説明

車両用入力装置

【課題】操舵ハンドルを握ったままで種々の機器を操作できる車両用入力装置を提供する。
【解決手段】検出信号を出力する位置検出部21と検出信号を受信するコンローラ(制御部)52を有する車両用入力装置10において、運転者が操作する位置検出部21を車両用入力装置10の端側近傍に設け、運転者が接触操作する接触操作面15aを位置検出部21の操作部材15の端面とした。これにより、運転者は操舵ハンドルを握ったまま指で車両用入力装置を操作することが可能となる。また、コンローラ52が位置検出部21からの検出信号より運転者の操作位置を判定することにより、多彩な操作を検出することが可能となり種々の機器を操作することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の操舵装置に取り付けられ、車両の前照灯,方向指示器,変速装置,ワイパー,空調機器,オーディオ装置等を操作するための車両用入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両では運転者が車両を操舵しながら多くの機器操作を行う。これらの機器操作には安全走行に必要な操作も多く、例えば日没に伴う前照灯の点灯や方向変更に先立つ方向指示器の操作等が安全走行に必要な操作である。
このような安全走行に必要な操作は、運転者が操舵操作を行いながら操作できることが好ましく、操舵ハンドルを握ったまま操作できることが望まれる。また、変速装置やワイパー,空調機器,オーディオ装置も操舵ハンドルから手を離さずに操作できれば、より安全な走行が可能となる。
【0003】
しかし、例えば、変速装置では、変速装置を操作するシフトレバーが運転席わきのセンターコンソール付近やステアリングコラム等に設けられ、運転者は操舵ハンドルから片手を離さないとシフトレバーを操作することができず、安全運転を妨げるおそれがあるという問題があった。
【0004】
これに対し、一部の上級車種やスポーツタイプの車両では、特許文献1に示されるようなパドルシフトと呼ばれる変速操作機構が設けられ、運転者が操舵装置の一部である操舵ハンドルを握ったまま変速装置を操作することが可能となっている。
【0005】
特許文献1による変速操作機構では、図10に示すように、リング部102と、ホーンなどが収納された中央部103と、連結部104とを備える操舵ハンドル101の左右に延びた連結部104R,104Lに、一対のパドルシフト110R,110Lが取付けられている。
この一対のパドルシフト110R,110Lにより、運転者は操舵ハンドルを握ったまま変速装置を操作することが可能で、一方のパドルシフトの操作により変速機がシフトアップし、他方のパドルシフトの操作により変速機がシフトダウンする。
【0006】
しかし、パドルシフトで操作できるのは変速装置のみであり、変速装置以外の機器を操作するには他の操作機構を備える必要がある。
パドルシフトで操作できない前照灯や方向指示器等の機器は、ストークスイッチと呼ばれる、ステアリングコラム等の車体側に固定された左右一対のコンビネーションスイッチで操作されることが一般的である。
【0007】
この様な従来のストークスイッチは特許文献2に示されており、図11に示すように、操作レバー201の図示せぬ回動軸がホルダ202の軸支部202bで軸支され、ホルダ202の回動軸202aがハウジング203で軸支される。これにより、操作レバー201は軸支部202bを回動中心として回動する第1の操作方向20D1、および回動軸202aを中心軸として回動する第2の操作方向20D2に操作可能となっている。
【0008】
ハウジング203の底部に保持された回路基板204には接点パターン204a,204bが形成されており、操作レバー201が第1の操作方向20D1に操作されると、操作レバー201とリンク駆動体205を介して結合されたスライダ206に保持された摺動子209が接点パターン204a上を移動し、第1の操作方向20D1の操作が検出される。また、操作レバー201が第2の操作方向20D2に操作されると、動作する図示せぬ複数の部材に取り付けられた図示せぬ第2の摺動子が接点パターン204b上を移動し、第2の操作方向20D2の操作が検出される。
【0009】
これにより、例えば第1の操作方向20D1で前照灯のビーム切換を、第2の操作方向20D2で方向指示器の操作を行えるように構成することにより、ビーム切換操作および方向指示器の操作を操舵ハンドルに手を添えた状態での操作することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−255646号公報
