説明

車両用内装構造

【課題】乗員の満足感又は快適性の低下を抑制可能な車両用内装構造を提供する。
【解決手段】車両用内装構造100は、ブラックライトインク、蛍光物質等の所定のパターンが形成される車室内側の表面11及び車室内側とは反対側の裏面12を有し、紫外線発光部等の第1の発光部によって紫外線が表面11に照射される時に所定のパターンを視認可能にする外表皮10等の外表部と、車室内側とは反対側の方向に配置され、第1の発光部とは異なるLED素子51等の光源を有する可視光線発光部50等の第2の発光部と、を備える。外表部は、第1の発光部によって紫外線が照射されていない時に第2の発光部によって照射される光を車室内側の方向DR1に透過可能に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられる車室を規定する又は車室に露出する車両用内装構造等に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用内装構造として、特許文献1の図2は、例えば天井面を覆う内装表皮材1と、車室側の内装表皮材1の表面に形成された模様要素3A,3B,3Cとを開示する。ここで、例えば昼光下で模様要素3A,3Bは視認不可能であり且つ模様要素3Cは視認可能である一方、例えば夜間に紫外線灯6(ブラックライト)下で模様要素3A,3Bが励起発光して視認可能になる。さらに、模様要素3Aが蓄光特性を有し、且つ模様要素3Bが蓄光特性を有しないので、例えば夜間に紫外線灯6を消灯すると、模様要素3Bは視認不可能になり、且つ模様要素3Aは例えば2時間継続して視認可能である。このような構成により、夜間において紫外線灯6の点灯により昼間と異なる内装の印象を乗員に与えるとともに、紫外線灯6の消灯により内装の印象の更なる変化を引き起こすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平08−000194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1において、例えば夜間に紫外線灯6を点灯する時、模様要素3Aだけでなく、模様要素3Bも視認可能になる。言い換えれば、点灯する紫外線灯6を消灯した時、乗員は既に模様要素3Bを認識しているので、内装の印象が変化する程度が低く、乗員の満足感が低下する場合もある。加えて、例えば夜間に紫外線灯6を消灯した後の模様要素の発光時間ないし残存期間(例えば2時間)は、模様要素3Aの蓄光特性に依存してしまう。言い換えれば、乗員は模様要素3Aの発光時間を制御することができず、乗員に不快感を与える場合もある。
【0005】
本発明の1つの目的は、乗員の満足感又は快適性の低下を抑制可能な車両用内装構造を提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び好ましい実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
【0007】
本発明に従う第1の態様は、所定のパターンが形成される車室内側の表面及び前記車室内側とは反対側の裏面を有し、第1の発光部によって紫外線が前記表面に照射される時に前記所定のパターンを視認可能にする外表部と、
前記反対側の方向に配置され、前記第1の発光部とは異なる光源を有する第2の発光部と、
を備え、
前記外表部は、前記第1の発光部によって前記紫外線が照射されていない時に前記第2の発光部によって照射される光を前記車室内側の方向に透過可能に形成されることを特徴とする車両用内装構造に関係する。
【0008】
第1の発光部によって絵、柄、模様等の所定のパターンが視認可能になるとともに、第2の発光部によって色彩等の光源が外表部を透過して視認可能になる。第2の発光部の光源は、独立して制御可能であるので、乗員の満足感又は快適性の低下を抑制することができる。
【0009】
第1の態様において、前記第2の発光部によって照射される前記光は、前記第1の発光部によって前記紫外線が照射されている時に遮断されていてもよい。
【0010】
外表部を介した第2の発光部の光源からの光の透過が遮断されているので、第1の発光部によって所定のパターンがより確実に視認可能になる。さらに、第1の発光部から第2の発光部に切り替える前に、第2の発光部からの透過光が視認不可能であり、内装の印象が変化する程度が高く、乗員の満足感が向上する。
【0011】
第1の態様において、車両用内装構造は、前記外表部と前記第2の発光部との間に配置される複数の中空構造体を
さらに備えてもよく、
前記外表部及び前記中空構造体は、弾力性を有してもよい。
【0012】
第2の発光部の光源からの光が中空構造体を介して外表部に到達するので、第2の発光部によって色彩等の光源の濃淡を表現し、例えば透明感のある光、柔らかい光等の印象を乗員に与えることができる。なお、中空構造体の配置パターンによって、絵、柄、模様等の所定のパターンを構成することができる。加えて、中空構造体の弾力性によって、外表部の弾力性が強調され、例えば衝突吸収力を発揮することで、外表部の素材の安心感、爽快感を乗員に与えることもできる。
