車両用ワイパ
【課題】払拭面からの高さを低くすることができる車両用ワイパを提供すること。
【解決手段】車両用ワイパは、ブレードラバー11と、バッキング12と、ブレードラバー11及びバッキング12の長手方向中央部におけるブレードラバー11の基部11b及びバッキング12の周囲を包囲して保持するレバー保持部13aを有した連結レバー13と、連結レバー13の両側面と直交する軸中心に回動可能に設けられるクリップ17と、クリップ17に連結されるワイパアーム2とを備える。クリップ17の両側壁17aにおける外側面には、それぞれ係合凸部17fが形成され、ワイパアーム2の先端連結部4には、クリップ17の上面を略覆う上被覆壁4aとクリップ17の外側面を略覆う両側被覆壁4bが形成され、該両側被覆壁4bにはクリップ17と長手方向に沿って組み付けられることで係合凸部17fと上下方向に係合する係合凹部4cが形成される。
【解決手段】車両用ワイパは、ブレードラバー11と、バッキング12と、ブレードラバー11及びバッキング12の長手方向中央部におけるブレードラバー11の基部11b及びバッキング12の周囲を包囲して保持するレバー保持部13aを有した連結レバー13と、連結レバー13の両側面と直交する軸中心に回動可能に設けられるクリップ17と、クリップ17に連結されるワイパアーム2とを備える。クリップ17の両側壁17aにおける外側面には、それぞれ係合凸部17fが形成され、ワイパアーム2の先端連結部4には、クリップ17の上面を略覆う上被覆壁4aとクリップ17の外側面を略覆う両側被覆壁4bが形成され、該両側被覆壁4bにはクリップ17と長手方向に沿って組み付けられることで係合凸部17fと上下方向に係合する係合凹部4cが形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ワイパに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から車両用ワイパは、ワイパアームとワイパアームに連結されるワイパブレードからなる。そして、ワイパブレードとしては、ブレードラバーと、該ブレードラバーに剛性と弾性を付与するための板ばね状のバッキングと、バッキング及びブレードラバーを把持するように組み付けられる連結レバーとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。このワイパブレードにおける連結装置には、その両側面に突出する突出部に揺動可能に組み付けられてワイパアームに連結されるクリップ(ジョイント部品)が設けられる。又、ワイパアームの先端部には、前記揺動軸線と対応した位置において、クリップの下方(払拭面に近づく方)まで延びる脚部に、クリップの下面を抱え込むように延びる一対の縁部が形成され、これにより先端部はクリップとの上下方向の移動が規制されてクリップと固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2006−500273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した車両用ワイパでは、縁部が形成された部分で、各部材が上下方向に重なることになり、払拭面からの高さが高くなってしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、払拭面からの高さを低くすることができる車両用ワイパを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明では、払拭面を払拭するための払拭部を有した長尺状のブレードラバーと、ブレードラバーの長手方向に沿って設けられ該ブレードラバーに剛性と弾性を付与するための板ばね状のバッキングと、前記ブレードラバー及び前記バッキングの長手方向中央部におけるブレードラバーの基部及びバッキングの周囲を包囲するとともにそれらの長手方向直交方向の移動を規制して保持するレバー保持部を有する連結レバーと、前記連結レバーの両側面と直交する回動軸を中心に回動可能に前記連結レバーに組み付けられるクリップと、前記クリップに連結されるワイパアームとを備えた車両用ワイパであって、前記クリップの両側壁における外側面には、それぞれ係合凸部が形成され、前記ワイパアームの先端連結部には、前記クリップの上面を略覆う上被覆壁と前記クリップの前記外側面を略覆う両側被覆壁が形成され、該両側被覆壁には、前記クリップと長手方向に沿って組み付けられることで前記係合凸部と上下方向に係合する係合凹部が形成されたことを要旨とする。
【0006】
同構成によれば、クリップの両側壁における外側面には、それぞれ係合凸部が形成され、ワイパアームの先端連結部における両側被覆壁には、クリップと長手方向に沿って組み付けられることで係合凸部と上下方向に係合する係合凹部が形成されるため、ワイパアームの上下方向の移動が規制される。そして、このようにすると、クリップが回動する回動軸中心と対応した位置において、例えばクリップの下面を抱え込むように延びる一対の縁部が形成されたもの(部材が上下方向に重なり払拭面からの高さが高くなってしまう従来技術)に比べて、払拭面からの高さを低くすることが可能となる。又、例えば、抱え込み部位としての前記縁部が形成されたものに比べて、ワイパアームの先端連結部を単純な形状とすることができ、その製造を容易とすることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用ワイパにおいて、前記連結レバー又は前記クリップには、前記係合凹部が前記係合凸部と係合しない長手方向の位置に前記ワイパアームの先端連結部がある状態で、該先端連結部に形成された抜け止め部と長手方向に当接する抜け止め壁部が設けられたことを要旨とする。
【0008】
同構成によれば、連結レバー又はクリップには、前記係合凹部が前記係合凸部と係合しない長手方向の位置にワイパアームの先端連結部がある状態で、該先端連結部に形成された抜け止め部と長手方向に当接する抜け止め壁部が設けられるため、ワイパアームの先端連結部からクリップ(ひいてはワイパブレード)が脱落し難くなる。詳しくは、上記構成では、クリップに対してワイパアームの先端連結部をまず下方に相対移動させた後、先端連結部を長手方向に相対移動させて(係合凹部を係合凸部に係合させて)組み付けることになる。又、逆に、クリップに対してワイパアームの先端連結部をまず長手方向に相対移動させ(係合凹部を係合凸部から外し)た後、先端連結部を上方に相対移動させて取り外すことになる。そして、例えば、車両用ワイパが車両に取り付けられた状態では、先端連結部に対してクリップが長手方向に相対移動してしまったとしても、ワイパアームに掛かる付勢力により先端連結部が上方に相対移動し難いため、先端連結部からクリップ側(即ちワイパブレード)が簡単に脱落しなくなる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の車両用ワイパにおいて、前記抜け止め壁部は、前記払拭部が前記払拭面に押圧接触した払拭可能状態での前記クリップの前記連結レバーに対する回動可能範囲である払拭時回動範囲の全域で前記抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されたことを要旨とする。
【0010】
同構成によれば、前記抜け止め壁部は、払拭部が払拭面に押圧接触した払拭可能状態でのクリップの連結レバーに対する回動可能範囲である払拭時回動範囲の全域で抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されるため、前記払拭可能状態ではワイパアームの先端連結部からクリップが脱落し難くなる。即ち、車両用ワイパが車両に取り付けられ払拭部が払拭面に押圧接触した状態では、払拭面(湾曲面)に沿ってクリップの回動角度が変化するが、抜け止め部と抜け止め壁部が前記長手方向に当接することで先端連結部からクリップ側(即ちワイパブレード)が簡単に脱落しなくなる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の車両用ワイパにおいて、前記抜け止め壁部は、前記払拭部が前記払拭面に押圧接触されていない非払拭状態での前記クリップの前記連結レバーに対する回動可能範囲である非払拭時回動範囲の全域で前記抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されたことを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、前記抜け止め壁部は、払拭部が払拭面に押圧接触されていない非払拭状態でのクリップの連結レバーに対する回動可能範囲である非払拭時回動範囲の全域で抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されるため、前記非払拭状態でもワイパアームの先端連結部からクリップが脱落し難くなる。即ち、例えば、所謂ロックバック状態でクリップの回動角度が変わっても、抜け止め部と抜け止め壁部が前記長手方向に当接することで先端連結部からクリップ側(即ちワイパブレード)が簡単に脱落しなくなる。又、勿論、非払拭時回動範囲は払拭時回動範囲を含むそれ以上の範囲であるため、前記払拭可能状態では先端連結部からクリップが更に脱落し難くなる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の車両用ワイパにおいて、前記クリップの両側壁における自身の回動する回動軸中心から離間した位置の下端面は、前記回動軸中心と対応した位置の下端面より位置が高い上方下端面とされ、前記抜け止め部は、前記クリップに前記ワイパアームの先端連結部が組み付けられた状態で、前記上方下端面と当接するように突出した突起とされたことを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、クリップの自身の回動する回動軸中心から離間した位置の下端面は、前記回動軸中心と対応した位置の下端面より位置が高い上方下端面とされるが、これは回動軸中心と対応した位置に設けられる回動連結部(支持軸)が無いことで可能となる。そして、抜け止め部は、クリップにワイパアームの先端連結部が組み付けられた状態で、前記上方下端面と当接するように突出した突起とされるため、係合凹部と係合凸部に加えて、上被覆壁と突起によっても(補助的に)クリップに対するワイパアームの上下方向の移動が規制される。よって、組み付けた状態で、クリップに対するワイパアームの上下方向の移動を強固に規制することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の車両用ワイパにおいて、前記連結レバーの両側面には案内溝が形成され、前記クリップの両側壁における内側面には前記案内溝に嵌る案内凸部が形成され、前記突起は、前記案内凸部の下端と当接するように配置され、前記案内溝の一方の終端と当接することで前記連結レバーに対する前記クリップの一方の回動を規制することを要旨とする。
【0016】
同構成によれば、突起は、クリップの案内凸部の下端と当接するように配置され、案内溝の一方の終端と当接することで連結レバーに対するクリップの一方の回動を規制するため、突起と案内凸部の剛性を互いに高めつつ、回動を予め設定した範囲で規制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、払拭面からの高さを低くすることができる車両用ワイパを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態における車両用ワイパの斜視図。
【図2】本実施の形態における車両用ワイパの一部分解斜視図。
【図3】本実施の形態における車両用ワイパの一部断面図。
【図4】本実施の形態における車両用ワイパの一部断面図。
【図5】(a)(b)本実施の形態における連結レバーの斜視図。
【図6】本実施の形態におけるバッキング、連結レバー、及びクリップを組み付けた斜視図。
【図7】本実施の形態におけるクリップの斜視図。
【図8】本実施の形態におけるバッキング、連結レバー、及びクリップを組み付けた側面図。
【図9】本実施の形態におけるワイパブレードの斜視図。
【図10】本実施の形態におけるワイパアームの斜視図。
【図11】本実施の形態における車両用ワイパを説明するための側面図。
【図12】本実施の形態における車両用ワイパを説明するための側面図。
【図13】本実施の形態における車両用ワイパを説明するための側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図13に従って説明する。図1に示すように、車両用ワイパ1は、自動車の払拭面としてのフロントガラスに付着した雨滴等を払拭するためのものであって、ワイパアーム2と、該ワイパアーム2に連結されるワイパブレード3とから構成されている。ワイパアーム2は、その基端部がワイパモータ(図示略)の駆動力にて所定角度で往復回動されるピボット軸(図示略)に固定され、該ピボット軸の往復回動に伴って往復揺動運動を行う。尚、このワイパアーム2は、図示しない付勢機構により、その先端連結部4がフロントガラス(払拭面)側に付勢される。そして、ワイパアーム2の先端連結部4には、ワイパブレード3が連結される。
【0020】