【特許文献2】特開2007−12365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、従来のストークスイッチでさらに多くの操作、例えば前照灯の明滅,前照灯をスモールライトの切り替え等の操作を行うためには、操作レバーの先端に回転形のスイッチを追加する等の対応が必要となり、このような追加されたスイッチは操舵ハンドルから手を離さなければ操作できず、安全運転が妨げられるおそれがあった。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、操舵ハンドルを握ったままで種々の機器を操作できる車両用の入力装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題を解決するために、本発明の請求項1による車両用入力装置は、操舵ハンドルとステアリングコラムを有する操舵装置に取り付けられる取り付け部と、前記取り付け部に前記操舵ハンドルの回転中心軸から遠ざかる方向に延出して設けられ、運転者の操作を検出して検出信号を発生する操作入力部と、前記検出信号を受信する制御部と、からなる車両用入力装置において、前記操作入力部は、運転者の手指による操作の位置を検出する位置検出部と前記位置検出部を保持する保持部材を有し、前記位置検出部は前記操作入力部の延出方向先端側に設けられており、前記検出信号は前記運転者の手指による操作位置に基づき発生することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項2による車両用入力装置では、前記制御部は前記操作入力部からの前記検出信号より運転者の操作位置の変化を連続的に判定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項3による車両用入力装置では、前記位置検出部は操作部材と複数のセンサ素子とを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項4による車両用入力装置では、前記複数のセンサ素子は前記運転者の手指による操作の押圧力に応じた前記検出信号を出力することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項5による車両用入力装置では、前記操作部材は前記保持部材に対し弾性部材によって弾性支持されており、前記運転者の手指による操作の押圧力に応じて前記弾性部材が撓むことで前記操作部材が押圧方向に変位するとともに、前記操作部材の押圧方向奥側に設けられた複数の押圧部材を介して、前記複数のセンサ素子がそれぞれ押圧されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項6による車両用入力装置では、前記操作部材の押圧方向手前側の端面に、運転者の手指で認識ができる形状を設けたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項7による車両用入力装置では、前記操作入力部には非操作位置と、運転者の操作によって前記操作入力部が運転者から手前側または奥側の少なくともどちらか一方に傾倒する操作位置とが存在するとともに、前記操作入力部が前記非操作位置と前記操作位置のうちいずれの位置にあるか、を検出する検出スイッチが設けられ、前記検出スイッチの検出結果によって車両の変速装置を制御することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項8による車両用入力装置では、運転者が前記操舵ハンドルを把持した状態で、運転者が手指で操作可能な位置に前記位置検出部が配置されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項9による車両用入力装置では、前記操舵ハンドルはリング部を有しており、前記操作部材の延出方向手前側の端面を前記リング部に沿う形状としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1による車両用入力装置では、運転者の手指による操作の位置を検出する位置検出部を、操作入力部の延出方向先端側に設けたので、運転者は操舵ハンドルを握ったままで車両用入力装置を操作することができ、また、位置検出部が運転者の手指による操作の位置を検出することにより多彩な操作が可能となり、種々の機器を操作が可能となる。
【0023】
また、本発明の請求項2による車両用入力装置では、制御部は運転者の操作位置の変化を連続的に判定するので、例えば運転者が指を位置検出部の一方端側から他方端側に接触したまま移動させると、検出信号が一方端側から他方端側の順に出力されるので、制御部は一方端側から他方端側への移動操作と判定し、例えば方向指示器に右方向ウインカーを点滅させるという動作をさせることができるので、直感的な操作が可能となり、操作性の良い車両用入力装置が提供できる。
【0024】
また、本発明の請求項3による車両用入力装置では、位置検出部は操作部材と複数のセンサ素子とを有する構造としたので、操作部材に自由な形状を付与することができ、また、操作部材と複数のセンサ素子により運転者による操作位置が検出できる車両用入力装置を提供できる。
【0025】
また、本発明の請求項4による車両用入力装置では、押圧力に応じた検出信号を出力するセンサ素子を使用するので、操作時に軽く接触した場合と強く押した場合とで、各種機器に異なる動作をさせるような操作が可能となり、多彩な制御ができる車両用入力装置を提供できる。
【0026】
また、本発明の請求項5による車両用入力装置では、弾性部材が弾性変形することにより、運転者の手指による操作の押圧力に応じて操作部材が押圧方向に変位するので、操作性が向上するとともに、操作部材の押圧方向奥側に設けられた複数の押圧部材を介して、複数のセンサ素子がそれぞれ押圧されるので、操作の押圧力を確実にセンサ素子に伝えることができ、操作性に優れる車両用入力装置を提供できる。
【0027】
また、本発明の請求項6による車両用入力装置では、運転者の手指により操作される操作部材の押圧方向手前側の端面に、手指で認識ができる形状を設けたので、運転者は操作部材を目視しなくても操作部材に触ったことが認識でき、操作性の良い車両用入力装置が実現できる。