【0013】
第1の態様において、車両用内装構造は、前記中空構造体と前記第2の発光部との間に配置され、第2の発光部によって照射される光が透過可能なライニング部を
さらに備えてもよい。
【0014】
一般的なライニング部を透過可能にするとともに、外表部が中空構造体を介してライニング部上に形成されることで、多様なライトアップをライニング部の車室150内側に提供することができる。
【0015】
第1の態様において、前記第2の発光部の前記光源は、少なくとも2色の各々の光を切り替え可能に発光してもよい。
【0016】
第2の発光部による色彩を例えば乗員の気持ちに応じて変化させることで、乗員の快適性を向上させることができる。また、動的な視覚効果を乗員に与えることも可能である。
【0017】
第1の態様において、前記外表部の前記表面は、第1の発光部によって紫外線が前記表面に照射されない時に無地であってよい。
【0018】
第1の発光部によって初めて所定のパターンが出現するので、内装の印象が変化する程度が高く、乗員の満足感が向上する。また、例えば外表部をキャンパスに見立てることで、乗員の快適性が向上する。
【0019】
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】車室の説明図を示す。
【図2】本発明に従う車両用内装構造の適用例を示す。
【図3】本発明に従う車両用内装構造の構成例を示す。
【図4】図3の車両用内装構造の分解斜視図の1例を示す。
【図5】第1の発光部及び第2の発光部を制御する制御システムの機能ブロック図の1例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に説明する好ましい実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0022】
図1は、車室の説明図を示す。自動車等の車両200は、車室を備え、図1の例において、車室には、例えば、ルーフライニング110、右側前方のドアラニング120、左側前方のドアラニング121、及びメータ180等を有するインストルメントパネル130、フロントガラス140等が設けられている。言い換えれば、これらの部材によって車室又は車室空間が規定され、これらの部材が車室に露出している。これらの部材で車室の内装を構成することができる。例えば、内装部材としてのルーフライニング110は、樹脂、織物、不織布等で構成される。本願発明に従う車両用内装構造は、ルーフライニング110、ドアラニング120,121、インストルメントパネル130、図2のシート160等の内装部材に適用することができる。
【0023】
図2は、本発明に従う車両用内装構造の適用例を示す。図2の例において、車両200の車室150は、ライニング部としての例えば図1のルーフライニング110を備え、本発明に従う車両用内装構造が適用されるルーフライニング110の特徴的な構造の詳細については、後述するが、車両用内装構造は、概して、紫外線発光部5(第1の発光部とも言う。)によって視認可能な所定のパターンが形成される車室150内側の表面11を有し、表面11と例えば車体60との間に第2の発光部をさらに有している。車両用内装構造が図1のルーフライニング110に適用される場合、車両用内装構造の外表部を基準として車室150内側の方向が符号DR1で示されている。
【0024】
図2の例において、紫外線発光部5は、シート160のヘッドレストの上に配置されているが、紫外線発光部5の配置を変更することができる。紫外線発光部5の配置は、車両用内装構造が適用される場所に従って、紫外線発光部5によって紫外線が表面11に直接的に又は間接的に照射されるように決定することができる。乗員170の眼171は車両200の前方向を向いているが、乗員170が前方を向いたままでも、乗員170が見上げることにより、又は乗員170が乗車した時に、乗員170の視野の一部又は全部に、紫外線によって表れる表面11上の所定のパターンの一部又は全部が入る。
【0025】
図3は、本発明に従う車両用内装構造の構成例を示す。図3の例において、車両用内装構造100の断面が示されている。図4は、図3の車両用内装構造100の分解斜視図の1例を示す。図4の例において、車両用内装構造100の形状(又は平面図)は、正方形を有するが、車両用内装構造100の実際の形状は、例えば図1のルーフライニング110の全部又は一部の形状と一致させ又はその形状に従って変更させることができる。もちろん、ルーフライニング110等の内装部材の一部に、図4で示すような例えば正方形の形状を有する車両用内装構造100が適用されてもよい。
【0026】
