針式アナログメータの一方の指示値を数字によりデジタル表示するデジタルメータを、前記第二部品グループの前記画像機能部品として表示するとともに、該デジタルメータの表示値を示す数字に前記陰影の付与処理行ない、
前記画像機能部品表示手段は、前記メータ表示領域に前記画面の奥行き方向に延びる水平装飾面を表示するとともに、前記立体画像処理として、前記画面視認方向手前にて前記画像機能部品を斜め上方から照らす仮想光源を想定したとき、前記画像機能部品をなす前記デジタルメータの前記数字の前記水平装飾面への反射投影像を模した装飾用倒立影画像を、該数字の前記奥行き方向における存在位置を反映させた形で該水平装飾面上に付加表示する処理を行なうことを特徴とする車両用メータユニット。
【請求項2】
前記画像機能部品表示手段は、前記水平装飾面を前記画面上の消失点に向けて遠近法に従い明度を漸減させつつ前記水平装飾面の暗背景に消失する形で表示するものであり、かつ、前記水平装飾面上には、画面水平方向と平行な水平装飾ストライプを、奥行き方向に向かうほど遠近法に従い視認配列間隔が漸次縮小する形で表示することを特徴とする請求項1に記載の車両用メータユニット。
【請求項3】
前記陰影付与処理は、前記画像機能部品を斜め上方から照らす前記仮想光源を想定することにより、同じ前記画像機能部品に対し表面下側に向かうほど濃くなるように前記陰影を付与するものである請求項1又は2記載の車両用メータユニット。
【請求項4】
前記画像機能部品表示手段は、前記画像メータ以外の情報出力部として、車両のシフトレバーの現在選択中のポジションであるカレントポジションを表示するために、前記シフトレバーによるポジション選択順位系列に従い、それら複数のポジションに一対一に対応付けた形で表示用シンボルが定められ、前記カレントポジションに対応した表示用シンボルであるカレントシンボルを、前記第二部品グループの前記画像機能部品として選択的に表示するシフトポジション表示部を出力するものであり、かつ、前記カレントシンボルに対して前記陰影を付与するものである請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用メータユニット。
【請求項5】
前記メータ間情報出力部は、接近中の道路分岐点における各レーンの指定進行方向を示す複数個の指定方向指示画像を、レーン配列を反映させた形で左右に隣接表示するレーン案内表示部である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用メータユニット。
【請求項6】
2つの前記回転指針式アナログメータの前記目盛盤は、水平直径位置が画面高さ方向に互いに一致する関係にて表示されるとともに、前記レーン案内表示部は、前記メータ間スペースにて各前記目盛盤の前記水平直径位置よりも上側に表示される請求項5記載の車両用メータユニット。
【請求項7】
前記レーン案内表示部は、その下縁が前記メータ間スペースにて、各前記目盛盤の上縁位置よりも下側に位置するように表示される請求項6記載の車両用メータユニット。
【請求項8】
請求項4記載の要件を備え、
前記シフトポジション表示部が前記メータ間スペースにて前記レーン案内表示部の下側に表示される請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用メータユニット。
【請求項9】
前記メータ間情報出力部は、接近中の道路分岐点における案内誘導方向を示す案内誘導表示部である請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両用メータユニット。
【請求項10】
前記メータ間情報出力部は、1又は複数の警告シンボルを表示する警告シンボル表示部である請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の車両用メータユニット。
【図2】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1A】
【図1B】
【図3A】
【図3B】
【図5】
【図6】
【図10】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1A】
【図1B】
【図3A】
【図3B】
【図5】
【図6】
【図10】
【公開番号】特開2012−62056(P2012−62056A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−264291(P2011−264291)
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【分割の表示】特願2007−317033(P2007−317033)の分割
【原出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【分割の表示】特願2007−317033(P2007−317033)の分割
【原出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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