【0028】
また、本発明の請求項7による車両用入力装置では、操作入力部は非操作位置から操作位置に傾倒可能であり、操作入力部がいずれの位置にあるかを検出する検出スイッチが設けられているので、検出スイッチの検出結果によって車両の変速装置を制御するシフトアップまたはシフトダウンの信号を発生させることが可能となるので、本発明による車両用入力装置をパドルシフトと兼用することができ、操作性の良い車両用入力装置が実現できる。
【0029】
また、本発明の請求項8による車両用入力装置では、運転者が前記操舵ハンドルを把持した状態で、運転者が手指で操作可能な位置に位置検出部を配置したので、運転者が操舵ハンドルから手を離すことなく手指で操作できる、安全性の高い車両用入力装置が提供できる。
【0030】
また、本発明の請求項9による車両用入力装置では、操作部材の延出方向手前側の端面を操舵ハンドルのリング部に沿う形状としたしたので、運転者は操舵ハンドルを把持したまま、手を操舵ハンドル上でわずかにずらすだけで車両用入力装置を操作できるので、操作性の良い車両用入力装置が提供できる。
【0031】
以上により、本発明による車両用入力装置では、運転者の手指による操作の位置を検出する位置検出部を、操作入力部の延出方向先端に設けたので、運転者が操舵ハンドルを握ったままで種々の機器を操作できる車両用の入力装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の車両用入力装置に係る実施形態の操舵装置への取付状態を説明する図で、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図2】本発明の車両用入力装置に係る実施形態を説明する外観斜視図で、(a)は操舵装置の外観斜視図、(b)は車両用入力装置の外観斜視図である。
【図3】本発明の車両用入力装置に係る実施形態の分解斜視図である。
【図4】本実施形態の車両用入力装置を示す図で、(a)は操作面側から見た外形図、(b)は図4(a)のA−A断面図である。
【図5】本実施形態によるコントローラと複数のフォースセンサの電気的結合状態を説明するブロック図である。
【図6】本発明の車両用入力装置に係る実施形態を操舵装置へ取り付けた状態を説明する図で、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図7】本実施形態に係る車両用入力装置の操作入力部の傾倒操作を説明する操舵装置の上面図である。
【図8】本発明の実施形態の第1の変形例による車両用入力装置の図で、(a)は外観斜視図、(b)は要部断面図である。
【図9】本発明の実施形態の第2の変形例による車両用入力装置の図で、(a)は外観斜視図、(b)は要部断面図である。
【図10】特許文献1に示される従来のパドルシフトの図である。
【図11】特許文献2に示される従来のストークスイッチの図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の車両用入力装置に係る実施形態について、図1から図3を参照して、説明する。
図1は本発明の車両用入力装置に係る実施形態の操舵装置への取付状態を説明する図で、(a)は上面図、(b)は正面図である。図2は本発明の車両用入力装置に係る実施形態を説明する外観斜視図で、(a)は操舵装置の外観斜視図、(b)は車両用入力装置に係る実施形態の外観斜視図である。図3は車両用入力装置に係る実施形態の分解斜視図である。
【0034】
車両の操舵装置は、図1に示すように、車体に固定されたステアリングコラム91と、ステアリングコラム91に回転可能に保持された操舵ハンドル92を有する。本発明の実施形態に係る車両用入力装置はステアリングコラム91または操舵ハンドル92のいずれに取り付けることも可能であるが、以下の実施形態では車両用入力装置10がステアリングコラム91に取り付けられる場合に関して説明する。
【0035】
本発明の実施形態による車両用入力装置では、ステアリングコラム91に左右一対の車両用入力装置10R,10Lが取り付けられる。左右一対の車両用入力装置10R,10Lは互いに形状が左右対称で、操舵ハンドル92の回転中心を通る垂直線の略左右対称で、図2(a)に示すように、運転者から見て操舵ハンドル92より遠い位置に取り付けられる。
【0036】
車両用入力装置10は、図2(b)に示すように、ステアリングコラム91に取り付けられる取り付け部11と、操舵ハンドル92の回転中心軸から遠ざかる方向に取り付け部11から延出する操作入力部12よりなり、操作入力部12は運転者の操作位置を検出する。
【0037】
以下、図3を参照して、本実施形態の車両用入力装置10を説明する。なお、以下ではステアリングコラム91の右側に取り付けられる右側用の車両用入力装置10Rを説明するが、左側用の車両用入力装置10Lは形状および構成が左右対称であること以外は右側用の車両用入力装置10Rと同等であるので、左側用の車両用入力装置10Lの説明は省略する。以降、右側用の車両用入力装置10Rを単に車両用入力装置10と記載する。
【0038】
取り付け部11は、成形材等で形成され、車両用入力装置10をステアリングコラムに取り付けるための取付孔11aと、操作入力部12を軸支するための貫通孔11bを有する。
【0039】
