説明

車両用信号灯具

【課題】 ライン状の出射面からの光量を簡易な構成にて実現することを課題とする。
【解決手段】 断面が曲線状若しくはV字状の透光性の半筒状導光体からなるテールレンズ(11)と、テールレンズ(11)の二つの階段状の端面(11d,11d)の夫々に設けた複数のLED光源(13)とを備え、前記端面(11d)と交差する後面(11c)には、切欠き部反射面(31)を形成する。これにより、LED光源(13)を点灯したときにはテールレンズ(11)の前面(11a)がライン状発光部(10a)として機能する。このときにライン状発光部(10a)から照射する光は、端面(11d)に設けた複数のLEDからの光とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後端部等に設ける信号灯具、たとえばリアコンビネーションランプに関するもので、発光ダイオード(以下「LED」という。)を光源として用いた車両用信号灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の車両用信号灯具は、光源としてLEDを用いたものが多く見受けられる。LEDを用いた灯具からの光の用い方を大別すると、LEDからの光を直接出射する灯具、LEDからの光を反射面にて反射して照射する灯具、導光体を用いて出射する灯具がある。導光体を用いて出射する灯具として、例えば図12に示す特許文献1の車両用灯具が知られている。
【0003】
特許文献1の車両用灯具90は、前面に開口を有する容器形状の灯具ハウジングの前面に、この前面開口部を覆うように超音波溶着、接着等の適宜手段によってレンズ(アウターカバー)が取り付けられており、ハウジング内にはプリント基板94上に光源としての複数のLED(発光ダイオード)95が格子状または線状に並べられて設けられている。
【0004】
また、各LED95の前方に各LEDの夫々に対応して透明部材で形成され前面側に開口を有する略椀型のリフレクタ96が設けられている。これらのリフレクタ96は、前面開口縁部が正面視六角形状に形成されている。リフレクタ96は無色もしくは着色された透明な樹脂により成形されている。裏面側の頂部にはLED95を収容する凹部96aが形成されていると共に対向する前面側には凸部96dが形成されている。裏面側の凹部96a以外の部分にはアルミ蒸着処理や全反射プリズムカットを形成する等適宜反射処理が施されてLED95からの光を全反射させる反射面96bが形成されており、さらに反射面69bによる反射光の少なくとも一部を灯具前面側へと導く導光部96cが一体に形成されて、各リフレクタ96を構成している。
【0005】
特許文献1の車両用灯具90は、上記のように構成したことで、光源としてのLED95からの光は、リフレクタ96の反射面96bによって反射されると共にその反射光の少なくとも一部をリフレクタ96内の導光部96cへと導き、導光部96c内で反射して進行する。これにより、点灯時の斜め方向視における点灯視認性も向上する。また、灯具の非点灯時にリフレクタ96の造形形状や色をデザイン的に配慮した見栄えを提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−067610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来の車両用灯具は、基本的にLEDの出射方向に向かって照射するものである。そのため、車両用灯具を明るくするためには、凹部96aに収容するLED95の数を多くする等の改善が必要となる。しかし、凹部96aに収容するLED数を多くすれば、凸部96dを通って出射する光量は容易に増加できるものの、導光部96cを通って出射する光の割合が相対的に減少し導光体を通る光量はあまり増加しない。そのため、ライン状の出射面が照射する印象が乏しい。また、各LED95の明るさを明るくすれば、リフレクタ96から出射する光も強くすることができるが、同時に凸部96dを通って出射する光量は増加も増加するため、ライン状の出射面から照射する光量を増加するのは難しいという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ライン状の出射面からの光量を簡易な構成にて増加することが可能な新規な見栄えの車両用信号灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用信号灯具は、
断面が曲線状若しくはV字状の透光性の半筒状導光体と、
前記半筒状導光体の二つの端面の夫々に設けた複数のLED光源とを備え、
前記端面は、階段状の入射面とされ、
前記複数のLED光源の各出射面は、前記入射面に対向するように配置され、
前記端面と交差する後面には、前記半筒状導光体の筒面の一部を切り欠いた反射面が形成され、