図3の例において、所定のパターンを形成するブラックライトインク10a〜10iが例えばインクジェットプリンタにより表面11に印刷されている。ブラックライトインク10a〜10iは、蛍光物質を含み、例えば紫外線LED素子、紫外線蛍光灯で構成可能な紫外線発光部5から紫外線が蛍光物質に照射されることにより、蛍光物質が励起されて、蛍光物質又はブラックライトインク10a〜10iが所定のパターンとして発光する。蛍光物質又はブラックライトインク10a〜10iからの光は、可視光線を形成し、その可視光線が乗員170の眼171に入ることで、乗員170は、所定のパターンを認識する。所定のパターンが絵、柄、模様等を表すように蛍光物質又はブラックライトインク10a〜10iを配置することができる。
【0027】
なお、蛍光物質は、蓄光特性を有しない方が好ましく、例えば、紫外線発光部5を消灯した後、所定のパターンが乗員170によって認識できる残光時間は、好ましくは数秒以内であり、さらに好ましくは1秒以内である。また、蛍光物質の種類又は発光色の数は、1つでもよく、複数でもよい。例えば絵、柄、模様等をカラーで表す時、蛍光物質の種類又は発光色の数は、3原色である赤色、緑色及び青色の3つ又はそれ以上であることが好ましい。
【0028】
また、ブラックライトインク10a〜10i等の蛍光物質は、紫外線発光部5によって紫外線が照射されない時に透明であること好ましく、表面11又は表面11の下地は、無地であることが好ましい。紫外線発光部5によって初めて所定のパターン(透明→発光)が出現するので、内装の印象が変化する程度が高く、乗員170の満足感が向上する。また、例えば無地である表面11をキャンパスに見立てることで、乗員170の快適性が向上する。
【0029】
図3の例において、外表皮10は、車室150内側の表面11及び車室150内側とは反対側の裏面12を有する。外表皮10の1例において、好ましくは、外表皮10の厚さは、0.1[mm]であり、0.6[mm]〜1.2[mm]程度の一般的な厚さよりも、非常に薄く、好ましくは、トリコット(ポリエステル)で構成される。外表皮10は、紫外線発光部5によって紫外線が表面11に照射される時に所定のパターン(10a〜10i)を視認可能にするように、表面11は、例えば紫外線発光部5を向いている。車両用内装構造100は、車室150内側とは反対側の方向(符号DR1の反対方向)に配置され、紫外線発光部5(第1の発光部)とは異なる光源例えば黄色LED素子51を有する可視光線発光部50(第2の発光部とも言う。)を備える。図3の例において、例えば黄色LED素子51、例えば青色LED素子52、及び例えばLED基板53で第2の発光部50を構成することができる。第2の発光部50の光源は、可視光線LED素子の代わりに、可視光線蛍光灯等で構成してもよい。また、第2の発光部50の光源の種類又は発光色の数は、例えば黄色及び青色の2つであるが、例えば黄色等の任意の色の1つでもよく、3つ又はそれ以上であってもよい。
【0030】
黄色LED素子51、青色LED素子52等を有する第2の発光部50は、例えば黄色の光を車室150内側の方向DR1に外表皮10の裏面12に向けて照射する。外表皮10は、黄色の光に対して透過可能に形成され、例えば透明物質、半透明物質等で構成することができる。なお、外表皮10の厚さを薄くすることでも、外表皮10は、黄色の光等の可視光線を透過可能である。紫外線発光部5によって絵、柄、模様等の所定のパターンが視認可能になるとともに、例えば黄色LED素子51によって例えば黄色の色彩の光源が外表皮10を透過して視認可能になる。黄色LED素子51等の光源は、独立して制御可能であるので、黄色LED素子51の発光時間を制御することができ、従って、乗員170の快適性を向上させることができる。なお、黄色、赤色、オレンジ色のような暖色は、乗員170に暖かい感じを与えることができ、黄色LED素子51を黄色以外の暖色LED素子に変更してもよい。黄色LED素子51を点灯し続けることで、その点灯時間の間、乗員170は、その暖色に満足することができる。
【0031】
なお、特許文献1においては、模様要素3Aの発光時間を制御することができず、乗員に不快感を与える場合、乗員の満足感を低下させる場合もある。
【0032】
図3の例において、車両用内装構造100は、外表皮10と第2の発光部50(黄色LED素子51、青色LED素子52)との間に配置される複数の中空21を有する構造体(中空構造体)及びライニング部30を備えることが好ましいが、これらを備えなくてもよい。外表皮10だけを外表部と呼ぶことができるが、中空構造体が省略されて、例えば外表皮10及びライニング部30の組み合わせを外表部と呼ぶこともできる。或いは、外表皮10の厚さを増して、ライニング部30も省略してもよい。
【0033】