操作入力部12は位置検出部21,ケース(保持部材)13,カバー14,操作部材保持バネ(弾性部材)18,FPCホルダ19,コントローラ(制御部)52,FPC53と、組み立て用の複数のネジで構成され、位置検出部21は、操作部材15,押圧部材16,押圧バネ17およびフォースセンサ(センサ素子)51で構成される。
【0040】
ケース13は、成型材等で上部が開放された略箱状に形成され、一方の端部に操作部材15が組み込まれる開放された開放端13dが設けられ、開放端13dの反対側の他方の端部には、取り付け部11の貫通孔11bと組み合わされて操作入力部12を取り付け部11に回動可能に軸支する取付孔13aを有し、底面部の略中央には、フォースセンサ51を実装するFPC53の一部が保持される台座部13bを有し、開放端13d寄りの中間部に,操作部材保持バネ18を係止するバネ受け部13eを有する。また、他方の端部付近の一方側には斜め上方に突出する腕状のパドル部13cを有する。
【0041】
カバー14は、成形材等で略板状に形成され、開放されたケース13の上部に取り付けられる。
【0042】
操作部材15は、成形材等で略板状に形成され、一方の側面は開放されたケース13の開放端13dに露出する操作面15aであり、他方の側面には押圧バネ17を介して押圧部材16を摺動可能に保持する複数の押圧部材保持孔15bを有する。また、操作部材15の押圧方向手前側の操作面15aには、運転者の手指で認識ができる凸形状15c(が設けられている。
【0043】
押圧部材16は、成形材等で形成され、フォースセンサ51を押圧する半円柱形状の押圧部16aと、他方の端面には押圧バネ17を保持する円柱部16bとを有する。
【0044】
押圧バネ17は、バネ用ステンレス鋼線等をコイル状に形成した圧縮バネで、押圧部材16とともに操作部材15の押圧部材保持孔15bに挿入される。
【0045】
フォースセンサ51は、略直方形のセンサで、上面が押圧されると押圧力に応じた検出信号を出力する。
【0046】
コントローラ52はフォースセンサ51の検出信号を受信するとともに、複数のフォースセンサ51の検出信号を組み合わせることにより、運転者の操作動作を判定する。
【0047】
FPC53は、可撓性のフィルムに銅等の導電配線が形成され、3つのフォースセンサ51とコントローラ52が実装される。3つのフォースセンサ51は操作部材15の操作面15aの範囲の略中央と、操作面15aの範囲の両方の端部側近傍の3カ所に対向する位置に実装される。
【0048】
FPCホルダ19は、成形材等で形成され、ケース13の台座部13bに配設されたFPC53を押さえる。その際、フォースセンサ51が露出されるように、FPCホルダ19には切り欠き部が形成されている。
【0049】
操作部材保持バネ18は、バネ用ステンレス鋼線等をコイル状に形成した圧縮バネで、ケース13の開放端13dから突出する方向に操作部材15を付勢する。
【0050】
次に、図4を参照して、本実施形態の車両用入力装置の組み立て構造と、運転者が車両用入力装置10を手指で操作したときの操作位置検出動作を説明する。図4は本実施形態の車両用入力装置を示す図で、(a)は車両用入力装置10を操作面15a側から見た外形図で、(b)は図4(a)のA−A断面図である。
【0051】
図4(b)に示すように、車両用入力装置10は取り付け部11と操作入力部12よりなり、操作入力部12は運転者の手指での操作位置を検出する位置検出部21を有する。位置検出部21は操作部材15,押圧部材16,押圧バネ17、およびフォースセンサ51で構成され、操作部材15が操作部材保持バネ(弾性部材)18を介してケース13に弾性的に保持され、フォースセンサ51がFPC53を介してケース13の台座部13bに保持されている。また、操作部材15の3つの押圧部材保持孔15bには押圧バネ17と押圧部材16がそれぞれ組み込まれ、複数の押圧部材16の先端の押圧部16aが位置検出部21の複数のフォースセンサ51の上面にそれぞれ当接している。
【0052】
操作部材15は操作部材保持バネ18によりケース13の端部から突出する方向に付勢されているが、操作部材15の一部がケース13の内壁13fに当接することにより停止し、操作部材15の操作面15aはケース13の開放端13dからわずかに突出する。
【0053】
運転者が手指で操作部材15の操作面15aを操作すると、手指での操作による押圧力で、操作部材保持バネ18が撓み、操作部材15は押圧方向に変位する。これにより運転者は操作した感触を得ることができ、操作性が向上する。
【0054】
また、手指での操作による押圧力は、押圧バネ17を介して押圧部材16を押圧方向に付勢し、押圧部材16の押圧部16aがフォースセンサ51を押圧する押圧力が変化する。フォースセンサ51は押圧力に応じた検出信号を出力するので、押圧部材16がフォースセンサ51を押圧する押圧力が変化するとフォースセンサ51の検出信号も変化する。
【0055】
本発明の実施形態による車両用入力装置10では、3つのフォースセンサ51が操作面15aの範囲の略中央と、操作面15aの範囲の両方の端部近傍の3カ所に対向する位置に配置される。運転者が操作部材15の操作面15aを操作すると、操作位置に近い位置のフォースセンサ51は大きな押圧力をうけ、接触位置から遠い位置のフォースセンサ51は小さな押圧力しかうけない。例えば、運転者が操作面15aの一端側を操作すると、操作面15aの一端側に対向する位置に配置されたフォースセンサ51には大きな押圧が掛かるが、操作面15aの他端側に対向する位置に配置されたフォースセンサ51は小さな押圧しか掛からない。