ワイパブレード3は、図2〜図4に示すように、払拭面(フロントガラス)を払拭するための払拭部11aを有した長尺状のブレードラバー11と、ブレードラバー11の長手方向に沿って設けられ該ブレードラバー11に剛性と弾性を付与するための板ばね状のバッキング12とを備える。本実施の形態のブレードラバー11は、図3に示すように、長手方向直交方向断面が略長方形の基部11bと、該基部11bの幅方向中央から下方に延びる括れ部11cと、該括れ部11cから更に下方に延びる前記払拭部11aとを有する。又、本実施の形態のバッキング12は、図2及び図3に示すように、ワイパブレード3に1本のみ設けられるものであって、その長手方向の中央にバッキング係合部12aが形成されている。バッキング係合部12aは、バッキング12の幅方向の両側が幅方向中央側に切り欠かれた形状に形成されている。
【0021】
又、ワイパブレード3は、図3に示すように、ブレードラバー11及びバッキング12の長手方向中央部におけるブレードラバー11の基部11b及びバッキング12の周囲を包囲してそれらの長手方向直交方向の移動を規制して保持するレバー保持部13aを有した連結レバー13を備える。
【0022】
詳しくは、連結レバー13は、硬質の樹脂材よりなり、図2〜図4、及び図5(a),(b)に示すように、略直方体形状のレバー本体部13bと、図3及び図5(b)に示すように、該レバー本体部13bの下端面における幅方向両側から下方に延びてさらに幅方向内側に延びた腕状の前記レバー保持部13aとを有する。本実施の形態のレバー保持部13aは、図3に示すように、ブレードラバー11の基部11bにおける上端面にバッキング12を当接させた(載置した)状態で、該基部11b及びバッキング12を包囲する構成とされている。
【0023】
又、図2〜図4、及び図5(a)に示すように、レバー本体部13bにおける長手方向一端側には、上方から前記レバー保持部13aまで連通するように貫通した上下貫通部13cが形成されている。上下貫通部13cは、上下方向から見て略4角形に形成されている。又、上下貫通部13cの下端部は、図4に示すように、その長手方向の間隔が小さくされ、後述する移動規制部材としてのサポートパーツ14(図2参照)を収容するためのパーツ収容部13dとされている。
【0024】
又、レバー本体部13bにおける長手方向一端側(上下貫通部13cと対応した位置)には、図2〜図4、及び図5(a),(b)に示すように、その両側面(幅方向の側面)と直交する方向に貫通した軸挿通孔13eが形成されている。即ち、この軸挿通孔13eは、外部と前記上下貫通部13c(前記パーツ収容部13d)とを連通するように、言い換えると、前記上下貫通部13cの幅方向の内側面から外部に抜けるように形成されている。
【0025】
又、レバー本体部13bの両側面における略中央には、図2及び図5(a),(b)に示すように、上下方向に延びる、詳しくは前記軸挿通孔13eの軸中心(回動軸中心)と同心の円弧に沿って延びる案内溝13fが形成されている。
【0026】
又、レバー本体部13bの両側面における長手方向他端部には、図5(a),(b)に示すように、上下方向に延びる抜け止め壁部13gが突出して形成されている。又、レバー本体部13bの上面における長手方向他端部には、図5(a)に示すように、前記抜け止め壁部13gの上端を繋ぐように幅方向に延びる上壁部13hが突出して形成されている。
【0027】
又、レバー本体部13bの両側面における下端部には、図5(a)に示すように、前記抜け止め壁部13gの下端から長手方向一端側まで延びる下壁部13iが突出して形成されている。又、下壁部13iの長手方向一端側端部には、図5(a)に示すように、前記軸挿通孔13eの軸中心(回動軸中心)と同心の円弧凹状に形成された対向面13jが形成されている。
【0028】
又、レバー本体部13bの上面における略中央には、図4及び図5(a)に示すように、逃がし溝13kが形成されている。
又、連結レバー13には、図1、図2及び図9に示すように、レバー本体部13bにおける長手方向一端側から長手方向先端に延びるとともに、後述するケース15のフィン部16に滑らかに繋がる形状の湾曲連結部13lが形成されている。
【0029】
このように構成された連結レバー13は、バッキング12との長手方向の移動が規制されて組み付けられる。詳しくは、まず連結レバー13のレバー保持部13a内に、バッキング12が長手方向に沿って挿入され、前記パーツ収容部13d(図3及び図4参照)と前記バッキング係合部12a(図2参照)の長手方向の位置が一致するように、長手方向の位置決めがなされる。そして、サポートパーツ14が、上方から上下貫通部13cを通されてパーツ収容部13dに嵌め込まれて(落とされて)、バッキング12(バッキング係合部12a)及び連結レバー13(パーツ収容部13d)と長手方向に係合するように組み付けられることで、連結レバー13とバッキング12とは長手方向の移動が規制(長手方向に位置決め)される。尚、本実施の形態のサポートパーツ14は、図3に示すように、長手方向から見て幅方向に延びる中央部14aと、該中央部14aの両端から下方に延びる一対の腕部14bとを有し、その中央部14aがパーツ収容部13d内に没入してパーツ収容部13dと長手方向に係合するとともに、各腕部14bがそれぞれバッキング係合部12aと長手方向に係合する構成となっている。
【0030】
そして、連結レバー13には、前記ワイパアーム2に連結されるクリップ17(図2参照)がその両側面と直交する回動軸中心(前記軸挿通孔13eの軸中心)に回動可能に組み付けられる。
【0031】
クリップ17は、図2に示すように、前記回動軸中心(前記軸挿通孔13eの軸中心)と対応した位置から前記レバー本体部13bの両側面に沿って長手方向基端側に延びる一対の側壁17aと、それら一対の側壁17aを繋ぐとともにレバー本体部13bの上面に沿って延びる上壁17bとを有する。
【0032】
このクリップ17の一対の側壁17aにおける内側面には、図2及び図3に示すように、前記軸挿通孔13eに挿入されることでクリップ17を回動可能に支持する支持軸17cが形成されている。そして、この支持軸17cは、図3に示すように、前記上下貫通部13c内に突出する長さに設定され、その先端部が前記パーツ収容部13dに嵌め込まれたサポートパーツ14の上面と当接して該サポートパーツ14の上方への抜けを規制するための抜け規制部17eとされている。尚、本実施の形態では、前記軸挿通孔13eと支持軸17cとが回動連結部を構成している。
【0033】
又、クリップ17の一対の側壁17aにおける外側面には、図2、図6〜図8に示すように、それぞれ係合凸部17fが形成されている。係合凸部17fは、側壁17aの長手方向一端側端部(支持軸17cの裏側)に形成されている。又、係合凸部17fは、側壁17aにおける上下方向の中央に形成されている。又、係合凸部17fは、上下の端面が長手方向に略沿って形成され、その下端面における長手方向他端部のみ他端側に向かうほど上方に湾曲した曲面とされている。
【0034】
又、図6に示すように、クリップ17の前記上壁17bにおける前記回動軸中心側の端部(支持軸17c側端部であって長手方向一端側端部)には、自身の回動を許容するための切り欠き17gが形成されている。即ち、クリップ17の一対の側壁17aは、図2に示すように、前記支持軸17cよりも長手方向一端側にも僅かに延びているため、その部分にも上壁があると、その上壁が回動時にレバー本体部13bの上面に衝突する方向に回動することになるが、その上面に凹部を形成することなく、回動が許容されるように切り欠き17gが形成されている。
【0035】
又、図7及び図8に示すように、クリップ17の両側壁17aにおける下端面には、前記回動軸中心(支持軸17c及び軸挿通孔13eの軸中心)を中心とした円弧面17hが形成されている。この円弧面17hは、図8に示すように、前記連結レバー13の前記対向面13jと対向するように設定されている。尚、本実施の形態の円弧面17hは、初期状態(組み付けた直後の状態)で前記対向面13jと僅かな隙間を有して対向するように設定され、回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)で摩耗が生じた際に対向面13jと摺接するように設定されている。
【0036】
又、クリップ17の両側壁17aにおける前記回動軸中心(支持軸17c)から長手方向他端側に離間した位置の下端面は、図7及び図8に示すように、前記回動軸中心と対応した位置の下端面(即ち円弧面17h)より位置が高い上方下端面17iとされている。即ち、本実施の形態のクリップ17における両側壁17aの下端面は、回動軸中心(支持軸17c)の下方部分のみが上方下端面17iより円弧凸状に突出した円弧面17hとされている。
【0037】
又、クリップ17の両側壁17aの長手方向他端部は、図8に示すように、前記連結レバー13に組み付けられた状態で、前記抜け止め壁部13gとの長手方向の間に上下方向に沿って延びる隙間Sが生じるように設定されている。
【0038】
又、クリップ17の両側壁17aにおける内側面には、図7に示すように、前記案内溝13f(図5参照)に嵌る案内凸部17jが形成されている。この案内凸部17jは、前記案内溝13fに嵌った状態で該案内溝13fに案内されつつ案内溝13fの上下方向の終端位置に応じて連結レバー13に対するクリップ17のそれ以上の回動を規制するためのものである。
【0039】
又、クリップ17の上壁17bには、図2、図4及び図6に示すように、上方に突出するとともに上下方向に可撓性を有する弾性突起17kが形成されている。この弾性突起17kは、連結レバー13の前記逃がし溝13k(図4及び図5(a)参照)と対応した位置に形成され、該逃がし溝13kによって、組み付けられた状態(図4及び図6参照)での下方への撓みが許容されることになる。
【0040】
又、ワイパブレード3は、図1及び図2に示すように、連結レバー13(レバー保持部13a)の長手方向両側におけるブレードラバー11の基部11b及びバッキング12の周囲を包囲してそれらの長手方向直交方向の移動を規制して保持するケース保持部15a(図2参照)をそれぞれ有した一対のケース15を備えている。
【0041】
ケース15は、軟質の(可撓性を有する)樹脂材よりなり、そのケース保持部15aの形状は、前記レバー保持部13aと同様の形状とされている。即ち、レバー保持部13aと各ケース保持部15aとは、組み付けられた状態で長手方向に連なって、ブレードラバー11の基部11b及びバッキング12をその長手方向全体に亘って包囲(収容)する構成とされている。
【0042】
又、ケース15の上面には、ゴム材又はエラストマー材よりなり、走行風を払拭面側への押圧力に変換するためのフィン部16がニ色成形により設けられている。具体的には、フィン部16は、ワイパブレード3の停止位置において車両後方側に向かうほど(払拭面から)高くなる湾曲面を有した形状に形成されている。そして、連結レバー13の前記湾曲連結部13lは、図2及び図9に示すように、略直方体形状のレバー本体部13bからフィン部16側に向かって徐々に前記湾曲面と対応した形状となるように形成されている。
【0043】
又、本実施の形態では、前記湾曲連結部13lと対応した側のケース15(フィン部16含む)と連結レバー13(湾曲連結部13l)との連結部分は、互いの上端面が面一となるように設定、言い換えれば、両者の連結部分の形状が連続的に移行するように形成されている。又、そのケース15(フィン部16含む)には、図2及び図9に示すように、前記連結レバー13(その湾曲連結部13l)にて上面が覆われるように長手方向に延びる段差部15bが形成されている。
【0044】
又、ワイパブレード3は、図1に示すように、バッキング12の長手方向両端に固定されて、該バッキング12の長手方向端部と、ケース15(フィン部16含む)の長手方向端部と、ブレードラバー11の基部11bにおける長手方向端部とを覆うキャップ18を備えている。
【0045】
上記のように構成されたワイパブレード3は、そのクリップ17がワイパアーム2の先端連結部4に連結固定される。
ワイパアーム2の先端連結部4には、図2及び図10に示すように、前記クリップ17の(上壁17bの)上面を略覆う上被覆壁4aとクリップ17の(両側壁17aの)外側面を略覆う両側被覆壁4bが形成されている。そして、両側被覆壁4bには、図2に示すように、クリップ17と長手方向に沿って組み付けられることでクリップ17の前記係合凸部17fと上下方向に係合する係合凹部4cが形成されている。この係合凹部4cは、両側被覆壁4bにおける上下方向の中央部分に、長手方向先端側(一端側)が開口するように形成され、該開口から係合凸部17fが長手方向に(図11に示す状態から図8に示す状態に)挿入されて組み付けられることで該係合凸部17fと上下方向に係合されることになる。
【0046】
又、先端連結部4の両側被覆壁4bの内側面には、図10に示すように、互いに幅方向中央側に突出する抜け止め部としての突起4dが打ち出し形成されている。この突起4dは、図11に示すように、前記係合凹部4cが前記係合凸部17fと係合しない長手方向の位置に先端連結部4がある状態で、連結レバー13の前記抜け止め壁部13gと長手方向に当接するように形成されている(2点鎖線の状態)。ここで、図12に示すように、本実施形態の前記抜け止め壁部13gは、ブレードラバー11の払拭部11aがフロントガラスに押圧接触した払拭可能状態でのクリップ17の連結レバー13に対する回動可能範囲である払拭時回動範囲X1の全域で突起4dと前記長手方向に当接可能に形成されている。更には、図13に示すように、本実施形態の前記抜け止め壁部13gは、払拭部11aがフロントガラスに押圧接触されていない非払拭状態でのクリップ17の連結レバー13に対する回動可能範囲である非払拭時回動範囲X2の全域で突起4dと前記長手方向に当接可能に形成されている。尚、図12は、前記払拭可能状態でクリップ17が最大に回動した状態を図示している。又、図13は、前記非払拭状態(例えば、所謂ロックバック状態)でクリップ17が最大に回動した状態(前記案内凸部17jが前記案内溝13fの上方の終端位置に当接した状態)を図示している。
