説明

車両用充電システム

【課題】 充電電圧が異なる車両に対して、適正に対応することができ、それぞれの電圧により車両に対する充電を行うことのできる車両用充電システムを提供する。
【解決手段】 車両1に対応した充電受付情報および設定充電電圧からなる充電情報を記憶するメモリ10と、メモリ10から読み出した充電情報に基づいて車両1に対して充電可能に制御する充電制御部7とを備えた充電制御ユニット6と、車室3に駐車した車両1の電源プラグが接続され電源幹線24から複数の充電電圧の電力が供給されるコンセントと、充電制御部7から送られる充電情報に基づいてコンセントに供給される充電電圧を切り換える電力開閉器23とを備えた車室側充電ユニット14と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用充電システムに係り、特に、充電電圧が異なる車両に対して、適正に対応することができ、それぞれの電圧により車両に対する充電を行うことを可能とした車両用充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車が普及しつつあり、電気自動車に対する充電システムが開発されてきている。このような充電システムにおいては、電気自動車を駐車場に駐車させた際に、複数の車両に対して充電することが行われている。
【0003】
そして、車両のバッテリに対して充電を行う場合に、充電の終了制御を行うようになっている。このような充電の終了制御を行う技術として、従来から、例えば、複数台の車両にそれぞれ搭載された駆動用バッテリを充電する充電手段と、各バッテリのバッテリ状態に応じて充電手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、各バッテリ状態に応じてそれぞれの充電時間を算出する第1の演算手段と、各バッテリの所定充電完了時刻および第1の演算手段により算出されたそれぞれの充電時間とに基づいて各バッテリの充電開始時刻を算出する第2の演算手段と、第2の演算手段により算出された充電開始時刻に充電手段による充電をそれぞれ開始する開始手段とを備えるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−116626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術においては、車両に対して充電する充電電圧は、1種類であった。すなわち、例えば、一般家庭用の電源を用いた100Vによる普通充電と、200Vによる倍速充電とが考えられるが、200Vまたは100Vのいずれか一方による充電システムであった。そのため、例えば、200Vによる充電のみを行うシステムにおいては、100Vによる充電を行うことができないという問題を有している。
【0006】
近年、例えば、電動バイクや電動自転車などの車両が普及してきているが、これら電動バイクなどの車両については、一般に、100Vによる充電を行う必要がある。また、電気自動車やハイブリット車などの車両については、200Vによる倍速充電が便利である。そのため、従来のように、いずれか一方のみの電圧による充電システムにおいは、電動バイクなどの車両と、電気自動車などの車両との双方に適正に対応することができないという問題を有している。
【0007】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、充電電圧が異なる車両に対して、適正に対応することができ、それぞれの電圧により車両に対する充電を行うことのできる車両用充電システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る車両用充電システムは、電気車両を駐車可能とした駐車場に設置される車室と、
外部電源から電力が供給される電源幹線と、
前記車両に対応した充電受付情報および設定充電電圧からなる充電情報を記憶するメモリと、前記メモリから読み出した充電情報に基づいて前記車両に対して充電可能に制御する充電制御部とを備えた充電制御ユニットと、
少なくとも1以上設置され、前記車室に駐車した車両の受電側接続器が接続され前記電源幹線から複数の充電電圧の電力が供給される給電側接続器と、前記充電制御部から送られる充電情報に基づいて前記給電側接続器に供給される充電電圧を切り換える電力開閉器とを備えた車室側充電ユニットと、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記給電側接続器は、複数の充電電圧ごとに複数設置されることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2において、複数の充電電圧は、それぞれ100Vおよび200Vであり、前記電源幹線は、単相3線の電源幹線であり、前記電力開閉器は、前記単相3線の各線を切り換えることにより、充電電圧を100Vまたは200Vに切り換えることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項3において、前記充電制御部は、充電電圧が200Vに設定された場合には、充電予約を行った前記車室の車