第2の発光部50の光源からの光が中空構造体の中空21,21及び非中空部を介して外表皮10に到達するので、第2の発光部50によって色彩等の光源の濃(中空21,21)淡(非中空部)を表現し、例えば透明感のある光、柔らかい光等の印象を乗員170に与えることができる。図4の例において、中空21,21は、ハニカム構造を形成するが、中空21,21の各々の大きさ(又は面積)及び位置を変化させることで、中空21,21(又は非中空部)それ自身で、絵、柄、模様等の所定のパターン(ブラックライトインク10a〜10iで形成される所定のパターンとは異なる)を構成してもよい。
【0034】
外表皮10及び中空構造体が弾力性を有する場合、中空構造体の弾力性によって、外表皮10の弾力性が強調され、例えば衝突吸収力を発揮することで、外表皮10の素材の安心感、爽快感を乗員170に与えることもできる。
【0035】
ライニング部30は、例えば図1のルーフライニング110等の一般的なライニング部と同様に、車両用内装構造100の基材である。例えば樹脂等で形成され、ある程度の硬さを有するライニング部30(基材)は、第2の発光部50によって照射される光に対して透過可能に形成される。外表皮10が中空構造体を介してライニング部30上に形成されることで、第1の発光部5及び第2の発光部50による多様なライトアップをライニング部30の車室150内側に提供することができる。
【0036】
図3の例において、車両用内装構造100は、LED基板53をライニング部30に固定するためのスペーサ40を更に備えているが、LED素子51,52の厚みが薄い場合、LED基板53を車体60に直接に固定する場合等、スペーサ40は、省略してもよい。
【0037】
図5は、第1の発光部5及び第2の発光部50を制御する制御システムの機能ブロック図の1例を示す。図5の例において、制御部300は、例えばバッテリ310(直流電源)に接続され、バッテリ310は、制御部300に電力を供給することができる。制御部300は、例えば定電圧回路を有し、例えば12Vのバッテリ電源電圧を例えば5Vのロジック電源電圧に変換することができる。制御部300は、例えばロジック電源電圧で動作可能な論理回路を有して、第1の発光部5及び第2の発光部50の各々を点灯又は消灯させる。また、制御部300は、例えば電源回路を有し、電源回路から第1の発光部5及び第2の発光部50の各々に電力の供給を開始し、その供給を継続し又は停止することができる。なお、制御部300は、電子制御ユニット(ECU)で構成することができるが、代替的に、バッテリ310を第1の発光部5及び第2の発光部50の電源として採用することで、制御部300は、簡易的なスイッチだけで構成してもよい。
【0038】
制御部300は、乗員170のON操作又はON動作に応じて第1の発光部5(紫外線発光部、ブラックライト)を点灯させ、紫外線を外表皮10の表面11に照射させることができる。また、制御部300は、乗員170のOFF操作又はOFF動作に応じて第1の発光部5を消灯させ、紫外線の照射を停止させることができる。同様に、制御部300は、乗員170のON操作又はON動作に応じて第2の発光部50(可視光線発光部)を点灯させ、可視光線を外表皮10の裏面12に照射させることができる。また、制御部300は、乗員170のOFF操作又はOFF動作に応じて第2の発光部50を消灯させ、可視光線の照射を停止させることができる。
【0039】
第1の発光部5又は第2の発光部50の何れか一方のみを点灯させる場合、第1の発光部5のOFF操作を第2の発光部50のON操作と連動させることができる。即ち、第1の発光部5のOFF操作によって第1の発光部5が消灯された時、第2の発光部50の点灯を開始することができる。従って、外表皮10は、第1の発光部5によって紫外線が照射されていない時に第2の発光部50によって照射される光を車室150内側の方向DR1に透過可能に形成される。第1の発光部5から第2の発光部50に切り替える前に、第2の発光部50からの透過光が視認不可能であり、内装の印象が変化する程度が高く、乗員170の満足感が向上する。
【0040】
同様に、第2の発光部50のOFF操作を第1の発光部5のON操作と連動させることができる。即ち、第2の発光部50のOFF操作によって第2の発光部50が消灯された時、第1の発光部5の点灯を開始することができる。従って、第2の発光部50によって照射される光は、第1の発光部5によって紫外線が照射されている時に遮断されている。外表皮10を介した第2の発光部50の光源からの光の透過が遮断されているので、第1の発光部5によって所定のパターンがより確実に視認可能になる。
【0041】
このように、制御部300は、第1の発光部5及び第2の発光部50を切り替えることができるが、さらに、第2の発光部50が複数の光源を有する場合、制御部300は、複数の光源を切り替えることができる。発光部5を消灯して第2の発光部50を点灯する際、制御部300は、例えば黄色LED素子51又は例えば青色LED素子52の何れか一方のみを点灯させることができる。