【0047】
即ち、突起4dは、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態(図8参照)からクリップ17に対して先端連結部4を長手方向に相対移動させた際(図11参照)に抜け止め壁部13gと長手方向に当接して、それ以上の長手方向の相対移動(抜け)を規制するように設けられている。又、車両用ワイパ1が車両に取り付けられ払拭部11aがフロントガラスに押圧接触した状態では、フロントガラス(湾曲面)に沿ってクリップ17の回動角度が変化するが、その払拭時回動範囲X1(図12参照)では突起4dと抜け止め壁部13gが前記長手方向に当接することで、それ以上の長手方向の相対移動(抜け)は規制されるように設定されている。更に、本実施形態では、例えば、所謂ロックバック状態でクリップ17の回動角度が変化しても、その非払拭時回動範囲X2(図13参照)では突起4dと抜け止め壁部13gが前記長手方向に当接することで、それ以上の長手方向の相対移動(抜け)は規制されるように設定されている。又、突起4dは、抜け止め壁部13gと長手方向に当接した状態(図11〜図13参照)では、抜け止め壁部13gに沿って上下方向の移動が許容(図11では、抜け止め壁部13gとクリップ17の両側壁17aの長手方向他端部との間の上下方向に沿って延びる隙間Sを通って上下方向の移動が許容)されるように設けられている。
【0048】
これにより、組み付ける際は、クリップ17に対して先端連結部4をまず下方に相対移動させた後、先端連結部4を長手方向に相対移動させて(係合凹部4cを係合凸部17fに係合させて)組み付けることになる。又、逆に、取り外す際は、クリップ17に対して先端連結部4をまず長手方向に相対移動させ(係合凹部4cを係合凸部17fから外し)た後、先端連結部4を上方に相対移動させて取り外すことになる。
【0049】
又、突起4dは、図8に示すように、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態で、クリップ17の前記上方下端面17iと当接する位置に形成されている。
又、突起4dは、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態で、前記案内凸部17j(図7参照)の下端と当接する位置に形成され、前記案内溝13f(図5参照)の下方の終端と当接することで連結レバー13に対するクリップ17及び先端連結部4の一方の回動を規制するように設けられている。即ち、突起4dは、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態では、前記案内凸部17jと一体的となり剛性を互いに高め合いつつ、前記一方の回動を規制するように設けられている。
【0050】
又、図2、図4、及び図10に示すように、先端連結部4の上被覆壁4aには、クリップ17に組み付けられた状態(図8参照)であって前記弾性突起17kが下方に撓められていない状態で該弾性突起17kが嵌合されて該弾性突起17kと長手方向に係合する被嵌合部としての被嵌合孔4eが形成されている。これにより、弾性突起17kに何らかの外力が加わらなければ、先端連結部4とクリップ17とが長手方向に相対移動してしまうことが防止されている。
【0051】
又、先端連結部4の両側被覆壁4bには、図3に示すように、上下方向に前記バッキング12と一致する位置まで下方に延びたラップ部4fが形成されている。
次に、上記のように構成された車両用ワイパ1の作用について説明する。
【0052】
上記車両用ワイパ1では、ワイパアーム2とその先端連結部4に固定されたクリップ17に対して(クリップ17を除く)ワイパブレード3が回動可能とされる。そして、ワイパアーム2の先端連結部4が図示しない付勢機構によりフロントガラス(払拭面)側に付勢されることで、その付勢力がクリップ17、連結レバー13、バッキング12を介してブレードラバー11に伝達されて、ブレードラバーの払拭部11aが長手方向全長に亘ってフロントガラス(払拭面)に押圧接触される。又、走行時には、フィン部16にて走行風がフロントガラス(払拭面)側への押圧力に変換されて、ブレードラバーの払拭部11aがフロントガラス(払拭面)に押圧接触される。これらのことから、ワイパアーム2がピボット軸中心に往復回動されると、良好な払拭動作が行われる。
【0053】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)クリップ17の両側壁17aにおける外側面には、それぞれ係合凸部17fが形成され、ワイパアーム2の先端連結部4における両側被覆壁4bには、クリップ17と長手方向に沿って組み付けられることで係合凸部17fと上下方向に係合する係合凹部4cが形成されるため、クリップ17に対するワイパアーム2の上下方向の移動が規制される。そして、このようにすると、クリップ17が回動する回動軸中心と対応した位置において、例えばクリップの下面を抱え込むように延びる一対の縁部が形成されたもの(部材が上下方向に重なり払拭面からの高さが高くなってしまう従来技術)に比べて、払拭面からの高さを低くすることが可能となる。又、例えば、抱え込み部位としての前記縁部が形成されたものに比べて、ワイパアーム2の先端連結部4を単純な形状とすることができ、その製造を容易とすることができる。
【0054】
(2)連結レバー13には、係合凹部4cが係合凸部17fと係合しない長手方向の位置に先端連結部4がある状態で、該先端連結部4に形成された抜け止め部(突起4d)と長手方向に当接する抜け止め壁部13gが設けられるため、先端連結部4からクリップ17(ひいてはワイパブレード3)が脱落し難くなる。詳しくは、上記構成では、クリップ17に対してワイパアーム2の先端連結部4をまず下方に相対移動させた後、先端連結部4を長手方向に相対移動させて(係合凹部4cを係合凸部17fに係合させて)組み付けることになる。又、逆に、クリップ17に対してワイパアーム2の先端連結部4をまず長手方向に相対移動させ(係合凹部4cを係合凸部17fから外し)た後、先端連結部4を上方に相対移動させて取り外すことになる。そして、例えば、車両用ワイパ1が車両に取り付けられた状態では、先端連結部4に対してクリップ17が長手方向に相対移動してしまったとしても、ワイパアーム2に掛かる図示しない付勢機構による付勢力により先端連結部4が上方に相対移動し難いため、先端連結部4からクリップ17側(即ちワイパブレード3)が簡単に脱落しなくなる。
【0055】
(3)抜け止め壁部13gは、払拭部11aがフロントガラスに押圧接触した払拭可能状態でのクリップ17の連結レバー13に対する回動可能範囲である払拭時回動範囲X1の全域で突起4dと前記長手方向に当接可能に形成されるため、前記払拭可能状態ではワイパアーム2の先端連結部4からクリップ17が脱落し難くなる。即ち、車両用ワイパ1が車両に取り付けられ払拭部11aがフロントガラスに押圧接触した状態では、フロントガラス(湾曲面)に沿ってクリップ17の回動角度が変化するが、突起4dと抜け止め壁部13gが前記長手方向に当接することで先端連結部4からクリップ17側(即ちワイパブレード3)が簡単に脱落しなくなる。
【0056】
(4)抜け止め壁部13gは、払拭部11aがフロントガラスに押圧接触されていない非払拭状態でのクリップ17の連結レバー13に対する回動可能範囲である非払拭時回動範囲X2の全域で突起4dと前記長手方向に当接可能に形成されるため、前記非払拭状態でもワイパアーム2の先端連結部4からクリップ17が脱落し難くなる。即ち、例えば、所謂ロックバック状態でクリップ17の回動角度が変わっても、突起4dと抜け止め壁部13gが前記長手方向に当接することで先端連結部4からクリップ17側(即ちワイパブレード3)が簡単に脱落しなくなる。又、勿論、非払拭時回動範囲X2は払拭時回動範囲X1を含むそれ以上の範囲であるため、前記払拭可能状態では先端連結部4からクリップ17が更に脱落し難くなる。
【0057】
(5)クリップ17の自身の回動する回動軸中心から離間した位置の下端面は、前記回動軸中心と対応した位置の下端面(円弧面17h)より位置が高い上方下端面17iとされるが、これは回動軸中心と対応した位置に設けられる回動連結部(支持軸17c)が無いことで可能となる。そして、前記抜け止め部は、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態で、前記上方下端面17iと当接するように突出した突起4dとされるため、係合凹部4cと係合凸部17fに加えて、上被覆壁4aと突起4dによっても(補助的に)クリップ17に対するワイパアーム2(先端連結部4)の上下方向の移動が規制される。よって、組み付けた状態で、クリップ17に対するワイパアーム2(先端連結部4)の上下方向の移動を強固に規制することができる。
【0058】
(6)突起4dは、クリップ17の案内凸部17jの下端と当接するように配置され、案内溝13fの一方の終端と当接することで連結レバー13に対するクリップ17の一方の回動を規制するため、突起4dと案内凸部17jの剛性を互いに高めつつ、回動を予め設定した範囲で規制することができる。
【0059】
(7)クリップ17の上壁17bには弾性突起17kが形成され、先端連結部4の上被覆壁4aには、弾性突起17kが下方に撓められていない状態で該弾性突起17kが嵌合されて該弾性突起17kと長手方向に係合する被嵌合孔4eが形成される。よって、弾性突起17kに何らかの外力が加わらなければ、先端連結部4とクリップ17とが長手方向に相対移動してしまうことが防止される。
【0060】
(8)ブレードラバー11とバッキング12は、その長手方向全体が、レバー保持部13aとケース保持部15aにて長手方向直交方向の移動が規制されて保持される。そして、ワイパアーム2にクリップ17を介して連結される連結レバー13は、バッキング12に対して長手方向の移動が規制されて組み付けられるため、連結レバー13に対してバッキング12が長手方向にずれることなく固定される。しかも、ケース15を一対とし、各ケース15のケース保持部15aの間においてバッキング12の上面12bに連結レバー13のレバー保持部13aを直接配置した構成であるため、例えば、バッキング12の全長に対応した単一のケースとしてそのケースの長手方向中央を把持するような連結レバーを備えた構成に比べて、ワイパブレード3の高さ方向の部材の重なりを減らすことができる。その結果、払拭面からの高さを十分に低減でき背の低いスリム感のあるデザイン性の良好なワイパブレード3を得ることができる。
【0061】
(9)クリップ17の上壁17bにおける軸回動中心側の端部(支持軸17c側の端部)には自身の回動を許容するための切り欠き17gが形成されるため、例えば、上壁17bの払拭面からの高さを低く保ちながらもレバー本体部13bの上面に回動を許容させるための凹部を形成することなく、クリップ17の回動を許容させることができる。尚、レバー本体部13bの上面に回動を許容させるための凹部を形成しなくてよいことは、レバー本体部13b(連結レバー13)の剛性を高く維持することに寄与する。
【0062】
(10)連結レバー13のレバー本体部13bの両側面及びクリップ17の両側壁17aにおける回動軸中心位置には、互いを回動可能に連結する回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)が設けられることで、クリップ17が連結レバー13に対して回動可能とされる。そして、更に、クリップ17の両側壁17aにおける下端面には、前記回動軸中心と同心の円弧面17hが形成され、連結レバー13には、前記円弧面17hと対向する対向面13jが形成されるため、回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)以外の部分に、回動可能に支持する部分を追加することができる。即ち、クリップ17は、常時、ワイパアーム2から下方(払拭面方向)に力(押圧力)を受けるが、その両側壁17aにおける下端部の円弧面17hを連結レバー13の対向面13jで受け止めることで、回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)の耐久性を向上できる。又、本実施の形態では、初期状態(組み付けた直後の状態)では円弧面17hは、対向面13jと僅かな隙間を有して対向するように設定されるため、寸法精度を高精度としなくても組み付け性が良好となるとともに回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)によるスムーズな回動が確保される。そして、回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)で僅かな摩耗が生じた際には、円弧面17hと連結レバー13が摺接することで、それ以上の回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)の摩耗を抑えることが可能となる。
【0063】
(11)連結レバー13には、ケース15のフィン部16に繋がる湾曲連結部13lが形成されるため、ケース15と連結レバー13とを滑らかに繋がった形状(急激な段差を抑えた形状)とすることができ、美観を向上させることができる。又、急激な段差を抑えることができるので、走行風の整流をも良好とすることができる。
【0064】