両のみに充電を行うとともに、充電中に他の前記車室の車両に対して充電予約が行われた場合には、現在充電中の車両への充電が終了するまで待機するように制御し、充電電圧が100Vに設定された場合には、充電予約を行った前記車室の車両の他に、次の車両の充電が100Vである場合、他の1つの前記車室の車両に対して充電を許可するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、車室側充電ユニットにより、充電情報の設定充電電圧に基づいて電力開閉器を切り換えるように制御するようにしているので、複数の充電電圧に対して適正に対応する充電システムを得ることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、給電側接続器を、複数の充電電圧ごとに複数設置するようにしているので、充電電圧に応じた給電側接続器を適正に使用することができ、充電電圧により給電側接続器を誤って使用してしまうことがない。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、複数の充電電圧をそれぞれ100Vおよび200Vとするとともに、電源幹線を単相3線の電源幹線とし、電力開閉器により、単相3線の各線を切り換えることにより、充電電圧を100Vまたは200Vに切り換えるようにしているので、100Vまたは200Vの充電電圧を適正に切り換えることができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、充電制御部により、充電電圧が200Vに設定された場合には、充電予約を行った車室の車両のみに充電を行うとともに、充電中に他の車室の車両に対して充電予約が行われた場合には、現在充電中の車両への充電が終了するまで待機するように制御し、充電電圧が100Vに設定された場合には、充電予約を行った車室の車両の他に、次の車両の充電が100Vである場合、他の1つの車室の車両に対して充電を許可するように制御するようにしているので、充電電圧に応じて、充電中以外の車両に対しても適正に充電制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る車両用充電システムの実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る車両用充電システムの実施形態における電力切換器を200Vにより充電する状態に切り換えた状態を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る車両用充電システムの実施形態における電力切換器をL1線による100Vにより充電する状態に切り換えた状態を示す概略構成図である。
【図4】本発明に係る車両用充電システムの実施形態における電力切換器をL2線による100Vにより充電する状態に切り換えた状態を示す概略構成図である。
【図5】本発明に係る車両用充電システムの実施形態におけるL1線による100Vにより充電する場合の電流値を示す説明図である。
【図6】本発明に係る車両用充電システムの実施形態におけるL1線およびL2線による100Vにより充電する場合の電流値を示す説明図である。
【図7】本発明に係る車両用充電システムの実施形態における200Vにより充電する場合の電流値を示す説明図である。
【図8】本発明に係る車両用充電システムの実施形態における充電制御の例を示す説明図である。
【図9】本発明に係る車両用充電システムの実施形態における充電開始動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る車両用充電システムの実施形態における充電中の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は本発明に係る車両用充電システムの実施形態を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態の車両用充電システムは、例えば、電気自動車などのバッテリの電力で走行する車両1を駐車させるため、駐車場2に設置されるものであり、この駐車場2は、複数の車室3を備えている。
【0019】
また、車両用充電システムは、図示しない外部電源からの電力が供給される分電盤4を備えており、分電盤4には、複数の漏電遮断器5が設置されている。また、車両用充電システムは、充電制御ユニット6を備えており、この充電制御ユニット6には、充電の各種制御を行うための充電制御部7が設けられている。また、充電制御ユニット6には、駐車場2の利用者が充電予約の受付などの操作を行うためのキー入力部8が設けられており、充電制御ユニット6には、所定の表示を行う表示部9が設けられている。
【0020】
さらに、充電制御ユニット6には、キー入力部8により入力された充電受付情報を充電リストとして記憶するメモリ10が設けられている。この受付情報としては、本実施形態においては、車両1が駐車される車室番号が用いられる。さらに、メモリ10には、キー入力部8により設定された充電電圧が記憶されるように構成されている。また、充電制御ユニット6には、充電時間を計測するタイマ11が設けられている。