【0042】
例えば暖色が制御部300に設定されている場合、第2の発光部50を点灯する時に黄色LED素子51のみを点灯することができる。代替的に、例えば寒色が制御部300に設定されている場合、第2の発光部50を点灯する時に青色LED素子52のみを点灯することができる。なお、青色LED素子52を青色以外の水色、紫色等の寒色LED素子に変更してもよい。制御部300は、センサ320に接続されてもよく、センサ320は、外気等の気温を感知し、又は乗員170の表情等を解析して170の気分を推定感知してもよい。即ち、制御部300は、センサ320の感知結果又は推定結果に応じて、暖色又は寒色を自動的に設定してもよい。このような制御例を実行できるように、第2の発光部50の光源は、制御部300によって少なくとも2色の各々の光を切り替え可能に発光してもよい。第2の発光部50による色彩を例えば乗員170の気持ちに応じて変化させることで、乗員170の快適性を向上させることができる。ただし、乗員170の好みに応じて、乗員170自身によって暖色又は寒色が制御部300に手動的に設定されてもよい。
【0043】
制御部300は、例えば複数の黄色LED素子51を同時に点灯し、且つ例えば複数の青色LED素子51を同時に消灯することができるが、個々のLED素子51,52を独立して制御してもよい。言い換えれば、LED基板53をLED表示パネルとしてみなして、個々のLED素子51,52の点灯又は消灯で所定のパターン(ブラックライトインク10a〜10iで形成される所定のパターンとは異なる)を形成してもよい。
【0044】
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
【符号の説明】
【0045】
5・・・紫外線発光部(第1の発光部)、10・・・外表皮、10a〜10i・・・ブラックライトインク(所定のパターン)、11・・・表面、12・・・裏面、21・・・中空(中空構造体)、30・・・ライニング部(基材)、40・・・スペーサ、50・・・可視光線発光部(第2の発光部)、51,52・・・LED素子(光源)、53・・・LED基板、60・・・車体、100・・車両用内装構造、110・・・ルーフライニング、120,121・・・ドアラニング、130・・・インストルメントパネル、140・・・フロントガラス、150・・・車室、160・・・シート、170・・・乗員、171・・・眼、180・・・メータ、200・・・車両、300・・・制御部、310・・・バッテリ、320・・・センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のパターンが形成される車室内側の表面及び前記車室内側とは反対側の裏面を有し、第1の発光部によって紫外線が前記表面に照射される時に前記所定のパターンを視認可能にする外表部と、
前記反対側の方向に配置され、前記第1の発光部とは異なる光源を有する第2の発光部と、
を備え、
前記外表部は、前記第1の発光部によって前記紫外線が照射されていない時に前記第2の発光部によって照射される光を前記車室内側の方向に透過可能に形成されることを特徴とする車両用内装構造。
【請求項2】
前記第2の発光部によって照射される前記光は、前記第1の発光部によって前記紫外線が照射されている時に遮断されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装構造。
【請求項3】
前記外表部と前記第2の発光部との間に配置される複数の中空構造体を
さらに備え、
前記外表部及び前記中空構造体は、弾力性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用内装構造。
【請求項4】
前記中空構造体と前記第2の発光部との間に配置され、前記第2の発光部によって照射される前記光が透過可能なライニング部を
さらに備えることを特徴とする請求項3に記載の車両用内装構造。
【請求項5】
前記第2の発光部の前記光源は、少なくとも2色の各々の光を切り替え可能に発光することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用内装構造。
【請求項6】
前記外表部の前記表面は、第1の発光部によって紫外線が前記表面に照射されない時に無地であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両用内装構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−107547(P2013−107547A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255413(P2011−255413)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】