(12)ケース15(フィン部16含む)と連結レバー13(湾曲連結部13l)との連結部分は、互いの上端面が面一となるように設定されるため、美観を良好とすることができる。しかも、ケース15(フィン部16含む)には、連結レバー13(その湾曲連結部13l)にて上面が覆われるように長手方向に延びる段差部15bが形成されるため、例えば、段差部15bによって上端面の連結部分から内部側への異物(雪や枯葉等)の侵入を低減することができる。
【0065】
(13)レバー保持部13a及びケース保持部15aは、ブレードラバー11の基部11bにおける上端面にバッキング12を当接させた状態で、該基部11b及びバッキング12を包囲して保持する構成であって、ブレードラバー11とバッキング12の間に介在される壁を有さない。よって、前記壁を有するものに比べて、ワイパブレード3の払拭面からの高さを一層低くすることができる。
【0066】
(14)ワイパアーム2の先端連結部4には、上下方向にバッキング12と一致する位置まで下方に延びたラップ部4fが形成されるため、例えば、該部分でバッキング12と共にレバー保持部13aが捩れるように変形しようとしても該ラップ部4fにてその変形を抑えることが可能となる。
【0067】
(15)バッキング12及び連結レバー13と長手方向に係合するように組み付けられて、それらの長手方向の相対移動を規制するサポートパーツ14を備えるため、バッキング12と連結レバー13の位置を合わせてからサポートパーツ14を組み付けることでそれらの長手方向の相対位置を固定することができる。そして、このようにすると、例えば、連結レバーにバッキングとの長手方向の相対移動を規制するための弾性係止部を一体成形したもののように、ブレードラバーと連結レバーとの組み付け時にその弾性係止部が引っ掛かってしまうといったことがない。よって、組み付け性が良く、組み付け時の破損(折れや摩耗)を抑えることができるワイパブレード3を提供することができる。
【0068】
(16)クリップ17には、サポートパーツ14の上方への抜けを規制するための抜け規制部17e(支持軸17cの先端部)が設けられるため、連結レバー13にクリップ17を組み付けることで自動的にサポートパーツ14の上方への抜けを規制することができる。
【0069】
(17)抜け規制部17eは、連結レバー13の軸挿通孔13eに挿入されてクリップ17を回動可能に支持する支持軸17c(その先端部)とされるため、支持軸17cに2つの機能を持たせて、例えば、クリップ17の形状の複雑化を抑えることができる。
【0070】
(18)突起4dを打ち出し形成したため、例えば、折り曲げ形成した場合に比べて、その突出方向や突出量を安定して製造することができる。即ち、折り曲げ形成では、スプリングバックにより突出方向や突出量が安定しない虞があるが、打ち出し形成することで突起4dを容易に安定して高精度に形成することができる。尚、このことは、上記した突起4dに関する効果を安定して得ることに寄与する。
【0071】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、先端連結部4には抜け止め部としての突起4dが設けられ、連結レバー13には、抜け止め壁部13gが設けられるとしたが、これに限定されず、それらが設けられていない構成としてもよい。
【0072】
又、抜け止め壁部13gは、非払拭時回動範囲X2(図13参照)の全域で突起4dと前記長手方向に当接可能に(上下方向に長く)形成されるとしたが、これに限定されず、その上下方向の長さは変更してもよい。例えば、払拭時回動範囲X1(図12参照)の全域では突起4dと前記長手方向に当接可能に形成されつつも、非払拭状態(例えば、所謂ロックバック状態)でクリップ17が最大に回動した状態(案内凸部17jが案内溝13fの上方の終端位置に当接した状態であって、図13参照)では前記長手方向に当接しない抜け止め壁部としてもよい。
【0073】
・上記実施の形態では、抜け止め部は、クリップ17の上方下端面17iと当接するように突出した突起4dとされるとしたが、これに限定されず、例えば、クリップ17の両側壁17aに長手方向に延びるとともに端部が開放されたスリットを形成し、該スリットを長手方向に移動可能に配置される突起としてもよい。
【0074】
・上記実施の形態では、突起4dは、クリップ17の案内凸部17jの下端と当接するように配置されるとしたが、これに限定されず、案内凸部17jの下端に対してずれた位置に設けてもよい。
【0075】
・上記実施の形態では、クリップ17の上壁17bには自身の回動を許容するための切り欠き17gが形成されるとしたが、これに限定されず、例えば、レバー本体部13bの上面に回動を許容させるための凹部を形成してもよい。
【0076】
・上記実施の形態では、クリップ17の両側壁17aにおける下端面には円弧面17hが形成され、連結レバー13には円弧面17hと対向する対向面13jが形成されるとしたが、これに限定されず、円弧面17h及び対向面13jが形成されていない構成としてもよい。
【0077】
・上記実施の形態では、連結レバー13には、ケース15のフィン部16に滑らかに繋がる湾曲連結部13lが形成されるとしたが、これに限定されず、湾曲連結部13lが形成されていない連結レバーとしてもよい。又、ケース15にはフィン部16が設けられるとしたが、これに限定されず、例えば、リアガラスを払拭するための車両用ワイパとした場合等、フィン部16が設けられていないケースとしてもよい。
【0078】
・上記実施の形態では、ケース15(フィン部16含む)と連結レバー13(湾曲連結部13l)との連結部分は、互いの上端面が面一となるように設定されるとしたが、これに限定されず、連結部分の上端面に段差が生じる構成としてもよい。又、ケース15(フィン部16含む)には、連結レバー13(その湾曲連結部13l)にて上面が覆われるように長手方向に延びる段差部15bが形成されるとしたが、これに限定されず、段差部15bが形成されない構成としてもよい。
【0079】
・上記実施の形態では、レバー保持部13a及びケース保持部15aは、ブレードラバー11の基部11bにおける上端面にバッキング12を当接させた状態で、該基部11b及びバッキング12を包囲する構成であるとしたが、これに限定されず、ブレードラバー11とバッキング12の間に壁を介在させてもよい。尚、この壁は、レバー保持部13a及びケース保持部15aにそれぞれ一体成形してもよいし、別体で設けるようにしてもよい。
【0080】
・上記実施の形態では、ワイパアーム2の先端連結部4には、上下方向にバッキング12と一致する位置まで下方に延びたラップ部4fが形成されるとしたが、これに限定されず、ラップ部4fが形成されていない先端連結部としてもよい。
【0081】
・上記実施の形態では、バッキング12及び連結レバー13と長手方向に係合するように組み付けられて、それらの長手方向の相対移動を規制するサポートパーツ14を備えるとしたが、これに限定されず、例えば、連結レバーにバッキングとの長手方向の相対移動を規制するための弾性係止部を一体成形してもよい。
【0082】
・上記実施の形態では、クリップ17には、サポートパーツ14の上方への抜けを規制するための抜け規制部17e(支持軸17cの先端部)が設けられるとしたが、これに限定されず、抜け規制部17eが設けられていないクリップとしてもよい。尚、この場合、例えば、サポートパーツ(移動規制部材)が、自身の組み付け方向の反対方向への抜けを規制するための(連結レバーと係合する)抜け止め爪を有する構成としてもよい。このようにしても、容易に組み付けることができるとともに自動的にサポートパーツ(移動規制部材)の抜けを規制することができる。又、例えば、サポートパーツ(移動規制部材)が圧入固定される構成としてもよい。又、例えば、サポートパーツ(移動規制部材)が接着固定される構成としてもよい。
【0083】
又、例えば、抜け規制部17eが設けられていないクリップとするとともに、クリップ自体に移動規制部材を一体成形してもよい。このようにすると、別体でサポートパーツ14(移動規制部材)を設けたものに比べて、部品点数の増加を抑制することができる。
【0084】
又、抜け規制部17eは、連結レバー13の軸挿通孔13eに挿入されてクリップ17を回動可能に支持する支持軸17cの先端部であるとしたが、サポートパーツ14の抜けを規制することができれば、抜け規制部をクリップ17における他の部分(支持軸17cとは異なる部分)に設けてもよい。
【0085】
・上記実施の形態では、レバー本体部13bには、上方からレバー保持部13aまで連通するように貫通した上下貫通部13cが形成され、サポートパーツ14はレバー本体部13bの上方から上下貫通部13cを通されてパーツ収容部13dに嵌め込まれるとしたが、これに限定されず、他の構成で嵌め込まれるようにしてもよい。例えば、前記上下貫通部13cが上方に貫通していない構成とし、サポートパーツ14は、まず軸挿通孔13eからレバー本体部13bの内部に挿入された後、下方のパーツ収容部13dに嵌め込まれて(落とされて)、バッキング12(バッキング係合部12a)及び連結レバー13(パーツ収容部13d)と長手方向に係合するようにしてもよい。このようにすると、例えば、上下貫通部13cが上方に貫通していない構成とされることで、連結レバー13(レバー本体部13b)の剛性を高くすることができる。
【0086】
・上記実施の形態では、突起4dを打ち出し形成したが、これに限定されず、折り曲げや切り起こしによって形成してもよい。
上記実施の形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
【0087】
(イ)請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両用ワイパにおいて、前記クリップの両側壁を繋ぐ上壁には、上方に突出するとともに上下方向に可撓性を有する弾性突起が形成され、前記ワイパアームの先端連結部における前記上被覆壁には、前記クリップに組み付けられた状態であって前記弾性突起が下方に撓められていない状態で該弾性突起が嵌合されて該弾性突起と長手方向に係合する被嵌合部が形成されたことを特徴とする車両用ワイパ。
【0088】
同構成によれば、クリップの上壁には弾性突起が形成され、先端連結部の上被覆壁には、弾性突起が下方に撓められていない状態で該弾性突起が嵌合されて該弾性突起と長手方向に係合する被嵌合部が形成されるため、弾性突起に何らかの外力が加わらなければ、先端連結部とクリップとが長手方向に相対移動してしまうことが防止される。
【符号の説明】
【0089】
2…ワイパアーム、4…先端連結部、4a…上被覆壁、4b…側被覆壁、4c…係合凹部、4d…突起(抜け止め部)、11…ブレードラバー、11a…払拭部、11b…基部、12…バッキング、13…連結レバー、13a…レバー保持部、13f…案内溝、13g…抜け止め壁部、17…クリップ、17a…側壁、17f…係合凸部、17i…上方下端面、17j…案内凸部、X1…払拭時回動範囲、X2…非払拭時回動範囲。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ワイパに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から車両用ワイパは、ワイパアームとワイパアームに連結されるワイパブレードからなる。そして、ワイパブレードとしては、ブレードラバーと、該ブレードラバーに剛性と弾性を付与するための板ばね状のバッキングと、バッキング及びブレードラバーを把持するように組み付けられる連結レバーとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。このワイパブレードにおける連結装置には、その両側面に突出する突出部に揺動可能に組み付けられてワイパアームに連結されるクリップ(ジョイント部品)が設けられる。又、ワイパアームの先端部には、前記揺動軸線と対応した位置において、クリップの下方(払拭面に近づく方)まで延びる脚部に、クリップの下面を抱え込むように延びる一対の縁部が形成され、これにより先端部はクリップとの上下方向の移動が規制されてクリップと固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2006−500273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した車両用ワイパでは、縁部が形成された部分で、各部材が上下方向に重なることになり、払拭面からの高さが高くなってしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、払拭面からの高さを低くすることができる車両用ワイパを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明では、払拭面を払拭するための払拭部を有した長尺状のブレードラバーと、ブレードラバーの長手方向に沿って設けられ該ブレードラバーに剛性と弾性を付与するための板ばね状のバッキングと、前記ブレードラバー及び前記バッキングの長手方向中央部におけるブレードラバーの基部及びバッキングの周囲を包囲するとともにそれらの長手方向直交方向の移動を規制して保持するレバー保持部を有する連結レバーと、前記連結レバーの両側面と直交する回動軸を中心に回動可能に前記連結レバーに組み付けられるクリップと、前記クリップに連結されるワイパアームとを備えた車両用ワイパであって、前記クリップの両側壁における外側面には、それぞれ係合凸部が形成され、前記ワイパアームの先端連結部には、前記クリップの上面を略覆う上被覆壁と前記クリップの前記外側面を略覆う両側被覆壁が形成され、該両側被覆壁には、前記クリップと長手方向に沿って組み付けられることで前記係合凸部と上下方向に係合する係合凹部が形成されたことを要旨とする。