【0021】
また、本実施形態においては、充電制御ユニット6には、所定の印刷を行うプリンタユニット12が設けられており、充電制御ユニット6には、プリンタユニット12に所定のカードを供給するためのカード処理機13が設けられている。さらに、充電制御部7には、後述する車室側充電ユニット14との間で信号の送受信を行うための通信部15が設けられている。
【0022】
また、駐車場2の各車室3には、それぞれ車室側充電ユニット14が配設されており、車室側充電ユニット14には、各種制御を行う車室側制御部16が設けられている。また、車室側充電ユニット14には、充電制御ユニット6との通信を行うための車室側通信部17が設けられており、この車室側通信部17と充電制御ユニット6の通信部15とは、制御用通信線18を介して接続されている。
【0023】
また、各車室側充電ユニット14には、車室3に駐車した車両1の受電側接続器としての電源プラグ19が差し込まれる給電側接続器としての100V用コンセント20および200V用コンセント21がそれぞれ設けられている。また、車室側充電ユニット14には、コンセント20に電気的に接続された電力開閉器23が設けられており、電力開閉器23は、電源幹線24との接続を開閉するスイッチであり、分電盤4からの電源幹線24が漏電遮断器25を介して接続されている。また、車室側充電ユニット14には、電流センサ26および電圧検知部27がそれぞれ設けられている。
【0024】
本実施形態においては、電源幹線24は、L1線、L2線およびN線からなる単相3線であり、この電源幹線24は、L1線とL2線との間で200Vの電圧を有するとともに、L1線とN線との間、L2線とN線との間でそれぞれ100Vの電圧を有するものである。そして、図2から図4に示すように、電力開閉器23は、100Vと200Vとの切換を行う200/100切換器28と、L1線とL2戦との切り換えを行うL1/L2切換器29と、100VのON、OFFの切り換えを行うON/OFF切換器30とを備えている。そして、車室側制御部16は、充電制御部7の通信部15から車室側通信部17を介して送られる充電信号に基づいて、これら各200/100切換器28、L1/L2切換器29およびON/OFF切換器30をそれぞれ切り換えることにより、200V用コンセント21に200Vの電力を供給するか、100V用コンセント20にL1線の100Vの電力を供給するか、100V用コンセント20にL2線の100Vの電力を供給するかをそれぞれ切り換えることができるように構成されている。ここで、図2は200Vで充電するように切り換えた状態を示し、図3はL1線により100Vで充電するように切り換えた状態を示し、図4はL2線により100Vで充電するように切り換えた状態を示している。
【0025】
そして、本実施形態においては、充電制御ユニット6のキー入力部8により、充電予約を行う際に、充電電圧を設定することができるように構成されている。そして、充電電圧を設定した場合、充電制御部7から車室側充電ユニット14に設定電圧を送り、車室側制御部16により電力開閉器23の切り換えを行うように構成されている。そして、この選択された設定電圧はメモリ10に記憶されるように構成されている。
【0026】
ここで、例えば、L1線およびL2線に、それぞれ100Vで15Aの電流を流すことができる電源幹線24を例にすると、図5に示すように、L1線に100Vで15Aの電流が流れるとしたら、検出電流は、L1線とL2線との間では、15A+0A=15Aの電流が流れることになる。図6に示すように、L1線およびL2線にそれぞれ100Vで15Aの電流が流れるとしたら、検出電流は、L1線とL2線との間では、15A+15A=30Aの電流が流れることになる。さらに、図7に示すように、200Vで15A流れるとしたら、検出電流は、L1線とL2線との間では、15A+15A=30Aの電流が流れることになる。
【0027】
そのため、本実施形態においては、図8に示すように、充電制御部7は、充電電圧が200Vに設定された場合には、充電予約を行った車室3の車両1のみに充電を行うものであり、充電中に他の車室3の車両1に対して充電予約が行われた場合には、現在充電中の車両1への充電が終了するまで、待機するように制御するものである。また、充電電圧が100Vに設定された場合には、充電予約を行った車室3の車両1の他に、もう1つの車室3の車両1に対しても充電を行うことが可能である。そのため、充電制御ユニット6の充電制御部7は、メモリ10に記憶された充電予約および設定電圧に基づいて、充電予約の制御を行うものである。
【0028】
なお、本実施形態においては、L1線およびL2線に、それぞれ100Vで15Aの電流を流すことができる電源幹線24を例にした場合について説明したが、例えば、L1線およびL2線に、それぞれ100Vで30Aの電流を流すことができる電源幹線24を用いる場合には、L1線、L2線で60A(200V、30A)の電流を流すことにより、200Vで2台の車両1に対して充電を行うことが可能であり、100Vで4台の車両1に対して充電を行うことが可能となる。
【0029】