【0056】
フォースセンサ51は押圧力に応じた検出信号を出力するので、操作の位置により位置検出部21の複数のフォースセンサ51からの複数の検出信号に差が生じる。位置検出部21の複数のフォースセンサ51から出力された検出信号はコントローラ52に入力され、コントローラ52は複数の検出信号の変化から操作位置を検出することが可能となる。
【0057】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る車両用入力装置での運転者の操作の動作検出について説明する。
図5はコントローラと複数のフォースセンサの電気的結合状態を説明するブロック図である。
【0058】
本実施形態に係る車両用入力装置10の複数のフォースセンサ51のならび方を、例えば運転者から見て上下方向とした場合、運転者が手指で操作面15aを上から下に操作した場合、最初に上側のフォースセンサ51の検出信号が大きく変化し、そののち中央のフォースセンサ51の検出信号が大きく変化し、最後に下側のフォースセンサ51の検出信号が大きく変化する。
【0059】
コントローラ52には、図5に示すように、位置検出部21の複数のフォースセンサ51からの複数の検出信号が入力されており、コントローラ52は複数の検出信号を連続的に監視している。従ってコントローラ52は複数の検出信号の変化のタイミングから運転者の操作動作を検出することが可能となっている。
例えば、上記の如く、最初に上側のフォースセンサ51の検出信号が大きく変化し、そののち中央のフォースセンサ51の検出信号が大きく変化し、最後に下側のフォースセンサ51の検出信号が大きく変化すると、コントローラ52は操作面15aが上から下に連続に操作されたことを検出し、運転者が上下方向の操作動作を行ったと判定する。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る車両用入力装置10では、運転者が操作入力部12の開放端13d(延出方向先端側面)に露出している位置検出部21の操作部材15の操作面15aを操作すると、コントローラ52に入力される位置検出部21の複数のフォースセンサ51からの検出信号が変化し、コントローラ(制御部)52は操作を検出することができる。さらに、コントローラ52は複数の検出信号の変化のタイミングから運転者の操作動作を判定することができる。
【0061】
本実施形態に係る車両用入力装置10では、操作の位置および操作動作を検出することができるので、例えば、方向指示器の操作モードであれば、操作面15aの一端側が操作されれば一方側の方向指示器を点滅させ、操作面15aの他端側が操作されれば他方側の方向指示器を点滅させ、操作面15aの一端側から他端側に連続して操作された場合には他方側に複数個設けた方向指示器を流れるように点灯させるという様な操作も可能となる。
このような連続した操作動作での機器の操作は方向指示器以外の種々の機器の操作にも適用可能で、例えばワイパーの操作モードであれば、連続した操作動作で間欠動作の速さを変えるというような機器の操作が可能となる。
【0062】
さらに、本実施形態に係る車両用入力装置10では、運転者の手指による操作の押圧力に応じた検出信号を出力するセンサ素子(フォースセンサ)を用いたので、位置検出部21が大きな押圧力に応じた複数の検出信号を出力した場合には、例えば方向指示器の操作モードであれば、点滅間隔を非常に短くする、というような操作動作の検出も可能である。
【0063】
上記のような多彩な操作動作の検出はコントローラ52の判定条件設定により自由に変更可能である。
【0064】
コントローラ52は、車両本体側の制御装置から指定された動作モード(例えば方向指示器の操作モード)に従い、運転者の操作動作(例えば一方端から他方端への連続した操作)の検出結果から、動作モードに応じた制御信号(例えば複数の方向指示器を流れるように点灯させる信号)を出力する。従って複数の機器の操作を行う場合、操作対象機器ごとに検出する操作動作の種類を変更することが可能で、また、車両の種類ごとに変更することもできる。
【0065】
これにより、本発明の実施形態に係る車両用入力装置10では種々の機器を操作することが可能となる。
【0066】
なお、上記のように本実施形態として、コントローラ52が複数の検出信号のタイミングの違いから連続した操作を検出した場合を例にして説明を行ったが、単に操作面の一部を押圧し、その位置に対応した機器の操作させることが可能な点はいうまでもない。
【0067】
次に、本実施形態による車両用入力装置10を操舵装置へ取り付けた場合の運転者による操作の状況を説明する。
図6は本発明の車両用入力装置に係る実施形態を操舵装置へ取り付けた状態を説明する図で、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【0068】
図6(a)に示すように、右側用の車両用入力装置10Rおよび左側用の車両用入力装置10Lのいずれにおいても、運転者が操作する部位は、取り付け部11にステアリングコラム91から遠ざかる方向に延出して設けられた、操作入力部12の延出方向先端側面に露出した位置検出部21の操作部材15の操作面15aとなっている
【0069】