【0006】
同構成によれば、クリップの両側壁における外側面には、それぞれ係合凸部が形成され、ワイパアームの先端連結部における両側被覆壁には、クリップと長手方向に沿って組み付けられることで係合凸部と上下方向に係合する係合凹部が形成されるため、ワイパアームの上下方向の移動が規制される。そして、このようにすると、クリップが回動する回動軸中心と対応した位置において、例えばクリップの下面を抱え込むように延びる一対の縁部が形成されたもの(部材が上下方向に重なり払拭面からの高さが高くなってしまう従来技術)に比べて、払拭面からの高さを低くすることが可能となる。又、例えば、抱え込み部位としての前記縁部が形成されたものに比べて、ワイパアームの先端連結部を単純な形状とすることができ、その製造を容易とすることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用ワイパにおいて、前記連結レバー又は前記クリップには、前記係合凹部が前記係合凸部と係合しない長手方向の位置に前記ワイパアームの先端連結部がある状態で、該先端連結部に形成された抜け止め部と長手方向に当接する抜け止め壁部が設けられたことを要旨とする。
【0008】
同構成によれば、連結レバー又はクリップには、前記係合凹部が前記係合凸部と係合しない長手方向の位置にワイパアームの先端連結部がある状態で、該先端連結部に形成された抜け止め部と長手方向に当接する抜け止め壁部が設けられるため、ワイパアームの先端連結部からクリップ(ひいてはワイパブレード)が脱落し難くなる。詳しくは、上記構成では、クリップに対してワイパアームの先端連結部をまず下方に相対移動させた後、先端連結部を長手方向に相対移動させて(係合凹部を係合凸部に係合させて)組み付けることになる。又、逆に、クリップに対してワイパアームの先端連結部をまず長手方向に相対移動させ(係合凹部を係合凸部から外し)た後、先端連結部を上方に相対移動させて取り外すことになる。そして、例えば、車両用ワイパが車両に取り付けられた状態では、先端連結部に対してクリップが長手方向に相対移動してしまったとしても、ワイパアームに掛かる付勢力により先端連結部が上方に相対移動し難いため、先端連結部からクリップ側(即ちワイパブレード)が簡単に脱落しなくなる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の車両用ワイパにおいて、前記抜け止め壁部は、前記払拭部が前記払拭面に押圧接触した払拭可能状態での前記クリップの前記連結レバーに対する回動可能範囲である払拭時回動範囲の全域で前記抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されたことを要旨とする。
【0010】
同構成によれば、前記抜け止め壁部は、払拭部が払拭面に押圧接触した払拭可能状態でのクリップの連結レバーに対する回動可能範囲である払拭時回動範囲の全域で抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されるため、前記払拭可能状態ではワイパアームの先端連結部からクリップが脱落し難くなる。即ち、車両用ワイパが車両に取り付けられ払拭部が払拭面に押圧接触した状態では、払拭面(湾曲面)に沿ってクリップの回動角度が変化するが、抜け止め部と抜け止め壁部が前記長手方向に当接することで先端連結部からクリップ側(即ちワイパブレード)が簡単に脱落しなくなる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の車両用ワイパにおいて、前記抜け止め壁部は、前記払拭部が前記払拭面に押圧接触されていない非払拭状態での前記クリップの前記連結レバーに対する回動可能範囲である非払拭時回動範囲の全域で前記抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されたことを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、前記抜け止め壁部は、払拭部が払拭面に押圧接触されていない非払拭状態でのクリップの連結レバーに対する回動可能範囲である非払拭時回動範囲の全域で抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されるため、前記非払拭状態でもワイパアームの先端連結部からクリップが脱落し難くなる。即ち、例えば、所謂ロックバック状態でクリップの回動角度が変わっても、抜け止め部と抜け止め壁部が前記長手方向に当接することで先端連結部からクリップ側(即ちワイパブレード)が簡単に脱落しなくなる。又、勿論、非払拭時回動範囲は払拭時回動範囲を含むそれ以上の範囲であるため、前記払拭可能状態では先端連結部からクリップが更に脱落し難くなる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の車両用ワイパにおいて、前記クリップの両側壁における自身の回動する回動軸中心から離間した位置の下端面は、前記回動軸中心と対応した位置の下端面より位置が高い上方下端面とされ、前記抜け止め部は、前記クリップに前記ワイパアームの先端連結部が組み付けられた状態で、前記上方下端面と当接するように突出した突起とされたことを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、クリップの自身の回動する回動軸中心から離間した位置の下端面は、前記回動軸中心と対応した位置の下端面より位置が高い上方下端面とされるが、これは回動軸中心と対応した位置に設けられる回動連結部(支持軸)が無いことで可能となる。そして、抜け止め部は、クリップにワイパアームの先端連結部が組み付けられた状態で、前記上方下端面と当接するように突出した突起とされるため、係合凹部と係合凸部に加えて、上被覆壁と突起によっても(補助的に)クリップに対するワイパアームの上下方向の移動が規制される。よって、組み付けた状態で、クリップに対するワイパアームの上下方向の移動を強固に規制することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の車両用ワイパにおいて、前記連結レバーの両側面には案内溝が形成され、前記クリップの両側壁における内側面には前記案内溝に嵌る案内凸部が形成され、前記突起は、前記案内凸部の下端と当接するように配置され、前記案内溝の一方の終端と当接することで前記連結レバーに対する前記クリップの一方の回動を規制することを要旨とする。
【0016】
同構成によれば、突起は、クリップの案内凸部の下端と当接するように配置され、案内溝の一方の終端と当接することで連結レバーに対するクリップの一方の回動を規制するため、突起と案内凸部の剛性を互いに高めつつ、回動を予め設定した範囲で規制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、払拭面からの高さを低くすることができる車両用ワイパを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態における車両用ワイパの斜視図。
【図2】本実施の形態における車両用ワイパの一部分解斜視図。
【図3】本実施の形態における車両用ワイパの一部断面図。
【図4】本実施の形態における車両用ワイパの一部断面図。
【図5】(a)(b)本実施の形態における連結レバーの斜視図。
【図6】本実施の形態におけるバッキング、連結レバー、及びクリップを組み付けた斜視図。
【図7】本実施の形態におけるクリップの斜視図。
【図8】本実施の形態におけるバッキング、連結レバー、及びクリップを組み付けた側面図。
【図9】本実施の形態におけるワイパブレードの斜視図。
【図10】本実施の形態におけるワイパアームの斜視図。
【図11】本実施の形態における車両用ワイパを説明するための側面図。
【図12】本実施の形態における車両用ワイパを説明するための側面図。
【図13】本実施の形態における車両用ワイパを説明するための側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図13に従って説明する。図1に示すように、車両用ワイパ1は、自動車の払拭面としてのフロントガラスに付着した雨滴等を払拭するためのものであって、ワイパアーム2と、該ワイパアーム2に連結されるワイパブレード3とから構成されている。ワイパアーム2は、その基端部がワイパモータ(図示略)の駆動力にて所定角度で往復回動されるピボット軸(図示略)に固定され、該ピボット軸の往復回動に伴って往復揺動運動を行う。尚、このワイパアーム2は、図示しない付勢機構により、その先端連結部4がフロントガラス(払拭面)側に付勢される。そして、ワイパアーム2の先端連結部4には、ワイパブレード3が連結される。
【0020】
ワイパブレード3は、図2〜図4に示すように、払拭面(フロントガラス)を払拭するための払拭部11aを有した長尺状のブレードラバー11と、ブレードラバー11の長手方向に沿って設けられ該ブレードラバー11に剛性と弾性を付与するための板ばね状のバッキング12とを備える。本実施の形態のブレードラバー11は、図3に示すように、長手方向直交方向断面が略長方形の基部11bと、該基部11bの幅方向中央から下方に延びる括れ部11cと、該括れ部11cから更に下方に延びる前記払拭部11aとを有する。又、本実施の形態のバッキング12は、図2及び図3に示すように、ワイパブレード3に1本のみ設けられるものであって、その長手方向の中央にバッキング係合部12aが形成されている。バッキング係合部12aは、バッキング12の幅方向の両側が幅方向中央側に切り欠かれた形状に形成されている。
【0021】
又、ワイパブレード3は、図3に示すように、ブレードラバー11及びバッキング12の長手方向中央部におけるブレードラバー11の基部11b及びバッキング12の周囲を包囲してそれらの長手方向直交方向の移動を規制して保持するレバー保持部13aを有した連結レバー13を備える。
【0022】
詳しくは、連結レバー13は、硬質の樹脂材よりなり、図2〜図4、及び図5(a),(b)に示すように、略直方体形状のレバー本体部13bと、図3及び図5(b)に示すように、該レバー本体部13bの下端面における幅方向両側から下方に延びてさらに幅方向内側に延びた腕状の前記レバー保持部13aとを有する。本実施の形態のレバー保持部13aは、図3に示すように、ブレードラバー11の基部11bにおける上端面にバッキング12を当接させた(載置した)状態で、該基部11b及びバッキング12を包囲する構成とされている。
【0023】
又、図2〜図4、及び図5(a)に示すように、レバー本体部13bにおける長手方向一端側には、上方から前記レバー保持部13aまで連通するように貫通した上下貫通部13cが形成されている。上下貫通部13cは、上下方向から見て略4角形に形成されている。又、上下貫通部13cの下端部は、図4に示すように、その長手方向の間隔が小さくされ、後述する移動規制部材としてのサポートパーツ14(図2参照)を収容するためのパーツ収容部13dとされている。
【0024】
又、レバー本体部13bにおける長手方向一端側(上下貫通部13cと対応した位置)には、図2〜図4、及び図5(a),(b)に示すように、その両側面(幅方向の側面)と直交する方向に貫通した軸挿通孔13eが形成されている。即ち、この軸挿通孔13eは、外部と前記上下貫通部13c(前記パーツ収容部13d)とを連通するように、言い換えると、前記上下貫通部13cの幅方向の内側面から外部に抜けるように形成されている。
【0025】
又、レバー本体部13bの両側面における略中央には、図2及び図5(a),(b)に示すように、上下方向に延びる、詳しくは前記軸挿通孔13eの軸中心(回動軸中心)と同心の円弧に沿って延びる案内溝13fが形成されている。
【0026】
又、レバー本体部13bの両側面における長手方向他端部には、図5(a),(b)に示すように、上下方向に延びる抜け止め壁部13gが突出して形成されている。又、レバー本体部13bの上面における長手方向他端部には、図5(a)に示すように、前記抜け止め壁部13gの上端を繋ぐように幅方向に延びる上壁部13hが突出して形成されている。
【0027】
又、レバー本体部13bの両側面における下端部には、図5(a)に示すように、前記抜け止め壁部13gの下端から長手方向一端側まで延びる下壁部13iが突出して形成されている。又、下壁部13iの長手方向一端側端部には、図5(a)に示すように、前記軸挿通孔13eの軸中心(回動軸中心)と同心の円弧凹状に形成された対向面13jが形成されている。
【0028】
又、レバー本体部13bの上面における略中央には、図4及び図5(a)に示すように、逃がし溝13kが形成されている。
又、連結レバー13には、図1、図2及び図9に示すように、レバー本体部13bにおける長手方向一端側から長手方向先端に延びるとともに、後述するケース15のフィン部16に滑らかに繋がる形状の湾曲連結部13lが形成されている。
【0029】