また、本実施形態においては、各車室側充電ユニット14の100Vコンセント20および200Vコンセント21部分には、100Vコンセント20および200Vコンセント21部分を被覆するカバー部材31が設けられており、さらに、100Vコンセント20および200Vコンセント21部分には、車室側制御部16の制御信号により、カバー部材31を閉状態に保持するロック機構32が設けられている。このロック機構32は、100Vコンセント20および200Vコンセント21に電源プラグ19が差し込まれた状態で、カバー部材31を閉状態に保持するものである。なお、カバー部材31を設けない場合には、ロック機構32として、100Vコンセント20および200Vコンセント21に差し込まれた電源プラグ19が抜けないように保持する機構で構成するようにしてもよい。
【0030】
充電制御部7は、メモリ10に記憶された充電リストから充電の対象となる車室番号および設定電圧を読み出し、この対象となる車室番号において設定電圧での充電が可能となるように充電信号を車室側充電ユニット14に出力するように構成されており、車室側制御部16は、充電信号に基づいて、電力開閉器23を設定電圧となるように切り換えて、100Vコンセント20または200Vコンセント21と、電源幹線24とを接続して、100Vコンセント20または200Vコンセント21に電源が供給されるように構成されている。
【0031】
また、電圧検知部27および電流センサ26は、100Vコンセント20または200Vコンセント21に送られる電圧値および電流値を検出して車室側制御部16に送るように構成されており、車室側制御部16は、電流センサ26による電流値が所定の値以下になったら、充電が完了したものとして電力開閉器23をOFF動作させるように構成されている。これにより、電源幹線24と100Vコンセント20または200Vコンセント21とが切り離され、電力が完全に供給されない状態となる。そして、車室側制御部16は、充電が完了した場合に充電制御部7にその旨を送信し、充電制御部7は、充電リストに基づいて、他の充電要求がある他の車室3の充電が可能となるように充電信号を出力して、充電される車室3を充電完了後に順次切り換えるように制御するものである。
【0032】
次に、本実施形態の作用について図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0033】
本実施形態においては、まず、駐車場2の利用者が車両1の充電を希望する場合は、車室側充電ユニット14のカバー部材31を開いて、コンセント20に、車両1の充電プラグを差し込んだ後(ST1)、充電制御ユニット6において、利用者が、キー入力部8を操作して、充電予約受付の入力を行う(ST2)。
【0034】
続いて、利用者がキー入力部8を操作して、100Vまたは200Vの充電電圧を設定する(ST3)。そして、充電開始画面が表示部9に表示され(ST4)、確認を選択すると(ST5)、充電制御部7から車室側制御部16に信号を出力し、車室側制御部16によりロック機構32を動作させてカバー部材31をロックさせる(ST6)。そして、ロック機構32のロックが完了しない場合には(ST7)、カバー部材31の確認画面を表示部9に表示させ(ST8)、ロック機構32のロックが完了した場合は、設定充電電圧が200Vの場合は、充電電圧が200Vで設定された旨、メモリ10に記憶させ(ST10)、充電制御部7から車室側制御部16に充電信号を送り、車室側制御部16により電力開閉器23を充電電圧が200Vとなるように切り換える(ST11)。そして、200Vにより充電が開始される(ST12)。
【0035】
一方、設定充電電圧が100Vの場合は、充電電圧が100Vで設定された旨、メモリ10に記憶させ(ST13)、充電制御部7から車室側制御部16に充電信号を送り、車室側制御部16により電力開閉器23を充電電圧が100Vとなるように切り換える(ST14)。そして、100Vにより充電が開始される(ST15)。
【0036】
なお、充電開始画面によりキャンセルを選択すると(ST16)、充電を行わずに終了する。
【0037】
次に、本実施形態における充電中の動作について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0038】
充電中は、200Vで充電している場合は(ST20)、次の充電予約がない場合には(ST21:NO)、そのまま200Vで充電を行い、充電量が最大となった場合または一定の充電時間が経過した後に充電を終了する(ST22)。また、次の充電予約があった場合には(ST21:YES)、充電を待機し(ST23)、先に充電している車両1の充電が終了したら、充電を開始する(ST24)。
【0039】
一方、100Vで充電している場合は、(ST20)、次の充電予約がない場合には(ST25:NO)、そのまま100Vで充電を行い、充電量が最大となった場合または一定の充電時間が経過した後に充電を終了する(ST26)。また、次の充電予約があった場合には、(ST25:YES)、次の車両1の充電が100Vである場合(ST27)、次の車両1に対して充電を開始する(ST28)。また、次の車両1の充電が200Vである場合、充電を待機し(ST23)、先に充電している車両1の充電が終了したら、充電を開始する(ST24)。