運転者は、本発明の実施形態に係る車両用入力装置10の取り付け部11が取り付けられる操舵装置の操舵ハンドル92を把持した状態で、車両を操舵するが、操作入力部12の操作面15aはステアリングコラム91から遠ざかる方向に延出して設けられているので、運転者は操舵ハンドル92を把持した状態のままで手指を伸ばすことにより、車両用入力装置10を接触可能となっている。
【0070】
また、車両用入力装置10の操作面15aである位置検出部21の延出方向の端面の操作部材15の操作面15aは、図6(b)に示すように、取り付け部11が取り付けられる操舵装置の操舵ハンドル92のリング部92aに沿う形状とされているので、運転者は操舵ハンドル92を把持したまま、手を操舵ハンドル92上でわずかにずらすだけで車両用入力装置10を操作できる。
【0071】
以上より、本発明の実施形態に係る車両用入力装置10では、運転者が操舵ハンドルを把持したまま車両用入力装置10を操作可能であるので、運転者は操舵ハンドルを握ったままで種々の機器を操作でき、操作性の良い車両用入力装置が提供できる。
【0072】
次に、本実施形態の車両用入力装置10の操作入力部12の傾倒操作により、車両の変速装置を制御する操作を説明する。
図7は本発明の実施形態に係る車両用入力装置の操作入力部の傾倒操作を説明する操舵装置の上面図である。
【0073】
本発明の実施形態に係る車両用入力装置10では、操作入力部12が取り付け部11に回動可能に保持されており、図7に示すように、操作入力部12は非操作時に自動復帰する非操作位置P1から、運転者から手前側または奥側の少なくともどちらか一方(図7は手前側の場合を示す)の操作位置P2に傾倒可能となっている。
車両用入力装置10は、操作入力部12を非操作位置P1に復帰させる復帰バネ(図示しない)と、検出スイッチ(図示しない)を有しており、検出スイッチは操作入力部12が操作位置P2に傾倒されたことを検出する。
【0074】
本発明の実施形態に係る車両用入力装置10では、検出スイッチの検出結果によって、例えば右側の車両用入力装置10Rの操作入力部12が操作位置P2の位置に移動したことが検出された場合は、車両の変速装置をシフトアップする信号を発生させ、左側の車両用入力装置10Lの操作入力部12が操作位置P2の位置に移動したことが検出された場合は、車両の変速装置をシフトダウンする信号を発生させる。以上より、本発明の実施形態に係る車両用入力装置10は、車両の変速装置をシフトアップ,シフトダウンするパドルシフトとして使用できる。
【0075】
このとき、車両用入力装置10の操作は操舵ハンドル92の回転中心軸に向かう方向で、パドルシフトの操作方向は操舵ハンドル92の回転中心軸に沿う方向であるので、車両用入力装置10の操作方向とパドルシフト操作方向は直交している。従って、車両用入力装置10にパドルシフト機能を持たせても、車両用入力装置10の操作が阻害されることはない。
【0076】
なお、上記の実施形態では、検出スイッチは操作入力部12が操作位置P2に傾倒されたことを検出する、としたが、検出スイッチは操作入力部12が非操作位置P1にあることを検出する、または、非操作位置P1および操作位置P2の両方を検出する構成としても良い。
【0077】
以上の、本発明の実施形態の車両用入力装置10では検出素子をフォースセンサとしたが、検出素子は運転者の手指を検出できるセンサであればどのようなセンサでも使用でき、例えば歪み抵抗素子や静電センサ等でも同様の車両用入力装置を構成できる。
【0078】
また、本発明の実施形態の車両用入力装置10では、検出素子の数を3としたが、検出素子の数は必要に応じ自由に増減しても良い。
【0079】
また、本発明の実施形態の車両用入力装置10では、操作面に指で操作位置を認識できる凸形状を設けるとしたが、指で操作位置を認識することができ、視認する必要がない形状であれば凹形状、または任意の形状を設けても良い。
【0080】
また、本発明の実施形態の車両用入力装置10はステアリングコラム91に取り付ける構造としたが、車両用入力装置はステアリングコラム91ではなく、操舵ハンドル92に取り付けても良い。または、操作入力部12のみを取り出してステアリングコラム91または操舵ハンドル92に取り付けても良く、さらには位置検出部21のみを取り出してステアリングコラム91または操舵ハンドル92に取り付けても良い。
【0081】
また、本発明の実施形態の車両用入力装置10では、コントローラ(制御部)52をFPC53に実装する、としたが、コントローラは操作入力部12の外部に設けても良い。または、車両用入力装置10の外部にコントローラを設けても良い。
【0082】
また、本発明の実施形態の車両用入力装置10では、コントローラ(制御部)52は指定された動作モードに従い、運転者の操作動作の検出結果から、動作モードに応じた制御信号を出力するとしたが、コントローラ52は位置検出部21から出力された複数のフォースセンサ51から検出信号を出力するのみとし、動作モードに応じた制御信号は車両本体側の制御装置で発生させる構成としても良い。
【0083】
また、本発明の実施形態の車両用入力装置10では、右側用の車両用入力装置10Rと左側用の車両用入力装置10Lは形状および構成が左右対称であること以外は同等である、としたが、右側用の車両用入力装置10Rと左側用の車両用入力装置10Lに異なる特徴を与えてもよい。