前記端面と交差する前面から前記複数のLED光源からの照射光が出射する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記半筒状導光体の内周側には、前記LED光源と異なる他の光源からの光を出射する透光性のレンズ部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記反射面が、前記後面から前記前面に向かって次第に間隔が狭くなる傾斜面とされていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記後面が、前記LED光源の出射中心軸に対して傾斜する後面全反射面とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明とすることにより、半筒状導光体の二つの端面の夫々に設けた複数のLED光源からの光を、半筒状導光体の前面から、ライン状の発光として照射することができ、ライン状の出射面からの光量を簡易な構成にて増加することが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明とすることにより、ライン状の発光と、ライン状の発光に囲われた別の発光とで照射することができる。
【0015】
請求項3の発明とすることにより、半筒状導光体の前面の中で暗くなりやすい箇所の光量を増加することができ、ライン状発光の均一発光を高めることが可能となる。
また、請求項4の発明とすることにより、半筒状導光体の端面に設けたLEDからの照射光を前面側に効率良く反射することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明に係るリアランプの車体後部への取り付け状態を示す概略正面図である。
【図2】図2は、図1のテール&ストップランプユニットの構成を説明するための分解斜視図である。
【図3】図3は、図1のテールレンズを説明する斜視図で、図3(A)が前面側から見た斜視図、図3(B)が後面側から見た斜視図である。
【図4】図4は、図3のテールレンズとLED光源の関係を説明する斜視図で、図4(A)が図3(A)にLED光源を配設した状態を示す前面側から見た斜視図、図4(B)が図3(B)にLED光源を配設した状態を示す後面側から見た斜視図である。
【図5】図5は、図4のテールレンズの側面図である。
【図6】図6は、図5のA−A線断面図である。
【図7】図7は、図4のテールレンズの正面図である。
【図8】図8は、図7のB−B線断面図である。
【図9】図9は、図4のテールレンズの背面図である。
【図10】図10は、図9のC−C線断面図である。
【図11】図11は、図1のストップレンズを模式的に拡大して示す斜視図である。
【図12】図12は、従来の車両用灯具の要部を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態である車両用信号灯具について図1〜図10を参照しながら説明する。
【0018】
図1および図2は本発明に係る車両用信号灯具の一例として自動車の車体後端に設けるリアランプ5を説明するもので、図1が車体後部への取り付け状態を示す概略正面図、図2が図1のテール&ストップランプユニットの構成を説明するための分解斜視図である。
なお、以後の説明および図面において車両後退方向をx方向(車両進行方向を−x方向
、車両上部方向をz方向、車両進行方向右側をy方向、左側を−y方向として表すものとし、図1は車輛の運転者から見て左側のリアランプを示している。
【0019】
リアランプ5は、図1に示すように車体2の後端に設置するランプであって、図示しない透光性のアウターカバーにて覆われている。リアランプ5には、上から順にテール&ストップランプユニット1、サイドランプユニット3およびバックアップランプユニット4と図示しない再帰反射素子を備える。アウターカバーはこれらのユニットの全てを覆う1枚の透光性樹脂からなり、素通し状とされている。
【0020】
本発明においてテール&ストップランプユニット1は、ライン状発光部10aを有するテールライト10と、ライン状発光部10aの内側に位置する台形状の面状発光部20aを有するストップライト20を備える。図1においては3個のテールライト10と3個のストップライト20を有している。
【0021】
図1において、車両の側面方向(紙面左側)から順に第1テール&ストップランプユニット1a、第2テール&ストップランプユニット1b、第3テール&ストップランプユニット1cを備え、夫々のユニット1a、1b、1cがテールライト10およびストップライト20を備える。第1テール&ストップランプユニット1a、第2テール&ストップランプユニット1bおよび第3テール&ストップランプユニット1cは相似形状とし、且つ、車両の側面方向、即ち第1テール&ストップランプユニット1aほど発光面積が小さくなるようにしている。y、−y方向において各ユニットの発光面積を変えることで車両の中央寄り側と側面寄り側との間の奥行感を後続の運転者に与えることができる。
【0022】
テール&ストップランプユニット1について図2を参照して説明する。
テールライト10は、透光性の樹脂材料、例えば赤色のアクリル樹脂製のテールレンズ11と、テールレンズ11を取り付ける固定フレーム12と、複数のLED光源13とテールライト用ハウジング15と、テールレンズ固定部材14からなる。
ストップライト20は、透光性の樹脂材料、例えば赤色のアクリル樹脂製のストップレンズ21と、ストップレンズ21に向かって照射するLED光源を搭載したLED搭載基板23と、LED搭載基板23の前方に設けるインナーレンズ22と、ストップライト用ハウジング24からなる。