【0040】
そして、さらに次の充電予約がない場合には(ST29:NO)、そのまま100Vで充電を行い、充電量が最大となった場合または一定の充電時間が経過した後に充電を終了する(ST30)。また、さらに次の充電予約があった場合には(ST29:YES)、充電を待機し(ST31)、先に充電しているいずれか一方の車両1の充電が終了したら、充電を開始する(ST32)。
【0041】
そして、充電が終了した場合には、カバー部材31のロック機構32を解除して、利用者が電源プラグ19を外して、カバー部材31を閉めることにより、充電動作が完了する。
【0042】
以上述べたように、本実施形態においては、利用者が、100Vまたは200Vの充電電圧を設定し、この設定充電電圧に基づいて電力開閉器23を切り換えるようにしているので、複数の充電電圧に対して適正に対応する充電システムを得ることができる。また、充電制御部7により、充電電圧が200Vに設定された場合には、充電予約を行った車室3の車両1のみに充電を行い、充電中に他の車室3の車両1に対して充電予約が行われた場合には、現在充電中の車両1への充電が終了するまで待機するように制御し、充電電圧が100Vに設定された場合には、充電予約を行った車室3の車両1の他に、もう1つの車室3の車両1に対しても充電を行うように制御するようにしているので、充電電圧に応じて、充電中以外の車両1に対しても適正に充電制御を行うことができる。
【0043】
なお、前記実施形態においては、各車室3に車室側充電ユニット14を設けるようにしたが、必ずしも、全ての車室3に車室側充電ユニット14を設ける必要はなく、一部の車室3に車室側充電ユニット14を設けて複数の車室3において、この車室側充電ユニット14を共有するようにしてもよい。さらに、各車室3に充電ユニットを設けるのではなく、例えば、精算機31に充電ユニットを設け、この充電ユニットを共有するようにしてもよい。
【0044】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 車両
2 駐車場
3 車室
4 分電盤
6 充電制御ユニット
7 充電制御部
8 キー入力部
9 表示部
10 メモリ
11 タイマ
12 プリンタユニット
13 カード処理機
14 車室側充電ユニット
15 通信部
16 車室側制御部
17 車室側通信部
18 制御用通信線
19 電源プラグ
20 100V用コンセント
21 200V用コンセント
23 電力開閉器
24 電源幹線
25 漏電遮断器
26 電流センサ
27 電圧検知部
28 200/100切換器
29 L1/L2切換器
30 ON/OFF切換器
31 カバー部材
32 ロック機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両を駐車可能とした駐車場に設置される車室と、
外部電源から電力が供給される電源幹線と、
前記車両に対応した充電受付情報および設定充電電圧からなる充電情報を記憶するメモリと、前記メモリから読み出した充電情報に基づいて前記車両に対して充電可能に制御する充電制御部とを備えた充電制御ユニットと、
少なくとも1以上設置され、前記車室に駐車した車両の受電側接続器が接続され前記電源幹線から複数の充電電圧の電力が供給される給電側接続器と、前記充電制御部から送られる充電情報に基づいて前記給電側接続器に供給される充電電圧を切り換える電力開閉器とを備えた車室側充電ユニットと、
を備えていることを特徴とする車両用充電システム。
【請求項2】
前記給電側接続器は、複数の充電電圧ごとに複数設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用充電システム。
【請求項3】
複数の充電電圧は、それぞれ100Vおよび200Vであり、前記電源幹線は、単相3線の電源幹線であり、前記電力開閉器は、前記単相3線の各線を切り換えることにより、充電電圧を100Vまたは200Vに切り換えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用充電システム。
【請求項4】
前記充電制御部は、充電電圧が200Vに設定された場合には、充電予約を行った前記車室の車両のみに充電を行うとともに、充電中に他の前記車室の車両に対して充電予約が行われた場合には、現在充電中の車両への充電が終了するまで待機するように制御し、充電電圧が100Vに設定された場合には、充電予約を行った前記車室の車両の他に、次の車両の充電が100Vである場合、他の1つの前記車室の車両に対して充電を許可するように制御することを特徴とする請求項3に記載の車両用充電システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−186926(P2012−186926A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48602(P2011−48602)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】