例えば右側用の車両用入力装置10Rと左側用の車両用入力装置10Lの検出素子の数を変えることや、右側用の車両用入力装置10Rと左側用の車両用入力装置10Lの制御部の機能を個別にし、例えば、左側用の車両用入力装置10Lを動作モードの選択用とし、右側用の車両用入力装置10Rを選択された機器の操作用とすることも可能である。
【0084】
<実施形態の第1の変形例>
次に、図8を参照して、本発明の実施形態の第1の変形例を説明する。
図8は本発明の実施形態の第1の変形例による車両用入力装置の図で、(a)は外観斜視図、(b)は図4(a)のA−Aに相当する位置の断面図である。なお、図8(a)では、理解を容易とするためカバーの記載を省略している。また、実施形態と同一の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0085】
本発明の実施形態の第1の変形例による車両用入力装置10では位置検出部71は操作部材65,押圧部材66,押圧バネ67,接触板70およびフォースセンサ(センサ素子)51で構成される。
【0086】
押圧部材66は、一方端がフォースセンサ51を押圧する半円柱形状の押圧部66aとなり、一方端近傍には側方に延出する腕部を有し、他方端には押圧バネ67を保持する穴部を有している。
【0087】
操作部材65は、一方端に押圧バネ67とともに押圧部材66を保持する窪み部66bを有し、他方端は接触板70と当接する曲面となっている。
【0088】
接触板70は、湾曲した可撓性を有する板状の部材で、一面側が複数の操作部材65の他方端と当接し、他面側には運転者が手指で認識ができる凸形状が設けられている。
【0089】
押圧部材66と押圧バネ67は操作部材65の窪み部に組み込まれ、押圧バネ67により、押圧部材66と操作部材65は互いに離間する方向に付勢されるが、押圧部材66の突出形状と操作部材65の突出形状が係合して停止している。
【0090】
押圧部材66はケース(保持部材)63の内壁にて摺動可能に保持されるとともに、圧縮バネ68によりフォースセンサ51方向に付勢される。これにより、押圧部材66の押圧部66aはフォースセンサの上面に押圧される。
【0091】
接触板70の一面側は、両端部がケース63に保持され、中間部にて複数の操作部材65の他方端と当接している。また、複数の操作部材65と当接する複数の部位の中間部分とケース63は隙間を有している。
【0092】
運転者が接触板70を操作すると、押圧により接触板70は弾性変形し、押圧力は操作部材65から押圧バネ67に伝わり、さらに押圧バネ67が押圧部材66をフォースセンサ51方向に押圧し、フォースセンサ51の検出信号が変化する。これにより運転者の操作が判定できる。
運転者が複数の操作部材65の中間部分を操作すると、接触板70は操作の押圧により弾性変形するので、操作位置近傍のフォースセンサ51は大きな押圧をうけ、操作位置から離れたフォースセンサ51は小さな押圧をうける。従って、複数のフォースセンサ51の検出信号から、操作位置を判定することができ、複数のフォースセンサ51の検出信号のタイミングから運転者の操作動作を判定することができる。
【0093】
本発明の実施形態の第1の変形例では運転者の操作による押圧が操作部材65,押圧バネ67,押圧部材66を介して複数のフォースセンサ51にかかるので、感度の良い検出が可能となる。
【0094】
また、押圧バネ67の強さをフォースセンサ51が破損する押圧力以下で変形する強さとすることにより、通常の操作では押圧バネ67はほとんど撓まず操作部材65にかかった押圧力はすべて押圧部材66にかかるが、異常操作により接触板70が過剰な押圧力で押圧された場合には押圧バネ67が撓み、押圧部材66には押圧バネ67の変形による力のみがかかるので、フォースセンサ51に過剰な押圧力がかかることが回避でき、異常操作された場合でもセンサ素子が破損しない、信頼性の高い車両用入力装置が提供できる。
【0095】
なお、本発明の実施形態の第1の変形例では押圧部材66が圧縮バネ68によりフォースセンサ51方向に付勢される構造としたが、押圧部材66がケース63の端面から抜け出すことを防ぐ係止構造を設け、圧縮バネ68を廃しても良い。
【0096】
また、本発明の実施形態の第1の変形例では、操作されたときの押圧が操作部材65から押圧バネ67を介して押圧部材66に加えられる構造としたが、フォースセンサ51の背面に過剰押圧力回避構造を設ける等の対策を行い、操作圧が押圧部材66に直接かかる構造としても良い。
【0097】
<実施形態の第2の変形例>
次に、図9を参照して、本発明の実施形態の第2の変形例を説明する。
図9は本発明の実施形態の第2の変形例による車両用入力装置の図で、(a)は外観斜視図、(b)は図4(a)のA−Aに相当する位置の断面図である。なお、図9(a)では、理解を容易とするためカバーの記載を省略している。また、実施形態および第1の変形例と同一の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0098】
本発明の実施形態の第2の変形例による車両用入力装置10では位置検出部81は接触板70およびフォースセンサ(センサ素子)51で構成される。
【0099】
ケース(保持部材)83は、成型材等で上部が開放された略箱状に形成され、一方の端部に複数のフォースセンサ(センサ素子)51が組み込まれる複数の凹部83aを有する。
【0100】
複数のフォースセンサ51は、FPC53に実装され、ケース83の複数の凹部83aにFPC53を介して保持され、フォースセンサ51の上面は接触板70の一面側に当接する。