このように構成された連結レバー13は、バッキング12との長手方向の移動が規制されて組み付けられる。詳しくは、まず連結レバー13のレバー保持部13a内に、バッキング12が長手方向に沿って挿入され、前記パーツ収容部13d(図3及び図4参照)と前記バッキング係合部12a(図2参照)の長手方向の位置が一致するように、長手方向の位置決めがなされる。そして、サポートパーツ14が、上方から上下貫通部13cを通されてパーツ収容部13dに嵌め込まれて(落とされて)、バッキング12(バッキング係合部12a)及び連結レバー13(パーツ収容部13d)と長手方向に係合するように組み付けられることで、連結レバー13とバッキング12とは長手方向の移動が規制(長手方向に位置決め)される。尚、本実施の形態のサポートパーツ14は、図3に示すように、長手方向から見て幅方向に延びる中央部14aと、該中央部14aの両端から下方に延びる一対の腕部14bとを有し、その中央部14aがパーツ収容部13d内に没入してパーツ収容部13dと長手方向に係合するとともに、各腕部14bがそれぞれバッキング係合部12aと長手方向に係合する構成となっている。
【0030】
そして、連結レバー13には、前記ワイパアーム2に連結されるクリップ17(図2参照)がその両側面と直交する回動軸中心(前記軸挿通孔13eの軸中心)に回動可能に組み付けられる。
【0031】
クリップ17は、図2に示すように、前記回動軸中心(前記軸挿通孔13eの軸中心)と対応した位置から前記レバー本体部13bの両側面に沿って長手方向基端側に延びる一対の側壁17aと、それら一対の側壁17aを繋ぐとともにレバー本体部13bの上面に沿って延びる上壁17bとを有する。
【0032】
このクリップ17の一対の側壁17aにおける内側面には、図2及び図3に示すように、前記軸挿通孔13eに挿入されることでクリップ17を回動可能に支持する支持軸17cが形成されている。そして、この支持軸17cは、図3に示すように、前記上下貫通部13c内に突出する長さに設定され、その先端部が前記パーツ収容部13dに嵌め込まれたサポートパーツ14の上面と当接して該サポートパーツ14の上方への抜けを規制するための抜け規制部17eとされている。尚、本実施の形態では、前記軸挿通孔13eと支持軸17cとが回動連結部を構成している。
【0033】
又、クリップ17の一対の側壁17aにおける外側面には、図2、図6〜図8に示すように、それぞれ係合凸部17fが形成されている。係合凸部17fは、側壁17aの長手方向一端側端部(支持軸17cの裏側)に形成されている。又、係合凸部17fは、側壁17aにおける上下方向の中央に形成されている。又、係合凸部17fは、上下の端面が長手方向に略沿って形成され、その下端面における長手方向他端部のみ他端側に向かうほど上方に湾曲した曲面とされている。
【0034】
又、図6に示すように、クリップ17の前記上壁17bにおける前記回動軸中心側の端部(支持軸17c側端部であって長手方向一端側端部)には、自身の回動を許容するための切り欠き17gが形成されている。即ち、クリップ17の一対の側壁17aは、図2に示すように、前記支持軸17cよりも長手方向一端側にも僅かに延びているため、その部分にも上壁があると、その上壁が回動時にレバー本体部13bの上面に衝突する方向に回動することになるが、その上面に凹部を形成することなく、回動が許容されるように切り欠き17gが形成されている。
【0035】
又、図7及び図8に示すように、クリップ17の両側壁17aにおける下端面には、前記回動軸中心(支持軸17c及び軸挿通孔13eの軸中心)を中心とした円弧面17hが形成されている。この円弧面17hは、図8に示すように、前記連結レバー13の前記対向面13jと対向するように設定されている。尚、本実施の形態の円弧面17hは、初期状態(組み付けた直後の状態)で前記対向面13jと僅かな隙間を有して対向するように設定され、回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)で摩耗が生じた際に対向面13jと摺接するように設定されている。
【0036】
又、クリップ17の両側壁17aにおける前記回動軸中心(支持軸17c)から長手方向他端側に離間した位置の下端面は、図7及び図8に示すように、前記回動軸中心と対応した位置の下端面(即ち円弧面17h)より位置が高い上方下端面17iとされている。即ち、本実施の形態のクリップ17における両側壁17aの下端面は、回動軸中心(支持軸17c)の下方部分のみが上方下端面17iより円弧凸状に突出した円弧面17hとされている。
【0037】
又、クリップ17の両側壁17aの長手方向他端部は、図8に示すように、前記連結レバー13に組み付けられた状態で、前記抜け止め壁部13gとの長手方向の間に上下方向に沿って延びる隙間Sが生じるように設定されている。
【0038】
又、クリップ17の両側壁17aにおける内側面には、図7に示すように、前記案内溝13f(図5参照)に嵌る案内凸部17jが形成されている。この案内凸部17jは、前記案内溝13fに嵌った状態で該案内溝13fに案内されつつ案内溝13fの上下方向の終端位置に応じて連結レバー13に対するクリップ17のそれ以上の回動を規制するためのものである。
【0039】
又、クリップ17の上壁17bには、図2、図4及び図6に示すように、上方に突出するとともに上下方向に可撓性を有する弾性突起17kが形成されている。この弾性突起17kは、連結レバー13の前記逃がし溝13k(図4及び図5(a)参照)と対応した位置に形成され、該逃がし溝13kによって、組み付けられた状態(図4及び図6参照)での下方への撓みが許容されることになる。
【0040】
又、ワイパブレード3は、図1及び図2に示すように、連結レバー13(レバー保持部13a)の長手方向両側におけるブレードラバー11の基部11b及びバッキング12の周囲を包囲してそれらの長手方向直交方向の移動を規制して保持するケース保持部15a(図2参照)をそれぞれ有した一対のケース15を備えている。
【0041】
ケース15は、軟質の(可撓性を有する)樹脂材よりなり、そのケース保持部15aの形状は、前記レバー保持部13aと同様の形状とされている。即ち、レバー保持部13aと各ケース保持部15aとは、組み付けられた状態で長手方向に連なって、ブレードラバー11の基部11b及びバッキング12をその長手方向全体に亘って包囲(収容)する構成とされている。
【0042】
又、ケース15の上面には、ゴム材又はエラストマー材よりなり、走行風を払拭面側への押圧力に変換するためのフィン部16がニ色成形により設けられている。具体的には、フィン部16は、ワイパブレード3の停止位置において車両後方側に向かうほど(払拭面から)高くなる湾曲面を有した形状に形成されている。そして、連結レバー13の前記湾曲連結部13lは、図2及び図9に示すように、略直方体形状のレバー本体部13bからフィン部16側に向かって徐々に前記湾曲面と対応した形状となるように形成されている。
【0043】
又、本実施の形態では、前記湾曲連結部13lと対応した側のケース15(フィン部16含む)と連結レバー13(湾曲連結部13l)との連結部分は、互いの上端面が面一となるように設定、言い換えれば、両者の連結部分の形状が連続的に移行するように形成されている。又、そのケース15(フィン部16含む)には、図2及び図9に示すように、前記連結レバー13(その湾曲連結部13l)にて上面が覆われるように長手方向に延びる段差部15bが形成されている。
【0044】
又、ワイパブレード3は、図1に示すように、バッキング12の長手方向両端に固定されて、該バッキング12の長手方向端部と、ケース15(フィン部16含む)の長手方向端部と、ブレードラバー11の基部11bにおける長手方向端部とを覆うキャップ18を備えている。
【0045】
上記のように構成されたワイパブレード3は、そのクリップ17がワイパアーム2の先端連結部4に連結固定される。
ワイパアーム2の先端連結部4には、図2及び図10に示すように、前記クリップ17の(上壁17bの)上面を略覆う上被覆壁4aとクリップ17の(両側壁17aの)外側面を略覆う両側被覆壁4bが形成されている。そして、両側被覆壁4bには、図2に示すように、クリップ17と長手方向に沿って組み付けられることでクリップ17の前記係合凸部17fと上下方向に係合する係合凹部4cが形成されている。この係合凹部4cは、両側被覆壁4bにおける上下方向の中央部分に、長手方向先端側(一端側)が開口するように形成され、該開口から係合凸部17fが長手方向に(図11に示す状態から図8に示す状態に)挿入されて組み付けられることで該係合凸部17fと上下方向に係合されることになる。
【0046】
又、先端連結部4の両側被覆壁4bの内側面には、図10に示すように、互いに幅方向中央側に突出する抜け止め部としての突起4dが打ち出し形成されている。この突起4dは、図11に示すように、前記係合凹部4cが前記係合凸部17fと係合しない長手方向の位置に先端連結部4がある状態で、連結レバー13の前記抜け止め壁部13gと長手方向に当接するように形成されている(2点鎖線の状態)。ここで、図12に示すように、本実施形態の前記抜け止め壁部13gは、ブレードラバー11の払拭部11aがフロントガラスに押圧接触した払拭可能状態でのクリップ17の連結レバー13に対する回動可能範囲である払拭時回動範囲X1の全域で突起4dと前記長手方向に当接可能に形成されている。更には、図13に示すように、本実施形態の前記抜け止め壁部13gは、払拭部11aがフロントガラスに押圧接触されていない非払拭状態でのクリップ17の連結レバー13に対する回動可能範囲である非払拭時回動範囲X2の全域で突起4dと前記長手方向に当接可能に形成されている。尚、図12は、前記払拭可能状態でクリップ17が最大に回動した状態を図示している。又、図13は、前記非払拭状態(例えば、所謂ロックバック状態)でクリップ17が最大に回動した状態(前記案内凸部17jが前記案内溝13fの上方の終端位置に当接した状態)を図示している。
【0047】
即ち、突起4dは、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態(図8参照)からクリップ17に対して先端連結部4を長手方向に相対移動させた際(図11参照)に抜け止め壁部13gと長手方向に当接して、それ以上の長手方向の相対移動(抜け)を規制するように設けられている。又、車両用ワイパ1が車両に取り付けられ払拭部11aがフロントガラスに押圧接触した状態では、フロントガラス(湾曲面)に沿ってクリップ17の回動角度が変化するが、その払拭時回動範囲X1(図12参照)では突起4dと抜け止め壁部13gが前記長手方向に当接することで、それ以上の長手方向の相対移動(抜け)は規制されるように設定されている。更に、本実施形態では、例えば、所謂ロックバック状態でクリップ17の回動角度が変化しても、その非払拭時回動範囲X2(図13参照)では突起4dと抜け止め壁部13gが前記長手方向に当接することで、それ以上の長手方向の相対移動(抜け)は規制されるように設定されている。又、突起4dは、抜け止め壁部13gと長手方向に当接した状態(図11〜図13参照)では、抜け止め壁部13gに沿って上下方向の移動が許容(図11では、抜け止め壁部13gとクリップ17の両側壁17aの長手方向他端部との間の上下方向に沿って延びる隙間Sを通って上下方向の移動が許容)されるように設けられている。
【0048】
これにより、組み付ける際は、クリップ17に対して先端連結部4をまず下方に相対移動させた後、先端連結部4を長手方向に相対移動させて(係合凹部4cを係合凸部17fに係合させて)組み付けることになる。又、逆に、取り外す際は、クリップ17に対して先端連結部4をまず長手方向に相対移動させ(係合凹部4cを係合凸部17fから外し)た後、先端連結部4を上方に相対移動させて取り外すことになる。
【0049】
又、突起4dは、図8に示すように、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態で、クリップ17の前記上方下端面17iと当接する位置に形成されている。
又、突起4dは、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態で、前記案内凸部17j(図7参照)の下端と当接する位置に形成され、前記案内溝13f(図5参照)の下方の終端と当接することで連結レバー13に対するクリップ17及び先端連結部4の一方の回動を規制するように設けられている。即ち、突起4dは、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態では、前記案内凸部17jと一体的となり剛性を互いに高め合いつつ、前記一方の回動を規制するように設けられている。
【0050】
又、図2、図4、及び図10に示すように、先端連結部4の上被覆壁4aには、クリップ17に組み付けられた状態(図8参照)であって前記弾性突起17kが下方に撓められていない状態で該弾性突起17kが嵌合されて該弾性突起17kと長手方向に係合する被嵌合部としての被嵌合孔4eが形成されている。これにより、弾性突起17kに何らかの外力が加わらなければ、先端連結部4とクリップ17とが長手方向に相対移動してしまうことが防止されている。
【0051】
又、先端連結部4の両側被覆壁4bには、図3に示すように、上下方向に前記バッキング12と一致する位置まで下方に延びたラップ部4fが形成されている。
次に、上記のように構成された車両用ワイパ1の作用について説明する。
【0052】
上記車両用ワイパ1では、ワイパアーム2とその先端連結部4に固定されたクリップ17に対して(クリップ17を除く)ワイパブレード3が回動可能とされる。そして、ワイパアーム2の先端連結部4が図示しない付勢機構によりフロントガラス(払拭面)側に付勢されることで、その付勢力がクリップ17、連結レバー13、バッキング12を介してブレードラバー11に伝達されて、ブレードラバーの払拭部11aが長手方向全長に亘ってフロントガラス(払拭面)に押圧接触される。又、走行時には、フィン部16にて走行風がフロントガラス(払拭面)側への押圧力に変換されて、ブレードラバーの払拭部11aがフロントガラス(払拭面)に押圧接触される。これらのことから、ワイパアーム2がピボット軸中心に往復回動されると、良好な払拭動作が行われる。