【0023】
テールレンズ11は、正面視(x方向からの観視)において図1に示すようなU字状となす前面11aと、前面11aの反対側に位置する後面11bと、前面11aと後面11bとの間を繋ぐ側面11dと、側面11dの前面11a及び後面11b以外の縁に相当する端面11cを備える。テールレンズ11は略四角筒を筒の中心軸AX(図8参照)に対して斜めに切断して切り出した半筒状形状を基本とする。また、透明な樹脂材料にて形成し、且つ、側面11dに鋭角な変曲点を設けないことで導光体としている。側面11dが半筒状形状の筒面に相当する。テールレンズ11については後に詳述する。
【0024】
固定フレーム12は、金属またはABS径樹脂などの剛性に優れた材料により形成され、ストップライト20を固定するための3か所の開口12aと各開口12aの両側に設けた合計6か所のテールレンズ取付け溝12bと、リアランプ用ハウジング6に取り付けるための固定脚12cを備える。開口12aおよびテールレンズ取付け溝12bはx軸に対して傾斜している。
【0025】
LED光源13は、テールレンズ11の端面11dの夫々に設ける一群のLEDからなり、本実施の形態では合計6群のLED群からなる。また、各LED群はテールライト用ハウジング15内に搭載され、各テールライト用ハウジング15内には図示しない配線が設けてある。複数のLED13を実装したテールライト用ハウジング15をテールレンズ11に取り付け、テールレンズ取付け溝12b内に挿入した後、テールレンズ固定部材14にて固定フレーム12とテールレンズ11とを締結して固定する。
【0026】
ストップライト20も固定フレーム12に取り付けて一体化される。ストップレンズ21は、テールレンズの側面11cの内周側(仮想する筒状体の中心軸側)に配設する。固定フレーム12にテールレンズ11を取付ける前に、予めストップライト20を固定フレーム12の開口12aに取り付けておく。
【0027】
ストップレンズ21は、透明なアクリル樹脂からなる箱状体とされている。箱の底部に相当する前面21aと、箱の開口部に相当する開口面21bと、箱の両側面に相当する側面21c,21cと、上面21dと図示しない下面とからなり、前面21aはz軸に対して傾斜した傾斜出射面とされている。
【0028】
LED搭載基板23は、プリント基板上に4個の赤色LEDを実装したもので、主照射方向が前面21a側となるようにLEDが搭載されている。また、LED実装基板23にはインナーレンズ22のフック22aを固定する係止穴が設けられており、インナーレンズ22が取付け固定される。
【0029】
ストップライト用ハウジング24は、LED実装基板23を内部に取り付ける凹部23aを備えており、図2に示すように隣接するストップレンズ21に対応する凹部23aとが一体に黒色樹脂により成型されている。一体に成型することで固定フレーム12に対する取付け位置精度を高めることができる。また、黒色樹脂により成型することでストップライト20の奥行感を高めることができる。
ストップライト用ハウジング24にLED実装基板23およびインナーレンズ22を取付けた状態で固定フレーム12に図示しない固定ネジにて締結する。
【0030】
次に、テールライト10について図3から図10を用いて詳述する。
【0031】
図3はテールレンズ11を説明する斜視図で、図3(A)が照射方向となる前面11a側から見た斜視図、図3(B)が後面11b側から見た斜視図である。また、図3において括弧で付した符号(1a)、(1b)、(1c)は、前記した第1テール&ストップランプユニット1a、第2テール&ストップランプユニット1b、第3テール&ストップランプユニット1cを表すもので、テールレンズ11がどのユニットのテールレンズ11に該当するものかを示している(図4において同じ)。図4は、図3のテールレンズ11とLED光源13の関係を説明する斜視図で、図4(A)が図3(A)にLED光源を配設した状態を示し、前面11a側から見た斜視図である。図4(B)が図3(B)にLED光源を配設した状態を示し、後面11b側から見た斜視図である。
【0032】
また、図5から図10は、図4のLED光源を配置した状態におけるLED光源からの出射光の光線を説明する図面である。図5は、−y方向、即ち側面方向から見た側面図で、図6が図5のA−A線断面図である。図7は、x方向、即ち前面方向から見た正面図で、図8が図7のB−B線断面図である。図9は、−x方向、即ち後面方向から見た正面図で、図10が図9のC−C線断面図である。
【0033】
図3および図4に示すように3個のテールレンズ11(1a)、11(1b)、11(1c)は相似形状をなし、且つ大きさが異なる。各テールレンズ11の前面11aは拡散処理が施された粗面とされている。後面11bは平坦な傾斜面とされている。側面11cは面状の曲面とされ、内周側表面11c1および外周側表面11c2にはシボ加工による拡散処理が施された粗面とされている。各テールレンズ11には少なくとも2つの端面11dが形成されており、端面11d、11dは階段状とされている。また、各テールレンズ11は、図8に示す仮想軸AXを中心軸とする角を丸めた四角筒の一部を切り出した形状に相当し、筒面のうち3つが側面11cとなっている。3つの側面11cは、断面U字状の底部側面11c3、第1側壁11c4及び第2側壁11c5からなる。なお、本実施形態においては略半四角筒形状のものとしたが、これに限るものではない。半円筒形状としたり他の半曲面筒形状のものとしても良い。