【0101】
本発明の実施形態の第2の変形例による車両用入力装置10では、運転者が接触板70を操作すると、操作の押圧力は接触板70を介してフォースセンサ51を押圧し、フォースセンサ51の検出信号が変化する。これにより運転者の操作が検出できる。
【0102】
本変形例では運転者の操作の押圧力がフォースセンサ51に直接掛かるので、精度の良い検出が可能となり、また、構成部品が少ないので安定性に優れた車両用入力装置が提供できる。
【0103】
なお、本発明の実施形態の第2の変形例では、フォースセンサ51がケース83の凹部83aに直接保持される構造としたが、フォースセンサ51と凹部83aの間に、過剰な押圧力で押圧された場合にフォースセンサ51に過剰な押圧力が掛かることを回避する構造を追加しても良い。または、センサ素子を過剰な押圧力でも破損しない歪み抵抗素子や静電センサ等に変更しても良い。
【符号の説明】
【0104】
10 車両用入力装置
10R (右側用)車両用入力装置
10L (左側用)車両用入力装置
11 取り付け部
11a 取付孔
11b 貫通孔
12 操作入力部
13 ケース(保持部材)
13a 取付孔
13b 台座部
13c パドル部
13d 開放端
13e バネ受け部
13f 内壁
14 カバー
15 操作部材
15a 操作面
15b 押圧部材保持孔
15c 凸形状
16 押圧部材
16a 押圧部
16b 円柱部
17 押圧バネ
18 操作部材保持バネ(弾性部材)
19 FPCホルダ
21 位置検出部
51 フォースセンサ(センサ素子)
52 コントローラ(制御部)
53 FPC
63 ケース(保持部材)
65 操作部材
66 押圧部材
66a 押圧部
66b 窪み部
67 押圧バネ
68 圧縮バネ
70 接触板
71 位置検出部
81 位置検出部
83 ケース(保持部材)
91 ステアリングコラム
92 操舵ハンドル
92a リング部
92b 中央部
92c 連結部
92d 操舵軸
P1 非操作位置
P2 操作位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
操舵ハンドルとステアリングコラムを有する操舵装置に取り付けられる取り付け部と、
前記取り付け部に前記操舵ハンドルの回転中心軸から遠ざかる方向に延出して設けられ、運転者の操作を検出して検出信号を発生する操作入力部と、
前記検出信号を受信する制御部と、からなる車両用入力装置において、
前記操作入力部は、運転者の手指による操作の位置を検出する位置検出部と前記位置検出部を保持する保持部材を有し、
前記位置検出部は前記操作入力部の延出方向先端側に設けられており、
前記検出信号は前記運転者の手指による操作位置に基づき発生することを特徴とする車両用入力装置。

【請求項2】
前記制御部は前記操作入力部からの前記検出信号より運転者の操作位置の変化を連続的に判定することを特徴とする、請求項1に記載の車両用入力装置。

【請求項3】
前記位置検出部は操作部材と複数のセンサ素子とを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用入力装置。

【請求項4】
前記複数のセンサ素子は前記運転者の手指による操作の押圧力に応じた前記検出信号を出力することを特徴とする、請求項3に記載の車両用入力装置。

【請求項5】
前記操作部材は前記保持部材に対し弾性部材によって弾性支持されており、前記運転者の手指による操作の押圧力に応じて前記弾性部材が撓むことで前記操作部材が押圧方向に変位するとともに、前記操作部材の押圧方向奥側に設けられた複数の押圧部材を介して、前記複数のセンサ素子がそれぞれ押圧されることを特徴とする請求項4に記載の車両用入力装置

【請求項6】
前記操作部材の押圧方向手前側の端面に、運転者の手指で認識ができる形状を設けたことを特徴とする、請求項3から5のいずれかに記載の車両用入力装置。

【請求項7】
前記操作入力部には非操作位置と、運転者の操作によって前記操作入力部が運転者から手前側または奥側の少なくともどちらか一方に傾倒する操作位置とが存在するとともに、前記操作入力部が前記非操作位置と前記操作位置のうちいずれの位置にあるか、を検出する検出スイッチが設けられ、前記検出スイッチの検出結果によって車両の変速装置を制御することが可能な請求項1から6のいずれかに記載の車両用入力装置。

【請求項8】
運転者が前記操舵ハンドルを把持した状態で、運転者が手指で操作可能な位置に前記操作部材の延出方向先端側の端面が配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の車両用入力装置。

【請求項9】
前記操舵ハンドルはリング部を有しており、前記操作部材の延出方向先端側の端面を前記リング部に沿う形状としたことを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の車両用入力装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−97762(P2013−97762A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243172(P2011−243172)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】