【0053】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)クリップ17の両側壁17aにおける外側面には、それぞれ係合凸部17fが形成され、ワイパアーム2の先端連結部4における両側被覆壁4bには、クリップ17と長手方向に沿って組み付けられることで係合凸部17fと上下方向に係合する係合凹部4cが形成されるため、クリップ17に対するワイパアーム2の上下方向の移動が規制される。そして、このようにすると、クリップ17が回動する回動軸中心と対応した位置において、例えばクリップの下面を抱え込むように延びる一対の縁部が形成されたもの(部材が上下方向に重なり払拭面からの高さが高くなってしまう従来技術)に比べて、払拭面からの高さを低くすることが可能となる。又、例えば、抱え込み部位としての前記縁部が形成されたものに比べて、ワイパアーム2の先端連結部4を単純な形状とすることができ、その製造を容易とすることができる。
【0054】
(2)連結レバー13には、係合凹部4cが係合凸部17fと係合しない長手方向の位置に先端連結部4がある状態で、該先端連結部4に形成された抜け止め部(突起4d)と長手方向に当接する抜け止め壁部13gが設けられるため、先端連結部4からクリップ17(ひいてはワイパブレード3)が脱落し難くなる。詳しくは、上記構成では、クリップ17に対してワイパアーム2の先端連結部4をまず下方に相対移動させた後、先端連結部4を長手方向に相対移動させて(係合凹部4cを係合凸部17fに係合させて)組み付けることになる。又、逆に、クリップ17に対してワイパアーム2の先端連結部4をまず長手方向に相対移動させ(係合凹部4cを係合凸部17fから外し)た後、先端連結部4を上方に相対移動させて取り外すことになる。そして、例えば、車両用ワイパ1が車両に取り付けられた状態では、先端連結部4に対してクリップ17が長手方向に相対移動してしまったとしても、ワイパアーム2に掛かる図示しない付勢機構による付勢力により先端連結部4が上方に相対移動し難いため、先端連結部4からクリップ17側(即ちワイパブレード3)が簡単に脱落しなくなる。
【0055】
(3)抜け止め壁部13gは、払拭部11aがフロントガラスに押圧接触した払拭可能状態でのクリップ17の連結レバー13に対する回動可能範囲である払拭時回動範囲X1の全域で突起4dと前記長手方向に当接可能に形成されるため、前記払拭可能状態ではワイパアーム2の先端連結部4からクリップ17が脱落し難くなる。即ち、車両用ワイパ1が車両に取り付けられ払拭部11aがフロントガラスに押圧接触した状態では、フロントガラス(湾曲面)に沿ってクリップ17の回動角度が変化するが、突起4dと抜け止め壁部13gが前記長手方向に当接することで先端連結部4からクリップ17側(即ちワイパブレード3)が簡単に脱落しなくなる。
【0056】
(4)抜け止め壁部13gは、払拭部11aがフロントガラスに押圧接触されていない非払拭状態でのクリップ17の連結レバー13に対する回動可能範囲である非払拭時回動範囲X2の全域で突起4dと前記長手方向に当接可能に形成されるため、前記非払拭状態でもワイパアーム2の先端連結部4からクリップ17が脱落し難くなる。即ち、例えば、所謂ロックバック状態でクリップ17の回動角度が変わっても、突起4dと抜け止め壁部13gが前記長手方向に当接することで先端連結部4からクリップ17側(即ちワイパブレード3)が簡単に脱落しなくなる。又、勿論、非払拭時回動範囲X2は払拭時回動範囲X1を含むそれ以上の範囲であるため、前記払拭可能状態では先端連結部4からクリップ17が更に脱落し難くなる。
【0057】
(5)クリップ17の自身の回動する回動軸中心から離間した位置の下端面は、前記回動軸中心と対応した位置の下端面(円弧面17h)より位置が高い上方下端面17iとされるが、これは回動軸中心と対応した位置に設けられる回動連結部(支持軸17c)が無いことで可能となる。そして、前記抜け止め部は、クリップ17に先端連結部4が組み付けられた状態で、前記上方下端面17iと当接するように突出した突起4dとされるため、係合凹部4cと係合凸部17fに加えて、上被覆壁4aと突起4dによっても(補助的に)クリップ17に対するワイパアーム2(先端連結部4)の上下方向の移動が規制される。よって、組み付けた状態で、クリップ17に対するワイパアーム2(先端連結部4)の上下方向の移動を強固に規制することができる。
【0058】
(6)突起4dは、クリップ17の案内凸部17jの下端と当接するように配置され、案内溝13fの一方の終端と当接することで連結レバー13に対するクリップ17の一方の回動を規制するため、突起4dと案内凸部17jの剛性を互いに高めつつ、回動を予め設定した範囲で規制することができる。
【0059】
(7)クリップ17の上壁17bには弾性突起17kが形成され、先端連結部4の上被覆壁4aには、弾性突起17kが下方に撓められていない状態で該弾性突起17kが嵌合されて該弾性突起17kと長手方向に係合する被嵌合孔4eが形成される。よって、弾性突起17kに何らかの外力が加わらなければ、先端連結部4とクリップ17とが長手方向に相対移動してしまうことが防止される。
【0060】
(8)ブレードラバー11とバッキング12は、その長手方向全体が、レバー保持部13aとケース保持部15aにて長手方向直交方向の移動が規制されて保持される。そして、ワイパアーム2にクリップ17を介して連結される連結レバー13は、バッキング12に対して長手方向の移動が規制されて組み付けられるため、連結レバー13に対してバッキング12が長手方向にずれることなく固定される。しかも、ケース15を一対とし、各ケース15のケース保持部15aの間においてバッキング12の上面12bに連結レバー13のレバー保持部13aを直接配置した構成であるため、例えば、バッキング12の全長に対応した単一のケースとしてそのケースの長手方向中央を把持するような連結レバーを備えた構成に比べて、ワイパブレード3の高さ方向の部材の重なりを減らすことができる。その結果、払拭面からの高さを十分に低減でき背の低いスリム感のあるデザイン性の良好なワイパブレード3を得ることができる。
【0061】
(9)クリップ17の上壁17bにおける軸回動中心側の端部(支持軸17c側の端部)には自身の回動を許容するための切り欠き17gが形成されるため、例えば、上壁17bの払拭面からの高さを低く保ちながらもレバー本体部13bの上面に回動を許容させるための凹部を形成することなく、クリップ17の回動を許容させることができる。尚、レバー本体部13bの上面に回動を許容させるための凹部を形成しなくてよいことは、レバー本体部13b(連結レバー13)の剛性を高く維持することに寄与する。
【0062】
(10)連結レバー13のレバー本体部13bの両側面及びクリップ17の両側壁17aにおける回動軸中心位置には、互いを回動可能に連結する回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)が設けられることで、クリップ17が連結レバー13に対して回動可能とされる。そして、更に、クリップ17の両側壁17aにおける下端面には、前記回動軸中心と同心の円弧面17hが形成され、連結レバー13には、前記円弧面17hと対向する対向面13jが形成されるため、回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)以外の部分に、回動可能に支持する部分を追加することができる。即ち、クリップ17は、常時、ワイパアーム2から下方(払拭面方向)に力(押圧力)を受けるが、その両側壁17aにおける下端部の円弧面17hを連結レバー13の対向面13jで受け止めることで、回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)の耐久性を向上できる。又、本実施の形態では、初期状態(組み付けた直後の状態)では円弧面17hは、対向面13jと僅かな隙間を有して対向するように設定されるため、寸法精度を高精度としなくても組み付け性が良好となるとともに回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)によるスムーズな回動が確保される。そして、回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)で僅かな摩耗が生じた際には、円弧面17hと連結レバー13が摺接することで、それ以上の回動連結部(軸挿通孔13eと支持軸17c)の摩耗を抑えることが可能となる。
【0063】
(11)連結レバー13には、ケース15のフィン部16に繋がる湾曲連結部13lが形成されるため、ケース15と連結レバー13とを滑らかに繋がった形状(急激な段差を抑えた形状)とすることができ、美観を向上させることができる。又、急激な段差を抑えることができるので、走行風の整流をも良好とすることができる。
【0064】
(12)ケース15(フィン部16含む)と連結レバー13(湾曲連結部13l)との連結部分は、互いの上端面が面一となるように設定されるため、美観を良好とすることができる。しかも、ケース15(フィン部16含む)には、連結レバー13(その湾曲連結部13l)にて上面が覆われるように長手方向に延びる段差部15bが形成されるため、例えば、段差部15bによって上端面の連結部分から内部側への異物(雪や枯葉等)の侵入を低減することができる。
【0065】
(13)レバー保持部13a及びケース保持部15aは、ブレードラバー11の基部11bにおける上端面にバッキング12を当接させた状態で、該基部11b及びバッキング12を包囲して保持する構成であって、ブレードラバー11とバッキング12の間に介在される壁を有さない。よって、前記壁を有するものに比べて、ワイパブレード3の払拭面からの高さを一層低くすることができる。
【0066】
(14)ワイパアーム2の先端連結部4には、上下方向にバッキング12と一致する位置まで下方に延びたラップ部4fが形成されるため、例えば、該部分でバッキング12と共にレバー保持部13aが捩れるように変形しようとしても該ラップ部4fにてその変形を抑えることが可能となる。
【0067】
(15)バッキング12及び連結レバー13と長手方向に係合するように組み付けられて、それらの長手方向の相対移動を規制するサポートパーツ14を備えるため、バッキング12と連結レバー13の位置を合わせてからサポートパーツ14を組み付けることでそれらの長手方向の相対位置を固定することができる。そして、このようにすると、例えば、連結レバーにバッキングとの長手方向の相対移動を規制するための弾性係止部を一体成形したもののように、ブレードラバーと連結レバーとの組み付け時にその弾性係止部が引っ掛かってしまうといったことがない。よって、組み付け性が良く、組み付け時の破損(折れや摩耗)を抑えることができるワイパブレード3を提供することができる。
【0068】
(16)クリップ17には、サポートパーツ14の上方への抜けを規制するための抜け規制部17e(支持軸17cの先端部)が設けられるため、連結レバー13にクリップ17を組み付けることで自動的にサポートパーツ14の上方への抜けを規制することができる。
【0069】
(17)抜け規制部17eは、連結レバー13の軸挿通孔13eに挿入されてクリップ17を回動可能に支持する支持軸17c(その先端部)とされるため、支持軸17cに2つの機能を持たせて、例えば、クリップ17の形状の複雑化を抑えることができる。
【0070】
(18)突起4dを打ち出し形成したため、例えば、折り曲げ形成した場合に比べて、その突出方向や突出量を安定して製造することができる。即ち、折り曲げ形成では、スプリングバックにより突出方向や突出量が安定しない虞があるが、打ち出し形成することで突起4dを容易に安定して高精度に形成することができる。尚、このことは、上記した突起4dに関する効果を安定して得ることに寄与する。
【0071】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、先端連結部4には抜け止め部としての突起4dが設けられ、連結レバー13には、抜け止め壁部13gが設けられるとしたが、これに限定されず、それらが設けられていない構成としてもよい。
【0072】
又、抜け止め壁部13gは、非払拭時回動範囲X2(図13参照)の全域で突起4dと前記長手方向に当接可能に(上下方向に長く)形成されるとしたが、これに限定されず、その上下方向の長さは変更してもよい。例えば、払拭時回動範囲X1(図12参照)の全域では突起4dと前記長手方向に当接可能に形成されつつも、非払拭状態(例えば、所謂ロックバック状態)でクリップ17が最大に回動した状態(案内凸部17jが案内溝13fの上方の終端位置に当接した状態であって、図13参照)では前記長手方向に当接しない抜け止め壁部としてもよい。
【0073】
・上記実施の形態では、抜け止め部は、クリップ17の上方下端面17iと当接するように突出した突起4dとされるとしたが、これに限定されず、例えば、クリップ17の両側壁17aに長手方向に延びるとともに端部が開放されたスリットを形成し、該スリットを長手方向に移動可能に配置される突起としてもよい。
【0074】
・上記実施の形態では、突起4dは、クリップ17の案内凸部17jの下端と当接するように配置されるとしたが、これに限定されず、案内凸部17jの下端に対してずれた位置に設けてもよい。
【0075】