【0034】
LED光源13は、面実装型の赤色LEDとされ、出射面13aを階段状とした端面11dに対向するように配設している。好適には階段状の端面11dの各段に相当する平坦面と出射面13aが対向し、各LED光源13の光軸と各平坦面とが直交するように配設する。このように設置することで、階段状の各平坦面に対応する数のLED光源13を設けることができ、また、各LED光源から出射した光を効率よくテールレンズ11内に導くことができる。より好適には、各平坦面に対応する各LED光源を中心点とした半球面からなる入射面を形成するのが良い。このようにすることで、より一層入射効率を高めることができる。端面11dは第1側壁11c4及び第2側壁11c5の夫々の端面を階段状に成型して形成している。
【0035】
なお、本実施形態においては、図8に示すように各端面11bに対して9個のLED光源を設けており、9個のLED光源からの光軸は平行とされている。
このとき、前面11a側の7個のLED光源13からなる第1光源グループ13G1の照射光は、側面11cのうち底部側面11c3に向かって進むように設定されている。底部側面11c3に向かって進行するLED光源13からの照射光L1は、図6に示すように第1側壁11c4(第2側壁11c5)の外周側面11c2にて一部の光が内面反射し、内面反射した後に一部の光が底部側面11c3に到達し、更に底部側面11c3にて内面反射する。このとき、側面11cには拡散処理が施されており、内面反射と同時に一部の光は側面11cから拡散光を出射する。
また、後面11b側の2個のLED光源13からなる第2光源グループ13G2からの照射光L2は、照射光L1と平行とされ、且つ、後面11bに向かって進むように設定されている。後面11bにて内面反射された光線L2は前面11aに向かって進行する。このとき後面11bは平坦面とされているので、光線L2を効率良く内面反射することができる。
【0036】
なお、第1光源グループ13G1と第2光源グループ13G2のLED光源13の数の比は、7:2に限るものではない。ライン状の発光部10aによる照射光をより強調したい場合には第2光源グループ13G2のLEDの照射強度が高くなるように4:6などの比として第1光源グループ13G1より第2光源グループ13G2のLED数を多くしたり、第2光源グループ13G2の輝度の高いLEDを用いる若しくは駆動電流を高くすれば良い。本実施形態においては第2光源グループ13G2に用いるLEDを第1光源グループ13G1のLEDに比べて輝度の高いLEDを使用し同一の電流で点灯させている。
【0037】
後面11bには、切欠き部30が形成されている。切欠き部30は、図3(B)及び図4(B)に示すように後面11bから底部側面11c3の外周側表面の一部を切り欠いたものとされ、図10に示すように断面三角形状としている。この切欠きにより形成した面は透光性樹脂と大気との屈折率差を利用した内面反射面として作用する。
【0038】
第1光源グループ13G1の照射光の光線L1は、前述したように第1側壁11c4(第2側壁11c5)の外周側面11c2にて一部の光が内面反射し、内面反射した後に一部の光が底部側面11c3に到達し、更に底部側面11c3にて内面反射する(図6参照)。次いで、この内面反射した光線L1の一部の光は、図10に示すように切欠き部30の側面に到達し、内面反射する。この切欠き部反射面31にて内面反射した光線をL3とする。光線L3は底部側面11c3の内部を前面11aに向かって進行し、前面11aから照射する。切欠き部30の深さおよび厚さを適宜調整することで、前面11aから光量を調整することができる。
【0039】
LED13が点灯したときには、底部側面11c3の前面、第1側壁11c4の前面および第2側壁11c5の前面からなる略U字状の全面11aをライン状に発光させることができる。また、側面11cが拡散面とされているので、側面11cの全体も発光する。従って、テールライト10は、ライン状発光部10aが車両後方に向かって照射し、側面11cが面状発光部として車両後方近傍を照射する。
【0040】
次に、ストップライト20についても図2及び図11を用いて詳述する。図11はストップレンズ21を模式的に拡大して示す斜視図である。
【0041】
ストップレンズ21の前面21aには所定のレンズカットを設け、LED搭載基板23に搭載したLEDからの発光が所定の配光特性となるように屈折させる。上面21dおよび下面にはレンズカットを設けず、素通し状とされる。なお、ストップレンズ21の上方には、リアランプ用ハウジング内に設けたリフレクタ7が固定フレーム12の上型を覆うように形成されている(図1参照)。側面21cには第1領域21c1、第2領域21c2および第3領域21c3が形成されている。第1領域21c1は表面にシボ加工を施して拡散面としている。第2領域21c2は表面にシボ加工を施し、更にその表面に銀色の蒸着を施して白濁した銀色拡散反射面としている。第3領域21c3は平坦な表面に銀色の蒸着を施した反射面としている。