・上記実施の形態では、クリップ17の上壁17bには自身の回動を許容するための切り欠き17gが形成されるとしたが、これに限定されず、例えば、レバー本体部13bの上面に回動を許容させるための凹部を形成してもよい。
【0076】
・上記実施の形態では、クリップ17の両側壁17aにおける下端面には円弧面17hが形成され、連結レバー13には円弧面17hと対向する対向面13jが形成されるとしたが、これに限定されず、円弧面17h及び対向面13jが形成されていない構成としてもよい。
【0077】
・上記実施の形態では、連結レバー13には、ケース15のフィン部16に滑らかに繋がる湾曲連結部13lが形成されるとしたが、これに限定されず、湾曲連結部13lが形成されていない連結レバーとしてもよい。又、ケース15にはフィン部16が設けられるとしたが、これに限定されず、例えば、リアガラスを払拭するための車両用ワイパとした場合等、フィン部16が設けられていないケースとしてもよい。
【0078】
・上記実施の形態では、ケース15(フィン部16含む)と連結レバー13(湾曲連結部13l)との連結部分は、互いの上端面が面一となるように設定されるとしたが、これに限定されず、連結部分の上端面に段差が生じる構成としてもよい。又、ケース15(フィン部16含む)には、連結レバー13(その湾曲連結部13l)にて上面が覆われるように長手方向に延びる段差部15bが形成されるとしたが、これに限定されず、段差部15bが形成されない構成としてもよい。
【0079】
・上記実施の形態では、レバー保持部13a及びケース保持部15aは、ブレードラバー11の基部11bにおける上端面にバッキング12を当接させた状態で、該基部11b及びバッキング12を包囲する構成であるとしたが、これに限定されず、ブレードラバー11とバッキング12の間に壁を介在させてもよい。尚、この壁は、レバー保持部13a及びケース保持部15aにそれぞれ一体成形してもよいし、別体で設けるようにしてもよい。
【0080】
・上記実施の形態では、ワイパアーム2の先端連結部4には、上下方向にバッキング12と一致する位置まで下方に延びたラップ部4fが形成されるとしたが、これに限定されず、ラップ部4fが形成されていない先端連結部としてもよい。
【0081】
・上記実施の形態では、バッキング12及び連結レバー13と長手方向に係合するように組み付けられて、それらの長手方向の相対移動を規制するサポートパーツ14を備えるとしたが、これに限定されず、例えば、連結レバーにバッキングとの長手方向の相対移動を規制するための弾性係止部を一体成形してもよい。
【0082】
・上記実施の形態では、クリップ17には、サポートパーツ14の上方への抜けを規制するための抜け規制部17e(支持軸17cの先端部)が設けられるとしたが、これに限定されず、抜け規制部17eが設けられていないクリップとしてもよい。尚、この場合、例えば、サポートパーツ(移動規制部材)が、自身の組み付け方向の反対方向への抜けを規制するための(連結レバーと係合する)抜け止め爪を有する構成としてもよい。このようにしても、容易に組み付けることができるとともに自動的にサポートパーツ(移動規制部材)の抜けを規制することができる。又、例えば、サポートパーツ(移動規制部材)が圧入固定される構成としてもよい。又、例えば、サポートパーツ(移動規制部材)が接着固定される構成としてもよい。
【0083】
又、例えば、抜け規制部17eが設けられていないクリップとするとともに、クリップ自体に移動規制部材を一体成形してもよい。このようにすると、別体でサポートパーツ14(移動規制部材)を設けたものに比べて、部品点数の増加を抑制することができる。
【0084】
又、抜け規制部17eは、連結レバー13の軸挿通孔13eに挿入されてクリップ17を回動可能に支持する支持軸17cの先端部であるとしたが、サポートパーツ14の抜けを規制することができれば、抜け規制部をクリップ17における他の部分(支持軸17cとは異なる部分)に設けてもよい。
【0085】
・上記実施の形態では、レバー本体部13bには、上方からレバー保持部13aまで連通するように貫通した上下貫通部13cが形成され、サポートパーツ14はレバー本体部13bの上方から上下貫通部13cを通されてパーツ収容部13dに嵌め込まれるとしたが、これに限定されず、他の構成で嵌め込まれるようにしてもよい。例えば、前記上下貫通部13cが上方に貫通していない構成とし、サポートパーツ14は、まず軸挿通孔13eからレバー本体部13bの内部に挿入された後、下方のパーツ収容部13dに嵌め込まれて(落とされて)、バッキング12(バッキング係合部12a)及び連結レバー13(パーツ収容部13d)と長手方向に係合するようにしてもよい。このようにすると、例えば、上下貫通部13cが上方に貫通していない構成とされることで、連結レバー13(レバー本体部13b)の剛性を高くすることができる。
【0086】
・上記実施の形態では、突起4dを打ち出し形成したが、これに限定されず、折り曲げや切り起こしによって形成してもよい。
上記実施の形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
【0087】
(イ)請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両用ワイパにおいて、前記クリップの両側壁を繋ぐ上壁には、上方に突出するとともに上下方向に可撓性を有する弾性突起が形成され、前記ワイパアームの先端連結部における前記上被覆壁には、前記クリップに組み付けられた状態であって前記弾性突起が下方に撓められていない状態で該弾性突起が嵌合されて該弾性突起と長手方向に係合する被嵌合部が形成されたことを特徴とする車両用ワイパ。
【0088】
同構成によれば、クリップの上壁には弾性突起が形成され、先端連結部の上被覆壁には、弾性突起が下方に撓められていない状態で該弾性突起が嵌合されて該弾性突起と長手方向に係合する被嵌合部が形成されるため、弾性突起に何らかの外力が加わらなければ、先端連結部とクリップとが長手方向に相対移動してしまうことが防止される。
【符号の説明】
【0089】
2…ワイパアーム、4…先端連結部、4a…上被覆壁、4b…側被覆壁、4c…係合凹部、4d…突起(抜け止め部)、11…ブレードラバー、11a…払拭部、11b…基部、12…バッキング、13…連結レバー、13a…レバー保持部、13f…案内溝、13g…抜け止め壁部、17…クリップ、17a…側壁、17f…係合凸部、17i…上方下端面、17j…案内凸部、X1…払拭時回動範囲、X2…非払拭時回動範囲。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
払拭面を払拭するための払拭部を有した長尺状のブレードラバーと、
ブレードラバーの長手方向に沿って設けられ該ブレードラバーに剛性と弾性を付与するための板ばね状のバッキングと、
前記ブレードラバー及び前記バッキングの長手方向中央部におけるブレードラバーの基部及びバッキングの周囲を包囲するとともにそれらの長手方向直交方向の移動を規制して保持するレバー保持部を有する連結レバーと、
前記連結レバーの両側面と直交する回動軸を中心に回動可能に前記連結レバーに組み付けられるクリップと、
前記クリップに連結されるワイパアームと
を備えた車両用ワイパであって、
前記クリップの両側壁における外側面には、それぞれ係合凸部が形成され、
前記ワイパアームの先端連結部には、前記クリップの上面を略覆う上被覆壁と前記クリップの前記外側面を略覆う両側被覆壁が形成され、該両側被覆壁には、前記クリップと長手方向に沿って組み付けられることで前記係合凸部と上下方向に係合する係合凹部が形成されたことを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ワイパにおいて、
前記連結レバー又は前記クリップには、前記係合凹部が前記係合凸部と係合しない長手方向の位置に前記ワイパアームの先端連結部がある状態で、該先端連結部に形成された抜け止め部と長手方向に当接する抜け止め壁部が設けられたことを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用ワイパにおいて、
前記抜け止め壁部は、前記払拭部が前記払拭面に押圧接触した払拭可能状態での前記クリップの前記連結レバーに対する回動可能範囲である払拭時回動範囲の全域で前記抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されたことを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用ワイパにおいて、
前記抜け止め壁部は、前記払拭部が前記払拭面に押圧接触されていない非払拭状態での前記クリップの前記連結レバーに対する回動可能範囲である非払拭時回動範囲の全域で前記抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されたことを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の車両用ワイパにおいて、
前記クリップの両側壁における自身の回動する回動軸中心から離間した位置の下端面は、前記回動軸中心と対応した位置の下端面より位置が高い上方下端面とされ、
前記抜け止め部は、前記クリップに前記ワイパアームの先端連結部が組み付けられた状態で、前記上方下端面と当接するように突出した突起とされたことを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項6】
請求項5に記載の車両用ワイパにおいて、
前記連結レバーの両側面には案内溝が形成され、
前記クリップの両側壁における内側面には前記案内溝に嵌る案内凸部が形成され、
前記突起は、前記案内凸部の下端と当接するように配置され、前記案内溝の一方の終端と当接することで前記連結レバーに対する前記クリップの一方の回動を規制することを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項1】
払拭面を払拭するための払拭部を有した長尺状のブレードラバーと、
ブレードラバーの長手方向に沿って設けられ該ブレードラバーに剛性と弾性を付与するための板ばね状のバッキングと、
前記ブレードラバー及び前記バッキングの長手方向中央部におけるブレードラバーの基部及びバッキングの周囲を包囲するとともにそれらの長手方向直交方向の移動を規制して保持するレバー保持部を有する連結レバーと、
前記連結レバーの両側面と直交する回動軸を中心に回動可能に前記連結レバーに組み付けられるクリップと、
前記クリップに連結されるワイパアームと
を備えた車両用ワイパであって、
前記クリップの両側壁における外側面には、それぞれ係合凸部が形成され、
前記ワイパアームの先端連結部には、前記クリップの上面を略覆う上被覆壁と前記クリップの前記外側面を略覆う両側被覆壁が形成され、該両側被覆壁には、前記クリップと長手方向に沿って組み付けられることで前記係合凸部と上下方向に係合する係合凹部が形成されたことを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ワイパにおいて、
前記連結レバー又は前記クリップには、前記係合凹部が前記係合凸部と係合しない長手方向の位置に前記ワイパアームの先端連結部がある状態で、該先端連結部に形成された抜け止め部と長手方向に当接する抜け止め壁部が設けられたことを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用ワイパにおいて、
前記抜け止め壁部は、前記払拭部が前記払拭面に押圧接触した払拭可能状態での前記クリップの前記連結レバーに対する回動可能範囲である払拭時回動範囲の全域で前記抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されたことを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用ワイパにおいて、
前記抜け止め壁部は、前記払拭部が前記払拭面に押圧接触されていない非払拭状態での前記クリップの前記連結レバーに対する回動可能範囲である非払拭時回動範囲の全域で前記抜け止め部と前記長手方向に当接可能に形成されたことを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の車両用ワイパにおいて、
前記クリップの両側壁における自身の回動する回動軸中心から離間した位置の下端面は、前記回動軸中心と対応した位置の下端面より位置が高い上方下端面とされ、
前記抜け止め部は、前記クリップに前記ワイパアームの先端連結部が組み付けられた状態で、前記上方下端面と当接するように突出した突起とされたことを特徴とする車両用ワイパ。
【請求項6】
請求項5に記載の車両用ワイパにおいて、
前記連結レバーの両側面には案内溝が形成され、
前記クリップの両側壁における内側面には前記案内溝に嵌る案内凸部が形成され、
前記突起は、前記案内凸部の下端と当接するように配置され、前記案内溝の一方の終端と当接することで前記連結レバーに対する前記クリップの一方の回動を規制することを特徴とする車両用ワイパ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−82437(P2013−82437A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−207335(P2012−207335)
【出願日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]