【0042】
ストップレンズライト20を観視したとき、非点灯状態においては前面21aが透明な屈折レンズカットが観視される。周辺には、赤色樹脂により形成したU字状のテールレンズ11を並設しているので、赤色レンズにて囲われた状態が視認される。このとき、側面21cに銀色反射面とした第3領域21c3が奥まった位置に存在するので、ストップレンズ21および/またはテールレンズ11を通して第3領域21c3で反射する。これによりランプを観察する者に対し奥行き感を与えることができる。特に第二領域を設けたことでコントラストのあるものと感じるので、より一層奥行き感を高めることができる。点灯状態においては、前面21a、上面21dおよび下面を通して赤色LEDによる発光が観視される。側面21c側から観視したときには拡散面とされた第1領域21c1から赤色発光が拡散照射され、その拡散光が、テールレンズ11の内周側表面11c1に到達し、テールレンズ11の内周側表面11c1にて更に拡散反射する。テールレンズ11の内周側表面11c1にて拡散反射した光は、第2領域21c2および第3領域21c3にて再度反射し、拡散度合を高める。これにより点灯状態においても奥行き感を高めることができる。
【0043】
次に第2の実施の形態について説明する。
【0044】
第1の実施の形態においては、3個のテールライト10の全てに赤色LED光源13を使用して赤色を照射するものとした。これにより第2の実施の形態においては、最も車両外側に位置する第1テール&ストップランプユニット1aのテールライト10およびストップライトに用いるLEDをアンバー色を発光するLEDに置換することで、ターンランプユニットとする。
【0045】
透明なストップレンズ(内周側レンズ)および赤色のテールレンズ(外周側レンズ)を通してアンバー色のLED発光が照射されるので、非点灯状態においては統一感の高いリアランプとして観察される。点灯状態においては、テール&ストップランプユニットから赤色発光が、ターンランプユニットからアンバー色発光が照射されるので意匠上の統一感を高めたリアランプとすることができる。
【0046】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。例えば、LED光源の色を他の色、例えば赤色発光のLEDとアンバー発光のLEDと白色発光のLEDを同じランプユニットに搭載し、夫々の色のLEDを選択的に点灯可能とすることもできる。内周側レンズであるストップレンズ21を外周側レンズであるテールレンズよりも奥まった位置に設けたリアランプにも適用できる。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、ライン状発光と面状発光をなす各種のランプに適用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 テール&ストップランプユニット
2 車体
3 サイドランプユニット
4 バックアップランプユニット
5 リアランプ
6 リアランプ用ハウジング
10 テールライト
11 テールレンズ
12 固定フレーム
13 LED光源
14 テールレンズ固定部材
15 テールライト用ハウジング
20 ストップライト
21 ストップレンズ
22 インナーレンズ
23 LED搭載基板
24 ストップライト用ハウジング
90 車両用灯具
94 プリント基板
95 LED(発光ダイオード)
96 リフレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が曲線状若しくはV字状の透光性の半筒状導光体と、
前記半筒状導光体の二つの端面の夫々に設けた複数のLED光源とを備え、
前記端面は、階段状の入射面とされ、
前記複数のLED光源の各出射面は、前記入射面に対向するように配置され、
前記端面と交差する後面には、前記半筒状導光体の筒面の一部を切り欠いた反射面が形成され、
前記端面と交差する前面から前記複数のLED光源からの照射光が出射する、
ことを特徴とする車両用信号灯具。
【請求項2】
前記半筒状導光体の内周側には、前記LED光源と異なる他の光源からの光を出射する透光性のレンズ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用信号灯具。
【請求項3】
前記反射面が、前記後面から前記前面に向かって次第に間隔が狭くなる傾斜面とされていることを特徴とする請求項1に記載の車両用信号灯具。
【請求項4】
前記後面が、前記LED光源の出射中心軸に対して傾斜する後面全反射面とされていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の車両用信号灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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